JPH11254721A - 記録装置、記録システムおよび記憶媒体 - Google Patents

記録装置、記録システムおよび記憶媒体

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JPH11254721A
JPH11254721A JP10082572A JP8257298A JPH11254721A JP H11254721 A JPH11254721 A JP H11254721A JP 10082572 A JP10082572 A JP 10082572A JP 8257298 A JP8257298 A JP 8257298A JP H11254721 A JPH11254721 A JP H11254721A
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JP
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recorded
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JP10082572A
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English (en)
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Kazuyuki Miyaki
和行 宮木
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Brother Industries Ltd
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Brother Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録領域間の境界部分の記録品質を高めるこ
とができる記録装置、記録システムおよび記憶媒体を実
現する。 【解決手段】 すでに記録された記録領域H5に記録領
域H6を重ねて記録する場合、オーバーラップ領域HA
を異なる面積のドットD6,D7,D9およびドットD
10によって記録する。これにより、ドットD9,D1
0の記録位置がずれた場合であっても、ドット同士の重
なりにより形成される濃度の濃い重複部の面積を小さく
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録媒体にドッ
ト単位の記録を行う記録装置であって、複数の記録領域
に分けて記録を行う場合に、記録領域間の境界部分の記
録品質を高めることができる記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被記録媒体にドットを形成する記
録素子を列方向に複数有する記録ヘッドを被記録媒体に
対して行方向に相対移動させることにより、被記録媒体
にドット単位の記録を行う記録装置が知られている。そ
して、そのような記録装置では、記録ヘッドを行方向へ
1回移動させて記録を行うことができる記録幅は、記録
素子の配列の長さによって制限される。このため、たと
えば、大きな絵や文字などを記録する場合は、複数回に
分けて記録を行うことになる。
【0003】そこで問題となるのは、紙送り機構に用い
られているギヤの送りピッチのムラや機械的剛性不足な
どの原因により、紙送り量が過剰になって記録領域間に
隙間ができて白スジが発生したり、紙送り量が不足して
記録領域同士が重なり、その重なった部分の記録濃度が
濃くなって黒スジが発生したりすることである。そこ
で、そのような問題を解決するため、たとえば、特開昭
60−168667号公報に記載の技術が提案されてい
る。上記技術は、発熱素子を発熱させてインクリボンの
インクを被記録媒体に転写するものに関し、記録領域の
重なる領域を他の記録領域に記録するドットよりも低い
濃度で記録することにより、記録領域間の境界線を目立
たなくしようとするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術をサー
マルプリンタに適用し、そのサーマルプリンタによって
記録された領域のうち、記録領域の境界部分の模式図を
図17に示す。図17(A)は、記録領域間の境界部分
のドットパターンを示す説明図である。図17(B)な
いし図18(D)は、境界部分のシミュレーションの結
果を示す説明図である。図17(B)は、記録領域P1
および記録領域P2間にずれが発生していない場合の説
明図であり、図18(C)は、紙送り量が不足し、記録
領域P2が、紙送りの順方向に0.5ドット分ずれた場
合の説明図であり、図18(D)は、紙送り量が過剰と
なり、記録領域P2が、紙送りの逆方向に0.5ドット
分ずれた場合の説明図である。
【0005】図18(C)に示すように、記録領域P2
が、紙送りの順方向にずれた場合は、ドットD3および
ドットD4の重なりによって濃度の濃い重複部B3が形
成され、ドットD1およびドットD4の重なりによって
濃度の濃い重複部B4が形成され、ドットD2およびド
ットD3の重なりによって濃度が濃い重複部B5が形成
され、ドットD1およびドットD2の重なりによって濃
度が濃い重複部B6が形成されて、濃度の濃い部分が増
加し、それと共に白色部W3が減少する。さらに、濃度
の濃い重複部B3,B4,B5,B6は、それぞれ横一
直線に並んでいる。つまり、濃度の濃い部分が増加し、
白色部が減少すると共に、濃度の濃い部分が横一直線に
並んでいるため、記録領域P1および記録領域P2との
間の境界線が目立つ。また、図18(D)に示すよう
に、記録領域P2が紙送りの逆方向にずれた場合には、
記録領域P1および記録領域P2間に白色部W5が形成
され、ドットD3およびドットD4の重なりによって濃
度の濃い重複部B8が形成される。つまり、濃度の濃い
部分が減少すると共に白色部が増加し、記録領域P1お
よび記録領域P2との間の境界線が白く見え、さらに、
白色部W5および重複部B8が交互に現れる模様が形成
される。以上のように、上記従来の技術は、記録領域間
の境界線を目立たなくすることを目的とするものである
が、後から記録した記録領域P2にずれが発生すると、
記録領域間の記録品質が低下するという問題がある。
【0006】そこで、本発明は、記録領域間の境界部分
の記録品質を高めることができる記録装置、記録システ
ムおよび記憶媒体を実現することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため、記録領域間の境界部分における記録方法
をについて実験を行った。その結果、以下の請求項1な
いし請求項3に記載の技術的手段を採用することによ
り、上記目的を達成できることが分かった。つまり、請
求項1に記載の発明では、記録信号が付与されることに
よりエネルギーを発生し、被記録媒体にドットを形成す
る記録素子を列方向に複数有する記録ヘッドを前記被記
録媒体に対して行方向に相対移動させ、前記被記録媒体
にドット単位の記録を行う記録装置において、すでに記
録された記録領域の所定の領域に重ねて記録を行う際
に、その所定の領域に記録するドット、および前記所定
の領域に重ねて記録するドットは、少なくとも2種類の
面積で記録するという技術的手段を採用する。
【0008】請求項2に記載の発明では、記録信号が付
与されることによりエネルギーを発生し、被記録媒体に
ドットを形成する記録素子を列方向に複数有する記録ヘ
ッドを前記被記録媒体に対して行方向に相対移動させ、
前記被記録媒体にドット単位の記録を行う記録装置と、
この記録装置の記録制御を行うコンピュータとが備えら
れた記録システムにおいて、前記コンピュータは、前記
記録装置に対して、すでに記録された記録領域の所定の
領域に重ねて記録を行う際に、その所定の領域に記録す
るドット、および前記所定の領域に重ねて記録するドッ
トは、少なくとも2種類の面積で記録するように制御す
るという技術的手段を採用する。
【0009】請求項3に記載の発明では、記録信号が付
与されることによりエネルギーを発生し、被記録媒体に
ドットを形成する記録素子を列方向に複数有する記録ヘ
ッドを前記被記録媒体に対して行方向に相対移動させ、
前記被記録媒体にドット単位の記録を行う記録装置を制
御するコンピュータプログラムが格納された記憶媒体に
おいて、すでに記録された記録領域の所定の領域に重ね
て記録を行う際に、その所定の領域に記録するドット、
および前記所定の領域に重ねて記録するドットは、少な
くとも2種類の面積で記録するように制御するための記
録制御プログラムを含むコンピュータプログラムが格納
されたという技術的手段を採用する。
【0010】
【作用】請求項1および請求項2に記載の発明では、す
でに記録された記録領域の所定の領域に重ねて記録を行
う際に、その所定の領域に記録するドット、および前記
所定の領域に重ねて記録するドットは、少なくとも2種
類の面積で記録するため、記録領域間の境界部分の記録
品質を高めることができる記録装置および記録システム
を実現できる。つまり、たとえば、後述する本発明の第
1実施形態において図10(A)に示すように、すでに
記録された記録領域H5に記録されたドットD5よりも
小さい面積のドットD6、さらにドットD5より小さく
ドットD6より大きいドットD7を上記所定の領域たる
オーバーラップ領域領域HAに交互に記録し、さらに、
ドットD7と同じ大きさのドットD9をドットD6に重
ね、ドットD6と同じ大きさのドットD10をドットD
7に重ねて記録する。図10(A)のシミュレーション
結果は、図10(B)に示す。
【0011】そして、シミュレーション結果である図1
0(B)に示すように、従来例(図17(B)参照)と
比較して、ドット同士の重なりによって形成される濃度
の濃い重複部B10およびB11は、従来例の重複部B
7と比較して小さい面積であり、白色部W10は従来例
の白色部W4と比較して小さい面積であるので、オーバ
ーラップ領域は従来例よりも目立たない。また、記録領
域H6の記録位置が紙送り方向へ0.5ドットずれた場
合のシミュレーション結果である図11(C)に示すよ
うに、図18(C)に示される従来例と比較して、ドッ
ト同士の重なりによって形成される濃度の濃い重複部B
12,B13,B14,B15が交互に分散して発生す
るので目立ちにくくなっている。同様に、記録領域H6
の記録位置が紙送り方向と逆方向へ0.5ドットずれた
場合のシミュレーション結果である図11(D)に示す
ように、図18(D)に示される従来例と比較して、ド
ット同士の重なりによって形成される濃度の濃い重複部
B16,B17が交互に分散して発生するので目立ちに
くくなっている。さらに、白色部W11も幅の広い部分
が交互に分散しているため、目立ちにくくなっている。
したがって、請求項1および請求項2に記載の発明によ
れば、記録領域間の境界部分の記録品質を高めることが
できる記録装置および記録システムを実現できる。
【0012】また、請求項3に記載の発明のように、す
でに記録された記録領域の所定の領域に重ねて記録を行
う際に、その所定の領域に記録するドット、および前記
所定の領域に重ねて記録するドットは、少なくとも2種
類の面積で記録するように制御するための記録制御プロ
グラムを含むコンピュータプログラムが格納された記憶
媒体を用いることにより、上記請求項1に記載の記録装
置および請求項2に記載の記録システムを実現できる。
つまり、上記記録装置および記録システムは、たとえ
ば、後述する発明の実施の形態に記載するように、記録
装置に内蔵されたCPU、あるいは、記録装置に接続さ
れたコンピュータによって制御されることから、上記記
憶媒体としてのROMを設け、もしくは、上記記憶媒体
に格納されているコンピュータプログラムをコンピュー
タにインストールすることによって、請求項1および請
求項2に記載の発明を実施できるからである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の記録装置、記録シ
ステムおよび記憶媒体の一実施形態について図を参照し
て説明する。なお、以下の実施形態では、本発明の記録
装置として、文字、記号、絵などをテープに印字するテ
ープ印字装置を代表に説明する。図1は、本発明第1実
施形態のテープ印字装置の外観を示す斜視図であり、図
2は、図1に示すテープ印字装置の内部機構を示す正面
図である。
【0014】テープ印字装置10は、フレーム12を有
し、そのフレーム12の内部には、幅の狭いテープT1
を単色で記録するテープステーションTSと、幅の広い
テープT2(被記録媒体)をカラーまたは単色で記録す
るワイドステーションWSとが備えられている。フレー
ム12の前面下方には、ワイドステーションWSによっ
て記録されたテープT2を排出する排出口13が設けら
れており、フレーム12の左側面には、テープステーシ
ョンTSによって記録されたテープT1を排出する図示
しない排出口が設けられている。また、テープ印字装置
10には、文字や記号などのキャラクタを入力するため
の文字キー、実行キーなどの各種キーを有するキーボー
ド14が、ケーブル15を介して接続されており、キー
ボード14に入力されたデータは、テープ印字装置10
に設けられた液晶ディスプレイ(LCD)16に表示さ
れる。さらに、フレーム12の前面左方には、テープス
テーションTSにて用いるテープカセット(図2にTC
で示す)、または、ワイドステーションWSにて用いる
リボンカセット(図2にRCで示す)を着脱する際に開
閉するカバーケース17が設けられている。
【0015】次に、テープ印字装置10の主な内部構造
について図2を参照して説明する。テープステーション
TSには、テープカセットTCが着脱自在に装着されて
おり、このテープカセットTCの内部には、テープT1
が巻回されたリール18と、インクリボンIRが巻回さ
れたリール19と、両面粘着テープが巻回されたリール
20と、インクリボンIRを巻き取るための巻取リール
21とが設けられている。また、リール20の下方に
は、サーマルヘッド22が固定されている。上記構造の
テープステーションTSは、リール18から繰り出され
たテープT1およびリール19から繰り出されたインク
リボンIRを面同士を合わせた状態でサーマルヘッド2
2へ導き、サーマルヘッド22がインクリボンIRを介
してテープT1に記録を行い、その記録されたテープT
1には、リール20から繰り出された両面粘着テープが
接着され、この接着されたテープT1はフレーム12の
左側面に設けられた図示しない排出口から外部へ排出さ
れる。
【0016】また、ワイドステーションWSには、リボ
ンカセットRCおよびサーマルヘッド23がキャリッジ
35に着脱自在に搭載されており、キャリッジ35に
は、フレーム12の内部に幅方向に架け渡されたガイド
軸24が貫通されている。キャリッジ35の後部は、ガ
イド軸24に沿って設けられたタイミングベルト25に
取付けられており、タイミングベルト25の一端は、プ
ーリ26に掛けられている。プーリ26は、ギヤ27と
一体的に回転し、ギヤ27は、ギヤ28を介してキャリ
ッジモータ29の駆動軸30の回転によって回転され
る。つまり、キャリッジ35は、キャリッジモータ29
の回転により、リボンカセットRCおよびサーマルヘッ
ド23を搭載した状態でガイド軸24に沿って往復動す
る。また、ガイド軸24に沿って図示しないエンコーダ
部材が設けられており、キャリッジ35に設けられたエ
ンコーダセンサ(図5に符号53で示す)は、キャリッ
ジ35の移動にともないエンコーダ部材に記されたマー
クを読み取る。
【0017】フレーム12の内部後方には、テープT2
が巻回されたローラ31が設けられており、ローラ31
は、図示しない紙送り機構によって回転され、ローラ3
1に巻回されたテープT2は、サーマルヘッド23およ
びプラテン32間へ導かれる。そして、サーマルヘッド
23は、インクリボンIRを介してテープT2に記録を
行い、その記録されたテープT2は、紙送りローラ3
3,34によって排出口13(図1)から外部へ排出さ
れる。
【0018】ここで、リボンカセットRCおよびサーマ
ルヘッド23の構成について、それを示す図3を参照し
て説明する。キャリッジ35の下部には、サーマルヘッ
ド23が取付けられており、サーマルヘッド23は、リ
ボンカセットRCを装着する際に、リボンカセットRC
の下部に形成された開口部36内にはまり込むようにな
っている。インクリボンIRは、上から順にシアン、マ
ゼンタ、イエローの3色の領域に分割されており、リー
ル37に巻回されている。また、使用されたインクリボ
ンIRは、インクリボン送りモータ(図5中にIR送り
モータ61で示す)によって回転するリール38によっ
て巻取られる。
【0019】リール37から繰り出されたインクリボン
IRは、リボンエンドの検出および色の検出を行うイン
クリボン検出センサ(図5中にIR検出センサ39で示
す)を構成する発光素子39aおよび受光素子39b間
を通過する。発光素子39aおよび受光素子39bは、
キャリッジ35に取付けられており、リボンカセットR
Cに形成された一対の貫通孔40,40内に収容され
る。インクリボン検出センサ39を通過したインクリボ
ンIRは、ガイド部材41、サーマルヘッド23の記録
面23a、ガイド部材42を経由してリール38に巻取
られる。サーマルヘッド23は、テープT2に記録を行
わない場合は、テープT2から離間し(実線で示す位
置)、テープT2に記録を行う場合は、インクリボンI
Rを介してテープT2に当接する(2点鎖線で示す位
置)ように構成されている。また、リボンカセットRC
の右側上部には、複数の標識部43が設けられており、
これら標識部43が凹部になっているか否かによって、
リボンカセットRCの種類が示される。標識部43に対
向する位置には、標識部43の凹部の有無を検出するカ
セット検出センサ44が設けられている。
【0020】ここで、サーマルヘッド23の構成につい
て図4を参照して説明する。図4(A)は、サーマルヘ
ッド23を記録面側から見た説明図であり、図4(B)
は、図4(A)のサーマルヘッド23を左側面から見た
説明図である。サーマルヘッド23は、セラミック製の
基板23bの面上にR1ないしR256の256個の発
熱抵抗体を有し、各発熱抵抗体は、インクリボンIRの
幅方向、つまり列方向(図3の矢印Z方向)に一列に配
置されている。また、サーマルヘッド23は、全発熱抵
抗体を発熱させることにより、最大記録幅Y1の記録が
可能である。なお、以下の各実施形態では、サーマルヘ
ッド23は千鳥駆動方式で駆動される。
【0021】次に、テープ印字装置10の主な制御系の
構成について、それをブロックで示す図5を参照して説
明する。テープ印字装置10には、各種制御を行う制御
装置50が内蔵されており、この制御装置50に設けら
れた入出力インターフェース51には、キーボード14
と、カセット検出センサ44と、インクリボン検出セン
サ39と、エンコーダセンサ53と、LCD16に表示
データを出力するためのビデオRAM55aを有するL
CDC(液晶ディスプレイコントローラ)55と、この
テープ印字装置10が置かれている環境の温度を判断す
るためのサーミスタ54と、サーマルヘッド22を駆動
するためのヘッド駆動回路56と、サーマルヘッド23
を駆動するためのヘッド駆動回路57と、テープ送りモ
ータ58を駆動するためのモータ駆動回路59と、キャ
リッジモータ29を駆動するためのモータ駆動回路60
と、インクリボン送りモータ61を駆動するためのモー
タ駆動回路62とがそれぞれ接続されている。
【0022】また、テープ送りモータ58は、モータ駆
動回路59から出力される駆動信号の4パルスでテープ
T2を1ドット紙送りし、キャリッジモータ29は、モ
ータ駆動回路60から出力される駆動信号の2パルス
で、サーマルヘッド23を記録方向へ1ドット移動させ
る。さらに、キャリッジ35の移動にともないエンコー
ダセンサ53から出力された信号に基づいて、記録クロ
ックが生成され、その記録クロックによって、ヘッド駆
動回路57からサーマルヘッド23へ出力される駆動信
号の周波数が決定される。また、入出力インターフェー
ス51には、ヘッド駆動回路56,57、モータ駆動回
路59,60,62およびLCDC55の制御などを行
うCPU63がバス49を介して接続されている。この
CPU63には、図6(A)に示すパルス数テーブル6
4a、図6(B)に示す下端記録用パルス数テーブル6
4b、および図6(C)に示す上端記録用パルス数テー
ブル64cを記憶するパルス数メモリ64が内蔵されて
いる。
【0023】ここで、パルス数テーブルの構成について
図6を参照して説明する。図6(A)は、オーバーラッ
プ領域以外の記録領域(以下、非オーバーラップ領域と
称する)を記録する際に用いるパルス数テーブルの構成
を示す説明図であり、図6(B)は、オーバーラップ領
域の中のドットD6,D10を記録する際に用いるパル
ス数テーブルの構成を示す説明図であり、図6(C)
は、オーバーラップ領域の中のドットD9,D7を記録
する際に用いるパルス数テーブルの構成を示す説明図で
ある。図6に示すように、パルス数テーブル64a〜6
4cは、0〜8の9段階の階調を示す階調数と、発熱抵
抗体に印加する駆動信号のパルス数とを対応付けてそれ
ぞれ構成されている。オーバーラップ領域のドットD
6,D10は、非オーバーラップ領域よりも小さい面積
のドットで記録するため、同じ階調数であっても、下端
記録用パルス数テーブル64bのパルス数は、非オーバ
ーラップ領域用のパルス数テーブル64aのパルス数よ
りも少なく設定されている。また、オーバーラップ領域
のドットD9,D7は、非オーバーラップ領域よりも小
さく、かつ、ドットD6,D10よりも大きい面積のド
ットで記録するため、同じ階調数であっても、ドットD
9,D7記録用パルス数テーブル64cのパルス数は、
非オーバーラップ領域用のパルス数テーブル64aのパ
ルス数よりも少なく、かつ、ドットD6,D10記録用
パルス数設定テーブル64bのパルス数よりも多く設定
されている。
【0024】ここで、図5に示す制御系の説明に戻る
と、入出力インターフェース51には、バス49を介し
てCGROM66、ROM67、ROM59およびRA
M69が接続されている。CGROM66には、キャラ
クタを表示するためのドットパターンデータがコードデ
ータに対応させて格納されており、ROM67には、ア
ルファベット文字や記号などのキャラクタを印字するた
めの印字用ドットパターンデータが、コードデータに対
応させて格納されている。また、印字用ドットパターン
データは、ゴシック系書体、明朝体書体などの書体ごと
に分類され、各書体ごと8種類(16、24、32、4
8、64、96、128のドットサイズ)の印字文字サ
イズ分が、コードデータに対応させて格納されている。
【0025】ROM68には、サーマルヘッド22,2
3を駆動するためのヘッド駆動プログラム、各発熱抵抗
体に印加するパルスの数を制御するためのパルス数制御
プログラム、キーボード14から入力された文字、数字
および記号などのキャラクタのコードデータに対応させ
てLCDC55を制御するための表示制御プログラム、
テープ送りモータ49、キャリッジモータ29およびイ
ンクリボン送りモータ52を制御するためのモータ制御
プログラムなどの各種制御プログラム68aが格納され
ている。また、RAM69のテキストメモリ69aには
キーボード14から入力された文書データが格納され、
テキストポインタ69bには、テキストメモリ69aの
アドレスが格納される。印字文字サイズメモリ69cに
は、キーボード14により設定された印字に用いる文字
サイズのデータが格納され、印字バッファ69dには、
複数の文字や記号の印字用ドットパターンデータが印字
データとして格納される。
【0026】次に、上記構成のテープ印字装置10の一
連の動作について図7ないし図10を参照して説明す
る。本実施形態のテープ印字装置10は、すでに前回記
録された記録領域に重ねて記録を行う場合に、2種類の
面積のドットで記録することを特徴とする。図7は、C
PU63により実行される主な制御内容を示すフローチ
ャートであり、図8は、図7のステップ30の記録制御
の内容を示すフローチャートである。図9は、テープT
2に記録される文字および記録順序を示す説明図であ
る。図10(A)は、図9に示す記録領域H5および記
録領域H6が重なる領域(オーバーラップ領域)におけ
るドットパターンの一部を拡大して示す説明図であり、
図10(B)は、図10(A)に示すドットパターンの
シミュレーション結果を示す説明図である。なお、ここ
では、ワイドステーションWSによってテープT2に図
9に示す「消化器」という文字を赤地の白抜き文字で記
録するものとして説明する。また、サーマルヘッド23
は、1回の行方向の記録によって1つの記録領域を記録
するものとする。
【0027】まず、テープ印字装置10の使用者が、電
源スイッチをONしてテープ印字装置10の電源を立ち
上げると、CPU63は初期設定を行う(ステップ1
0)。続いて、キーボード14により入力された文字や
記号などをLCD16に表示するための表示制御を実行
し(ステップ20)、その入力された文字などに対応す
る印字用ドットパターンデータに基づいてサーマルヘッ
ド23および各種モータを駆動制御して記録する記録制
御を実行する(ステップ30)。
【0028】ここで、CPU63により実行される記録
制御の処理内容について図8を参照して説明する。ま
ず、CPU63は、キーボード14の操作による記録指
令があったことを検出すると(ステップ32:Ye
s)、記録領域H1を記録するための1行分の画像情報
のうち、最初の1列を記録するための画像情報をRAM
69の印字バッファ69dから読出す(ステップ3
4)。続いて、CPU63は、その読出した画像情報に
オーバーラップ領域HA(図10)を記録するための画
像情報があるか否かを判定する(ステップ36)。この
判定は、たとえば、上記読出した画像情報の中に、サー
マルヘッド23の最上端に位置する発熱抵抗体R1、ま
たは、最下端に位置する発熱抵抗体R256に出力する
画像情報が含まれているか否かで行う。つまり、本実施
形態で記録する赤地の白抜き文字のように、いわゆるベ
タの記録を複数回に分割して行う場合は、サーマルヘッ
ド23の両端にある発熱抵抗体によって記録を行うた
め、最上端、または、最下端の発熱抵抗体に出力する画
像情報が存在すれば、その画像情報は、オーバーラップ
領域HAを記録するためのデータと判定する。
【0029】そして、CPU63は、オーバーラップ領
域HAを記録するための画像情報ではないと判定した場
合は(ステップ36:No)、CPU63のメモリ64
に記憶されているパルス数テーブル64aから、上記読
出した画像情報が有する階調数データによって示される
階調数に対応付けられているパルス数データを読出す
(ステップ38)。たとえば、階調数が「8」である場
合は、パルス数データとして「47」を読出す(図6
(A))。続いて、CPU63は、その読出したパルス
数データをヘッド駆動回路57へ出力し(ステップ4
0)、ヘッド駆動回路57は、入力したパルス数データ
によって示されるパルス数の駆動信号をサーマルヘッド
23の対応する発熱抵抗体へ出力する。
【0030】また、CPU63は、ステップ36におい
て、オーバーラップ領域を記録するための画像情報であ
ると判定した場合は(ステップ36:Yes)、その画
像情報は、オーバーラップ領域の最上端を記録するため
のものであるか、または、最下端を記録するためのもの
であるかを判定する(ステップ42)。続いて、CPU
63は、オーバーラップ領域の最下端を記録するための
画像情報であると判定した場合は(ステップ42:下
端)、さらに、記録するドットが奇数番目のドットか偶
数番目のドットかを判定する(ステップ43)。奇数番
目のドットであると判定した場合は(ステップ43:奇
数)、CPU63のメモリ64に記憶されているドット
D6,D10記録用パルス数テーブル64bから、その
画像情報が有する階調数データに対応付けられているパ
ルス数データを読出し(ステップ46)、その読出した
パルス数データをヘッド駆動回路57へ出力する(ステ
ップ48)。たとえば、階調数が「8」である場合は、
パルス数データとして「19」を読出す(図6
(B))。一方、記録するドットが偶数番目のドットで
あると判定した場合は(ステップ43:偶数)、CPU
63のメモリ64に記憶されているドットD7,D9記
録用パルス数テーブル64cから、その画像情報が有す
る階調数データに対応付けられているパルス数データを
読出し(ステップ46)、その読出したパルス数データ
をヘッド駆動回路57へ出力する(ステップ48)。た
とえば、階調数が「8」である場合は、パルス数データ
として「22」を読出す(図6(C))。
【0031】また、CPU63は、ステップ42におい
て、オーバーラップ領域の最上端を記録するための画像
情報であると判定した場合は(ステップ42:上端)、
さらに、記録するドットが奇数番目のドットか偶数番目
のドットかを判定する(ステップ45)。奇数番目のド
ットであると判定した場合は(ステップ45:奇数)、
CPU63のメモリ64に記憶されているドットD7
6,D9記録用パルス数テーブル64cから、その画像
情報が有する階調数データに対応付けられているパルス
数データを読出し(ステップ44)、その読出したパル
ス数データをヘッド駆動回路57へ出力する(ステップ
48)。たとえば、階調数が「8」である場合は、パル
ス数データとして「22」を読出す(図6(C))。一
方、記録するドットが偶数番目のドットであると判定し
た場合は(ステップ45:偶数)、CPU63のメモリ
64に記憶されているドットD6,D10記録用パルス
数テーブル64bから、その画像情報が有する階調数デ
ータに対応付けられているパルス数データを読出し(ス
テップ46)、その読出したパルス数データをヘッド駆
動回路57へ出力する(ステップ48)。たとえば、階
調数が「8」である場合は、パルス数データとして「1
9」を読出す(図6(B))。
【0032】そして、駆動信号を付与された発熱抵抗体
が発熱し、テープT2にドット単位の記録が行われる。
このとき、発熱抵抗体から発生する熱は、付与された駆
動信号のパルス数が多いほど高く、面積の大きいドット
を記録する。そして、CPU63は、ステップ50にお
いて、1列分の記録を終了したと判定するまで上記ステ
ップ36〜ステップ48を繰り返し実行し、1列分の記
録を終了したと判定すると(ステップ50:Yes)、
印字バッファ69dに次の列を記録するための画像情報
が格納されているか否かを判定する(ステップ52)。
【0033】続いて、CPU63は、ステップ52にお
いて、印字バッファ69dに次の列の画像情報が格納さ
れていないと判定するまで上記ステップ34〜ステップ
50を繰り返し実行して行方向への記録を行う。そし
て、CPU63は、印字バッファ69dに次の列の画像
情報が格納されていないと判定すると(ステップ52:
No)、印字バッファ69dに次の行を記録するための
画像情報が格納されているか否かを判定する(ステップ
56)。続いて、CPU63は、印字バッファ69dに
次の行の画像情報が格納されていると判定すると(ステ
ップ56:Yes)、その格納されている画像情報の中
にオーバーラップ領域を記録するための画像情報がある
か否かを判定する(ステップ58)。この判定は、たと
えば、サーマルヘッド23の最上端に位置する発熱抵抗
体R1、または、最下端に位置する発熱抵抗体R256
によって記録するための画像情報があるか否かに基づい
て行う。
【0034】そして、CPU63は、オーバーラップ領
域を記録するための画像情報があると判定すると(ステ
ップ58:Yes)、テープT2を(Y1−β)の長さ
紙送りする(ステップ60)。ここで、Y1は、前述の
ように、サーマルヘッド23によって記録できる最大幅
(列方向の最大幅)を示し(図4(B))、βは、すで
に前回記録された記録領域に重ねる量を示す(図10
(A))。なお、本実施形態では、βは、1ドット分の
長さである。
【0035】そして、CPU63は、ステップ34へス
キップし(ステップ68)、ステップ52において、次
の列の画像情報がないと判定されるまでステップ34〜
ステップ50を繰り返し実行し、記録領域H6を記録す
る。また、CPU63は、上記ステップ58において、
印字バッファ69dにはオーバーラップ領域HAを記録
するための画像情報はないと判定した場合は(ステップ
58:No)、テープT2を次の記録開始領域まで所定
量紙送りし(ステップ64)、サーマルヘッド23を次
の記録開始位置まで移動させる(ステップ66)。もち
ろん、次の記録がない場合は、テープT2を排出するま
で紙送りし(ステップ64)、サーマルヘッド23を初
期位置へ戻す(ステップ66)。以上のようにして、C
PU63は、図9に示す記録領域H1〜記録領域H6の
記録を行い、図9に示すように、テープT2に「消化
器」という文字が記録される。
【0036】ここで、上記ステップ52において、オー
バーラップ領域用の画像情報があると判定された場合に
記録された、記録領域H5および記録領域H6のオーバ
ーラップ領域HAについて図10を参照して説明する。
図10(A)に示すように、すでに前回記録された記録
領域、つまり、「消化器」の「器」という文字の上半分
を示す記録領域H5に対して、次に記録された記録領
域、つまり、「器」という文字の下半分を示す記録領域
H6が列方向(紙送り方向(+Y方向))へβ(1ドッ
ト)分重複して記録されている。また、記録領域H5を
形成するドットD5のうち、オーバーラップ領域HAを
形成するドットD6は、ドットD5より面積が小さい。
また、オーバーラップ領域HAを形成するドットD7
は、ドットD5より面積が小さく、かつ、ドットD6よ
りも面積が大きい。そして、記録領域H6を形成するド
ットD8のうち、オーバーラップ領域HAを形成するド
ットD9は、ドットD7と同じ面積である。さらに、オ
ーバーラップ領域HAを形成するドットD10は、ドッ
トD6と同じ面積である。また、ドットD9は、ドット
D6上に中心線を一致させて重ねて記録されている。同
様に、ドットD10は、ドットD7上に中心線を一致さ
せて重ねて記録されている。
【0037】そのため、図10(B)に示すように、ド
ット同士の重なりによって形成される濃度の濃い重複部
B10およびB11は、従来例図17(B)の重複部B
7と比較して小さい面積であり、白色部W10は従来例
の白色部W4と比較して小さい面積であるため、オーバ
ーラップ領域HAは、従来例よりも目立ちにくい。そこ
で、記録領域H6の記録位置がずれた場合について図1
1を参照して説明する。図11(C)は、記録領域H6
の記録位置が、紙送り方向(+Y方向)に0.5ドット
分ずれた場合のシミュレーション結果を示す説明図であ
り、図11(D)は、記録領域H6の記録位置が、紙送
りと逆方向(−Y方向)に0.5ドット分ずれた場合の
シミュレーション結果を示す説明図である。
【0038】図11(C)に示すように、記録領域H6
の記録位置が紙送り方向に0.5ドットずれた場合は、
従来例図18(C)と比較してドット同士の重なりによ
って形成される濃度の濃い重複部B12,B13,B1
4,B15が、交互に分散して発生するので目立ちにく
くなっている。また、図11(D)に示すように、記録
領域H6の記録位置が紙送り方向と逆方向に0.5ドッ
トずれた場合においても、従来例図18(D)と比較し
てドット同士の重なりによって形成される濃度の濃い重
複部B16,B17が、交互に分散して発生するので目
立ちにくくなっている。さらに、白色部W11も幅の広
い部分が交互に分散しているため目立ちにくくなってい
る。
【0039】以上のように、本第1実施形態のテープ印
字装置10を用いれば、すでに記録された記録領域H5
に記録されたドットD5よりも小さい面積のドットD
6、さらにドットD5より小さくドットD6より大きい
ドットD7を上記所定の領域たるオーバーラップ領域H
Aに交互に記録し、さらに、ドットD7と同じ大きさの
ドットD9をドットD6に重ね、ドットD6と同じ大き
さのドットD10をドットD7に重ねて記録することに
より、オーバーラップ領域HAの記録品質を高めること
ができる。
【0040】次に、本発明の第2実施形態のテープ印字
装置について図12いし図14を参照して説明する。本
第2実施形態のテープ印字装置は、すでに前回記録され
た記録領域の最上端のドットに、次の記録領域の最下端
のドットを重ねて記録を行う場合に、最下端のドットの
中心を記録方向(+X方向)に僅かにずらして記録する
ことを特徴とする。図12は、CPU63が実行する記
録制御の一部を示すフローチャートである。なお、本第
2実施形態のテープ印字装置は、すでに前回記録された
記録領域に重ねて記録を行う場合のCPUによる制御が
異なる他は、前述の第1実施形態のテープ印字装置と同
じ構成であるため、同じ構成の説明は省略し、図12に
示すフローチャートを参照して説明する。
【0041】CPU63は、オーバーラップ領域を記録
するための画像情報があると判定した場合は(ステップ
58:Yes)、テープT2を(Y1−β)の長さ紙送
りし(ステップ60)、サーマルヘッド23を記録方向
(+X方向)へ(X1+α)の長さ移動させる(ステッ
プ62)。ここで、X1は、ずらす制御がない場合のサ
ーマルヘッド23の本来の記録開始位置を示し、αは、
サーマルヘッド23の行方向へのずらし量を示す(図1
7(A))。なお、本第2実施形態では、βは1.0ド
ット分の長さであり、αも1.0ドット分の長さであ
る。つまり、前述の第1実施形態の場合は、記録開始位
置を記録方向へずらさないことにより、ドットD6およ
びドットD8を同じ列に記録するように制御したが、本
第2実施形態の場合は、図13(A)に示すように、ド
ットD9,D10の中心をドットD6,D7の中心から
記録方向(+X方向)へ1.0ドット分ずらす必要があ
ることから、αを1.0ドットに設定する。図13
(B)は、図17(A)に示すドットパターンのシミュ
レーション結果を示す説明図である。
【0042】図13(B)に示すように、オーバーラッ
プ領域HAには、ドットD5〜ドットD9の重なりによ
って濃度の濃い重複部B20〜B27が、それぞれ形成
されるが、重複部B20〜重複部B27は面積が小さ
く、かつ、分散して配置されているため、目立つ部分が
少ない。そこで、オーバーラップ領域HAを記録するド
ットD9,D10の記録位置がずれた場合について図1
8を参照して説明する。図14(C)は、ドットD9,
D10の記録位置が、紙送り方向(+Y方向)に0.5
ドット分ずれた場合のシミュレーション結果を示す説明
図であり、図14(D)は、ドットD9,D10の記録
位置が、紙送り方向と逆方向(−Y方向)に0.5ドッ
ト分ずれた場合のシミュレーション結果を示す説明図で
ある。
【0043】図14(C)に示すように、ドットD9,
D10の記録位置が紙送り方向に0.5ドットずれた場
合は、ドットD5〜ドットD9の重なりによって濃度の
濃い重複部B28〜B31が、それぞれ形成されが、重
複部B28〜B31は、紙送り方向に互い違いにずれて
いるため、目立ちにくい。また、図14(D)に示すよ
うに、ドットD9,D10の記録位置が紙送り方向と逆
方向に0.5ドットずれた場合は、ドットD5〜ドット
D9の重なりによって濃度の濃い重複部B32〜B38
が、それぞれ形成されるが、重複部B32〜B38は面
積が小さく、かつ、分散して配置されているため、目立
つ部分が少ない。
【0044】以上のように、本第2実施形態のテープ印
字装置10を用いれば、すでに記録された記録領域H5
に記録されたドットD5よりも小さい面積のドットD
6、さらにドットD5より小さくドットD6より大きい
ドットD7を上記所定の領域たるオーバーラップ領域H
Aに交互に記録し、さらに、ドットD7と同じ大きさの
ドットD9をドットD6に重ね、ドットD6と同じ大き
さのドットD10をドットD7に重ねて記録する時にド
ットD9,D10の中心を記録方向に僅かにずらして記
録することにより、オーバーラップ領域HAの記録品質
を高めることができる。なお、上記βの量を1.0ドッ
トより大きい値、または、1.0ドットより小さい値に
設定することもできる。
【0045】次に、本発明者は、本発明と従来のものと
の効果の相違を明確分かり易くするために、記録領域間
の境界部分に記録されたドットの面積率とL*(色差)
との関係について調べた。図16および図19は、記録
領域間の境界部分に記録されたドットの面積率とL*
(色差)との関係をグラフで示す説明図であり、図16
は、本発明第1実施形態のテープ印字装置を用いた場合
のグラフであり、図19は、図17に示した従来の技術
を用いた場合のグラフである。なお、図中、面積率はド
ット階調の大きさに対応しており、L*は、数値が大き
くなるほど白に近くなり、数値が小さくなるほど、黒に
近くなることを意味する。
【0046】ここで、1ドット当たりの面積について図
15を参照して説明する。図15(A)は、1ドットの
面積を示す説明図であり、図15(B)は、図15
(A)に示す長さa,bと面積との関係を示す図表であ
る。図15(B)に示すように、長さaが133μmで
あり、長さbが185μmの場合は、面積が100%で
あり、長さaが94μmであり、長さbが133μmの
場合は、面積が50%である。次に、図16において実
線で示すA、および図19において実線で示すEは、オ
ーバーラップ領域HA以外の記録領域の場合の標準のグ
ラフである。また、図16において短い破線で示すB
は、図10(B)の場合のグラフであり、長い破線で示
すCは、図11(C)の場合のグラフであり、一点鎖線
で示すDは、図11(D)の場合のグラフである。さら
に、図19において短い破線で示すEは、図17(B)
の場合のグラフであり、長い破線で示すGは、図18
(C)の場合のグラフであり、一点鎖線で示すHは、図
18(D)の場合のグラフである。
【0047】図16および図19において、面積率を8
から1に変化させた場合に、ある測定点における標準の
グラフに対する開きが大きいほど、色差が大きいことを
示す。つまり、あるグラフの所定の測定点において、標
準のグラフよりも、+方向に開きが大きい場合は、その
部分は白っぽく見え、逆に、−方向に開きが大きい場合
は、その部分は黒っぽく見えることを意味する。
【0048】そこで、図16および図19を比較する
と、図16における標準Aに対するBおよびCの開き
は、図19における標準Eに対するFおよびGの開きよ
りも小さいことが分かる。つまり、本発明第1実施形態
のテープ印字装置10は、すでに記録された記録領域に
重ねて記録する場合の記録位置が紙送り方向へ0.5ド
ットずれた場合であっても、図17に示す従来の技術の
ものよりも、オーバーラップ領域が白っぽく見えたり、
黒っぽく見えたりする度合いが小さい。したがって、本
発明第1実施形態のテープ印字装置10を用いれば、オ
ーバーラップ領域の記録品質を高めることができる。
【0049】なお、上記各実施形態において、図8のス
テップ44およびステップ46では図6(B)および図
6(C)に示すパルス数テーブル64b,64cを用い
た場合を代表に説明したが、カラーの記録を行う場合
は、カラー専用のパルス数テーブルをCPU63のメモ
リ64に記憶させて用いる。これにより、色毎のオーバ
ーラップ領域HAにおける目立つ度合いの格差を是正す
ることができるため、カラーで記録を行う場合における
記録領域間の境界部分の記録品質を高めることができ
る。
【0050】さらに、上記各実施形態では、本発明の記
録装置としてテープ印字装置単体を用いた場合を代表に
説明したが、上記各実施形態のテープ印字装置にコンピ
ュータが接続されており、そのコンピュータが上記CP
U63の制御を行うように構成することもでき、この場
合、それら記録装置およびコンピュータが、請求項2に
記載の記録システムとして機能することになる。また、
その場合、上記コンピュータに図8、または、図12に
示した記録制御を実行するためのコンピュータプログラ
ムが格納されたCD−ROMやFDなどを上記コンピュ
ータでドライブし、上記コンピュータプログラムをイン
ストールすることによって、上記記録システムを実現で
きる。この場合、上記CD−ROMやFDなどが、請求
項3に記載の記憶媒体として機能する。なお、上記各実
施形態におけるROM68が、請求項3に記載の記憶媒
体として機能する。また、上記各実施形態では、本発明
の記録装置としてサーマルヘッドを備えたテープ印字装
置を代表に説明したが、本発明は、サーマルヘッドある
いはインクジェットヘッドによって記録を行うワードプ
ロセッサ、プリンタなどにも適用することができる。
【0051】
【発明の効果】以上のように、請求項1および請求項2
に記載の発明によれば、すでに記録された記録領域の所
定の領域に重ねて記録を行う際に、その所定の領域に記
録するドット、および前記所定の領域に重ねて記録する
ドットは、少なくとも2種類の面積で記録するため、さ
らにその記録位置がずれた場合であっても、隣接するド
ットとの重なりによって形成される濃度の濃い重複部
分、地色の部分の面積を小さくでき、かつ、それらを行
方向に順序良く並ばせることができる。したがって、記
録領域間の境界部分の記録品質を高めることができる記
録装置および記録システムを実現できる。
【0052】また、請求項3に記載の発明の記憶媒体に
よれば、すでに記録された記録領域の所定の領域に重ね
て記録を行う際に、その所定の領域に記録するドット、
および前記所定の領域に重ねて記録するドットは、少な
くとも2種類の面積で記録するように制御するための記
録制御プログラムを含むコンピュータプログラムが格納
されているため、その記憶媒体をROMとして使用し、
あるいは、コンピュータにコンピュータプログラムをイ
ンストールするための記憶媒体として使用することによ
り、上記請求項1に記載の記録装置および請求項2に記
載の記録システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第1実施形態のテープ印字装置の外観を
示す斜視図である。
【図2】図1に示すテープ印字装置の内部機構を示す正
面図である。
【図3】リボンカセットRCおよびサーマルヘッド23
の構成を示す説明図である。
【図4】図4(A)は、サーマルヘッド23を記録面側
から見た説明図であり、図4(B)は、図4(A)のサ
ーマルヘッド23を左側面から見た説明図である。
【図5】図1に示すテープ印字装置10の主な制御系の
構成をブロックで示す説明図である。
【図6】図6(A)は、非オーバーラップ領域を記録す
る際に用いるパルス数テーブルの構成を示す説明図であ
り、図6(B)は、オーバーラップ領域の中のドットD
6,D10を記録する際に用いるパルス数テーブルの構
成を示す説明図であり、図6(C)は、オーバーラップ
領域の中のドットD7,D9を記録する際に用いるパル
ス数テーブルの構成を示す説明図である。
【図7】CPU63により実行される主な制御内容を示
すフローチャートである。
【図8】図7のステップ30の記録制御の内容を示すフ
ローチャートである。
【図9】テープT2に記録される文字および記録順序を
示す説明図である。
【図10】図10(A)は、図9に示すオーバーラップ
領域におけるドットパターンの一部を拡大して示す説明
図であり、図10(B)は、図10(A)に示すドット
パターンのシミュレーション結果を示す説明図である。
【図11】図11(C)は、ドットD8の記録位置が、
紙送り方向(+Y方向)に0.5ドット分ずれた場合の
シミュレーション結果を示す説明図であり、図11
(D)は、ドットD8の記録位置が、紙送り方向と逆方
向(−Y方向)に1ドット分ずれた場合のシミュレーシ
ョン結果を示す説明図である。
【図12】本発明第2実施形態においてCPU63によ
り実行される記録制御の一部を示すフローチャートであ
る。
【図13】図13(A)は、オーバーラップ領域HAに
おけるドットパターンの一部を拡大して示す説明図であ
り、図13(B)は、図13(A)に示すドットパター
ンのシミュレーション結果を示す説明図である。
【図14】図14(C)は、ドットD8の記録位置が、
紙送り方向(+Y方向)に0.5ドット分ずれた場合の
シミュレーション結果を示す説明図であり、図14
(D)は、ドットD8の記録位置が、紙送り方向と逆方
向(−Y方向)に1ドット分ずれた場合のシミュレーシ
ョン結果を示す説明図である。
【図15】図15(A)は、1ドットの面積を示す説明
図であり、図15(B)は、図15(A)に示す長さ
a,bと面積との関係を示す図表である。
【図16】記録領域間の境界部分に記録されたドットの
面積率とL*(色差)との関係をグラフで示す説明図で
ある。
【図17】図17は、従来の技術をサーマルプリンタに
適用し、そのサーマルプリンタによって記録された領域
のうち、記録領域の境界部分を示す模式図であり、図1
7(A)は、サーマルヘッドを構成する複数の発熱抵抗
体によって記録されたドットパターンのうち、記録領域
間の境界部分のドットパターンを示す説明図であり、図
17(B)は、記録領域P1および記録領域P2間にず
れが発生していない場合の説明図である。
【図18】図18(C)は、記録領域P2が、紙送り方
向に0.5ドット分ずれた場合の説明図であり、図18
(D)は、記録領域P2が紙送り方向と逆方向に0.5
ドット分ずれた場合の説明図である。
【図19】図17に示した従来の技術を用いた場合の記
録領域間の境界部分に記録されたドットの面積率とL*
(色差)との関係をグラフで示す説明図である。
【符号の説明】
10 テープ印字装置(記録装置) 23 サーマルヘッド(記録ヘッド) 35 キャリッジ 39 インクリボン検出センサ 44 カセット検出センサ 43 標識部 63 CPU 64b パルス数テーブル(ドットD6,D10記録
用) 64c パルス数テーブル(ドットD7,D9記録
用) D5,D8 ドット(所定の領域に記録するドット) D6,D7,D9,D10 ドット(所定の領域に重ね
て記録するドット) H5 記録領域(すでに記録された領域) HA オーバーラップ領域 RC リボンカセット T2 テープ(被記録媒体) X 行方向 Y 列方向 R1〜R256 発熱抵抗体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録信号が付与されることによりエネル
    ギーを発生し、被記録媒体にドットを形成する記録素子
    を列方向に複数有する記録ヘッドを前記被記録媒体に対
    して行方向に相対移動させ、前記被記録媒体にドット単
    位の記録を行う記録装置において、 すでに記録された記録領域の所定の領域に重ねて記録を
    行う際に、その所定の領域に記録するドット、および前
    記所定の領域に重ねて記録するドットは、少なくとも2
    種類の面積で記録することを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 記録信号が付与されることによりエネル
    ギーを発生し、被記録媒体にドットを形成する記録素子
    を列方向に複数有する記録ヘッドを前記被記録媒体に対
    して行方向に相対移動させ、前記被記録媒体にドット単
    位の記録を行う記録装置と、 この記録装置の記録制御を行うコンピュータとが備えら
    れた記録システムにおいて、 前記コンピュータは、 前記記録装置に対して、すでに記録された記録領域の所
    定の領域に重ねて記録を行う際に、その所定の領域に記
    録するドット、および前記所定の領域に重ねて記録する
    ドットは、少なくとも2種類の面積で記録するように制
    御することを特徴とする記録システム。
  3. 【請求項3】 記録信号が付与されることによりエネル
    ギーを発生し、被記録媒体にドットを形成する記録素子
    を列方向に複数有する記録ヘッドを前記被記録媒体に対
    して行方向に相対移動させ、前記被記録媒体にドット単
    位の記録を行う記録装置を制御するコンピュータプログ
    ラムが格納された記憶媒体において、 すでに記録された記録領域の所定の領域に重ねて記録を
    行う際に、その所定の領域に記録するドット、および前
    記所定の領域に重ねて記録するドットは、少なくとも2
    種類の面積で記録するように制御するための記録制御プ
    ログラムを含むコンピュータプログラムが格納されたこ
    とを特徴とする記憶媒体。
JP10082572A 1998-03-12 1998-03-12 記録装置、記録システムおよび記憶媒体 Withdrawn JPH11254721A (ja)

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JP10082572A Withdrawn JPH11254721A (ja) 1998-03-12 1998-03-12 記録装置、記録システムおよび記憶媒体

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