JPH10180022A - フィルタおよびその製造方法 - Google Patents

フィルタおよびその製造方法

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JPH10180022A
JPH10180022A JP9099520A JP9952097A JPH10180022A JP H10180022 A JPH10180022 A JP H10180022A JP 9099520 A JP9099520 A JP 9099520A JP 9952097 A JP9952097 A JP 9952097A JP H10180022 A JPH10180022 A JP H10180022A
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JP
Japan
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nonwoven fabric
adsorbent
fabric substrate
sheet
upstream
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Pending
Application number
JP9099520A
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English (en)
Inventor
Mitsutoshi Suzuki
光俊 鈴木
Hiromasa Ishii
宏征 石井
Tomohisa Kondo
智久 今藤
Tomoki Masuko
知樹 増子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mahle Filter Systems Japan Corp
Original Assignee
Tennex Corp
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Publication date
Application filed by Tennex Corp filed Critical Tennex Corp
Priority to JP9099520A priority Critical patent/JPH10180022A/ja
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  • Filtering Materials (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸着,通気性能に優れ、吸着剤の脱落がな
く、強度に優れたフィルタを得る。 【解決手段】 下流側シート4上に、抗菌性/抗かび性
が付与された不織布基材2を載置する。次いで、不織布
基材2の上方より粒状の吸着剤5とホットメルト結着剤
6とを散布する。次に、不織布基材2上に上流側シート
3を載置する。この後、ホットメルト結着剤6を加熱し
て溶融し、吸着剤5を不織布基材2の繊維に融着すると
ともに、上流側,下流側シート3,4と不織布基材2と
を融着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塵埃の捕集性能に
加え、悪臭や有害なガス等をも吸着し得るフィルタおよ
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば一般家庭やビルおよび自動
車の室内等を浄化する空調関連のフィルタに対して、塵
埃の捕集性能に加え、悪臭や有害なガス等の被吸着物を
吸着する性能も必要とされてきている。
【0003】このような吸着性能を有するフィルタとし
て、被吸着物を吸着する粒状の吸着剤を、ネットや不織
布のような基材に結着剤を介して接着させたものがあ
る。具体的には、基材の表面にエマルジョン系の結着剤
を塗布しておき、そこへ粒状吸着剤を固着させたもの、
あるいは粒状吸着剤とエマルジョン系の結着剤とを混合
した溶液に基材を浸した後に乾燥させて、吸着剤を固着
させたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このようなフィルタの
問題点として、基材にネットや目の粗い不織布を用いた
場合、少量の吸着剤しか接着できず、適宜な吸着性能を
得ることができないことがある。
【0005】また、基材表面に吸着剤を固着させるもの
では、基材表面付近の密度が過度に高くなって、この部
分での圧力損失が局部的に大きくなり、フィルタ自身の
通気性能や濾過性能を損ねてしまう。
【0006】一方、基材を吸着剤を含んだエマルジョン
溶液内に浸せきしたものでは、吸着剤が基材厚さ方向に
適宜に分散されて通気性は改善するものの、エマルジョ
ン系の結着剤が吸着剤の表面を覆ってしまい、所期の吸
着性能を損ねてしまう。
【0007】また、吸着剤が基材の上流側,下流側表面
から脱落することがあり、このような脱落を防止するた
めに結着剤の量を多くすると、結着剤が吸着剤を覆って
吸着性能が低下したり、フィルタが過度に剛直となって
破損し易くなってしまう。
【0008】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたもので、粒状吸着剤が厚さ方向に分散配置されて吸
着,通気性能に優れ、吸着剤の脱落を有効に阻止し、し
かも強度に優れたフィルタを提供することを目的として
いる。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明に係わる
フィルタは、粒状の吸着剤を厚さ方向に分散して内部に
保持し得る不織布の基材の上流側および下流側表面に、
上記吸着剤よりも小さい空隙を有する上流側シートおよ
び下流側シートが配置されたフィルタであって、上記吸
着剤は、予め粒状のホットメルト系の結着剤と混合され
て上記不織布基材に散布され、この結着剤が、上記吸着
剤を不織布基材の繊維に融着するとともに、上記上流
側,下流側シートと不織布基材とを融着することを特徴
としている。
【0010】また、本発明に係わるフィルタの製造方法
は、粒状の吸着剤よりも小さい空隙を有する下流側シー
ト上に、上記吸着剤を厚さ方向に分散して内部に保持し
得る不織布の基材を載置し、この不織布基材の上方より
上記吸着剤と粒状のホットメルト系の結着剤とを混合し
て散布し、この不織布基材上に上流側シートを載置し、
次いで上記ホットメルト結着剤を加熱により溶融して、
上記吸着剤を不織布基材の繊維に融着するとともに、上
記上流側,下流側シートと不織布基材とを融着すること
を特徴としている。
【0011】本明細書において不織布とは、一本,一本
の繊維をシート状に集積した後、その繊維同士を高分子
樹脂等の結着剤(バインダ)で化学的に結合させる(ラ
テックスボンド法)、あるいは熱により繊維同士を圧着
させる(サーマルボンド法)、または機械的に繊維同士
を絡ませる(ニードルパンチ法,水流絡合法)等によっ
てできる布のことをいう。つまり不織布は、繊維ウェブ
を全面または部分的に接合処理して得ることができる。
【0012】繊維をシート状に集積する方法としては、
繊維の元の原料自体から直に繊維を紡糸するスパンボン
ド法,メルトブロー法,フラッシュスピニング法、また
は繊維を紡績に似たカードで機械的に並べてつくるカー
ド法、あるいは紙を漉す方法と同様にして漉し上げる湿
式法等が挙げられる。
【0013】上記繊維としては、例えば、ポリクラール
繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維、ポリエス
テル繊維、ポリアミド繊維、アクリル繊維、ポリビニル
アルコール繊維、ポリプロピレン織維、ポリエチレン繊
維、或いは複数の樹脂成分からなる複合繊維などの合成
繊維や、これら合成繊維に芳香剤、抗菌剤や抗かび剤な
どを混入し、芳香性、抗菌性や抗かび性などの機能を有
する繊維や、レーヨン、ビスコースなどの再生繊維や、
アセテートなどの半合成繊維や、炭素繊維、ガラス繊維
などの無機繊維などを使用できる。これらの中でも、ポ
リクラール繊維、ビニリデン繊維、ポリ塩化ビニル繊維
は難燃性に優れており、ポリエステル繊維は耐薬品性、
耐熱性に優れているため、本発明に係わる不織布として
好適に使用できる。なお、上記繊維の平均繊維径は、圧
力損失や基材強度を考慮して20〜35μmが好まし
い。
【0014】本発明に用いられる上流側,下流側シート
としては、活性炭のような粒状吸着剤のこぼれを極力な
くすため、吸着剤よりも目の小さい空隙を有し、かつ、
圧力損失低減の観点から厚さの薄いものが好ましく、具
体的には目付け量が10〜100gr/m2で、厚さが
0.1〜1.0mm程度のものが好ましい。なお、吸着
剤の粒径よりも目の粗い不織布を数枚重ねて目を細かく
してもよい。一例として、上流側,下流側シートに、上
記メルトブロー法等により得られる不織布をそのまま用
いてもよい。
【0015】なお、上流側,下流側シートは、互いに同
じものを使用することもできるが、上流側シートが下流
側シートよりも目が粗くなるようにすれば、上流側から
下流側に向けて目が密となり、流入する塵埃が上流側シ
ートで目詰まりし難くなってフィルタの寿命が向上する
とともに、下流側シートで小さな塵埃を確実に捕捉し得
るようになり、濾過性能が向上する。
【0016】なお、フィルタに抗菌性や抗かび性等を付
与するために、例えば上記上流側,下流側シートの表面
に予め抗菌剤や抗かび剤をそれぞれ0.1〜5g/m2
程度固着しておくこともできる。
【0017】一方、中間層となる不織布の基材は、粒状
吸着剤を厚さ方向に分散して立体的に配置し得るよう
に、吸着剤の粒子の大きさよりもやや目が粗く、適度な
厚さをもった低密度なものが好ましく、例えば目付け量
が20〜100g/m2で厚さが0.5〜10mm程度
のものが好ましい。ここで、散布された吸着剤が下流側
に向かうにしたがって密となるように、粒状吸着剤の大
きさと不織布基材の目の大きさとを調整すれば、フィル
タの耐久性や濾過性能が更に向上する。
【0018】ここで、活性炭のような粒状吸着剤を多量
に用いたような場合、中間層としての不織布基材が不可
避的に厚くなってしまい、上流側,下流側シートに抗菌
剤および/または抗かび剤を付与しただけでは十分な抗
菌/抗かび性能を得ることができず、基材に菌やかびが
繁殖することがある。そこで好ましくは、不織布基材に
予め抗菌性および/または抗かび性を付与しておき、基
材に菌やかびが繁殖するのを確実に阻止する。好適な具
体例として、上流側,下流側シートが固着される前の不
織布基材に、エマルジョン系または溶剤系のバインダ中
に分散もしくは溶解された抗菌剤/抗かび剤を塗布して
おく。このときの塗布方法としては、ディッピング,ス
プレー,ロールでの転写加工のように、周知の方法で行
うことができる。このようにすれば、抗菌剤/抗かび剤
が基材の厚さ方向に適宜に分散して配置されるため、基
材の厚さが厚くなったとしても、効果的な抗菌/抗かび
性能を得ることができる。
【0019】なお、少なくとも上流側,下流側シートや
不織布基材のいずれかに導電性を有する不織布を用いる
か、あるいは上流側,下流側シートの表面に帯電シート
を接合しておけば、タバコの煙や自動車の排気ガスのよ
うな通常捕獲し得ない小さな粉塵をも捕獲することがで
き、捕集性能が更に向上する。
【0020】上記粒状吸着剤は、悪臭や有害ガス等の被
吸着物を効果的に吸着するものであり、例えば、鉄、マ
ンガン、銅、アルミニウム、マグネシウム、亜鉛、ニッ
ケル、コバルト、白金、パラジウム、金、ルテニウム、
ロジウムなどの金属単体、これらの金属酸化物または金
属塩化物、ゼオライト、カオリン、セピオライト、シリ
カゲル、活性炭などを単独で、或いは混合して使用する
ことができる。吸着剤の平均大きさは、あまり大きいと
フィルタが厚くなって折り加工がしにくくなり、あまり
小さいと吸着性能が低下するため、10〜200メッシ
ュ(0.15〜1.7mm)程度が好ましい。
【0021】不織布基材に散布される粒状吸着剤の量
は、あまり少ないと吸着機能が低下し、あまり多いと通
気性を阻害する虞があるため、好ましくは不織布基材に
対して50〜500g/m2、より好ましくは200〜
350g/m2程度である。
【0022】上記ホットメルト結着剤は、熱可塑性を有
するホットメルト型の粒状のものが用いられ、吸着剤の
脱臭性能をあまり低下させないものが好ましい。このよ
うなホットメルト結着剤として、例えばポリエステル
系、ポリアミド系、ウレタン系、ポリオレフィン系、エ
チレン、塩化ビニル(EVA)系のものを使用できる。
これらの中でも塩化ビニル系樹脂は難燃性に優れている
ため、特に好適である。
【0023】上記ホットメルト系の結着剤の量は、吸着
剤100重量%に対して10〜100重量%が好まし
い。結着剤の量が10重量%未満であると、結着剤を使
用しているにも関わらず脱落が生じ易くなるとともに、
上流側,下流側シートと不織布基材との接着が不十分と
なり易い。また製造されるフィルタに適宜な剛性が得ら
れず、折り加工が困難となる虞もある。一方、結着剤の
量が100重量%を越えると、結着剤が吸着剤を覆って
しまい、吸着性能を阻害する虞があるためである。
【0024】フィルタの製造方法としては、まず、下流
側シートの上に不織布基材を載せた後、予め混合,撹拌
された所定比の粒状の吸着剤とホットメルト結着剤とを
不織布基材の上から散布する。次いで、不織布基材上に
上流側シートを載せた後、ホットメルト結着剤が溶融す
るように加熱して、吸着剤を不織布基材の繊維に融着す
るとともに、上流側,下流側シートと不織布基材とを融
着する。
【0025】このようにして得られるフィルタは、平板
のまま使用しても良いが、折り加工を施せば、被濾過流
体に接触する表面積が増加することから、吸着性能及び
塵埃の捕集効率を向上することができる。
【0026】このようにして製造されたフィルタにあっ
ては、不織布基材が上流側,下流側シート間に挟まれた
積層構造となるため、不織布基材が製造中や使用中の摩
擦から守られるとともに、主に上流側,下流側シートに
よって適度な強度が与えられ、折り加工も容易に行え
る。また、上流側シートと下流側シートとは粒状吸着剤
よりも小さい空隙を有しているため、製造時や使用中に
おける吸着剤の脱落が有効に防止される。
【0027】そして、散布された粒状吸着剤が不織布基
材内部の繊維間に絡まるようにして厚さ方向に適宜に分
散した三次元的な配列状態に保持されるため、通気性や
吸着性能が向上する。
【0028】また、ホットメルト結着剤によって、吸着
剤が不織布基材の繊維に融着されるとともに、上流側,
下流側シートと不織布基材とが融着されるため、使用中
の粒状吸着剤の脱落が阻止されることに加え、別途結着
剤等を用いて上流側,下流側シートと不織布基材とを接
着する必要がなく、製造工程が簡素化される。
【0029】ここで、予め吸着剤と粒状の結着剤とを混
合してあるため、吸着剤の周りに結着剤が付着し易く、
このようにして付着した結着剤が加熱により溶融して吸
着剤と不織布基材の繊維との接着を行うものと思われ
る。また、不織布基材の目をすり抜けて下流側シート上
に落ちたホットメルト結着剤が下流側シートと不織布基
材との接着を行い、一方、不織布基材上面に残ったホッ
トメルト結着剤が上流側シートと不織布基材との接着を
行うものと思われる。
【0030】なお、散布されるホットメルト結着剤だけ
では、上流側シートや下流側シートと不織布基材との間
の接着が十分ではない場合には、上流側シートの下流側
表面および下流側シートの上流側表面のいずれかまたは
両方に、あらかじめホットメルト系の粒状の結着剤を固
着しておき、上流側/下流側シートと不織布基材との接
着力を適宜大きくすることもできる。この場合、固着さ
れた結着剤も散布された結着剤とともに加熱により溶融
することから、別途加熱工程を追加する必要はない。
【0031】また、散布前の粒状吸着剤やホットメルト
結着剤と一緒に、粒状の抗かび剤や抗菌剤等を加えてお
くことによって、フィルタに抗かび,抗菌等の機能を簡
単に付与することもできる。
【0032】さらに、結着剤を加熱により溶融した後、
上流側,下流側シートおよび不織布基材に電界をかけ
て、フィルタに帯電性を付与することもできる。この場
合、上記した帯電性を有する不織布を用いた場合と同様
に、小さな粉塵をも除塵でき、捕獲効率が向上する。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図1〜3を参照して、本発
明の最適な実施例について説明するが、本発明は後述す
る実施例に限定されるものではない。
【0034】上流側シートにポリエチレンテレフタレー
ト(PET)スパンボンド法により得られる34g/m
2の不織布、下流側シートにPPスパンボンド法により
得られる30g/m2の不織布、不織布基材に30g/
2のサーマルボンド不織布(PP・PE)、粒状吸着
剤に平均大きさ20〜40メッシュの活性炭、および粒
状のホットメルト結着剤を用いる。
【0035】また、上流側,下流側シートの片面に、予
め溶剤系バインダに分散させた抗かび剤(または/およ
び抗菌剤)1g/m2を印刷用の高速輸転機を用いて塗
布した後乾燥させて固着しておく。さらに、上流側シー
トの抗かび剤が塗布されていない他方の面に、上記ホッ
トメルト結着剤を貼り合わせ加工機を用いて10g/m
2固着しておく。また、上記活性炭を図3に示すように
25〜30度に傾斜した40メッシュ,2m以上のステ
ンレスメッシュ21の上流側から流して、予め微粉を取
り除いておく。
【0036】図1は、本実施例のフィルタ1を製造する
装置を示し、同図を参照してフィルタ1の製造方法を説
明する。
【0037】まず、第1ローラ11から下流側シート4
が抗かび剤の固着面を下にして供給され、この下流側シ
ート4上に第2ローラ12から一定速度で供給される不
織布基材2が載置される。一方、第2ローラ12の下流
側に配置されたホッパー13内には、吸着剤5とホット
メルト結着剤6とを撹拌した粒状の混合物が充填されて
おり、このホッパー13の開口する下端部より、粒状吸
着剤280g/m2とホットメルト結着剤50g/m2
が不織布基材2上に散布される。
【0038】次いで、織布基材2の上流側の表面に、第
3ローラ14から一定速度で供給される上流側シート3
が抗かび剤の固着面を上にして載置された後、加熱プレ
ス機15において、上流側,下流側シート3,4が幅方
向に加圧されるとともに加熱されて、不織布基材2内に
保持されているホットメルト結着剤6が溶融し、吸着剤
5が不織布基材2の繊維に融着されるとともに、上流
側,下流側シート3,4と不織布基材2とが融着され
る。そして、加熱プレス機15から供給されたフィルタ
は、帯電機16によって帯電性を付与された後、帯電機
16の後方に配置された第4ローラ17によって適宜に
回収される。
【0039】このようにして得られるフィルタ1にあっ
ては、図2に示すように、不織布基材2が上流側,下流
側シート3,4間に挟まれた積層構造となっているた
め、不織布基材2が製造中や使用中の摩擦から守られる
とともに、主に上流側,下流側シート3,4によって適
度な強度が与えられ、折り加工も容易に行える。また、
上流側シート3と下流側シート4とは粒状吸着剤5より
も小さい空隙を有しているため、製造時や使用中に吸着
剤5が基材2の上流側,下流側表面から脱落することが
確実に防止される。
【0040】そして、散布された粒状吸着剤5が不織布
基材2内部の繊維2a間に絡まるようにして厚さ方向に
適宜に分散した三次元的な配列状態に保持されるため、
吸着性能に優れており、圧力損失が小さい通気性に優れ
たものとなる。
【0041】しかも、ホットメルト結着剤によって、吸
着剤5が不織布基材2の繊維2aに融着されるととも
に、上流側,下流側シート3,4と不織布基材2とが融
着されるため、使用中の粒状吸着剤5の脱落が阻止され
ることに加え、別途結着剤等を用いて上流側,下流側シ
ート3,4と不織布基材2とを接着する必要がなく、製
造工程が簡素化される。
【0042】なお、上流側,下流側シート3,4と固着
される前の不織布基材2に、予め抗菌性および/または
抗かび性を付与しておくこともできる。具体的には、エ
マルジョン系または溶剤系のバインダに分散もしくは溶
解させた抗菌剤/抗かび剤を不織布基材2に塗布した後
乾燥させて固着しておく。この場合、吸着剤5を多量に
用いたことにより基材2の厚さが厚くなっても、幅方向
にほぼ均一に抗菌/抗かび性を付与することができ、効
果的な抗菌/抗かび性能を得ることができる。
【0043】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、吸着剤を
不織布基材の厚さ方向に分散して保持し、ホットメルト
結着剤によって吸着剤を繊維に融着するとともに、上流
側,下流側シートを不織布基材の両面に融着することが
できるため、吸着性能および通気性能に優れ、粒状吸着
剤の脱落がなく、しかも強度に優れたフィルタを得るこ
とができる。
【0044】また、不織布基材に予め抗菌性/抗かび性
を付与しておけば、不織布基材の厚さが厚くなった場合
であっても効果的な抗菌/抗かび性能を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係わるフィルタの製造装置
を示す図。
【図2】本発明の一実施例に係わるフィルタ構造を簡素
化して示す断面対応図。
【図3】上記フィルタに使用される活性炭の微粉を取り
除くのに使用されるステンレスメッシュを示す図。
【符号の説明】
1…フィルタ 2…不織布基材 2a…繊維 3…上流側シート 4…下流側シート 5…粒状吸着剤 6…ホットメルト結着剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B01D 53/04 B01D 53/04 A 53/34 53/34 A 53/81

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒状の吸着剤を厚さ方向に分散して内部
    に保持し得る不織布の基材の上流側および下流側表面
    に、上記吸着剤よりも小さい空隙を有する上流側シート
    および下流側シートが配置されたフィルタであって、 上記吸着剤は、予め粒状のホットメルト系の結着剤と混
    合されて上記不織布基材に散布され、この結着剤が、上
    記吸着剤を不織布基材の繊維に融着するとともに、上記
    上流側,下流側シートと不織布基材とを融着することを
    特徴とするフィルタ。
  2. 【請求項2】 上記不織布基材の繊維目付が20〜10
    0g/m2、不織布基材の厚さが0.5〜10mm、上
    記吸着剤の平均大きさが10〜200メッシュ、上記不
    織布基材に散布される吸着剤の量が50〜500g/m
    2、上記吸着剤100重量%に対する結着剤の量が10
    〜100重量%であることを特徴とする請求項1に記載
    のフィルタ。
  3. 【請求項3】 上記上流側シートの下流側表面および下
    流側シートの上流側表面のいずれかまたは両方に、あら
    かじめホットメルト系の粒状の結着剤が固着されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のフィ
    ルタ。
  4. 【請求項4】 抗菌剤および抗かび剤のいずれかまたは
    両方が、予め上流側シートまたは下流側シートに固着さ
    れるか、あるいは上記吸着剤および結着剤とともに混合
    されて上記不織布基材に散布されることを特徴とする請
    求項1または請求項2に記載のフィルタ。
  5. 【請求項5】 少なくとも上記上流側,下流側シートお
    よび不織布基材のいずれかが、帯電性を有することを特
    徴とする請求項1または請求項2に記載のフィルタ。
  6. 【請求項6】 上記上流側シートが、上記下流側シート
    よりも目が粗いことを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のフィルタ。
  7. 【請求項7】 上記不織布基材に予め抗菌性および/ま
    たは抗かび性が付与されていることを特徴とする請求項
    1または請求項2に記載のフィルタ。
  8. 【請求項8】 予め上記不織布基材に、エマルジョン系
    または溶剤系のバインダ中に分散もしくは溶解された抗
    菌剤および/または抗かび剤を塗布してあることを特徴
    とする請求項7に記載のフィルタ。
  9. 【請求項9】 粒状の吸着剤よりも小さい空隙を有する
    下流側シート上に、上記吸着剤を厚さ方向に分散して内
    部に保持し得る不織布の基材を載置し、この不織布基材
    の上方より上記吸着剤と粒状のホットメルト系の結着剤
    とを混合して散布し、この不織布基材上に上流側シート
    を載置し、次いで上記ホットメルト結着剤を加熱により
    溶融して、上記吸着剤を不織布基材の繊維に融着すると
    ともに、上記上流側,下流側シートと不織布基材とを融
    着することを特徴とするフィルタの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記ホットメルト結着剤を加熱により
    溶融した後、上記上流側,下流側シートおよび不織布基
    材に電界をかけて、帯電性を付与することを特徴とする
    請求項9に記載のフィルタの製造方法。
  11. 【請求項11】 上記不織布基材に、予め抗菌性および
    /または抗かび性を付与しておくことを特徴とする請求
    項9,10に記載のフィルタの製造方法。
  12. 【請求項12】 予め上記不織布基材に、エマルジョン
    系または溶剤系のバインダ中に分散もしくは溶解された
    抗菌剤および/または抗かび剤を塗布しておくことを特
    徴とする請求項11に記載のフィルタの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001293318A (ja) * 2000-03-15 2001-10-23 Valeo 自動車の空調用濾過装置
US7621372B2 (en) 2006-05-30 2009-11-24 Toyota Boshoku Kabushiki Kaisha Duct and process for producing the same
KR20150003989U (ko) * 2014-04-22 2015-10-30 박한호 수처리 및 공기정화기용 원단 필터
KR20160142987A (ko) * 2015-06-04 2016-12-14 주식회사 교원 중금속 제거용 친환경 정수 필터 모듈 및 그 제조방법

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