JPH11254958A - 脱臭濾材ユニット - Google Patents

脱臭濾材ユニット

Info

Publication number
JPH11254958A
JPH11254958A JP10074989A JP7498998A JPH11254958A JP H11254958 A JPH11254958 A JP H11254958A JP 10074989 A JP10074989 A JP 10074989A JP 7498998 A JP7498998 A JP 7498998A JP H11254958 A JPH11254958 A JP H11254958A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
deodorizing
filter medium
unit
layer
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10074989A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3817057B2 (ja
Inventor
Tatsuro Nakamura
達郎 中村
Yutaka Ogaki
豊 大垣
Takahiro Yokoyama
隆博 横山
Shiro Hayashi
志郎 林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Vilene Co Ltd
Original Assignee
Japan Vilene Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Vilene Co Ltd filed Critical Japan Vilene Co Ltd
Priority to JP07498998A priority Critical patent/JP3817057B2/ja
Publication of JPH11254958A publication Critical patent/JPH11254958A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3817057B2 publication Critical patent/JP3817057B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)
  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)
  • Filtering Of Dispersed Particles In Gases (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱臭機能を低圧力損失下で発
揮させ、しかもコンパクトな脱臭濾材ユニットを提供す
ること。 【解決手段】 除塵層及び脱臭層からなる濾
材をプリーツ加工し、この濾材を枠体に装着した脱臭濾
材ユニットであって、上記脱臭層が、ホットメルト樹脂
からなる連結部と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一
方の表面に、上述の樹脂凝集部を介して脱臭粉粒体を固
着した構造を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、塵埃と臭気物質
とを除去するために用いられる脱臭濾材ユニットに関
し、特に、自動車など、装着スペースが限られた用途に
用いて好適なコンパクトで高効率な脱臭濾材ユニットに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年の生活環境に対する意識向上には目
を見張るものがあり、とりわけ、臭いに寄せられる関心
は大きく、不快な臭気物質の除去も要求されている。こ
のような脱臭機能を要求される濾材の利用分野として、
最近、自動車用の空調機器に装着して用いる脱臭濾材ユ
ニットが注目され始めている。従前、自動車の空調機器
には除塵層のみを備えた濾材ユニットが知られている
が、例えば、道路渋滞などで、自車内を換気し、しかも
他車の排気ガスが自車内に侵入するのを防ぎたいという
要望から、脱臭層を付加した濾材を備えた脱臭濾材ユニ
ットに対する要求は急速に高まっている。通常、自動車
に備えられた空調機器は、エンジンなどの走行に必要な
機構に隣接し、外気導入口から車室内に至る経路の内の
何れかに搭載されている。このため、空調機器に割り当
てられるスペースは限られた小さなものであり、当該機
器に装着される濾材ユニットの装着スペースも極めて小
さな空間に限定されている。
【0003】図1は、この種の濾材ユニットの構成を説
明するため、一部の構成成分を切り欠いて斜視的に示す
図である。濾材ユニット11は、ホットメルト樹脂など
の接着剤を用いて、プリーツ加工された濾材13を枠体
15で囲むように構成される。一般に、上述した自動車
用途では、高さh及び幅wが20〜30cm角の矩形の
空気通過面に2〜3cm程度の深さdで構成した濾材ユ
ニットが使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、普通乗用車程
度の搭乗者空間を効率的に清浄化するためには3m/秒
程度の面風速に相当する風量で空気浄化を図る必要があ
る。このような小スペース及び比較的速い面風速で効率
的に空気浄化を図るには、コンパクトで、しかも濾過性
能に優れた脱臭濾材ユニットが不可欠であり、所定の濾
材機能と圧力損失とを両立するには、極めて難易度の高
い技術を必要とする。送風機は除塵能力を考慮して設計
搭載されているが、限られた送風能力で所定の圧力損失
を持つ濾材を使ってユニットを組む場合、新たに脱臭機
能を付加するには、当然に、除塵のみを考慮した濾材ユ
ニットの圧力損失から大きく逸脱するものは許容されな
い。通常、自動車などで実用的な圧力損失は、前述の面
風速のもとで120Pa以下程度であるが、この条件下
で脱臭機能を付加した脱臭濾材ユニットを搭載するに
は、送風機の設計を変更するか、或いは濾材性能を犠牲
にして圧力損失を下げることが必要であり、この種の用
途に脱臭濾材ユニットを普及させることは極めて難しい
という問題点が有った。
【0005】また、本出願人は、このような脱臭濾材ユ
ニットを実現するため、特に前述の脱臭層に着目して種
々の公知技術を検討した。従来、活性炭などの脱臭粉粒
体をバインダによって不織布などの基材に固着担持する
技術が知られているが、その多くは、当該粉粒体の表面
をバインダが被覆してしまうため、当該粉粒体が本来有
する性能を低下させてしまうと云う欠点を有していた。
【0006】これに対して、例えば、特開平8-266845号
公報に開示される技術は、所定の目開を有する網体に予
めエマルジョン型アクリル系粘着剤を付着させておき、
脱臭粉粒体を、当該粘着剤を介して網体に固着するもの
である。しかしながら、網体に対する粘着剤付着はスプ
レーやコーターで塗布されるため、網体の開口部分が潰
れてしまい、低圧損のものを得ることが難しかった。
【0007】一方、他の技術として、予め粒状の熱可塑
性樹脂からなる接着剤と脱臭粉粒体とを混合し、これを
可撓性を有するシート状の支持材料の表面に塗布した
後、加熱処理して当該粉粒体を固着させて脱臭層とする
技術(以下、点接着技術と称する場合も有る)が知られて
いる。この技術を適用した脱臭層の場合、例えば150
〜300g/m2程度の脱臭粉粒体を担持して圧力損失
を低く抑えようとすると、当該粉粒体の固着状態に均一
性を欠き、使用時にリークを生じ易いという問題が有っ
た。
【0008】このように、脱臭機能を付加した濾材ユニ
ットを適用するに当り、従来知られている技術では脱臭
機能を司る構成成分自体の圧力損失が高く、結果として
ユニットの圧力損失が極めて高くなるため、実用に十分
な性能を有する脱臭濾材ユニットを広範な用途に適用す
ることが難しかった。
【0009】本発明は、上述した従来の問題点に鑑みな
されたものであり、従って、本発明の目的は、脱臭機能
を低圧力損失下で発揮させ、しかもコンパクトな脱臭濾
材ユニットを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的の達成を図るた
め、本発明の構成によれば、除塵層及び脱臭層からなる
濾材をプリーツ加工し、この状態の濾材を枠体に装着し
た脱臭濾材ユニットにおいて、前記脱臭層が、ホットメ
ルト樹脂からなる連結部と樹脂凝集部とで構成されたウ
エブの一方の表面に、前記樹脂凝集部を介して脱臭粉粒
体を固着してなる積層単位を有することを特徴としてい
る。
【0011】また、本発明の実施に当たっては、濾材と
して、ASHRAE規格の質量法(52.1−1992)
で測定した除塵性能が60%以上とするのが好適であ
る。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の脱臭濾材ユニット
の実施の形態について説明する。図2は、図1に示す濾
材13の構成の一例を模式的な断面により示す図であ
る。まず、濾材13は、除塵層17と脱臭層19により
構成される。
【0013】このうち、除塵層17は、従来除塵を目的
として使用されてきた周知の材料で構成すればよい。一
例として、ポリオレフィン系繊維やポリエステル系繊維
で構成される不織布であれば、面密度10〜100g/
2、より好ましくは20〜50g/m2程度の布帛材料
を任意好適に選択することが出来る。この除塵層17と
してエレクトレット加工を施したものを用いることによ
って、より効率的な除塵機能を期待し得る。
【0014】また、脱臭層19は、積層単位21を単層
または複数配置して構成され、この積層単位21は、脱
臭粉粒体23とこれを固着担持するウエブ25とで構成
される。図3は、脱臭粉粒体23とウエブ25との固着
部分を脱臭層の平面により示す図であるが、ウエブ25
は連結部27と樹脂凝集部29とからなる。
【0015】以下、脱臭層を構成する素材について詳細
に説明する。本発明に利用する脱臭層は、ホットメルト
不織布に脱臭粉粒体を接触配置した状態で加熱処理を行
うことにより、当該ホットメルト不織布が可塑化し、上
述のウエブとして形成されるものである。このようなウ
エブが形成可能なホットメルト樹脂としては、熱可塑性
ポリアミド系樹脂、熱可塑性ポリエステル樹脂、熱可塑
性ポリウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、またはポリ
オレフィン変性樹脂などを、各々、単独または混合して
用いることが出来る。ここで云うポリオレフィン変性樹
脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、エチレン−エチルアク
リレート共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エ
チレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−マレイン酸
共重合体、アイオノマー樹脂(エチレン−メタクリル酸
共重合体に金属を付加した感熱性樹脂)などが挙げられ
る。本発明で利用できるホットメルト樹脂としては、M
Iが50以上500以下のものを選択して用いればよ
い。この好適範囲よりもMIが低い樹脂の場合は、加熱
処理時に流動性が低く、熱処理時に樹脂凝集部が形成さ
れにくく、脱臭粉粒体の固着が不完全となることがあ
る。さらに、上記好適範囲よりもMIの高い樹脂では、
熱処理時の流動性が高く、積層単位の形態維持が難しく
なる。また、上述したホットメルト不織布は、面密度が
10〜30g/m2のものが好適であり、特に15〜2
5g/m2のものが好ましい。この好適範囲よりも小さ
な面密度とした場合、不織布としての均一性に欠けるた
め、脱臭粉粒体を脱臭層表面に均一に固着配置すること
が難しくなる。また、この好適範囲を超えても固着強度
の向上は望めず、圧力損失の増大に繋がる場合がある。
【0016】脱臭粉粒体としては、従来知られている活
性炭や、これに種々の脱臭成分を付加した添着炭、近年
注目されている光触媒粒子、その他粒子状の化学脱臭剤
を種々選択して用いることが出来る。その選択に当た
り、高脱臭効率と低圧損とを実現するためには、当該粉
粒体の平均粒径を0.147mm(100メッシュ)以上
1.65mm(10メッシュ)以下とするのがよい、この
好適範囲の下限よりも細かい平均粒径とする場合には初
期の脱臭効率を高く採れる反面、圧力損失が大きくな
り、逆に、上記範囲よりも大きな粒径のものを用いる場
合には脱臭効率が低下する傾向にある。
【0017】次いで、上述した脱臭層を形成する工程に
ついて説明する。始めに、濾材13を構成する除塵層1
7を支持体とし、これにホットメルト不織布を積層して
おく。続いて、このホットメルト不織布の表面に、脱臭
粉粒体23を散布した後、これらを加熱処理する。この
加熱処理によってホットメルト不織布が可塑化溶融し、
連結部27と樹脂凝集部29とからなるウエブ25に脱
臭粉粒体23が固着される。然る後、固着した脱臭粉粒
体23以外を除去することによって積層単位21が形成
され、ウエブ25によって除塵層17と脱臭粉粒体23
とが互いに固着されることとなる。
【0018】図2は、この様にして除塵層17に1層目
の積層単位を形成した後、この状態で固着された脱臭粉
粒体側に再度ホットメルト不織布を積層し、脱臭粉粒体
の散布、加熱処理、余剰な脱臭粉粒体の除去を行って2
層目の積層単位を形成した場合を示すものである。この
ような積層単位の層数は設計に応じて、複数または単数
を任意好適に選択することが出来る。また、加熱処理
は、例えばカレンダー、熱風ヒーター、赤外線ヒータ
ー、水蒸気による加熱、さらに、対向する1対の無端ベ
ルト間に挟持して加熱する装置など、従来知られている
種々の手段とすることが出来る。このうち、特に、複数
の積層単位で脱臭層を構成する場合には、熱量を持った
流体で加熱処理を行うことによって、浄化すべき空気を
低圧損で浄化できる連通孔(図2中、矢印Aで示す)を形
成することが出来る。
【0019】この様にして得られた濾材13には、所定
のピッチでプリーツ加工が施され、設計に応じた山間隔
を保持するために、種々の合成樹脂、紙、または金属材
料など周知の材料からなる枠体15に接着固定されて、
図1に示すような脱臭濾材ユニット11が得られる。
尚、同図及び後述の実施例では、脱臭濾材ユニットの最
も一般的な形状を示したに過ぎず、濾過面を構成する形
状は、例示した矩形に代えて、円形、三角形、楕円形な
ど、ユニットを装着する機器に応じた形状とすることが
できる。
【0020】また、本発明の実施に当たり、前述したA
SHRAE規格の質量法により、その除塵性能を60%
以上の濾材を備えるのが好適であり、例えば花粉の除去
を所望とする場合には、当該法による除塵性能を80%
以上とするのが好適である。
【0021】さらに好適な態様として、前述した自動車
用途及びビル空調用途の脱臭濾材ユニットにあっては、
当該ユニットの圧力損失YPaとし、面風速をXm/秒
とした場合、下記の数式1を満たすことが好ましい。 Y≦35X1.2 尚、ここで云う面風速とは、例えば図1に示す脱臭濾材
ユニットの高さ及び幅で構成される面に対して、直角な
方向での風速を表し、この形態のユニットは、2m/秒
以上の比較的大きな面風速で使用されるものに適用して
好適である。これら用途のうち、自動車用途の場合に
は、前述したスペース上の制約がより厳しいため、ユニ
ット寸法のうち、前述した濾材のプリーツ深さ(図1の
h参照)が1.5cm以上、4cm以下程度であること
が望ましい。
【0022】加えて、家庭用の空気清浄機など、面風速
が1m/秒程度の比較的低風量で用いられる用途におい
ては、ユニットの圧力損失YPaと面風速Xm/秒とが
下記の数式2を満たすことが好ましい。 Y≦350X1.2 さらに、図1では、同一ピッチの折り加工によりプリー
ツ形成した場合を例示しているが、本発明に適用できる
プリーツは、これに限定されるものではない。例えば、
図4にユニットを構成する濾材の要部断面によって示す
様に、比較的小さなプリーツを組み合わせて、より大き
なプリーツを構成し、立体的な濾材の配設状態とするな
ど、種々の折り加工を施すことができる。
【0023】
【実施例】以下、この発明の実施例につき説明する。
尚、本実施例では、特定の条件を例示して説明するが、
本発明は、これら実施例にのみ限定されるものではな
く、この発明の目的の範囲内で任意好適な設計の変更及
び変形を行い得る。
【0024】本実施例では、所定の脱臭性能を満足する
ために必要な脱臭粉粒体の担持量を前述した点接着技術
と本発明に係る技術とで各々求め、これらに所定の除塵
層を付加した濾材を調製し、夫々、プリーツ加工して枠
体を設けた状態の脱臭濾材ユニットの特性比較を行った
結果について順次説明する。
【0025】まず、本発明の技術と前述した点接着技術
との比較を目的とした統一条件を求めるため、脱臭効率
の予備実験を実施した。脱臭効率は、平板状の各サンプ
ルに対して、代表的な臭気物質であるトルエン25pp
mを風速14cm/秒の条件で通過させた際、このトル
エンの約95%が除去されるような脱臭粉粒体の担持量
を有するものに統一した。以下に、この予備実験の詳細
について述べる。
【0026】始めに、実施例に使用するサンプルとし
て、ポリエステルスパンボンド(面密度30g/m2)を
支持体に用い、この支持体に熱可塑性ポリアミド系樹脂
からなる面密度20g/m2のホットメルト不織布を積
層し、平均粒径0.375mmの活性炭を脱臭粉粒体と
して、約5kg/cm2の水蒸気加熱処理を7秒間行
い、前述の製造手順で2層の積層単位を形成した。詳細
な説明は省略するが、前述のトルエン脱臭条件を満足す
る実施例用のサンプルには、図2と同様な2つの積層単
位で合計約300g/m2の脱臭粉粒体を必要とした。
【0027】また、前述の点接着技術を利用し、脱臭効
率が同等の比較例用サンプルとして、上記脱臭粉粒体1
00重量部に対して、ポリアミド系の粒状接着剤である
「ベスタメルト430P2」(ダイセルヒュルス(株)製、
商品名:平均粒径0.16mm)25重量部とを乾燥状
態で混合し、上述のポリエステルスパンボンドを支持体
として塗布形成後、150℃で5分間加熱して点接着し
た。トルエン脱臭性能を測定したところ、前述の条件を
満たす脱臭粉粒体の担持量は約450g/m2であっ
た。
【0028】さらに、バインダと脱臭粉粒体とを混合分
散させた状態で上記支持体に含浸付着させた従来技術と
の比較を実施するため、上述と同様な予備実験を行っ
た。この比較例用サンプルとして、塩化ビニルバインダ
と粒径18μmの活性炭とを混合分散し、ポリエステル
不織布(面密度50g/m2)に含浸付着後、乾燥して種
々の担持量の脱臭層サンプルを作製した。しかしなが
ら、前述した脱臭性能を得ることが難しく、極めて大き
な圧力損失となってしまった。従って、上述した実施例
用のサンプル構成との間で、同等の圧力損失を与える様
に設計したところ、脱臭粉粒体の担持量は約110g/
2であった。
【0029】次いで、脱臭濾材ユニットの性能比較を行
うため、実施例及び比較例として用いた濾材の構成につ
き説明する。ユニットを構成する濾材には、いずれも面
密度20g/m2のポリプロピレン樹脂からなるメルト
ブロー不織布とスパンボンド不織布との積層品(合計面
密度40g/m2)を除塵層として用いた。この除塵層は
ASHRAEの質量法で90%以上の除塵能力を持つも
のであるが、この除塵層を支持体としたことを除いて
は、脱臭効率または圧力損失を統一するための予備試験
として脱臭粉粒体の担持量を求めたのと同一の条件で、
脱臭層を積層形成した。
【0030】続いて、これらの濾材の夫々について、図
1を参照して説明した幅w及び高さhが200mm、並
びに深さdが30mmの寸法条件に統一し、種々のプリ
ーツ間隔で脱臭濾材ユニットを作製した。然る後、面風
速2.8m/秒の条件で、ユニット上流側と下流側との
圧力差を圧力損失として測定し、さらに、面風速1.4
m/秒、トルエン濃度80ppmの条件で脱臭効率を測
定した。その結果を表1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】この表1からも理解できるように、同一の
寸法条件で作製した実施例3と比較例1とでは圧力損失
の差が約50Paとなり、同程度の脱臭性能及び同一の
除塵層を備えた脱臭濾材ユニットであれば、約2/3の
圧力損失を実現し得ることが確認できた。また、実施例
2と比較例4とでは、ほぼ同等の圧力損失であるにも拘
わらず、脱臭効率を2倍に向上させることが確認され
た。従って、本発明を適用することにより、優れた脱臭
性能及び除塵性能と低圧損とを両立し得ることが明らか
となった。
【0033】また、寸法の異なる実施例として、ユニッ
トの高さh及び幅wをほぼ同等とし、プリーツ深さdを
20mmとしたユニットの圧力損失を求めた。その結果
を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】この表2及び上述の表1からも理解できる
ように、例えば実施例3、比較例1並びに実施例4は、
いずれも同等の濾材面積で構成され、同等の脱臭効率を
有するものである。その際の圧力損失を較べると、実施
例に係る脱臭濾材ユニットでは、いずれも前述した数式
1で求められる120Pa以下の条件を満たすものであ
るが、比較例のユニットの圧力損失は20%以上増大し
てしまうことが理解できる。このことから、本発明を適
用することによって、10mm(全プリーツ深さの約1
/3に相当)の薄型化を図っても、同等の脱臭性能及び
除塵性能を維持しつつ、実用に充分な圧力損失を実現し
得ることが明らかとなった。また、以上の実施例では、
比較的面風速の高い用途に好適な例を挙げて説明した
が、以下に、比較的小さな面風速の用途に好適な他の実
施例を挙げて説明する。実施例5に係るユニットを構成
する濾材には、面密度30g/m2のポリプロピレン樹
脂からなるメルトブロー不織布を除塵層として用いた。
この除塵層はASHRAEの質量法で98%以上、AS
HRAEの比色法で約80%の除塵能力を単独で持つも
のであるが、この除塵層を支持体として、400g/m
2の脱臭粉粒体担持量としたを除いては前述と同様の手
順によって脱臭層を積層形成し、濾材を得た。このよう
な濾材に対してプリーツ加工を施し、図1を参照して説
明した寸法において、ユニットの高さ及び幅が610m
m、プリーツ深さ30mm及びプリーツ間隔を10mm
とした実施例5に係るユニットを作製した。
【0036】この様なユニットに関して、面風速0.4
5m/秒における圧力損失を測定したところ、100P
aとなり、さらに、前述と同様な条件で80ppmのト
ルエンに対する脱臭効率を測定した結果、約92%の脱
臭能力が認められた。
【0037】
【発明の効果】上述した説明からも明らかなように、本
発明を適用した脱臭濾材ユニットの構成によって、脱臭
機能を低圧力損失下で発揮させ、しかもコンパクトな脱
臭濾材ユニットを提供することができる。また、このよ
うな効果によって、従来、脱臭機能を想定して設計され
ていない空調機器においても、その送風機の設計を変更
することなく、優れた脱臭機能と除塵機能とを享受する
ことが期待できる。換言すれば、本発明の構成は、自動
車用の空調機器用途のみならず、空気清浄機やビル空調
など、広い分野に適用可能であって、コンパクトで低圧
損な脱臭濾材ユニットを実現することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の好適例及び従来技術の説明に供する斜
視図、
【図2】 本発明の実施形態の説明に供する断面図、
【図3】 本発明の実施形態の説明に供する平面図、
【図4】 本発明の他の実施形態の説明に供する要部断
面図である。
【符号の説明】11 :脱臭濾材ユニット、13:濾材、15:枠体、1
7:除塵層、19:脱臭層、21:積層単位、23:脱
臭粉粒体、25:ウエブ、27:連結部、29:樹脂凝
集部、d:プリーツ深さ、h:ユニット高さ、w:ユニ
ット幅、A:連通孔。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 林 志郎 茨城県猿島郡総和町大字北利根7番地 日 本バイリーン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】除塵層及び脱臭層からなる濾材をプリーツ
    加工し、該濾材を枠体に装着した脱臭濾材ユニットにお
    いて、前記脱臭層が、ホットメルト樹脂からなる連結部
    と樹脂凝集部とで構成されたウエブの一方の表面に、前
    記樹脂凝集部を介して脱臭粉粒体を固着してなる積層単
    位を有することを特徴とする脱臭濾材ユニット。
  2. 【請求項2】ASHRAE規格の質量法による除塵性能
    が60%以上の濾材を備えてなることを特徴とする請求
    項1に記載の脱臭濾材ユニット。
JP07498998A 1998-03-09 1998-03-09 脱臭濾材ユニット Expired - Lifetime JP3817057B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07498998A JP3817057B2 (ja) 1998-03-09 1998-03-09 脱臭濾材ユニット

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP07498998A JP3817057B2 (ja) 1998-03-09 1998-03-09 脱臭濾材ユニット

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11254958A true JPH11254958A (ja) 1999-09-21
JP3817057B2 JP3817057B2 (ja) 2006-08-30

Family

ID=13563210

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP07498998A Expired - Lifetime JP3817057B2 (ja) 1998-03-09 1998-03-09 脱臭濾材ユニット

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3817057B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002085536A (ja) * 2000-09-20 2002-03-26 Fujitsu General Ltd 脱臭フィルタ
JP2003236938A (ja) * 2002-02-13 2003-08-26 Ueda Shikimono Kojo:Kk 機能性成形体の製造方法及びこの方法を用いて製造された機能性成形体
US10960341B2 (en) 2016-03-14 2021-03-30 3M Innovative Properties Company Air filters comprising polymeric sorbents for aldehydes
US11000827B2 (en) 2016-03-14 2021-05-11 3M Innovative Properties Company Air filters comprising polymeric sorbents for reactive gases
US11278832B2 (en) 2017-06-16 2022-03-22 3M Innovative Properties Company Air filters comprising polymeric sorbents for aldehydes
US11305224B2 (en) 2017-04-18 2022-04-19 3M Innovative Properties Company Air filter media with post-pleat-deposited sorbent particles

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002085536A (ja) * 2000-09-20 2002-03-26 Fujitsu General Ltd 脱臭フィルタ
JP2003236938A (ja) * 2002-02-13 2003-08-26 Ueda Shikimono Kojo:Kk 機能性成形体の製造方法及びこの方法を用いて製造された機能性成形体
US10960341B2 (en) 2016-03-14 2021-03-30 3M Innovative Properties Company Air filters comprising polymeric sorbents for aldehydes
US11000827B2 (en) 2016-03-14 2021-05-11 3M Innovative Properties Company Air filters comprising polymeric sorbents for reactive gases
US11305224B2 (en) 2017-04-18 2022-04-19 3M Innovative Properties Company Air filter media with post-pleat-deposited sorbent particles
US11278832B2 (en) 2017-06-16 2022-03-22 3M Innovative Properties Company Air filters comprising polymeric sorbents for aldehydes

Also Published As

Publication number Publication date
JP3817057B2 (ja) 2006-08-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7063733B2 (en) Filter member
JP4944540B2 (ja) フィルタエレメント、その製造方法、並びに使用方法
JPWO2002081055A1 (ja) フィルター用素子、その製造方法及び該素子を用いたフィルター
JP2003320209A (ja) 脱臭濾材および脱臭フィルタ
JP5334364B2 (ja) ガス除去用濾材、複合フィルタ及びフィルタエレメント
JP2005517516A (ja) フィルタおよびフィルタの製造方法
JPH11254958A (ja) 脱臭濾材ユニット
US6177069B1 (en) Laminated deodorant filter medium and method of making the same
JPH1157467A (ja) 積層型脱臭濾材
WO2004009217A1 (ja) 気体浄化材
JP2002292227A (ja) フィルターユニット
JP3946576B2 (ja) カバー材、それを用いたガス除去用濾材およびガス除去ユニット
JPH09173752A (ja) 空気清浄機
JPH11156124A (ja) ハニカム状空気浄化フィルタ
KR100246936B1 (ko) 탈취기능의 자동차 실내용 복합 에어 필터 메디아
CN116887902A (zh) 具有集尘和除臭功能的空气净化过滤器及其制造方法
JP3653404B2 (ja) 脱臭濾材の製造方法
JPH11253720A (ja) 脱臭濾材及びその製造方法
JP2008194205A (ja) ガス除去用濾材、複合フィルタ及びフィルタエレメント
US9199189B1 (en) Filter medium having ozone and odor removal properties
JPH07250885A (ja) 空気浄化フィルターエレメント
JP3732319B2 (ja) 脱臭濾材
JPH10180022A (ja) フィルタおよびその製造方法
JP6696141B2 (ja) 脱臭フィルター用濾材
JPH0445820A (ja) 空気浄化用フィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051003

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060330

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060606

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060609

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100616

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100616

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110616

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120616

Year of fee payment: 6

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130616

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130616

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140616

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term