JPH11253489A

JPH11253489A - 使い捨ておむつ

Info

Publication number: JPH11253489A
Application number: JP11001706A
Authority: JP
Inventors: Hisanori Watanabe; 久記渡辺; Haruko Kawaguchi; 晴子川口
Original assignee: Kao Corp
Current assignee: Kao Corp
Priority date: 1999-01-07
Filing date: 1999-01-07
Publication date: 1999-09-21
Anticipated expiration: 2016-03-12
Also published as: JP3144550B2

Abstract

(57)【要約】【課題】吸収性物品の基本性能である排泄物の防漏性
及び着用者への追従性に優れた使い捨ておむつの提供。【解決手段】使い捨ておむつは、液透過性のトップシ
ート２と、液不透過性のバックシート３と、これら両シ
ート間に配置される吸収体４とを有する本体を備え、着
用者の腹側に位置する腹側部６及び背側に位置する背側
部７それぞれの両側縁部６ａ、６ｂ、７ａ、７ｂを接合
固定して、ウエスト開口部と、一対のレッグ開口部と胴
周囲部とを形成し、上記ウエスト開口部及び一対のレッ
グ開口部それぞれの開口周囲部Ａ、Ｃ並びに上記胴周囲
部Ｂの周囲方向の少なくとも一部にそれぞれギャザーを
形成したパンツ型の使い捨ておむつにおいて、上記ウエ
スト開口周囲部Ａ、上記レッグ開口周囲部Ｃ及び上記胴
周囲部Ｂそれぞれの周囲方向の伸縮応力が異なることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、幼児用、大人用あるい
は失禁者用の使い捨ておむつに関し、特に、いわゆるパ
ンツ型おむつに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、パンツ型おむつは、特開昭６１
−２０７６０５号公報に開示されているように、液透過
性のトップシートと、液不透過性のバックシートと、こ
れら両シート間に介在された吸収体とからなる縦長の本
体を備え、該本体は、着用時に着用者の腹側に位置する
腹側部と背側に位置する背側部とに分けられている。そ
して、本体の長手方向に沿う両側に形成された左右一対
のサイドフラップにおいて腹側部と背側部とを互いに接
合固定して左右一対のレッグ開口部及び一つのウエスト
開口部が形成されている。

【０００３】この種のパンツ型おむつは、一対のレッグ
開口周囲部及び一つのウエスト開口周囲部をそれぞれ伸
縮自在に形成して体型にフィットするように構成されて
おり、通常、着用者自らが立位の状態で着用することが
できるので、幼児の「おむつ離れ」を促進するためのト
イレットトレーニング用として、または失禁者用もしく
は歩行可能な成人用として用いられている。

【０００４】パンツ型おむつは、いわゆるフラット型の
おむつに比較して、通常の下着と同様に着用者が自分で
上げ下げが容易で且つ介護者が着用させ易いという点に
特徴を有するもので、着用者自身が排泄物を漏らさない
ように、しかも容易に装着できるようにするためには、
パンツ型の使い捨ておむつは優れたフィット性を有して
いることが要求される。さらに、着用者の活発な活動に
対しても十分な追従性を有することが要求される。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
パンツ型おむつにおいては、ウエスト開口周囲部からレ
ッグ開口周囲部にかけて一様に伸縮弾性部材（伸縮部
材）が配されている場合、着用者の身体形状は、一様で
なく、股部からウエスト部の間において窪んだ略鼓型形
状をしているため、ウエスト開口周囲部とレッグ開口周
囲部とにはフィットするが、着用者の胴周囲部には充分
にフィットできないという不都合がある。

【０００６】このように着用者に確実にフィットできな
いと、着用者とおむつの間の隙間から排泄物が漏れた
り、着用者の活動に対して追従性に欠け、おむつがずり
落ちるといった問題がある。一方、ウエスト開口周囲部
からレッグ開口周囲部にかけての伸縮弾性部材の伸縮力
を、フィット性に最も困難な箇所、にあわせて一様に強
くしたのでは、必要以上に着用者に圧迫感を感じさせ装
着感に著しく劣るという問題点がある。

【０００７】従って、本発明の目的は、吸収性物品の排
泄物の防漏性及び着用者への追従性に優れたパンツ型の
使い捨ておむつを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、液透過性のト
ップシートと、液不透過性のバックシートと、これら両
シート間に配置される吸収体とを有する本体を備え、着
用者の腹側に位置する腹側部及び背側に位置する背側部
それぞれの両側縁部を接合固定して、ウエスト開口部
と、一対のレッグ開口部と胴周囲部とを形成し、上記ウ
エスト開口部及び一対のレッグ開口部それぞれの開口周
囲部並びに上記胴周囲部の両側部にそれぞれギャザーを
形成したパンツ型の使い捨ておむつであって、上記ウエ
スト開口周囲部、上記レッグ開口周囲部及び上記胴周囲
部それぞれの周囲方向の伸縮応力が異なり、上記ウエス
ト開口周囲部、上記胴周囲部、上記レッグ開口周囲部の
各部の２０％伸長時の応力（幅５mm、長さ１０mmあた
り）の最大値がそれぞれ１０〜１２０ｇ、５０％伸長時
の応力（幅５mm、長さ１０mmあたり）の最大値がそれぞ
れ２０〜１５０ｇ、１００％伸長時の応力（幅５mm、長
さ１０mmあたり）の最大値がそれぞれ３０〜２００ｇで
あることを特徴とする使い捨ておむつを提供することに
より上記目的を達成したものである。

【０００９】

【作用】本発明によるパンツ型の使い捨ておむつによれ
ば、上記ウエスト開口周囲部と一対のレッグ開口周囲部
と胴周囲部との各部における伸縮応力が異なり、それぞ
れの部分に応じた伸縮応力を付与するので、着用者の身
体形状に応じて各身体の部分に個別にフィットし、着用
者を圧迫することなく効果的に漏れ及びずり落ちを防止
することができる。

【００１０】

【実施例】以下に、添付図面の図１乃至図３を参照し乍
ら本発明の好ましい第１の実施例を詳細に説明する。パ
ンツ型おむつ１は、その展開した状態を図１及び図２に
示すように、液透過性のトップシート２と、液不透過性
のバックシート３と、これら両シート間に配置される吸
収体４とを有する本体５を備え、該本体５は、着用時に
着用者の腹側に位置する腹側部６と、背側に位置する背
側部７とに区分されており、腹側部６と背側部７との両
側縁部６ａ、６ｂ、７ａ、７ｂを接合固定して、図３に
示すパンツ型を形成し、ウエスト開口周囲部Ａと一対の
レッグ開口周囲部Ｃとが形成されるようになっている。
更に、ウエスト開口周囲部Ａと一対のレッグ開口周囲部
Ｃとの間に胴周囲部Ｂが形成されている。ウエスト開口
周囲部Ａと、各レッグ開口周囲部Ｃとには、それぞれ、
吸収体４から一定の距離をあけて伸縮部材１１ａ、１１
ｂ、１２ａ、１２ｂが張設されており、ウエストギャザ
ー１３、レッグギャザー１４ａ、１４ｂが形成されてい
る。また、胴周囲部Ｂには、ウエスト開口周囲部Ａ及び
レッグ開口周囲部Ｃと同様に、伸縮部材１７ａ、１７ｂ
が張設され胴周囲ギャザーを形成しているが、該伸縮部
材１７ａ、１７ｂは一端が吸収体にかかり、他端が両側
縁部６ａ、６ｂ、７ａ、７ｂまで延出されている。

【００１１】上記トップシート２は、排泄物を吸収体４
へ透過させる液透過性シートで肌着に近い感触を有した
ものが好ましく、このような液透過性シートとしては、
例えば、織布、不織布、多孔性フィルム等が好ましい。
また、トップシート２の周縁部にシリコン系油剤、パラ
フィンワックス等の疎水性化合物を塗布する方法や、予
めアルキルリン酸エステルのような親水性化合物を塗布
し、周縁を温水で洗浄する方法により撥水処理を施し、
周縁部における尿等の滲みによる漏れを防止することが
できる。

【００１２】バックシート３は、熱可塑性樹脂にフィラ
ーを加えて延伸した液不透過性且つ蒸気を透過させる蒸
気透過性のシートが用いられ、肌着に近い感触を有した
もの、例えば、フィルムと不織布との複合材、あるいは
フィルムと織布との複合材料等が用いられる。吸収体４
は、略中央がくびれた砂時計型形状に形成されているこ
とが好ましく、長手方向の長さＬ１が好ましくは３００
mm乃至６００mm、本実施例では約４００mm、くびれ部分
の幅Ｌ２は好ましくは８０mm乃至１１０mm、本実施例で
は約９０mmに形成されている。吸収体４の腹側、背側に
おける幅Ｌ３は、好ましくは１２０mm乃至３５０mm本実
施例では約１６０mm、吸収体４から延出するサイドフラ
ップの幅Ｌ４は好ましくは１０mm乃至１５０mm本実施例
では約１００mm、両側縁部Ｌ５は、好ましくは５mm乃至
３０mm本実施例では約１０mmである。

【００１３】吸収体４の材料としては、解繊パルプを主
材とし、高分子吸水ポリマーを併用したものが好まし
く、その他、熱可塑性樹脂、セルロース繊維、あるいは
高分子吸水ポリマーの混合物に熱処理したものが好まし
い。高分子吸水ポリマーの存在位置は上層、中層、下層
のいずれであってもよく、パルプと混合したものであっ
てもよい。高分子吸水ポリマーは自重の２０倍以上の液
体を吸収して保持する性能を有し、ゲル化する性質を有
する粒子状のものが好ましく、このような高分子吸水ポ
リマーとしては、デンプン−アクリル酸（塩）グラフト
共重合体のケン化物、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロースの架橋物、アクリル酸（塩）重合体等が好まし
い。

【００１４】本体５において、吸収体４の長手方向の両
端縁には、ここから外方へ延出する一対のウエストフラ
ップ１５ａ、１５ｂと上記吸収体４の両側縁から幅方向
外方へ延出する左右一対のサイドフラップ１６、１６と
が設けられている。各ウエストフラップ１５ａ、１５ｂ
それぞれには上述のウエスト開口周囲部Ａの伸縮部材１
１ａ、１１ｂが張設されており、左右一対のサイドフラ
ップ１６、１６それぞれにはレッグ開口周囲部Ｃの伸縮
部材１２ａ、１２ｂが張設されている。

【００１５】更に、ウエスト開口周囲部Ａとレッグ開口
周囲部Ｃの中間にある胴周囲部Ｂには、伸縮部材１７
ａ、１７ｂが張設されている。そして、背側と腹側のサ
イドフラップ１６ａ、１６ｂの両側縁でそれぞれ部分的
に接合固定して、図３に示すように、ウエスト開口周囲
部Ａ及び左右一対のレッグ開口周囲部Ｃ、胴周囲部Ｂを
形成するようになっている。

【００１６】尚、ウエストフラップ１５ａ、１５ｂとサ
イドフラップ１６、１６とは、それぞれトップシート２
とバックシート３の重ね合わせ部分でもって本体５に一
体に形成されている。ウエスト開口周囲部Ａとレッグ開
口周囲部Ｃに張設される伸縮部材１１ａ、１１ｂ、１２
ａ、１２ｂは２００％以上の伸縮率を有し、天然ゴム、
合成ゴム、発泡ポリウレタンなどからなる複数本の糸状
体としてまたは帯状体としてトップシート２とバックシ
ート３とに連続的に接合されている。

【００１７】従って、ウエスト開口周囲部Ａの伸縮部材
１１ａ、１１ｂはウエスト開口周囲部Ａの周囲に沿って
連続して配置され、ウエストギャザー１３を形成するこ
とになる。一方、レッグ開口周囲部の伸縮部材１２ａ、
１２ｂは、レッグ開口周囲部Ｃを形成した時に、レッグ
ギャザー１４ａ、１４ｂを形成することになる。また、
胴周囲部の伸縮部材１７ａ、１７ｂも、上述のウエスト
開口周囲部Ａ及びレッグ開口周囲部Ｃのそれぞれの伸縮
部材１１ａ、１１ｂ、１２ａ、１２ｂと同様に構成さ
れ、胴周囲部Ｂにギャザー１７を形成し、胴周囲部Ｂを
着用者の胴周囲にフィットさせるようになっている。

【００１８】ウエスト開口周囲部Ａの伸縮部材１１ａ、
１１ｂ、とレッグ開口周囲部Ｃの伸縮部材１２ａ、１２
ｂと、胴周囲部の伸縮部材１７ａ、１７ｂとは、それぞ
れ２０％、５０％、１００％伸長時にそれぞれ伸縮応力
〔幅５mm、長さ（伸縮方向の長さ）１０mmあたり。以下
同じ〕が１０ｇ〜１２０ｇ、２０ｇ〜１５０ｇ、３０ｇ
〜３００ｇを示すものを用いるのが好ましく、本実施例
の伸縮部材が２０％、５０％、１００％伸長時にそれぞ
れ伸縮応力が約６０ｇ、１４０、２２０ｇを示すものが
用いられる。

【００１９】尚、図２、図３に示すウエスト開口周囲部
Ａ、胴周囲部Ｂ、レッグ開口周囲部Ｃは、図５に示すよ
うに、着用者である幼児のウエストａ、腰骨部ｂ、股の
付け根付近ｃに対応して設けられるものである。レッグ
開口周囲部Ｃの周囲長は着用者の鼠蹊部上を通過してい
るので活動、姿勢の影響を大きく受ける。即ち、幼児の
体型は一般に、腰骨部ｂがウエスト部ａ、股の付け根付
近ｃに比べて細くくびれた筒型の形状（略鼓型）を有
し、従って、着用者の通常の周囲長は、ウエスト開口周
囲部Ａ＞レッグ開口周囲部Ｃ＞胴周囲部Ｂであり、姿
勢、活動によるウエスト開口周囲部Ａ、胴周囲部Ｂ、レ
ッグ開口周囲部Ｃの最大変化量（ΔＡ、ΔＢ、ΔＣ）
は、△Ａ＞△Ｃ＞△Ｂである。同時に使い捨ておむつの
上記各部にかかる応力は、ウエスト開口周囲部Ａ＞レッ
グ開口周囲部Ｃ＞胴周囲部Ｂの関係になる。

【００２０】姿勢、活動、装着により、本発明の使い捨
ておむつにおける各部の周囲長はそれぞれ最大２０％、
５０％、１００％変化するが、その時、伸縮物性とし
て、それぞれの伸縮応力はウエスト開口周囲部Ａが１０
ｇ〜１２０ｇ、好ましくは１０〜１２０ｇ、レッグ開口
周囲部Ｃが２０ｇ〜１５０ｇ、好ましくは２０〜１５０
ｇ、胴周囲部Ｂが３０ｇ〜３００ｇ、好ましくは３０ｇ
〜２００ｇであれば、着用者は圧迫感を感じることもな
く、また装着し易く、ウエスト開口周囲部Ａ、レッグ開
口周囲部Ｃに隙間を生じることがなく、優れたズリ落ち
防止及び漏れ防止性能を発揮することができる。

【００２１】上述した本実施例の使い捨ておむつは、そ
の着用時には、図１の展開した状態から接合部６ａ、６
ｂ、７ａ、７ｂを互いに重ねて接合し、図３に示すよう
なパンツ型を形成する。このパンツ型の状態で、着用者
の足をウエスト開口周囲部Ａ、続いてレッグ開口周囲部
Ｃに通して引き上げて着用する。着用した状態では、着
用者のウエスト部ａにウエスト開口周囲部Ａ、着用者の
腰骨部付近ｂに胴周囲部Ｂ、股の付け根付近ｃにレッグ
開口周囲部Ｃが位置し、ウエスト開口周囲部Ａと一対の
レッグ開口周囲部Ｃと胴周囲部Ｂにおいてそれぞれウエ
ストギャザー１３、レッグギャザー１４ａ、１４ｂ、胴
周囲ギャザー１７を形成する。

【００２２】この場合、各ギャザー１３、１４ａ、１４
ｂ、１７は、それぞれが対応する身体の周囲長さに、着
用時の特性等に応じて適当にフィトとするように、弾性
応力を付与するものであるから、着用者は圧迫感を感じ
ることがない。また、幼児の姿勢、活動に即した伸縮物
性を有しているので、ウエスト開口周囲部Ａ、レッグ開
口周囲部Ｃに隙間を生ずることがなく、優れたズリ落ち
防止及び漏れ防止性能を発揮する。

【００２３】また、ウエスト開口周囲部Ａの周囲長は、
一般に、着用者の姿勢により最大約５cm変化することが
知られているが、胴周囲部Ｂの周囲長は腰骨部上から臀
部を通過しているので着用者の姿勢にはあまり影響され
ない。更に、上述した第１の実施例では、レッグ開口周
囲部Ｃのギャザー１４ａ、１４ｂと胴周囲部Ｂのギャザ
ー１７との間には弾性伸縮部材が介在されておらず、即
ち、レッグ開口周囲部Ｃの伸縮部材１２ａ、１２ｂと、
胴周囲部Ｂの伸縮部材１７ａ、１７ｂとの間に他の伸縮
部材は配置されていない。

【００２４】このような伸縮部材が存在しない領域の幅
は１０〜１００mm、好ましくは１０〜７０mmであり、こ
のように、レッグ開口周囲部Ｃのギャザー１４ａ、１４
ｂと胴周囲部Ｂのギャザー１７との間にギャザーが存在
しないことにより、伸縮部材による着用者の脚の働きを
妨げるということがなく、更に、胴周囲部Ｂのギャザー
１７とレッグ開口周囲部Ｃのギャザー１４ａ、１４ｂと
が他から影響を受けることなく独自に作用するのでそれ
ぞれのギャザー１７、１４ａ、１４ｂの伸縮物性を損害
することがない。従って、第１の実施例の使い捨ておむ
つによれば優れたフィット性を得ることができる。

【００２５】次に、本発明の好ましい第２の実施例につ
いて説明する。第２の実施例では、上述した第１の実施
例において、ウエスト開口周囲部Ａにおける背側部と腹
側部との伸縮応力が異なるように構成されており、その
他の点においては、上述の第１の実施例と略同様に構成
されている。即ち、ウエスト開口周囲部Ａにおける背側
部の伸縮部材１７ｂと腹側部の伸縮部材の伸縮応力が異
なるように設定されているが、背側部の伸縮部材１７ｂ
と腹側部の伸縮部材１７ａの伸縮応力の異なる度合は、
おむつの種類、例えば、幼児用や大人用によって異な
り、やせ型や肥満型等においても異なるので一概には特
定されるものではないが、幼児に対しては背側部の応力
を高く設定した方がフィット性及び取扱い上便利であ
る。なぜなら、姿勢による腹囲長の変化は主に腹側部の
膨脹、収縮が原因であり、これに追従するためには、腹
側部の応力を高くする必要があり、また、寝た切り者に
対し、介護者が襁褓を装脱着するにも、腹側部の応力が
高い方が操作がし易いからである。具体的には、腹側部
１０〜１４０ｇ、好ましくは１０〜９０ｇだけ背側部に
比べて腹側部のギャザーの応力が高く設定されているこ
とが望ましい。

【００２６】また、ウエスト開口周囲部Ａの伸縮部材１
７ａ、１７ｂの夫々の応力は、ウエスト開口周囲部Ａに
おける背側部の伸縮部材１１ｂ及び腹側部の伸縮部材１
１ａの２０％伸長時の応力（幅５mm、長さ１０mmあた
り）の最大値がそれぞれ１０〜１２０ｇ、好ましくは１
０〜６０ｇ、５０％伸長時の応力（幅５mm、長さ１０mm
あたり）の最大値がそれぞれ２０〜１５０ｇ、好ましく
は２０〜１００ｇ、１００％伸長時の応力（幅５mm、長
さ１０mmあたり）の最大値がそれぞれ３０〜２００ｇ、
好ましくは３０〜１５０ｇの範囲内のものが用いられ
る。

【００２７】この第２の実施例によるパンツ型の使い捨
ておむつによれば、上記ウエスト開口周囲部において、
腹側と背側の伸縮応力が異なり、それぞれの部分に応じ
て伸縮応力を付与するので、着用者の身体形状あるいは
活動度に応じて身体の各部分にフィットし、着用者を圧
迫することなく効果的に漏れ及びずり落ちを防止するこ
とができる。

【００２８】また、第２の実施例による使い捨ておむつ
を用いれば、大人用おむつとして用いた場合、着用者が
寝たきりの状態でも、背側部に比べて腹側部の伸縮応力
が高いので装脱着しやすい。本発明は上述した一実施例
に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲
で種々変形可能である。

【００２９】例えば、胴周囲部Ｂには、伸縮部材１７
ａ、１７ｂを一部分に配置することに限らず、図４にそ
の展開図を示すように、周囲全体に亘って配置するもの
であってもよい。また、ウエスト開口周囲部Ａ、レッグ
開口周囲部Ｃにおいても一部分、または間欠的に伸縮部
材を配置する構成であってもよい。

【００３０】

【発明の効果】本発明の使い捨ておむつは、吸収性物品
の基本性能である排泄物の防漏性及び着用者への追従性
に優れるものである。更に、介護者が着用させる場合に
おいても側部の伸縮物性が均一でないので、着用時等に
おいても操作し易い。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例による使い捨ておむつの展開図
である。

【図２】図１に示す使い捨ておむつの略半分を拡大して
示す平面図である。

【図３】図１に示す使い捨ておむつの着用状態を示す斜
視図である。

【図４】本発明の他の実施例による使い捨ておむつの展
開図である。

【図５】使い捨ておむつの着用者への対応箇所を示す図
である。

【符号の説明】

１パンツ型おむつ２トップシート３バックシート４吸収体５本体６腹側部７背側部６ａ、６ｂ、７ａ、７ｂ両側縁部Ａウエスト開口周囲部Ｂ胴周囲部Ｃレッグ開口周囲部

─────────────────────────────────────────────────────

【手続補正書】

【提出日】平成１１年２月５日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】０００９

【補正方法】変更

【補正内容】

【０００９】

【作用】本発明によるパンツ型の使い捨ておむつによれ
ば、上記ウエスト開口周囲部と一対のレッグ開口周囲部
と胴周囲部との各部における伸縮応力がそれぞれ伸長の
程度に応じて異なり、それぞれの部分に応じた伸縮応力
を付与するので、着用者の身体形状に応じて各身体の部
分に個別にフィットし、着用者を圧迫することなく効果
的に漏れ及びずり落ちを防止することができる。

【手続補正２】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１７

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１７】従って、ウエスト開口周囲部Ａの伸縮部材
１１ａ、１１ｂはウエスト開口周囲部Ａの周囲に沿って
連続して配置され、ウエストギャザー１３を形成するこ
とになる。一方、レッグ開口周囲部Ｃの伸縮部材１２
ａ、１２ｂは、レッグ開口周囲部Ｃを形成した時に、レ
ッグギャザー１４ａ、１４ｂを形成することになる。ま
た、胴周囲部Ｂの伸縮部材１７ａ、１７ｂも、上述のウ
エスト開口周囲部Ａ及びレッグ開口周囲部Ｃのそれぞれ
の伸縮部材１１ａ、１１ｂ、１２ａ、１２ｂと同様に構
成され、胴周囲部Ｂにギャザー１７を形成し、胴周囲部
Ｂを着用者の胴周囲にフィットさせるようになってい
る。

【手続補正３】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】ウエスト開口周囲部Ａの伸縮部材１１ａ、
１１ｂ、とレッグ開口周囲部Ｃの伸縮部材１２ａ、１２
ｂと、胴周囲部Ｂの伸縮部材１７ａ、１７ｂとは、それ
ぞれ２０％、５０％、１００％伸長時にそれぞれ伸縮応
力〔幅５mm、長さ（伸縮方向の長さ）１０mmあたり。以
下同じ〕が１０ｇ〜１２０ｇ、２０ｇ〜１５０ｇ、３０
ｇ〜２００ｇを示すものを用いるのが好ましく、本実施
例の伸縮部材が２０％、５０％、１００％伸長時にそれ
ぞれ伸縮応力が約６０ｇ、１４０、２２０ｇを示すもの
が用いられる。

【手続補正４】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１９

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１９】尚、図２、図３に示すウエスト開口周囲部
Ａ、胴周囲部Ｂ、レッグ開口周囲部Ｃは、図４に示すよ
うに、着用者である幼児のウエストａ、腰骨部ｂ、股の
付け根付近ｃに対応して設けられるものである。レッグ
開口周囲部Ｃの周囲長は着用者の鼠蹊部上を通過してい
るので活動、姿勢の影響を大きく受ける。即ち、幼児の
体型は一般に、腰骨部ｂがウエスト部ａ、股の付け根付
近ｃに比べて細くくびれた筒型の形状（略鼓型）を有
し、従って、着用者の通常の周囲長は、ウエスト開口周
囲部Ａ＞レッグ開口周囲部Ｃ＞胴周囲部Ｂであり、姿
勢、活動によるウエスト開口周囲部Ａ、胴周囲部Ｂ、レ
ッグ開口周囲部Ｃの最大変化量（ΔＡ、ΔＢ、ΔＣ）
は、△Ａ＞△Ｃ＞△Ｂである。同時に使い捨ておむつの
上記各部にかかる応力は、ウエスト開口周囲部Ａ＞レッ
グ開口周囲部Ｃ＞胴周囲部Ｂの関係になる。

【手続補正５】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２０

【補正方法】削除

【手続補正６】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２２

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２２】この場合、各ギャザー１３、１４ａ、１４
ｂ、１７は、それぞれが対応する身体の周囲長さに、着
用時の特性等に応じて適当にフィットとするように、弾
性応力を付与するものであるから、着用者は圧迫感を感
じることがない。また、幼児の姿勢、活動に即した伸縮
物性を有しているので、ウエスト開口周囲部Ａ、レッグ
開口周囲部Ｃに隙間を生ずることがなく、優れたズリ落
ち防止及び漏れ防止性能を発揮する。

【手続補正７】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２５

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２５】次に、本発明の好ましい第２の実施例につ
いて説明する。第２の実施例では、上述した第１の実施
例において、ウエスト開口周囲部Ａにおける背側部と腹
側部との伸縮応力が異なるように構成されており、その
他の点においては、上述の第１の実施例と略同様に構成
されている。即ち、ウエスト開口周囲部Ａにおける背側
部の伸縮部材１１ｂと腹側部の伸縮部材１１ａの伸縮応
力が異なるように設定されているが、背側部の伸縮部材
１１ｂと腹側部の伸縮部材１１ａの伸縮応力の異なる度
合は、おむつの種類、例えば、幼児用や大人用によって
異なり、やせ型や肥満型等においても異なるので一概に
は特定されるものではないが、幼児に対しては背側部の
応力を高く設定した方がフィット性及び取扱い上便利で
ある。なぜなら、姿勢による腹囲長の変化は主に腹側部
の膨脹、収縮が原因であり、これに追従するためには、
腹側部の応力を高くする必要があり、また、寝た切り者
に対し、介護者が襁褓を装脱着するにも、腹側部の応力
が高い方が操作がし易いからである。具体的には、腹側
部１０〜１４０ｇ、好ましくは１０〜９０ｇだけ背側部
に比べて腹側部のギャザーの応力が高く設定されている
ことが望ましい。

【手続補正８】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２６

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２６】また、ウエスト開口周囲部Ａの伸縮部材１
１ａ、１１ｂの夫々の応力は、ウエスト開口周囲部Ａに
おける背側部の伸縮部材１１ｂ及び腹側部の伸縮部材１
１ａの２０％伸長時の応力（幅５mm、長さ１０mmあた
り）の最大値がそれぞれ１０〜１２０ｇ、好ましくは１
０〜６０ｇ、５０％伸長時の応力（幅５mm、長さ１０mm
あたり）の最大値がそれぞれ２０〜１５０ｇ、好ましく
は２０〜１００ｇ、１００％伸長時の応力（幅５mm、長
さ１０mmあたり）の最大値がそれぞれ３０〜２００ｇ、
好ましくは３０〜１５０ｇの範囲内のものが用いられ
る。また、レッグ開口周囲部Ｃの伸縮部材１２ａ、１２
ｂ、及び胴周囲部Ｂの伸縮部材１７ａ、１７ｂについて
もそれぞれ同様のものが用いられる。

【手続補正９】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００２９

【補正方法】変更

【補正内容】

【００２９】例えば、ウエスト開口周囲部Ａ、レッグ開
口周囲部Ｃにおいても一部分、または間欠的に伸縮部材
を配置する構成であってもよい。

【手続補正１０】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】図面の簡単な説明

【補正方法】変更

【補正内容】

【図面の簡単な説明】

【図４】使い捨ておむつの着用者への対応個所を示す図
である。

【手続補正１１】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

【手続補正１２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図４

【補正方法】変更

【補正内容】

【図４】

【手続補正１３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図５

【補正方法】削除

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】液透過性のトップシートと、液不透過性
のバックシートと、これら両シート間に配置される吸収
体とを有する本体を備え、着用者の腹側に位置する腹側
部及び背側に位置する背側部それぞれの両側縁部を接合
固定して、ウエスト開口部と、一対のレッグ開口部と胴
周囲部とを形成し、上記ウエスト開口部及び一対のレッ
グ開口部それぞれの開口周囲部並びに上記胴周囲部の両
側部にそれぞれギャザーを形成したパンツ型の使い捨て
おむつであって、上記ウエスト開口周囲部、上記レッグ開口周囲部及び上
記胴周囲部それぞれの周囲方向の伸縮応力が異なり、上記ウエスト開口周囲部、上記胴周囲部、上記レッグ開
口周囲部の各部の２０％伸長時の応力（幅５mm、長さ１
０mmあたり）の最大値がそれぞれ１０〜１２０ｇ、５０
％伸長時の応力（幅５mm、長さ１０mmあたり）の最大値
がそれぞれ２０〜１５０ｇ、１００％伸長時の応力（幅
５mm、長さ１０mmあたり）の最大値がそれぞれ３０〜２
００ｇであることを特徴とする使い捨ておむつ。
【請求項２】上記ウエスト開口周囲部、上記胴周囲
部、上記レッグ開口周囲部における各部の５０％伸長時
の応力が、ウエスト開口周囲部＞レッグ開口周囲部＞胴
周囲部、なる大きさの関係を有することを特徴とする請
求項１記載の使い捨ておむつ。
【請求項３】上記ウエスト開口周囲部、上記胴周囲
部、上記レッグ開口周囲部の各部の２０％伸長時の応力
（幅５mm、長さ１０mmあたり）の最大値がそれぞれ１０
〜６０ｇ、５０％伸長時の応力（幅５mm、長さ１０mmあ
たり）の最大値がそれぞれ２０〜１００ｇ、１００％伸
長時の応力（幅５mm、長さ１０mmあたり）の最大値がそ
れぞれ３０〜１５０ｇであることを特徴とする請求項１
又は２記載の使い捨ておむつ。
【請求項４】上記レッグ開口周囲部と上記胴周囲部と
のそれぞれにはギャザーが形成されされており、上記レ
ッグ開口周囲部のギャザーと上記胴周囲部のギャザーと
の間の領域には、弾性伸縮部材が存在していないことを
特徴とする請求項１乃至３のいずれか記載の使い捨てお
むつ。
【請求項５】上記弾性伸縮部材が存在しない領域が胴
周囲部に沿って、１０〜１００mmの幅で形成されている
ことを特徴とする請求項１乃至４のいずれか記載の使い
捨ておむつ。
【請求項６】上記ウエスト開口周囲部における上記背側
部と上記腹側部の５０％伸長時の応力が、異なることを
特徴とする請求項１乃至５のいずれか記載の使い捨てお
むつ。