JPH11251091A - プラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置

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JPH11251091A
JPH11251091A JP10066137A JP6613798A JPH11251091A JP H11251091 A JPH11251091 A JP H11251091A JP 10066137 A JP10066137 A JP 10066137A JP 6613798 A JP6613798 A JP 6613798A JP H11251091 A JPH11251091 A JP H11251091A
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generation space
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裕 奥村
Toshihisa Nozawa
俊久 野沢
Toshihiro Kugimiya
敏洋 釘宮
Tetsuya Nishizuka
哲也 西塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】良質のプラズマを均一に供給する。 【解決手段】プラズマ発生空間22がプラズマ処理空間
13に隣接し且つ連通しているプラズマ発生装置におい
て、プラズマ発生空間22が線状に形成されており、且
つ、プラズマ発生空間22を挟んで磁性部材25が付設
されているとともに、プラズマ発生空間22とプラズマ
処理空間13との連通路14を延伸させる連通路延伸部
材110がプラズマ処理空間13側に付加される。高密
度プラズマ20が低温プラズマ10へ送り込まれる量が
連通路延長部114の長さに応じて調節される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ICやLCDな
ど高精度の製造工程においてエッチング・成膜・アッシ
ング等のプラズマ処理を効率よく行うときに好適なプラ
ズマ発生装置に関し、詳しくは、良質なプラズマを均一
に供給するプラズマ発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、CVDやエッチング,アッシング
等のプラズマ処理に用いられるプラズマ発生装置とし
て、電界印加だけのプラズマ発生ではプラズマ密度が不
足するので磁界も加えてプラズマを封じることで高密度
プラズマ(HDP)を発生させるようにしたMRIE
(マグネトロンリアクティブイオンエッチャー)等が知
られている。また、特開平3−79025号公報に記載
の如く平面状コイルを用いた磁場の一様化によってダメ
ージを防止しようとした装置も知られている。
【0003】さらに、イオンによる被処理物へのダメー
ジを低減させるとともに発生中の高密度プラズマに被処
理物が直接曝されないようにするためにプラズマ空間を
互いに連通したプラズマ処理空間とプラズマ発生空間と
に分離したECR(電子サイクロトロン共鳴)や特開平
4−81324号公報記載のもの等のように両空間を距
離的に引き離したもの、ICP(インダクティブカップ
ルプラズマ)等のように強力な磁場で高密度プラズマを
プラズマ処理空間に隣接したプラズマ発生空間へ閉じこ
めるもの、さらにプラズマ処理空間にプラズマ発生空間
が隣接している点では同じであるが特開平4−2904
28号公報記載のもの等のようにリングアンテナからの
円偏波電磁波を利用して高密度プラズマを閉じこめるも
のなども知られている。
【0004】一方、液晶基板等の処理対象物の大形化そ
してプラズマ処理空間の拡張に伴い単一のプラズマ発生
空間ではプラズマの均一な供給が難しいことから、特開
平8−222399号公報に記載の如く、プラズマ発生
空間を複数個配設するとともに、それぞれに制御弁を設
けて反応ガス・処理ガスを供給するものもある。この場
合、プラズマ発生空間は、複数化しても開口面積が減少
しないように縦の円筒状空間に分けられ、それぞれの側
面が励起用の高周波コイルで囲まれるとともに、プラズ
マを封じるための磁気が円筒の上下端面のところから送
り込まれるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これら従来
のプラズマ発生装置では、プラズマ空間をプラズマ発生
空間とプラズマ処理空間とに分離してプラズマダメージ
やチャージアップ低減が図られているが、プラズマ発生
空間とプラズマ処理空間との距離があまり離れていると
イオン種が必要以上に抑制されてしまう一方、両空間が
隣接しているとプラズマ処理空間からプラズマ発生空間
へ逆流するガスが多くなる。このような逆流ガスには被
処理物の処理によって発生等した早急に排出すべき成分
も含まれており、これがプラズマ発生空間に入ると高密
度プラズマによって激しく分解・電離させられて汚染物
等の不所望なものに変質してしまうことも多いので、不
都合である。
【0006】このことは、プラズマ発生空間を複数化し
ても、プラズマ発生空間からプラズマ処理空間への開口
面積が同じままでは、解消されない。また、プラズマを
封じるための静的な磁気バイアスをプラズマ発生空間の
上下から印加するために磁石等をプラズマ発生空間とプ
ラズマ処理空間との間に介在させるのでは、高密度プラ
ズマに対して十分な磁力を確保しようとすると、磁性部
材の加工や実装などが面倒となる。
【0007】これに対し、同一出願人は、プラズマ処理
空間からプラズマ発生空間への不所望なガス流入を有効
に阻止するとともに、磁性部材の実装等も容易に行うこ
とができるように、プラズマ発生空間や磁性部材の構造
等にも工夫を凝らしてきた(特願平9−159190
号、特願平9−250111号など)。具体的には、プ
ラズマ発生空間をプラズマ処理空間との隣接面に沿って
線状に分散させるとともにプラズマ発生空間を挟むよう
に磁性部材を配設したのである。
【0008】しかしながら、プラズマ発生空間を分散さ
せた場合、空間断面形状や磁石形状等を統一したとして
も、プラズマの発生効率が一致するとは限らない。線状
空間の配置状態や、プラズマを励起させる印加電力のば
らつきなど種々の要因によって発生効率が変化するので
ある。また、例え各所でのプラズマの発生効率が一致し
たとしても、プラズマ処理空間の何処に排気口を設けた
のか等によってもプラズマ密度に斑や傾斜が生じること
も多い。
【0009】これに対しては、電力の印加やプラズマ生
成用ガスの供給も小口に分割して各所ごとに印加電力や
プラズマ生成用ガスを調節することも考えられる。とこ
ろが、通常これらの調節にはイオン対ラジカル濃度比の
制御など別の役割が課せられることと、その調節に際し
て変量とプラズマ発生効率の変化とが一般には線形の関
係にならないことから、そのような調節が有効に機能し
うる状況は僅かな場合しか無い。
【0010】そこで、分散したプラズマ発生空間でのプ
ラズマ発生効率のばらつきや、プラズマ処理空間でのプ
ラズマ流等に起因したプラズマ密度の不均一を、印加電
力やプラズマ生成用ガスに依ら無いで矯正することが課
題となる。この発明は、このような課題を解決するため
になされたものであり、良質のプラズマを均一に供給す
るプラズマ発生装置を実現することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】このような課題を解決す
るために発明された第1乃至第2の解決手段について、
その構成および作用効果を以下に説明する。
【0012】[第1の解決手段]第1の解決手段のプラ
ズマ発生装置は(、出願当初の請求項1に記載の如
く)、プラズマ処理空間が形成された第1機構と、前記
第1機構に取着して又はそれと一体的に設けられプラズ
マ発生空間が形成された第2機構とを具え、前記プラズ
マ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且つ連通し
ているプラズマ発生装置において、前記プラズマ発生空
間が線状に形成されており、且つ、前記プラズマ発生空
間を挟んで磁性部材が付設されているとともに、前記プ
ラズマ発生空間と前記プラズマ処理空間との連通路を延
伸させる(単一の又は複数の)連通路延伸部材が前記プ
ラズマ処理空間側に付加されていることを特徴とする。
【0013】ここで、上記の「線状に形成」とは、単一
の直線状,曲線状,破線状などに形成された場合や、こ
れに加えて複数の又はそれらの混在するものがプラズマ
処理空間との隣接部・連通部に分布している場合、さら
には環状,円状,多角形状、スパイラル状のものが同心
で若しくは非同心で多数が列設され又は単独で広く形成
されている場合も該当する意味である。また、上記の
「磁性部材」には、永久磁石の他、直流励磁コイルによ
って形成されたものも該当する。
【0014】このような第1の解決手段のプラズマ発生
装置にあっては、プラズマ空間の分離および隣接連通と
いう条件を維持することにより、プラズマダメージやチ
ャージアップの低減、及びプラズマにおけるラジカル種
の成分とイオン種の成分との比率適正化という基本的要
請に応えている。しかも、プラズマ発生空間を挟むよう
に付設された磁性部材は必然的にプラズマ発生空間と同
じ第2機構側で共にプラズマ処理空間との隣接面に沿っ
て設けられることから、磁力の強化が可能になるととも
に、プラズマ処理空間との連通隣接面さらにはその面に
沿ったプラズマ発生空間自身の断面積も、少なくとも磁
性部材によって占められた分だけは必然的に、プラズマ
処理空間のそれより小さくなる。このように双方空間の
面積に差があると、連通隣接面の面積とこれに沿ったプ
ラズマ処理空間の断面積との比を第1比とし連通隣接面
の面積とこれに沿ったプラズマ発生空間の断面積との比
を第2比として、第1比が1未満で且つ第2比よりも小
さいことになる。
【0015】そして、第1比が1未満の場合、プラズマ
処理空間からプラズマ発生空間へ流入するガス量が減少
する。一方、第2比が1の場合、プラズマ発生空間から
プラズマ処理空間へ流出するガス量は減少しない。ま
た、第2比が1未満で流出ガス量が減少する場合であっ
ても、第2比が第1比より大きければ、減少の程度が小
さくて済む。何れにしても、相対的には、プラズマ処理
空間からプラズマ発生空間へ流入するガスの割合よりも
プラズマ発生空間からプラズマ処理空間へ流出するガス
の割合の方が高くなる。これにより、不所望なガスのプ
ラズマ発生空間への流入が抑制されるばかりか、ガスが
プラズマ発生空間へ入ってしまったときでもそのガスは
プラズマ流とともに速やかにプラズマ処理空間へ出され
てしまうので、高密度プラズマによるガス変質を防止・
抑制することができる。
【0016】また、こうして生成された良質のプラズマ
は、プラズマ発生空間を挟む磁性部材の磁力によってプ
ラズマ発生空間に長時間閉じこめられて密度が高まる
が、その磁力は、プラズマ発生空間に集中し、隣接する
プラズマ処理空間のところでは弱い。そのため、高密度
プラズマは、プラズマ発生空間からプラズマ処理空間へ
流れ出るときに両空間の連通路を抜けたところで磁力の
束縛から解放され拡散するが、その際、連通路が延伸さ
れているとその連通路延伸部のところで拡散したプラズ
マ成分が連通路延伸部の壁面すなわち連通路延伸部材に
衝突してエネルギーを失う。しかも、このようなプラズ
マ成分の割合は、連通路延伸部の長さに依存して決ま
る。
【0017】これにより、連通路延伸部材の厚さ等に変
化をつけておくだけで容易に、各所のプラズマ発生空間
からプラズマ処理空間へ供給されるプラズマの量をきめ
細かく調節することが可能となる。そこで、印加電力や
プラズマ生成用ガスによる調節を行うまでも無く、分散
したプラズマ発生空間でのプラズマ発生効率のばらつき
や、プラズマ処理空間でのプラズマ流等に起因してのプ
ラズマ密度の不均一を正して、プラズマ処理空間におけ
るプラズマ密度を均一にすることができる。
【0018】さらに、磁性部材は、線状のプラズマ発生
空間に沿って小片のものを並べることで足りることか
ら、予め比較的製造容易な棒状の物を作っておいて小片
に切断するといったことで加工作業が済むので、磁性部
材等の製造が容易となる。しかも、磁性部材が、プラズ
マ発生空間と同じ第2機構側に設けられることから、プ
ラズマ発生空間とプラズマ処理空間とに介挿する必要が
無くなるので、配置設計や、実装作業、さらには後の部
品交換等の保守作業も、楽になる。
【0019】したがって、この発明によれば、良質のプ
ラズマを均一に供給するプラズマ発生装置を実現するこ
とができる。
【0020】[第2の解決手段]第2の解決手段のプラ
ズマ発生装置は(、出願当初の請求項2に記載の如
く)、上記の第1解決手段のプラズマ発生装置であっ
て、前記連通路延伸部材が、前記第2機構に対して着脱
可能に装着されているものであることを特徴とする。
【0021】このような第2の解決手段のプラズマ発生
装置にあっては、プラズマ処理を施した後の被処理物を
調べて処理の均一度が足りないときには連通路延伸部材
による連通路の延伸の程度を微調整するのであるが、連
通路延伸部材と第2機構とが着脱可能なことから、その
調整作業に際し、連通路延伸部材を第2機構から外し
て、連通路延伸部材に対して単独の状態で追加工等を施
すことが可能である。しかも、処理の均一度を平行光の
照射によるモアレ像などで被処理物上に現出するように
すれば、被処理物の処理面の状態と連通路延伸部材の調
整箇所とが一対一に対応するので、連通路延伸部材に対
する調整が局所的であったり散逸していたりしていても
追加工等の調整作業は直感的で容易なものとなる。
【0022】これにより、連通路延伸部材をプラズマ処
理空間側に付加したものであっても、きめ細かな調節を
直感に基づいて楽に行うことができることとなる。した
がって、この発明によれば、良質のプラズマを均一に供
給するに際して調節の容易なプラズマ発生装置を実現す
ることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】このような解決手段で達成された
本発明のプラズマ発生装置は、一般に適宜の真空チャン
バに装着して使用される。そのために、プラズマ処理空
間が形成される第1機構やプラズマ発生空間が形成され
る第2機構などの各機構部は、真空チャンバ内への組み
込み等の容易性と真空度の必要性とのバランスを図る等
の観点から、別個に形成してから取着されることが多い
が、例えば密着して固設されることが多いが、一部又は
全部が同一・単一の部材たとえばクラッド材を加工等す
ることで一体的に形成されてもよい。
【0024】以下、かかるプラズマ発生装置を実施する
ための具体的形態を第1実施例,及び第2実施例により
説明する。なお、第1実施例は、上述した第1,第2の
解決手段を具現化したものである。また、第2実施例
は、それに加えて、さらに均一度を高めるために、プラ
ズマ処理空間との隣接面に沿って線状に延びるプラズマ
発生空間がプラズマ処理空間へ向けて拡幅しているよう
になったものである。この場合、プラズマ発生空間で生
成されたプラズマは、プラズマ処理空間へ向けて流れ出
る際に、絞られた噴流状態になるので無く、扇状・ラッ
パ状に拡がる。そして、その高密度プラズマはプラズマ
処理空間内で直ちに拡散して速やかに均質になるので、
プラズマ処理空間におけるプラズマ状態は斑無く一層均
一に保たれることとなる。
【0025】
【第1実施例】本発明のプラズマ発生装置の第1実施例
について、その具体的な構成を、図面を引用して説明す
る。プラズマ発生空間に加えてプラズマ処理空間も含め
た主要部の縦断面図であり、図2は、そのプラズマ発生
空間周りの縦断面斜視図であり、図3は、そのうち一の
プラズマ発生空間についての拡大図である。
【0026】このプラズマ発生装置は、概ね、プラズマ
処理空間を確保するための第1機構およびその付加部
と、プラズマ発生空間を確保するための第2機構および
その付加部と、各プラズマに電界又は磁界を印加するた
めの印加回路部とで構成されている。第1機構,第2機
構は、共に、液晶基板等の角形の被処理物を処理する場
合には主要部がほぼ長方形状に形成されるが、ここでは
IC用シリコンウエハ等の丸形の被処理物を処理するた
めに主要部がほぼ丸形状・円筒状・環状に形成される場
合について説明する(図2参照)。
【0027】第1機構は、金属製のアノード部11が上
方に配置され、ウエハ等の被処理物1を乗載するために
上面の絶縁処理された金属製カソード部12が下方に配
置されて、これらに挟まれたところに低温プラズマ10
用のプラズマ処理空間13が形成されるものとなってい
る(図1参照)。また、アノード部11は、予め、多数
の連通口14が貫通して穿孔されるとともに、プラズマ
処理空間13へ向けて開口した処理ガス供給口15も形
成されたものとなっている(図1〜図3参照)。この例
では、連通口14の横断面積とプラズマ処理空間13の
有効な横断面積との比すなわち第1比が0.05になっ
ている。なお、処理ガス供給口15を介してプラズマ処
理空間13へ供給される処理ガスBとしては、CF系ガ
スやシランガス等の反応ガスに適量の希釈ガスを混合さ
せたもの等が供給されるようにもなっている。
【0028】第2機構は、セラミック等の絶縁物製のプ
ラズマ発生チャンバ21が主体となっており、このプラ
ズマ発生チャンバ21には、プラズマ発生空間22とな
る複数(図1では4個)の環状溝が同心に彫り込まれて
形成されている。これにより、プラズマ発生空間22が
線状のものとなって分散されている。そして、プラズマ
発生チャンバ21は、プラズマ発生空間22の開口側
(縦断面図では下面)をアノード部11の上面に密着し
た状態で固設される。その際、プラズマ発生空間22の
開口がアノード部11の連通口14に重なるように位置
合わせがなされる。これにより、プラズマ発生空間22
とプラズマ処理空間13とが互いに隣接し且つ連通した
ものとなり、さらに、プラズマ発生空間22がプラズマ
処理空間13との隣接面に沿って線状に延びたものとな
る。この例では、連通口14の横断面積とプラズマ発生
空間22の横断面積との比すなわち第2比が0.5にな
っている。なお、これらの比の値は大小関係が逆転しな
い限り自由に変えてよいものである。
【0029】また、プラズマ発生チャンバ21は、プラ
ズマ発生空間22のさらに奥(縦断面図では上方)に取
着されたガス配給部材21aによってプラズマ用ガス送
給路23がやはり環状・線状に形成され、両者が多数の
小穴で連通されていて、プラズマ発生空間22は底部
(縦断面図では上方)からプラズマ発生用ガスAの供給
を受けて高密度プラズマ20を発生させ連通口14を介
してプラズマ処理空間13へそれを送り込むものとなっ
ている。プラズマ発生用ガスAにはアルゴン等の不活性
で化学反応しないものが用いられるようにもなってい
る。
【0030】さらに、プラズマ発生チャンバ21は、プ
ラズマ発生空間22を囲む側壁と底部とを残すようにし
てプラズマ発生空間22開口側の裏の面(縦断面図では
上面)が削り取られる。そして、そこに、一方の永久磁
石25b(図3等の縦断面図中下方)とコイル24と他
方の永久磁石25a(図3等の縦断面図中上方)とが順
に重ねて詰め込まれる。これらの磁性部材25すなわち
一対の永久磁石25a,25bは、同心環状のプラズマ
発生空間22間に詰め込まれてやはり環状となるが、環
状の不所望な誘起電流を断つために小片に分けて形成さ
れている。そして、多数の永久磁石片25がプラズマ発
生空間22側壁に沿って列設されることで、プラズマ発
生空間22に対応した環状の磁気回路が構成される。こ
れにより、磁性部材25は、第2機構側に設けられてプ
ラズマ発生空間22に付され、プラズマ発生空間22と
共にプラズマ発生空間22とプラズマ処理空間13との
隣接面に沿って線状に延び、プラズマ発生空間と交互に
並んで走るものとなっている。
【0031】永久磁石25は、その一対25a,25b
にコイル24を加えた高さがプラズマ発生空間22のそ
れにほぼ等しくされ、且つ横のプラズマ発生空間22方
向へ磁極が向くようにされる(図3参照)。下部磁石2
5bは、断面矩形の単純な形状のものであり、アノード
部11やプラズマ発生チャンバ21の削り込んだ上面等
と平行になるよう水平に置かれている。その磁化方向
も、断面における上下対称軸と同じ水平方向となってい
る。なお、この下部磁石25bは小さめに作られてい
る。
【0032】上部磁石25aは、それより大きい。これ
も同様の単純な矩形形状で水平方向に磁化されたものか
ら作られるが、その両側面が斜めにそぎ落とされて断面
が逆さの台形状にされている。そして、その下辺が短い
のに対しその上辺は下部磁石25bの幅よりも長くされ
る。これにより、この磁性部材25aは、プラズマ発生
空間22に向けたその側面が、プラズマ発生空間の側壁
面と平行で無く、プラズマ発生空間とプラズマ処理空間
との隣接面に直交しているものでも無くて、傾斜した形
状のものとなっている。なお、磁化方向は傾斜していな
いが、その傾斜した形状に基づいて、上辺付近からの磁
束線26は強く広く張り出すのに対し、下辺付近からの
磁束線26および下部磁石25bからの磁束線26は相
対的に弱くて狭くなっている。
【0033】それらの磁力状態について詳述すると、上
部磁石25aのほぼ下半分から図中横に出た磁束線26
はコイル24の近くを通って図中反対側の横に戻ること
から、図中上方の永久磁石25aのほぼ下端を頂上とす
る磁気の山ができる。また、下部磁石25bの上端のと
ころにもほぼ同様の磁気の山ができる。永久磁石25は
プラズマ発生空間22を挟んで両側に付設されているの
で、プラズマ発生空間22の周りには磁気の山が4つで
きる。そこで、プラズマ発生空間22には、磁気の山に
囲まれた言わば磁気の盆地(磁界強さの極小点)ができ
る。そして、ここに電子が捕捉されることとなる。な
お、ポテンシャル場風に説明したが実際はベクトル場な
ので正確に述べると複雑になるが、要するに全体として
は柱状・梁状のプラズマ発生空間22の中で環状に電子
が封じられるようになっているのである。
【0034】そして、上部磁石25aのほぼ上半分から
図中横に出た磁束線26はプラズマ発生空間22の奥
(図では上方)やプラズマ用ガス送給路23のところで
密になりながら反対側の横に戻り、さらに上部磁石25
aの磁束のうち一部は下方へ延びて下部磁石25bをも
包むことから、縦断面における全体的な磁力分布の状態
としては、徳利を逆さにしたようなイメージに近いもの
となり、プラズマ発生空間22の奥のところで強く締め
られて閉じプラズマ発生空間22の中間のところで緩め
られて膨らみプラズマ発生空間22とプラズマ処理空間
13との隣接面のところで少し絞られて狭まり最後にプ
ラズマ処理空間13のところで解放されるような状態と
なっている。
【0035】なお、上下の磁石25a,25bからの磁
束の重なり具合によっては上記の磁気の盆地の他に局所
的に小さな磁気の盆地が複数生じることも有り、これら
は電子やプラズマを不所望に封じ込めたりプラズマ発生
空間22の内壁へ衝突させたりする要因となるが、それ
らもプラズマ発生空間22の外側に位置することとな
る。そして、プラズマ発生空間22中央の大きな磁気の
盆地を取り巻く磁気の山について上方の磁界がより強く
下方の磁界がより弱く傾斜していることにより、この磁
気回路は、質量の小さい電子がプラズマ発生空間22内
に封じられるのに対し、イオン化していないものやイオ
ン化していても質量の大きい成分からなる高密度プラズ
マ20はプラズマ発生空間22からプラズマ処理空間1
3へ流出しやすいようになっている。
【0036】アノード部11の両面のうちプラズマ発生
チャンバ21との非隣接面(図では下面)には付加プレ
ート110(連通路延伸部材)が取り付けられている。
付加プレート110は、アノード部11の電極としての
機能を損なわないように金属等の導電性の物が用いら
れ、アノード部11の下面の中央部分を概ね覆うように
一回り小さな円板状に加工形成される(図1参照)。そ
して、数個のボルト111によってアノード部11に対
して密着状態で張り付けたように付加されるが、ボルト
111を抜けばアノード部11から剥がれる。これによ
り、この付加プレート110は、第2機構に対してプラ
ズマ処理空間13側から着脱可能に装着されるものとな
っている。
【0037】付加プレート110には、アノード部11
に装着した状態でアノード部11の連通口14と一致す
るところに同様の連通口が貫通形成される。これによ
り、この付加プレート110は、プラズマ発生空間22
とプラズマ処理空間13との連通路14を連通口延長部
114にて延伸させる連通路延伸部材となる。また、ア
ノード部11の処理ガス供給口15と一致するところに
も同様の連通口が貫通形成されて、アノード部11の処
理ガス供給口15も供給口延長部115にて延伸させる
ものとなっている。
【0038】そして、プラズマ処理空間13における低
温プラズマ10の密度が一般に中央部分が高くて周縁部
分が低くなりがちなことに基づいて、付加プレート11
0は、中央部分が厚くて周縁部分が薄くなるよう仕上げ
られる。これにより、この付加プレート110は、供給
口延長部115の長さが中央部分ほど長く中央から周縁
にかけて徐々に短くなるよう変化するものとなってい
る。
【0039】印加回路部は、RF電源31を中心とする
第1印加回路と、RF電源32を中心とする第2印加回
路とに分かれる。RF電源31は、その出力パワーが可
変のものであり、接地されたアノード部との間に交番電
界を印加するとともにバイアス電圧も発生させるため
に、その出力はブロッキングキャパシタを介してカソー
ド部12へ送給される(図1参照)。また、これには、
周波数500KHz〜2MHzのものがよく用いられ
る。これにより、第1印加回路は、低温プラズマ10の
強化に或る程度寄与する電界をプラズマ処理空間13に
印加するものとなっている。
【0040】RF電源32は、やはり出力パワーが可変
のものであり、プラズマ発生空間22を挟む両コイル2
4を駆動してプラズマ発生空間22に交番磁界を印加す
るようになっている(図2参照)。その最大出力パワー
は大きく、その周波数は13MHz〜100MHzとさ
れることが多い。これにより、第2印加回路は、高密度
プラズマ20の発生および強化に寄与する磁界をプラズ
マ発生空間22に印加するものとなっている。
【0041】この第1実施例のプラズマ発生装置につい
て、その使用態様及び動作を、図面を引用して説明す
る。図4は、真空チャンバへの装着状態を示す縦断面図
である。
【0042】使用に先だって、プラズマ発生装置のカソ
ード部12は、上が解放した箱状の真空チャンバ本体部
2の中央に設置され支持脚12aによって支持される。
真空チャンバ本体部2は、上部に真空チャンバ蓋部3が
開閉可能に取着され、底部または側部には真空圧制御用
の可変バルブ4を介在させてターボポンプ等の真空ポン
プ5が接続されている。真空チャンバ本体部2は、プラ
ズマ発生チャンバ21やアノード部11が取着され、水
冷も可能であり、これを閉めると、真空チャンバ本体部
2の内部さらにはプラズマ処理空間13及びプラズマ発
生空間22も密閉される。そして、真空ポンプ5を作動
させるとともに、プラズマ用ガス送給路23を介するプ
ラズマ用ガスAの供給,さらに処理ガス供給口15及び
供給口延長部115を介する処理ガスBの供給などを適
宜に開始すると、カソード部12上に乗載された被処理
物1に対するプラズマ処理の準備が調う。
【0043】次に、RF電源32を作動させると、プラ
ズマ発生空間22内にコイル24を介してRF電磁界が
印加され、プラズマ用ガスAの電子が激しく運動させら
れる。このとき、電子は、永久磁石片25による磁気回
路の働きによってプラズマ発生空間22に長く留まり、
環状空間内を螺旋運動しながら飛び回ってプラズマ用ガ
スAを励起させる。こうして、高密度プラズマ20が発
生するが、プラズマ発生空間22に封じられた電子には
イオン種生成に大きく寄与する10〜15eV以上の高
いエネルギーのものが多く含まれているので、高密度プ
ラズマ20はイオン種成分の比率が高い。
【0044】そして、プラズマ発生空間22で膨張した
高密度プラズマ20は、特にそのラジカル種およびイオ
ン種成分は、膨張圧力によってプラズマ発生空間22か
ら飛び出そうとするが、永久磁石25の磁力によってプ
ラズマ発生空間22の中央部へ押し戻され、膨張圧力が
高まると、相対的に磁力の弱い連通口14のところから
流れ出る。さらに膨張圧力が高まると連通口14及び連
通口延長部114のところからプラズマ処理空間13へ
速やかに流れ出る。その際、相対的に磁力の強いプラズ
マ発生空間22の側壁内面や底面に対しては押し戻され
て衝突が抑制されるので、壁面との衝突によるエネルギ
ー損失が少なくなり、プラズマの発生効率が高まるとと
もにそのほとんどが連通口14及び連通口延長部114
経由で流出する。
【0045】こうして、プラズマ発生空間22内で発生
した高密度プラズマ20は、その膨張圧力および磁力分
布の傾きに基づいて効率良くプラズマ処理空間13へ運
ばれるが、連通口14のところまでは及んでいた磁束線
26による束縛から連通口延長部114のところで解放
される。そして、進行方向から横へ即ち水平方向へ広が
るのであるが、連通口延長部114の径以上に広がった
部分は(図3の二点鎖線部分を参照)、連通口延長部1
14の内壁に衝突して、プラズマエネルギーを付加プレ
ート110に奪われ、かなりの割合でプラズマから通常
のガス状態に戻ってしまう。
【0046】そして、連通口延長部114が長いとその
割合も高まるが、連通口延長部114は中央部が長くて
周辺が短くなっているので、プラズマ発生空間22内で
発生した高密度プラズマ20は、プラズマ処理空間13
への供給に際して、中央部ほど強く抑制されるのに対し
周辺部では抑制されずに総て供給される。こうして、付
加プレート110が無ければプラズマ処理空間13にお
ける低温プラズマ10の密度に関して中央部分が高く周
縁部分が低くなってしまうところが、周縁部分に対して
重点的に高密度プラズマ20の供給がなされるので、プ
ラズマ処理空間13内のプラズマ密度は全域に亘って均
一化されることとなる。
【0047】また、RF電源31を作動させると、プラ
ズマ処理空間13にもアノード部11及びカソード部1
2を介してRF電界が印加される。こちらには電子を封
じ込める磁気回路等がないので、処理ガスB等が励起さ
れても高密度プラズマができないで、低温プラズマ10
となる。RF電源31からのパワーだけの場合、低温プ
ラズマ10は、10〜15eV以上のエネルギーを持っ
た電子が少ないので、ラジカル種成分の比率が高くな
る。もっとも、この装置における低温プラズマ10の場
合は、上述の高密度プラズマ20が混合されるので、実
際のラジカル種成分とイオン種成分との比率は、両者の
中間における何れかの比率となる。
【0048】そして、RF電源32の出力をアップさせ
ると、プラズマ発生空間22内における10〜15eV
以上の電子が増える。そして、高密度プラズマ20の生
成量が増加する。その混合の結果、低温プラズマ10
は、イオン種成分の割合が引き上げられる。一方、RF
電源32の出力をダウンさせると、プラズマ発生空間2
2内における10〜15eV以上の電子が減ってくる。
そして、高密度プラズマ20の生成量が減少する。その
混合の結果、低温プラズマ10は、イオン種成分の割合
が引き下げられる。
【0049】さらに、RF電源31の出力をアップさせ
る一方でRF電源32の出力を少しダウンさせると、次
のようになる。先ずRF電源31の出力アップによって
プラズマ処理空間13における電子密度が高密度および
高エネルギー側に移行し、プラズマ処理空間13内の低
温プラズマが増える。これによってそこのラジカル濃度
が上がるのだが、同時にイオン比率も少し上がる。次
に、RF電源32の出力ダウンによってプラズマ発生空
間22における電子密度が低密度および低エネルギー側
に移行し、プラズマ発生空間22内の高密度プラズマが
少し減る。これによってそこのラジカル濃度およびイオ
ン比率が下がるが、こちらは高エネルギー成分が元々大
きいので少しの出力ダウンであってもイオン比率が大き
く下がる。そして、このような高密度プラズマ20がプ
ラズマ処理空間13内の低温プラズマ10に混合される
と、イオン比率の増減が概ね相殺される一方ラジカル濃
度は増加する。すなわち、低温プラズマ10は、ラジカ
ル種成分とイオン種成分との比率があまり変わらずにプ
ラズマ濃度が引き上げられる。同様にして、RF電源3
1,32の出力を逆方向にアップ・ダウンさせると、低
温プラズマ10のプラズマ濃度が引き下げられる。
【0050】こうして、低温プラズマ10は、容易にラ
ジカル種成分とイオン種成分との比率が広範囲に亘って
可変制御される。また、この装置では、プラズマ発生空
間22の横断面積がプラズマ処理空間13の横断面積よ
りも遥かに小さくなっていて、第1比が第2比より桁違
いに小さいことから、高密度プラズマ20がプラズマ発
生空間22からプラズマ処理空間13へ速やかに送り出
されるうえに、そもそもプラズマ処理空間13からプラ
ズマ発生空間22へ逆流して入り込むガス量が少ないの
で、処理ガスBが高密度プラズマ20で直接に励起され
て不所望なまで分解・電離するということはほとんど無
くなる。
【0051】ところで、このようなプラズマ処理の施さ
れた被処理物1を検査した結果、その処理状態に斑等が
あって均一度が満足できる状態で無い場合は、次のよう
にして微調整が行われる。先ず被処理物1の処理面につ
いてプラズマ処理の不足しているところを適宜濃淡等も
つけてマーキングする。それから、ボルト111を抜い
て付加プレート110をアノード部11から外し、付加
プレート110の下面へ被処理物1のマークを転写す
る。この転写は、拡縮が不要なので、柔らかいフィルム
等を用いて簡単に行える。そして、転写マークを目印に
して付加プレート110の下面に対して追加工を施し、
その後、付加プレート110をアノード部11へ戻す。
【0052】こうして、付加プレート110の各所の厚
さを調整することで容易に、プラズマの密度分布が均一
になるよう調節され、プラズマ処理の均一度が向上す
る。また、一回の調整で足りない場合は同様の調整を繰
り返すことで確実に、プラズマ処理を均一なものにする
ことができる。なお、縦断面台形の上部磁石25aや断
面矩形の下部磁石25bは、単純な凸多角形をしている
ので、加工して形成することも容易である。
【0053】
【第2実施例】本発明のプラズマ発生装置の第2実施例
について説明する。図5は、その要部の縦断面拡大図で
あり、上述の図3に対応するものである。このプラズマ
発生装置が上記第1実施例のものと相違するのは、上部
磁石25aに代えて一対の上部磁石25c,25dが設
けられている点と、プラズマ発生空間22の外側壁21
bが斜めに形成されプラズマ発生空間22が奥(図では
上方)に行くほど狭くなっている点と、これに対応して
プラズマ発生空間22の側壁内側も全体が傾斜内側面2
1cになっている点と、連通口14及び連通口延長部1
14が大きく拡げられてその内側面が傾斜内側面21c
の延長面となっている点である。これにより、プラズマ
発生空間が隣接部や連通部も含めてプラズマ処理空間へ
向けて拡幅しているものとなっている。
【0054】上部磁石25cは、縦長の単純な矩形形状
のものであり、真っ直ぐに立てた状態で磁化方向が水平
になるよう磁化されている。上部磁石25dも同様であ
るが、これらは、同心環状のプラズマ発生空間22間へ
の設置に際し、横に並べられるとともに、V字状に下方
が狭くて上方が広くなるように、互いに逆向きで斜めに
セットされる。これにより、これらの磁性部材25c,
25dは、プラズマ発生空間22に向けたその側面が、
プラズマ発生空間の側壁面と平行で無く、プラズマ発生
空間とプラズマ処理空間との隣接面に直交しているもの
でも無く、さらに磁化方向も水平で無くて、形状および
磁化方向が共に傾斜したものとなっている。
【0055】この場合、プラズマ発生空間22を中心に
据えてそれを両側から挟む上部磁石25c,25dにつ
いて見れば、ハの字状に上方が狭くて下方が広いので、
プラズマ発生空間22の奥すなわち上方では磁束線が強
くて密になるのに対し、アノード部11側の下方では磁
束線が相対的に弱くて粗になる。そして、そのような磁
力の傾斜状態は、上部磁石25c,25dから磁束線が
斜めに出ることによって一層強調される。
【0056】こうして、この場合も、プラズマ発生空間
22内で発生した高密度プラズマは、その膨張圧力およ
び磁力分布の傾きに基づいて効率良くプラズマ処理空間
13へ運ばれる。しかも、下部磁石25bばかりか上部
磁石25c,25dも断面矩形の単純な形状をしている
ので、容易に製造することができる。
【0057】また、プラズマ発生空間が隣接部や連通部
も含めてプラズマ処理空間へ向けて拡幅していることか
ら、上部磁石25c,25dの傾斜が更に大きくなって
磁性部材の傾斜によるプラズマ発生空間22からプラズ
マ処理空間13へのプラズマ供給効率が一層強化される
ことに加え、高密度プラズマ20がプラズマ発生空間2
2からプラズマ処理空間13へ流れ出る際に、連通口1
4及び連通口延長部114によって絞られること無く、
傾斜内側面21cや連通口14及び連通口延長部114
の拡がりに沿うように当初から広がって運ばれる。
【0058】しかも、その際、やはり連通口延長部11
4のところで磁力の束縛から解放された高密度プラズマ
20は、さらに横へ大きく広がるので、連通口延長部1
14が狭く無くても、連通口延長部114の長さに応じ
た割合で連通口延長部114の内壁に衝突して、プラズ
マから通常のガス状態に戻される(図5の二点差線を参
照)。
【0059】こうして、連通口延長部114の長さに応
じてプラズマ発生空間22からプラズマ処理空間13へ
のプラズマ供給量を各所できめ細かく調節するという機
能を損なうこと無く、プラズマ密度の薄い処理ガス供給
口15及び供給口延長部115直下のところへも高密度
プラズマが斜めに流れ込んで速やかに混合・拡散される
ので、プラズマ処理空間13内の低温プラズマ10は、
アノード部11付近でも斑が少なく、被処理物1の置か
れるカソード部12付近では更に均一な状態となる。そ
の結果、良質のプラズマが効率良く供給されてもプラズ
マの分布状態が均一に保たれるので、良質のプラズマ処
理が効率良く行われることとなる。
【0060】なお、以上の実施例では、供給口延長部1
15の内径が処理ガス供給口15の内径と同じになって
いるが、供給口延長部115の形状はこれに限定するも
ので無く、例えば供給口延長部115の内径が処理ガス
供給口15の内径より大きくなっていたり、テーパ状・
ラッパ状に形成されていても良い。また、上述の付加プ
レート110は単板から成っているが、連通路延伸部材
は、単一部材に限定されるもので無く、連通路延長部1
14の形状を確保しうるものであれば、複数個に分割さ
れ、各連通口14ごとに分散して設けられていても良
い。
【0061】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の第1の解決手段のプラズマ発生装置にあっては、プラ
ズマ発生空間と磁性部材との形状や配置を工夫してプラ
ズマ発生空間とプラズマ処理空間との断面積比が変わる
とともに磁力の弱まるプラズマ処理空間側でプラズマ供
給量を調節するようにしたことにより、プラズマ処理空
間からプラズマ発生空間へのガスの流入を阻止して良質
のプラズマを供給するとともに連通路の延び具合を調整
するだけで容易にきめ細かな調節が行えて、その結果、
良質のプラズマを均一に供給するプラズマ発生装置を実
現することができたという有利な効果が有る。
【0062】また、本発明の第2の解決手段のプラズマ
発生装置にあっては、連通路延伸部材をプラズマ処理空
間側に付加したものであっても、きめ細かな調節を直感
に基づいて楽に行えるようにしたことにより、良質のプ
ラズマを均一に供給するに際して調節の容易なプラズマ
発生装置を実現することができたという有利な効果を奏
する。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のプラズマ発生装置の第1実施例につ
いて、その主要部の縦断面図である。
【図2】 そのプラズマ発生空間周りの縦断面斜視図
である。
【図3】 そのうち一のプラズマ発生空間についての
拡大図である。
【図4】 真空チャンバへの装着状態を示す断面図で
ある。
【図5】 本発明のプラズマ発生装置の第2実施例につ
いて、そのプラズマ発生空間の縦断面拡大図である。
【符号の説明】
1 被処理物 2 真空チャンバ本体部 3 真空チャンバ蓋部 4 可変バルブ 5 真空ポンプ 10 低温プラズマ 11 アノード部(第1機構;第1印加回路) 12 カソード部(第1機構;第1印加回路) 13 プラズマ処理空間 14 連通口(連通路) 15 処理ガス供給口 20 高密度プラズマ 21 プラズマ発生チャンバ(第2機構) 21a ガス配給部材(第2機構) 21b 傾斜外側面 21c 傾斜内側面 22 プラズマ発生空間 23 プラズマ用ガス送給路 24 コイル(第2印加回路) 25 永久磁石(磁気回路用の磁性部材) 25a 上部磁石 25b 下部磁石 25c 上部磁石 25d 上部磁石 26 磁束線(磁気回路) 31 RF電源(第1印加回路) 32 RF電源(第2印加回路) 110 付加プレート(連通路延伸部材) 111 ボルト(締結具、装着手段) 114 連通口延長部(連通路延長部) 115 供給口延長部 A アルゴンガス(非反応性ガス、プラズマ生成用
ガス) B CF系ガス(反応性ガス、処理ガス)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 H01L 21/302 B (72)発明者 野沢 俊久 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 釘宮 敏洋 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 (72)発明者 西塚 哲也 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5−5 株 式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラズマ処理空間が形成された第1機構
    と、前記第1機構に取着して又はそれと一体的に設けら
    れプラズマ発生空間が形成された第2機構とを具え、前
    記プラズマ発生空間が前記プラズマ処理空間に隣接し且
    つ連通しているプラズマ発生装置において、 前記プラズマ発生空間が線状に形成されており、且つ、
    前記プラズマ発生空間を挟んで磁性部材が付設されてい
    るとともに、前記プラズマ発生空間と前記プラズマ処理
    空間との連通路を延伸させる連通路延伸部材が前記プラ
    ズマ処理空間側に付加されていることを特徴とするプラ
    ズマエッチング装置。
  2. 【請求項2】前記連通路延伸部材は、前記第2機構に対
    して着脱可能に装着されているものであることを特徴と
    するプラズマ発生装置。
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