JPH11252831A - 電機子及び電機子の製造方法 - Google Patents

電機子及び電機子の製造方法

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JPH11252831A
JPH11252831A JP4583998A JP4583998A JPH11252831A JP H11252831 A JPH11252831 A JP H11252831A JP 4583998 A JP4583998 A JP 4583998A JP 4583998 A JP4583998 A JP 4583998A JP H11252831 A JPH11252831 A JP H11252831A
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core
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Keiichi Kamimura
敬一 上村
Toshio Yamamoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コアに形成されたスロット内の領域におい
て、電機子巻線の占積率を向上させることである。 【解決手段】 コア1はティース部2及び筒部3から構
成されている。ティース部2には複数のティース5が放
射状に形成されるため、各ティース5間にはその外形部
を開放した各スロット6が形成されている。電機子巻線
Cがこのスロット6内を占有するようにティース部2の
最も中心部に近い位置から順に先端に向かって巻装され
る。巻線Cの巻装完了後、ティース部2が筒部3にはめ
込まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ等の電機子
に係り、詳しくはコア形状に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、図13に示すようにモータの電
機子10の中心部には同一形状に形成された複数の薄鋼
板を形状を合わせてそれぞれ結合させたコア11が設け
られている。図14に示すように、コア11を構成する
これらのコア・シート12はT字状の複数のティース片
13が放射状に形成されていると共に、中心部にはモー
タ回転軸14を軸通するために1個の孔15が設けられ
ている。通常、コア・シート12は一体成形される。コ
ア11はコア・シート12の各ティース片13間に存在
する空間によって形成される複数のスロット16をモー
タ回転軸方向に対して平行に備えている。コア11の外
周面にはスリット幅dを有するスリット17がモータ回
転軸方向に対して平行に形成されている。
【0003】図15に示すように、各スロット16内に
は電機子巻線18が各スロット16を通して巻装され
る。各スロット16内には電機子巻線18がコア11の
中心に近い場所から順にほぼ幅dでコア11の周辺付近
まで巻装される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、スリット幅d
は狭いため、図15に示すようにコア11の各スロット
16内にはスリット幅dで示す領域外に、まだ電機子巻
線18によって使用されてない領域が存在してしまい、
各スロット16内の領域は電機子巻線18のために有効
に使用されていない。
【0005】そこで、スリット幅dを広げて、スロット
16内に電機子巻線18をより多く巻くことが考えられ
るが、コギング・トルク及び電機子巻線18のスロット
16外への飛び出しが発生し易くなる。従って、スリッ
ト幅dをあまり広くすることができない。
【0006】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであって、その目的は、各スロット内の領域に
おいて、電機子巻線の占有体積、即ち占積率を向上させ
ること、スリット幅を狭くしてコギング・トルクを抑制
すること及び電機子巻線のスロット外への飛び出しを阻
止することのできるモータの電機子及び電機子の製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、コアに形成されたスロット内に電機子巻線が巻装さ
れる電機子において、前記コアは複数のティース片を等
角度間隔に放射状に延出したコア・シートを複数枚重合
して、スロットを形成したティース部と、前記ティース
部を内嵌する筒部とから構成されたことを要旨とする。
【0008】請求項2に記載の発明は、前記筒部の外周
面には他より磁気抵抗が大きい領域を形成したことを要
旨とする。請求項3に記載の発明は、前記磁気抵抗が大
きい領域はスリットであって、そのスリットを前記ティ
ース部のスロットの中間位置に配置するように、前記筒
部に前記ティース部をはめ込むことを要旨とする。
【0009】請求項4に記載の発明は、前記筒部の内周
面に前記ティース部のティースの先端部と係合する欠切
部を形成したことを要旨とする。請求項5に記載の発明
は、複数のティース片を等角度間隔に放射状に延出した
コア・シートを複数枚重合して、スロットを形成したテ
ィース部を回転軸に固着し、その外形部を開放したスロ
ットに巻線を巻装し、その巻線の巻装後に、その外周面
にスリットを形成した筒部に前記ティース部をはめ込む
ようにしたたことを要旨とする。
【0010】請求項1に記載の発明によれば、巻線を巻
装する場合、ティース部がコアを構成する筒部にはめ込
まれていない状態であることと、各スロットの外形部は
開放された空間であることから、広い範囲でスロット内
に巻線を装入するすることができる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、筒部の外
周面において、磁気抵抗が大きい領域はコア及びステー
タ間の磁気抵抗が大きい。磁力線はこの領域において規
制されて、筒部のこの領域以外の部分とステータ間に流
れるようになる。即ち、磁力線は電機子を回転させるた
めに、コア及びステータの間を有効に流れるようにな
る。
【0012】請求項3に記載の発明によれば、各スリッ
トを各スロットの中間位置に配置することは、コアとス
テータ間の磁気分布を緩和する。請求項4に記載の発明
によれば、筒部の内周面に欠切部が形成されているの
で、筒部の体積を削減することができる。
【0013】請求項5に記載の発明によれば、巻線の巻
装完了後にティース部をその外周面に磁気抵抗の大きい
領域(スリット)を備える筒部にはめ込むため、筒部の
外周面には任意に狭い幅を有する磁気抵抗の大きい領域
(スリット)を形成することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を具体化した第1の
実施形態を図1〜図6に従って説明する。図6は、直流
モータの電機子Aの正面図の概略を示す。電機子Aの回
転軸Sにはコア1が固着されている。コア1には巻線C
が巻装され、その巻端は整流子片SGに接続されてい
る。
【0015】図1は、コア1の構造を示す。コア1はテ
ィース部2とそのティース部(2)を内嵌する筒部3か
ら構成されている。図1に示すように、ティース部2は
同一形状のコア・シート4を重合させた積層鋼板から構
成されている。ティース部2に12個のティース5が等
角度間隔に放射状に並び、そのティース5間に中心から
遠ざかるほど拡開する12個のスロット6が形成されて
いる。また、ティース部2の中心部には回転軸Sを軸通
するための1つの貫通孔7が形成されている。
【0016】図2は、前記コア・シート4の正面図を示
す。コア・シート4の中央部には前記ティース部2の貫
通孔7を構成する孔4aが形成されている。また、コア
・シート4には前記ティース部2のティース5を構成す
るティース片4bがコア・シート4の中央部から放射状
に延出形成されている。各ティース片4bは等角度間隔
に延出形成されている。従って、2つのティース片4b
によって形成される12個の空間は、コア・シート4の
中央部から遠ざかるほど拡開し、前記スロット6を構成
する。各ティース片4bの先端外周面4cはそれぞれコ
ア・シート4の中心点を中心とする半径Rの円弧面とな
っている。このように構成されたコア・シート4を複数
枚重ね合わせると、図1に示すティース部2が形成され
る。
【0017】前記筒部3は図4及び図5に示すような円
筒体であって、その内径は前記コア・シート4の半径R
の2倍(=2R)である。従って、コア・シート4を複
数枚重ね合わせてなるティース部2は、筒部3にはめ込
むことができる。筒部3の外周面にはスリット幅dを有
する3個のスリット9が中心軸線と平行に形成されてい
る。そして、その軸線方向に形成された3個のスリット
9を1つのスリット列として、12個のスリット列が等
角度の間隔で形成されている。そして、筒部3にティー
ス部2をはめ込むとき、ティース部2は前記12個のス
リット列がそれぞれティース部2のスロット6の中間位
置に配置するようにはめ込まれる。各スリット列を構成
するスリット9は長方形であって、その長辺を短辺に比
べて非常に長くし、一つの列における隣り合うスリット
9同士の間隔を狭くしている。そして、このスリット列
によりティース5の先端部間の磁気抵抗を非常に大きく
している。
【0018】次に、上記のように構成されたコア1に巻
線Cを巻装する方法について説明する。今、コア・シー
ト4を複数枚重ね合わせてなるティース部2が回転軸S
に整流子片SGとともに固着されている状態において、
ティース部2のスロット6間に巻線Cを巻装する。この
とき、ティース部2がコア1を構成する筒部3にはめ込
まれていない状態であることと、各スロット6がコア・
シート4の中央部から遠ざかるほど拡開た空間であるこ
とから、広い範囲でスロット6内に巻線Cを装入するす
ることができる。その結果、図2に示すように、スロッ
ト6内に無駄なく緻密に巻線Cを巻装することができ
る。即ち、巻装し易く、しかも巻線占積率を向上させる
ことができる。
【0019】巻線Cの巻装が完了すると、筒部3に該巻
線Cが巻装されたティース部2をはめ込む。このとき、
図3に示すように筒部3に形成された各スリット列がそ
れぞれスロット6の中間位置に配置されるように、ティ
ース部2が筒部3にはめ込まれる。そして、コア1のテ
ィース5の先端部間はその中間位置に1つのスリット列
(3個のスリット)が形成された筒部3を介してつなが
る。しかも、ティース5の先端部間の磁気抵抗はこのス
リット列により非常に大きくなっている。
【0020】次に、上記のように構成された本実施形態
の特徴について説明する。本実施形態の電機子によれ
ば、以下のような特徴を得ることができる。 (1)隣接する2つのティース片4b間に形成される各
スロット6は、コア・シート4の中心から遠ざかるほど
拡開するように形成れている場合には、コア・シート4
の先端において、隣接する2つのティース5間の間隔は
最大となる。巻線Cは各スロット6内にこの間隔を有す
る領域内を通して案内される。巻線Cはスロット6内の
最もコア・シート4の中心に近い領域から順に先端に向
かって巻装されるので、コア・シート4の先端において
隣接する2つのティース5間の間隔が最大であること
は、各スロット6内の全ての領域に巻線Cを巻装するこ
とを可能にする。従って、巻線Cのスロット6内におけ
る体積占有率、即ち巻線占積率を向上させることができ
る。
【0021】(2)筒部3の外周面において、各スリッ
ト9が形成された領域はコア1及びステータ間の磁気抵
抗が大きい。磁力線はこの領域において規制されて、筒
部3のこの領域以外の部分とステータ間に流れるように
なる。即ち、磁力線は電機子Aを回転させるために、コ
ア1及びステータの間を有効に流れるようになる。従っ
て、コア1及びステータ間の磁気効率が向上する。
【0022】(3)巻線Cの巻装完了後に、ティース部
2が筒部3にはめ込まれるので、該筒部3の外周面に形
成される各スリット9のスリット形状は巻線作業に影響
を及ぼさない。これにより、スリット幅dを任意に狭く
設定することができる。従って、これはコギング・トル
クを抑制し、モータ磁気音を低減するこを可能にする。
【0023】(4)巻線Cが電機子Aの回転中に遠心力
によってスロット6外に飛び出し易くなる。このとき、
スリット幅dを狭くすることによって、巻線Cは筒部3
の内周面に当接する可能性が高くなる。従って、巻線C
がスロット6外に飛び出すことを防止することができ
る。
【0024】なお、実施形態は上記に限定されることな
く以下のように変更してもよい。 ・ スリット9付きの筒部3を設けたが、スリット9を
有しない筒部3を用いてもよい。
【0025】この場合、筒部3は薄板を用いて構成され
る。従って、ティース5の先端部間の磁気抵抗は非常に
大きくなる。このようにした場合にも、前記第1の各実
施形態に記載の特徴(1)(2),(3)に加えて以下
の特徴を得ることができる。
【0026】筒部3にはスリット9が形成されていない
ため、巻線Cがスロット6外に飛び出すことは生じな
い。 ・ 図4及び図5に示す筒部3に代えて、図7及び図8
に示す筒部20を用いてもよい。図7及び図8に示す筒
部20は、図4及び図5に示した筒部3と比べて、その
内周面に12個の欠切部21を備える点においてのみ異
なる。
【0027】図7に示すように、筒部20は筒部3と同
様に円筒体であって、その内径はコア・シート4の半径
Rの2倍(=2R)より小さく、且つその外径はコア・
シート4の半径Rの2倍より大きい。そして、筒部20
の内周面にはコア・シート4を複数枚重ね合わせてなる
ティース部2をはめ込むために、12個の欠切部21が
形成されている。該欠切部21は筒部20の周方向にテ
ィース5の先端部の周方向の幅を有して等角度間隔に、
且つ筒部20の中心点から径方向にコア・シート4の半
径Rだけ削成されている。また、それぞれの欠切部21
は筒部20の外周面に形成された2個のスリット列間の
中央付近に配置されている。図8に示すように、欠切部
21は筒部20の内周面にティース部2の軸方向の長さ
を有して一端から中心軸線に対して平行に形成されてい
る。このため、筒部20の内周面に形成された各欠切部
21にティース部2の各ティース5の先端部を係合させ
ることが可能となる。従って、筒部20にティース部2
をはめ込むことが可能になる。
【0028】このようにした場合には、前記実施形態に
記載の特徴に加えて、以下のような特徴を得ることがで
きる。筒部20の内周面に欠切部21が形成されている
ので、筒部20の体積は筒部3よりも少ない。筒部に発
生する渦電流は筒部の体積と相関関係を有する。従っ
て、筒部3と比べて、筒部20に発生する渦電流を減少
させることができる。
【0029】・ 図4及び図5に示す筒部3に代えて、
図9に示す筒部22を用いてもよい。図9に示す筒部2
2は、図7及び図8に示した筒部20と比べて、その外
周面に12個のスリット23を備える点においてのみ異
なる。
【0030】図9に示すように、筒部22の外周面に同
一形状の長方形をした12個のスリット23が中心軸線
に対して平行に、且つ等角度間隔に形成されている。ま
た、それぞれ1つのスリット23が筒部22の内周面に
形成された2つの欠切部21間の中央付近に形成されて
いる。スリット23の長辺は筒部22の中心軸方向の長
さに近くなるように形成されており、短辺はそれに対し
て非常に短くなっている。
【0031】このようにした場合には、前記各実施形態
に記載の特徴に加えて、以下のような特徴を得ることが
できる。筒部22の各スリット23の全体積を筒部20
の各スリット9の全体積より大きくすることができるの
で、筒部22の体積を筒部20の体積より削減すること
が可能である。従って、筒部20と比べて、筒部22に
発生する渦電流を減少させることができる。
【0032】・ 図4及び図5に示す筒部3に代えて、
図10に示す筒部24を用いてもよい。図10に示すよ
うに、筒部24の外周面に同一形状の四辺形をした12
個のスリット25が筒部24の中心軸線に対してそれぞ
れ同一の傾斜を有し、且つ等角度間隔に形成されてい
る。また、それぞれのスリット25を構成する四辺形の
中心が、筒部24の内周面に形成された2つの欠切部2
1間の中央付近に位置し、且つ筒部24の軸線方向にお
いても中央付近に位置している。各スリット25の長辺
は筒部24の一端付近から他端付近まで非常に長く形成
されおり、短辺はそれに対して短い。
【0033】このようにした場合には、前記各実施形態
に記載の特徴に加えて、以下のような特徴を得ることが
できる。筒部24の各スリット25の全体積は筒部22
の各スリット23の全体積より大きくすることができ
る。このため、筒部24の体積を筒部22の体積より削
減することが可能になる。従って、筒部22と比べて、
筒部24に発生する渦電流を減少させることができる。
また、各スリット25を筒部24の中心軸線に対してそ
れぞれ同一に傾斜させることによって、コア1及びステ
ータ間の磁気分布を緩和させることができる。従って、
コギング・トルクを抑制することが可能である。
【0034】・ 図4及び図5に示す筒部3に代えて、
図11に示す筒部26を用いてもよい。筒部26の外周
面にはその中心軸線に対して同一の傾斜を有して5個の
スリット27がそれぞれ等間隔に形成されている。そし
て、筒部26の軸線方向に形成された5個のスリット2
7を1つのスリット列として12個のスリット列が等角
度間隔で形成されている。各スリット列は筒部26の内
周面に形成された隣接する2つの欠切部21間内に形成
されている。更に、それぞれのスリット27を構成する
四辺形の中心が2つの欠切部21間の中央付近に位置し
ている。各スリット27は筒部26の中心軸線に対して
傾斜しているため、スリット27を構成する四辺形の長
辺はその短辺に対して長く形成することができる。
【0035】このようにした場合には、前記各実施形態
に記載の特徴に加えて、以下のような特徴を得ることが
できる。筒部26の各スリット27の全体積は、筒部2
4の各スリット25の全体積より大きくすることができ
る。即ち、筒部26の体積は筒部24の体積より削減す
ることができる。従って、筒部24に比べて、筒部26
に発生する渦電流を減少させることができる。
【0036】・ 図2に示すティース部2に代えて、図
12に示すティース部28を用いてもよい。ティース部
28の中心部から遠ざかるほど拡開する12個のティー
ス29が、ティース部28の中心部から放射状に延出形
成されている。このため、各ティース29間に形成され
る空間、即ち各スロット30はティース部28の中心部
から先端部まで周方向にほぼ同一の幅を有している。
【0037】ティース部28の先端において、隣接する
2つのティース29間に形成される各スロット30は、
ティース部28の中心部付近のスロット幅にほぼ同一の
スリット幅dを有する。巻線Cはティース部28の先端
のこのスロット幅dを有する領域を通してスロット30
内に案内されるため、各スロット30内の全ての領域に
巻装することができる。従って、巻線Cのスロット30
内における体積占有率、即ち巻線占積率を向上させるこ
とができる。
【0038】・ 筒部3,20,22,24,26は小
さい磁気抵抗及び大きい電気抵抗を備える材料、例えば
ステンレス・スチールを使用して成形可能である。ま
た、鉄粉末を成形して筒部3,20,22,24,26
を製造することも可能である。更に、鉄の線材を筒状に
巻き付け、樹脂を用いて線材を接着した後、スリットを
設けることによって筒部3を製作することもできる。
【0039】このようにした場合には、前記各実施形態
に記載の特徴に加えて、以下のような特徴を得ることが
できる。筒部3,20,22,24,26の磁気抵抗を
小さくし、電気抵抗を大きくできるので、筒部3,2
0,22,24,26に発生する渦電流を更に減少させ
ることができる。
【0040】・ 磁気抵抗の大きい領域としてのスリッ
トを設けるのではなく、筒部のスリット9,23,2
5,27に対応する位置において、筒部材を部分的に変
質させて磁気抵抗を大きくする。
【0041】このようにした場合にも、筒部に磁気抵抗
を大きくした部分を形成することができるため、コアと
ステータ間の磁気効率を向上させることができる。 ・ 図9〜図11において、筒部20,22,24,2
6の内周面に欠切部21を設けることなくその内径をテ
ィース部2の半径Rの2倍に等しくする場合、前記筒部
20,22,24,26の内周面は第1の実施の形態に
おける筒部3の内周面と同一になる。
【0042】・ 各スリット9の内側面は電機子巻線C
と接触する可能性があるので、電気的な絶縁を確保する
ために、絶縁材を用いてコーティングされている。 ・ 筒部3,20,22,24,26は円筒体であるた
め、鋼板を打ち抜き、その後丸め加工することによって
形成することができる。
【0043】このようにした場合には、以下のような特
徴を得ることができる。筒部20,22,24,26の
内周面に欠切部21を形成する必要がないので、その内
周面を容易に形成することができる。
【0044】次に、前記各実施形態及び別例から把握で
きる請求項に記載した発明以外の技術的思想について、
それらの効果と共に以下に記載する。 (1)請求項2に記載の電機子において、前記他より磁
気抵抗が大きい領域(9)を前記筒部(3;20)の中
心軸線に対して同一に傾斜させて形成した電機子。この
ように構成すれば、各スリット9を筒部3,20の中心
軸線に対してそれぞれ同一に傾斜させることによって、
コア1及びステータ間の磁気分布を緩和させることがで
きる。従って、コギング・トルクを抑制することが可能
である。
【0045】(2)請求項3に記載の電機子において、
前記複数のスリット(9)の内側面を絶縁材を用いてコ
ーティングした電機子。このような構成にすれば、各ス
ロット6内において、各スリット9の内側面付近まで巻
線Cを備える場合、巻線Cの被覆が破損したとき、巻線
Cとスリット9の内側面の間に電気的短絡が発生し得る
という問題点がある。従って、各スリット9の内側面を
絶縁材を用いてコーティングすることによって、この問
題点を解消することがでる。
【0046】(3)請求項1乃至4のいずれか1項に記
載の電機子において、鋼板を打ち抜き、丸め加工によっ
て製作された筒部(3;20)を備えた電機子。このよ
うな構成にすれば、筒部3,20は円筒体であるので、
鋼板を打ち抜き、その後丸め加工することによって、製
作可能である。これは筒部3,20を容易に製作するこ
と及びスリット9を容易に形成することを可能にする。
即ち、筒部3,20の製作において自由度が大きくな
る。
【0047】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、電機子
巻線Cのスロット6内における体積占有率、即ち巻線占
積率を向上させることができる。請求項2に記載の発明
によれば、コア1とステータ間の磁気効率を向上させる
ことができる。
【0048】請求項3に記載の発明によれば、コギング
・トルクを抑制することができる。請求項4に記載の発
明によれば、筒部3に発生する渦電流を減少させること
ができる。
【0049】請求項5に記載の発明によれば、コギング
・トルクを抑制させることができる。更に、電機子巻線
Cがスロット6の外に飛び出すことも防止する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の筒部の斜視図及び実施形態のティー
ス部の斜視図。
【図2】実施形態のコア・シートの正面図。
【図3】実施形態のコアの正面図。
【図4】実施形態の筒部の正面図。
【図5】実施形態の筒部の側面図。
【図6】実施形態における電機子の正面図。
【図7】別例のコアの正面図。
【図8】別例の筒部の側面図。
【図9】別例の筒部の側面図。
【図10】別例の筒部の側面図。
【図11】別例の筒部の側面図。
【図12】別例のティース部の正面図。
【図13】従来の電機子の正面図。
【図14】従来のコアの斜視図。
【図15】従来のコア・シートの正面図。
【符号の説明】
1…コア、2…ティース部、3,20…筒部、4b…テ
ィース片、6…スロット、9…磁気抵抗の大きい領域と
してのスリット、21…欠切部、C…電機子巻線、S…
回転軸。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コア(1)に形成されたスロット(6)
    内に電機子巻線(C)が巻装される電機子において、 前記コア(1)は、 複数のティース片(4b)を等角度間隔に放射状に延出
    したコア・シート(4)を複数枚重合して、スロット
    (6)を形成したティース部(2)と、 前記ティース部(2)を内嵌する筒部(3;20)とか
    ら構成されたことを特徴とする電機子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電機子において、 前記筒部(3;20)の外周面には他より磁気抵抗が大
    きい領域(9)を形成したことを特徴とする電機子。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の電機子において、 前記磁気抵抗が大きい領域(9)はスリットであって、
    そのスリット(9)を前記ティース部(2)のスロット
    (6)の中間位置に配置するように、前記筒部(3;2
    0)に前記ティース部(2)をはめ込むことを特徴とす
    る電機子。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項に記載の
    電機子において、 前記筒部(3;20)の内周面に前記ティース部(2)
    のティース(5)の先端部と係合する欠切部(21)を
    形成したことを特徴とする電機子。
  5. 【請求項5】 複数のティース片(4b)を等角度間隔
    に放射状に延出したコア・シート(4)を複数枚重合し
    て、スロット(6)を形成したティース部(2)を回転
    軸(S)に固着し、そのスロット(6)に巻線(C)を
    巻装し、その巻線(C)の巻装後に、その外周面にスリ
    ット(9)を形成した筒部(3;20)に前記ティース
    部(2)をはめ込むようにしたことを特徴とする電機子
    の製造方法。
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