JPH11255380A - シート材搬送装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 レジストローラー対を通過したシート材の斜
行を可及的に抑制する。 【解決手段】 シート材（１４）を搬送する搬送ローラ
ー対（１）と、搬送ローラー対（１）の下流側に配設さ
れたレジストローラー対（２）とを備え、レジストロー
ラー対（２）が非駆動状態であるときに、搬送ローラー
対（１）を駆動してシート材（１４）を搬送し、シート
材（１４）の先端がレジストローラー対（２）のニップ
位置に当接して、搬送ローラー対（１）とレジストロー
ラー対（２）の間でシート材（１４）が所定長のループ
（１４ａ）を生成した後に、レジストローラー対（２）
の駆動を開始するようにしたシート材搬送装置におい
て、レジストローラー対（２）がシート材（１４）を所
定時間（Ｔ２）搬送した時点で、搬送ローラー対（１）
の駆動を所定時間（Ｔ３）停止する手段を設け、時間
（Ｔ３）を、ループ（１４ａ）を減少させ得る大きさに
設定している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、プリンタ
等の画像形成装置に使用されるシート材搬送装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】周知のように、レーザープリンタ等の画
像形成装置において使用される用紙搬送装置は、感光体
ドラム上に形成された画像（潜像）とシート材との位置
合わせを行うために、該シート材を以下のような態様で
搬送する。

【０００３】すなわち、給紙カセット等のシート材供給
手段から供給されたシート材を搬送ローラー対によって
搬送して、その先端を停止状態のレジストローラーのニ
ップ位置当接させ、さらに、その後における搬送ローラ
ー対の搬送力によってレジストローラー対の手前の位置
でシート材の先端部にループを生成する。

【０００４】シート材には、上記ループが生成された部
分の反力に基く押圧力あるいは推進力が発生し、これに
よって、シート材の先端の斜きや、転写位置へのシート
材の送り込みタイミング等が補正される。

【０００５】なお、レジストローラー対は、上記ループ
が生成された後に駆動され、これによってシート材が転
写位置まで搬送される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】この従来のシート材搬
送装置において、例えば、シート材が搬送方向に対して
斜行しながらレジストローラー対のニップ位置に押圧さ
れたとすると、生成される上記ループの大きさが搬送方
向に対してシート材の右端と左端で異なることになる。

【０００７】上記シート材の右端と左端におけるループ
の大きさの相違は、レジストローラー対のニップ位置に
対するシート材の押圧力の偏りをもたらす。すなわち、
上記ニップ位置に対するシート材先端の左右の押圧力を
相違させる。

【０００８】そして、このような押圧力の偏りが発生す
ると、レジストローラー対を通過したシート材が再び斜
行し始める虞れがある。

【０００９】ところで、上記シート材は、その後端が搬
送ローラー対を離脱するまでの間、レジストローラー対
の下流に位置した感光体ドラムあるいはヒューザーロー
ル対によっても搬送されることになる。

【００１０】上記感光体ドラムあるいはヒューザーロー
ル対によるシート材搬送速度は、レジストローラー対に
よるシート材搬送速度に比して若干大きく設定されてい
るので、上記感光体ドラムあるいはヒューザーロール対
によってシート材が搬送されている状態下では、レジス
トローラー対がシート材の搬送抵抗になる。

【００１１】そして、上記のようにループの大きさがシ
ート材の右端と左端で異なっているとすると、上記レジ
ストローラー対による搬送抵抗が上記右端と左端で相違
することになり、これも、レジストローラー対を通過し
たシート材を再び斜行させる要因となる。

【００１２】要するに、従来のシート材搬送装置では、
シート材が搬送方向に対して斜行しながらレジストロー
ラー対のニップ位置に当接した場合に、レジストローラ
ー対を通過したシート材が再斜行して、該シート材に画
像が適正に転写されなくなる虞れがある。

【００１３】本発明の課題は、このような状況に鑑み、
レジストローラー対を通過したシート材の斜行を可及的
に抑制することができるシート材搬送装置を提供するこ
とにある。

【００１４】

【課題を解決するための手段および作用・効果】本発明
は、シート材を搬送する搬送ローラー対と、前記搬送ロ
ーラー対の下流側に配設されたレジストローラー対とを
備え、前記レジストローラー対が非駆動状態であるとき
に、前記搬送ローラー対を駆動して前記シート材を搬送
し、該シート材の先端が前記レジストローラー対のニッ
プ位置に当接して、前記搬送ローラー対と前記レジスト
ローラー対の間で該シート材が所定長のループを生成し
た後に、前記レジストローラー対の駆動を開始するよう
にしたシート材搬送装置において、前記レジストローラ
ー対が前記シート材を所定時間（Ｔ２）搬送した時点
で、前記搬送ローラー対の駆動を所定時間（Ｔ３）停止
する手段を設け、前記時間（Ｔ３）は、前記ループを減
少させ得る大きさに設定したことを特徴としている。

【００１５】本発明によれば、レジストローラー対がシ
ート材を所定時間（Ｔ２）搬送した時点で、搬送ローラ
ー対の駆動が所定時間（Ｔ３）、つまり、前記ループを
減少させ得る時間（Ｔ３）だけ停止される。

【００１６】したがって、シート材がレジストローラー
対のニップ位置に斜行しながら当接して、このシート材
に生成されるループの大きさが該シート材の左右で相違
する事態が発生しても、レジストローラー対を通過した
シート材の斜行を可及的に抑制することができる。

【００１７】すなわち、上記ループの大きさの相違は、
レジストローラー対のニップ位置に対するシート材先端
の左右の押圧力の相違をもたらすが、上記時間中におけ
るループの減少によって上記押圧力も減少するので、レ
ジストローラー対を通過したシート材１４の斜行が効果
的に抑制される。

【００１８】一方、上記シート材は、その後端が搬送ロ
ーラー対を離脱するまでの間、レジストローラー対の下
流に位置した感光体ドラムあるいはヒューザーロール対
によっても搬送されることになる。

【００１９】上記感光体ドラムあるいはヒューザーロー
ル対によるシート材搬送速度は、レジストローラー対に
よるシート材搬送速度に比して若干大きく設定されてい
るので、該感光体ドラムあるいはヒューザーロール対に
よってシート材が搬送されている状態下では、レジスト
ローラー対がシート材の搬送抵抗になる。

【００２０】この場合、上記のようにループの大きさが
シート材の右端と左端で異なっているとすると、上記レ
ジストローラー対による搬送抵抗が上記右端と左端で相
違することになるが、本発明によれば、上記感光体ドラ
ムあるいはヒューザーロール対によるシート材の搬送が
開始される前に前記ループが減少するので、上記シート
材の右端と左端における搬送抵抗の相違が発生せず、そ
の結果、この相違に起因したシート材の斜行も回避され
る。

【００２１】なお、上記のようにシート材の斜行が抑制
されれば、その後、適正な搬送姿勢のシート材に対して
画像が転写されることになるので、この画像転写の質の
向上を図ることができる。

【００２２】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施の形態について説明する。

【００２３】本発明に係るシート材搬送装置は、図１に
その要部を示すように、搬送ローラー対１と、この搬送
ローラー対１の下流側に所定の間隔をおいて配設された
レジストローラー対２とを備えている。

【００２４】搬送ローラー対１は、駆動軸３に固定され
た駆動ローラー４と、従動軸５に固定された従動ローラ
ー６とで構成されている。

【００２５】上記駆動軸３と従動軸５は、それぞれ回転
自在に支持され、かつ、図１の紙面に垂直な方向に沿っ
て配設されている。従動軸５は、図示していない弾性部
材によって駆動軸３側に付勢されており、したがって、
従動ローラー６は駆動ローラー４に圧接している。

【００２６】駆動軸３は、第１のクラッチ７（例えば、
電磁クラッチ）を介して回転駆動源８に連結されてい
る。回転駆動源８が作動している状態において、上記ク
ラッチ７が係合されると、上記回転駆動源８の回転動力
が駆動ローラー４に伝達され、その結果、該駆動ローラ
ー４および上記従動ローラー６がそれぞれ矢印で示した
方向に回転する。

【００２７】一方、レジストローラー対２は、駆動軸９
に固定された駆動ローラー１０と、従動軸１１に固定さ
れた従動ローラー１２とで構成されている。

【００２８】上記駆動軸９と従動軸１１は、それぞれ回
転自在に支持され、かつ、図１の紙面に垂直な方向に沿
って配設されている。従動軸１１は、図示していない弾
性部材によって駆動軸９側に付勢されており、したがっ
て、従動ローラー１２は駆動ローラー１０に圧接してい
る。

【００２９】駆動軸９は、第２のクラッチ１３（例え
ば、電磁クラッチ）を介して上記回転駆動源８に連結さ
れている。それ故、回転駆動源８が作動している状態に
おいて上記クラッチ１３が係合されると、この回転駆動
源８の回転動力が駆動ローラー１０に伝達され、その結
果、駆動ローラー１０および上記従動ローラー１２がそ
れぞれ矢印で示した方向に回転する。

【００３０】上記搬送ローラー対１とレジストローラー
対２の間には、シート材１４の搬送路１５を構成する案
内板１６，１７が配設されるとともに、上記搬送路１５
に搬入されたシート材１４を検出するシート材検出セン
サ１８（例えば、フォトセンサ）が配設されている。

【００３１】いま、コントローラー２０より図２の時点
ｔ１で第１クラッチ付勢信号が出力されると、第１のク
ラッチ７が付勢されて搬送ローラー対１が回転動作す
る。

【００３２】この状態において、図示していない給紙カ
セットから送出されたシート材１４の先端が搬送ローラ
ー対１のニップ位置に到達すると、この搬送ローラー対
１によって上記搬送路１５にシート材１４が搬入され、
やがて、その先端が上記シート材検出センサ１８によっ
て検出される。

【００３３】図２の時点ｔ２は、上記センサ１８による
シート材１４の検出時点である。コントローラー２０
は、上記検出時点ｔ２で第１のタイマー２１を起動し、
これによって、該タイマー２１が後述の時間Ｔ１の計時
を開始する。

【００３４】上記搬送路１５を通過したシート材１４
は、停止状態にあるレジストローラー対２のニップ位置
にその先端が当接する。そして、シート材１４は、その
後における搬送ローラー対１の搬送力によってその先端
が上記ニップ位置に押圧され、その結果、図１に示すよ
うに、その先端部にループ１４ａが生成される。

【００３５】上記ニップ位置の手前においては、シート
材１４の先端がその搬送方向に対して厳密に直交しない
で傾斜していることがある。しかし、上記のようにシー
ト材１４の先端部にループ１４ａを生成して該シート材
１４の先端を上記ニップ位置に押圧させれば、上記傾斜
が矯正される。

【００３６】いま、上記シート材先端面の傾斜を十分に
矯正することができ、かつ、案内板１６，１７に接触し
ない程度の大きさをもつループ１４ａが生成される時点
を図２に示すｔ３時点とすると、前記時点ｔ２から該時
点ｔ３に至る時間Ｔ１は、前記搬送ローラー対１による
シート材１４の搬送速度に基づいて予め知られる。

【００３７】そこで、コントローラー２０は、前記第１
のタイマー２１に上記時間Ｔ１を計時させるとともに、
該タイマー２１がこの時間Ｔ１の計時を終了した時点ｔ
３で第２のクラッチ１３を係合作動させ、さらに、同時
点ｔ３で第２のタイマー２２を起動する。

【００３８】第２のクラッチ１３が係合作動すると、レ
ジストローラー対２が回転して、該ローラー対２による
シート材１４の搬送が開始されることになる。

【００３９】その後、コントローラー２０は、上記第２
のタイマー２２が時間Ｔ２の計時を終了した時点ｔ４で
第１のクラッチ７を解放し、かつ、第３のタイマー２３
を起動する（図２参照）。

【００４０】クラッチ７が解放されると、搬送ローラー
対１がフリー回転可能な状態、つまり、シート材１４に
搬送力を付与しない状態となる。したがって、シート材
１４はレジストローラー対２のみによって搬送され、そ
の結果、該シート材１４の押圧力が減少するとともに、
前記ループ１４ａも減少する。

【００４１】なお、上記第２のタイマー２２の計時時間
Ｔ２は、レジストローラー対２にシート材１４を十分に
保持させ得るという条件が満たされる前提下で可及的に
短く設定される。なぜなら、上記時間Ｔ２が必要以上に
長いと、第１のクラッチ７の解放が遅れて、前記ループ
１４ａが速やかに減少されなくなるからである。

【００４２】上記第３のタイマー２３は、図２に示す時
間Ｔ３を計時する。そして、タイマー２３が時間Ｔ３の
計時を終了すると、コントローラー２０によって再び第
１のクラッチ７が係合され、その結果、搬送ローラー対
１によるシート材１４の搬送が再開される。

【００４３】上記タイマー２３の計時時間Ｔ３は、上記
ループ１４ａを十分に減少させ得るという条件が満たさ
れる前提下で可及的に短く設定する。

【００４４】すなわち、上記時間Ｔ３の計時中には、搬
送ローラー対１がシート材１４に搬送力を付与していな
いが、この状態では、搬送ローラー対１がシート材１４
の搬送抵抗となる。そこで、上記時間Ｔ３は、上記条件
を満たし得る範囲内でできるだけ短く設定する。

【００４５】以後、シート材１４は、搬送ローラー対１
とレジストローラー対２の双方によって下流側（図１に
おける右方側）に搬送され、感光体ドラム等を備えた図
示していない画像形成部に送給される。そして、上記画
像形成部での画像転写処理と図示していない定着部での
画像の定着処理とを施された後、図示していない排出ト
レー上に排出される。

【００４６】上記したように、上記実施形態に係るシー
ト材供給装置によれば、レジストローラー対２がシート
材１４を所定時間Ｔ２搬送した時点で、搬送ローラー対
１の駆動が前記ループ１４ａの減少時間Ｔ３だけ停止さ
れる。

【００４７】したがって、シート材１４がレジストロー
ラー対２のニップ位置に斜行しながら当接して、このシ
ート材に生成されるループの大きさが該シート材の左右
で相違する事態が生じても、レジストローラー対２を通
過したシート材１４の斜行を可及的に抑制することがで
きる。

【００４８】すなわち、上記ループ１４ａの大きさの相
違は、レジストローラー対２のニップ位置に対するシー
ト材先端の左右の押圧力の相違をもたらすが、上記時間
Ｔ３中におけるループ１４ａの減少によって上記押圧力
も減少するので、レジストローラー対２を通過したシー
ト材１４の斜行が効果的に抑制される。

【００４９】ところで、上記シート材１４は、その後端
が搬送ローラー対１を離脱するまでの間、レジストロー
ラー対２の下流に位置した図示していない感光体ドラム
あるいはヒューザーロール対によっても搬送されること
になる。

【００５０】上記感光体ドラムあるいはヒューザーロー
ル対によるシート材搬送速度は、レジストローラー対２
によるシート材搬送速度に比して若干大きく設定されて
いるので、該感光体ドラムあるいはヒューザーロール対
によってシート材が搬送されている状態下では、レジス
トローラー対２がシート材１４の搬送抵抗になる。

【００５１】この場合、上記のようにループの大きさが
シート材の右端と左端で異なっているとすると、上記レ
ジストローラー対２による搬送抵抗が上記右端と左端で
相違することになるが、上記実施形態のシート材供給装
置によれば、上記感光体ドラムあるいはヒューザーロー
ル対によるシート材１４の搬送が開始される前に前記ル
ープ１４ａが減少することになるので、上記シート材１
４の右端と左端における搬送抵抗の相違が発生せず、そ
の結果、この相違に起因したシート材の斜行も回避され
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシート材供給装置の実施形態を示
した要部概念図。

【図２】本発明に係るシート材供給装置の作用を示すタ
イミングチャート。

【符号の説明】

１ 搬送ローラー対 ２ レジストローラー対 ３，９ 駆動軸 ４，１０ 駆動ローラー ５，１１ 従動軸 ６、１２ 従動ローラー ７，１３ クラッチ ８ 回転駆動源 １４ シート材 １４ａ ループ １５ 搬送路 １６，１７ 案内板 １８ センサ ２０ コントローラ ２１〜２３ タイマー

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 シート材を搬送する搬送ローラー対と、
   前記搬送ローラー対の下流側に配設されたレジストロー
   ラー対とを備え、 前記レジストローラー対が非駆動状態であるときに、前
   記搬送ローラー対を駆動して前記シート材を搬送し、該
   シート材の先端が前記レジストローラー対のニップ位置
   に当接して、前記搬送ローラー対と前記レジストローラ
   ー対の間で該シート材が所定長のループを生成した後
   に、前記レジストローラー対の駆動を開始するようにし
   たシート材搬送装置において、 前記レジストローラー対が前記シート材を所定時間（Ｔ
   ２）搬送した時点で、前記搬送ローラー対の駆動を所定
   時間（Ｔ３）停止する手段を設け、 前記時間（Ｔ３）は、前記ループを減少させ得る大きさ
   に設定したことを特徴とするシート材搬送装置。