JPH11248711A - カルボキシメチル化ヘモグロビンの測定方法 - Google Patents
カルボキシメチル化ヘモグロビンの測定方法Info
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- JPH11248711A JPH11248711A JP5333498A JP5333498A JPH11248711A JP H11248711 A JPH11248711 A JP H11248711A JP 5333498 A JP5333498 A JP 5333498A JP 5333498 A JP5333498 A JP 5333498A JP H11248711 A JPH11248711 A JP H11248711A
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- solution
- blood
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 血液中のAGEのひとつであるカルボキシメ
チル化ヘモグロビンを免疫学的に測定する際に、再現性
良く測定することの出来る新規な方法を提供すること。 【解決手段】 CM−Hbを抗CM−Hb抗体を用いて
免疫学的に定量するに際して、抗原抗体反応を親水疎水
度が10〜17の非イオン性界面活性剤の存在下で行う
ことで、血液中のカルボキシメチル化ヘモグロビンを測
定する。
チル化ヘモグロビンを免疫学的に測定する際に、再現性
良く測定することの出来る新規な方法を提供すること。 【解決手段】 CM−Hbを抗CM−Hb抗体を用いて
免疫学的に定量するに際して、抗原抗体反応を親水疎水
度が10〜17の非イオン性界面活性剤の存在下で行う
ことで、血液中のカルボキシメチル化ヘモグロビンを測
定する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カルボキシメチル
化ヘモグロビンの測定方法に関する。更に詳しくは、測
定再現性の高いカルボキシメチル化ヘモグロビンの測定
方法に関する。
化ヘモグロビンの測定方法に関する。更に詳しくは、測
定再現性の高いカルボキシメチル化ヘモグロビンの測定
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、カルボキシメチル化タンパク質
(以下「CM−タンパク」と表記することもある。)は
メイラード反応後期生成物(以下「AGE」と略すこと
もある。)の主要成分であると考えられており(Iked
a,K.,et.al.,Biochemistry,vol.35,p8075,1
996)、これらの定性或いは定量方法としては、特異抗
体を用いる方法や、CM−タンパクを加水分解してガス
クロマトグラフィー/質量分析にてカルボキシメチル化
(以下「CM化」と略すこともある。)されたアミノ酸
を検出する方法等が知られている。しかしながら、ガス
クロマトグラフィー/質量分析にてCM−タンパクを間
接的に測定する方法は操作が煩雑であり感度も低いとい
う問題があることから、測定が容易であり感度も高い特
異抗体を用いた抗原抗体反応による方法が多用されてい
る。
(以下「CM−タンパク」と表記することもある。)は
メイラード反応後期生成物(以下「AGE」と略すこと
もある。)の主要成分であると考えられており(Iked
a,K.,et.al.,Biochemistry,vol.35,p8075,1
996)、これらの定性或いは定量方法としては、特異抗
体を用いる方法や、CM−タンパクを加水分解してガス
クロマトグラフィー/質量分析にてカルボキシメチル化
(以下「CM化」と略すこともある。)されたアミノ酸
を検出する方法等が知られている。しかしながら、ガス
クロマトグラフィー/質量分析にてCM−タンパクを間
接的に測定する方法は操作が煩雑であり感度も低いとい
う問題があることから、測定が容易であり感度も高い特
異抗体を用いた抗原抗体反応による方法が多用されてい
る。
【0003】上記の特異抗体を用いた測定方法として
は、酵素標識免疫学的測定法(ELISA法)、ラジオ
イムノアッセイ法(RIA法)、ウエスタンブロッティ
ング法等がある。しかしながら、特異抗体として抗カル
ボキシメチル化ヘモグロビン抗体(以下「抗CM−Hb
抗体」と略すこともある。)を用いて血液中のカルボキ
シメチル化ヘモグロビン(以下「CM−Hb」と略すこ
ともある。)を抗原抗体反応を利用して免疫学的に測定
した場合には、測定毎に測定値がばらつき、検体溶液中
のCM−Hbの量を精度良く測定することは困難であっ
た。
は、酵素標識免疫学的測定法(ELISA法)、ラジオ
イムノアッセイ法(RIA法)、ウエスタンブロッティ
ング法等がある。しかしながら、特異抗体として抗カル
ボキシメチル化ヘモグロビン抗体(以下「抗CM−Hb
抗体」と略すこともある。)を用いて血液中のカルボキ
シメチル化ヘモグロビン(以下「CM−Hb」と略すこ
ともある。)を抗原抗体反応を利用して免疫学的に測定
した場合には、測定毎に測定値がばらつき、検体溶液中
のCM−Hbの量を精度良く測定することは困難であっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】体液中のAGEの中で
も特に血液中のCM−Hbは、糖尿病或いは糖尿病合併
症との関連性が強く示唆されており、該CM−Hb量を
測定することは臨床検査等の見地から意義のあることで
あるが、上記したように、抗原抗体反応を利用して再現
性良く血液中のCM−Hb量を簡単に測定する方法はこ
れまで知られていない。
も特に血液中のCM−Hbは、糖尿病或いは糖尿病合併
症との関連性が強く示唆されており、該CM−Hb量を
測定することは臨床検査等の見地から意義のあることで
あるが、上記したように、抗原抗体反応を利用して再現
性良く血液中のCM−Hb量を簡単に測定する方法はこ
れまで知られていない。
【0005】本発明は、血液中のCM−Hbを抗CM−
Hb抗体との抗原抗体反応を利用して免疫学的に定量す
る方法であって、血液中のCM−Hbを簡単にしかも再
現性良く測定する方法を開発することを目的とする。
Hb抗体との抗原抗体反応を利用して免疫学的に定量す
る方法であって、血液中のCM−Hbを簡単にしかも再
現性良く測定する方法を開発することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、CM−Hbを
抗CM−Hb抗体を用いて免疫学的に定量するに際し
て、抗原抗体反応をその親水疎水度が10〜17である
非イオン性界面活性剤の存在下に行うことにより、血液
中のCM−Hbを再現性良く定量できることを見い出し
本発明を完成するに至った。
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、CM−Hbを
抗CM−Hb抗体を用いて免疫学的に定量するに際し
て、抗原抗体反応をその親水疎水度が10〜17である
非イオン性界面活性剤の存在下に行うことにより、血液
中のCM−Hbを再現性良く定量できることを見い出し
本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は抗CM−Hb抗体を用いて
血液中のCM−Hbを抗原抗体反応により測定する方法
において、抗原抗体反応を親水疎水度が10〜17の非
イオン性界面活性剤の存在下に行うことを特徴とするC
M−Hbの測定方法である。
血液中のCM−Hbを抗原抗体反応により測定する方法
において、抗原抗体反応を親水疎水度が10〜17の非
イオン性界面活性剤の存在下に行うことを特徴とするC
M−Hbの測定方法である。
【0008】上記測定方法において抗原抗体反応を親水
疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の存在下で
行うに当たり、血液と親水疎水度が10〜17の非イオ
ン性界面活性剤の水溶液とを混合して調製した溶血溶液
を測定試料として使用した場合には、特に測定再現性が
高くなるという効果がある。
疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の存在下で
行うに当たり、血液と親水疎水度が10〜17の非イオ
ン性界面活性剤の水溶液とを混合して調製した溶血溶液
を測定試料として使用した場合には、特に測定再現性が
高くなるという効果がある。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明では抗CM−Hb抗体を用
い、抗原抗体反応を利用して血液中のCM−Hbを測定
する。
い、抗原抗体反応を利用して血液中のCM−Hbを測定
する。
【0010】本発明で使用する抗CM−Hb抗体として
は、CM−Hbを認識する特異抗体であれば特に制限さ
れず、CM−Hbの特定部位を認識するモノクローナル
抗体であっても良く、またCM−Hbの任意の部位を認
識するポリクローナル抗体であっても良い。ここでCM
−Hbとは、ヘモグロビン(以下「Hb」と略すことも
ある)のN末端アミノ基または側鎖アミノ基の水素が少
なくとも1箇所以上CM化されたHbを言う。なお、C
M化部位はHbのα鎖でもβ鎖でも良い。
は、CM−Hbを認識する特異抗体であれば特に制限さ
れず、CM−Hbの特定部位を認識するモノクローナル
抗体であっても良く、またCM−Hbの任意の部位を認
識するポリクローナル抗体であっても良い。ここでCM
−Hbとは、ヘモグロビン(以下「Hb」と略すことも
ある)のN末端アミノ基または側鎖アミノ基の水素が少
なくとも1箇所以上CM化されたHbを言う。なお、C
M化部位はHbのα鎖でもβ鎖でも良い。
【0011】本発明で使用する抗CM−Hb抗体は、C
M−Hbのみならずアミノ基がCM化されたα−アミノ
酸やアミノ基がCM化されたペプチドを認識する抗体で
あっても良いが、CM−Hbの検知感度の点から、CM
−Hbとのみ強く反応する抗体を使用するのが好適であ
る。この様な抗体としては、CM化HSA(HSA:人
血清アルブミン)、CM化コラーゲン、CM化γグロブ
リン等の、CM−Hb以外のCM−タンパクとは反応し
ないか、若しくは反応したとしても非常に弱くしか反応
しない、例えばこれらCM−タンパクに対する反応アフ
ィニティーがCM−Hbの100分の1程度以下である
モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられ
る。
M−Hbのみならずアミノ基がCM化されたα−アミノ
酸やアミノ基がCM化されたペプチドを認識する抗体で
あっても良いが、CM−Hbの検知感度の点から、CM
−Hbとのみ強く反応する抗体を使用するのが好適であ
る。この様な抗体としては、CM化HSA(HSA:人
血清アルブミン)、CM化コラーゲン、CM化γグロブ
リン等の、CM−Hb以外のCM−タンパクとは反応し
ないか、若しくは反応したとしても非常に弱くしか反応
しない、例えばこれらCM−タンパクに対する反応アフ
ィニティーがCM−Hbの100分の1程度以下である
モノクローナル抗体及びポリクローナル抗体が挙げられ
る。
【0012】このような抗CM−Hb抗体は、該抗体が
ポリクロナール抗体である場合には、公知の方法で作成
されたCM−Hbを免疫用の抗原(以下「免疫原」とい
うこともある)としてウサギ、マウス、ヤギ、モルモッ
ト等の宿主動物に免疫して得られた抗血清、或いは該血
清を従来公知の方法である塩析法、ゲル濾過法、イオン
交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ
フィー、電気泳動等で精製することによって得ることが
できる。例えば、In vitroでグルコースとHbを37℃
で60日間インキュベーション(メイラード反応のモデ
ル反応)して作成したAGE−HbをCM−Hbに精製
した後、ウサギに免疫すると約6週間後にCM−Hbに
対する抗血清が得られ、該抗血清を精製することによっ
てCM−Hbとの反応特異性が高いポリクロナール抗体
が得られる。
ポリクロナール抗体である場合には、公知の方法で作成
されたCM−Hbを免疫用の抗原(以下「免疫原」とい
うこともある)としてウサギ、マウス、ヤギ、モルモッ
ト等の宿主動物に免疫して得られた抗血清、或いは該血
清を従来公知の方法である塩析法、ゲル濾過法、イオン
交換クロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ
フィー、電気泳動等で精製することによって得ることが
できる。例えば、In vitroでグルコースとHbを37℃
で60日間インキュベーション(メイラード反応のモデ
ル反応)して作成したAGE−HbをCM−Hbに精製
した後、ウサギに免疫すると約6週間後にCM−Hbに
対する抗血清が得られ、該抗血清を精製することによっ
てCM−Hbとの反応特異性が高いポリクロナール抗体
が得られる。
【0013】また、抗CM−Hb抗体がモノクロナール
抗体である場合には、CM−Hb及びCM−HbのN末
端或いは側鎖リジン残基を含む特定のアミノ酸配列を持
ったペプチドのアミノ基がCM化されたペプチド(以
下、「CM−ペプチド」と略すこともある)で感作した
哺乳動物の脾細胞やリンパ細胞等の抗体産生細胞とミエ
ローマ細胞を融合して得たハイブリドーマの培養上清と
して、又は該上清を塩析法、ゲル濾過法、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、電気泳動等で精製することにより得ることができ
る。この様にして得られたモノクロナール抗体を使用し
た場合にはCM−Hb中の特定のCM化部位を検出する
ことができる。
抗体である場合には、CM−Hb及びCM−HbのN末
端或いは側鎖リジン残基を含む特定のアミノ酸配列を持
ったペプチドのアミノ基がCM化されたペプチド(以
下、「CM−ペプチド」と略すこともある)で感作した
哺乳動物の脾細胞やリンパ細胞等の抗体産生細胞とミエ
ローマ細胞を融合して得たハイブリドーマの培養上清と
して、又は該上清を塩析法、ゲル濾過法、イオン交換ク
ロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィ
ー、電気泳動等で精製することにより得ることができ
る。この様にして得られたモノクロナール抗体を使用し
た場合にはCM−Hb中の特定のCM化部位を検出する
ことができる。
【0014】なお、上記抗CM−Hb抗体のタイプ(グ
ロブリンクラス)は特に限定されず、現在知られている
どのようなグロブリンクラスのものも含まれる。また、
上記抗CM−Hb抗体には、通常のモノクローナル抗体
のみならず、該抗体の部分分解物(Fab、Fab'、
Fab'2等)、及び該抗体の活性フラグメント(抗体
の抗原認識部位)が存在する部分構造等も含まれる。
ロブリンクラス)は特に限定されず、現在知られている
どのようなグロブリンクラスのものも含まれる。また、
上記抗CM−Hb抗体には、通常のモノクローナル抗体
のみならず、該抗体の部分分解物(Fab、Fab'、
Fab'2等)、及び該抗体の活性フラグメント(抗体
の抗原認識部位)が存在する部分構造等も含まれる。
【0015】上記抗CM−Hb抗体はCM−Hbに特異
的に反応するため、該抗体を用いて、CM−Hbとの抗
原抗体反応を利用して後述する検体溶液中のCM−Hb
を測定することが出来る。
的に反応するため、該抗体を用いて、CM−Hbとの抗
原抗体反応を利用して後述する検体溶液中のCM−Hb
を測定することが出来る。
【0016】抗CM−Hb抗体を用いて抗原抗体反応に
よりCM−Hbを測定する方法は、抗CM−Hb抗体を
用いる方法であれば特に限定されず、抗原抗体反応によ
り抗原を測定する方法として知られている公知の方法が
使用できる。例えば、抗CM−Hb抗体を不溶性担体に
担持させた試薬を検体溶液と接触させ、その時に起こる
抗原抗体反応に伴う試薬の凝集を検知して検体溶液中の
CM−Hbを検出する免疫凝集法を採用することが出来
る。また、抗CM−Hb抗体を検体溶液と接触させてC
M−Hbとの抗原抗体反応を行う前若しくは行った後
に、放射性物質、各種色素類、コロイド類、酵素等の標
識物質を抗CM−Hb抗体又はCM−Hbに結合させ、
上記標識物質に由来する放射活性、酵素活性等を測定す
ることによって、CM−Hbを検出する標識免疫測定法
も採用することが出来る。このとき、使用できる標識物
質としては、放射性物質としては放射性ヨード、放射性
炭素等が使用でき、色素としてはフルオレセインイソチ
オシアネート、テトラメチルローダミン等の蛍光色素類
等が使用でき、コロイドとしては金コロイド等が使用で
きる。また、酵素としてはぺルオキシダ−ゼ、アルカリ
ホスファターゼ等が使用できる。さらに抗CM−Hb抗
体とともに、上記色素、コロイド類、酵素等を標識した
二次抗体を使用してCM−Hbの検出に用いることもで
きる。
よりCM−Hbを測定する方法は、抗CM−Hb抗体を
用いる方法であれば特に限定されず、抗原抗体反応によ
り抗原を測定する方法として知られている公知の方法が
使用できる。例えば、抗CM−Hb抗体を不溶性担体に
担持させた試薬を検体溶液と接触させ、その時に起こる
抗原抗体反応に伴う試薬の凝集を検知して検体溶液中の
CM−Hbを検出する免疫凝集法を採用することが出来
る。また、抗CM−Hb抗体を検体溶液と接触させてC
M−Hbとの抗原抗体反応を行う前若しくは行った後
に、放射性物質、各種色素類、コロイド類、酵素等の標
識物質を抗CM−Hb抗体又はCM−Hbに結合させ、
上記標識物質に由来する放射活性、酵素活性等を測定す
ることによって、CM−Hbを検出する標識免疫測定法
も採用することが出来る。このとき、使用できる標識物
質としては、放射性物質としては放射性ヨード、放射性
炭素等が使用でき、色素としてはフルオレセインイソチ
オシアネート、テトラメチルローダミン等の蛍光色素類
等が使用でき、コロイドとしては金コロイド等が使用で
きる。また、酵素としてはぺルオキシダ−ゼ、アルカリ
ホスファターゼ等が使用できる。さらに抗CM−Hb抗
体とともに、上記色素、コロイド類、酵素等を標識した
二次抗体を使用してCM−Hbの検出に用いることもで
きる。
【0017】前記免疫凝集法について具体的に例示すれ
ば、定性的方法としてはラテックス凝集法、マイクロタ
イター法等が、定量的測定法としてはラテックス定量法
等がそれぞれ挙げられる。これら各方法により検体溶液
中のCM−Hbを測定する際の操作は、通常の基本操作
と特に変わるところはなく、例えば赤血球凝集反応法、
受身凝集反応法、免疫比蝋法、免疫比濁法等において一
般的に採用されている操作、手順等に準じて行うことが
できる。
ば、定性的方法としてはラテックス凝集法、マイクロタ
イター法等が、定量的測定法としてはラテックス定量法
等がそれぞれ挙げられる。これら各方法により検体溶液
中のCM−Hbを測定する際の操作は、通常の基本操作
と特に変わるところはなく、例えば赤血球凝集反応法、
受身凝集反応法、免疫比蝋法、免疫比濁法等において一
般的に採用されている操作、手順等に準じて行うことが
できる。
【0018】また、前記標識免疫測定法について具体的
に例示すれば、定量的測定法としてはラジオイムノアッ
セイ法、エンザイムノアッセイ法、蛍光イムノアッセイ
法、化学発光イムノアッセイ法等を、半定量的測定法と
してはウエスタンブロッティング法、ドットブロッティ
ング法等をそれぞれ例示できる。これら各測定法におけ
る操作、手順等は一般に採用されているそれらと特に異
ならず、公知の非競合法や競合法、サンドイッチ法等に
準ずることができる。
に例示すれば、定量的測定法としてはラジオイムノアッ
セイ法、エンザイムノアッセイ法、蛍光イムノアッセイ
法、化学発光イムノアッセイ法等を、半定量的測定法と
してはウエスタンブロッティング法、ドットブロッティ
ング法等をそれぞれ例示できる。これら各測定法におけ
る操作、手順等は一般に採用されているそれらと特に異
ならず、公知の非競合法や競合法、サンドイッチ法等に
準ずることができる。
【0019】例えば標識免疫測定法における非競合法を
例示すると、検体溶液由来の既知量のHbを固定化した
固相に対し、酵素あるいは放射性同位元素等によって標
識された抗CM−Hb抗体を反応させ、洗浄した後、固
相に結合した酵素活性あるいは放射活性を測定すること
によって行われる。反応及び洗浄後の残存活性が大きい
ほど、固相に結合した抗CM−Hb抗体の量が多いこと
になる。あるいは抗CM−Hb抗体を固相に固定し、酵
素あるいは放射性同位元素等によって標識された検体溶
液由来の既知量のHbを反応させてもよい。
例示すると、検体溶液由来の既知量のHbを固定化した
固相に対し、酵素あるいは放射性同位元素等によって標
識された抗CM−Hb抗体を反応させ、洗浄した後、固
相に結合した酵素活性あるいは放射活性を測定すること
によって行われる。反応及び洗浄後の残存活性が大きい
ほど、固相に結合した抗CM−Hb抗体の量が多いこと
になる。あるいは抗CM−Hb抗体を固相に固定し、酵
素あるいは放射性同位元素等によって標識された検体溶
液由来の既知量のHbを反応させてもよい。
【0020】また競合法を例示すると、抗CM−Hb抗
体を固定化した固相に対し、酵素あるいは放射性同位元
素等によって標識された人工的に作製した標準CM−H
bと検体溶液とを競合的に反応させ、洗浄した後、固相
に結合した酵素活性あるいは放射活性を測定することに
よって行われる。固相に残存する酵素あるいは放射活性
が少ないほど、検体溶液中のCM−Hbによって標準C
M−Hbの結合が競合的に阻害されたことになる。
体を固定化した固相に対し、酵素あるいは放射性同位元
素等によって標識された人工的に作製した標準CM−H
bと検体溶液とを競合的に反応させ、洗浄した後、固相
に結合した酵素活性あるいは放射活性を測定することに
よって行われる。固相に残存する酵素あるいは放射活性
が少ないほど、検体溶液中のCM−Hbによって標準C
M−Hbの結合が競合的に阻害されたことになる。
【0021】更にサンドイッチ法を例示すると、抗CM
−Hb抗体を固定化した固相と検体溶液とを接触させ、
該固相に結合した検体溶液中のCM−Hbの量を、酵素
等によって標識された抗CM−Hb抗体によって測定す
ることによって行われる。
−Hb抗体を固定化した固相と検体溶液とを接触させ、
該固相に結合した検体溶液中のCM−Hbの量を、酵素
等によって標識された抗CM−Hb抗体によって測定す
ることによって行われる。
【0022】本発明では血液中のCM−Hbを測定する
が、検体溶液となる測定試料としては血液中に含まれる
Hbを含有する溶液であれば特に限定されない。ここで
血液とは、Hbを含有する血液であればその起源は特に
限定されないが、糖尿病或いは糖尿病合併症に関する情
報を得るという本発明の究極的な目的からして、上記血
液としては人体から採取した血液を用いるのが一般的で
ある。
が、検体溶液となる測定試料としては血液中に含まれる
Hbを含有する溶液であれば特に限定されない。ここで
血液とは、Hbを含有する血液であればその起源は特に
限定されないが、糖尿病或いは糖尿病合併症に関する情
報を得るという本発明の究極的な目的からして、上記血
液としては人体から採取した血液を用いるのが一般的で
ある。
【0023】なお、CM−Hbの起源がHbであること
から分かるように、通常、CM−HbはHbと混在した
形で血液中の赤血球中に存在している。このため、抗C
M−Hb抗体との抗原抗体反応を効率よく起こさせるた
めには、血液中の赤血球を溶血させておくことが好まし
い。
から分かるように、通常、CM−HbはHbと混在した
形で血液中の赤血球中に存在している。このため、抗C
M−Hb抗体との抗原抗体反応を効率よく起こさせるた
めには、血液中の赤血球を溶血させておくことが好まし
い。
【0024】一般に赤血球は、蒸留水や塩濃度の低い緩
衝液、或いは界面活性剤等と接触させると溶血すること
が知られている。本発明においても溶血手段としては、
これらの方法が何ら制限なく使用出来るが、特に、血液
を親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の水
溶液と混合して溶血する方法を採用した場合には、CM
−Hbの測定の再現性が特に高く、また、抗原抗体反応
時に新たに親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活
性剤を加える必要も特になくなることから測定操作が容
易になる。このため、本発明の測定法方においては、血
液と親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の
水溶液とを混合して調整した溶血溶液を測定試料として
使用するのが好適である。ここで、親水疎水度とは界面
活性剤の分子が持つ親水性と疎水性の相対的な強さのバ
ランスを示す指標として良く知られているHLB(hydr
ophile-lipophile balance)のことであり、ほとんどの
場合、界面活性剤の構造から計算できる値である{W.C.
Griffin., J.Soc.Cosmet.Chem.,5,249(1954).}。代表
的な非イオン界面活性剤のHLB値は、例えば1975
年発行のバイオキミカ エト バイオフィジカ アクタ
第415巻第29頁{A. Helenius, K. Simons, Biochi
m. Biophys. Acta.,415,29(1975) }に記載されてい
る。
衝液、或いは界面活性剤等と接触させると溶血すること
が知られている。本発明においても溶血手段としては、
これらの方法が何ら制限なく使用出来るが、特に、血液
を親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の水
溶液と混合して溶血する方法を採用した場合には、CM
−Hbの測定の再現性が特に高く、また、抗原抗体反応
時に新たに親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活
性剤を加える必要も特になくなることから測定操作が容
易になる。このため、本発明の測定法方においては、血
液と親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の
水溶液とを混合して調整した溶血溶液を測定試料として
使用するのが好適である。ここで、親水疎水度とは界面
活性剤の分子が持つ親水性と疎水性の相対的な強さのバ
ランスを示す指標として良く知られているHLB(hydr
ophile-lipophile balance)のことであり、ほとんどの
場合、界面活性剤の構造から計算できる値である{W.C.
Griffin., J.Soc.Cosmet.Chem.,5,249(1954).}。代表
的な非イオン界面活性剤のHLB値は、例えば1975
年発行のバイオキミカ エト バイオフィジカ アクタ
第415巻第29頁{A. Helenius, K. Simons, Biochi
m. Biophys. Acta.,415,29(1975) }に記載されてい
る。
【0025】上記の親水疎水度が10〜17の非イオン
性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート(T
ween20:親水疎水度 16.7)、ソルビタンモ
ノオレエート(Tween80:親水疎水度 15.
0)、(9,10)p−t−オクチルフェニルエーテル
(Triton X−100:親水疎水度 13.5)、
セチルエーテル(Brij−58:親水疎水度15.
7)、オクチルグルコシド(親水疎水度 11)、オク
チルチオグルコシド(親水疎水度 11)等が挙げられ
る。これらの中でも入手のしやすさの点からTween
20、TritonX−100、オクチルグルコシドの
中から選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
を使用するのが最も好適である。
性界面活性剤としては、ソルビタンモノラウレート(T
ween20:親水疎水度 16.7)、ソルビタンモ
ノオレエート(Tween80:親水疎水度 15.
0)、(9,10)p−t−オクチルフェニルエーテル
(Triton X−100:親水疎水度 13.5)、
セチルエーテル(Brij−58:親水疎水度15.
7)、オクチルグルコシド(親水疎水度 11)、オク
チルチオグルコシド(親水疎水度 11)等が挙げられ
る。これらの中でも入手のしやすさの点からTween
20、TritonX−100、オクチルグルコシドの
中から選ばれる少なくとも1種の非イオン性界面活性剤
を使用するのが最も好適である。
【0026】また、これら非イオン系界面活性剤の水溶
液と血液とを混合して溶血させるときの条件は特に限定
されないが、溶血を確実に行うためには該水溶液中の非
イオン系界面活性剤の濃度は0.01%以上であること
が好適である。
液と血液とを混合して溶血させるときの条件は特に限定
されないが、溶血を確実に行うためには該水溶液中の非
イオン系界面活性剤の濃度は0.01%以上であること
が好適である。
【0027】本発明のCM−Hbの測定方法は抗原抗体
反応を利用しているため、試料中には種々の夾雑タンパ
ク質が含まれていてもCM−Hbを測定することができ
る。このため、上記試料としては全血由来の種々の夾雑
タンパク質を含む溶液を試料として使用することが出来
る。この時Hbについて、CM化されたものとCM化さ
れていないものとの割合(以下、「CM化率」と略すこ
ともある)を測定することができる。また、上記全血由
来の溶液から予めHbを分離精製して調製した溶液を試
料としてCM化率を測定しても良く、この場合には該方
法は夾雑タンパク質の影響を考慮しなくて良いため好適
である。なお、該CM化率は、血液中のCM−Hb濃度
と同様に糖尿病、糖尿病合併症、透析アミロイドーシス
等に関して臨床的意義を持つことが強く示唆されている
パラメータである。
反応を利用しているため、試料中には種々の夾雑タンパ
ク質が含まれていてもCM−Hbを測定することができ
る。このため、上記試料としては全血由来の種々の夾雑
タンパク質を含む溶液を試料として使用することが出来
る。この時Hbについて、CM化されたものとCM化さ
れていないものとの割合(以下、「CM化率」と略すこ
ともある)を測定することができる。また、上記全血由
来の溶液から予めHbを分離精製して調製した溶液を試
料としてCM化率を測定しても良く、この場合には該方
法は夾雑タンパク質の影響を考慮しなくて良いため好適
である。なお、該CM化率は、血液中のCM−Hb濃度
と同様に糖尿病、糖尿病合併症、透析アミロイドーシス
等に関して臨床的意義を持つことが強く示唆されている
パラメータである。
【0028】本発明のCM−Hbの測定方法で使用する
検体溶液は全て血液に由来するものであるため、検体溶
液調整時の希釈倍率や濃縮倍率に応じて測定結果を換算
することにより、血液中のCM−Hb量を知ることが出
来る。
検体溶液は全て血液に由来するものであるため、検体溶
液調整時の希釈倍率や濃縮倍率に応じて測定結果を換算
することにより、血液中のCM−Hb量を知ることが出
来る。
【0029】本発明は、抗カルボキシメチル化ヘモグロ
ビン抗体を用いて血液中のカルボキシメチル化ヘモグロ
ビンを抗原抗体反応により測定するに際して、抗原抗体
反応を親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤
の存在下に行うことを最大の特徴とする。上記抗原抗体
反応を非イオン性界面活性剤の存在下に行わない場合に
は測定再現性が低くなる。また、非イオン性界面活性剤
の存在下で行った場合でも使用する非イオン性界面活性
剤の親水疎水度が10未満である場合には測定試料溶液
に溶解しにくく、親水疎水度が17を越える場合には測
定再現性が低くなる。
ビン抗体を用いて血液中のカルボキシメチル化ヘモグロ
ビンを抗原抗体反応により測定するに際して、抗原抗体
反応を親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤
の存在下に行うことを最大の特徴とする。上記抗原抗体
反応を非イオン性界面活性剤の存在下に行わない場合に
は測定再現性が低くなる。また、非イオン性界面活性剤
の存在下で行った場合でも使用する非イオン性界面活性
剤の親水疎水度が10未満である場合には測定試料溶液
に溶解しにくく、親水疎水度が17を越える場合には測
定再現性が低くなる。
【0030】ここで、親水疎水度が10〜17の非イオ
ン性界面活性剤としては検体溶液となる測定試料調製時
に溶血に用いることができる親水疎水度が10〜17の
非イオン性界面活性剤と同じものが使用できる。なお、
上記非イオン性界面活性剤の中では入手のしやすさの点
からTween20、Triton X−100、オク
チルグルコシドの中から選ばれる少なくとも1種の非イ
オン性界面活性剤を使用するのが最も好適である。
ン性界面活性剤としては検体溶液となる測定試料調製時
に溶血に用いることができる親水疎水度が10〜17の
非イオン性界面活性剤と同じものが使用できる。なお、
上記非イオン性界面活性剤の中では入手のしやすさの点
からTween20、Triton X−100、オク
チルグルコシドの中から選ばれる少なくとも1種の非イ
オン性界面活性剤を使用するのが最も好適である。
【0031】抗原抗体反応時に存在させる親水疎水度が
10〜17の非イオン性界面活性剤の至適濃度は該界面
活性剤の種類によって異なるため一概に決定できない。
しかしながら、一般に、上記非イオン性界面活性剤の濃
度が低すぎる場合には本発明の効果が得られ難く、また
過剰量使用しても使用量に見合った効果は得られないた
め、抗原抗体反応が実際に行われる溶液中の上記非イオ
ン性界面活性剤の濃度は、0.001〜0.5重量%の
範囲であることが好ましい。
10〜17の非イオン性界面活性剤の至適濃度は該界面
活性剤の種類によって異なるため一概に決定できない。
しかしながら、一般に、上記非イオン性界面活性剤の濃
度が低すぎる場合には本発明の効果が得られ難く、また
過剰量使用しても使用量に見合った効果は得られないた
め、抗原抗体反応が実際に行われる溶液中の上記非イオ
ン性界面活性剤の濃度は、0.001〜0.5重量%の
範囲であることが好ましい。
【0032】親水疎水度が10〜17の非イオン性界面
活性剤の存在下に抗原抗体反応を行う方法は特に限定さ
れず、予め上記非イオン性界面活性剤を検体溶液に添加
しておいてもよいし、抗原抗体反応を行う際の反応溶液
中に添加してもよい。前者の場合には、上記非イオン性
界面活性剤は、前記の溶血操作を行う際に用いる蒸留水
や塩濃度の低い緩衝液等に添加してもよいし、検体溶液
調製時に希釈溶液液として使用する緩衝液中に添加して
もよい。なお、溶血操作時等に使用する非イオン性界面
活性剤の量が多すぎる場合には、緩衝液や純水等で希釈
する方法、被検体溶液Hb溶液から限外濾過、ゲル濾
過、イオン交換クロマトグラフィー等で非イオン性界面
活性剤を除去する方法等により非イオン性界面活性剤を
除去し、反応溶液中の濃度が前記好適な範囲となるよう
に調製するのが好ましい。
活性剤の存在下に抗原抗体反応を行う方法は特に限定さ
れず、予め上記非イオン性界面活性剤を検体溶液に添加
しておいてもよいし、抗原抗体反応を行う際の反応溶液
中に添加してもよい。前者の場合には、上記非イオン性
界面活性剤は、前記の溶血操作を行う際に用いる蒸留水
や塩濃度の低い緩衝液等に添加してもよいし、検体溶液
調製時に希釈溶液液として使用する緩衝液中に添加して
もよい。なお、溶血操作時等に使用する非イオン性界面
活性剤の量が多すぎる場合には、緩衝液や純水等で希釈
する方法、被検体溶液Hb溶液から限外濾過、ゲル濾
過、イオン交換クロマトグラフィー等で非イオン性界面
活性剤を除去する方法等により非イオン性界面活性剤を
除去し、反応溶液中の濃度が前記好適な範囲となるよう
に調製するのが好ましい。
【0033】なお、再現性の良い測定値を得るために
は、抗原抗体反応を行う3分以上前に検体溶液に上記非
イオン性界面活性剤を添加しておくことが好ましい。
は、抗原抗体反応を行う3分以上前に検体溶液に上記非
イオン性界面活性剤を添加しておくことが好ましい。
【0034】本発明では、前記した検体溶液を用いて親
水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の存在下
に抗CM−Hb抗体とCM−Hbの抗原抗体反応が行わ
れるようにして、前記の免疫凝集法、或いは標識免疫測
定法を適用することにより、検体溶液中のCM−Hbを
再現性良く測定することが出来、結果として血液中のC
M−Hbを再現性良く測定することが出来る。
水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の存在下
に抗CM−Hb抗体とCM−Hbの抗原抗体反応が行わ
れるようにして、前記の免疫凝集法、或いは標識免疫測
定法を適用することにより、検体溶液中のCM−Hbを
再現性良く測定することが出来、結果として血液中のC
M−Hbを再現性良く測定することが出来る。
【0035】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明は以下の実施例によって限定されるもので
はない。
るが、本発明は以下の実施例によって限定されるもので
はない。
【0036】実施例1〔サンドイッチELISA法によ
る血液中のCM−Hbの測定〕 (1)〔抗原の作成〕 以下の方法によりCM−Hbの生成及び精製を行った。
Hb(SIGMA社)をホウ酸緩衝液(0.1M pH
9.0)中1mg/mlとなるように調整し、この溶液
200mlを室温で2時間、1Mグリオキシル酸溶液1
80mlと共に撹拌後、さらに室温で2時間、10mg
/ml水素化シアノホウ素ナトリウム溶液20mlと共
に撹拌することでCM−Hbを生成した。また、対照と
して、グリオキシル酸を添加しないこと以外は同様の方
法でHbを処理した。
る血液中のCM−Hbの測定〕 (1)〔抗原の作成〕 以下の方法によりCM−Hbの生成及び精製を行った。
Hb(SIGMA社)をホウ酸緩衝液(0.1M pH
9.0)中1mg/mlとなるように調整し、この溶液
200mlを室温で2時間、1Mグリオキシル酸溶液1
80mlと共に撹拌後、さらに室温で2時間、10mg
/ml水素化シアノホウ素ナトリウム溶液20mlと共
に撹拌することでCM−Hbを生成した。また、対照と
して、グリオキシル酸を添加しないこと以外は同様の方
法でHbを処理した。
【0037】上記各処理後のHbのCM化率を、トリニ
トロベンゼンスルホン酸(以下「TNBS」と略すこと
もある)を用いて、CM化されたアミノ基と未反応のア
ミノ基の比を測定することで、以下に示すような方法に
より求めた。
トロベンゼンスルホン酸(以下「TNBS」と略すこと
もある)を用いて、CM化されたアミノ基と未反応のア
ミノ基の比を測定することで、以下に示すような方法に
より求めた。
【0038】即ち、前記のCM−Hb及びグリオキシル
酸処理していないHbの各試料0.5mlを、0.1M
の四ホウ酸ナトリウムを含む0.1Mの水酸化ナトリウ
ム水溶液0.5mlにそれぞれ加えた。次いで、再結晶
化し希塩酸で洗浄した後、蒸留水で1.1Mに調製した
TNBSを、20μl加え撹拌した。30分後に1.5
mMの亜硫酸ナトリウムを含む98.5mMのリン酸二
水素ナトリウムを2ml加えて反応を停止させ、蒸留水
で10倍に希釈した後に420nmの吸光度を測定し
た。CM−Hbの吸光度は0.03であり、グリオキシ
ル酸処理をしていないHb(対照)の吸光度は1.25
であった。上記のいずれのHbも含まない系で同様の測
定を行ったところ、吸光度は0.03であったので、C
M−HbのCM化率は100%であることが解った。
酸処理していないHbの各試料0.5mlを、0.1M
の四ホウ酸ナトリウムを含む0.1Mの水酸化ナトリウ
ム水溶液0.5mlにそれぞれ加えた。次いで、再結晶
化し希塩酸で洗浄した後、蒸留水で1.1Mに調製した
TNBSを、20μl加え撹拌した。30分後に1.5
mMの亜硫酸ナトリウムを含む98.5mMのリン酸二
水素ナトリウムを2ml加えて反応を停止させ、蒸留水
で10倍に希釈した後に420nmの吸光度を測定し
た。CM−Hbの吸光度は0.03であり、グリオキシ
ル酸処理をしていないHb(対照)の吸光度は1.25
であった。上記のいずれのHbも含まない系で同様の測
定を行ったところ、吸光度は0.03であったので、C
M−HbのCM化率は100%であることが解った。
【0039】かかる方法で得られたCM−Hbは、20
mM PBSで4℃にて2日間透析し、未反応のグリオ
キシル酸や水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した
後、限外濾過を行い精製CM−Hbを得た。
mM PBSで4℃にて2日間透析し、未反応のグリオ
キシル酸や水素化シアノホウ素ナトリウムを除去した
後、限外濾過を行い精製CM−Hbを得た。
【0040】(2)〔マウスの免疫〕 上記の方法で精製されたCM−Hbを、リン酸緩衝生理
食塩水(以下「PBS」と略すこともある)に0.2m
g/mlとなるよう希釈後、フロイントの完全アジュバ
ントと等量混合し、BALB/cマウス(雌、5週令)
一匹当り0.2mlを腹腔内投与することによって初回
免疫した。以後2週間間隔で3回、CM−HbのPBS
溶液をフロイントの不完全アジュバントと等量混合した
溶液を、マウス1匹当り0.2ml腹腔内投与し追加免
疫を行った。最後の追加免疫の2週間後、CM−Hbの
PBS溶液0.1mlを静脈内投与することにより最終
免疫した。
食塩水(以下「PBS」と略すこともある)に0.2m
g/mlとなるよう希釈後、フロイントの完全アジュバ
ントと等量混合し、BALB/cマウス(雌、5週令)
一匹当り0.2mlを腹腔内投与することによって初回
免疫した。以後2週間間隔で3回、CM−HbのPBS
溶液をフロイントの不完全アジュバントと等量混合した
溶液を、マウス1匹当り0.2ml腹腔内投与し追加免
疫を行った。最後の追加免疫の2週間後、CM−Hbの
PBS溶液0.1mlを静脈内投与することにより最終
免疫した。
【0041】(3)〔細胞融合〕 上記の方法で最終免疫を行った3日後に免疫マウスから
脾臓を摘出し、脾臓細胞を10%ウシ胎児血清(FC
S)を含むRPMI‐1640培地に懸濁した。一方、
マウスミエローマ細胞P3U1を10%FCSを含むR
PMI‐1640培地で培養し、対数増殖期で細胞を集
め細胞融合に用いた。マウス脾臓細胞とP3U1をそれ
ぞれ血清を含まないRPMI‐1640培地で3回洗浄
した後、5:1の比率で混合し、1,500rpmで5
分間遠心して培地を除去した。細胞沈殿物に50%ポリ
エチレングリコール1500を0.5ml徐々に加え、
1,800rpmで8分遠心した。次に血清を含まない
RPMI‐1640培地20mlを徐々に加えた後、
1,500rpmで5分間遠心して上清を除去した。沈
殿した細胞をHAT培地(1×10-4Mヒポキサンチ
ン、4×10-7Mアミノプテリン、1.5×10-5Mチ
ミジン、20%FCSを含むRPMI−1640培地)
50mlに懸濁し、96ウェルマイクロプレートの各ウ
ェルに0.1mlずつ分注した。この融合細胞を5%C
O2、37℃で培養した。細胞融合の1日後に各ウェルに
0.1mlずつHAT培地を加えた。7〜10日後に増
殖したハイブリドーマのコロニーが観察された。ハイブ
リドーマが増殖してきたウェルは全部で235ウェル
(53%)であった。
脾臓を摘出し、脾臓細胞を10%ウシ胎児血清(FC
S)を含むRPMI‐1640培地に懸濁した。一方、
マウスミエローマ細胞P3U1を10%FCSを含むR
PMI‐1640培地で培養し、対数増殖期で細胞を集
め細胞融合に用いた。マウス脾臓細胞とP3U1をそれ
ぞれ血清を含まないRPMI‐1640培地で3回洗浄
した後、5:1の比率で混合し、1,500rpmで5
分間遠心して培地を除去した。細胞沈殿物に50%ポリ
エチレングリコール1500を0.5ml徐々に加え、
1,800rpmで8分遠心した。次に血清を含まない
RPMI‐1640培地20mlを徐々に加えた後、
1,500rpmで5分間遠心して上清を除去した。沈
殿した細胞をHAT培地(1×10-4Mヒポキサンチ
ン、4×10-7Mアミノプテリン、1.5×10-5Mチ
ミジン、20%FCSを含むRPMI−1640培地)
50mlに懸濁し、96ウェルマイクロプレートの各ウ
ェルに0.1mlずつ分注した。この融合細胞を5%C
O2、37℃で培養した。細胞融合の1日後に各ウェルに
0.1mlずつHAT培地を加えた。7〜10日後に増
殖したハイブリドーマのコロニーが観察された。ハイブ
リドーマが増殖してきたウェルは全部で235ウェル
(53%)であった。
【0042】(4)〔スクリーニング〕 ハイブリドーマが十分増殖したウェルの上清を採取し、
以下のようにしてELISA法を行うことにより、CM
−Hbに対する抗体を産生しているハイブリドーマを選
択した。
以下のようにしてELISA法を行うことにより、CM
−Hbに対する抗体を産生しているハイブリドーマを選
択した。
【0043】上記の方法で得られたCM−HbをPBS
で1μg/mlの濃度に希釈し、96ウェルのEIA用
マイクロプレートに1ウェル当り100μlずつ分注
し、4℃で一晩インキュベーションした。マイクロプレ
ートからCM−Hb溶液を除去し、0.05%Twee
n80を含むPBS(以下「T−PBS」と略すことも
ある)で3回洗浄した後、各ウェルに1%ウシ血清アル
ブミンを含むPBS(以下「B−PBS」と略すことも
ある)を250μl加え4℃に保存し抗原吸着プレート
として以後の操作に用いた。抗原吸着プレートをT−P
BSで3回洗浄し、ハイブリドーマ培地上清をそれぞれ
のウェルに100μlずつ加え37℃で1時間インキュ
ベーションした。その後培地上清を除去し、T−PBS
で3回洗浄した後、二次抗体溶液を各ウェルに100μ
lずつ加え37℃で1時間インキュベーションした。二
次抗体としては、ぺルオキシダ−ゼ標識抗マウス免疫グ
ロブリン抗体(カッペル社)をB−PBSで500倍希
釈して用いた。二次抗体溶液を除去し、T−PBSで3
回洗浄した後、発色基質溶液を各ウェルに100μlず
つ加え室温で30分間インキュベーションした。発色基
質溶液は、0.01%過酸化水素、0.3mg/mlA
BTS、[2、2'−アジノビス(3−エチルベンゾチア
ゾリン−6−スルホン酸)二アンモニウム]、を含む
0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.0)を用いた。適当
量の発色を確認後に1%SDSを各ウェルに加え反応を
停止し、波長410nmでの吸光度を測定した。
で1μg/mlの濃度に希釈し、96ウェルのEIA用
マイクロプレートに1ウェル当り100μlずつ分注
し、4℃で一晩インキュベーションした。マイクロプレ
ートからCM−Hb溶液を除去し、0.05%Twee
n80を含むPBS(以下「T−PBS」と略すことも
ある)で3回洗浄した後、各ウェルに1%ウシ血清アル
ブミンを含むPBS(以下「B−PBS」と略すことも
ある)を250μl加え4℃に保存し抗原吸着プレート
として以後の操作に用いた。抗原吸着プレートをT−P
BSで3回洗浄し、ハイブリドーマ培地上清をそれぞれ
のウェルに100μlずつ加え37℃で1時間インキュ
ベーションした。その後培地上清を除去し、T−PBS
で3回洗浄した後、二次抗体溶液を各ウェルに100μ
lずつ加え37℃で1時間インキュベーションした。二
次抗体としては、ぺルオキシダ−ゼ標識抗マウス免疫グ
ロブリン抗体(カッペル社)をB−PBSで500倍希
釈して用いた。二次抗体溶液を除去し、T−PBSで3
回洗浄した後、発色基質溶液を各ウェルに100μlず
つ加え室温で30分間インキュベーションした。発色基
質溶液は、0.01%過酸化水素、0.3mg/mlA
BTS、[2、2'−アジノビス(3−エチルベンゾチア
ゾリン−6−スルホン酸)二アンモニウム]、を含む
0.1Mクエン酸緩衝液(pH5.0)を用いた。適当
量の発色を確認後に1%SDSを各ウェルに加え反応を
停止し、波長410nmでの吸光度を測定した。
【0044】(5)〔ハイブリドーマのクローニング〕 上記の方法のスクリーニングによってCM−Hbと強く
反応するハイブリドーマを選択し、限界希釈法によりク
ローニングを行った。ハイブリドーマを20%FCSを
含むRPMI‐1640培地で0.5個/0.1mlの
濃度となるように希釈し、96ウェルマイクロプレート
の各ウェルに0.1mlずつ分注した。この細胞を5%
CO2、37℃で培養した。ハイブリドーマが単一のコ
ロニーで増殖してきたウェルの培養上清について、上記
の方法と同様にしてELISA法を行い、CM−Hbに
対する抗体を産生しているハイブリドーマを選択した。
その中でCM−Hbと最も強く反応するモノクローナル
抗体を安定的に産生するハイブリドーマとして2B3を
得た。得られたハイブリドーマ2B3は、「ハイブリド
ーマ CM−Hb 2B3」として工業技術院生命工学
工業技術研究所へ寄託した{寄託番号:生命研菌寄託第
16632号(FERM P−16632)}。
反応するハイブリドーマを選択し、限界希釈法によりク
ローニングを行った。ハイブリドーマを20%FCSを
含むRPMI‐1640培地で0.5個/0.1mlの
濃度となるように希釈し、96ウェルマイクロプレート
の各ウェルに0.1mlずつ分注した。この細胞を5%
CO2、37℃で培養した。ハイブリドーマが単一のコ
ロニーで増殖してきたウェルの培養上清について、上記
の方法と同様にしてELISA法を行い、CM−Hbに
対する抗体を産生しているハイブリドーマを選択した。
その中でCM−Hbと最も強く反応するモノクローナル
抗体を安定的に産生するハイブリドーマとして2B3を
得た。得られたハイブリドーマ2B3は、「ハイブリド
ーマ CM−Hb 2B3」として工業技術院生命工学
工業技術研究所へ寄託した{寄託番号:生命研菌寄託第
16632号(FERM P−16632)}。
【0045】(6)〔モノクローナル抗体(抗CM−H
b抗体)の免疫グロブリンクラス〕 ELISA法によるモノクローナル抗体タイピングキッ
ト(アメリカン・コ−レックス社)を用い、ハイブリド
ーマ培養上清中の抗体の免疫グロブリンクラスを調べ
た。このキットはマウス免疫グロブリンの各クラス、サ
ブクラスに特異的なウサギIgG抗体を用いて、上記の
ようなELISA法に準じた方法で免疫グロブリンクラ
スを調べるものである。ハイブリドーマ2B3が産生す
るモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスはIgG
であった。
b抗体)の免疫グロブリンクラス〕 ELISA法によるモノクローナル抗体タイピングキッ
ト(アメリカン・コ−レックス社)を用い、ハイブリド
ーマ培養上清中の抗体の免疫グロブリンクラスを調べ
た。このキットはマウス免疫グロブリンの各クラス、サ
ブクラスに特異的なウサギIgG抗体を用いて、上記の
ようなELISA法に準じた方法で免疫グロブリンクラ
スを調べるものである。ハイブリドーマ2B3が産生す
るモノクローナル抗体の免疫グロブリンクラスはIgG
であった。
【0046】(7)〔モノクローナル抗体(抗CM−H
b抗体)の調製〕 ハイブリドーマ2B3株を、10%FCSを含むRPM
I−1640培地で培養した。ハイブリドーマの培養上
清に等量の飽和硫酸アンモニウムを加え、遠心分離し沈
殿を分取した。この沈殿を少量の10mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.5)に溶解させ、同じ緩衝液に対して透
析した。透析後遠心分離し不溶物を除き、これをDEA
E−セルロースカラムにかけた。緩衝液で洗浄後、食塩
濃度勾配により溶出しIgG画分を分取した。この画分
をゲル濾過HPLCカラム(バイオラッド社、Bio−Sil
TSK250)にかけ、クロマトグラフィーを行うことによ
り抗CM−Hb抗体である精製モノクローナル抗体を得
た。
b抗体)の調製〕 ハイブリドーマ2B3株を、10%FCSを含むRPM
I−1640培地で培養した。ハイブリドーマの培養上
清に等量の飽和硫酸アンモニウムを加え、遠心分離し沈
殿を分取した。この沈殿を少量の10mMトリス塩酸緩
衝液(pH8.5)に溶解させ、同じ緩衝液に対して透
析した。透析後遠心分離し不溶物を除き、これをDEA
E−セルロースカラムにかけた。緩衝液で洗浄後、食塩
濃度勾配により溶出しIgG画分を分取した。この画分
をゲル濾過HPLCカラム(バイオラッド社、Bio−Sil
TSK250)にかけ、クロマトグラフィーを行うことによ
り抗CM−Hb抗体である精製モノクローナル抗体を得
た。
【0047】(8)〔抗Hbポリクローナル抗体のビオ
チン標識〕 抗Hbポリクローナル抗体のビオチン標識はプロテイン
ビオチニレーションシステム(GIBCO社製)を用いて行
った。
チン標識〕 抗Hbポリクローナル抗体のビオチン標識はプロテイン
ビオチニレーションシステム(GIBCO社製)を用いて行
った。
【0048】市販の抗Hbポリクローナル抗体((株)
日本バイオテスト研究所製)を、1.5mg/mlにな
るように20mMのPBSで調製した溶液に、0.05
Mになるように炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)を
加えた。次いで、該抗体溶液6.7mlに説明書に従っ
て作成した50mg/mlのCAB−NHSエステル溶
液26μlを加え、室温で1時間緩やかに撹拌し、0.
11Mになるように塩化アンモニウムを加えて反応を停
止させた。その後、本キットに付属のカラムで抗体溶液
を脱塩した。更に、キット付属のavidin/HAB
Aを用いて、導入されたビオチンのモル数を測定したと
ころ、抗Hbポリクローナル抗体1モルに対してビオチ
ンは14モル結合していた。
日本バイオテスト研究所製)を、1.5mg/mlにな
るように20mMのPBSで調製した溶液に、0.05
Mになるように炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)を
加えた。次いで、該抗体溶液6.7mlに説明書に従っ
て作成した50mg/mlのCAB−NHSエステル溶
液26μlを加え、室温で1時間緩やかに撹拌し、0.
11Mになるように塩化アンモニウムを加えて反応を停
止させた。その後、本キットに付属のカラムで抗体溶液
を脱塩した。更に、キット付属のavidin/HAB
Aを用いて、導入されたビオチンのモル数を測定したと
ころ、抗Hbポリクローナル抗体1モルに対してビオチ
ンは14モル結合していた。
【0049】(9)〔検体溶液の調整〕 健常者及び糖尿病患者それぞれ2検体溶液よりEDTA
−2Kを含む真空採血管にて採取した血液を以下の方法
で処理し、下記のサンドイッチELISA法で測定試料
溶液として用いる検体溶液を調整した。
−2Kを含む真空採血管にて採取した血液を以下の方法
で処理し、下記のサンドイッチELISA法で測定試料
溶液として用いる検体溶液を調整した。
【0050】上記血液のHb濃度をシアンメトヘモグロ
ビン法を用いて測定した後、該血液10μlを20mM
MOPS(pH7.4、1% Tween20 を含
む)90μl中で溶血させ、更に20mM MOPS
(pH7.4、0.15MNaCl を含む)2.4mlで
希釈することでTween20の終濃度を0.04%に
調整した。更にその後、Hbの終濃度が100μg/m
lとなるように20mM MOPS(pH7.4、0.
15M NaCl 、0.04% Tween20を含
む)で希釈した(被検体溶液1)。該検体溶液を、20
mM MOPS(pH7.4、0.15M NaCl
を含む)で倍希釈することで、更に検体溶液2(Hb濃
度 50μg/ml、Tween20濃度 0.02
%)、及び検体溶液3(Hb濃度 25μg/ml、T
ween20濃度 0.01%)を調整した。
ビン法を用いて測定した後、該血液10μlを20mM
MOPS(pH7.4、1% Tween20 を含
む)90μl中で溶血させ、更に20mM MOPS
(pH7.4、0.15MNaCl を含む)2.4mlで
希釈することでTween20の終濃度を0.04%に
調整した。更にその後、Hbの終濃度が100μg/m
lとなるように20mM MOPS(pH7.4、0.
15M NaCl 、0.04% Tween20を含
む)で希釈した(被検体溶液1)。該検体溶液を、20
mM MOPS(pH7.4、0.15M NaCl
を含む)で倍希釈することで、更に検体溶液2(Hb濃
度 50μg/ml、Tween20濃度 0.02
%)、及び検体溶液3(Hb濃度 25μg/ml、T
ween20濃度 0.01%)を調整した。
【0051】(10)〔サンドイッチELISA法によ
る血液中のCM−Hbの測定〕 健常者及び糖尿病患者由来の血液から調製した上記各検
体溶液について、上記の方法で得られた抗CM−Hb抗
体を用いたサンドイッチELISA法によりCM−Hb
を測定した。
る血液中のCM−Hbの測定〕 健常者及び糖尿病患者由来の血液から調製した上記各検
体溶液について、上記の方法で得られた抗CM−Hb抗
体を用いたサンドイッチELISA法によりCM−Hb
を測定した。
【0052】上記の方法で得られた抗CM−Hb抗体
を、炭酸ナトリウム緩衝液(pH9)に3μg/mlと
なるよう希釈したものを、96ウェルのEIA用マイク
ロプレートの各ウェルに0.3mlずつ加え、37℃で
1時間放置し固定した。マイクロプレートから抗体溶液
を除去し、0.1%Tween20を含むトリス塩酸緩
衝液(pH7.4、0.15M NaCl)で3回洗浄
した。該プレートの各ウェルに、上記の方法で調整した
検体溶液1〜3を、それぞれ各ウェル当たり0.1ml
ずつ加え、37℃で15分放置した。各ウェルより溶液
を除去し、0.5%Tween20を含むトリス塩酸緩
衝液(pH7.4、0.15M NaCl)で3回洗浄
した後、ビオチン化した抗Hbポリクローナル抗体を2
0mM MOPS(pH7.4、0.15M NaC
l)に1μg/mlとなるよう希釈し、各ウェルに0.
1mlずつ加え37℃で15分放置した。
を、炭酸ナトリウム緩衝液(pH9)に3μg/mlと
なるよう希釈したものを、96ウェルのEIA用マイク
ロプレートの各ウェルに0.3mlずつ加え、37℃で
1時間放置し固定した。マイクロプレートから抗体溶液
を除去し、0.1%Tween20を含むトリス塩酸緩
衝液(pH7.4、0.15M NaCl)で3回洗浄
した。該プレートの各ウェルに、上記の方法で調整した
検体溶液1〜3を、それぞれ各ウェル当たり0.1ml
ずつ加え、37℃で15分放置した。各ウェルより溶液
を除去し、0.5%Tween20を含むトリス塩酸緩
衝液(pH7.4、0.15M NaCl)で3回洗浄
した後、ビオチン化した抗Hbポリクローナル抗体を2
0mM MOPS(pH7.4、0.15M NaC
l)に1μg/mlとなるよう希釈し、各ウェルに0.
1mlずつ加え37℃で15分放置した。
【0053】次いで、溶液を除去し0.1%Tween
20を含むトリス塩酸緩衝液(pH7.4、0.15M
NaCl)で3回洗浄した後、ABCキット(ベクター
社)に従いアビジンを介して抗原抗体複合体(抗CM−
Hb抗体―CM−Hb―ビオチン化抗Hbポリクローナ
ル抗体)をアルカリホスファターゼ標識した。
20を含むトリス塩酸緩衝液(pH7.4、0.15M
NaCl)で3回洗浄した後、ABCキット(ベクター
社)に従いアビジンを介して抗原抗体複合体(抗CM−
Hb抗体―CM−Hb―ビオチン化抗Hbポリクローナ
ル抗体)をアルカリホスファターゼ標識した。
【0054】次いで、溶液を除去し0.1%Tween
20を含むトリス塩酸緩衝液(pH7.4、0.15M
NaCl)で3回洗浄した後、発色基質溶液を各ウェル
に0.1mlずつ加え、室温で4分放置した。発色基質
溶液はp−ニトロフェニルリン酸の2−エタノールアミ
ン水溶液(BIO-RAD社)を使用した。
20を含むトリス塩酸緩衝液(pH7.4、0.15M
NaCl)で3回洗浄した後、発色基質溶液を各ウェル
に0.1mlずつ加え、室温で4分放置した。発色基質
溶液はp−ニトロフェニルリン酸の2−エタノールアミ
ン水溶液(BIO-RAD社)を使用した。
【0055】反応後、0.5Mの NaOHを各ウェル
に0.1mlずつ加え反応を停止し、波長460nmで
の吸光度を測定することで、検体溶液中のCM−Hbに
由来する、発色強度の測定値を得た。同様の測定を5回
行い、測定値の再現性を評価した。上記と同様の方法で
検体処理及び発色強度の測定を行った標準健常者検体の
発色強度の測定値を1U(ユニット)とした時の各測定
値の換算U値に関して、平均値、標準偏差、変動係数を
表1に示す。
に0.1mlずつ加え反応を停止し、波長460nmで
の吸光度を測定することで、検体溶液中のCM−Hbに
由来する、発色強度の測定値を得た。同様の測定を5回
行い、測定値の再現性を評価した。上記と同様の方法で
検体処理及び発色強度の測定を行った標準健常者検体の
発色強度の測定値を1U(ユニット)とした時の各測定
値の換算U値に関して、平均値、標準偏差、変動係数を
表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】比較例1 サンドイッチELISA法によ
る血液中のCM−Hbの測定 実施例1で用いた抗CM−Hb抗体と同じ抗体を用い
て、実施例1(10)と同様の方法でサンドイッチEL
ISA法を行った。
る血液中のCM−Hbの測定 実施例1で用いた抗CM−Hb抗体と同じ抗体を用い
て、実施例1(10)と同様の方法でサンドイッチEL
ISA法を行った。
【0058】但し、使用した検体溶液は、実施例1で用
いた各血液を以下の方法で処理したものである。
いた各血液を以下の方法で処理したものである。
【0059】即ち、検体溶液の調整は、抗原抗体反応時
に系中に非イオン性界面活性剤が存在しないように、血
液10μlを20mM MOPS(pH7.4)90μ
l中で溶血させ、更に20mM MOPS(pH7.
4、0.15M NaCl を含む)でHbの終濃度が
100μg/mlとなるように希釈し検体溶液4を調製
した。次いで、該検体溶液4を、20mM MOPS
(pH7.4、0.15MNaCl を含む)で倍希釈
することで、更に被検体溶液5(Hb濃度 50μg/
ml)、及び被検体溶液6(Hb濃度 25μg/m
l)を調整した。該検体溶液4〜6を用いて、検体溶液
血液中のCM−Hbを測定した。
に系中に非イオン性界面活性剤が存在しないように、血
液10μlを20mM MOPS(pH7.4)90μ
l中で溶血させ、更に20mM MOPS(pH7.
4、0.15M NaCl を含む)でHbの終濃度が
100μg/mlとなるように希釈し検体溶液4を調製
した。次いで、該検体溶液4を、20mM MOPS
(pH7.4、0.15MNaCl を含む)で倍希釈
することで、更に被検体溶液5(Hb濃度 50μg/
ml)、及び被検体溶液6(Hb濃度 25μg/m
l)を調整した。該検体溶液4〜6を用いて、検体溶液
血液中のCM−Hbを測定した。
【0060】なお、測定は同様の測定を5回行い、測定
値の再現性を評価した。上記実施例1と同様に、標準健
常者検体の発色強度の測定値を1U(ユニット)とした
時の各測定値の換算U値に関して、平均値、標準偏差、
変動係数を表2に示す。
値の再現性を評価した。上記実施例1と同様に、標準健
常者検体の発色強度の測定値を1U(ユニット)とした
時の各測定値の換算U値に関して、平均値、標準偏差、
変動係数を表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】実施例1及び比較例1の測定結果より、測
定系中に親水疎水度10〜17の非イオン生界面活性剤
を添加した系におけるCM−Hb測定結果の変動係数が
小さくなっており、測定再現性が良いことが明らかとな
った。
定系中に親水疎水度10〜17の非イオン生界面活性剤
を添加した系におけるCM−Hb測定結果の変動係数が
小さくなっており、測定再現性が良いことが明らかとな
った。
【0063】実施例2〔ドットブロッティング法による
血液中のCM−Hbの測定〕 (1)〔CM−Hbに対するヤギポリクローナル抗体
(抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体)の作成〕 免疫用の動物としてヤギを選び、実施例1(1)の方法
で作成したCM−Hbを抗原として以下の要領で免疫し
た。
血液中のCM−Hbの測定〕 (1)〔CM−Hbに対するヤギポリクローナル抗体
(抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体)の作成〕 免疫用の動物としてヤギを選び、実施例1(1)の方法
で作成したCM−Hbを抗原として以下の要領で免疫し
た。
【0064】2mg/mlになるように調製した該抗原
溶液1.5mlにフロイントの完全アジュバント1.5
mlを加えたものをヤギの背中の皮下に注射した。その
後、2週間おきに2mg/mlの該抗原0.75ml
に、フロイントの完全アジュバント0.75mlを加え
たものを追加免疫した。この間、CM−Hbに対するポ
リクローナル抗体が産生されたか否かを確認するため
に、2週間に1回ヤギの静脈から部分採血した。6週間
後、抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体が産生された
ことをELISA法で確認し、全採血した。
溶液1.5mlにフロイントの完全アジュバント1.5
mlを加えたものをヤギの背中の皮下に注射した。その
後、2週間おきに2mg/mlの該抗原0.75ml
に、フロイントの完全アジュバント0.75mlを加え
たものを追加免疫した。この間、CM−Hbに対するポ
リクローナル抗体が産生されたか否かを確認するため
に、2週間に1回ヤギの静脈から部分採血した。6週間
後、抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体が産生された
ことをELISA法で確認し、全採血した。
【0065】(2)〔抗CM−Hbヤギポリクローナル
抗体用アフィニティ精製カラムの作成〕 25mlのアフィゲル15を75mlの10mM酢酸緩
衝液(pH4.5)で洗浄した後、10mg/mlのH
b溶液を62.5ml加え、室温で1時間緩やかに撹拌
した。次いで、未反応のHbを濾過にて除去し、1Mの
エタノールアミンを30ml加え、室温で緩やかに撹拌
し、未反応のN−ヒドロキシサクシイミドエステルをブ
ロッキングした。該Hbを固定化した支持体をカラムに
詰め、280nmの吸光度が0になるまでイオン交換水
で洗浄した。更に、20mMのPBSでカラムを平衡化
した。
抗体用アフィニティ精製カラムの作成〕 25mlのアフィゲル15を75mlの10mM酢酸緩
衝液(pH4.5)で洗浄した後、10mg/mlのH
b溶液を62.5ml加え、室温で1時間緩やかに撹拌
した。次いで、未反応のHbを濾過にて除去し、1Mの
エタノールアミンを30ml加え、室温で緩やかに撹拌
し、未反応のN−ヒドロキシサクシイミドエステルをブ
ロッキングした。該Hbを固定化した支持体をカラムに
詰め、280nmの吸光度が0になるまでイオン交換水
で洗浄した。更に、20mMのPBSでカラムを平衡化
した。
【0066】(3)〔抗CM−Hbヤギポリクローナル
抗体のアフィニティ精製〕 作成した抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体を1mg
/mlになるように20mMのPBSで希釈したもの
を、100mg程度になるように該アフィニティ精製カ
ラムにアプライした。次いで、280nmの吸光度が0
になるまで20mMのPBSを流速0.5ml/min
で流した。カラムに結合しなかった抗体を抗CM−Hb
ヤギポリクローナル抗体として回収した。280nmの
吸光度が0になったところで、20mMのPBSから
0.1Mのグリシン緩衝液(pH3.0)に換え、カラ
ムに結合している不要なタンパク質を溶離させ、20m
MのPBSでカラムを平衡化し、回収した抗体を再度カ
ラムにアプライし、カラムに結合しなかった抗体を回収
した。この操作を更に1回繰り返し、アフィニティ精製
した抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体を得た。
抗体のアフィニティ精製〕 作成した抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体を1mg
/mlになるように20mMのPBSで希釈したもの
を、100mg程度になるように該アフィニティ精製カ
ラムにアプライした。次いで、280nmの吸光度が0
になるまで20mMのPBSを流速0.5ml/min
で流した。カラムに結合しなかった抗体を抗CM−Hb
ヤギポリクローナル抗体として回収した。280nmの
吸光度が0になったところで、20mMのPBSから
0.1Mのグリシン緩衝液(pH3.0)に換え、カラ
ムに結合している不要なタンパク質を溶離させ、20m
MのPBSでカラムを平衡化し、回収した抗体を再度カ
ラムにアプライし、カラムに結合しなかった抗体を回収
した。この操作を更に1回繰り返し、アフィニティ精製
した抗CM−Hbヤギポリクローナル抗体を得た。
【0067】(4)〔抗CM−Hb抗体溶液の調整〕 上記の方法で得られた抗CM−Hb抗体を以下の方法で
処理し、下記のドットブロッティング法で用いる抗体溶
液1を調整した。
処理し、下記のドットブロッティング法で用いる抗体溶
液1を調整した。
【0068】該抗CM−Hb抗体を実施例1(8)の方
法でビオチン標識した後、20mMのリン酸緩衝液(p
H7.4、0.15M NaClを含む)に1μg/m
lの濃度となるように加えた。更に、該抗体溶液に終濃
度0.01%となるようにオクチルグルコシドを添加し
た(抗体溶液1)。
法でビオチン標識した後、20mMのリン酸緩衝液(p
H7.4、0.15M NaClを含む)に1μg/m
lの濃度となるように加えた。更に、該抗体溶液に終濃
度0.01%となるようにオクチルグルコシドを添加し
た(抗体溶液1)。
【0069】(5)〔ドットブロッティング法による血
液中のCM−Hbの測定〕 健常者及び糖尿病患者それぞれ2検体溶液よりEDTA
−2Kを含む真空採血管にて採取した血液中のCM−H
bを、ドットブロッティング法により測定した。
液中のCM−Hbの測定〕 健常者及び糖尿病患者それぞれ2検体溶液よりEDTA
−2Kを含む真空採血管にて採取した血液中のCM−H
bを、ドットブロッティング法により測定した。
【0070】該血液のHb濃度をシアンメトヘモグロビ
ン法を用いて測定した後、該Hbが500ngとなるよ
うにドットブロッティング装置(バイオラッド社製)を
用いてPVDF膜(バイオラッド社製)に吸着させた。
該膜を10%のスキムミルクを含む20mMのリン酸緩
衝液(pH7.4)に室温で1時間浸せきした後、上記
の方法で得られた抗体溶液1を5ml塗布し、室温で1
時間インキュベーションし抗原抗体反応を行った。反応
終了後、0.05%のTween20を含む20mMの
リン酸緩衝液(pH7.4)50mlで該膜を3回洗浄
した後、該膜にアビジン−ペルオキシダーゼ標識ビオチ
ン複合体溶液(ベクスタインABCキット:フナコシ社
製)を5ml加え、室温で1時間インキュベーションし
た。0.05%のTween20を含む20mMのリン
酸緩衝液(pH7.4)50mlで該膜を3回洗浄した
後、ECLウエスタンブロッティング検出試薬(アマシ
ャム社製)を2ml加えた。該膜における発色度の検出
は、バイオラッドGS−363モレキュラーイメージャ
ーを用いて行った。これにより、検体溶液中のCM−H
bに由来する、発光強度の測定値を得た。同様の測定を
5回行い、測定値の再現性を評価した。上記と同様の方
法で発光強度の測定を行った標準健常者検体の発光強度
の測定値を1U(ユニット)とした時の各測定値の換算
U値に関して、平均値、標準偏差、変動係数を表3に示
す。
ン法を用いて測定した後、該Hbが500ngとなるよ
うにドットブロッティング装置(バイオラッド社製)を
用いてPVDF膜(バイオラッド社製)に吸着させた。
該膜を10%のスキムミルクを含む20mMのリン酸緩
衝液(pH7.4)に室温で1時間浸せきした後、上記
の方法で得られた抗体溶液1を5ml塗布し、室温で1
時間インキュベーションし抗原抗体反応を行った。反応
終了後、0.05%のTween20を含む20mMの
リン酸緩衝液(pH7.4)50mlで該膜を3回洗浄
した後、該膜にアビジン−ペルオキシダーゼ標識ビオチ
ン複合体溶液(ベクスタインABCキット:フナコシ社
製)を5ml加え、室温で1時間インキュベーションし
た。0.05%のTween20を含む20mMのリン
酸緩衝液(pH7.4)50mlで該膜を3回洗浄した
後、ECLウエスタンブロッティング検出試薬(アマシ
ャム社製)を2ml加えた。該膜における発色度の検出
は、バイオラッドGS−363モレキュラーイメージャ
ーを用いて行った。これにより、検体溶液中のCM−H
bに由来する、発光強度の測定値を得た。同様の測定を
5回行い、測定値の再現性を評価した。上記と同様の方
法で発光強度の測定を行った標準健常者検体の発光強度
の測定値を1U(ユニット)とした時の各測定値の換算
U値に関して、平均値、標準偏差、変動係数を表3に示
す。
【0071】
【表3】
【0072】比較例2〔ドットブロッティング法による
血液中のCM−Hbの測定〕 実施例2で用いた検体溶液と同じ検体溶液を用いて、実
施例2(5)と同様の方法でドットブロッティング法を
行った。実施例2で用いた抗体と同じ抗体を以下の方法
で処理した抗体溶液2を用いて、該検体溶液血液中のC
M−Hbを測定した。即ち抗体溶液の調整において、抗
原抗体反応時に系中に非イオン性界面活性剤が存在しな
いように、該抗CM−Hb抗体を実施例1(8)の方法
でビオチン標識した後、20mMのリン酸緩衝液(pH
7.4、0.15M NaClを含む)に1μg/ml
の濃度となるように加えた。該抗体溶液にはオクチルグ
ルコシドを添加しなかった(抗体溶液2)。
血液中のCM−Hbの測定〕 実施例2で用いた検体溶液と同じ検体溶液を用いて、実
施例2(5)と同様の方法でドットブロッティング法を
行った。実施例2で用いた抗体と同じ抗体を以下の方法
で処理した抗体溶液2を用いて、該検体溶液血液中のC
M−Hbを測定した。即ち抗体溶液の調整において、抗
原抗体反応時に系中に非イオン性界面活性剤が存在しな
いように、該抗CM−Hb抗体を実施例1(8)の方法
でビオチン標識した後、20mMのリン酸緩衝液(pH
7.4、0.15M NaClを含む)に1μg/ml
の濃度となるように加えた。該抗体溶液にはオクチルグ
ルコシドを添加しなかった(抗体溶液2)。
【0073】同様の測定を5回行い、測定値の再現性を
評価した。上記実施例2と同様に標準健常者検体の発光
強度の測定値を1U(ユニット)とした時の各測定値の
換算U値に関して、平均値、標準偏差、変動係数を表4
に示す。
評価した。上記実施例2と同様に標準健常者検体の発光
強度の測定値を1U(ユニット)とした時の各測定値の
換算U値に関して、平均値、標準偏差、変動係数を表4
に示す。
【0074】
【表4】
【0075】以上の結果より、測定系中に非イオン生界
面活性剤を添加した系ではCM−Hb測定値においてよ
り小さい変動係数が得られた(実施例2)のに対し、測
定系中に非イオン生界面活性剤を添加しなかった系では
より大きい変動係数が得られた(比較例2)。このこと
から、検体溶液中のCM−Hbを抗CM−Hb抗体を用
いてドットブロッティング法により免疫学的に測定する
際には、抗原抗体反応系中に非イオン性界面活性剤を添
加することで再現性良く測定出来ることが明らかとなっ
た。
面活性剤を添加した系ではCM−Hb測定値においてよ
り小さい変動係数が得られた(実施例2)のに対し、測
定系中に非イオン生界面活性剤を添加しなかった系では
より大きい変動係数が得られた(比較例2)。このこと
から、検体溶液中のCM−Hbを抗CM−Hb抗体を用
いてドットブロッティング法により免疫学的に測定する
際には、抗原抗体反応系中に非イオン性界面活性剤を添
加することで再現性良く測定出来ることが明らかとなっ
た。
【0076】比較例3 〔サンドイッチELISA法に
よる血液中のCM−Hbの測定〕 実施例1において、Tween20に代えてn−ドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS、親水疎水度40、イオン性
界面活性剤)を用いる他は実施例1と同様にして、抗C
M−Hb抗体を用いたサンドイッチELISA法により
CM−Hbを測定した。結果を表5に示す。
よる血液中のCM−Hbの測定〕 実施例1において、Tween20に代えてn−ドデシ
ル硫酸ナトリウム(SDS、親水疎水度40、イオン性
界面活性剤)を用いる他は実施例1と同様にして、抗C
M−Hb抗体を用いたサンドイッチELISA法により
CM−Hbを測定した。結果を表5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】抗原抗体反応時にイオン系界面活性剤であ
るSDSを添加する方法(比較例3)は、非イオン性界
面活性剤であるTween20を添加する方法(実施例
1)と比較して再現性良く測定することが出来なかっ
た。
るSDSを添加する方法(比較例3)は、非イオン性界
面活性剤であるTween20を添加する方法(実施例
1)と比較して再現性良く測定することが出来なかっ
た。
【0079】比較例4 〔サンドイッチELISA法に
よる血液中のCM−Hbの測定〕 実施例1において、Tween20に代えてソルビタン
ミリステート(Span−40、親水疎水度6.7)を
用いる他は実施例1と同様にして、抗CM−Hb抗体を
用いたサンドイッチELISA法によりCM−Hbの測
定を試みた。親水疎水度が10未満の非イオン性界面活
性剤であるSpan−40を添加する方法(比較例4)
は、界面活性剤の溶解が困難であった。
よる血液中のCM−Hbの測定〕 実施例1において、Tween20に代えてソルビタン
ミリステート(Span−40、親水疎水度6.7)を
用いる他は実施例1と同様にして、抗CM−Hb抗体を
用いたサンドイッチELISA法によりCM−Hbの測
定を試みた。親水疎水度が10未満の非イオン性界面活
性剤であるSpan−40を添加する方法(比較例4)
は、界面活性剤の溶解が困難であった。
【0080】比較例5 〔サンドイッチELISA法に
よる血液中のCM−Hbの測定〕 実施例1において、Tween20に代えて(30)p
−t−オクチルフェニルエーテル(Triton X−
305:親水疎水度 17.3)を用いる他は実施例1
と同様にして、抗CM−Hb抗体を用いたサンドイッチ
ELISA法によりCM−Hbを測定した。結果を表6
に示す。
よる血液中のCM−Hbの測定〕 実施例1において、Tween20に代えて(30)p
−t−オクチルフェニルエーテル(Triton X−
305:親水疎水度 17.3)を用いる他は実施例1
と同様にして、抗CM−Hb抗体を用いたサンドイッチ
ELISA法によりCM−Hbを測定した。結果を表6
に示す。
【0081】
【表6】
【0082】抗原抗体反応時に親水疎水度が17以上の
非イオン性界面活性剤であるTriton X−305
を添加する方法(比較例5)は、親水疎水度が16.7
の非イオン性界面活性剤であるTween20を添加す
る方法(実施例1)と比較して再現性良く測定すること
が出来なかった。
非イオン性界面活性剤であるTriton X−305
を添加する方法(比較例5)は、親水疎水度が16.7
の非イオン性界面活性剤であるTween20を添加す
る方法(実施例1)と比較して再現性良く測定すること
が出来なかった。
【0083】
【発明の効果】本発明の測定方法によれば、血液由来の
検体溶液中のCM−Hbを再現性良く測定することがで
き、血液中のCM−Hbの正確な量を知ることが出来
る。このことは、糖尿病、糖尿病合併症或いは透析アミ
ロイドーシス等のマーカーであるCM−Hbを用いた診
断システムの信頼性を高めるものであり、その意義は大
きい。
検体溶液中のCM−Hbを再現性良く測定することがで
き、血液中のCM−Hbの正確な量を知ることが出来
る。このことは、糖尿病、糖尿病合併症或いは透析アミ
ロイドーシス等のマーカーであるCM−Hbを用いた診
断システムの信頼性を高めるものであり、その意義は大
きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 圭介 山口県徳山市御影町1番1号 株式会社ト クヤマ内
Claims (2)
- 【請求項1】 抗カルボキシメチル化ヘモグロビン抗体
を用いて血液中のカルボキシメチル化ヘモグロビンを抗
原抗体反応により測定する方法において、抗原抗体反応
を親水疎水度が10〜17の非イオン性界面活性剤の存
在下に行うことを特徴とするカルボキシメチル化ヘモグ
ロビンの測定方法。 - 【請求項2】 請求項1記載のカルボキシメチル化ヘモ
グロビンの測定方法において、血液と親水疎水度が10
〜17の非イオン性界面活性剤の水溶液とを混合して調
製した溶血溶液を測定試料として使用することを特徴と
するカルボキシメチル化ヘモグロビンの測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5333498A JPH11248711A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | カルボキシメチル化ヘモグロビンの測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5333498A JPH11248711A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | カルボキシメチル化ヘモグロビンの測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11248711A true JPH11248711A (ja) | 1999-09-17 |
Family
ID=12939854
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5333498A Pending JPH11248711A (ja) | 1998-03-05 | 1998-03-05 | カルボキシメチル化ヘモグロビンの測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11248711A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005091111A (ja) * | 2003-09-16 | 2005-04-07 | Godo Shusei Co Ltd | 尿中総ヘモグロビン定量試薬 |
-
1998
- 1998-03-05 JP JP5333498A patent/JPH11248711A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005091111A (ja) * | 2003-09-16 | 2005-04-07 | Godo Shusei Co Ltd | 尿中総ヘモグロビン定量試薬 |
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