JP3881307B2 - プラズマ処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造に用いられるプラズマ処理装置やTFTパネルの製造に用いられる有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置等に関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAMやマイクロプロセッサ等の半導体装置やTFTパネル等の製造工程において、弱電離プラズマを用いたプラズマプロセシングが広く用いられている。プラズマプロセシングではプラズマ中で生成されたイオンやラジカルをウエハ等の被処理体に照射することによりエッチングや成膜等の所定の処理を行っている。
【0003】
プラズマ処理装置に用いられるプラズマ源には放電方式によって様々な種類がある。特に有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ源としては、ECR(Electron Cyclotron Resonance)プラズマ源、ヘリコン波プラズマ源、NLD(Neutral Line Discharge)プラズマ源等が挙げられる。これらのプラズマ源は、磁場と電場の相互作用によってプラズマを生成する方式である。また、プラズマは磁力線に沿って輸送されるため、プラズマ処理室内に略鉛直方向に形成された磁場によってプラズマの生成と輸送を制御することでプラズマの分布を制御することができる。
【0004】
平行平板型のECRプラズマ処理装置では、UHF帯の電磁波放射電力が電磁波放射アンテナに投入され、電場と磁場によって電子のサイクロトロン周波数と電磁波の周波数を共鳴させ、低ガス圧条件で効率よくプラズマを生成している。また、プラズマ中のラジカルを制御するため、電磁波放射アンテナには電磁波放射電力の他に13.56MHzのRF電力が投入されている。また、被処理体に入射するイオンのフラックスやイオンの入射エネルギーを制御するため、被処理体載置電極には800kHzのRF電力が投入されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−250815号公報
【0006】
このような有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置では、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性は、電磁波放射アンテナに投入される電磁波放射電力と、電磁波放射アンテナに投入されるRF電力と、被処理体載置電極に投入されるRF電力と、被処理体載置電極と電磁波放射アンテナとの距離、及び磁場分布によって大きく決定される。これらの要素のうち電磁波放射アンテナに投入される電磁波放射電力と、電磁波放射アンテナに投入されるRF電力と、被処理体載置電極に投入されるRF電力と、被処理体載置電極と電磁波放射アンテナとの距離は目的とするプラズマ処理によってほとんど決定されてしまう場合が多い。
【0007】
そのため、例えば上記の平行平板型のECRプラズマ処理装置では、磁場強度の調整によりサイクロトロン共鳴によるプラズマ生成の位置を制御し、また、磁力線が被処理体に向かった形状となっており、磁力線の形状により生成されたプラズマの輸送を制御している。有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置はこのようにプラズマ分布の制御の自由度が高いことが特徴である。
【0008】
図7を用いて、前記特許文献1に示されている平行平板型ECRプラズマ処理装置の概略構成を説明する。平行平板型ECRプラズマ処理装置は、プラズマ処理室1と、電磁波放射アンテナ2と、被処理体載置電極3と、複数の磁場コイル9A,9Bと、ヨーク10を有して構成される。電磁波放射アンテナ2には、電磁波放射電源4Aが整合器5Aを介して、RF電源4Bが整合器5Bを介して接続される。電極3には被処理体6が載置され、RF電源7が整合器8を介して接続される。
【0009】
プラズマ処理室1には、略円板状の電磁波放射アンテナ2と被処理体載置電極3が平行に対向して設置されている。電磁波放射アンテナ2にはプラズマ生成のための電磁波放射電源4Aが整合器5Aを介して接続され、プラズマ中のラジカルを制御するため、電磁波放射電源のほかRF電源4Bが整合器5Bを介して電磁波照射アンテナ2に接続されている。被処理体載置電極3には、被処理体6に入射するイオンのフラックスやイオンの入射エネルギーを制御するため、RF電源7が整合器8を介して接続されている。また、電子サイクロトロン共鳴、及び磁場によるプラズマの輸送制御のため、複数の磁場コイル9A,9Bとヨーク10が設置されている。
【0010】
このプラズマ処理装置では、磁場コイルが複数個あるために様々な磁場制御が可能である。しかし、磁場コイルが1つのヨーク内部にまとまって入っているために、ある1つの磁場コイルの電流を変化させると、他のコイルが形成している磁場にも影響してしまい、ヨーク体系全体の磁場分布が変化するため、局所的な磁場分布をきめこまかく制御するには限界がある。
【0011】
プラズマ処理装置における磁場分布の状況を、図2(a)を用いて説明する。図2(a)は、図7中に示したヨーク体系及び磁力線の形状の概要を示している。図に示してあるように、例えば磁場コイル9Aは磁場コイル9Bの下方にも磁場14Aを生成しており、磁場コイル9Aの電流を変化させると、自分自身の下方の磁場分布を変化させるだけでなく、隣接する磁場コイル9Bの下方の磁場14B分布も変化させてしまう。このような場合、磁場分布をコイル毎に独立して制御することが困難であるので、磁場分布の局所的な制御によってプラズマの分布を局所的にきめこまかく制御することが難しく、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めることに限界があった。
【0012】
被処理体の面内におけるプラズマ処理が均一となる条件は、おおむねイオン密度やラジカル密度等のプラズマパラメータが均一な場合である。しかし、プラズマ処理は、イオン密度やラジカルの密度のほか、プラズマ処理の結果被処理体から放出される反応生成物の密度によっても決定され、プラズマ処理速度が被処理体面内で均一であれば、反応生成物の密度は中心付近で高くなるため、これを補うようにプラズマの分布を調整する必要があり、厳密にはイオン密度やラジカル密度が均一であればよいとも限らない。そのため、プラズマ処理の条件によって、イオン密度やラジカル密度に適度な分布を持たせることも必要になる。
【0013】
また、半導体装置の微細化や、被処理体の大口径化が進んでおり、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めることが求められている。そのため、イオン密度やラジカル密度の分布を精度よく且つ局所的な分布を持たせてきめこまかく制御できることが求められている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記課題を考慮し、詳細な磁場分布の制御によってプラズマ分布をきめこまかく制御し、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めることを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、プラズマ処理室と、プラズマ処理室に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、プラズマ処理室を減圧する真空排気手段と、被処理体載置電極と、電磁波放射電源と、電磁波放射アンテナと、プラズマ処理室内に略鉛直方向の磁場を形成する複数の磁場コイルと、ヨークとを有する有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置において、ヨークを磁場コイル毎に分離し、その間に非磁性体の材料を配置することによって、プラズマ処理室内の局所的な磁場分布を独立に制御できるようにし、これによってプラズマの分布を局所的にきめこまかく制御できるようにしたことにある。
【0016】
本発明の他の特徴は、プラズマ処理室と、プラズマ処理室に処理ガスを供給する処理ガス供給手段と、プラズマ処理室を減圧する真空排気手段と、被処理体載置電極と、電磁波放射電源と、電磁波放射アンテナと、プラズマ処理室内に略鉛直方向の磁場を形成する複数の磁場コイルと、ヨークとを有する有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置において、各磁場コイル間に仕切りを設置し、該仕切りについて、適当な透磁率を有する材料に置き換えるようにすることにより、プラズマ処理室内の磁場の局所的な制御性を調整できるようにしたことによって、従来のヨーク体系と比べて局所的な磁場分布の独立制御性を高め、プラズマの分布の制御性を向上させたことにある。
【0017】
本発明の他の特徴は、上記の特徴を備えたプラズマ処理装置であって、磁場分布の局所的な制御によって、プラズマの生成とプラズマの輸送をきめこまかく制御し、これによって被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を制御することにある。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかるプラズマ処理装置の第1の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、平行平板型ECRプラズマ処理装置において本発明を適用した第1の実施の形態を示している。図1の基本的な構成は、前述の図7と類似している。
【0020】
本発明にかかるECRプラズマ処理装置は、プラズマ処理室1と、図示を省略した処理ガス供給手段と、図示を省略した真空排気手段と、電磁波放射アンテナ2と、被処理体載置電極3と、電磁波放射電源4Aと、RF電源4Bと、整合器5Aと、整合器5Bと、RF電源7と、整合器8と、複数の磁場コイル9A,9Bと、分離されたヨーク10A,10Bと、非磁性体11を有して構成される。同図において、矢印13は電場を示し、ヨーク10の端部からの曲線14A,14Bは磁力線を示している。
【0021】
ここで、本実施の形態における装置の図7に示した従来例との違いは、ヨーク体系にある。本実施の形態で示したヨーク体系は、ヨーク10を各磁場コイル9A,9B毎にヨーク10A,10Bに分離し、両ヨークの間に非磁性体11を配置することによって、一方の磁場コイル9Aが作る磁場14Aが、隣の磁場コイル9Bが作る磁場14B分布に影響しないようにした点に特徴を有している。
【0022】
プラズマ処理室1には、プラズマ処理室1に処理ガスを供給する処理ガス供給手段(図示を省略)が設置され、処理ガスをプラズマ処理室1に導入する。また、プラズマ処理室1には、該プラズマ処理室1を減圧する図示を省略した真空排気手段が設置され、処理ガスを流した状態で、プラズマ処理室1内を所定の圧力に維持することができる。
【0023】
さらに、プラズマ処理室1には、略円板状の電磁波放射アンテナ2と、被処理体載置電極3が平行に対向して設置されている。略円板状の電磁波放射アンテナの大きさは、被処理体の大きさとほぼ同等かあるいは若干大きいものとし、材料はアルミニウム合金、黒鉛、ガラス状炭素、シリコン等を用いることが望ましい。
【0024】
電磁波放射アンテナ2には、プラズマ生成のための電磁波放射電源4Aが整合器5Aを介して接続されている。該電磁波放射電源4Aの周波数は電子サイクロトロン共鳴のため、磁場強度との兼ね合いで決定される。例えば、電磁波放射電源の周波数が450MHzであれば、プラズマ生成領域の磁場を160GaussとするとECRによる加熱の効果が最大となる。
【0025】
プラズマ中のラジカルを制御するため、電磁波放射アンテナ2には、電磁波放射電源4Aの他にRF電源4Bが整合器5Bを介して接続されている。該RF電源4Bの周波数は数百kHz〜十数MHz程度とする。
【0026】
被処理体載置電極3には、被処理体6に入射するイオンのフラックスやイオンの入射エネルギーを制御するため、RF電源7が、整合器8を介して接続されている。該RF電源7の周波数は、該RF電源がプラズマ生成には寄与しないようにするため、数百kHz程度とする。
【0027】
磁場コイル9A,9Bに流れる電流は、それぞれ独立して制御できるようにされている。
【0028】
また、磁場と電場の相互作用による電子サイクロトロン共鳴、及び磁場によるプラズマの輸送制御のため、独立した複数の磁場コイル9A,9Bとヨーク10A,10Bが設置されている。
【0029】
本実施の形態におけるヨーク体系が作る磁力線の概要を、図2(b)を用いて説明する。同図に示すように、この実施の形態においては、各磁場コイル9A,9Bによって生成される磁力線14A,14Bは、それぞれ磁性体のヨーク10A,10B内を優先的に通るため、例えば磁場コイル9Aが作る磁力線14Aの形状は、図2(a)に示した従来のヨーク体系における磁力線形状とは異なり、該コイルの下方のみに磁場が生成されることが分かる。すなわち、適当な1つの磁場コイルの電流を変化させることによって、局所的な磁場分布を独立に変化させることができる。
【0030】
なお、ヨーク10A,10B間には必ずしも非磁性体11が配置されている必要はなく、ヨーク間に十分な隙間がある状態としてもよい。また、非磁性体11を適当な透磁率を有する材料で置き換えることにより、各磁場コイルによる局所的なプラズマ分布の独立制御性を調整することができる。
【0031】
また、図1では磁場コイルを2つ有するプラズマ処理装置を示してあるが、磁場コイルの個数は3つ以上でもよい。
【0032】
被処理体の面内におけるプラズマ処理の分布制御は、磁場コイル9A,9Bによって生成される磁場によってプラズマの分布を制御して行う。例えば、電磁波放射アンテナ2直下に生成されるプラズマの密度を局所的に高めるためには、ECRの加熱効果が高くなるように局所的に磁場を調整し、逆に局所的なプラズマ密度を低下させるためには、該領域の磁場を局所的に弱くすればよい。ただし、プラズマ処理の速度等は電磁波放射アンテナ2直下で生成されたプラズマの分布と、電磁波放射アンテナ2直下から被処理体6までのプラズマの輸送と、さらにはプラズマ処理の結果生成された反応生成物の密度分布等によって決定されるため、プラズマ処理の局所的な分布制御において、局所的に磁場を強くするか、あるいは磁場を弱くするかは、プラズマ処理の条件によって異なる。
【0033】
図7に示した従来のヨーク体系では、このような様々な処理条件に対して、必ずしも最適な磁場形状を形成することができなかったが、本実施の形態によれば、局所的に最適化された磁場を形成できるので、プラズマ処理の均一性を大幅に向上させることが可能になる。
【0034】
図3に、本実施の形態で示したヨーク体系を有する平行平板型のECRプラズマ処理装置を用いて、SiO膜のエッチングを行った結果を実線で示す。電磁波放射アンテナ2には450MHzの周波数の電磁波放射電力、及び13.56MHzの周波数のRF電力を投入し、また被処理体載置電極3には800kHzの周波数のRF電力を投入した。処理ガスにはAr、C、Oの混合ガスを用い、流量はそれぞれ500sccm、15sccm、10sccmとした。プラズマ処理室内の圧力は2Paとした。
【0035】
図3には、比較のため、上記と同一の条件において従来のヨーク体系を用いた場合のエッチング結果を細い破線で示してある。図3から、本実施の形態で示したヨーク体系を用いた場合の方が、従来のヨーク体系を用いた場合と比べて、プラズマ分布を局所的にきめこまかく制御できるので、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めるられることがわかる。
【0036】
次に、本発明の第2の実施の形態について、図面を参照して説明する。図4は、平行平板型のECRプラズマ処理装置において本発明を適用した第2の実施の形態を示している。
【0037】
本実施の形態にかかるヨーク10は、図7に示した従来技術と異なり、磁場コイル9A,9B間には、磁性体の仕切り12が設けられている。その他の点では、図1に示した構成とほぼ同様に構成されているので、図1と重複する部分の説明は省略する。
【0038】
この場合の磁力線の形状について図2(c)を用いて説明する。ヨーク全体が磁気的につながっているため、例えば磁場コイル9Aは磁場コイル9Bの下方にも、図2(a)の場合ほど強くないが磁場14を生成する。そのため、磁場コイル9Aの電流を変化させることによって該磁場コイル9A下方の磁場14Aを変化させると、隣の磁場コイル9Bの下方の磁場14B分布も若干変化する。すなわち、第1の実施の形態と比較すると、局所的な磁場分布の独立制御性は低下する。しかし、それでも従来のヨーク体系を用いた場合よりは、局所的な磁場分布をある程度独立に制御することが可能となっている。本発明の第2の実施の形態によるメリットは、発明の第1の実施の形態と比較して、構造が単純で、コストが安い点が挙げられる。
【0039】
なお、磁場コイル間に配置された磁性体の仕切り12は、適当な透磁率を有する材料に置き換えることによって、局所的な磁場の独立制御性の度合いを調整することができる。
【0040】
図3に、本発明の第1の実施の形態で述べたエッチング条件と同一の条件において、上記の本発明の第2の実施の形態で示したヨーク体系を用いて行ったエッチング結果を太い破線で示してある。局所的な磁場分布の独立制御性は、本発明の第1の実施の形態と比べて低下しているので、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性は本発明の第1の実施の形態と比べて低下している。しかし、それでも従来のヨーク体系を用いた場合と比べて、プラズマ分布を局所的にある程度きめこまかく制御できるので、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めるられることがわかる。
【0041】
上記の第1の実施の形態、及び第2の実施の形態は、平行平板型のECRプラズマ処理装置の場合であるが、本発明は磁場と電場の相互作用によってプラズマを生成し、さらに磁場によってプラズマの輸送を制御する有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置に広く適用することができる。
【0042】
その例として、次に、本発明の第3の実施の形態について図5を用いて説明する。図5は、第3の実施の形態として、ヘリコン波プラズマ処理装置に本発明を適用した一例を示している。ヘリコン波プラズマ処理装置は、プラズマ処理室1と、電磁波放射アンテナ2と,被処理体載置電極3と、石英管15と、電磁波放射電源4Aと、整合器5Aと、RF電源7と、整合器8と、複数の磁場コイル9A,9B,9Cと、複数のヨーク10A,10B,10Cと、複数の非磁性体11A,11Bとを有して構成される。
【0043】
電子サイクロトロン周波数より十分低い周波数の電磁波が電磁波放射電源4Aより整合器5Aを介して電磁波放射アンテナ2に印加され、石英管15を通してプラズマ処理室に導入される。そして、プラズマに導入された電磁波と磁場コイルが生成する磁場との相互作用によってヘリコン波プラズマが生成される。磁場強度と電磁波の周波数の典型的なパラメータは、約100Gaussの磁場に対して周波数は13.56MHzである。
【0044】
プラズマ処理室1には、被処理体載置電極3が設置され、被処理体6に入射するイオンのフラックスやイオンの入射エネルギー等を制御するためRF電源7が整合器8を介して被処理体載置電極3に接続されている。ヨーク体系については、磁場コイル9A,9B,9C間に磁性体の仕切り101A,101B1,101B2,101Cを設け、さらに異なるヨークの仕切りが隣接する間に非磁性体11A,11Bを配置することによって、ヨーク10A,10B,10Cを磁場コイル9A,9B,9C毎に磁気的に分離した構造としており、局所的な磁場分布を独立に制御することが可能となっている。これにより、プラズマの分布を局所的にきめこまかく制御することが可能となり、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めることができる。
【0045】
次に、第4の実施の形態を示す。図6は、例えば、特開平7−263192号公報に示されているNLDプラズマ処理装置に、本発明を適用した実施例である。
【0046】
NLDプラズマ処理装置は、プラズマ処理室1と、電磁波放射アンテナ2と、被処理体載置電極3と、電磁波放射電力4Aと、整合器5Aと、RF電源7と、整合器8と、三つの磁場コイル9C、9D、9Eと、磁場コイル9Fと、ヨーク10A,10Bと、被磁性体11と、円筒状側壁15と、電極17とを有して構成される
【0047】
このNLDプラズマ処理装置は、磁場コイル9C、9D、9Eによって磁場ゼロの磁気中性線16の高さ位置及び大きさを変化させることによって、プラズマ生成領域におけるプラズマの分布を制御し、さらには磁場コイル9Fの磁力線形状によってプラズマの輸送を制御し、被処理体の面内におけるプラズマ処理の分布制御を行う。
【0048】
プラズマ処理室1の上方に設けた石英から成る円筒状側壁15の外側には、NLDプラズマ生成のため三つの磁場コイル9C、9D、9Eが設置されている。磁場コイル9Cと磁場コイル9Eには同じ向きに電流を流し、磁場コイル9Dには磁場コイル9C及び磁場コイル9Eとは逆向きの電流を流すようにする。この場合、磁場コイル9Dの高さ付近に連続した円環状の磁場ゼロの磁気中性線16が形成される。また、プラズマ処理室1の外側には、プラズマの分布制御のため、さらに磁場コイル9Fが配置されている。ヨーク10A,10Bは、磁場コイル9C、9D、9Eと、9F間で磁気的に分離された構造となっている。ヨーク10A、10B間には、非磁性体11が介在している。このように磁場コイル9C〜9Eと、磁場コイル9Fによって形成される磁場が互いに影響を受けないにようにしたので、磁場コイル9C、9D、9Eによって生成される磁気中性線16を乱すことなく、磁場コイル9F付近の磁場を独立に制御することができる。
【0049】
磁場コイル9Dの高さ付近には、石英管15の周りに電磁波放射アンテナ2が設置されている。電磁波放射アンテナ2には電磁波放射電力4Aが整合器5Aを介して接続されており、電磁波放射電力の周波数は例えば13.56MHzとする。プラズマ処理室1の上部には電極17が設けられており接地されている。プラズマ処理室1の下部には被処理体載置電極3が設置されており、被処理体6に入射するイオンのフラックスやイオンの入射エネルギーを制御するため、RF電源7が整合器8を介して電極3に接続されている。
【0050】
磁場コイル9C、9D、9Eによって磁気中性線の高さ位置及び大きさを変化させることによって、プラズマ生成領域におけるプラズマの分布を制御し、さらには磁場コイル9Fの磁力線形状によってプラズマの輸送を制御し、被処理体の面内におけるプラズマ処理の分布制御を行う。
【0051】
以上、各種プラズマ源について例を挙げて説明したが、本発明はこれらのプラズマ源への適用に限定されることはなく、有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置に広く適用することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では複数個の磁場コイルとヨークを有する有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置において、適当な1つの磁場コイルの電流を調整することよって、局所的な磁場分布を独立に制御することが可能となる。これにより、プラズマの分布を局所的にきめこまかく制御することが可能となるため、被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を平行平板型ECRプラズマ処理装置に適用した第1の実施の形態の概略図。
【図2】本発明を適用した場合と従来方式の磁力線形状の比較を示す概略図。
【図3】本発明を適用した場合と従来方式におけるエッチング結果の比較を示す図。
【図4】本発明を平行平板型ECRプラズマ処理装置に適用した第2の実施の形態の概略図。
【図5】本発明をヘリコン波プラズマ処理装置に適用した第3の実施の形態の概略図。
【図6】本発明をNLD型プラズマ処理装置に適用した第4の実施の形態の概略図。
【図7】従来の平行平板型ECRプラズマ処理装置の概略図。
【符号の説明】
1:プラズマ処理室、2:電磁波放射アンテナ、3:被処理体載置電極、4A:電磁波放射電源、4B:電磁波放射アンテナに接続されたRF電源、5A:電磁波放射電源のための整合器、5B:電磁波放射アンテナに接続されたRF電源のための整合器、6:被処理体、7:被処理体載置電極に接続されたRF電源、8:被処理体載置電極に接続されたRF電源のための整合器、9:磁場コイル、10:ヨーク、11:非磁性体、12:磁場コイル間に設置された磁性体の仕切り、13:電場、14:磁力線、15:石英、16:磁気中性線、17:接地電極

Claims (2)

  1. プラズマ処理室と、プラズマ処理室に処理ガスを供給する手段と、プラズマ処理室を減圧する真空排気手段と、被処理体を載置する電極と、電磁波放射電源と、電磁波放射アンテナと、プラズマ処理室内に鉛直方向の磁場を形成する複数の磁場コイルと、複数のヨークとを有する有磁場電磁波放射放電方式のプラズマ処理装置において、
    ヨークを磁場コイル毎に分離し、前記ヨークとヨークの間に非磁性体の材料を配置したことを特徴とするプラズマ処理装置。
  2. 請求項1に記載のプラズマ処理装置であって、
    局所的な磁場分布の制御によってプラズマの生成とプラズマの輸送を制御し、これによって被処理体の面内におけるプラズマ処理の均一性を制御することを特徴とするプラズマ処理装置。
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