JPH11251185A - 薄型コンデンサとその製造方法 - Google Patents

薄型コンデンサとその製造方法

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JPH11251185A
JPH11251185A JP6424498A JP6424498A JPH11251185A JP H11251185 A JPH11251185 A JP H11251185A JP 6424498 A JP6424498 A JP 6424498A JP 6424498 A JP6424498 A JP 6424498A JP H11251185 A JPH11251185 A JP H11251185A
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JP
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upper electrode
substrate
ferroelectric film
thin
film
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Application number
JP6424498A
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English (en)
Inventor
Koji Azuma
紘二 東
Ichiro Ishiyama
一郎 石山
Ichiro Nagare
一郎 流
Morikatsu Yamazaki
盛勝 山崎
Yozo Obara
陽三 小原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hokuriku Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Hokuriku Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 強誘電体膜を容易に形成することができ、容
量が大きく高品質で、厚さも薄い薄型コンデンサとその
製造方法を提供する。 【解決手段】 チタン等の金属箔の基板12の表面に強
誘電体膜14が設けられ、この強誘電体膜14の表面に
上部電極16を備え、この上部電極16の表面にオーバ
ーコート18を設け、基板12に接続した一方の端子部
20と、上部電極16に接続した他方の端子部22とを
設ける。両端子部20,22は、導電性樹により構成さ
れ、その周囲より突出した状態に設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、機能性結晶膜で
ある強誘電体膜を基板に形成し、これを回路基板に搭載
することが可能な薄型コンデンサとその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、チタン酸ストロンチウム(以下S
TOと称す)、チタン酸ジルコン酸鉛(以下PZTと称
す)、チタン酸バリウム(以下BTOと称す)等の強誘
電体膜は、セラミック粉体の状態でバインダ中に分散さ
せてスクリーン印刷する方法や、強誘電体の中間体酸化
物のゾルをゲル化させて薄膜を形成するゾル−ゲル法で
形成されていた。またこれらの強誘電体の薄膜を形成す
る方法として、これらの強誘電体を真空中で基板上に積
層するスパッタリングや真空蒸着等もあった。
【0003】そして、強誘電体膜上には、導電性塗料を
塗布又は印刷等により上部電極が形成され、さらに上部
電極の表面に印刷等によりオーバーコートが形成されて
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の場
合、近年電子機器の高度化や多機能化、小型化にともな
い、より小型、薄型で高性能のコンデンサが要求されて
いるが、高い誘電率の強誘電体膜を得ることが困難なこ
とから、コンデンサの性能も十分なものが得られないも
のであった。
【0005】また従来のセラミックチップコンデンサ
は、コンデンサの厚さが0.35mmもあり、厚さが厚
く、特に多層回路基板中に積層可能な厚さである50μ
m以下のチップコンデンサは、技術的にきわめて難しい
ものであった。
【0006】この発明は上記従来の問題点に鑑みてなさ
れたもので、強誘電体膜を容易に形成することができ、
容量が大きく高品質で、厚さも薄い薄型コンデンサとそ
の製造方法を提供することを目的としたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、チタン等の
金属箔の基板の表面に強誘電体膜が設けられ、この強誘
電体膜の表面に上部電極を備え、この上部電極の表面に
オーバーコートを設け、上記基板に接続した一方の端子
部と、上記上部電極に接続した他方の端子部とを設け、
これら両端子部はその周囲より突出している薄型コンデ
ンサである。
【0008】またこの発明は、チタン箔等の薄板の基板
表面に、電気化学的に形成された結晶性の強誘電体膜が
設けられ、この強誘電体膜の表面に上部電極を備えてい
る。この上部電極の表面にオーバーコートを設け、上記
基板に接続した端子部と、上記上部電極に接続した他方
の端子部とを設け、これら両端子部はその周囲より突出
している薄型コンデンサである。
【0009】上記強誘電体膜は、PZTまたはSTOの
結晶であり、上記オーバーコートは、パラキシレンフェ
ノールまたはポリ尿素の樹脂により形成されている。
【0010】またこの発明は、チタン等の金属箔の基板
の表面に強誘電体膜を形成し、この強誘電体膜の表面に
所定の上部電極を形成し、この上部電極の表面に樹脂の
オーバーコートを蒸着等の真空薄膜形成技術により形成
するとともに、上記基板と接続する一方の端子部と上記
上部電極と接続する他方の端子部とを導電性塗料を塗布
して形成し、これら両端子部がその周囲より突出するよ
うに形成する薄型コンデンサの製造方法である。
【0011】またこの発明は、チタン箔等の薄板の基板
表面に電気化学的に結晶性の強誘電体膜を形成し、10
0〜500℃で熱処理し、この強誘電体膜の表面に所定
の上部電極を形成するものである。この上部電極の表面
に、樹脂のオーバーコートを真空薄膜形成技術により形
成するとともに、上記基板と接続する一方の端子部と上
記上部電極と接続する他方の端子部とを導電性塗料を塗
布して形成し、これら両端子部がその周囲より突出する
ように形成する薄型コンデンサの製造方法である。
【0012】さらに、上記強誘電体膜は、上記基板を所
望の強誘電体を形成する元素を含有したアルカリ溶液中
に浸漬し、100℃〜200℃の温度で、1気圧以上飽
和蒸気圧以下の圧力で、上記基板表面に結晶性の強誘電
体膜を形成する水熱合成法で形成し、その後100〜5
00℃で熱処理するものである。また、上記強誘電体膜
は、蒸着やスパッタリング等の真空薄膜形成技術で形成
しても良く、上記上部電極は、上記強誘電体膜の表面に
メッキまたは印刷により形成する。さらに、上記オーバ
ーコートは、樹脂の皮膜を蒸着等の真空薄膜形成技術に
より形成するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面に基づいて説明する。図1、図2はこの発明の
第一実施形態の薄型コンデンサ10を示し、チタン箔の
基板12の表面には結晶性の強誘電体膜14が形成され
ている。ここでいうチタン箔は、チタンまたはチタン合
金の何れでも良い。強誘電体膜14は、チタン酸ジルコ
ン酸鉛(以下PZTと称す)、またはチタン酸ストロン
チウム(以下STOと称す)の結晶である。
【0014】さらに強誘電体膜14の表面には、基板1
2のほぼ前面を覆い所定の形状をした金メッキ等の金属
薄膜の上部電極16が形成され、この上部電極16の一
端部の一部分を残して上部電極16の表面及び側面の全
面を覆うように絶縁性のオーバーコート18が施されて
いる。オーバーコート18はパラキシレンフェノール、
またはポリ尿素等の耐熱性を有する絶縁性樹脂である。
【0015】基板12の一方の端部の強誘電体膜14に
は、強誘電体膜14が形成されていない透孔部14aが
形成され、この透孔部14aを導電性塗料により埋めて
基板12に接続した端子部20が形成されている。この
端子部20は上部電極16とは接しないように、その上
部電極16の側面はオーバーコート18により被覆さ
れ、端子部20はオーバーコート18と接している。さ
らに、端子部20は、その周辺部に位置したオーバーコ
ート18の表面よりも高くなるように突出して設けられ
ている。
【0016】また、この端子部20と同様に、上部電極
16と接続する他方の端子部22が基板12の他方の端
部に形成されている。端子部22の形成部分のオーバー
コート18には、オーバーコート18が形成されない透
孔部18aを有し、この透孔部18aを埋めるように導
電性塗料により端子部22が形成されている。端子部2
2もその周縁部よりも突出して形成されている。
【0017】これにより、端子部20,22は、基板1
2の両端部に位置して形成されている。端子部20,2
2は、CuやAg等の金属微粒子、Ag−Pa、Cu−
Pa、Ag−Pa−Cu等の合金微粒子を含有した樹脂
ペーストで、熱圧着により回路基板の銅箔等に接続固定
することが可能な接着機能も有する。
【0018】この実施形態の薄型コンデンサ10の厚さ
は、例えば基板12が25μm、強誘電体膜14が6μ
m、上部電極16が1μm、オーバーコート20が7μ
m程度で形成され、全体の厚さは39μm程度となり、
多層回路基板の中間層に内蔵可能な最大厚の50μm以
内とすることができる。
【0019】次にこの実施形態の薄型コンデンサ10の
製造方法について以下に説明する。大型のチタン箔や、
チタン箔のテープからなる基板12の表面に、いわゆる
水熱合成法により、強誘電体膜のPZT種結晶膜を形成
する。
【0020】水熱合成法では、先ず、種結晶膜を形成す
るため、最初にPb(OR)2、Zr(OR)4、Ti
(OR)4を含む強アルカリ溶液に、基板12を浸し、
200℃以下好ましくは100〜140℃、2〜3気圧
程度に設定されたオートクレーブに、溶液とともに入れ
る。これにより基板12のチタンと密着性の強いPZT
種結晶膜を形成する。
【0021】ここで強アルカリ溶液のRは、Pb(O2
11192=(Pb(DPM)2)、Pb(C
254、(C253PbOCH2C(CH33、Zr
(DPM)2、Zr(t−OC494、Ti(i−OC
374、Ti(DPM)2、Sr(OC240CH32
等の有機金属の有機部組成を示し、適宜選択して用い
る。
【0022】次に、PZT結晶膜が所定の厚みを有する
ように、Pb(OR)2、Zr(OR)4、Ti(OR)
等を含む強アルカリ溶液に基板12を浸し、200℃以
下好ましくは100〜140℃、2〜3気圧程度に設定
されたオートクレーブに入れ、水熱合成反応を起こし、
PZT結晶の強誘電体膜14を形成する。
【0023】そして、アルカリ溶液から基板12を取り
出し、中和処理を施した後、基板12の表面に付着した
中和処理液等を洗浄除去し、乾燥させる。次に、100
〜500℃、好ましくは100〜300℃で0.5〜3
0時間熱処理し、強誘電体膜14を高抵抗化し、誘電損
失を低減させる。そして、強誘電体膜14の表面に、金
メッキにより上部電極16を形成する。金メッキは、先
ず上部電極16の所定形状にNi下地を形成し、その表
面に、金を無電解メッキによる付着させる。そして、こ
れらの表面に、パラキシレンフェノール、またはポリ尿
素等の耐熱性を有する樹脂のオーバーコートを、真空蒸
着により形成する。このときの蒸着温度は、200〜3
00℃程度である。オーバーコート18の形成に際し
て、端子部22が形成される透孔部22a部分及び、端
子部20が位置した基板12の位置端部にオーバーコー
ト18が蒸着しないように、その部分を覆ったマスクを
用いて行う。
【0024】この後または前もって、基板12の一方の
端部の強誘電体14に透孔部14aを形成する。透孔部
14aの形成は、強誘電体膜14の形成後、化学的にま
たは物理的に透孔部14aを形成する。次に、この特後
部14aとオーバーコート18の透孔部18aに、端子
部20,22を印刷形成する。このとき、端子部20,
22はそれらの周囲のオーバーコート18の表面よりも
高さが高くなるように導電性樹脂塗料を塗布する。
【0025】大型の基板の場合、基板10上にこれらを
積層した後、所定の幅に大型の基板10を切断し、短冊
状にし、さらに個々の薄型コンデンサ10毎に切断す
る。またテープ状の基板10の場合も、連続的にテープ
を切断して、個々の薄型コンデンサ10に分割する。
【0026】なお、この水熱合成法では、PZT結晶膜
以外にも、チタン酸ストロンチウム(STO)結晶膜を
強誘電体膜14として形成することができる。この場合
も上記と同様に、チタン箔等の基板12に、STOの強
誘電体膜14を、PZT結晶膜と同様に水熱合成法で結
晶膜を形成する。
【0027】この場合、先ずSr(OR)2等を含む強
アルカリ溶液に、基板12を浸し、200℃以下、2〜
3気圧程度に設定されたオートクレーブに溶液とともに
入れる。ここで強アルカリ溶液のRは、PZT結晶膜形
成のときに使用した強アルカリ溶液に含まれる化合物の
Rと同じものである。これにより、チタン膜14のチタ
ンと密着性の強いSTO種結晶膜を形成する。
【0028】次に、STO結晶膜が所定の厚みを有する
ように、Sr(OR)2、Ti(OR)4等を含む強アル
カリ溶液に基板12を浸し、200℃以下、2〜3気圧
程度に設定されたオートクレーブに入れ、水熱合成反応
を起こし、STO結晶膜を形成する。そして上記と同様
に、100〜500℃、好ましくは100〜300℃で
0.5〜30時間熱処理を行う。
【0029】この実施形態の薄型コンデンサ10は、P
ZT結晶膜やSTO結晶膜などの強誘電体膜14が、そ
れ自体分極しているため、絶縁油中での分極処理が必要
なく、またこの強誘電体膜14上は、どのような形状の
基板10にでも形成することができ、小型薄型のコンデ
ンサを低コストで設けることができる。また、強誘電体
膜14の表面には微視的に凹凸があるが、内部は空隙が
少なく緻密であることから、製造中の破損等が少ない。
さらに、大面積化が容易で、膜厚も適宜の厚さに設定す
ることができる。さらに、厚さがきわめて薄いために、
多層回路基板の中間層にも搭載することができ、電子部
品の実装密度を上げることができる。
【0030】この薄型コンデンサ10を回路基板に取り
付けるには、例えば多層基板26の各基板のうち、その
上に他の基板が積層される面に回路パターン24を設け
た基板26aの所定の位置に、端子部20,22を対面
させて回路パターン24の各電極に当接させ、例えば1
80℃、35kg/cm2の条件下で熱圧着させる。
【0031】次にこの発明の第二実施形態について図
3、図4に基づいて説明する。ここで上記実施形態と同
様の部材は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】この実施形態の薄型コンデンサ28は、チ
タン箔の基板30の表面に結晶性の強誘電体膜14が形
成され、さらに強誘電体膜14の表面で所定の形状をし
た上部電極32が設けられ、上部電極32の表面に絶縁
性のオーバーコート34が施されている。
【0033】基板30はチタンやチタン合金の薄板であ
る。上部電極32は、上記導電性塗料と同様の材料であ
り、オーバーコート34は、ポリイミド、ポリパラキシ
レン、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリフェニ
レンサルファイド(PPS)、ポリフェニレンオキサイ
ド(PPO)、PET(ポリエチレンテレフタレー
ト)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、テフロン
等の有機ポリマーのフィルム等の耐熱性を有する絶縁性
の樹脂である。
【0034】さらに基板30と接続するように、上記実
施形態と同様に端子部20が形成され、この端子部20
は上部電極32に接することがなく、またオーバーコー
ト34よりも高く突出している。またこの端子部20と
同様の高さを有し、上部電極32と接続する端子部22
が形成され、これら端子部20,22は基板30の両端
部に形成されている。
【0035】この実施形態の薄型コンデンサ28の製造
方法は、大型のまたはテープ状の基板30の表面に、上
記第一実施形態と同様に水熱合成法で、強誘電体膜14
を形成する。
【0036】次に強誘電体膜14の表面に、上部電極3
2を形成する。上部電極32は、導電性塗料を印刷し焼
き付けて形成する。さらにこの上部電極32の表面に、
耐熱性を有する絶縁性樹脂を所定形状に印刷し焼き付け
てオーバーコート34を施す。この後、基板30の一端
部に接続する端子部20と、基板30の他端部で上部電
極32に接続する端子部22を、導電性塗料を印刷塗布
して形成する。
【0037】この後、上記実施形態と同様にこの大型の
基板30を、所定の大きさで、一対の端子部20,22
を有するように矩形状に切断し、薄型コンデンサ28と
する。
【0038】この薄型コンデンサ28の厚みは、例え
ば、基板30にチタン箔を用い、強誘電体膜14を水熱
合成法により形成し、オーバーコート34を印刷した場
合、基板30が30μm、強誘電体膜14が6μm、上
部電極32が20μm、オーバーコート34が30μm
程度となり、全体の厚みは86μmとなる。これによ
り、最大でも100μmであるため、図4に示すように
回路パターン24を有する絶縁性基板26へ表面実装さ
れても、他の部品の邪魔にならず、回路基板26の実装
密度を向上させることができる。
【0039】この薄型コンデンサ28は、第一実施形態
の薄型コンデンサ10の厚みよりも厚くなるが、各部材
を構成する材料の限定が少なく、また回路基板への表面
実装も容易に可能であるとともに、製造工程が単純にな
り、製造コストが低く押さえられる。
【0040】次にこの発明の第三実施形態について図5
に基づいて説明する。ここで上記実施形態と同様の部材
は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態
では、基板30の端子部22側の端部に透孔33を設
け、透孔33の基板30の内面を絶縁しておき、端子部
20,22の導電性樹脂塗料を塗布する際に、透孔33
内にも導電性塗料を充填し裏面側に到達させる。基板1
0の裏面側には、透孔33の周囲が絶縁状態にレジスト
樹脂等が塗布され、その内側に電極34を導電性樹脂塗
料や金属薄膜で形成しても良い。
【0041】次にこの発明の第四実施形態について図6
に基づいて説明する。ここで上記実施形態と同様の部材
は、同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】この実施形態の薄型コンデンサ38は、チ
タン箔の基板30の表裏面と一方の側面に結晶性の強誘
電体膜14が連続して形成され、一方の側面と表裏面と
の角部にショート防止のためレジスト等の絶縁性樹脂4
0が塗布されている。さらに強誘電体膜14と絶縁性樹
脂40の外側面には、基板30の表裏面側に所定の形状
をした上部電極32が設けられ、上部電極32の表面に
は、絶縁性のオーバーコート34が施されている。
【0043】さらに基板30の一方の端部には、基板3
0に接続した端子部20が形成され、この端子部20
は、上部電極32と接続しないように、上部電極32が
オーバーコート34により覆われている。そして、端子
部20は、オーバーコート34よりも高く突出してい
る。また、端子部20と同様の高さを有して、上部電極
32と接続した端子部22が、基板30の他方の端部に
形成されている。これら端子部20,22は、基板30
の両端部付近に位置している。
【0044】この実施形態の薄型コンデンサ38の製造
方法は、テープ状等の大型基板30の表面に、上記実施
形態と同様の水熱合成法で、上記と同様の強誘電体膜1
4を形成する。次に基板30の側面とその近傍の角部を
含む表裏面の一部に絶縁性樹脂40を塗布し乾燥させ
る。この後、強誘電体膜14及び絶縁性樹脂40の表面
には、導電性塗料を印刷塗布し焼き付けて上部電極32
を形成する。さらにこの上部電極32の表面に、耐熱性
を有する絶縁性樹脂を印刷し焼き付けてオーバーコート
34を施す。このとき、端子部22を形成する部分は、
上部電極32が露出するように、透孔34aを開けてお
く。
【0045】この後、上記実施形態と同様に、この大型
の基板30を所定の大きさで、一対の端子部20,22
を有するように矩形状に切断し、薄型コンデンサ38と
する。この場合の薄型コンデンサ38の厚さは、例え
ば、チタン薄板の基板30に、水熱合成法で強誘電体膜
14を形成し、上部電極32とオーバーコート34を印
刷により形成した場合、基板30が30μm、強誘電体
膜14が6μm、絶縁性樹脂40が20μm、上部電極
32が20μm、オーバーコート34が30μm程度
で、全体の厚さは142〜162μm程度となる。
【0046】この実施形態の薄型コンデンサ38は、強
誘電体膜14及び上部電極32の面積が上記実施形態の
薄型コンデンサ10、28の約2倍となり、容量も2倍
以上となる。このため大容量を必要とする回路基板に表
面実装することが可能である。
【0047】なお、端子部20,22は上部電極側に設
けたが、基板に透孔を形成し、端子部22は透孔とは絶
縁された状態でスルーホールを形成し、内部に導電性塗
料を充填し、基板10の裏面側に電極を導電性樹脂塗料
で形成しても良い。
【0048】また、強誘電体膜は、スパッタリングや蒸
着等の真空薄膜形成法や、CVD(化学的気相成長法)
により形成しても良く、強誘電体微粒子を塗布乾燥して
形成しても良い。これらの形成方法の場合、500〜1
200℃の高温下で、分極処理を施す必要がある。
【0049】さらに、この発明は、上述した実施形態に
限定されるものではなく、使用する各部材の材料、製造
方法等は適宜変更することができる。
【0050】
【発明の効果】この発明の薄型コンデンサとその製造方
法は、基板を下部電極とし、積層する上部電極及びオー
バーコートの厚さを薄くすることにより全体の厚さも薄
くなり、多層基板に内蔵することもできる。また端子部
を導電性塗料により形成して、熱圧着で回路基板に表面
実装することも可能であり、薄型コンデンサをより確実
に回路基板に固定することが可能である。
【0051】さらにこの発明の薄型コンデンサは、製造
が簡単で設備投資も少ないことから、製造コストが低下
し、安価で高品質なものを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第一実施形態の薄型コンデンサを示
す断面図である。
【図2】この発明の第一実施形態の薄型コンデンサを内
蔵する多層基板を示す断面図である。
【図3】この発明の第二実施形態の薄型コンデンサを示
す断面図である。
【図4】この発明の第二実施形態の薄型コンデンサを表
面実装した回路基板を示す断面図である。
【図5】この発明の第三実施形態の薄型コンデンサを示
す底面図である。
【図6】この発明の第四実施形態の薄型コンデンサを示
す断面図である。
【符号の説明】
10,28,38 薄型コンデンサ 12,30 基板 14 強誘電体膜 16,32 上部電極 18,34 オーバーコート 20,22 端子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 盛勝 富山県上新川郡大沢野町下大久保3158番地 北陸電気工業株式会社内 (72)発明者 小原 陽三 富山県上新川郡大沢野町下大久保3158番地 北陸電気工業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属箔の基板の表面に強誘電体膜が設
    けられ、この強誘電体膜の表面に上部電極を備え、この
    上部電極の表面にオーバーコートを設け、上記基板に接
    続した一方の端子部と、上記上部電極に接続した他方の
    端子部とを設け、これら両端子部はその周囲より突出し
    ていることを特徴とする薄型コンデンサ。
  2. 【請求項2】 チタン薄板の基板表面に、電気化学的
    に形成された結晶性の強誘電体膜が設けられ、この強誘
    電体膜の表面に上部電極を備え、この上部電極の表面に
    オーバーコートを設け、上記基板に接続した端子部と、
    上記上部電極に接続した他方の端子部とを設け、これら
    両端子部はその周囲より突出していることを特徴とする
    薄型コンデンサ。
  3. 【請求項3】 上記強誘電体膜は、PZTまたはST
    Oの結晶である請求項1または2記載の薄型コンデン
    サ。
  4. 【請求項4】 上記オーバーコートは、パラキシレン
    フェノールまたはポリ尿素の樹脂である請求項1または
    2記載の薄型コンデンサ。
  5. 【請求項5】 金属箔の基板の表面に強誘電体膜を形
    成し、この強誘電体膜の表面に所定の上部電極を形成
    し、この上部電極の表面に樹脂のオーバーコートを真空
    薄膜形成技術により形成するとともに、上記基板と接続
    する一方の端子部と上記上部電極と接続する他方の端子
    部とを導電性塗料により形成し、これら両端子部がその
    周囲より突出するように形成することを特徴とする薄型
    コンデンサの製造方法。
  6. 【請求項6】 チタン薄板の基板表面に電気化学的に
    結晶性の強誘電体膜を形成し、この強誘電体膜の表面に
    所定の上部電極を形成し、この上部電極の表面に樹脂の
    オーバーコートを真空薄膜形成技術により形成するとと
    もに、上記基板と接続する一方の端子部と上記上部電極
    と接続する他方の端子部とを導電性塗料を塗布して形成
    し、これら両端子部がその周囲より突出するように形成
    する薄型コンデンサの製造方法。
  7. 【請求項7】 上記基板を所望の強誘電体を形成する
    元素を含有したアルカリ溶液中に浸漬し、100℃〜2
    00℃の温度で、1気圧以上飽和蒸気圧以下の圧力で、
    上記基板表面に結晶性の強誘電体膜を形成する水熱合成
    法で上記強誘電体膜を形成し、その後、100〜500
    ℃で熱処理する請求項6記載の薄型コンデンサの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 上記強誘電体膜は、真空薄膜形成技術
    で形成する請求項6記載の薄型コンデンサの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記上部電極は、上記強誘電体膜の表
    面にメッキまたは印刷により形成する請求項5または6
    記載の薄型コンデンサの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記オーバーコートは、樹脂の皮膜
    を真空薄膜形成技術により形成する請求項5または6記
    載の薄型コンデンサの製造方法。
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