JPH11254609A - 積層シートの製造方法 - Google Patents

積層シートの製造方法

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JPH11254609A
JPH11254609A JP6540398A JP6540398A JPH11254609A JP H11254609 A JPH11254609 A JP H11254609A JP 6540398 A JP6540398 A JP 6540398A JP 6540398 A JP6540398 A JP 6540398A JP H11254609 A JPH11254609 A JP H11254609A
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olefin
weight
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JP6540398A
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Kazuo Yamagata
一雄 山形
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、軽量性及び強度に優れているとと
もに、その表面は不織布調の外観を呈してなる積層シー
トの製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の積層シートの製造方法は、2枚
の架橋発泡シートの夫々の一面に、押出ラミネートによ
ってオレフィン系樹脂層を積層して2枚のラミネート品
を形成し、これら架橋発泡シートの表面を溶融するとと
もに互いに圧着させることによって、上記架橋発泡シー
ト間に熱融着層を形成するとともに上記ラミネート品を
一体化させる積層シートの製造方法において、少なくと
も一のオレフィン系樹脂層は、プロピレン系樹脂100
重量部、エチレン系樹脂1〜50重量部、無機充填材1
〜50重量部及び炭素繊維0.1〜1.5重量部からな
るとともに該オレフィン系樹脂層に押出ラミネート時に
凹凸模様を施すことを特徴とする

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用内装材等
に使用される積層シートの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用内装材、特に、自動車用天井材
には、軽量性、成形性、耐熱性、耐たわみ性等の性能が
要求される。これら、要求性能を満たすものとして、特
公平4−9137号公報には、エチレン系重合体とプロ
ピレン系重合体よりなる架橋発泡シートの両面に非発泡
プロピレン系重合体シートが積層されてなる積層シート
が開示されており、又、特公平6−24767号公報に
は、プロピレン系重合体とエチレン重合体からなる2枚
の架橋発泡シートのそれぞれの片面に、プロピレン系重
合体からなる非発泡の表皮層を積層し、得られた積層体
の架橋発泡シート同士を熔融、圧着し、一体化する自動
車用内装材の製造方法が開示されている。
【0003】しかしながら、上記積層シート及び自動車
用内装材では、その表面はプロピレン系樹脂からなる表
面層が積層されているにすぎず、その外観は必ずしも満
足できるものではなく、近年の高級指向化した需要者の
要求を満たすことはできないものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、軽量
性及び強度に優れているとともに、その表面は不織布調
の外観を呈してなる積層シートの製造方法を提供するこ
とにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の積層シートの製
造方法は、プロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂からな
る2枚の架橋発泡シートの夫々の一面に、押出ラミネー
トによってオレフィン系樹脂層を積層して2枚のラミネ
ート品を形成し、2枚のラミネート品の架橋発泡シート
同士を対向させて、これら架橋発泡シートの表面を溶融
するとともに互いに圧着させることによって、上記架橋
発泡シート間に熱融着層を形成するとともに上記ラミネ
ート品を一体化させる積層シートの製造方法において、
上記オレフィン系樹脂層のうちの少なくとも一のオレフ
ィン系樹脂層は、プロピレン系樹脂100重量部、エチ
レン系樹脂1〜50重量部、無機充填材1〜50重量部
及び炭素繊維0.1〜1.5重量部からなるとともに該
オレフィン系樹脂層に押出ラミネート時に凹凸模様を施
すことを特徴とする。
【0006】上記架橋発泡シートを構成するプロピレン
系樹脂(以下、「プロピレン系樹脂(A)」という)
は、プロピレンを主成分とする他のモノマーとの共重合
体であり、例えば、プロピレン−α−オレフィン共重合
体が挙げられ、プロピレン−α−オレフィン共重合体
は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、又はランダ
ムブロック共重合体のいずれであってもよく、これら
は、単独で用いられても併用されてもよい。
【0007】なお、上記α−オレフィンとしては、例え
ば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オ
クテン等が挙げられ、プロピレン−α−オレフィン共重
合体中のα−オレフィンの含有量は、多いと、架橋発泡
シートの表面性が低下することがあり、又、少ないと、
架橋発泡シートの柔軟性及び伸びが低下して成形性が低
下することがあるので、1〜8重量%が好ましく、2〜
5重量%がより好ましい。
【0008】又、上記プロピレン系樹脂(A)のメルト
インデックス(以下、「MI」という)は、大きいと、
架橋発泡シートの耐熱性が低下することがあり、又、小
さくなると、架橋発泡シートの成形性が低下するととも
に、得られる成形品の表面性も低下することがあるの
で、0.2〜10g/10分が好ましい。なお、本発明
においてMIとは、JIS K7210に準拠して測定
されたものをいう。
【0009】更に、上記プロピレン系樹脂(A)のクロ
ス分別法による94℃以上での溶出量は、多いと、架橋
発泡シートの成形性が低下するとともに、得られる成形
品の表面性も低下することがあり、又、少ないと、架橋
発泡シートの耐熱性が低下し、成形時に気泡破れ等が生
じることがあるので、50〜95重量%が好ましく、6
0〜90重量%がより好ましい。そして、クロス分別法
による94℃以上での溶出分の重量平均分子量は、大き
いと、架橋発泡シートの成形性が低下するとともに、得
られる成形品の表面性も低下することがあり、又、小さ
いと、架橋発泡シートの耐熱性が低下し、成形時に気泡
破れが生じることがあるので、2×10 5 〜10×10
5 が好ましい。
【0010】そして、上記プロピレン系樹脂(A)とし
ては、MIが0.2〜10g/10分、クロス分別法に
よる94℃以上での溶出量が50〜95重量%及び該溶
出分の重量平均分子量2×105 〜10×105 である
プロピレン−α−オレフィン共重合体が最も好ましい。
【0011】なお、本発明でいうクロス分別法による溶
出量及び該溶出分の重量平均分子量は、下記に示した方
法によって測定されたものをいう。即ち、先ず、樹脂を
140℃或いは樹脂が完全に溶解する温度のo−ジクロ
ロベンゼンに溶解させた後、一定温度で冷却し、予め用
意しておいた不活性担体の表面に、結晶性の高い順に薄
いポリマー層として生成させる。次に、連続的又は段階
的に昇温し、溶出した成分の温度を順次検出し、組成分
布(結晶性分布)を測定する。これを温度上昇溶離分別
という。同時に、溶出した成分を高温型GPCにより分
析して、分子量と分子量分布を測定する。これにより、
各温度での溶出量及び該溶出分の重量平均分子量を算出
する。本発明では、上述した温度上昇溶離分別部分と高
温型GPC部分の両方をシステムとして備えているクロ
ス分別クロマトグラフ装置(三菱化学社製 商品名「C
FC−T150A型」)を使用して測定した。
【0012】上記架橋発泡シートを構成するエチレン系
樹脂(以下、「エチレン系樹脂(A)」という)は、ポ
リエチレン又はエチレンを主成分とする他のモノマーと
の共重合体であり、これらは単独で用いられても併用さ
れてもよい。エチレンを主成分とする他のモノマーとの
共重合体としては、例えば、エチレン−α−オレフィン
共重合体が挙げられる。
【0013】なお、上記α−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−
オクテン等が挙げられ、エチレン−α−オレフィン共重
合体中のエチレンの含有量は、少ないと、架橋発泡シー
トの耐熱性が低下することがあるので、60重量%以上
が好ましく、80重量%以上がより好ましい。
【0014】又、上記エチレン系樹脂(A)のMIは、
大きいと、架橋発泡シートの耐熱性が低下するととも
に、得られる成形品の表面性も低下することがあり、
又、小さくなると、樹脂成分の流動性が低下して架橋発
泡シートの生産性が低下することがあるので、0.5〜
10g/10分が好ましく、0.7〜4g/10分がよ
り好ましく、0.9〜3g/10分が特に好ましい。
【0015】更に、上記エチレン系樹脂(A)のクロス
分別法による94℃以上での溶出量は、多いと、架橋発
泡シートの圧縮歪みに対する回復性が低下することがあ
り、又、少ないと、架橋発泡シートの耐熱性が低下する
とともに、得られる成形品の表面性が低下することがあ
るので、5〜20重量%が好ましく、6〜10重量%が
より好ましい。そして、クロス分別法による94℃以上
での溶出分の重量平均分子量は、大きいと、架橋発泡シ
ートの圧縮歪みに対する回復性が低下することがあり、
又、小さいと、架橋発泡シートの耐熱性が低下するとと
もに、得られる成形品の表面性が低下することがあるの
で、1.5×105 〜10×105 が好ましく、2×1
5 〜5×105 がより好ましい。
【0016】そして、上記エチレン系樹脂(A)として
は、MIが0.5〜10g/10分、クロス分別法によ
る94℃以上での溶出量が5〜20重量%及び該溶出分
の重量平均分子量が1.5×105 〜10×105 であ
るエチレン−α−オレフィン共重合体が最も好ましい。
【0017】上記架橋発泡シートは上記プロピレン系樹
脂(A)とエチレン系樹脂(A)とからなるが、プロピ
レン系樹脂(A)の含有量は、多いと、架橋発泡シート
の柔軟性及び圧縮歪みに対する回復性が低下することが
あり、又、少ないと、架橋発泡シートの耐熱性が低下す
るので、50〜90重量%が好ましく、55〜85重量
%がより好ましい。なお、上記エチレン系樹脂(A)の
含有量は、50〜10重量%が好ましく、45〜15重
量%がより好ましい。
【0018】又、プロピレン系樹脂(A)とエチレン系
樹脂(A)との組み合わせとしては、プロピレン系樹脂
(A)として、MIが0.2〜10g/10分、クロス
分別法による94℃以上での溶出量が50〜95重量%
及び該溶出分の重量平均分子量が2×105 〜10×1
5 であるプロピレン−α−オレフィン共重合体を用
い、エチレン系樹脂(A)として、MIが0.5〜10
g/10分、クロス分別法による94℃以上での溶出量
が5〜20重量%、該溶出分の重量平均分子量が1.5
×105 〜10×105 であるエチレン−α−オレフィ
ン共重合体を用いるのが好ましい。
【0019】次に、架橋発泡シートの製造方法を説明す
る。架橋発泡シートの製造方法としては、任意の公知の
発泡体の製造方法を用いることができ、その一例を以下
に説明する。
【0020】即ち、例えば、先ず、プロピレン系樹脂
(A)及びエチレン系樹脂(A)からなる樹脂成分に、
架橋助剤、熱分解型発泡剤の他、必要に応じて、抗酸化
剤、金属害防止剤、熱安定剤、顔料等を添加し、これら
を、単軸押出機、2軸押出機、バンバリーミキサー、ニ
ーダーミキサー、ロール等の混練装置にて熱分解型発泡
剤の分解温度未満の温度で溶融混練してシート状に押出
し、得られたシートに電離性放射線を照射してシートを
架橋した後、熱分解型発泡剤の分解温度以上に加熱して
シートを発泡させて、架橋発泡シートを製造する方法が
挙げられる。
【0021】上記架橋助剤としては、発泡体の製造に従
来から用いられているものであれば、特に限定されず、
一般に使用されている多官能性モノマー及び1官能性モ
ノマーが用いられ、例えば、ジビニルベンゼン、トリメ
チロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナン
ジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオール
ジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステ
ル、トリアリルイソシアヌレート、エチルビニルベンゼ
ン、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,
2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、
1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ラウリル
メタクリレート、ステアリルメタクリレート等が挙げら
れ、これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0022】該架橋助剤の添加量は、少ないと、架橋密
度が不十分となり均質な架橋発泡シートが得られないこ
とがあり、又、多いと、架橋密度が大きくなり架橋発泡
シートの成形性が低下することがあるので、プロピレン
系樹脂(A)及びエチレン系樹脂(A)の総量100重
量部に対して、0.5〜10重量部が好ましく、0.8
〜6重量部がより好ましい。
【0023】上記熱分解型発泡剤としては、発泡体の製
造に従来から用いられているものであれば、特に限定さ
れず、例えば、アゾジカルボンアミド、ヒドラドジカル
ボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ニトロソグ
アニジン、p,p' −オキシビスベンゼンスルホニルセ
ミカルバジド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、N,
N' −ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエン
スルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼン
スルホニルヒドラジド)、アゾビスイソブチロニトリル
等が挙げられ、この中でも、分解温度が180〜270
℃であるものが好ましい。
【0024】そして、熱分解型発泡剤の添加量は、架橋
発泡シートの所望の発泡倍率に応じて適宜調整される
が、多いと、破泡することがあり、又、少ないと、発泡
しないことがあるので、プロピレン系樹脂(A)及びエ
チレン系樹脂(A)の総量100重量部に対して、3〜
40重量部が好ましく、4〜25重量部がより好まし
い。
【0025】上記電離性放射線による架橋の度合いは、
ゲル分率を目安として調整され、該ゲル分率としては、
大きいと、架橋発泡シートの成形性が低下することがあ
り、又、小さいと、架橋発泡シートの曲げ強度が低下す
ることがあるので、好ましくは30〜70重量%、更に
好ましくは40〜65重量%となるように調節され、電
離性放射線量としては、通常1〜20Mradとされ
る。なお、電離性放射線としては、発泡体の架橋に従来
から用いられているものであれば、特に限定されず、例
えば、α線、β線、γ線、電子線等が挙げられる。
【0026】なお、本発明において、ゲル分率とは、以
下の方法によって測定したものをいう。先ず、架橋発泡
シートを所定量秤取し、120℃のキシレン25mlに
24時間浸漬した後、200メッシュのステンレス製金
網で濾過して金網上の不溶解分を真空乾燥する。次に、
この真空乾燥された不溶解分の重量を秤量し、下記に示
す式にてゲル分率を算出する。 〔ゲル分率(%)〕=(不溶解分の真空乾燥重量/秤取
した架橋発泡シート重量)×100
【0027】上記抗酸化剤としては、架橋発泡シートに
従来から添加されているものであれば、特に限定され
ず、例えば、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール
等のフェノール系抗酸化剤、ジラウリルチオプロピオネ
ート等の硫黄系抗酸化剤、リン系抗酸化剤、アミン系抗
酸化剤等が挙げられる。
【0028】上記金属害防止剤としては、架橋発泡シー
トに従来から添加されているものであれば、特に限定さ
れず、例えば、メチルベンゾトリアゾール等が挙げられ
る。
【0029】上記架橋発泡シートの発泡倍率は、大きい
と、架橋発泡シートの機械的強度が低下することがあ
り、又、小さいと、架橋発泡シートの軽量性が低下する
ことがあるので、10〜50倍が好ましく、15〜40
倍がより好ましい。なお、本発明でいう発泡倍率とは、
架橋発泡シートの体積をその重量で除したもの(ml3
/g)をいう。
【0030】次に、本発明の積層シートの製造方法で
は、上記架橋発泡シートを2枚用意し、2枚の架橋発泡
シートの夫々の一面に押出ラミネートによってオレフィ
ン系樹脂層を積層する。
【0031】上記オレフィン系樹脂としては、上記架橋
発泡シートの表面に押出ラミネートによって積層一体化
することができれば、特に限定されず、例えば、ポリプ
ロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体等のプ
ロピレン系樹脂、ポリエチレンやエチレン−α−オレフ
ィン共重合体等のエチレン系樹脂、ポリブタジエン等が
挙げられ、これらは単独で用いられても併用されてもよ
く、単独で用いる場合にプロピレン系樹脂が好ましく、
併用する場合はプロピレン系樹脂とエチレン系樹脂との
混合物が好ましい。なお、上記α−オレフィンとして
は、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、
1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン等が挙げられる。
【0032】更に、上記架橋発泡シートの一面に積層一
体化された上記オレフィン系樹脂層のうちの少なくとも
一のオレフィン系樹脂層(以下、「不織布調オレフィン
系樹脂層」という)は、プロピレン系樹脂(B)100
重量部、エチレン系樹脂(B)1〜50重量部、無機充
填材1〜50重量部及び炭素繊維0.1〜1.5重量部
からなる。このように、積層シートのオレフィン系樹脂
層のうちの少なくとも一のオレフィン系樹脂層を、所定
量の無機充填材及び炭素繊維を含有する所定量のプロピ
レン系樹脂(B)及びエチレン系樹脂(B)からなるオ
レフィン系樹脂層(不織布調オレフィン系樹脂層)で構
成することによって、積層シートの少なくとも一面を不
織布調感を呈する面とすることができる。
【0033】上記オレフィン系樹脂層を構成するプロピ
レン系樹脂(B)とは、ホモプロピレン樹脂又はプロピ
レンを主成分とする他のモノマーとの共重合体をいい、
これらは単独で用いられても併用されてもよい。
【0034】上記ホモプロピレン樹脂としては、例え
ば、アイソタクチックプロピレン樹脂、シンジオタクチ
ックプロピレン樹脂が挙げられるが、機械的強度、耐熱
性、耐摩擦性に優れるアイソタクチックプロピレン樹脂
が好ましい。
【0035】上記プロピレンを主成分とする他のモノマ
ーとの共重合体としては、例えば、プロピレン−α−オ
レフィン共重合体が挙げられ、プロピレン−α−オレフ
ィン共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合
体、又はランダムブロック共重合体のいずれであっても
よい。
【0036】なお、上記α−オレフィンとしては、例え
ば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オ
クテン等が挙げられ、上記プロピレン−α−オレフィン
共重合体の具体例としては、例えば、プロピレン−エチ
レンブロック共重合体、プロピレン−エチレンランダム
共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン三元共重合体
等が挙げられる。
【0037】そして、上記プロピレン−α−オレフィン
共重合体の融点は、高いと、得られる積層シートの成形
性が低下するとともに、成形時にその表面に白化が生じ
ることがあり、又、低いと、積層シートのオレフィン系
樹脂層のシボ保持性が低下することがあるので、160
〜170℃が好ましい。なお、本発明において融点と
は、昇温速度10℃/分での示差熱分析曲線のピーク温
度をいう。
【0038】上記プロピレン系樹脂(B)のMIは、大
きいと、溶融粘度が低下してシート化が困難となり、
又、小さいと、積層シートを成形した際に成形歪みが残
存しやすくなり成形安定性が低下するので、0.3〜1
5g/10分が好ましい。
【0039】上記オレフィン系樹脂層を構成するエチレ
ン系樹脂(B)としては、線状低密度ポリエチレン、低
密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエ
チレン等のポリエチレンの他、上記エチレン系樹脂
(A)において用いられるエチレン−α−オレフィン共
重合体等が挙げられ、エチレン含有量が70重量%以上
のエチレン−α−オレフィン共重合体が好ましい。
【0040】上記α−オレフィンとしては、例えば、プ
ロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、
4−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテ
ン等が挙げられ、プロピレンが好ましい。
【0041】上記エチレン系樹脂(B)のMIは、大き
いと、溶融粘度が低下してシート化が困難となり、又、
小さいと、積層シートを成形した際に成形歪みが残存し
やすくなり成形安定性が低下するので、0.5〜15g
/10分が好ましい。
【0042】上記エチレン系樹脂(B)の不織布調オレ
フィン系樹脂層中における含有量は、多いと、不織布調
オレフィン系樹脂層の耐熱性が低下し、又、少ないと、
積層シートの応力緩和性が低下し、積層シートが成形時
に高温下で変形したり、成形時に高延伸されると不織布
調オレフィン系樹脂層の表面に形成されたシボ模様の凹
部が局部的に延伸されて所謂シボ割れ現象が生ずるの
で、プロピレン系樹脂(B)100重量部に対して1〜
50重量部に限定される。
【0043】上記無機充填材の形態は、粉末状、バルン
状又は繊維状のいずれであっても特に限定されず、粉末
状無機充填材としては、例えば、炭酸カルシウム、タル
ク、カオリンクレー、マイカ、酸化チタン等が挙げら
れ、バルン状無機充填材としては、例えば、シラスバル
ン、ガラスバルン、フライアッシュバルン等が挙げら
れ、繊維状無機充填材としては、例えば、ガラス繊維、
ウィスカー等が挙げられる。これら無機充填材の中で
も、樹脂に対する剛性向上の効果が大きく、得られる積
層シートの成形安定性が優れているという点で、炭酸カ
ルシウム、タルク、マイカが好ましく、タルク、マイカ
がより好ましい。
【0044】上記無機充填材の大きさは、大きくなる
と、積層シートの低温での衝撃強度が低下するので、粒
径又は繊維径が20μm以下のものが好ましい。
【0045】上記無機充填材の不織布調オレフィン系樹
脂層中における含有量は、多いと、得られる積層シート
の軽量性が低下するとともに、不織布調オレフィン系樹
脂層のシボ模様が成形時に所謂シボ割れが生じ、又、少
ないと、積層シートの剛性が低下するので、プロピレン
系樹脂(B)100重量部に対して1〜50重量部に限
定される。
【0046】上記炭素繊維としては、公知の任意の炭素
繊維が使用でき、例えば、セルロース系、ポリアクリロ
ニトリル(PAN)系、リグニンポバール系、ピッチ系
の炭素繊維が挙げられ、ポリアクリロニトリル(PA
N)系、ピッチ系の炭素繊維が好ましい。
【0047】又、上記炭素繊維の平均径は、太くなる
と、積層シートを製造する際の不織布調オレフィン系樹
脂層を構成する樹脂の押出性が低下することがあり、
又、細くなると、積層シートの不織布調感が低下するこ
とがあるので、1〜20μmが好ましい。
【0048】更に、上記炭素繊維の繊維長は、長くなる
と、積層シートを製造する際の不織布調オレフィン系樹
脂層を構成する樹脂の押出性が低下することがあり、
又、短くなると、積層シートの不織布調感が低下するこ
とがあるので、0.1〜3mmが好ましい。
【0049】そして、上記炭素繊維の不織布調オレフィ
ン系樹脂層における含有量は、多いと、積層シートを製
造する際の不織布調オレフィン系樹脂層を構成する樹脂
の押出性が低下するとともに得られる積層シートの軽量
性が低下し、又、少ないと、積層シートの不織布調感が
低下するので、プロピレン系樹脂(B)100重量部に
対して0.1〜1.5重量部に限定される。
【0050】プロピレン系樹脂(B)100重量部、エ
チレン系樹脂(B)1〜50重量部、無機充填材1〜5
0重量部及び炭素繊維0.1〜1.5重量部からなる上
記不織布調オレフィン系樹脂層には、更に、得られる積
層シートの不織布調感を向上させるために、有色有機繊
維を含有させてもよい。
【0051】上記有色有機繊維としては、上記プロピレ
ン系樹脂(A)又はプロピレン系樹脂(B)の軟化点よ
り高い軟化点を有しておれば、特に限定されず、綿、
絹、羊毛、大麻等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミ
ド、ポリビニルアルコール、ポリアセタール、ポリウレ
タン、アクリル、アラミド系の合成繊維、レーヨン、キ
ュプラ、ポリノジック等の再生繊維等が挙げられる。
【0052】上記有機繊維の繊度は、大きいと、積層シ
ート製造時に不織布調オレフィン系樹脂層を構成する樹
脂の押出性が低下することがあり、又、小さいと、有機
繊維を添加した効果が得られないことがあるので、1〜
200デニールが好ましい。
【0053】上記有機繊維の繊維長は、長いと、積層シ
ート製造時に不織布調オレフィン系樹脂層を構成する樹
脂の押出性が低下することがあり、又、短いと、有機繊
維を添加した効果が得られないことがあるので、0.1
〜2mmが好ましい。
【0054】上記有機繊維の不織布調オレフィン系樹脂
層における含有量は、多いと、有機繊維は吸湿性が高
く、しかも、オレフィン系樹脂との相溶性が低いため、
積層シートを製造する際のオレフィン系樹脂層の押出性
が低下することがあり、又、少ないと、有機繊維を添加
した効果が得られないので、炭素繊維及び有機繊維の総
添加量の50重量%以下が好ましい。
【0055】次に、本発明の積層シートの製造方法にお
いて用いられる装置を図1及び図2を参照しつつ説明す
る。図1中、2は上記オレフィン系樹脂層が押出される
押出金型であり、31は熱圧着ロールであり、その外周面
には不織布調オレフィン系樹脂層にシボ模様を形成する
ための凹凸模様が形成されている。33は上記熱圧着ロー
ル31に対峙して配設されたバックアップロールであり、
その外周面は平坦面とされている。なお、上記熱圧着ロ
ール31の外周面とバックアップロール33の外周面との間
隔は、熱圧着ロール31とバックアップロール33との間に
供給される架橋発泡シート11の厚みと上記押出金型2か
ら押出されるオレフィン系樹脂の厚みとの合計厚みより
もやや狭く設定されている。なお、34、35はガイドロー
ルである。
【0056】上記不織布調オレフィン系樹脂層を構成す
る上記プロピレン系樹脂(B)、エチレン系樹脂
(B)、無機充填材及び炭素繊維を所定量づつ図示しな
い押出機に供給して押出金型2から押し出された層状の
溶融状態の樹脂と上記架橋発泡シート11とを重ね合わせ
た状態で、上記熱圧着ロール31と上記バックアップロー
ル33との間に上記架橋発泡シート11が上記バックアップ
ロール33側となるように供給して、上記架橋発泡シート
11と上記不織布調オレフィン系樹脂層12を構成する溶融
状態の樹脂とを挟圧して、上記架橋発泡シート11の一面
に不織布調オレフィン系樹脂層12を押出ラミネートによ
り層着させるとともに、該不織布調オレフィン系樹脂層
12に上記熱圧着ロール31の外周面に形成した凹凸模様を
転写し、不織布調オレフィン系樹脂層12にシボ模様を形
成し、上記架橋発泡シート11の一面にオレフィン系樹脂
層12が積層一体化されてなるラミネート品1Aを製造す
る。なお、得られたラミネート品1Aはガイドロール3
4、35によって誘導されつつ図示しない巻取装置に巻き
取られる。
【0057】一方、上記では熱圧着ロール31として、そ
の外周面に凹凸模様を形成したものを用いたが、上記熱
圧着ロール31の代わりに外周面が平坦面に形成された熱
圧着ロール32を用いて別のラミネート品1Bを製造す
る。即ち、上記オレフィン系樹脂を図示しない押出機に
供給して押出金型2から押し出された上記オレフィン系
樹脂層13を構成する溶融状態の樹脂と上記架橋発泡シー
ト11とを重ね合わせた状態で、上記熱圧着ロール32と上
記バックアップロール33との間に上記架橋発泡シート11
が上記バックアップロール33側となるように供給して、
上記架橋発泡シート11と上記オレフィン系樹脂層13を構
成する溶融状態の樹脂とを挟圧し、上記架橋発泡シート
11の一面にオレフィン系樹脂層13を押出ラミネートによ
り層着させて、上記架橋発泡シート11の一面にオレフィ
ン系樹脂層13が積層一体化されてなるラミネート品1B
を製造する。なお、得られたラミネート品1Bはガイド
ロール34、35によって誘導されつつ図示しない巻取装置
に巻き取られる。
【0058】次に、上記の如く製造されたラミネート品
1A、1Bを、それらの架橋発泡シート11、11同士が対
向した状態となるように配置し、該架橋発泡シート11、
11の表面をガスによる火炎又は強力赤外線ヒーター等の
加熱溶融手段5により溶融させた上で、両ラミネート品
1A、1Bを一対の圧着ロール41、41間に供給して、両
ラミネート品1A、1Bを挟圧し、上記架橋発泡シート
11、11間に熱融着層14を形成するとともに上記ラミネー
ト品1A、1Bを一体化させて積層シート1を製造す
る。なお、得られた積層シート1はガイドロール42、42
によって誘導されて図示しない巻取装置に巻取られる。
【0059】なお、上記ではラミネート品1Bにおい
て、架橋発泡シート11の一面にオレフィン系樹脂13を積
層した場合を説明したが、上記ラミネート品1Aの如く
所定量のプロピレン系樹脂(B)、エチレン系樹脂
(B)、無機充填材及び炭素繊維からなる樹脂組成物で
あってもよく、又、ラミネート品1Aと同様にオレフィ
ン系樹脂層にシボ模様を形成してもよい。
【0060】上記オレフィン系樹脂層12に形成される凹
凸模様の凹部の平均深さは、浅いと、オレフィン系樹脂
層に形成される不織布調感が低下することがあり、又、
深いと、得られる積層シートの強度が低下することがあ
るので、50μm以上であり且つ積層シートの厚みの5
0%以下であることが好ましい。
【0061】上記積層シートの2つの架橋発泡シート層
と熱融着層との合計厚さは、厚くなると、経済性が低下
し、又、薄くなると、積層シートの曲げ強度等の機械的
強度が低下するので、2〜10mmが好ましい。
【0062】上記積層シートのオレフィン系樹脂層の一
層の厚さTsは、厚くなると、積層シートの軽量性が低
下することがあり、又、薄くなると、積層シートの曲げ
強度等の機械的強度が低下することがあるので、0.1
〜1mmが好ましい。
【0063】上記積層シートの2つの架橋発泡シート層
と熱融着層との合計固体肉厚をTfとした場合、Ts/
Tfは、大きくなると、積層シート中に占めるオレフィ
ン系樹脂層の割合が大きくなり、積層シートの断熱性や
ソフト感が低下することがあり、又、小さくなると、架
橋発泡シートの成形歪みが、積層シートから得られる成
形体全体の加熱収縮を助長し、オレフィン系樹脂層が局
部的に肉薄となって裏側が透けてみえたり、亀裂が生じ
る等のネッキングが発生したりすることがあるので、
0.5〜20が好ましい。なお、本発明でいう固定肉厚
とは、架橋発泡シート又は熱融着層から空気を抜き出し
た状態での厚みをいう。
【0064】上記積層シートの熱融着層の厚さTlは、
厚くなると、得られる積層シートの断熱性やソフト感が
低下することがあり、又、薄くなると、架橋発泡シート
の製造時に付与された成形歪みの緩和が不十分となり得
られる積層シートの成形安定性が低下することがあるの
で、0.1〜0.5mmが好ましく、0.1〜0.5m
m且つ積層シートの2つの架橋発泡シート層と熱融着層
の合計厚さの1〜25%であるのが好ましい。
【0065】上記積層シートの厚さは、厚いと、軽量性
が低下することがあり、又、薄いと、曲げ強度等の機械
的強度が低下することがあるので、2.2〜12mmが
好ましい。架橋発泡シートの両面に積層されている上記
オレフィン系樹脂層の厚さは、上記積層体と同様の理由
で、0.1〜1mmが好ましい。
【0066】
【実施例】実施例1、2及び比較例1においては、下記
に示した化合物を使用した。但し、溶出量は、クロス分
別法による94℃以上での溶出量であり、溶出分は、ク
ロス分別法による94℃以上で溶出した樹脂分である。
【0067】プロピレン系樹脂(A) P−E共重合体1;MI=2g/10分、溶出量=75
重量%、溶出分の重量平均分子量=3.4×105 、エ
チレン含有量=3.2重量%であるプロピレン−エチレ
ンランダム共重合体
【0068】エチレン系樹脂(A) LLDPE1;MI=2.5g/10分、溶出量=6.
8重量%、溶出分の重量平均分子量=2.3×105
エチレン含有量=85重量%である線状低密度ポリエチ
レン
【0069】プロピレン系樹脂(B) P−E共重合体2;MI=4g/10分、融点=16
6.7℃であるプロピレン−エチレンブロック共重合体
【0070】P−E共重合体3;MI=1g/10分、
融点=166.5℃であるプロピレン−エチレンブロッ
ク共重合体
【0071】エチレン系樹脂(B) LLDPE2;MI=1g/10分である線状低密度ポ
リエチレン
【0072】(実施例1)表1に示した所定量のP−E
共重合体1、LLDPE1、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、アゾジカルボンアミド、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール、ジラウリルチオプロピ
オネート及びメチルベンゾトリアゾールを、二軸押出機
にて190℃で溶融混練した後、厚さ0.9mmの発泡
性樹脂シートを連続的に押出した。
【0073】次に、得られた発泡性樹脂シートの一面に
加速電圧が800kVの電子線を3Mrad照射して架
橋した後、熱風及び赤外線ヒーターによって250℃に
保持された縦型発泡炉に、発泡性樹脂シートを連続的に
供給し、発泡性樹脂シートを発泡させて架橋発泡シート
を得た。なお、得られた架橋発泡シートの厚みは2m
m、固体肉厚0.1mm、ゲル分率60重量%、発泡倍
率は20倍であった。
【0074】次に、図1及び図2に示した製造装置を用
いて積層シートを製造した。表1に示した所定量のP−
E共重合体2、LLDPE2、PAN系炭素繊維(平均
径=10μm、繊維長=0.5mm)、タルク及びグレ
ー顔料を図示しない押出機に供給し、押出金型2から樹
脂温度240℃、押出速度8m/分で押出して、押出金
型2から押出されたシート状の溶融状態の樹脂を上記架
橋発泡シート11の一面に沿わした状態で、両者を上記熱
圧着ロール31とバックアップロール33との間に供給し挟
圧することによって一体化してラミネート品1Aを製造
した。ラミネート品1Aの一面に積層された不織布調オ
レフィン系樹脂層12の厚みは0.3mmであった。又、
上記熱圧着ロール31としては、その外周面に凹凸模様を
形成したものを用い、上記ラミネート品1Aの不織布調
オレフィン系樹脂層12に凹凸模様を形成した。
【0075】一方、上記P−E共重合体2、LLDPE
2、PAN系炭素繊維(平均径=10μm、繊維長=
0.5mm)、タルク(平均粒径=10μm)及びグレ
ー顔料の代わりにP−E共重合体3を用い、上記熱圧着
ロール31の代わりに、外周面が平坦面に形成されてなる
熱圧着ロール32を用いた以外は、ラミネート品1Aと同
様にしてラミネート品1Bを製造した。なお、ラミネー
ト品1Bのオレフィン系樹脂層13の厚みは0.3mmで
あった。
【0076】上記ラミネート品1A、1Bを、それらの
架橋発泡シート11、11同士が対向した状態となるように
配置し、該架橋発泡シート11、11の表面をプロパンガス
炎5により160℃に加熱して溶融させた上で、両ラミ
ネート品1A、1Bを一対の圧着ロール41、41間に供給
して、両ラミネート品1A、1Bを挟圧し、上記架橋発
泡シート11、11間に熱融着層14を形成するとともに上記
ラミネート品1A、1Bを一体化させて積層シート1を
製造した。
【0077】なお、積層シート1の厚みは4.6mm、
重量は730g/m2 であった。2つの架橋発泡シート
層と熱融着層の合計厚さは4mm、Tlは0.2mmで
あり、2つの架橋発泡シート層と熱融着層の合計厚さの
5%であった。又、Tfは0.2mm、Tsは0.3m
m、Ts/Tfは1.5であった。
【0078】得られた積層シート1の構造を図3を参照
しつつ説明する。上記積層シート1は、ラミネート品1
Aとラミネート品1Bとからなり、ラミネート品1Aの
架橋発泡シート11の一面には無機充填材及び炭素繊維を
含有し且つプロピレン系樹脂とエチレン系樹脂とからな
る不織布調オレフィン系樹脂層12が積層一体化されてい
るとともに該不織布調オレフィン系樹脂層12には凹部15
及び凸部16からなる凹凸模様が形成されている一方、ラ
ミネート品1Bの架橋発泡シート11の一面にはプロピレ
ン系樹脂からなるオレフィン系樹脂層が積層一体化され
ており、その表面は平坦面に形成されていた。又、上記
ラミネート品1Aの架橋発泡シート11とラミネート品1
Bの架橋発泡シート11との間には熱融着層14が形成され
ていた。
【0079】(比較例1)表1に示した所定量のP−E
共重合体1、LLDPE1、トリメチロールプロパント
リメタクリレート、アゾジカルボンアミド、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾール、ジラウリルチオプロピ
オネート及びメチルベンゾトリアゾールを、二軸押出機
にて190℃で溶融混練した後、厚さ1.5mmの発泡
性樹脂シートを連続的に押出した。
【0080】次に、得られた発泡性樹脂シートの一面に
加速電圧が800kVの電子線を3Mrad照射して架
橋した後、熱風及び赤外線ヒーターによって250℃に
保持された縦型発泡炉に、発泡性樹脂シートを連続的に
供給し、発泡性樹脂シートを発泡させて架橋発泡シート
を得た。なお、得られた架橋発泡シートの厚みは4m
m、ゲル分率60重量%、発泡倍率は20倍であった。
【0081】一方、表1に示した所定量のP−E共重合
体2、LLDPE2、PAN系炭素繊維(平均径=10
μm、繊維長=0.5mm)、タルク(平均粒径=10
μm)及びグレー顔料を押出機に供給して溶融混練した
後、樹脂温度240℃、押出速度8m/分で押出して、
厚さ0.3mmのオレフィン系樹脂シートAを得た。
【0082】又、上記P−E共重合体2、LLDPE
2、PAN系炭素繊維(平均径=10μm、繊維長=
0.5mm)、タルク(平均粒径=10μm)及びグレ
ー顔料の代わりにP−E共重合体3を用いた以外は、上
記と同様にして、厚さ0.3mmのオレフィン系樹脂シ
ートBを得た。
【0083】上記架橋発泡シートの一面にオレフィン系
樹脂シートAを、他面にオレフィン系樹脂シートBを積
層した上で、温度150℃の熱圧着ロールとバックアッ
プロールとの間に供給して、これらを挟圧して一体化
し、架橋発泡シートの一面に不織布調オレフィン系樹脂
層が、他面にオレフィン系樹脂層が積層一体化されてな
る積層シート1を得た。なお、上記オレフィン系樹脂シ
ートA側の熱圧着ロールの外周面には凹凸模様を形成
し、不織布調オレフィン系樹脂層に凹凸模様を施した。
【0084】(比較例2)表1に示した所定量のP−E
共重合体2、LLDPE2、PAN系炭素繊維(平均径
=10μm、繊維長=0.5mm)、タルク(平均粒径
=10μm)及びグレー顔料を一の押出機に供給し溶融
混練する一方、P−E共重合体3を他の押出機に供給し
溶融混練した。
【0085】そして、比較例1と同様にして製造した架
橋発泡シートの一面に一の押出機から押出した層状の溶
融状態の樹脂を沿わせるとともに、他面に他の押出機か
ら押出した層状の溶融状態の樹脂を沿わせた上で、これ
らを温度150℃の熱圧着ロールとバックアップロール
との間に供給して、これらを挟圧して一体化し、架橋発
泡シートの一面に不織布調オレフィン系樹脂層が、他面
にオレフィン系樹脂層が積層一体化されてなる積層シー
ト1を得た。なお、上記不織布調オレフィン系樹脂層側
の熱圧着ロールの外周面には凹凸模様を形成し、不織布
調オレフィン系樹脂層に凹凸模様を施した。
【0086】実施例1及び比較例1、2において得られ
た積層シートの耐熱性及び外観性を以下に示す方法にて
測定し、その結果を表1に示した。
【0087】先ず、上記実施例1及び比較例1、2で得
られた積層シートを、遠赤外線ヒーターを用いて、不織
布調オレフィン系樹脂層が130〜135℃、無機充填
材を含有しないオレフィン系樹脂層を155〜160℃
となるように加熱した。
【0088】図4に示した不織布調オレフィン系樹脂層
の表面に形成された凹凸模様の凹部の深さhを測定し、
その平均深さをh0 として表1にその結果を示した。
【0089】次に、上記実施例1及び比較例1、2で得
られた積層シートを、不織布調オレフィン系樹脂層が1
30℃、無機充填材を含有しないオレフィン系樹脂層が
160℃となるように遠赤外線ヒーターにて加熱した
後、図5に示したように、断面が半径96mmの半円形
状の凸部を有する雄型金型61及び断面が半径100mm
の半円形状の凹部を有する雌型金型62からなるプレス型
6を用い、雌雄型金型61、62を40℃に保持した上で、
不織布調オレフィン系樹脂層が雄型金型側61に、無機充
填材を含有しないオレフィン系樹脂層が雌型金型62側と
なるように雌雄金型61、62間に積層シートを配設し、雌
雄金型61、62をクリアランス4mmで閉じて積層シート
をプレス成形し、中央部が凹円弧状に成形された成形品
を得た。得られた成形品の不織布調オレフィン系樹脂層
における凹凸模様の凹部の深さhを測定し、その平均値
1 を表1に示した。
【0090】(耐熱性)得られた積層シートの上記成形
の際の加熱時に不織布調オレフィン系樹脂層表面を目視
観察し、その結果を表1に示した。 ○;表面は均一であり、熱による変形は見られなかっ
た。 △;表面に熱による波打ち現象が部分的に見られた。 ×;表面に熱による波打ち現象が全面的に見られた。
【0091】(外観性)上記凹凸模様の凹部の平均深さ
0 及びh1 から凹凸模様の保持率を以下の式により算
出してその結果を表1に示した。なお、上記保持率が高
い程、加熱時の表面温度のばらつきが少なく、プレス成
形時に金型と積層シートが均一に接触し、局部的な延び
が生じず、成形体が均一であるので、積層シートの成形
性及び得られた成形体の外観性に優れている。 凹凸模様の保持率(%)=(h1 /h0 )×100
【0092】
【表1】
【0093】
【発明の効果】本発明の積層シートの製造方法は、押出
ラミネートによって架橋発泡シートの一面にオレフィン
系樹脂層を形成するものであるので、得られるラミネー
ト品に反りが生じたり、オレフィン系樹脂層に皺が発生
したりすることはない。
【0094】しかも、上記ラミネート品を熱融着させる
ために再度加熱しているので、架橋発泡シートを製造す
る際に該発泡シートに残存した歪みが緩和され、又、2
枚のラミネート品を積層一体化することにより、積層シ
ートの加熱収縮が平均化されるので、得られる積層シー
トは成形時の加熱収縮が少なく、成形性に優れたもので
ある。
【0095】更に、上記積層シートの製造方法によって
製造された積層シートは、その中央部が架橋発泡シート
からなるので軽量性に優れているとともに、その両面に
はオレフィン系樹脂層が積層されており、しかも、その
オレフィン系樹脂層の少なくとも一のオレフィン系樹脂
層は、プロピレン系樹脂100重量部、エチレン系樹脂
1〜50重量部、無機充填材1〜50重量部及び炭素繊
維0.1〜1.5重量部からなるので、機械的強度、熱
安定性に優れている。更に、上記オレフィン系樹脂層の
少なくとも一のオレフィン系樹脂層は、所定量の無機充
填材及び炭素繊維が含有された所定量のプロピレン系樹
脂及びエチレン系樹脂からなるオレフィン系樹脂層から
構成されているとともに凹凸模様が付与されていること
から、不織布調オレフィン系樹脂層は優れた不織布調感
を呈する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層シートの製造方法に用いられる製
造装置を示す側面模式図である。
【図2】本発明の積層シートの製造方法に用いられる製
造装置を示す側面模式図である。
【図3】本発明の積層シートの製造方法によって製造さ
れた積層シートの拡大断面図である。
【図4】本発明の積層シートの製造方法によって製造さ
れた積層シートの不織布調オレフィン系樹脂層の拡大断
面図である。
【図5】実施例において用いられた雌雄金型を示した斜
視図である。
【符号の説明】
1 積層シート 1A、1B ラミネート品 11 架橋発泡シート 12 不織布調オレフィン系樹脂層 13 オレフィン系樹脂層 14 熱融着層 15 凹部 16 凸部 2 押出金型 31、32 熱圧着ロール 33 バックアップロール 34、35 ガイドロール 41 圧着ロール 5 加熱溶融手段 6 雄雌金型 61 雄型金型 62 雌型金型

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン系樹脂及びエチレン系樹脂か
    らなる2枚の架橋発泡シートの夫々の一面に、押出ラミ
    ネートによってオレフィン系樹脂層を積層して2枚のラ
    ミネート品を形成し、2枚のラミネート品の架橋発泡シ
    ート同士を対向させて、これら架橋発泡シートの表面を
    溶融するとともに互いに圧着させることによって、上記
    架橋発泡シート間に熱融着層を形成するとともに上記ラ
    ミネート品を一体化させる積層シートの製造方法におい
    て、上記オレフィン系樹脂層のうちの少なくとも一のオ
    レフィン系樹脂層は、プロピレン系樹脂100重量部、
    エチレン系樹脂1〜50重量部、無機充填材1〜50重
    量部及び炭素繊維0.1〜1.5重量部からなるととも
    に該オレフィン系樹脂層に押出ラミネート時に凹凸模様
    を施すことを特徴とする積層シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 上記積層シートの2つの架橋発泡シート
    層と熱融着層との合計固体肉厚をTf、オレフィン系樹
    脂層の一層の厚みをTs、熱融着層の厚みをTlとした
    際、Ts/Tfが0.5〜20であり、Tlが0.1〜
    0.5mm且つ2つの架橋発泡シート層と熱融着層の合
    計厚さの1〜25%であることを特徴とする請求項1に
    記載の積層シートの製造方法。
  3. 【請求項3】 上記架橋発泡シートのプロピレン系樹脂
    が、メルトインデックス0.2〜10g/10分、クロ
    ス分別法による94℃以上での溶出量50〜95重量%
    及び該溶出分の重量平均分子量2×105 〜10×10
    5 であるプロピレン−α−オレフィン共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の積層シー
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記架橋発泡シートのエチレン系樹脂
    が、メルトインデックス0.5〜10g/10分、クロ
    ス分別法による94℃以上での溶出量5〜20重量%及
    び該溶出分の重量平均分子量1.5×105 〜10×1
    5 であるエチレン−α−オレフィン共重合体であるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の積
    層シートの製造方法。
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