JP2004132882A - 静圧動圧検知センサ - Google Patents
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Abstract
【課題】従来の圧力センサは、静圧と動圧を同一センサでに高精度で検知できないという課題があった。
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するために、一方の面に第一の電極11、他方の面に第二の電極12が形成された圧電材料からなる固定基板13と、一方の面に第三の電極14が形成された絶縁材料からなるダイアフラム15と、前記第二12の電極と前記第三の電極13の少なくとも一方の周縁部に接着層16を備え、前記第二の電極12と前記第三の電極14が対向するように前記固定基板13と前記ダイアフラム15とを接合して静圧動圧検知センサを構成し、第二の電極12と第三の電極13間の静電容量により静圧を検知し、第一の電極11と第二の電極12間の発生電圧により振動を検知することができるため、一つのセンサで精度良く静圧と動圧を検知することができる。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は、上記課題を解決するために、一方の面に第一の電極11、他方の面に第二の電極12が形成された圧電材料からなる固定基板13と、一方の面に第三の電極14が形成された絶縁材料からなるダイアフラム15と、前記第二12の電極と前記第三の電極13の少なくとも一方の周縁部に接着層16を備え、前記第二の電極12と前記第三の電極14が対向するように前記固定基板13と前記ダイアフラム15とを接合して静圧動圧検知センサを構成し、第二の電極12と第三の電極13間の静電容量により静圧を検知し、第一の電極11と第二の電極12間の発生電圧により振動を検知することができるため、一つのセンサで精度良く静圧と動圧を検知することができる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、静圧動圧検知センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の圧力検知センサは図9に示すように一方の面に第一の電極1が形成された電気絶縁性材料からなる固定基板2と、第二の電極3が表面に形成された電気絶縁性材料からなるダイアフラム4と、前記第一の電極と前記第二の電極とが対向配置するように接着層5を介して前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合して構成されている。そして圧力印加によって前記ダイアフラムが変形し、電極間距離が変化することによって電極間に生ずる静電容量が変化し印加圧力を検知するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−97422号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の圧力検知については、ダイアフラムの撓みを検知するため、静圧のみの検知であり、動圧を高精度に検知することはできなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、一方の面に第一の電極、他方の面に第二の電極が形成された圧電材料からなる固定基板と、一方の面に第三の電極が形成された絶縁材料からなるダイアフラムと、前記第二の電極と前記第三の電極の少なくとも一方の周縁部に接着層を備え、前記第二の電極と前記第三の電極が対向するように前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合した静圧動圧検知センサである。
【0006】
上記発明によれば、第二の電極と第三の電極間の静電容量によって静圧を検知し、動圧は固定基板を構成している圧電材料の圧電効果によって電圧が発生するため、この固定基板の両面に形成された第一の電極と第二の電極間に発生する出力電圧を検知することによって、1つのセンサで容易に静圧と動圧が検知できる。また固定基板とダイアフラムの動圧が検知できるため、同時に上下の振動検知ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、一方の面に第一の電極、他方の面に第二の電極が形成された圧電材料からなる固定基板と、一方の面に第三の電極が形成された絶縁材料からなるダイアフラムと、前記第二の電極と前記第三の電極の少なくとも一方の周縁部に接着層を備え、前記第二の電極と前記第三の電極が対向するように前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合した静圧動圧検知センサである。
【0008】
そして第二の電極と第三の電極間の静電容量により静圧を検知し、第一の電極と第二の電極間あるいは第三の電極と第四の電極間の発生電圧により振動を検知することができるため、一つのセンサで精度良く静圧と動圧を検知することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、静電容量検知手段によって第二の電極と第三の電極間の静電容量を検知する構成とした静圧動圧検知センサである。
【0010】
そして、静電容量検知手段を設けることによって、静圧力印加によって変化した静電容量を簡単な構成で容易に検知することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、第一の電極と第二の電極間の電圧を検知する第一の電圧検知手を設けて動圧を検知する構成とした静圧動圧検知センサである。
【0012】
そして、電圧検知手段を設けることによって圧電材料である固定基板に動圧力が印加されたとき、圧電効果によって固定基板に電圧が発生するため、固定基板の両面に配置された第一の電極と第二の電極間に発生する出力電圧を容易に検出することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、固定基板をチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体で構成した静圧動圧検知センサである。
【0014】
そして、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体の圧電セラミック粉体は工業的に多量に利用されているので、安価であり、入手も容易であるため、高感度で安価な静圧動圧検知センサが提供できる。
【0015】
請求項5記載の発明は、ダイアフラムをアルミナで構成した静圧動圧検知センサである。
【0016】
そして、アルミナは工業的に多量に利用されているので、安価であり、入手も容易であるため、高感度で安価な静圧動圧検知センサが提供できる。
【0017】
請求項6記載の発明は、少なくとも第二の電極と第三の電極は金属レジネ−トペ−ストを用いて印刷形成した静圧動圧検知センサである。
【0018】
そして、電極を金属レジネ−トペ−ストを用いて印刷形成することによって薄膜の電極が容易に形成できるため、第二の電極と第三の電極間距離に及ぼす電極膜厚の影響を低減できるため初期容量のばらつきを低減できる。
【0019】
請求項7記載の発明は、接着層にスペ−サを設けた固定基板をチタン酸鉛で構成した静圧動圧検知センサである。
【0020】
そして、接着層にスペ−サを設けることによって第二の電極と第三の電極との間の電極間距離が管理できるため初期容量のばらつきを低減できる。
【0021】
請求項8記載の発明は、第二の電極または第三の電極を主電極と参照電極とから構成した静圧動圧検知センサである。
【0022】
そして、主電極と参照電極の各々の静電容量比を出力として得ることによって温度特性の影響を除去することができるため信頼性の高い出力が得られる。
【0023】
【実施例】
以下、本説明の実施例について図面を用いて説明する。
【0024】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における静圧動圧検知センサの断面図である。
【0025】
この静圧動圧検知センサは、一方の面に第一の電極11、他方の面に第二の電極12が形成された圧電材料からなる固定基板13と、一方の面に第三の電極14が形成された絶縁材料からなるダイアフラム15と、前記第二の電極12と前記第三の電極14との少なくとも一方の周縁部に形成した接着層16とを備え、前記第二の電極12と前記第三の電極14とが対向配置しかつ前記接着層16を介して前記固定基板13と前記ダイアフラム15とを接合して構成した。ここで、第一の電極11、第二の電極12、第三の電極14は金レジネートをスクリーン印刷法で25μmの厚みで形成し、脱脂・焼成して0.1μmの厚みとした。このため電極膜厚は1μm以下で形成可能となり、電極膜厚が第二の電極12と第三の電極14の電極間距離に及ぼす影響を低減できる。このためセンサばらつきを抑制できる。また第一の電極11と第二の電極12が形成された固定基板13は圧電材料としてチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体である圧電セラミックを使用した。また一方の面に第三の電極14が形成されたダイアフラム15は、絶縁材料としてアルミナを使用した。固定基板13とダイアフラム15で使用した圧電セラミックとアルミナは工業的に多量に利用されているので、安価であり、入手も容易であるため、高感度で安価な静圧動圧検知センサが提供できる。
【0026】
さらに固定基板13とダイアフラム15との接着は固定基板13の周縁部に形成した接着層16によって行った。本実施例では接着層16として固定基板13及びダイアフラム15と同程度の熱膨張係数を有するガラスペ−ストを使用した。
【0027】
次に本発明の静圧動圧検知センサの動作を説明する。
【0028】
この静圧動圧検知センサに静圧が印加された場合、図2に示すようにダイアフラム15は撓み、第二の電極12と第三の電極14の電極間距離は小さくなる。静電容量はC=εSX−1(εは誘電率、Sは電極面積、Xは電極間距離)で表され、圧力が印加されるとXが小さくなるため出力である静電容量は増加する。
【0029】
このため容量値を検出することによって静圧を検出することができる。
【0030】
また、動圧が印加された場合においてはその動圧が圧電材料である固定基板13に伝達され、圧電効果によって電圧が発生する。この固定基板13の両面に形成された第一の電極11と第二の電極間12に発生する出力電圧を検知することによって容易かつ高精度に動圧が検知可能となる。
【0031】
図3に第二の電極12と第三の電極14間の静電容量を検知する静電容量検知手段17を設けて静圧を検知する静圧動圧検知センサの構成図を示す。この容量検知手段17は第二の電極12と第三の電極14間の静電容量によって静圧を検出するもので、図4に荷重と静電容量検知手段17の出力との関係を示した。この結果から、第二の電極12と第三の電極14間の静電容量を静圧検知手段17によって検出することで容易に静圧を検出できることが解る。
【0032】
図5に固定基板13の両面に形成された第一の電極11と第二の電極間12に発生する出力電圧を検知する電圧検知手段18を設けた静圧動圧検知センサの構成図を示す。この電圧検知手段18は動圧印加時に圧電効果によって電圧が発生する電圧値を検出する。図6に本発明の静圧動圧検知センサを布団の下に配設し、その上に人間が寝たときの電圧検知手段18の出力結果を示す。この結果、人体からの振動である呼吸振動、心拍振動が検知できるほど高感度であることが解った。このため本発明の静圧動圧検知センサは、一つのセンサで静圧と動圧が精度良く検知できる。
【0033】
(実施例2)
図7は本発明の実施例2の静圧動圧検知センサの断面図である。
【0034】
本実施例2において、実施例1と異なる点は接着層16にスペ−サ19を設けた点である。なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0035】
本実施例においてスペ−サ19は接着層16と同じ熱膨張係数を有するガラスビ−ズ(Φ45μm)を使用した。このスペ−サ19によって第二の電極12と第三の電極14間の電極間距離がスペ−サ19によって管理できるため固定基板13とダイアフラム15間の静電容量のばらつきを低減することが出来る。スペ−サ19を設けた静圧動圧検知センサとスペーサ19を設けない静圧動圧センサを各100個作成しその初期容量のばらつきを評価した。スペーサ19がない静圧動圧検知センサは標準偏差が約10%あるのに対しスペーサ19を設けた静圧動圧検知センサの標準偏差は約1.5%になり、1/6に低減することが出来た。この結果ばらつきのない精度良い静圧動圧検知センサが容易に実現できる。
【0036】
(実施例3)
図8(a)は本発明の実施例3の静圧動圧検知センサの断面図であり、図8(b)は第三の電極の上面図である。本実施例3において、実施例1及び2と異なる点は第三の電極14を主電極20と参照電極21で構成した点である。本実施例において主第三の電極14である主電極20と参照電極21は金レジネ−トで印刷成形し、参照電極21は主電極20の円周部に形成した。各々の出力の比を出力とすることによって、ダイアフラム15の温度特性をキャンセルすることが可能となる。つまり第三の電極14として一つの容量値のみを出力とした場合、ダイアフラム15自身の温度特性によって第二の電極12と第三の電極14間の静電容量値は変化してしまう。しかし本実施例のように第三の電極14を主電極20と参照電極21で構成し、出力として主電極20と参照電極21の比をとることによって、温度特性をキャンセルすることが可能となる。このため容易な構成で精度の良いセンサ出力を得ることが可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、一方の面に第一の電極、他方の面に第二の電極が形成された圧電材料からなる固定基板と、一方の面に第三の電極が形成された絶縁材料からなるダイアフラムと、前記第二の電極と前記第三の電極の少なくとも一方の周縁部に接着層を備え、前記第二の電極と前記第三の電極が対向するように前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合して静圧動圧検知センサを構成し、第二の電極と第三の電極間の静電容量によって静圧を検知し、圧電材料で構成された固定基板あるいはダイアフラムの圧電効果によって動圧を検知可能となり、1つのセンサで静圧と動圧が同時に検知可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における静圧動圧検知センサの断面図
【図2】同静圧動圧検知センサの静力印加時の断面図
【図3】同可撓性圧電素子の断面図と静電容量を検出するための構成図
【図4】同可撓性圧電素子の静圧とセンサ出力の特性図
【図5】同可撓性圧電素子の断面図と第一の電圧を検出するための構成図
【図6】同可撓性圧電素子の動圧とセンサ出力の特性図
【図7】本発明の実施例2における静圧動圧検知センサの断面図
【図8】(a)本発明の実施例3における静圧動圧検知センサの断面図
(b)同静圧動圧検知センサの第三の電極の上面図
【図9】従来の可撓性圧電素子の断面図
【符号の説明】
11 第一の電極
12 第二の電極
13 固定基板
14 第三の電極
15 ダイアフラム
16 接着層
17 静電容量検知手段
18 電圧検知手段
19 スペ−サ
20 主電極
21 参照電極
【発明の属する技術分野】
本発明は、静圧動圧検知センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の圧力検知センサは図9に示すように一方の面に第一の電極1が形成された電気絶縁性材料からなる固定基板2と、第二の電極3が表面に形成された電気絶縁性材料からなるダイアフラム4と、前記第一の電極と前記第二の電極とが対向配置するように接着層5を介して前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合して構成されている。そして圧力印加によって前記ダイアフラムが変形し、電極間距離が変化することによって電極間に生ずる静電容量が変化し印加圧力を検知するものである(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開昭57−97422号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の圧力検知については、ダイアフラムの撓みを検知するため、静圧のみの検知であり、動圧を高精度に検知することはできなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、一方の面に第一の電極、他方の面に第二の電極が形成された圧電材料からなる固定基板と、一方の面に第三の電極が形成された絶縁材料からなるダイアフラムと、前記第二の電極と前記第三の電極の少なくとも一方の周縁部に接着層を備え、前記第二の電極と前記第三の電極が対向するように前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合した静圧動圧検知センサである。
【0006】
上記発明によれば、第二の電極と第三の電極間の静電容量によって静圧を検知し、動圧は固定基板を構成している圧電材料の圧電効果によって電圧が発生するため、この固定基板の両面に形成された第一の電極と第二の電極間に発生する出力電圧を検知することによって、1つのセンサで容易に静圧と動圧が検知できる。また固定基板とダイアフラムの動圧が検知できるため、同時に上下の振動検知ができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、一方の面に第一の電極、他方の面に第二の電極が形成された圧電材料からなる固定基板と、一方の面に第三の電極が形成された絶縁材料からなるダイアフラムと、前記第二の電極と前記第三の電極の少なくとも一方の周縁部に接着層を備え、前記第二の電極と前記第三の電極が対向するように前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合した静圧動圧検知センサである。
【0008】
そして第二の電極と第三の電極間の静電容量により静圧を検知し、第一の電極と第二の電極間あるいは第三の電極と第四の電極間の発生電圧により振動を検知することができるため、一つのセンサで精度良く静圧と動圧を検知することができる。
【0009】
請求項2記載の発明は、静電容量検知手段によって第二の電極と第三の電極間の静電容量を検知する構成とした静圧動圧検知センサである。
【0010】
そして、静電容量検知手段を設けることによって、静圧力印加によって変化した静電容量を簡単な構成で容易に検知することができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、第一の電極と第二の電極間の電圧を検知する第一の電圧検知手を設けて動圧を検知する構成とした静圧動圧検知センサである。
【0012】
そして、電圧検知手段を設けることによって圧電材料である固定基板に動圧力が印加されたとき、圧電効果によって固定基板に電圧が発生するため、固定基板の両面に配置された第一の電極と第二の電極間に発生する出力電圧を容易に検出することができる。
【0013】
請求項4記載の発明は、固定基板をチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体で構成した静圧動圧検知センサである。
【0014】
そして、チタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体の圧電セラミック粉体は工業的に多量に利用されているので、安価であり、入手も容易であるため、高感度で安価な静圧動圧検知センサが提供できる。
【0015】
請求項5記載の発明は、ダイアフラムをアルミナで構成した静圧動圧検知センサである。
【0016】
そして、アルミナは工業的に多量に利用されているので、安価であり、入手も容易であるため、高感度で安価な静圧動圧検知センサが提供できる。
【0017】
請求項6記載の発明は、少なくとも第二の電極と第三の電極は金属レジネ−トペ−ストを用いて印刷形成した静圧動圧検知センサである。
【0018】
そして、電極を金属レジネ−トペ−ストを用いて印刷形成することによって薄膜の電極が容易に形成できるため、第二の電極と第三の電極間距離に及ぼす電極膜厚の影響を低減できるため初期容量のばらつきを低減できる。
【0019】
請求項7記載の発明は、接着層にスペ−サを設けた固定基板をチタン酸鉛で構成した静圧動圧検知センサである。
【0020】
そして、接着層にスペ−サを設けることによって第二の電極と第三の電極との間の電極間距離が管理できるため初期容量のばらつきを低減できる。
【0021】
請求項8記載の発明は、第二の電極または第三の電極を主電極と参照電極とから構成した静圧動圧検知センサである。
【0022】
そして、主電極と参照電極の各々の静電容量比を出力として得ることによって温度特性の影響を除去することができるため信頼性の高い出力が得られる。
【0023】
【実施例】
以下、本説明の実施例について図面を用いて説明する。
【0024】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1における静圧動圧検知センサの断面図である。
【0025】
この静圧動圧検知センサは、一方の面に第一の電極11、他方の面に第二の電極12が形成された圧電材料からなる固定基板13と、一方の面に第三の電極14が形成された絶縁材料からなるダイアフラム15と、前記第二の電極12と前記第三の電極14との少なくとも一方の周縁部に形成した接着層16とを備え、前記第二の電極12と前記第三の電極14とが対向配置しかつ前記接着層16を介して前記固定基板13と前記ダイアフラム15とを接合して構成した。ここで、第一の電極11、第二の電極12、第三の電極14は金レジネートをスクリーン印刷法で25μmの厚みで形成し、脱脂・焼成して0.1μmの厚みとした。このため電極膜厚は1μm以下で形成可能となり、電極膜厚が第二の電極12と第三の電極14の電極間距離に及ぼす影響を低減できる。このためセンサばらつきを抑制できる。また第一の電極11と第二の電極12が形成された固定基板13は圧電材料としてチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体である圧電セラミックを使用した。また一方の面に第三の電極14が形成されたダイアフラム15は、絶縁材料としてアルミナを使用した。固定基板13とダイアフラム15で使用した圧電セラミックとアルミナは工業的に多量に利用されているので、安価であり、入手も容易であるため、高感度で安価な静圧動圧検知センサが提供できる。
【0026】
さらに固定基板13とダイアフラム15との接着は固定基板13の周縁部に形成した接着層16によって行った。本実施例では接着層16として固定基板13及びダイアフラム15と同程度の熱膨張係数を有するガラスペ−ストを使用した。
【0027】
次に本発明の静圧動圧検知センサの動作を説明する。
【0028】
この静圧動圧検知センサに静圧が印加された場合、図2に示すようにダイアフラム15は撓み、第二の電極12と第三の電極14の電極間距離は小さくなる。静電容量はC=εSX−1(εは誘電率、Sは電極面積、Xは電極間距離)で表され、圧力が印加されるとXが小さくなるため出力である静電容量は増加する。
【0029】
このため容量値を検出することによって静圧を検出することができる。
【0030】
また、動圧が印加された場合においてはその動圧が圧電材料である固定基板13に伝達され、圧電効果によって電圧が発生する。この固定基板13の両面に形成された第一の電極11と第二の電極間12に発生する出力電圧を検知することによって容易かつ高精度に動圧が検知可能となる。
【0031】
図3に第二の電極12と第三の電極14間の静電容量を検知する静電容量検知手段17を設けて静圧を検知する静圧動圧検知センサの構成図を示す。この容量検知手段17は第二の電極12と第三の電極14間の静電容量によって静圧を検出するもので、図4に荷重と静電容量検知手段17の出力との関係を示した。この結果から、第二の電極12と第三の電極14間の静電容量を静圧検知手段17によって検出することで容易に静圧を検出できることが解る。
【0032】
図5に固定基板13の両面に形成された第一の電極11と第二の電極間12に発生する出力電圧を検知する電圧検知手段18を設けた静圧動圧検知センサの構成図を示す。この電圧検知手段18は動圧印加時に圧電効果によって電圧が発生する電圧値を検出する。図6に本発明の静圧動圧検知センサを布団の下に配設し、その上に人間が寝たときの電圧検知手段18の出力結果を示す。この結果、人体からの振動である呼吸振動、心拍振動が検知できるほど高感度であることが解った。このため本発明の静圧動圧検知センサは、一つのセンサで静圧と動圧が精度良く検知できる。
【0033】
(実施例2)
図7は本発明の実施例2の静圧動圧検知センサの断面図である。
【0034】
本実施例2において、実施例1と異なる点は接着層16にスペ−サ19を設けた点である。なお、実施例1と同一符号のものは同一構造を有し、説明は省略する。
【0035】
本実施例においてスペ−サ19は接着層16と同じ熱膨張係数を有するガラスビ−ズ(Φ45μm)を使用した。このスペ−サ19によって第二の電極12と第三の電極14間の電極間距離がスペ−サ19によって管理できるため固定基板13とダイアフラム15間の静電容量のばらつきを低減することが出来る。スペ−サ19を設けた静圧動圧検知センサとスペーサ19を設けない静圧動圧センサを各100個作成しその初期容量のばらつきを評価した。スペーサ19がない静圧動圧検知センサは標準偏差が約10%あるのに対しスペーサ19を設けた静圧動圧検知センサの標準偏差は約1.5%になり、1/6に低減することが出来た。この結果ばらつきのない精度良い静圧動圧検知センサが容易に実現できる。
【0036】
(実施例3)
図8(a)は本発明の実施例3の静圧動圧検知センサの断面図であり、図8(b)は第三の電極の上面図である。本実施例3において、実施例1及び2と異なる点は第三の電極14を主電極20と参照電極21で構成した点である。本実施例において主第三の電極14である主電極20と参照電極21は金レジネ−トで印刷成形し、参照電極21は主電極20の円周部に形成した。各々の出力の比を出力とすることによって、ダイアフラム15の温度特性をキャンセルすることが可能となる。つまり第三の電極14として一つの容量値のみを出力とした場合、ダイアフラム15自身の温度特性によって第二の電極12と第三の電極14間の静電容量値は変化してしまう。しかし本実施例のように第三の電極14を主電極20と参照電極21で構成し、出力として主電極20と参照電極21の比をとることによって、温度特性をキャンセルすることが可能となる。このため容易な構成で精度の良いセンサ出力を得ることが可能となる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、一方の面に第一の電極、他方の面に第二の電極が形成された圧電材料からなる固定基板と、一方の面に第三の電極が形成された絶縁材料からなるダイアフラムと、前記第二の電極と前記第三の電極の少なくとも一方の周縁部に接着層を備え、前記第二の電極と前記第三の電極が対向するように前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合して静圧動圧検知センサを構成し、第二の電極と第三の電極間の静電容量によって静圧を検知し、圧電材料で構成された固定基板あるいはダイアフラムの圧電効果によって動圧を検知可能となり、1つのセンサで静圧と動圧が同時に検知可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における静圧動圧検知センサの断面図
【図2】同静圧動圧検知センサの静力印加時の断面図
【図3】同可撓性圧電素子の断面図と静電容量を検出するための構成図
【図4】同可撓性圧電素子の静圧とセンサ出力の特性図
【図5】同可撓性圧電素子の断面図と第一の電圧を検出するための構成図
【図6】同可撓性圧電素子の動圧とセンサ出力の特性図
【図7】本発明の実施例2における静圧動圧検知センサの断面図
【図8】(a)本発明の実施例3における静圧動圧検知センサの断面図
(b)同静圧動圧検知センサの第三の電極の上面図
【図9】従来の可撓性圧電素子の断面図
【符号の説明】
11 第一の電極
12 第二の電極
13 固定基板
14 第三の電極
15 ダイアフラム
16 接着層
17 静電容量検知手段
18 電圧検知手段
19 スペ−サ
20 主電極
21 参照電極
Claims (8)
- 一方の面に第一の電極、他方の面に第二の電極が形成された圧電材料からなる固定基板と、一方の面に第三の電極が形成された絶縁材料からなるダイアフラムと、前記第二の電極と前記第三の電極の少なくとも一方の周縁部に接着層を備え、前記第二の電極と前記第三の電極が対向するように前記固定基板と前記ダイアフラムとを接合した静圧動圧検知センサ。
- 第二の電極と第三の電極間の静電容量を検知する静電容量検知手段を設けて静圧を検知する請求項1記載の静圧動圧検知センサ。
- 第一の電極と第二の電極間の電圧を検知する電圧検知手段を設けて動圧を検知する請求項1または2記載の静圧動圧検知センサ。
- 固定基板はチタン酸鉛とジルコン酸鉛の固溶体である請求項1または3のいずれか1項記載の静圧動圧検知センサ。
- ダイアフラムをアルミナで形成した請求項1または4のいずれか1項記載の静圧動圧検知センサ。
- 少なくとも第二の電極と第三の電極は金属レジネ−トペ−ストを用いて印刷形成した請求項1または5のいずれか1項記載の静圧動圧検知センサ。
- 接着層にスペ−サを設けた請求項1または6のいずれか1項記載の静圧動圧検知センサ。
- 第二の電極または第三の電極を主電極と参照電極とから構成した請求項1または7のいずれか1項記載の静圧動圧検知センサ。
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JP2014519037A (ja) * | 2011-06-03 | 2014-08-07 | ピーゾクリスト・アドヴァンスド・センソリクス・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング | 圧力及び/又は力を測定するためのセンサ |
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-
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- 2002-10-11 JP JP2002299041A patent/JP2004132882A/ja active Pending
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