JPH11251860A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

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JPH11251860A
JPH11251860A JP4601798A JP4601798A JPH11251860A JP H11251860 A JPH11251860 A JP H11251860A JP 4601798 A JP4601798 A JP 4601798A JP 4601798 A JP4601798 A JP 4601798A JP H11251860 A JPH11251860 A JP H11251860A
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electrode
acoustic wave
surface acoustic
film
saw
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Miki Ito
幹 伊藤
Kazuhiro Otsuka
一弘 大塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 SAW装置の電極指どうしの間隔について、
フォトマスクの最小描画モードの限界を超えて高精度に
実効的な寸法で形成可能とし、その結果不要なスプリア
ス共振の発生を防ぎ、また、ステッパー装置等の高価な
装置を必要とせずに製造可能とする弾性表面波装置を提
供すること。 【解決手段】 圧電基板4上に弾性表面波を発生させる
励振電極1を設けるとともに、該励振電極1上に弾性表
面波の伝搬方向へ装荷面積及び/又は厚みが漸次増大も
しくは減少するように絶縁膜又は半導電性膜を設けた弾
性表面波装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車電話
及び携帯電話等の移動体無線通信機器等に内蔵される周
波数帯域フィルタやデュプレクサ等に好適な弾性表面波
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、移動体通信用の周波数帯域フィル
タは広帯域化が要求されるようになってきており、中心
周波数に対する通過帯域幅の比率は、中心周波数を90
0MHzとした場合、例えば25MHz(約2.7 %)か
ら35MHz(約3.9 %)に増加している。また、温度
によるフィルタ特性のシフト分と、製造時の特性ばらつ
き分とを考慮し、通常は通過帯域幅は上記要求より大き
め(例えば約40MHz)に設定する必要がある。
【0003】従来の単純化した弾性表面波(Surface Aco
ustic Wave、以下、SAWともいう) フィルタの例を図
10に示す。同図は移動体通信用のラダー型( 梯子型)
のSAWフィルタであって、2.5 段π型と称されるSA
Wフィルタの回路図を模式的に示したものである。
【0004】図10において、11,12は直列SAW
共振子、13〜15は並列SAW共振子、16は所定数
の電極指から成る1対の櫛歯状の励振電極であるIDT
(Inter Digital Transducer)電極、17はIDT電極1
6のSAW伝搬路の両端に設けられ、SAWを効率良く
共振させるための梯子型の反射器である。そして、直列
SAW共振子11,12と並列SAW共振子13,1
4,15を、並列・直列交互に多段接続してSAWフィ
ルタSを構成している。また、図7は上記SAW共振子
の基本構成を示す平面図である。このようなSAWフィ
ルタは、例えばLiTaO3 (タンタル酸リチウム)単
結晶等の圧電基板の主面上にアルミニウム等から成る励
振電極が配設されている。なお、図10において電極指
の数等については、簡単のため単純化しており正確に表
現したものではなく、以下に説明する各図においても、
一般に電極指の本数は数10〜数100 本に及ぶため図示を
簡略化している。
【0005】図11は図7に示すようなSAW共振子G
をインピーダンスアナライザ等に接続し、入力インピー
ダンス(Zin)の周波数特性を測定したグラフである。
同図において、横軸は周波数、縦軸はZinの絶対値|Z
in|である。また、f1は|Zin|が最小となる周波数
(共振点) であり、f2は|Zin|が最大となる周波数
(反共振点) である。共振点f1と反共振点f2はSAWフ
ィルタを構成する上で重要であり、共振点f1と反共振点
f2との周波数幅(△f:ストップバンド幅ともいう)
が、SAWフィルタの通過帯域幅を決定する大きな要因
となっている。また、この△fを増加させることが、通
過帯域幅の増加につながるため、△fを増加させる手法
が種々検討されており、例えば、図6に示す△fを増加
させるSAW共振子Fが提案されている。このSAW共
振子FはIDT電極1の電極指と電極指との間隔dを順
次増加(減少) させた構造、いわゆるチャープ型電極と
なっている(例えば、特開平9-130201号公報等を参照)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ようにチャープ型電極の設計に従ってSAW共振子を作
製しても、共振点f1に好ましくないスプリアス共振が発
生することがあり、これによりSAW共振子を直並列に
接続した弾性表面波フィルタにおいて良好なフィルタ特
性が得られないという問題が生じる。このようなスプリ
アス共振の一例を入力インピーダンス(Zin)の周波数
特性のグラフである図9に示す。
【0007】上記スプリアス共振が発生する原因の一つ
として、IDT電極が精度良く形成されていないことが
挙げられる。すなわち、IDT電極が精度良く形成され
ないと、実質的に多数の共振子の合成波形となる共振子
特性が劣化するとスプリアスとしてあらわれるのであ
る。
【0008】IDT電極および反射器はフォトマスクを
利用したフォトリソグラフィー法により圧電基板上に形
成されるが、フォトマスクの形状が精度良く作製されな
ければIDT電極も精度良く形成されない。
【0009】例えば、携帯電話等の高周波帯域用として
使用されるSAWフィルタでは、IDT電極の電極指の
線幅は一般に1 μm程度の微細パターンになる。一方、
上記微細パターンを形成するためのフォトマスクの最小
の描画モードは、一般的に0.1 μm程度である。即ち、
電極指の線幅の微妙な差、例えば、1.095 μmと1.145
μmの差である0.05μmは、加工精度の限界のためにフ
ォトマスク上では実現することができない。
【0010】そこで、従来、電極指の線幅の加工精度を
フォトマスクの加工精度の限界以上に高める方法とし
て、ステッパー装置による縮少投影露光等の手法が知ら
れているが、この方法には次の二つの欠点を有してい
る。第1に、ステッパー装置等の高価な設備が必要にな
ること、第2に、一般的にステッパー装置等の縮少投影
率は1/5 〜1/10程度が限界であるため、このような高価
な装置を使ったとしても、フォトマスクの実効的な最小
描画モードは、0.1 μmから0.01μm〜0.02μm程度に
改善されるだけに止まり、誤差は根本的に無くならな
い。そのため、ステッパー装置等を使うと同時に、以下
の平均化処理が併用される。
【0011】平均化処理というのは、目標とする線幅
(例えば1.095 μm) を、1本1本の電極指で実現する
のではなく、多数本(数10〜数100 本) の電極指の平均
値で実現するものである。例えば、1.095 μmという線
幅を実効的に実現するために、1.0 μmと1.1 μmの2
種類の線幅を組み合わせて、1.1 μm、1.1 μm、1.0
μm、1.1 μm、1.1 μm、1.0 μm、・・・ のように、
異なる線幅の電極指を混在させて配置する。つまり、線
幅の平均値で見た場合に、実質的に 1.095μmになるよ
うにするものである。
【0012】しかしながら、上記平均化処理は電極指本
数が数10〜数100 本程度と多数あるものには適用できる
が、チャープ型電極はIDT電極の電極指どうしの間隔
を順次増加(減少)させた構造であるため、同じ間隔で
並んだ電極指が存在しないか、またはその電極指が1〜
数本程度の少ない本数となるので平均化処理が適用でき
ない。
【0013】また、例えば電極線幅が1.095 μmから0.
005 μm刻みで1.145 μmまで増加させる電極を作製す
る場合、ステッパー装置を使用し、最小描画モードの0.
01μmとした場合でも、実際の線幅は1.10μm、1.11μ
m、1.12μm、1.13μm、1.14μm、1.15μmのいずれ
かに丸め込まれて(偏って) しまい寸法の誤差が生じる
ことになる。
【0014】したがって、上述したように電極線幅およ
び電極指の間隔をどんなに最適な値にしたつもりでも、
実際にフォトマスク上では寸法が丸め込まれてしまい、
意図した寸法からずれた不適切な寸法になることによっ
て、図9に示すようなスプリアス共振が発生するのであ
る。
【0015】本発明は上記事情に鑑みて完成されたもの
であり、その目的はSAW装置の電極指どうしの間隔に
ついて、フォトマスクの最小描画モードの限界を超えて
高精度に実効的な寸法で形成可能とし、その結果不要な
スプリアス共振の発生を防ぎ、また、ステッパー装置等
の高価な装置を必要とせずに製造可能とする弾性表面波
装置を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の弾性表面波装置
は、圧電基板上に弾性表面波を発生させる励振電極を設
けるとともに、該励振電極上に弾性表面波の伝搬方向へ
装荷面積及び/又は厚みが漸次増大もしくは減少するよ
うに絶縁膜又は半導電性膜を設けたことを特徴とする。
なお、このような絶縁膜又は半導電性膜の形成領域は励
振電極上の一部でも存在していればよく、これにより弾
性表面波の速度が異なる領域が多数形成されるようにし
て、実質的に多数の共振子部分を形成するようにし、△
f(ストップバンド幅)を増大させるようにできればよ
い。また、特に絶縁膜又は半導電性膜の厚み及び/又は
装荷面積を漸次変化させることにより作製や設計が容易
となるので好適である。
【0017】また、特に半導電性膜の抵抗値は102
107 Ω・cmであり、かつ該半導電性膜の一部を圧電基
板に電気的に接続(接触)したことを特徴とする。この
ように構成することにより、圧電基板がたとえ焦電性で
あっても、弾性表面波装置の製造工程で不均一な電荷の
分布が圧電基板に生じた場合、電荷が上記高抵抗膜によ
り電荷の分布が均一化され、放電による励振電極の破壊
や絶縁膜を設けた場合の絶縁破壊が極力防止されるので
好適である。
【0018】なお、上記絶縁膜又は半導電性膜が形成さ
れていない励振電極上に、さらに絶縁膜等の保護膜を形
成するようにしてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るSAW装置の実施形
態について図面に基づき詳細に説明する。図1は上述し
た図10に示す弾性表面波装置であるSAWフィルタを
構成するSAW共振子の基本構成の平面図である。な
お、図10は既に説明したのでその詳細については省略
する。図1において、1は互いに噛み合うように形成さ
れた1対の櫛歯状の励振電極であるIDT電極(ただ
し、チャープ電極ではない) 、2はIDT電極の両端の
SAW伝搬路上に設けられた梯子型の反射器である。
【0020】また、IDT電極1上の一部に絶縁性また
は半導電性の抵抗膜3を形成した構成となっており、図
1からも明らかなように、この抵抗膜3は圧電基板4上
にも設けられ、圧電基板4と抵抗膜3とは接触してい
る。ここで、この抵抗膜の比抵抗値は102 〜107 Ω
・cmであると好適である。すなわち、この数値より値が
小さいと全体としてのフィルタ特性が劣化し、これより
大きいと絶縁破壊が生じやすくなるからである。また、
このような半導電性の抵抗膜の存在により、IDT電極
1が設けられる圧電基板4が焦電性であっても、SAW
装置の製造工程で不均一な電荷の分布が圧電基板4に生
じた場合、電荷が上記抵抗膜3により電荷の分布が均一
化され、放電によるIDT電極1の破壊が極力防止され
る。
【0021】この抵抗膜3はIDT電極1の弾性表面波
が伝搬する方向Xに漸次装荷面積を増加又は減少させて
いる(例えば、図1では三角形状としている) 。このよ
うに装荷面積を漸次変化させることにより、作製やフィ
ルタ設計がきわめて容易となるので好適である。また、
装荷面積の変化と同様な効果を得るために、抵抗膜の厚
みを変えるようにしてもよい。いずれにしても、弾性表
面波の速度が異なる領域が多数形成されるようにして、
実質的に多数の共振子部分を形成するようにして、△f
(ストップバンド幅)を増大させるようにできればよ
い。
【0022】このような構成により、抵抗膜3の質量付
加効果でもって、見かけ上の線幅を漸次減少(増加) さ
せることができ、これにより従来の平均化処理では形成
することのできなかったチャープ型電極と同様な効果を
奏する電極を作製できるようにした。
【0023】ここで、抵抗膜3の膜厚精度は0.005 μm
程度であり、フォトマスクの描画精度以上の設定が可能
である。さらに抵抗膜3の平面形状を、例えば図2〜5
に示すように変形することも可能であり、これにより、
いっそう質量付加効果の調節の自由度を広げることがで
き、要求される共振子特性に応じた設計を容易に行うこ
とができる。
【0024】例えば、図2及び図5に示すように図1と
は異なる三角形状に形成したり、図3に示すように幅W
1及びW2を有する(ただし、W1<W2)台形状に形
成するようにしてもよい。また、図4に示すように、半
楕円状や、その他、直線や曲線等から成る各種の形状に
してもよい。
【0025】特に、図3に示すような抵抗膜3の装荷領
域の形状とする場合、その膜厚によらず0≦W1/W2
≦0.86の範囲で形成することで、△fを35MHz
以上にできることが判明した。ただし、この膜厚は50
0Å程度までが限界であると考えられ、それ以上の膜厚
となると共振子その他の特性が劣化してしまうので好ま
しくない。なお、W1/W2の変化により生ずる三角形
状もしくは台形状の形状は、少なくともIDT電極1の
電極指どうしが交差する領域に抵抗膜3が装荷される場
合、その領域内でW1/W2の値が上記範囲であればそ
の形状は図3に限定されない。
【0026】また、SAWフィルタ用の圧電基板として
は、42°±3°(又は36°±3°)Yカット−X伝搬の
LiTaO3 単結晶、64°±3°(又は41°±3°)Y
カット−X伝搬のLiNbO3 単結晶、45°±3°Xカ
ット−Z伝搬のLi2 4 7 単結晶等が電気機械結合
係数が大きく且つ郡遅延時間温度係数が小さいため好ま
しい。圧電基板の厚みは0.1 〜0.5 mm程度が良く、0.
1 mm未満では圧電基板が脆くなり、0.5 mm超では材
料コストが大きくなる。
【0027】また、IDT電極および反射器は、Alあ
るいはAl合金(Al−Cu系,Al−Ti系等) から
成り、蒸着法,スパッタリング法またはCVD法等の薄
膜形成法により形成する。そして、IDT電極の対数は
50〜200 程度、電極指の幅は0.4 〜10.0μm程度、電極
指の間隔は0.4 〜10.0μm程度、電極指の開口幅( 交差
幅) は10〜100 μm程度、IDT電極の厚みは0.2 〜0.
5 μm程度、抵抗膜の厚みは0.01〜0.1 μm程度とする
ことが、SAW共振子あるいはSAWフィルタとしての
特性を得る上で好適である。
【0028】抵抗膜を絶縁膜とする場合、珪酸化物が励
振電極を保護する上で好適であり、例えば酸化シリコン
や窒化シリコン等が使用可能である。また、半導電性膜
とする場合は例えばシリコン等が作製が容易である点で
好適であるが、樹脂やガラス等に炭素や金属材料等の導
電材料を含有させたものでもよい。
【0029】また、IDT電極、反射器および抵抗膜の
上に、絶縁膜または半導電性膜を形成して、IDT電極
等をより確実に保護をするようにしてもよい。なお、こ
の保護膜はIDT電極、反射器および絶縁膜または抵抗
膜の間に形成してもよい。
【0030】かくして、本発明は、フォトマスクの最小
描画モードの限界を超えて高精度に実効的な寸法で形成
可能とし、その結果不要なスプリアス共振の発生を防ぐ
という作用効果を有する。
【0031】なお、本発明は上記の実施形態に限定され
るものではなく、弾性表面波装置は各種構成のものに適
用可能であり、励振電極の形状も上記の櫛歯状に限定さ
れない。また、抵抗膜の装荷面積を変化させる代わり
に、または、装荷面積を変化させると同時に、抵抗膜の
厚みを場所により変化させることも可能であり、また、
SAWフィルタのかわりにSAWデュプレクサ等におい
ても本発明が適用でき、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内で種々の変更は何等差し支えない。
【0032】
【実施例】以下に、本発明に係る弾性表面波装置のより
具体的な実施例について説明する。図1に示すSAW共
振子を用い、図10に示すような2.5 段π型のSAWフ
ィルタを構成した。すなわち、36°Yカット−X伝搬
のLiTaO3 単結晶から成る圧電基板上に、Alから
成るSAWフィルタ用の回路パターンを形成することに
より作製した。
【0033】具体的には、紫外線(Deep−UV)を
用いた密着露光機によるフォトリソグラフィー法によ
り、前記圧電基板用のウェハ上に多数のSAWフィルタ
用のレジストのネガパターンを形成した。次いで、前記
ネガパターン上に電子ビーム蒸着機でAlを成膜した。
その後、レジスト剥離液中で不要なAlをリフトオフ
し、IDT電極等の微細な回路パターンを作製した。
【0034】その後、ウェハ全面に再度レジストを塗布
し、フォトリソグラフィー法によって、回路パターン上
に形成すべき抵抗膜用のネガパターンを作製した。その
後スパッタリング法により抵抗膜であるSiO2 膜をウ
ェハ全面に成膜した。次いで、レジスト剥離液中で不要
なSiO2 膜をリフトオフすることによりSiO2 膜の
形成を終了した。
【0035】次に、パターニングの終了したウェハを個
々のSAWフィルタ毎にダイシング法でカットし、個々
のSAWフィルタのチップをSMD(Surface Mounted D
evice :表面実装素子) 用のパッケージ内にシリコン樹
脂により接着し、載置固定した。
【0036】このとき、IDT電極の対数は100 対、電
極指の線幅は1.0 μmから0.004 μm刻みで1.4 μmま
で順次増加、電極指の間隔は1.0 μmから0.004 μm刻
みで1.4 μmまで順次増加、電極指の開口幅( 交差幅)
は80μm、反射器の本数は各20本、電極の膜厚を0.4 μ
m、抵抗膜の膜厚を0.04μmとした。
【0037】そして、比較のため上記本発明品と図6に
示す従来品も同様に作製した。このとき、SAW装置に
ついてIDT電極の対数は100 対、電極指の線幅は1.01
μmから電極指の開口幅( 交差幅) は80μm、反射器の
本数は各20本、電極の膜厚を0.4 μmとした。
【0038】そして、IDT電極をインピーダンスアナ
ライザに接続し、入力インピーダンスの絶対値|Zin|
の周波数特性を測定した。その結果、従来品は図9にし
めすように、フォトマスクの最小描画モードが0.1 μm
のため電極指の線幅および電極指の間隔は1.0 、1.1 、
1.2 、1.3 、1.4 μmに丸め込まれたため、共振点付近
にスプリアス共振による大きなリップルが発生した。
【0039】本発明品は図8に示すように、絶縁膜がI
DT電極の一方から他方へ向けて順次形成部分を減少す
る構成により、スプリアス共振の発生がなく良好な周波
数特性であった。
【0040】そして、上記パッケージ内のSAWフィル
タについて、30μmφ( 直径30μm) のAuワイヤーを
パッケージの電極パッドとチップ上のAl電極パッドと
を接続するように超音波ボンディングした後、パッケー
ジリッドを被せ接着し、SAWフィルタのパッケージン
グを終了した。このSAWフィルタは通過帯域幅が大き
く且つ通過帯域内のリップルが小さく、平坦性が良好で
あるという優れた特性を示した。
【0041】
【発明の効果】本発明は、絶縁膜又は半導電性膜の形成
を、励振電極の弾性表面波の伝搬方向へ装荷面積及び/
又は厚みを増加もしくは減少させるようにしたので、励
振電極等を作製する場合に、フォトマスクの最小描画モ
ードの限界を超えて高精度に実効的な寸法で形成可能と
し、その結果、不要なスプリアス共振の発生を防止する
優れた弾性表面波装置を提供することができる。
【0042】また、特に絶縁膜又は半導電性膜の装荷面
積及び/又は厚みを漸次変化させることにより、弾性表
面波装置の作製や設計がきわめて容易となる。
【0043】さらに、半導電性膜の抵抗値を102 〜1
7 Ω・cm、半導電性膜の一部を圧電基板に接続するこ
とにより、圧電基板が焦電性であっても弾性表面波装置
の製造工程で不均一な電荷の分布が圧電基板に生じた場
合に、電荷が上記半導電性膜により電荷の分布が均一化
され、放電による励振電極の破壊や絶縁破壊が極力防止
される優れた弾性表面波装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波共振子の一例を説明す
る平面図である。
【図2】本発明に係る弾性表面波共振子の一例を説明す
る平面図である。
【図3】本発明に係る弾性表面波共振子の一例を説明す
る平面図である。
【図4】本発明に係る弾性表面波共振子の一例を説明す
る平面図である。
【図5】本発明に係る弾性表面波共振子の一例を説明す
る平面図である。
【図6】従来のチャープ型電極を説明する平面図であ
る。
【図7】従来の弾性表面波共振子を説明する平面図であ
る。
【図8】本発明の弾性表面波共振子の入力インピーダン
ス|Zin|の周波数特性を示すグラフである。
【図9】従来の弾性表面波共振子の入力インピーダンス
|Zin|の周波数特性を測定したグラフである。
【図10】弾性表面波装置の概略回路図である。
【図11】従来の弾性表面波共振子の入力インピーダン
ス|Zin|の周波数特性を測定したグラフである。
【符号の説明】
1:IDT電極(励振電極) 2:反射器 3:抵抗膜 4:圧電基板 11,12:直列共振子 13,14,15:並列共振子 A,B,C,D,E:弾性表面波共振子 S:SAWフィルタ(弾性表面波装置)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に弾性表面波を発生させる励
    振電極を設けるとともに、該励振電極上に弾性表面波の
    伝搬方向へ装荷面積及び/又は厚みが漸次増大もしくは
    減少するように絶縁膜又は半導電性膜を設けたことを特
    徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 前記半導電性膜の抵抗値が102 〜10
    7 Ω・cmであり、かつ該半導電性膜の一部を前記圧電基
    板に接続したことを特徴とする請求項1に記載の弾性表
    面波装置。
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