JPH11253041A - コンバイン - Google Patents

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JPH11253041A
JPH11253041A JP7655498A JP7655498A JPH11253041A JP H11253041 A JPH11253041 A JP H11253041A JP 7655498 A JP7655498 A JP 7655498A JP 7655498 A JP7655498 A JP 7655498A JP H11253041 A JPH11253041 A JP H11253041A
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中島  茂
Toru Itamochi
透 板持
Hiroaki Yamazaki
弘章 山崎
Makoto Iwakura
誠 岩倉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱穀搬送装置の動力供給経路に、アクチュエ
ータの駆動に基づいて脱穀搬送装置の搬送速度を無段変
速するベルト式無段変速装置を介設するにあたり、ベル
ト式無段変速装置の増速側への応答性を向上させて脱穀
負荷の一時的な増大を防止する。 【解決手段】 ベルト式無段変速装置25の脱穀フィー
ドチェン16側の可変ピッチプーリ27を、電動モータ
36の駆動力で強制的に変速作動させる一方、エンジン
側の可変ピッチプーリ26を、ピッチ径増加方向に作用
する弾機30の付勢力で変速作動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、脱穀フィードチェ
ン等の脱穀搬送装置を備えるコンバインの技術分野に属
するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、この種コンバインの前処理部に
は、刈り取った茎稈を車速に連動した速度で搬送する前
処理搬送装置が設けられる一方、脱穀部には、前処理搬
送装置から引き継いだ茎稈を扱室に沿って搬送する脱穀
搬送装置が設けられているが、従来の脱穀搬送装置は、
搬送速度が略一定(エンジン回転数連動であり、中高速
刈取り時の前処理搬送速度と略同速)であるため、低速
刈取り時や高速刈取り時には、脱穀搬送装置と前処理搬
送装置との速度差に基づいて不都合が生じる可能性があ
った。つまり、低速刈取り時には、脱穀搬送速度が前処
理搬送速度を大きく上回るため、引継ぎ部で搬送乱れが
生じる可能性がある一方、高速刈取り時には、前処理搬
送速度が脱穀搬送速度を大きく上回るため、脱穀茎稈の
層が厚くなって脱穀負荷が増大する可能性があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、前記脱穀搬送
装置の動力供給経路に、アクチュエータの駆動に基づい
て脱穀搬送装置の搬送速度を無段変速するベルト式無段
変速装置を介設すると共に、該ベルト式無段変速装置を
車速等に応じて変速作動させることが提案されるが、ベ
ルト式無段変速装置の増速側への応答性が悪いと、脱穀
搬送装置における茎稈の層が厚くなって脱穀負荷が一時
的に増大する不都合がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作
されたものであって、扱室を備える脱穀部に、前処理部
から引き継いだ茎稈を扱室に沿って搬送する脱穀搬送装
置を設けたコンバインにおいて、前記脱穀搬送装置の動
力供給経路に、一対の可変ピッチプーリ間でベルト伝動
を行うベルト式無段変速装置を介設するにあたり、脱穀
搬送装置側の可変ピッチプーリを、アクチュエータの駆
動力で強制的に変速作動させる一方、動力源側の可変ピ
ッチプーリを、ピッチ径増加方向に作用する弾機の付勢
力で変速作動させることを特徴とするものである。つま
り、脱穀搬送装置側の可変プーリを増速側に強制的に変
速作動させた場合に、動力源側の可変ピッチプーリは、
弾機の付勢力を受けながら増速側に変速作動するため、
弾機の付勢力に抗しながら増速側に変速作動する場合に
比して迅速に変速作動することになり、その結果、ベル
ト式無段変速装置の増速側への応答性を向上させて脱穀
負荷を軽減することができる。また、可変ピッチプーリ
の変速作動部を強制的に移動させるアクチュエータは、
該アクチュエータの駆動に伴って変速作動部と一体的に
移動することを特徴とするものである。つまり、アクチ
ュエータを可変ピッチプーリと一体的なアッセンブリに
構成することができるため、アクチュエータを含むベル
ト式無段変速機構の配設スペースを可及的に小さくする
ことができる。
【0005】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態の一つ
を図面に基づいて説明する。図面において、1はコンバ
インであって、該コンバイン1は、茎稈を刈取る前処理
部2、刈取茎稈から穀粒を脱穀し、かつ穀粒を選別する
脱穀部3、選別済みの穀粒が貯溜される穀粒タンク4、
脱穀済みの排稈を排出処理する後処理部5、各種の操作
具が配設される操作部6、左右一対のクローラ走行体を
備える走行部7等で構成されるが、これらの基本構成は
何れも従来通りである。
【0006】前記前処理部2は、未刈茎稈を分草するデ
バイダ8、分草された茎稈を引き起す引起し装置9、茎
稈の株元位置を切断する刈刃10、刈取茎稈を後述する
第二前処理搬送装置(扱深さ搬送体)11まで挟持搬送
する第一前処理搬送装置12等で構成されるが、上記引
起し装置9、刈刃10、第一前処理搬送装置12および
第二前処理搬送装置11には、走行主変速機構13(静
油圧式無段変速ユニットHST)を経由したエンジン動
力が供給されるため、車速に連動した速度で茎稈の刈取
りおよび搬送が行われるようになっている。
【0007】前記第二前処理搬送装置11には、茎稈の
株元側を搬送する株元搬送チェン14と、茎稈の穂先側
を搬送する穂先搬送体15とが並設されているが、第二
前処理搬送装置11全体は、扱深さモータ(図示せず)
の駆動に基づき、搬送終端側を支点として上下方向に強
制回動せしめられるようになっている。即ち、第二前処
理搬送装置11は、第一前処理搬送装置12の搬送終端
部で茎稈を受け継ぐにあたり、その挟持位置を、上記強
制回動に基づいて上下させることが可能であるため、第
二前処理搬送装置11の終端部で茎稈を引き継ぐ脱穀フ
ィードチェン(脱穀搬送装置)16の茎稈挟持位置を変
化させて脱穀部3における扱深さを調節することができ
るようになっている。
【0008】一方、前記脱穀部3は、扱胴17を内装す
る扱室18と、各種の選別装置を内装する選別室19と
で構成されている。そして、扱室18は、脱穀フィード
チェン16が扱室18に沿って搬送する茎稈の穂先側を
受け入れると共に、受け入れた茎稈の穂先側を扱胴17
の回転力で脱穀処理するが、扱胴17および各種の選別
装置には、走行主変速機構13を経由しないエンジン動
力が供給されるため、エンジン回転数に応じた速度(通
常、エンジン回転数は定格回転に固定されるため、脱穀
処理速度は略一定)で脱穀および選別が行われるように
なっている。
【0009】前記脱穀フィードチェン16は、脱穀部3
の外側面部に前後方向を向いて配設され、前述した第二
前処理搬送装置11の終端部まで搬送された茎稈を左右
方向を向く姿勢で受け継ぐと共に、受け継いだ茎稈の株
元側を挟持レール20との間で挟持しつつ扱室18に沿
って後方に搬送するものであるが、脱穀フィードチェン
16の駆動スプロケット21を軸支する駆動ケース22
は、脱穀部3(選別室19)の前端部に左右方向を向い
て内装される圧風ファン(唐箕ファン)23の駆動軸2
4からベルト式無段変速装置25を介して脱穀部動力を
入力すると共に、該動力を減速して駆動スプロケット2
1に供給するようになっている。
【0010】前記ベルト式無段変速装置25は、固定割
プーリ26a、27aに対するスライド割プーリ26
b、27bの軸方向移動に基づいてピッチ径(ベルト懸
回径)が変化する一対の可変ピッチプーリ26、27を
備え、該一対の可変ピッチプーリ26、27間に伝動ベ
ルト28を懸回して構成されている。そして、一方の可
変ピッチプーリ27を、後述する変速作動装置29の駆
動力でピッチ径増加方向に強制的に変速作動させると、
ピッチ径増加方向に弾機30で付勢される他方の可変ピ
ッチプーリ26が弾機30の付勢力に勝るベルト張力を
受けてピッチ径減少方向に従動的に変速作動し、また、
一方の可変ピッチプーリ27を、ピッチ径減少方向に強
制的に変速作動させると、他方の可変ピッチプーリ26
がベルト張力に勝る弾機30の付勢力を受けてピッチ径
増加方向に従動的に変速作動することになる。つまり、
一対の可変ピッチプーリ26、27は、変速作動装置2
9の駆動に伴ってピッチ径が背反的に変化し、このピッ
チ径変化に基づいて脱穀フィードチェン16の搬送作動
速度を無段階に変速するようになっている。
【0011】さて、前記駆動ケース22の入力軸31お
よび圧風ファン23の駆動軸24に可変ピッチプーリ2
6、27をそれぞれ連結するにあたり、変速作動装置2
9の駆動力で強制的に変速作動する可変ピッチプーリ2
7を駆動ケース22の入力軸31に連結する一方、弾機
30の付勢力でピッチ径増加方向に変速作動する可変ピ
ッチプーリ26を圧風ファン23の駆動軸24に連結し
ている。つまり、脱穀フィードチェン16側の可変ピッ
チプーリ27を増速側に強制的に変速作動させた場合
に、エンジン側の可変ピッチプーリ26は、弾機30の
付勢力を受けながら増速側に変速作動するため、弾機3
0の付勢力に抗しながら増速側に変速作動する場合に比
して迅速に変速作動することになり、その結果、ベルト
式無段変速装置25の増速側への応答性が向上するよう
になっている。
【0012】32は前記可変ピッチプーリ27の内側方
に設けられる変速スリーブであって、該変速スリーブ3
2は、スライド割プーリ27b(変速作動部)に対し、
軸回り方向に回動自在で、かつ軸方向に一体移動すべく
軸受33を介して連結されている。一方、34は前記駆
動ケース22から外側方に突出する入力軸31の支持筒
であって、該支持筒34の外周部には、所定ピッチの螺
旋溝34aが形成されているが、該螺旋溝34aには、
変速スリーブ32の内周部に保持されるボール35が嵌
合しているため、変速スリーブ32が軸回り方向に正逆
回転すると、螺旋溝34aの案内で変速スリーブ32お
よびスライド割プーリ27bが軸方向に一体的に進退移
動し、このプーリ変位に基づいて可変ピッチプーリ27
が強制的に変速作動せしめられるようになっている。
【0013】36は前記変速スリーブ32の外周部にモ
ータブラケット37を介して設けられる減速機構付きの
電動モータ(アクチュエータ)であって、該電動モータ
36の出力軸36aに設けられる小径ギヤ38は、変速
スリーブ32の外周部に固設される大径ギヤ39に噛合
しているため、モータ駆動に伴って変速スリーブ32を
回動させ、延ては前述した様にスライド割プーリ27b
を強制的に変速作動させることになるが、変速スリーブ
32に軸回り方向回動自在に支持されるモータブラケッ
ト37には、ピン40が突設される一方、駆動ケース2
2に固設されるセンサブラケット41には、ピン40の
軸回り方向の回動を規制し、かつ軸方向(スリーブ移動
方向)の移動を許容する長孔形状のガイド孔41aが形
成されており、その結果、駆動中の電動モータ36が軸
回り方向に回動することなく、変速スリーブ32および
スライド割プーリ27bと一体的に軸方向に移動するよ
うになっている。即ち、電動モータ36、変速スリーブ
32等からなる変速作動装置29を可変ピッチプーリ2
7と一体的なアッセンブリに構成することができるた
め、変速作動装置29およびベルト式無段変速機構25
の配設スペースを可及的に小さくすることができる許り
でなく、組付作業も簡略化することができるようになっ
ている。
【0014】42は前記センサブラケット41に組付け
られるフィードチェン変速センサ(ポテンショメータ)
であって、該フィードチェン変速センサ42のセンサ軸
42aには、前記ピン40に弾圧的に接当するセンサア
ーム42bが一体的に設けられている。つまり、ピン4
0の位置検出に基づいてスライド割プーリ27b(変速
スリーブ32)の変速位置を検出するが、センサブラケ
ット41およびピン40は、前述の様に電動モータ36
の回動規制部材にも兼用されるため、部品点数の削減お
よび構造の簡略化を図ることができるようになってい
る。
【0015】ところで、前記ベルト式無段変速機構25
は、脱穀フィードチェン16の下方で、かつ脱穀フィー
ドチェン16よりも機体内側に配設されるが、さらに、
前記駆動ケース22および変速作動装置29は、ベルト
式無段変速機構25よりも機体内側に配設されているた
め、駆動ケース22もしくは変速作動装置29が機体外
側方に突出して脱穀部3の幅寸法を増大させる不都合を
回避することができるようになっている。
【0016】また、前記駆動ケース22および変速作動
装置29は、脱穀部3の前端部に設けられる圧風ファン
23の前側スペース(前処理部2と脱穀部3との間のス
ペース)を利用して配設されている。そのため、脱穀部
3の内部にスペースを確保する場合に比して脱穀部3の
大型化を回避することができる許りでなく、脱穀部3の
構造を大幅に変更することなく実施することができるよ
うになっている。
【0017】またさらに、前記駆動ケース22および変
速作動装置29は、側面視で脱穀フィードチェン16の
茎稈搬送経路よりも下側に配置されており、そのため、
脱穀フィードチェン16の搬送茎稈が駆動ケース22や
変速作動装置29に干渉して搬送乱れを生じる不都合を
回避することができるようになっている。
【0018】一方、43はマイクロコンピュータ(MP
U、ROM、RAM等を含む)を用いて構成されるフィ
ードチェン変速制御装置であって、該フィードチェン変
速制御装置43の入力側には、前述したフィードチェン
変速センサ42、主変速レバー(走行変速レバー)44
のレバー位置を検出する主変速レバー位置センサ45、
車速を検出する車速センサ46、エンジン回転を検出す
るエンジン回転センサ47、作業機クラッチ(図示せ
ず)の入切りを検出する作業機クラッチスイッチ48、
作業機回転(脱穀動力回転)を検出する作業機回転セン
サ49等が入力インタフェース回路を介して接続される
一方、出力側には、前述した電動モータ36が出力イン
タフェース回路を介して接続されている。即ち、前記フ
ィードチェン変速制御装置43は、車速および脱穀負荷
に応じて脱穀フィードチェン16の搬送速度を変速制御
する「フィードチェン変速制御」の制御プログラムを備
えており、以下、「フィードチェン変速制御」の制御手
順をフローチャートに基づいて説明する。但し、フロー
チャートにおいて、Vは車速、V1、V2は車速設定値
(V1<V2)、VH1、VH2はフィードチェン速度
設定値、FDCTGTはフィードチェン速度目標値、F
HSNSはフィードチェン速度現在値、SGRPMは作
業機回転数、PRESGRは前回の作業機回転数、αは
不感帯である。
【0019】前記「フィードチェン変速制御」において
は、まず、エンジンが回転中で、かつ作業機クラッチが
入り状態であるか否かを判断(処理A)する。つまり、
脱穀作業中であるか否かを判断し、該判断がNOである
場合には、電動モータ36の駆動を停止するが、本実施
形態のコンバイン1は作業機回転センサ49を備えるた
め、上記の処理Aを、作業機回転を判断する処理Bに置
き換えても同様の結果を得ることができる。また、処理
Aもしくは処理BをフローチャートのC位置で実行する
ようにしてもよく、この場合には、上記判断がNOであ
っても、電動モータ36の増速側への駆動を許容するこ
とが可能になる。
【0020】前記処理Aの判断結果がYESである場合
には、主変速レバー位置およびエンジン回転数に基づい
て車速Vを演算(処理D)した後、後述する「フィード
チェン速度目標値演算」(サブルーチン)を実行する
が、本実施形態のコンバイン1は車速センサ46を備え
るため、上記の処理Dを省略してもよい。
【0021】そして、フィードチェン速度目標値を演算
した後は、フィードチェン速度目標値FDCTGTに対
するフィードチェン速度現在値FHSNSの偏差(絶対
値)を不感帯αと比較し、偏差が不感帯αに含まれる場
合には、モータ駆動を停止する一方、偏差が不感帯αを
越える場合には、フィードチェン速度現在値FHSNS
をフィードチェン速度目標値FDCTGTに近付ける方
向に電動モータ36を駆動させるが、モータ駆動時に
は、リミット判断に基づいてモータ駆動を停止させる許
りでなく、駆動方向毎に設定されるタイマ(増速側タイ
マもしくは減速側モータ)を起動し、該タイマが終了す
るまで逆方向へのモータ駆動を規制するようになってい
る。
【0022】さて、前記「フィードチェン速度目標値演
算」では、まず、現在の車速Vが車速第一設定値V1
(低速走行判断基準値)よりも小さいか否かを判断し、
該判断がYESの場合には、フィードチェン速度第一設
定値VH1(設定下限速度)をフィードチェン速度目標
値FDCTGTにセットするようになっている。即ち、
脱穀フィードチェン速度を前処理搬送速度と同様に車速
に連動させるにあたり、車速変動が生じ易い低速走行領
域では、脱穀フィードチェン速度を一定速度に保つた
め、低速刈取り時の車速変動に基づいて搬送乱れが生じ
る不都合を防止することができ、しかも、フィードチェ
ン速度第一設定値VH1は、低速刈取り時の前処理搬送
速度よりも速い(茎稈の引継ぎが大きく乱れない範囲)
ため、濡れ材、倒伏材等を刈取る低速刈取り時において
脱穀茎稈の層厚を薄くし、脱穀負荷を軽減することがで
きるようになっている。
【0023】一方、現在の車速Vが車速第一設定値V1
以上である場合には、現在の車速Vが車速第二設定値V
2(中速走行判断基準値)よりも小さいか否かを判断
し、該判断がYESの場合には、車速Vに連動するフィ
ードチェン速度目標値FDCTGTを下記の演算式を用
いて演算するようになっている。 FDCTGT ← K1・V+K2 但し、K1=(VH2−VH1)/(V2−V1) K2=VH1−(VH2−VH1)/(V2−V1)・
V1 即ち、中速刈取り時には、脱穀フィードチェン速度を車
速に連動させるため、引継ぎ部で搬送乱れが生じる不都
合を防止できる許りでなく、脱穀茎稈の層厚を車速に拘
わらず略一定に保つことができ、しかも、上記の演算式
で演算されるフィードチェン速度は、前処理搬送速度よ
りも速い(茎稈の引継ぎが大きく乱れない範囲)ため、
多収穫材料等を刈取る中速刈取り時において脱穀茎稈の
層厚を薄くし、脱穀負荷を軽減することができるように
なっている。
【0024】また、現在の車速Vが車速第二設定値V2
以上である場合には、フィードチェン速度第二設定値V
H2(仮の設定上限速度)をフィードチェン速度目標値
FDCTGTにセットするようになっている。即ち、脱
穀フィードチェン速度を前処理搬送速度と同様に車速に
連動させるにあたり、脱穀フィードチェン速度を、中速
走行領域と高速走行領域との間で設定上限速度まで上昇
させ、高速走行領域では設定上限速度に維持するため、
多収穫材料を刈取る中速刈取り時の脱穀フィードチェン
速度を、茎稈の引継ぎが大きく乱れない範囲で可及的に
速くして脱穀負荷を軽減することができ、しかも、設定
上限速度(後述する負荷連動領域を含む)は、高速刈取
り時の前処理搬送速度と略同速に設定されるため、高速
刈取り時には、引継ぎ部の搬送乱れを防止しつつ高能率
作業を行うことができるようになっている。
【0025】また、フィードチェン速度目標値FDCT
GTにフィードチェン速度第二設定値VH2をセットし
た場合には、現在の作業機回転数SGRPMに基づいて
脱穀部3の負荷を判断するようになっている。つまり、
現在の作業機回転数SGRPMが作業機回転下限設定値
Sminよりも少ない場合には脱穀部3が高負荷状態で
あると判断する一方、現在の作業機回転数SGRPMが
作業機回転中間設定値Shよりも多い場合には脱穀部3
が低負荷状態であると判断し、また、現在の作業機回転
数SGRPMが作業機回転下限設定値Smin以上で、
かつ作業機回転中間設定値Sh以下である場合には脱穀
部3が適正負荷状態であると判断するようになってい
る。
【0026】そして、前回が適正負荷状態(前回の作業
機回転数PRESGRに基づいて判断)であり、かつ現
在が高負荷状態である場合には、増速用カウンタCをイ
ンクリメント(C←C+1)する一方、前回が適正負荷
状態で、かつ現在が低負荷状態である場合には、増速用
カウンタCをデクリメント(C←C−1)し、しかる
後、下記の演算式を用いて最終的なフィードチェン速度
目標値FDCTGTを演算するようになっている。 FDCTGT ← C・(VHmax−VH2)/n+F
DCTGT 即ち、脱穀フィードチェン速度を車速に連動させるもの
でありながら、脱穀負荷が増大しやすい高速刈取り時に
は、脱穀フィードチェン速度を脱穀負荷に応じて段階的
(n段階)に増減速(茎稈の引継ぎが大きく乱れない範
囲)するため、脱穀負荷を適正状態に維持することがで
きるようになっている。
【0027】また、脱穀フィードチェン速度を脱穀負荷
に応じて増速する場合には、Lフラグ(低回転フラグ)
をセットした後、Hフラグ(高回転フラグ)のセット状
態を判断し、該判断がセットの場合にのみ増速用カウン
タCをインクリメントする一方、脱穀フィードチェン速
度を脱穀負荷に応じて減速する場合には、Hフラグをセ
ットした後、Lフラグのセット状態を判断し、該判断が
セットの場合にのみ増速用カウンタCをデクリメントす
るようになっている。つまり、脱穀フィードチェン速度
の急激な増減速を規制しているため、フィードチェン変
速制御の安定性を向上させることができるようになって
いる。また、脱穀フィードチェン速度の急激な増減速を
規制する方法としては、「フィードチェン速度目標値演
算(2)」に示す如く、負荷状態に応じてHタイマ(T
2)もしくはLタイマ(T1)の計時をスタートし、該
タイマ時間が経過するまで増速用カウンタCのデクリメ
ントもしくはインクリメントを遅延するようにしてもよ
い。
【0028】叙述の如く構成されたものにおいて、脱穀
フィードチェン16の動力供給経路に、脱穀フィードチ
ェン16の搬送速度を変速するベルト式無段変速装置2
5を介設すると共に、該ベルト式無段変速装置25を変
速作動装置29の駆動に基づいて変速作動させるにあた
り、前記変速作動装置29を、ベルト式無段変速装置2
5の機体内側に配置したため、変速作動装置29が機体
外側に突出して脱穀部3の幅寸法を増大させる不都合が
なく、その結果、ベルト式無段変速装置25の近傍に変
速作動装置29を配設するにあたり、機体の大型化を回
避することができる。
【0029】また、変速作動装置29は、脱穀部3の前
端部に設けられる圧風ファン23の前側スペースに配置
されているため、圧風ファン23の前側スペースを有効
利用できる許りでなく、脱穀部3の内部に変速作動装置
29の配置スペースを確保する必要がなく、その結果、
脱穀部3の内部構造を変更することなく実施できる利点
がある。
【0030】また、変速作動装置29は、脱穀フィード
チェン16よりも下側に配置されているため、脱穀フィ
ードチェン16の搬送茎稈が変速作動装置29に干渉し
て搬送乱れを生じる不都合を回避することができる。
【0031】また、ベルト式無段変速装置25の脱穀フ
ィードチェン16側の可変ピッチプーリ27を、電動モ
ータ36の駆動力で強制的に変速作動させる一方、エン
ジン側の可変ピッチプーリ26を、ピッチ径増加方向に
作用する弾機30の付勢力で変速作動させるため、脱穀
フィードチェン16側の可変ピッチプーリ27を増速側
に強制的に変速作動させた場合に、エンジン側の可変ピ
ッチプーリ26が弾機30の付勢力を受けながら増速側
に変速作動することになる。つまり、弾機30の付勢力
に抗しながら増速側に変速作動する場合に比して迅速に
変速作動することになり、その結果、ベルト式無段変速
装置25の増速側への応答性を向上させて脱穀負荷を軽
減することができる。
【0032】また、可変ピッチプーリ27のスライド割
プーリ27bを強制的に移動させる電動モータ36は、
該電動モータ36の駆動に伴ってスライド割プーリ27
bと一体的に移動するため、電動モータ36(変速作動
機構29)を可変ピッチプーリ27と一体的なアッセン
ブリに構成することができ、その結果、電動モータ36
を含むベルト式無段変速装置25の配設スペースを可及
的に小さくすることができる。
【0033】また、脱穀フィードチェン速度を車速に連
動させるにあたり、低速刈取り時および中速刈取り時の
脱穀フィードチェン速度を前処理搬送速度よりも速く設
定したため、脱穀フィードチェン速度を車速に連動させ
て引継ぎ部の搬送乱れを防止するものでありながら、多
収穫材料を刈取る中速刈取り時や、濡れ材、倒伏材等を
刈取る低速刈取り時には、茎稈の引継ぎが大きく乱れな
い範囲で脱穀フィードチェン速度を速くすることがで
き、その結果、多収穫材料、濡れ材、倒伏材等の層厚を
薄くして脱穀負荷を軽減することができる。
【0034】しかも、脱穀フィードチェン速度は、中速
走行領域と高速走行領域との間で設定上限速度まで上昇
し、高速走行領域では設定上限速度を維持するため、多
収穫材料を刈取る中速刈取り時の脱穀フィードチェン速
度を、茎稈の引継ぎが大きく乱れない範囲でさらに速く
することができ、その結果、多収穫材料の層厚をさらに
薄くして脱穀負荷の軽減を図ることができる。
【0035】また、車速変動が生じ易い低速刈取り時に
は、脱穀フィードチェン速度を設定下限速度に維持する
ため、車速変動に伴う搬送乱れを防止することができ
る。
【0036】一方、通常材料を刈取る高速刈取り時に
は、脱穀フィードチェン速度を前処理搬送速度と略同速
にしているため、引継ぎ部の搬送乱れを防止しつつ高能
率作業を行うことができる。
【0037】さらに、高速刈取り時には、脱穀フィード
チェン速度を脱穀負荷に連動(茎稈の引継ぎが大きく乱
れない範囲)させるため、脱穀フィードチェン速度を車
速に連動させるものでありながら、脱穀部3の過負荷も
防止することができる。
【0038】尚、本発明は、前記実施形態に限定されな
いものであることは勿論であって、例えば脱穀フィード
チェン16の変速パターンは、前記実施形態の変速パタ
ーンAに限定されないことは言うまでもなく、図面に示
す変速パターンB〜Dを採用してもよい。そして、変速
パターンBでは、脱穀フィードチェン速度を、車速変動
領域の略全域で車速および脱穀負荷に連動させるため、
車速変動領域の略全域で引継ぎ部の搬送乱れおよび脱穀
部3の過負荷を防止することができる。
【0039】また、変速パターンCは、低速走行領域お
よび中速走行領域の脱穀フィードチェン速度を、車速お
よび脱穀負荷に連動させる一方、高速走行時の脱穀フィ
ードチェン速度を脱穀負荷のみに連動させるものであ
る。
【0040】また、変速パターンDは、中速走行領域の
脱穀フィードチェン速度を車速および脱穀負荷に連動さ
せる一方、高速走行時の脱穀フィードチェン速度を脱穀
負荷のみに連動させるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】コンバインの斜視図である。
【図2】前処理部の概略側面図である。
【図3】脱穀部の側面図である。
【図4】同上断面図である。
【図5】脱穀部の動力伝動図である。
【図6】圧風ファンの正面図である。
【図7】ベルト式無段変速装置の正面図である。
【図8】エンジン側可変ピッチプーリの断面図である。
【図9】フィードチェン側可変ピッチプーリおよび駆動
ケースの断面図である。
【図10】センサブラケットの平面図である。
【図11】主変速レバーの側面図である。
【図12】同上後面図である。
【図13】フィードチェン変速制御装置の入出力を示す
ブロック図である。
【図14】フィードチェン変速制御のフローチャートで
ある。
【図15】フィードチェン速度目標値演算のフローチャ
ートである。
【図16】フィードチェン速度目標値演算(2)のフロ
ーチャートである。
【図17】作業機回転設定領域の説明図である。
【図18】変速パターンAを示すグラフである。
【図19】変速パターンBを示すグラフである。
【図20】変速パターンCを示すグラフである。
【図21】変速パターンDを示すグラフである。
【図22】従来の脱穀フィードチェン速度を示すグラフ
である。
【符号の説明】
1 コンバイン 2 前処理部 3 脱穀部 11 第二前処理搬送装置 16 脱穀フィードチェン 23 圧風ファン 25 ベルト式無段変速装置 26 可変ピッチプーリ(動力源側) 27 可変ピッチプーリ(フィードチェン側) 29 変速作動装置 30 弾機 36 電動モータ 43 フィードチェン変速制御部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 弘章 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内 (72)発明者 岩倉 誠 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 1 三菱農機株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 扱室を備える脱穀部に、前処理部から引
    き継いだ茎稈を扱室に沿って搬送する脱穀搬送装置を設
    けたコンバインにおいて、前記脱穀搬送装置の動力供給
    経路に、一対の可変ピッチプーリ間でベルト伝動を行う
    ベルト式無段変速装置を介設するにあたり、脱穀搬送装
    置側の可変ピッチプーリを、アクチュエータの駆動力で
    強制的に変速作動させる一方、動力源側の可変ピッチプ
    ーリを、ピッチ径増加方向に作用する弾機の付勢力で変
    速作動させることを特徴とするコンバイン。
  2. 【請求項2】 請求項1において、可変ピッチプーリの
    変速作動部を強制的に移動させるアクチュエータは、該
    アクチュエータの駆動に伴って変速作動部と一体的に移
    動することを特徴とするコンバイン。
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