JPH11250757A - 面状圧電体及び圧電スイッチ - Google Patents

面状圧電体及び圧電スイッチ

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Publication number
JPH11250757A
JPH11250757A JP6428498A JP6428498A JPH11250757A JP H11250757 A JPH11250757 A JP H11250757A JP 6428498 A JP6428498 A JP 6428498A JP 6428498 A JP6428498 A JP 6428498A JP H11250757 A JPH11250757 A JP H11250757A
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JP
Japan
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piezoelectric
planar
piezoelectric element
elastic member
switch
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Application number
JP6428498A
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English (en)
Inventor
Naoya Takehara
直也 竹原
Yasuo Sugimori
康雄 杉森
Toru Imai
徹 今井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hosiden Corp
Original Assignee
Hosiden Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧電スイッチにおいて、操作感触を高める。
操作量に関係なく確実に信号を出力させる。信号出力レ
ベルを高める。信号出力時の立ち上がり特性を向上させ
る。組立を簡単にする。 【構成】 キートップ20を付勢する面状の弾性部材3
0Aの表面に、面状の圧電素子30Bを密着して接合し
て、弾性部材30Aと圧電素子30Bが一体化された面
状圧電体30を形成する。面状圧電体30を、中央部が
キートップ20の側に凸状に湾曲する凸型とする。弾性
部材30Aと圧電素子30Bを接合する代わりに、圧電
素子30Bに弾性変形能を付与することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電スイッチ等に
使用される面状圧電体及びその面状圧電体を使用した圧
電スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】携帯機器等に使用される操作スイッチと
しては、従来は有接点スイッチが多用されていたが、こ
のスイッチは電気的な接点を有するためにゴミ、埃、油
汚れなどによる接触不良や、アークの発生による接点寿
命の低下を避けられず、周辺雰囲気によっては引火の危
険性もある。
【0003】これに対し、無接点スイッチは電気的な接
点を有しないために、接触不良や接点寿命低下、引火等
の危険性がなく、信頼性及び安全性に優れる。特に、圧
電素子を用いた圧電スイッチは、スイッチ自体が自己発
電し、無電源で信号出力が可能なために、省電力化を図
れるという特徴も有する。
【0004】図15は圧電スイッチの従来例を示す。図
15に示された従来の圧電スイッチは、特開昭58−2
7814号公報に記載されているものである。この圧電
スイッチは、下ケース1と、上ケース2と、ケース間に
挟まれてケース内に保持された弾性部材3及び圧電素子
4と、上ケース2内に収容されたキートップ5とを備え
ている。
【0005】弾性部材3は、表面に対してほぼ直角な方
向の外力に対して弾性変形する面状の高分子材又は金属
材からなり、上方のキートップ5を上方に付勢するため
に、中央部が操作方向に対して逆方向、即ち上方へ凸の
状態に湾曲した凸型にエンボス加工されている。弾性部
材3の下に設けられた圧電素子4は、分極処理を受け、
且つ両表面に電極を形成された平面状の圧電性材料から
なる。
【0006】弾性部材3による付勢力に抗してキートッ
プ5を下方に押圧操作すると、弾性部材3の主に凸部が
変形して下方の圧電素子4に接触し、圧電素子4の主に
中央部が変形することにより、圧電素子4に起電力が生
じる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の圧電
スイッチでは、凸型の弾性部材3を用いるために、操作
感触は良好である。しかし、その感触を確保するための
凸型に起因して、弾性部材3の操作部が下方の平坦な圧
電素子4から離反することになる。このため、操作する
ときの力の大きさによっては、圧電素子4が変形せず、
信号を出力しないという同期性の問題がある。
【0008】また、平坦な圧電素子4は、操作方向の変
形量に比べて歪量が本質的に少ないため、出力レベルが
低く、信号出力時の立ち上がり特性も良くないという出
力特性上の問題がある。
【0009】弾性部材3を平坦にして平坦な圧電素子4
と重ね合わせた形式の圧電スイッチは、特開昭49−3
9070号公報に記載されているが、このような圧電ス
イッチの場合は、同期性の問題はない反面、弾性部材3
が平坦であるために操作感触が良くない。更に、圧電素
子4の出力レベルが低く、信号出力時の立ち上がり特性
も良好とは言えない。
【0010】更に、いずれの圧電スイッチにおいても、
弾性部材3と圧電素子4が分離しているために、組立時
の工数が増加するという問題がある。
【0011】本発明はかかる事情に鑑みて創案されたも
のであり、圧電スイッチに使用して同期性の問題を解決
でき、且つ組立工数を低減できる面状圧電体を提供する
ことを目的とする。
【0012】本発明の別の目的は、圧電スイッチに使用
して操作感触を高め、しかも出力特性を改善できる面状
圧電体を提供することにある。
【0013】本発明の更に別の目的は、同期性の問題を
解決でき、且つ組立工数を低減できる圧電スイッチを提
供することにある。
【0014】本発明の更に別の目的は、操作感触が良好
で、しかも出力特性に優れた圧電スイッチを提供するこ
とにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の面状圧電体は、面状の圧電性材
料の両表面に電極が形成された1層又は複数層の圧電素
子を有しており、この圧電素子が、表面にほぼ直角な方
向の外力に対して弾性変形する面状の弾性部材の表面に
密着して接合された構成を採用する。
【0016】本発明に係る第2の面状圧電体は、面状の
圧電性材料の両表面に電極が形成された1層又は複数層
の圧電素子を有しており、この圧電素子が、表面にほぼ
直角な方向の外力に対して弾性変形する弾性変形能を有
する構成を採用する。
【0017】また、本発明に係る圧電スイッチは、スイ
ッチ操作に伴って信号を出力する信号出力部として、本
発明に係る第1及び第2の面状圧電体を使用したもので
ある。
【0018】本発明に係る第1及び第2の面状圧電体を
圧電スイッチの信号出力部に用いると、面状圧電体が押
圧操作されると同時に圧電素子が変形し、信号が出力さ
れる。
【0019】本発明に係る第1及び第2の面状圧電体に
おいては、少なくとも一部が、表面にほぼ直角な方向へ
凸状に湾曲した凸型の構成を採用するのが好ましい。こ
の構成によると、上方のキーキートップが凸部により効
果的に付勢される。また、キートップの操作に伴って凸
部が変形し、変形に伴う歪量が大きくなる。更に、圧電
素子の両面に形成される電極の面積も増大する。
【0020】弾性部材を使用する第1の面状圧電体の場
合、圧電素子は1枚の弾性部材の片面に接合されていて
もよいし、2枚の弾性部材の間にサンドイッチ状に挟み
込まれていてもよい。
【0021】ここにおける圧電素子としては、圧電性材
料が圧電性高分子フィルムからなるシート、又は圧電性
材料が圧電性セラミック層からなる積層膜を挙げること
ができる。圧電性材料が圧電性高分子フィルムからなる
シートは、1枚を使用するだけでなく、複数枚を積層し
て使用することができる。
【0022】また、弾性部材としては、弾性を有する面
状の高分子材又は金属材等を挙げることができる。
【0023】弾性部材を使用しない第2の面状圧電体の
場合、面状圧電体を構成する圧電素子としては、圧電性
材料が圧電性高分子フィルムからなるシートが、弾性変
形能を確保しやすい点から好ましい。このシートも、1
枚を使用するだけでなく、複数枚を積層して使用するこ
とができる。
【0024】いずれの面状圧電体においても、圧電素子
の電極間に接続されたツェナーダイオードと組み合わせ
ることが、出力安定化の点から好ましい。
【0025】また、面状圧電体の素子出力の取り出し構
造については、圧電素子の出力を外部に取り出すための
一対の外部端子と、圧電素子を貫通し一対の外部端子に
それぞれ接続された一対のリベット状の導電部材と、一
対の導電部材を圧電素子の両面に形成された電極の各一
方から絶縁するために、各導電部材と圧電素子の間に向
きを反転させて挿入された一対の環状でフランジ付きの
絶縁部材とを用いるものが、構造が簡単で好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1〜図8は本発明の第1実施形態
を示す。
【0027】本発明の第1実施形態に係る圧電スイッチ
は、図1及び図2に示すように、ケース10と、ケース
10内に収容されたキートップ20と、キートップ20
の下方に位置してケース10内に保持された面状圧電体
30と、ケース10の下方へ突出した一対の外部端子4
0,40とを備えている。
【0028】ケース10は、下ケース11とこれに重ね
合わされた上ケース12とからなる。下ケース11の上
面には、スイッチ操作による面状圧電体30の変形を妨
害しないために、凹部が形成されている。上ケース12
は、キートップ20を収容するための空間を内側に形成
する環状体である。
【0029】上ケース12内に収容されたキートップ2
0は、上段の中径部と中段の大径部と下段の小径部とか
らなる。中径部は、上端部分を上ケース12の上方へ突
出させた操作部である。大径部は、上ケース12に係合
する抜け止め部である。小径部は、後述する面状圧電体
30に上方から弾性的に接触し、これにより、キートッ
プ20は上方に付勢されている。
【0030】面状圧電体30は円形の薄板であり、より
具体的には面状の弾性部材30Aを上に、同じく面状の
圧電素子30Bを下にして両者を接合した円形の積層薄
板である。この円板型の面状圧電体30は、周辺部を除
く部分が上方(弾性部材30Aの側)へ球面状に湾曲し
た凸型であり、その周縁部が下ケース11と上ケース1
2の間に把持されることにより、面状圧電体30はケー
ス10内に水平に保持されている。
【0031】ここで、弾性部材30Aは、PET(ポリ
エチレンテレフタレート)等の高分子樹脂からなるフィ
ルム、又は金属薄板等により構成されており、その中央
部が上方へ凸の状態に丸く湾曲する凸型にエンボス加工
されている。そして、この凸型形状により、弾性部材3
0Aは、上方のキートップ20を上方へ付勢している。
また、圧電素子30Bは、後で詳しく説明するが、面状
の圧電性材料の両面に薄膜の電極を形成し、且つ分極処
理を行った積層体であって、弾性部材30Aと同様に、
中央部が上方へ凸の状態に丸く湾曲した凸型になってお
り、且つ、凸型の弾性部材30Aの下面(凹側の表面)
に全面にわたり密着して接合されている。
【0032】外部端子40,40は、図3に示すよう
に、下ケース11の周縁部上面に設けられた端子穴1
3,13に挿入され、各下部が各端子穴13の底部を貫
通して下ケース11の下方に突出している。端子孔1
3,13に対応して、面状圧電体30の弾性部材30A
には大径の貫通孔が設けられ、圧電素子30Bには小径
の貫通孔が設けられている。圧電素子30Bの各貫通孔
にはリベット状の導電部材41がそれぞれ装着されてお
り、各導電部材41と圧電素子30Bの間には、環状で
フランジ付の絶縁部材42がそれぞれ介装されている。
【0033】ここで、一方(図で左側)の絶縁部材42
は、フランジを下側に向けることにより、一方の導電部
材41を圧電素子30Bの下側の電極から電気的に絶縁
している。このため、一方の導電部材41は、圧電素子
30Bの上面側の電極とのみ電気的に接続されることに
なる。そして、一方の導電部材41と下方の外部端子4
0の間は接続線43によって接続されている。従って、
一方の外部端子40は、圧電素子30Bの上面側の電極
と電気的に接続されている。
【0034】これに対し、他方(図で右側)の絶縁部材
42は、フランジを上側に向けることにより、他方の導
電部材41を圧電素子30Bの上側の電極から電気的に
絶縁している。このため、他方の導電部材41は、圧電
素子30Bの下面側の電極とのみ電気的に接続されるこ
とになる。そして、他方の導電部材41と下方の外部端
子40の間は接続線43によって接続されている。従っ
て、他方の外部端子40は、圧電素子30Bの下面側の
電極と電気的に接続されている。
【0035】次に、面状圧電体30、即ち弾性部材30
Aと圧電素子30Bの積層体の製造方法を、図4〜図6
により説明するが、その製造方法が図4〜図6のものに
限定されないことは勿論である。
【0036】図4では、予め凸型に成形された弾性部材
30Aの凹側表面に、圧電素子30Bの一方の電極31
となる導電性薄膜を蒸着により被覆形成する。弾性部材
30の材料としては、前述した通り、PET(ポリエチ
レンテレフタレート)等の高分子樹脂からなるフィル
ム、又は金属薄板等を用いることができる。
【0037】一方の電極31の形成が終わると、その表
面に、圧電素子30Bの圧電性材料32として、PVD
F(ポリフッ化ビニリデン)系等の圧電性高分子材料を
蒸着により被覆する。また、圧電性高分子材料に代え
て、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウム、チタ
ン酸ジルコン酸塩等の圧電性セラミック材を蒸着により
被覆することもできる。
【0038】圧電素子30Bの圧電性材料32が被覆さ
れると、その表面に、圧電素子30Bの他方の電極31
となる導電性薄膜を蒸着により被覆形成する。
【0039】最後に、電極31,31を利用して、この
間に挟まれた圧電性材料32を分極処理する。上記蒸着
法としては、真空蒸着法やスパッタリング法等を用いる
ことができる。
【0040】以上の手順により、凸型の弾性部材30A
の凹側表面に凸型の圧電素子30Bが密着接合された面
状圧電体30が製造される。そして、製造された面状圧
電体30を、弾性部材30Aを上側、即ちキートップ2
0の側にしてキートップ20等と共にケース10内に組
み込むことにより、第1実施形態に係る圧電スイッチが
完成する。
【0041】図5では、予め凸型に成形された弾性部材
30Aの凹側表面に、予め凸型に成形された1枚又は複
数枚の圧電素子30Bを貼り付ける。もしくは予め凸型
に成形された弾性部材30Aの凹側表面に、フィルム状
の圧電素子30Bを弾性部材30Aの形状に沿うように
貼り付ける。圧電素子30Bは、PVDF(ポリフッ化
ビニリデン)系等の圧電性高分子フィルムからなる圧電
性材料の両面に電極を形成し、且つ分極処理を施したフ
ィルムタイプである。圧電素子30Bの貼り付け方法と
しては、熱溶着や接着等を用いることができる。予め凸
型に成形された弾性部材30Aの凹側表面に、予め凸型
に成形された1枚又は複数枚の圧電素子30Bを貼り付
ける場合、圧電素子30Bを凸型に成形する段階は、電
極を形成する前でもその形成の後でもよい。
【0042】図6では、凸型に形成する前の平坦な弾性
部材30A′の片面に、同じく凸型に形成する前の平坦
な1枚又は複数枚の圧電素子30B′を貼り付けた後、
その平坦な積層体を、弾性部材30Aの側を凸にして凸
型に成形する。圧電素子30Bは、PVDF(ポリフッ
化ビニリデン)系等の圧電性高分子フィルムからなる圧
電性材料の両面に電極を形成し、且つ分極処理を施した
フィルムタイプである。圧電素子30Bの貼り付け方法
としては、熱溶着や接着等を用いることができる。
【0043】図5や図6の方法によっても、凸型の弾性
部材30Aの凹側表面に凸型の圧電素子30Bが密着接
合された面状圧電体30が製造され、製造された面状圧
電体30をキートップ20等と共にケース10内に組み
込むことにより、第1実施形態に係る圧電スイッチが完
成する。
【0044】完成した圧電スイッチの機能は以下の通り
である。
【0045】キートップ20を下方に押し込むと、面状
圧電体30の凸部が下方に窪む。より具体的には、弾性
部材30Aの凸部が下方に窪むと同時に、弾性部材30
Aの凹側表面に接合されている圧電素子30Bの凸部が
下方に窪む。その結果、圧電素子30Bは、操作と同時
に、変形に伴う歪量に対応する起電力を生じ、これが外
部端子40,40間に現れる。
【0046】このように、本発明の第1実施形態に係る
圧電スイッチでは、キートップ20の押し込み伴って、
弾性部材30Aの凸部が下方に変形する。このため、平
坦な面状の弾性部材を押し込む場合よりも、操作感触が
良好である。
【0047】同様に、圧電素子30Bにおいても、その
凸部が下方に押し込まれる。このときの変形による歪量
は、平坦な圧電素子を同じ量だけ押し込んだ場合の歪量
より大きい。このため、起電力が大きくなり、その立ち
上がり特性も急峻となる。更に、凸部を形成することに
より電極面積が増大し、この点からも起電力が増大す
る。
【0048】加えて、圧電素子30Bは、キートップ2
0を付勢する弾性部材30の凹側表面に密着して接合さ
れている。このため、圧電素子30Bは、操作量の大小
に関係なく信号を確実に出力する。
【0049】また、スイッチ組立時における部品点数が
少なくなることにより、その組立が簡単となる。
【0050】図7は圧電素子30Bの出力波形を例示し
ている。この図に示すように、圧電素子30Bは優れた
出力特性を示す。なお、圧電素子30Bは、キートップ
20の操作時(押し込み時)だけでなく、その復帰時に
も信号を出力する。復帰時の信号出力を回避するために
は、図8に示すように、圧電素子30Bの電極31,3
1間にツェナーダイオード50を挿入すればよい。この
ツェナーダイオード50は、操作時の信号出力レベルを
安定化するのにも有効である。
【0051】一方、圧電素子30Bの電極31,31間
に倍出力回路を接続して、一方の信号出力を反転させて
他方の信号出力に重ね合わせれば、信号出力レベルをよ
り一層増大させることができる。
【0052】圧電素子30Bがフィルムタイプの場合
は、その枚数を調整することにより、出力レベルが簡単
に且つ広範囲に調整される。
【0053】図9は本発明の第2実施形態を示す。第2
実施形態に係る圧電スイッチでは、面状圧電体30にお
ける凸型の圧電素子30Bが、凸型の弾性部材30Aの
凸側表面、即ちキートップ20の側の表面に接合されて
おり、この点のみが第1実施形態に係る圧電スイッチと
比べて相違する。
【0054】このような圧電スイッチも、凸型の弾性部
材30Aに凸型の圧電素子30Bが密着して接合された
面状圧電体30を使用するので、第1実施形態に係る圧
電スイッチと同様に、操作感触が良好で、組立が簡単で
あり、しかも、圧電素子30Bは操作量に関係なく確実
に信号を出力し、その出力特性も良好である。
【0055】図10〜図12は本発明の第3実施形態を
示す。第3実施形態に係る圧電スイッチでは、凸型に成
形された2枚の弾性部材30A,30Aの間に、凸型の
圧電素子30Bをサンドイッチ状に挟み込んだ面状圧電
体30が使用されている。このような面状圧電体30
は、図4〜図6の方法により作製された弾性部材30A
と圧電素子30Bの積層体に、圧電素子30Bの側から
別の弾性部材30Aを貼り付けることにより作製され
る。また、一対の外部端子40,40は、第1実施形態
に係る圧電スイッチの場合と同様に、圧電素子30Bの
両面側の電極にそれぞれ接続されている。
【0056】このような圧電スイッチも、凸型の弾性部
材30Aに凸型の圧電素子30Bが密着して接合された
面状圧電体30を使用するので、第1実施形態及び第2
実施形態に係る圧電スイッチと同様に、操作感触が良好
で、組立が簡単であり、しかも、圧電素子30Bは操作
量に関係なく確実に信号を出力し、その出力特性も良好
である。
【0057】図13は本発明の第4実施形態を示す。第
4実施形態に係る圧電スイッチでは、面状圧電体30が
圧電素子30Bのみによって構成されている。ここにお
ける圧電素子30Bは、PVDF(ポリフッ化ビニリデ
ン)系等の圧電性高分子フィルムからなる圧電性材料の
両面に電極を形成し、且つ分極処理を施したフィルムタ
イプである。このフィルムとしては、1枚で所定の弾性
変形能が得られるように製造過程で厚み等を調整したも
のが使用されているが、所定の弾性変形能が得られるよ
うに、複数枚のフィルムや圧電素子30Bを貼り合わせ
て使用することもできる。その貼り合わせ方法として
は、熱溶着や接着等を用いることができる。
【0058】このような圧電スイッチは、凸型の圧電素
子30Bが弾性部材30Aを兼ねた面状圧電体30を使
用するので、第1実施形態、第2実施形態及び第3実施
形態に係る圧電スイッチと同様に、操作感触が良好で、
組立が簡単であり、しかも、圧電素子30Bは操作量に
関係なく確実に信号を出力し、その出力特性も良好であ
る。加えて、弾性部材30Aを省略したことにより、構
造も簡単である。
【0059】なお、上述の実施形態は、いずれもキート
ップ20を使用した圧電スイッチであるが、キートップ
20を使用しないメンブレンタイプの圧電スイッチにも
適用可能である。このタイプの圧電スイッチでは、操作
部がエンボス加工されたメンブレンが弾性部材30Aと
なり、その操作部裏面に、圧電素子30Bが密着して接
合される。
【0060】なお、上述した実施形態では、面状圧電体
30としては、圧電素子30Bが弾性部材30Aの全面
にわたって形成されたものを挙げたが、本発明はこれに
限定されることはない。弾性部材30Aの変形に応じて
変形する形状であれば、例えば、図14に示すように、
圧電素子30Bは、弾性部材30Aの全面にわたって形
成されず、ライン状に形成されるものであってもよい。
【0061】
【発明の効果】以上に説明した通り、本発明の請求項1
〜10に係る面状圧電体は、面状の圧電素子に弾性部材
が一体化された構成を採用するので、圧電スイッチに使
用して押圧操作時の力の大きさに関係なく確実に信号を
出力させることができ、しかも圧電スイッチの組立工数
を低減することができる。
【0062】これに加えて、請求項2及び9に係る面状
圧電体は、少なくとも一部を凸状に湾曲させた凸型の構
造を採用するので、圧電スイッチに使用してその操作感
触を良好ならしめると共に、信号出力レベルを増大さ
せ、更に、信号出力時の立ち上がり特性も向上させるこ
とができる。
【0063】また、請求項5及び10に係る面状圧電体
は、圧電素子として、圧電性材料が圧電性高分子フィル
ムからなるシートを使用するので、そのシートの枚数を
簡単に調整でき、その枚数の調整により、圧電素子の出
力レベルを簡単に且つ広範囲に変化させることができ
る。
【0064】また、請求項8〜10に係る圧電圧電体
は、圧電素子が弾性部材を兼ね、その弾性部材を省略で
きるので、圧電スイッチに使用してスイッチ構造を簡略
化できる。
【0065】本発明の請求項10〜14に係る圧電スイ
ッチでは、このような面状圧電体が使用されることによ
り、押圧操作時の力の大きさに関係なく確実に信号が出
力され、しかも組立工数が低減される。
【0066】特に、面状圧電体が凸型である場合は、操
作感触が良好となる上に、信号出力レベルが高くなり、
信号出力時の立ち上がり特性も良好となる。
【0067】圧電素子がシートタイプの場合は、そのシ
ートの枚数を簡単に調整でき、その枚数の調整により、
圧電素子の出力レベルが簡単に且つ広範囲に調整され
る。
【0068】また、請求項13に係る圧電スイッチで
は、圧電素子がその電極間に接続されたツェナーダイオ
ードと組み合わされているので、圧電素子の出力が安定
化する。
【0069】また、請求項14に係る圧電スイッチで
は、素子出力を外部に取り出すための一対の外部端子
が、圧電素子の一対の電極にそれぞれ単独で簡単に接続
されるので、その接続構造が簡略化される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る圧電スイッチの縦
断面図である。
【図2】同圧電スイッチの平面図である。
【図3】同圧電スイッチの端子構造を示すスイッチ下部
の縦断面図である。
【図4】同圧電スイッチに使用された面状圧電体の製造
方法の説明図である。
【図5】同圧電スイッチに使用された面状圧電体の別の
製造方法の説明図である。
【図6】同圧電スイッチに使用された面状圧電体のさら
に別の製造方法の説明図である。
【図7】同圧電スイッチに使用された面状圧電体の素子
出力特性を例示する波形図である。
【図8】同圧電スイッチの回路図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係る圧電スイッチの縦
断面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る圧電スイッチの
縦断面図である。
【図11】同圧電スイッチの端子構造を示すスイッチ下
部の縦断面図である。
【図12】同圧電スイッチに使用された面状圧電体の製
造方法の説明図である。
【図13】本発明の第4実施形態に係る圧電スイッチの
縦断面図である。
【図14】本発明に係る圧電スイッチに用いられる他の
面状圧電体の平面図である。
【図15】従来の圧電スイッチの縦断面図である。
【符号の説明】
10 ケース 11 下ケース 12 上ケース 20 キートップ 30 面状圧電体 30A 弾性部材 30B 圧電素子 31 圧電素子30Bの電極 32 圧電素子30Bの圧電性材料 40 外部端子 50 ツェナーダイオード

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 面状の圧電性材料の両表面に電極が形成
    された1層又は複数層の圧電素子を有しており、この圧
    電素子が、表面にほぼ直角な方向の外力に対して弾性変
    形する面状の弾性部材の表面に密着して接合されている
    ことを特徴とする面状圧電体。
  2. 【請求項2】 少なくとも一部が、表面にほぼ直角な方
    向へ凸状に湾曲した凸型であることを特徴とする請求項
    1に記載の面状圧電体。
  3. 【請求項3】 前記圧電素子は、1枚の弾性部材の片面
    に接合されていることを特徴とする請求項1又は2に記
    載の面状圧電体。
  4. 【請求項4】 前記圧電素子は、2枚の弾性部材の間に
    サンドイッチ状に挟み込まれていることを特徴とする請
    求項1又は2に記載の面状圧電体。
  5. 【請求項5】 前記圧電素子は、圧電性材料が圧電性高
    分子フィルムからなるシートであることを特徴とする請
    求項1、2、3又は4に記載の面状圧電体。
  6. 【請求項6】 前記圧電素子は、圧電性材料が圧電性セ
    ラミック層からなる積層膜であることを特徴とする請求
    項1、2、3又は4に記載の面状圧電体。
  7. 【請求項7】 前記弾性部材は、面状の高分子材又は金
    属材からなることを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5又は6に記載の圧電スイッチ。
  8. 【請求項8】 面状の圧電性材料の両表面に電極が形成
    された1層又は複数層の圧電素子を有しており、この圧
    電素子が、表面にほぼ直角な方向の外力に対して弾性変
    形する弾性変形能を有していることを特徴とする面状圧
    電体。
  9. 【請求項9】 少なくとも一部が、表面にほぼ直角な方
    向へ凸状に湾曲した凸型であることを特徴とする請求項
    8に記載の面状圧電体。
  10. 【請求項10】 前記圧電素子は、圧電性材料が圧電性
    高分子フィルムからなるシートであることを特徴とする
    請求項8又は9に記載の面状圧電体。
  11. 【請求項11】 スイッチ操作に伴って信号を出力する
    信号出力部として、請求項1、2、3、4、5、6、
    7、8、9又は10に記載の面状圧電体を具備すること
    を特徴とする圧電スイッチ。
  12. 【請求項12】 前記面状圧電体は、キートップを付勢
    するための弾性部材を兼ねることを特徴とする請求項1
    1に記載の圧電スイッチ。
  13. 【請求項13】 前記面状圧電体は、圧電素子の電極間
    に接続されたツェナーダイオードと組み合わされている
    ことを特徴とする請求項11又は12に記載の圧電スイ
    ッチ。
  14. 【請求項14】 前記面状圧電体の素子出力を外部に取
    り出すための一対の外部端子と、圧電素子を貫通し一対
    の外部端子にそれぞれ接続された一対のリベット状の導
    電部材と、一対の導電部材を圧電素子の両面に形成され
    た電極の各一方から絶縁するために、各導電部材と面状
    圧電素子の間に向きを反転させて挿入された一対の環状
    でフランジ付きの絶縁部材とを具備することを特徴とす
    る請求項11、12又は13に記載の圧電スイッチ。
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