JPH11256335A - 金属窒化物膜の化学的気相成長方法およびこれを用いた電子装置の製造方法 - Google Patents

金属窒化物膜の化学的気相成長方法およびこれを用いた電子装置の製造方法

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JPH11256335A
JPH11256335A JP5535198A JP5535198A JPH11256335A JP H11256335 A JPH11256335 A JP H11256335A JP 5535198 A JP5535198 A JP 5535198A JP 5535198 A JP5535198 A JP 5535198A JP H11256335 A JPH11256335 A JP H11256335A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高段差を有する被処理基板に対しても、段差
被覆性や対称性等の成膜形状に優れた金属窒化物膜の化
学的気相成長方法、およびこれを用いた電子装置の製造
方法を提供する。 【解決手段】 プラズマの発光スペクトルから観測され
る金属イオン(M+ )の主発光スペクトル強度が、金属
原子(M)の主発光スペクトル強度よりも強いプラズマ
生成条件を用いた化学的気相成長方法を採用して、金属
窒化物膜を形成する。 【効果】 金属イオンはその方向性を磁界あるいは電界
により制御することができる。このため、金属イオンを
被処理基板に対し、略垂直方向から入射することによ
り、高アスペクト比の接続孔23に対しても、良好なボ
トムカバレッジで金属窒化物膜24を形成することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属窒化物膜の化学
的気相成長(CVD)方法およびこれを用いた電子装置
の製造方法に関し、さらに詳しくは、表面に高段差を有
する被処理基板上にステップカバレッジ良く成膜するこ
とが可能な金属窒化物膜の化学的気相成長方法およびこ
れを用いた電子装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ULSI(Ultra Large Scale Integrate
d Circuits) 等の半導体装置のデザインルールがサブク
ォータミクロンのレベルへと微細化し、かつ多層配線構
造が多用されつつある。この高集積化にともない、上層
配線と下層配線、あるいは上層配線と半導体基板とを電
気的に接続する、ビアホール(Via Hole)やコンタクトホ
ール等の接続孔のアスペクト比も増大する傾向にある。
例えば、最小デザインルールが0.18μmの半導体装
置においては、接続孔の開口径は0.24μm程度であ
るのに対し、層間絶縁膜は1.0μm程度の厚さである
ので、接続孔のアスペクト比は4.0以上となる。高ア
スペクト比の接続孔は、薄膜磁気ヘッド装置等の各種電
子装置にも適用される。
【0003】このような高アスペクト比の接続孔によ
り、低抵抗で信頼性の高い多層配線構造を実現するため
には、低抵抗かつオーミックなコンタクト部分の形成
と、配線材料等の拡散の防止が必要となる。このために
は、接続孔内にオーミックコンタクト用のTi等の密着
層と、TiN等の金属窒化物膜からなる拡散バリア層を
この順に形成し、この後、上層配線材料やコンタクトプ
ラグ材料を埋め込むことがおこなわれる。
【0004】コンタクトプラグ材料としては、W等の高
融点金属が主に採用される。コンタクトプラグの形成方
法としては選択CVD(Chemical Vapor Deposition) 法
により接続孔内に高融点金属を選択的に埋め込んだり、
ブランケットCVD法およびこれに続くエッチバックや
化学的機械研磨により、接続孔内に高融点金属を残して
形成される。
【0005】またコンタクトプラグと上層配線を同一材
料で形成する場合には、Al系金属やCu系金属が主と
して採用される。これらの金属材料は、高温スパッタリ
ングやCVD法により成膜される。特に、接続孔上の層
間絶縁膜に埋め込み配線用の配線溝を予め形成してお
き、これらの構造体上に配線材料を厚く形成した後、層
間絶縁膜上の不要な配線材料を化学的機械研磨法で除去
して、コンタクトプラグと上層配線を同時に形成する方
法が、スループットの高さや平坦性の観点から注目を集
めている。この方法は、デュアルダマシンプロセス(Dua
l Damascene Process)と呼ばれる。
【0006】いずれの方法においても、接続孔内に拡散
防止用のバリア層を薄く、かつステップカバレッジ良く
形成することが重要なポイントとなる。バリア層に不連
続部分が有ると、その部分から拡散が進み、不所望の高
抵抗合金層の形成や、ジャンクションリーク発生等の事
故が発生する。
【0007】従来よりバリア層の形成には反応性スパッ
タリング法が多く用いられてきた。しかしながら、スパ
ッタリング法においては、成膜にあずかるスパッタリン
グ粒子の被処理基板への入射角度がランダムである。こ
のため、高アスペクト比の接続孔底部へのスパッタリン
グ粒子の入射は制限され、ステップカバレッジ性能には
限界があった。
【0008】ステップカバレッジ向上のため、減圧CV
D法、すなわち熱CVD法が提案されている。この方法
は、原料ガスとして金属のハロゲン化物、例えばTiC
4とNH3 を用い、被処理基板表面での化学反応を利
用するものであり、高段差の下地に倣った形状、すなわ
ちコンフォーマル形状に成膜される。このため、接続孔
の側面にも均一な厚さのバリア層が形成され、接続孔の
開口幅が狭まり、その後の工程でコンタクトプラグ材料
等を埋め込む際に内部にボイドを発生する場合がある。
また副反応生成物としてNH4 Cl粒子が生成され、パ
ーティクルレベルを悪化させる可能性がある。さらに、
熱CVD法は熱反応を利用するので、被処理基板温度と
して数百℃以上が要求される不都合もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】プロセス温度の低温化
に対しては、プラズマCVD法が有効である。この方法
は、放電解離によりプラズマ中に励起状態の反応種を生
成し、反応種間の反応により金属窒化物を生成するので
低温化が可能となる。その反面、表面反応を利用しない
分だけ、ステップカバレッジは被処理基板表面への反応
種の入射状態に強く影響される。このため、熱CVD法
と比較すると、ステップカバレッジの面では充分でない
場合があった。
【0010】本発明は上述した問題点に鑑みて提案する
ものである。すなわち本発明の課題は、微細かつ高段差
を有する被処理基板に対して、ステップカバレッジ良く
成膜することが可能な金属窒化物膜の化学的気相成長方
法を提供することである。また本発明の別の課題は、ス
テップカバレッジの良い金属窒化物膜を拡散バリア層等
に用いた、高集積度半導体装置をはじめとする信頼性の
高い電子装置の製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の課題を解
決するために提案するものである。すなわち、本発明の
請求項1の金属窒化物膜の化学的気相成長方法は、金属
化合物ガス、窒化剤ガスおよび還元剤ガスを含む混合ガ
スの放電解離によりプラズマを生成し、被処理基板上に
金属窒化物膜を形成する工程を有する金属窒化物膜の化
学的気相成長方法であって、この金属窒化物膜の形成工
程は、プラズマの発光スペクトルから観測される金属イ
オンの主発光スペクトル強度が、同じプラズマの発光ス
ペクトルから観測される金属原子の主発光スペクトル強
度よりも強いプラズマ生成条件を用いた工程であること
を特徴とする。
【0012】また本発明の請求項2の金属窒化物膜の化
学的気相成長方法は、金属化合物ガス、窒化剤ガスおよ
び還元剤ガスを含む混合ガスの放電解離によりプラズマ
を生成し、被処理基板上に金属窒化物膜を形成する工程
を有する金属窒化物膜の化学的気相成長方法であって、
この金属窒化物膜の形成工程における、混合ガスに対す
る金属化合物ガスの流量比は、プラズマの発光スペクト
ルから観測される金属イオンの主発光スペクトル強度
が、同じプラズマの発光スペクトルから観測される金属
原子の主発光スペクトル強度よりも強くなる流量比であ
ることを特徴とする。
【0013】つぎに本発明の請求項7の電子装置の製造
方法は、金属化合物ガス、窒化剤ガスおよび還元剤ガス
を含む混合ガスの放電解離によりプラズマを生成し、被
処理基板上に金属窒化物膜を形成する工程を有する電子
装置の製造方法であって、この金属窒化物膜の形成工程
は、プラズマの発光スペクトルから観測される金属イオ
ンの主発光スペクトル強度が、同じプラズマの発光スペ
クトルから観測される金属原子の主発光スペクトル強度
よりも強いプラズマ生成条件を用いた工程であることを
特徴とする。
【0014】さらに本発明の請求項8の電子装置の製造
方法は、金属化合物ガス、窒化剤ガスおよび還元剤ガス
を含む混合ガスの放電解離によりプラズマを生成し、被
処理基板上に金属窒化物膜を形成する工程を有する電子
装置の製造方法であって、この金属窒化物膜の形成工程
における、混合ガスに対する金属化合物ガスの流量比
は、プラズマの発光スペクトルから観測される金属イオ
ンの主発光スペクトル強度が、同じプラズマの発光スペ
クトルから観測される金属原子の主発光スペクトル強度
よりも強くなる流量比であることを特徴とする。
【0015】いずれの発明においても、金属化合物ガス
としては、金属フッ化物、金属塩化物、金属臭化物ある
いは金属沃化物等の金属ハロゲン化物ガスが例示される
が、有機金属化合物であってもよい。金属としては、T
i、Ta、W等の高融点金属が望ましい。一例として、
TiCl4 (mp=−25℃、bp=136℃)、Ti
Br4 (mp=39℃、bp=230℃)、TiI
4 (mp=130℃、bp=377.1℃)、WF
6 (mp=2.5℃、bp=17.5℃)あるいはTa
5 (mp=96.8℃、bp=229.5℃)があげ
られる。これらのうち、TiCl4 のように室温で液体
の金属化合物は、取り扱いの簡便さから好ましく使用す
ることができる。これら金属化合物は、公知の加熱バブ
リング法やバーニング法等により気化し、加熱配管を経
由してプラズマCVDチャンバに導入すればよい。
【0016】つぎに、本発明で採用する窒化剤ガスとし
ては、N2 、NH3 あるいはN2 4 等を例示すること
ができる。これらは、単独でも、混合して用いてもよ
い。
【0017】本発明が対象とする金属窒化物膜として
は、TiN、TaN、Ta2 N、WN、W2 N、Ti−
Si−N、Ta−Si−NあるいはW−Si−N等が例
示される。Siを含む金属窒化物膜は、原料ガス中にS
iH4 等のシラン系ガスを添加することにより形成する
ことができる。これら金属窒化物膜は、単層で用いても
複層で用いてもよい。またTi金属等の密着層と積層し
て用いてもよい。
【0018】金属窒化物膜の形成工程においては、金属
イオンを、被処理基板表面に対し、略垂直に入射させつ
つ金属窒化物膜を形成することが望ましい。金属イオン
の垂直入射は、被処理基板上での電界あるいは磁界を制
御することにより達成することができる。本発明の金属
窒化物膜の化学的気相成長方法に用いるプラズマCVD
装置としては、ECR (Electron Cyclotron Resonanc
e) プラズマCVD装置やヘリコン波プラズマCVD装
置のように、高密度プラズマ発生源を有するものが、成
膜速度や均一性の点から好ましい。しかしながら、より
一般的な平行平板型プラズマCVD装置であってもよ
い。これらプラズマCVD装置の基板ステージあるいは
基板載置電極の下部に、永久磁石あるいは電磁石を配設
することにより、磁界を制御することができる。また基
板ステージあるいは基板載置電極に、基板バイアス電位
を印加することにより、電界を制御することができる。
基板バイアスは、セルフバイアスであっても、別途バイ
アス電源を加えてもよい。
【0019】つぎに作用の説明に移る。本発明の金属窒
化物膜の形成工程においては、金属化合物ガス、窒化剤
ガスおよび還元剤ガスを含む混合ガスの放電解離により
プラズマが生成される。このプラズマ中では、金属化合
物ガスは主として電子との衝突により解離し、金属イオ
ンおよび中性の金属原子が生成される。金属イオンおよ
び金属原子は、いずれも下位のエネルギレベルに落ちる
際に固有の発光スペクトルを放射するので、この発光ス
ペクトル強度を観測することにより、プラズマ中の金属
イオンおよび金属原子の濃度を知ることができる。した
がって、金属化合物ガスの流量比等のプラズマCVD条
件の選択により、プラズマ中の金属イオンの生成が、金
属原子の生成よりも優勢な状態を出現することができ
る。
【0020】このように、金属イオンの生成が優越する
プラズマからこの金属イオンを引き出し、電界あるいは
磁界の制御により被処理基板表面に対して略垂直に入射
させれば、大口径の被処理基板に対してもステップカバ
レッジ良く、かつ均一に金属窒化物膜を形成することが
できる。ことに、開口径が微細で高アスペクト比の接続
孔においては、接続孔底部におけるボトムカバレッジを
大幅に向上することができる。また、接続孔の側面に堆
積する金属窒化物膜の厚さは僅かであるので、開口径が
狭まることがなく、後工程で埋め込まれるコンタクトプ
ラグ等にボイドが発生する虞れはない。ボトムカバレッ
ジとは、平坦な層間絶縁膜表面に形成される膜の厚さ
と、接続孔底部に形成される膜の厚さの比として定義さ
れる。接続孔底部に形成される膜は、特にそのコーナ部
分の膜厚が薄く形成され、最も薄い部分の膜厚が、ボト
ムカバレッジの測定に際して採用される。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的実施の形態
例につき添付図面を参照して説明する。
【0022】まず本発明の金属窒化物膜の化学的気相成
長方法に採用したプラズマCVD装置につき、図7およ
び図8を参照して説明する。
【0023】図7は、本発明の金属窒化物膜の化学的気
相成長方法で採用したECRプラズマCVD装置を示す
概略断面図である。すなわち、CVDチャンバ7内に
は、被処理基板1を載置した基板ステージ2が配設され
ている。この基板ステージ2に対向して、被処理基板1
に向けて開口したプラズマ生成室11が連接されてい
る。プラズマ生成室11の閉端面には、石英やアルミナ
等の誘電体材料からなるマイクロ波導入窓9が配設され
ており、マグネトロン(不図示)で発生した2.45G
Hzのマイクロ波をプラズマ生成室11内に導入する。
このマイクロ波導入窓9は、実際にマイクロ波が透過す
る、中心の矩形部分を除いて、RF印加手段6が接続さ
れる板状電極(不図示)が形成されており、このマイク
ロ波導入窓9への金属窒化物膜の付着を防止する構成と
なっている。符号10はプラズマ生成室11を囲繞する
ソレノイドコイルであり、このソレノイドコイル10で
発生する0.0875Tの磁界と2.45GHzのマイ
クロ波との相互作用により、ECR条件を達成すること
ができる。プラズマ生成室11の同じく閉端面には、第
1のガス導入孔4が配設されている。この第1のガス導
入孔4からは、窒化剤ガスと還元剤ガス等が導入され
る。一方、プラズマ生成室11の解放端面には、金属化
合物ガスやキャリアガスを導入するガスリングヘッド状
の第2のガス導入孔5が配設されている。符号12は電
磁石であり、基板ステージ2の裏面に配設され、ミラー
磁場15を形成して被処理基板1への金属イオンの入射
方向を略垂直方向に制御する。CVDチャンバ7内のプ
ラズマ発光は、このCVDチャンバ7の1側面に形成さ
れた石英等のモニタ窓を介して、プラズマモニタ13に
より観測することができる。プラズマモニタ13は、紫
外から可視光領域にかけて、プラズマを分光測定するこ
とが可能である。なおこのプラズマモニタの分光測定に
より得られる発光スペクトル強度信号を、不図示のマイ
クロコンピュータ等に入力し、予め入力しておいた設定
値と比較することにより、金属化合物ガスの流量比等を
最適値に制御する構成としてもよい。符号8は高真空ポ
ンプに接続される排気孔である。
【0024】図7に示したECRプラズマCVD装置に
よれば、プラズマ中の金属イオンおよび金属原子の発光
スペクトル強度をモニタし、第2のガス導入孔5から導
入される金属化合物ガスの流量比等の条件の制御によ
り、金属イオンが金属原子より優越したプラズマCVD
条件での金属窒化物膜の形成が可能である。
【0025】図8は本発明の金属窒化物膜の化学的気相
成長方法に用いた、他のプラズマCVD装置の例であ
る、平行平板型プラズマCVD装置である。図8では、
図7で示したECRプラズマCVD装置の構成要素と類
似の部分には、同じ参照符号を付してある。すなわち、
プラズマ生成室を兼ねるCVDチャンバ7内には、被処
理基板1を載置する基板ステージ2と、これに対向して
ガスシャワーヘッド3が配設されている。ガスシャワー
ヘッド3にはRF印加手段6からRF電力が供給される
とともに、基板ステージ2にはバイアス電位を与えるバ
イアス電源14が接続されている。ガスシャワーヘッド
3には、窒化剤ガスと還元剤ガス等が導入される第1の
ガス導入孔4と、金属化合物ガスやキャリアガスが導入
される第2のガス導入孔5が接続されている。またこの
ガスシャワーヘッド3には、被処理基板1に向けて導入
ガスを均一に噴出可能なように複数のノズルが開口され
ている。符号13はプラズマモニタであり、その構成は
図7に示したものと同様である。符号8は高真空ポンプ
に接続される排気孔である。
【0026】図8に示した平行平板型プラズマCVD装
置によれば、プラズマ中の金属イオンおよび金属原子の
発光スペクトル強度をモニタし、これによる第2のガス
導入孔5から導入される金属化合物ガスの流量比等の条
件の制御により、金属イオンが金属原子より優越したプ
ラズマCVD条件での金属窒化物膜の形成が可能であ
る。また被処理基板1の表面に近接して形成されるプラ
ズマシースによる電界により、被処理基板1に略垂直に
入射する金属イオンによる金属窒化物膜の成膜が可能で
ある。
【0027】つぎに本発明の金属窒化物膜の化学的気相
成長方法の概略を、図1(a)〜(c)を参照して説明
する。
【0028】図1(a)は本発明が適用される被処理基
板の一例であり、高集積度半導体装置の製造工程におけ
る一局面を示す要部概略断面図である。すなわち、不図
示のトランジスタ等の素子が形成されたシリコン等の半
導体基板20上に、酸化シリコン等の層間絶縁膜22を
形成し、ここに接続孔23が開口されている。接続孔2
3の底部に露出する半導体基板20表面には、不純物拡
散層21が露出しいる。
【0029】この不純物拡散層21と上層配線を電気的
に接続するためには、少なくとも拡散防止用のバリア層
を形成する必要がある。図1(b)はこのバリア層の形
成工程に本発明の金属窒化物膜の化学的気相成長方法を
適用している状態を示している。すなわち、金属化合物
ガス、窒化剤ガスおよび還元剤ガスを含む混合ガスを用
いたプラズマCVD法により、被処理基板上にバリア層
としての金属窒化物膜24を形成しつつある状態であ
る。このとき、プラズマ中にはM+ で示す金属イオン
と、Mで示す中性の金属原子が存在する。これらの励起
種は、下位のエネルギレベルへ落ちる際には、それぞれ
固有でしかも複数の波長の発光スペクトルを示す。個々
の励起種の発光スペクトルのうち、最大の強度を示す主
発光スペクトルの波長は、プラズマCVD条件、例えば
流量比等により変動する場合がある。
【0030】本発明の金属窒化物膜の化学的気相成長方
法においては、金属イオンの主発光スペクトル強度が、
金属原子の主発光スペクトル強度より大きいプラズマ生
成条件を用いる。この状態においては、プラズマ中では
金属イオンの存在量は金属原子の存在量より優越する。
金属イオンは被処理基板上に形成される磁界あるいは電
界により、その運動方向の制御が可能であり、図示のよ
うに被処理基板表面に対し、ほぼ垂直に入射する。金属
イオンは、窒化剤ガスの放電解離によりプラズマ中に生
成した窒素活性種(不図示)により窒化され、被処理基
板上に金属窒化物膜24が形成される。
【0031】金属窒化物膜24の拡散バリア性が最も問
題となる接続孔23底部においては、金属イオンの垂直
入射の効果のため、充分な膜厚に、しかも対称性良く成
膜される。一方、接続孔23の側面に形成される金属窒
化物膜24の膜厚はわずかである。
【0032】この後、図1(c)に示すように上層配線
25を形成する。上層配線材料としては、タングステン
等の高融点金属、Al系金属、Cu系金属、Ag系金属
あるいは多結晶シリコン等いかなる材料であってもよ
い。またその成膜方法は選択CVD法、ブランケットC
VD法、スパッタリング法、真空蒸着法あるいはめっき
法等、特に限定されない。
【0033】Cu系金属は、その比抵抗が小さいために
配線材料として期待されているが、一方、拡散しやすい
金属でもある。したがって、本発明の金属窒化物膜の形
成方法によるバリア層はCu系金属配線に好適に採用す
ることができる。Cu系金属配線材料層の形成は電解メ
ッキ法が用いられるが、CVD法によってもよい。この
場合の原料ガスとしては、Cu(hfac)やCu(hfac)(tmv
s)を好適に用いることができる。Cu(hfac)は、Cu原
子にhfac (Hexafluoroacetylacetonate)が結合した化合
物、Cu(hfac)(tmvs)は〔化1〕に示すように、Cu(h
fac)にさらにtmvs (Trimethylvinylsilane) が結合した
化合物である。
【0034】
【化1】
【0035】これらの上層配線材料層を成膜後、ドライ
エッチング等によりパターニングして上層配線25とす
る。上層配線材料を成膜後、エッチバック法あるいは化
学的機械研磨法により、層間絶縁膜22上の上層配線材
料層および金属窒化物膜24を除去し、接続孔23内に
残してコンタクトプラグとしてもよい。
【0036】
【実施例】以下、本発明の金属窒化物膜の化学的気相成
長方法を適用し、電子装置の一例として、高集積度半導
体装置の多層配線層間の層間絶縁膜に形成された接続孔
を、金属窒化物膜およびCu金属膜で埋め込む実施例
を、図1〜図6を参照して更に詳細に説明する。ただし
本発明はこれら実施例になんら限定されるものではな
い。
【0037】〔実施例1〕本実施例は、図7に示したE
CRプラズマCVD装置により、TiNからなる金属窒
化物膜を形成した例である。
【0038】本実施例で採用した被処理基板は、先に図
1(a)を参照して説明したものであるので、重複する
説明は省略する。図1(a)に示す被処理基板を、図7
に示したECRプラズマCVD装置の基板ステージ2上
にセッティングし、第1のガス導入孔4から窒化剤ガス
としてのN2 、還元剤ガスとしてのH2 、およびArガ
スを導入する。プラズマ生成室11およびCVDチャン
バ7を所定の圧力に減圧して、マイクロ波導入窓から
2.45GHzのマイクロ波を導入するとともに、ソレ
ノイドコイル10により0.0875Tの磁界を印加
し、ECR放電によりN2 /H2 /Ar混合ガスのプラ
ズマを生成する。
【0039】つぎに、第2のガス導入孔5から金属化合
物ガスとしてTiCl4 ガスを導入し、プラズマ生成室
11から引き出したN2 /H2 /Ar混合ガスのプラズ
マと反応させる。この反応過程では、主としてプラズマ
中の電子とTiCl4 ガスとの衝突により、TiCl4
ガスが解離し、Ti+ イオンおよびTi原子が生成され
る。またTiCl4 ガスの水素活性種による還元反応に
よっても、Ti原子が生成される。
【0040】金属窒化物膜(TiN)のプラズマCVD
条件(実施例) TiCl4 7(5〜7) sccm H2 50 sccm N2 100 sccm Ar 170(150〜170) sccm マイクロ波電力 2800 W 被処理基板温度 200〜500 ℃ ガス流量の括弧内の値は、この範囲であればほぼ同様の
良好な結果が得られる範囲を示す。
【0041】本プラズマCVD条件におけるプラズマの
発光スペクトルを図2に示す。同図には、Ti+ イオ
ン、Ti原子、および窒素系活性種であるN2 + イオン
およびNH中性種の発光スペクトルも見られる。図2か
ら明らかなように、Ti+ イオンの主発光スペクトルで
ある334.9nmあるいは336.1nmの発光強度
は、Ti原子の主発光スペクトルである453.5nm
の発光強度よりも強い。このことは、プラズマ中ではT
+ イオンの生成の方が、Ti原子の生成より卓越して
いることを示す。
【0042】さて、このようにして生成したTi+ イオ
ンは、電磁石12が形成するミラー磁場15が形成する
磁力線に沿って、被処理基板1に対し、ほぼ垂直に入射
する。入射したTi+ イオンは、被処理基板表面でN2
+ イオンおよびNH中性種により窒化され、TiNから
なる金属窒化物膜が形成される。
【0043】被処理基板上に形成された金属窒化物膜の
状態を図3に示す。図3は、厚さ1μmの層間絶縁膜に
開口した接続孔部分に、上述のプラズマCVD条件で金
属窒化物膜を形成した被処理基板要部の電子顕微鏡写真
の模写図である。このうち、図3(a)は接続孔のアス
ペクト比(A.R.)が2.9、図3(b)は3.3、
そして図3(c)は4.0にそれぞれ対応する。
【0044】金属窒化物膜は、層間絶縁膜表面の平坦部
で80nmの厚さに形成した。このとき、接続孔底部の
コーナ部分に形成された金属窒化物膜の膜厚は、図3
(a)では30nm、図3(b)は24nm、そして図
3(c)では16nmであった。これは、ボトムカバレ
ッジ(B.C.)に換算すると、図3(a)では37
%、図3(b)は30%、そして図3(c)では20%
に相当する。また被処理基板中心部に形成された接続孔
においても、周辺部に形成された接続孔においても、形
成された金属窒化物膜の形状は対称性に優れたものであ
った。
【0045】〔比較例1〕本比較例は、使用したプラズ
マCVD装置、被処理基板および原料ガスの種類は前実
施例1と同様である。しかしながら、本比較例では原料
ガス中に占める金属化合物ガスの流量比を変えることに
より、プラズマ中の金属イオンの主発光スペクトル強度
が、金属原子の主発光スペクトル強度よりも弱い条件と
した。
【0046】金属窒化物膜(TiN)のプラズマCVD
条件(比較例) TiCl4 20 sccm N2 8 sccm H2 26 sccm Ar 170 sccm マイクロ波電力 2800 W 被処理基板温度 200〜500 ℃
【0047】本プラズマCVD条件におけるプラズマの
発光スペクトルを図4に示す。同図には、Ti+ イオ
ン、Ti原子、および窒素系活性種であるN2 + イオン
およびNH中性種の発光スペクトルも見られるが、その
発光強度分布は図2とは様子を異にしている。すなわ
ち、図4から明らかなように、Ti+ イオンの主発光ス
ペクトルは323.4nmあるいは376.1nmに移
り、その発光強度は、Ti原子の主発光スペクトルであ
る453.5nmの発光強度よりも弱い。このことは、
プラズマ中ではTi原子の生成の方が、Ti+ イオンの
生成より卓越していることを示す。
【0048】生成されたTi原子は、磁界あるいは電界
でその方向性を制御することは不可能であるので、被処
理基板1に対し、ランダムな角度をもって入射する。入
射したTi原子は、被処理基板表面でN2 + イオンおよ
びNH中性種により窒化され、TiNからなる金属窒化
物膜が形成される。
【0049】被処理基板上に形成された金属窒化物膜の
状態を図5に示す。図5は、図3と同じく厚さ1μmの
層間絶縁膜に開口した接続孔部分に、上述のプラズマC
VD条件で金属窒化物膜を形成した被処理基板要部の電
子顕微鏡写真の模写図である。このうち、図5(a)は
接続孔のアスペクト比が2.7、図5(b)は3.5、
そして図5(c)は4.4にそれぞれ対応する。
【0050】金属窒化物膜は、層間絶縁膜表面の平坦部
で80nmの厚さに形成した。このとき、接続孔底部の
コーナ部分に形成された金属窒化物膜の最も薄い膜厚
は、図5(a)では14nm、図5(b)は12nm、
そして図5(c)では8nmであった。バリア層として
機能する最小膜厚は、最低でも十数nmは必要であるの
で、本比較例ではいずれもこの膜厚に達していない。こ
れは、ボトムカバレッジに換算すると、図5(a)では
18%、図5(b)は15%、そして図5(c)では1
0%に相当する。また形成された金属窒化物膜の形状
は、接続孔の片側は厚く、反対側は薄い、非対称なもの
であった。
【0051】〔実験例〕本実験例は、H2 、N2 および
Arの流量はそれぞれ一定としておき、TiCl4 の流
量を漸増していった場合のプラズマの発光スペクトルを
モニタしたものである。使用したプラズマCVD装置、
被処理基板および原料ガスの種類は前実施例1と同様で
ある。
【0052】金属窒化物膜(TiN)のプラズマCVD
条件(実験例) TiCl4 2〜30 sccm(変動) H2 50 sccm N2 100 sccm Ar 150 sccm マイクロ波電力 2800 W 被処理基板温度 200〜500 ℃
【0053】本プラズマCVD条件における、プラズマ
発光から観測されるTi+ イオンの主発光スペクトルで
ある334.9nmの発光強度と、Ti原子の主発光ス
ペクトルである453.5nmの発光強度とを、図6に
示す。図6は、横軸にTiCl4 流量を、縦軸に発光強
度を示すグラフである。図6から明らかなように、Ti
Cl4 流量比が小さい範囲ではTi+ イオンの発光スペ
クトル強度の方が、Ti原子の発光スペクトル強度より
大きい。この関係はTiCl4 流量比が大きくなると逆
転し、Ti原子の発光スペクトル強度の方が、Ti+
オンの発光スペクトル強度より大きくなる。これは、T
iCl4 流量がある一定量の範囲、図6の例では10s
ccm程度以下の範囲ではプラズマ中のTi+ イオンの
生成がTi原子の生成よりも優勢であることを示してい
る。
【0054】したがって、この範囲のプラズマCVD条
件を採用すれば、金属イオンを主体とする成膜種が被処
理基板のほぼ垂直方向から入射する状態を用いることが
できるので、成膜した金属窒化物膜のボトムカバレッジ
は、いずれも満足すべき値が得られる。また接続孔内部
での成膜状態の対称性もよい。
【0055】しかしながら、この範囲内であっても、T
iCl4 流量が過少であると金属窒化物膜の成膜速度が
低下する。またTiCl4 流量が過大であると、Ti+
イオンの発光スペクトル強度の方が、Ti原子の発光ス
ペクトル強度より大きくても、ボトムカバレッジや対称
性は、実用範囲内であっても次第に低下してくる。した
がって、この実験例では、TiCl4 流量は5〜7sc
cm程度が好ましい。好ましいTiCl4 流量は、プラ
ズマCVD装置のチャンバ容量や放電励起方式等に依存
する設計事項である。したがって、個々のプラズマCV
D装置で図6のグラフのような発光スペクトル強度の検
量線を作成し、最適流量範囲を予め設定することが望ま
しい。
【0056】〔実施例2〕本実施例は、図8に示した平
行平板型プラズマCVD装置を用い、TiNからなる金
属窒化物膜を形成した例である。
【0057】本実施例で採用した被処理基板は、先に図
1を参照して説明したものと同様であるので、重複する
説明は省略する。図1(a)に示す被処理基板を、図8
に示した平行平板型プラズマCVD装置の基板ステージ
2上にセッティングする。第1のガス導入孔4からH2
/N2 /Arの混合ガスを、第2のガス導入孔5からは
TiCl4 ガスを導入し、CVDチャンバ7内を所定の
圧力に減圧する。RF印加手段6から13.56MHz
の高周波を印加し、高周波放電解離によりプラズマを生
成する。また基板ステージ2には、バイアス電源14か
らバイアス電位を与える。
【0058】このとき、プラズマ中では主として電子と
TiCl4 ガスとの衝突によりTiCl4 が解離し、T
+ イオンおよび中性のTi原子が生成する。またTi
Cl4 ガスの水素活性種による還元反応によっても、T
i原子が生成する。
【0059】 金属窒化物膜(TiN)のプラズマCVD条件(実施例) TiCl4 5〜7 sccm H2 50〜200 sccm N2 100〜500 sccm Ar 1000 sccm RF電力 1000〜3000 W(13.56MHz) バイアス電源 100〜500 W (350kHz〜13.56MHz) 被処理基板温度 200〜500 ℃ ガス流量等の数値の幅は、この範囲であればほぼ同様の
良好な結果が得られる範囲を示す。
【0060】本プラズマCVD条件におけるプラズマの
発光スペクトルは図2に示したものと同様であり、Ti
+ イオンの主発光スペクトルである334.9nmある
いは336.1nmの発光強度は、Ti原子の主発光ス
ペクトルである453.5nmの発光強度よりも強い。
このことは、プラズマ中ではTi+ イオンの生成の方
が、Ti原子の生成より卓越していることを示す。
【0061】さて、このようにして生成したTi+ イオ
ンは、バイアス電源14の印加により形成される電界に
より、被処理基板1に対し、ほぼ垂直に入射する。入射
したTi+ イオンは、被処理基板表面でN2 + イオンお
よびNH中性種により窒化され、TiNからなる金属窒
化物膜が形成される。
【0062】被処理基板上に形成された金属窒化物膜の
状態は、図3で示したものと同様であり、いずれのアス
ペクト比の接続孔においても、良好なボトムカバレッジ
を示した。
【0063】〔比較例2〕一方、このプラズマCVD条
件から外れる条件である、TiCl4 ガス流量がH2
2 /Ar混合ガスの流量に比較して過大となる場合に
は、図4に示したものと同様の発光スペクトルが得られ
る。すなわち、Ti原子の主発光スペクトルがTi+
オンの主発光スペクトル強度より強くなり、プラズマ中
ではTi原子の存在量の方がTi+ イオンの存在量より
多くなる。生成されたTi原子は、電界でその方向性を
制御することは不可能であるので、被処理基板1に対
し、ランダムな角度をもって入射する。入射したTi原
子は、被処理基板表面でN2 + イオンおよびNH中性種
により窒化され、TiNからなる金属窒化物膜が形成さ
れる。
【0064】被処理基板上に形成された金属窒化物膜の
状態は図5に示したものと同様の傾向を示し、いずれの
アスペクト比の接続孔においても、必要とされるボトム
カバレッジに達しなかった。
【0065】以上、本発明の金属窒化物膜の化学的気相
成長方法およびこれをもちいた電子装置の製造方法につ
き詳細な説明を加えたが、本発明はこれら実施例に限定
されることなく、各種の実施態様が可能である。
【0066】例えば金属窒化物膜の材料として例示した
TiNの他に、TaN、Ta2 N、WN、W2 N、Ti
−Si−N、Ta−Si−NあるいはW−Si−N等、
各種の金属窒化物膜あるいは珪素を含む金属窒化物膜の
形成に適用することができる。これら金属窒化物膜は、
対応する金属化合物ガス、好ましくは金属ハロゲン化物
ガスを採用することにより形成することができる。また
シリコンを含む金属窒化物膜は、シラン等のシリコン化
合物を添加することにより成膜することができる。
【0067】窒素剤ガスとしてN2 を用いたが、先述し
たようにNH3 やN2 4 を用いてもよい。
【0068】本発明の金属窒化物膜の化学的気相成長方
法は、半導体装置等各種電子装置の配線やコンタクトプ
ラグの拡散バリア層として、特に高アスペクト比の段差
を有する被処理基板に対し、好適に用いることができ
る。
【0069】本発明が適用される電子装置として、高密
度半導体装置の接続孔を埋め込む配線への応用の他に、
各種半導体装置や磁気ヘッド装置、薄膜コイル装置、薄
膜インダクタ装置、マイクロマシン装置等、配線材料の
拡散、あるいは配線材料への拡散が懸念される各種電子
装置に適用することができる。
【0070】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の金属窒化物膜の化学的気相成長方法によれば、高段差
を有する被処理基板に対しても、良好なカバレッジを有
する金属窒化物膜を形成することができる。
【0071】また本発明の電子装置の製造方法によれ
ば、上述した金属窒化物膜の化学的気相成長方法を用
い、これをバリア層に適用することにより、配線材料の
拡散を防止した、信頼性の高い電子装置を製造すること
ができる。特に、低抵抗ではあるが拡散性の強いCu等
の金属膜を配線材料に用いることが可能になる。これに
より、高集積度半導体装置をはじめとする、各種電子装
置の動作周波数が向上し、消費電力が低減され、またマ
イグレーション耐性にも優れた高信頼性の電子装置を安
定に供給できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属窒化物膜の化学的気相成長方法を
示す概略断面図である。
【図2】実施例の金属窒化物膜の化学的気相成長方法に
おけるプラズマの発光スペクトル図である。
【図3】実施例により形成した金属窒化物膜の電子顕微
鏡写真の模写図である。
【図4】比較例の金属窒化物膜の化学的気相成長方法に
おけるプラズマの発光スペクトル図である。
【図5】比較例により形成した金属窒化物膜の電子顕微
鏡写真の模写図である。
【図6】TiCl4 の流量と、発光スペクトル強度の関
係を示すグラフである。
【図7】本発明の金属窒化物膜の化学的気相成長方法に
採用したECRプラズマCVD装置の概略断面図であ
る。
【図8】本発明の金属窒化物膜の化学的気相成長方法に
採用した平行平板型プラズマCVD装置の概略断面図で
ある。
【符号の説明】
1…被処理基板、2…基板ステージ、3…ガスシャワー
ヘッド、4…第1のガス導入孔、5…第2のガス導入
孔、6…RF印加手段、7…CVDチャンバ、8…排気
孔、9…マイクロ波導入窓、10…ソレノイドコイル、
11…プラズマ生成室、12…電磁石、13…プラズマ
モニタ、14…バイアス電源、15…ミラー磁場 20…半導体基板、21…不純物拡散層、22…層間絶
縁膜、23…接続孔、24…金属窒化物膜、25…上層
配線

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属化合物ガス、窒化剤ガスおよび還元
    剤ガスを含む混合ガスの放電解離によりプラズマを生成
    し、被処理基板上に金属窒化物膜を形成する工程を有す
    る金属窒化物膜の化学的気相成長方法であって、 前記金属窒化物膜の形成工程は、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属イオ
    ンの主発光スペクトル強度が、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属原子
    の主発光スペクトル強度よりも強いプラズマ生成条件を
    用いた工程であることを特徴とする金属窒化物膜の化学
    的気相成長方法。
  2. 【請求項2】 金属化合物ガス、窒化剤ガスおよび還元
    剤ガスを含む混合ガスの放電解離によりプラズマを生成
    し、被処理基板上に金属窒化物膜を形成する工程を有す
    る金属窒化物膜の化学的気相成長方法であって、 前記金属窒化物膜の形成工程における、前記混合ガスに
    対する前記金属化合物ガスの流量比は、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属イオ
    ンの主発光スペクトル強度が、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属原子
    の主発光スペクトル強度よりも、強くなる流量比である
    ことを特徴とする金属窒化物膜の化学的気相成長方法。
  3. 【請求項3】 前記金属化合物ガスは、金属のハロゲン
    化物ガスであることを特徴とする請求項1または2記載
    の金属窒化物膜の化学的気相成長方法。
  4. 【請求項4】 前記窒化剤ガスは、N2 、NH3 および
    2 4 のうちのいずれか1種であることを特徴とする
    請求項1または2記載の金属窒化物膜の化学的気相成長
    方法。
  5. 【請求項5】 前記金属窒化物膜の形成工程において
    は、前記金属イオンを、前記被処理基板表面に対し、略
    垂直に入射させつつ前記金属窒化物膜を形成することを
    特徴とする請求項1または2記載の金属窒化物膜の化学
    的気相成長方法。
  6. 【請求項6】 前記金属窒化物膜は、 TiN、TaN、Ta2 N、WN、W2 N、Ti−Si
    −N、Ta−Si−NおよびW−Si−Nのうちのいず
    れか1種の材料を含むことを特徴とする請求項1または
    2記載の金属窒化物膜の化学的気相成長方法。
  7. 【請求項7】 金属化合物ガス、窒化剤ガスおよび還元
    剤ガスを含む混合ガスの放電解離によりプラズマを生成
    し、被処理基板上に金属窒化物膜を形成する工程を有す
    る電子装置の製造方法であって、 前記金属窒化物膜の形成工程は、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属イオ
    ンの主発光スペクトル強度が、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属原子
    の主発光スペクトル強度よりも強いプラズマ生成条件を
    用いた工程であることを特徴とする電子装置の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 金属化合物ガス、窒化剤ガスおよび還元
    剤ガスを含む混合ガスの放電解離によりプラズマを生成
    し、被処理基板上に金属窒化物膜を形成する工程を有す
    る電子装置の製造方法であって、 前記金属窒化物膜の形成工程における、前記混合ガスに
    対する前記金属化合物ガスの流量比は、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属イオ
    ンの主発光スペクトル強度が、 前記プラズマの発光スペクトルから観測される金属原子
    の主発光スペクトル強度よりも強くなる流量比であるこ
    とを特徴とする電子装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記金属化合物ガスは、金属のハロゲン
    化物ガスであることを特徴とする請求項7または8記載
    の電子装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記窒化剤ガスは、N2 、NH3 およ
    びN2 4 のうちのいずれか1種であることを特徴とす
    る請求項7または8記載の電子装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記金属窒化物膜の形成工程において
    は、前記金属イオンを、前記被処理基板表面に対し、略
    垂直に入射させつつ前記金属窒化物膜を形成することを
    特徴とする請求項7または8記載の電子装置の製造方
    法。
  12. 【請求項12】 前記金属窒化物膜は、 TiN、TaN、Ta2 N、WN、W2 N、Ti−Si
    −N、Ta−Si−NおよびW−Si−Nのうちのいず
    れか1種の材料を含むことを特徴とする請求項7または
    8記載の電子装置の製造方法。
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WO2010001931A1 (ja) * 2008-07-02 2010-01-07 東京エレクトロン株式会社 薄膜の成膜方法及び成膜装置
CN107924829A (zh) * 2015-09-30 2018-04-17 株式会社日立国际电气 半导体器件的制造方法、衬底处理装置及记录介质

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