JPH11246627A - 重合可能な色素単量体および該単量体から得られる重合物 - Google Patents

重合可能な色素単量体および該単量体から得られる重合物

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JPH11246627A
JPH11246627A JP4919598A JP4919598A JPH11246627A JP H11246627 A JPH11246627 A JP H11246627A JP 4919598 A JP4919598 A JP 4919598A JP 4919598 A JP4919598 A JP 4919598A JP H11246627 A JPH11246627 A JP H11246627A
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Nobuhide Tominaga
信秀 富永
Takahiro Otsuka
孝洋 大塚
Atsuro Tomita
敦郎 冨田
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Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐水性、耐光性、耐溶剤性、耐移行性及び安
全性等が優れた色素を提供すること。 【解決手段】 本発明の重合可能な色素単量体は、下記
〔化1〕の一般式(I)で表される化合物である。ま
た、本発明の重合物は、上記重合可能な色素単量体から
得られるものである。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所望の色相に設計
された重合可能な色素単量体及び該単量体から得られる
重合物に関し、詳しくは、紫外及び/または可視域の波
長を吸収する重合可能な色素単量体及び該単量体から得
られる重合物からなる、プラスチック成形物、カラー液
晶ディスプレーやデジタルカメラ等に用いるカラーフィ
ルター用色剤、カラープリンターのインクやカラーコピ
ー機のトナー等に用いる色剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】色剤と
して染料を用いる製品において生じる問題は、耐光性、
耐水性、耐熱性、耐移行性等が低く、信頼性、安全性を
欠くことである。本発明は各種の用途における染料の問
題点を解決できる色剤を提供し得るものである。以下、
上記用途ごとの課題を示す。
【0003】(プラスチック成形物)プラスチックはあ
らゆる工業製品に使用され、各々目的により着色され
る。中でも、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレ
ン、ポリカーボネート等の透明性の高いプラスチックの
着色には、透明性を損なうことがないよう、通常そのプ
ラスチックに溶解する染料が選ばれる。しかしながら、
染料で着色されたプラスチックでは、その染料の耐熱
性、耐光性が問題となる他、耐溶剤性、耐移行性の低さ
から抽出及び移行した染料の衛生性が問題となり、用途
が限定されていた。
【0004】(カラーフィルター用色剤)カラー液晶デ
ィスプレー等のディスプレー装置には、通常カラーフィ
ルターが用いられている。カラーフィルターには三原色
に着色された樹脂等が一定のパターンで配置され、着色
のため数種類の色剤が利用されている。カラー液晶ディ
スプレー等のディスプレー装置の表示品位を高めるた
め、カラーフィルターには正確な色度と高い透過率が要
求されており、色素の種類やパターン形成方法等が種々
検討されている。
【0005】カラーフィルターの製法は、染料を用いる
方法と顔料を用いる方法とに大別できる。染料を用いる
方法は、例えば、特開昭55−25067号公報等で提
案されているように、既存の染料で樹脂を染色するとい
う方法でカラーフィルターを製造するものであり、顔料
を用いるカラーフィルターに比べ透過率が高いという利
点がある反面、耐光性が劣り、また、製造プロセス上の
加熱に対する耐熱性が不十分であるという欠点があっ
た。
【0006】(インクジェットプリンター用色剤)各種
カラープリンターの中でも、カラーインクジェットプリ
ンターは、比較的安価に高品位な記録が可能なことから
急速に普及している。カラーインクジェットプリンター
のインクは主に水溶性の材料からなり、色素としては水
溶性の染料を用いることが多い。
【0007】従って、染料を用いたインクによって印刷
された印刷物では、保存中、水滴等で文字等が不鮮明と
なる欠点や、光によって徐々に褪色してしまう欠点を有
していた。これらの欠点を補うため、例えば、特開平2
−296878号公報、特開平2−255876号公
報、特開平6−128515号公報等には、染料とアミ
ンまたはカチオン性の化合物とのイオン的な結合によ
り、染料が水によって流されることを抑制し、耐水性を
向上させる提案がなされているが、耐水性向上の機構が
塩形成によるものであるため、沈殿や目詰まりが生じる
等、インクの保存安定性及び印字の信頼性が不十分であ
った。また、特開昭54−68303号公報、特開平8
−60059号公報等には、インクに紫外線吸収剤を含
有させることにより耐光性を上げる提案がなされている
が、基本的には染料が単分子で存在するため、少量添加
した紫外線吸収剤では十分な耐光性の向上は困難であっ
た。
【0008】(カラートナー用色剤)フルカラーの複写
機において、トナー用の色素は顔料、染料共に適用可能
である。顔料を用いるトナーでは耐光性が高いものの、
透明性が低く、フルカラーの複写における色再現性確保
のためには粒子径を非常に小さくしなければならない。
小径トナーを製造するためにはトナー用樹脂、色素及び
その他の添加剤等の混合物を十分に粉砕する方法や、重
合法、即ち、水中に樹脂単量体、色素及びその他の添加
剤等を混合し、分散させた後、重合を行うことで微粒子
化したトナーを製造する方法等が行われている。しか
し、生産性、コスト、使用可能な樹脂の制限等の点から
未だ満足できる小径カラートナーは得られていない。一
方、染料を用いるトナーでは色再現性に優れ、画像の透
明性が良好であり、OHPシート等、透過光を利用する
用途等に適している。しかし、耐光性では顔料を用いる
トナーに劣るという欠点を有する上、耐移行性、耐溶剤
性、安全性等の点で満足できる特性を得るのは困難であ
った。
【0009】従って、本発明の目的は、耐水性、耐光
性、耐溶剤性、耐移行性及び安全性等が優れた色素を提
供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、従来公知の合成法によって簡単に合成される
特定の色素単量体または該単量体から得られる重合物
が、上記目的を達成しうることを知見した。
【0011】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、下記〔化4〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式
(I)で表される重合可能な色素単量体を提供するもの
である。
【0012】
【化4】
【0013】
【化5】
【0014】
【化6】
【0015】また、本発明は、上記重合可能な色素単量
体から得られる重合物を提供するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の重合可能な色素単
量体および該単量体から得られる重合物について詳細に
説明する。
【0017】本発明の重合可能な色素単量体である上記
一般式(I)で表される化合物において、R1、R2、R3
よびR4で表される炭素原子数1〜8のアルキル基として
は、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピ
ル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、イソブチル、ア
ミル、イソアミル、第三アミル、ヘキシル、ヘプチル、
オクチル、イソオクチル、第三オクチル、2−エチルヘ
キシル等が挙げられる。また、Zで表される炭素原子数
1〜3のアルキレン基としては、例えば、メチレン、エ
チレン、プロピレン等の直鎖あるいは分岐のアルキレン
基が挙げられる。
【0018】上記一般式(I)で表される化合物の代表
例としては、下記〔化7〕〜〔化16〕に示すI−1〜
I−10等が挙げられる。
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】
【化9】
【0022】
【化10】
【0023】
【化11】
【0024】
【化12】
【0025】
【化13】
【0026】
【化14】
【0027】
【化15】
【0028】
【化16】
【0029】本発明の重合可能な色素単量体である上記
一般式(I)で表される化合物の合成法は、次の通りで
ある。即ち、本発明の色素単量体は、色素単量体を合成
するための原料または中間体に、前記一般式(II)また
は(III)で表される基を導入し、次いで、色素化合物を
合成する従来周知の方法を適用することによって容易に
合成することができる。また、水酸基等の官能基を有す
る色素化合物を合成し、次いで、前記一般式(II)また
は(III)で表される基を導入することもできる。
【0030】本発明の重合物は、上述した重合可能な色
素単量体から得られるものである。本発明の重合物は、
該単量体のみを重合して重合物とすることができる他、
該単量体と従来周知の単量体との共重合物とすることが
できる。また、色相を調整するため本発明の重合可能な
色素単量体を二種以上組み合わせた共重合物とすること
もできる。本発明の重合物の製造は、水中、有機溶媒中
または無溶媒で、従来周知の重合触媒を用いて容易に行
うことができる。
【0031】本発明の重合物である上記共重合物を合成
するために用いる周知の単量体としては、スチレン系化
合物並びにα,β−不飽和モノ〜ポリカルボン酸及びそ
のエステル、アミド、イミド、または無水物であり、例
えば、前者では、スチレン、α−メチルスチレン、ヒド
ロキシスチレン等が挙げられ、後者では、アクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シ
トラコン酸、メサコン酸、1−ブチン−2,3,4−ト
リカルボン酸等が挙げられ、上記エステルとしては、上
記α,β−不飽和カルボン酸のメチル、エチル、2−ヒ
ドロキシエチル、プロピル、ブチル、オクチル、ドデシ
ル等のエステルが挙げられ、上記アミドとしては、上記
α,β−不飽和カルボン酸のメチルアミド、ジメチルア
ミド、エチルアミド、ジエチルアミド、プロピルアミ
ド、ジプロピルアミド、ブチルアミド、ジブチルアミ
ド、ヘキシルアミド、オクチルアミド等が挙げられ、上
記イミドとしては、上記α,β−不飽和カルボン酸のマ
レイミド、イタコンイミド、N−ブチルマレイミド、N
−オクチルマレイミド等が挙げられる。
【0032】本発明の色素単量体と周知の単量体との共
重合体とする場合、該周知の単量体の使用量は用途に応
じて適宜選択されるが、通常、本発明の色素単量体10
0重量部に対して、5〜100000重量部の範囲内で
ある。
【0033】本発明の重合可能な色素単量体及び該単量
体から得られる本発明の重合体は、紫外及び/または可
視域の波長を吸収するもので、所望の色相に設計された
ものであり、プラスチック成形物、カラー液晶ディスプ
レーやデジタルカメラ等に用いるカラーフィルター用色
剤、カラープリンター(インクジェットプリンター)の
インクやカラーコピー機のトナー(カラートナー)等の
用途に用いられる。
【0034】
【実施例】以下の実施例によって本発明を更に詳細に説
明する。しかしながら、本発明は下記の実施例によって
制限を受けるものではない。
【0035】実施例1 4−(β,β−ジシアノビニル)−N−(4’−ビニル
ベンジルオキシエチル)−N−エチルアニリン〔化合物
I−1〕の製造
【0036】温度計、冷却管、窒素導入管つき丸底10
00mlフラスコに、N−ヒドロキシエチル−N−エチ
ルアニリン82.5gとナトリウムメトキドの28重量
%メタノール溶液116gを加え、窒素気流下、室温で
1時間攪拌した。次に、加熱及び減圧下、メタノールを
留去し、粘稠なN−ナトリウムオキシエチル−N−エチ
ルアニリン94gを得た。更に、ジメチルホルムアミド
300gを加えて80℃に加熱溶解した後、ジメチルホ
ルムアミド50gで希釈した4−クロロメチルスチレン
92gを滴下した。100℃で 1時間攪拌し、減圧し
てジメチルホルムアミドを留去した。そこへクロロホル
ム500mlを加え、生成した塩を濾別した後、水を加
えて洗浄し、油水分離した。クロロホルムを留去し、粘
稠物142gを得た。この粘稠物を10kgのシリカゲ
ルを充填したカラムに投入し、n−ヘキサン/酢酸エチ
ル=3/1(容量比)を展開溶媒として分離精製し、第
一中間体であるN−(4−ビニルベンジルオキシエチ
ル)−N−エチルアニリン81g(収率58%)を得
た。
【0037】次に、温度計、冷却管、窒素導入管つき丸
底1000mlフラスコに、窒素気流下、N−メチルホ
ルムアニリド34g及びオキシ塩化リン38gを仕込
み、40℃で1時間攪拌した。そこへ上記第一中間体で
あるN−(4−ビニルベンジルオキシエチル)−N−エ
チルアニリン56gをエチレンジクロライド300ml
で希釈した溶液を40℃で滴下した後、80℃で6時間
攪拌した。次に、水酸化ナトリウムの10重量%水溶液
320gで中和処理後、水洗及び油水分離を行った。エ
チレンジクロライドを留去した後、200mlのメタノ
ールから再結晶を行い、第二中間体である4−〔N−
(4’−ビニルベンジルオキシエチル)−N−エチルア
ミノ〕ベンズアルデヒド51g(収率72%)を得た。
【0038】次に、温度計、冷却管、窒素導入管つき丸
底300mlフラスコに、上記第二中間体である4−
〔N−(4’−ビニルベンジルオキシエチル)−N−エ
チルアミノ〕ベンズアルデヒド17.9gとマロノニト
リル3.6g、更に重合禁止剤として2,5−ジ−t−
ブチルハイドロキノン0.1gを加え、シクロヘキシル
アミン酢酸塩100gを溶媒として窒素気流下、100
℃で2時間反応させた。反応終了後、トルエン150m
lを加え、60℃で水洗した。60℃を保持したまま、
硫酸マグネシウム10g及びシリカゲル5gを加えて攪
拌し、濾過した。濾液にメタノール50mlを加えた後
加熱攪拌し、0℃まで冷却した。冷後析出した結晶を濾
取し、減圧乾燥し、黄色結晶13.2g(収率65%)
を得た。λ max =435nm(クロロホルム溶液、以下
同)、ε=2.80×104 であった。
【0039】実施例2 4−(トリシアノビニル)−N−(4’−ビニルベンジ
ルオキシエチル)−N−エチルアニリン〔化合物I−
2〕の製造
【0040】温度計、冷却管、窒素導入管つき丸底20
0mlフラスコに、N−(4’−ビニルベンジルオキシ
エチル)−N−エチルアニリン14.1gとテトラシア
ノエチレン7.0g、DMF100gを溶媒として窒素
気流下、室温で1時間反応させた。反応終了後、溶媒を
留去し、酢酸/ヘキサン=3/7(容量比)を展開溶媒
として、シリカゲルカラムで目的物を分離精製した。脱
溶媒後得られた結晶を減圧乾燥し、赤色結晶8.2g
(収率43%)を得た。λmax =521nm、ε=4.
81×104 であった。
【0041】実施例3 9−メトキシカルボニルメチル−カルバーゾール−3−
メチレン−(4’−ビニルベンジル)シアノアセテート
〔化合物I−3〕の製造
【0042】温度計、冷却管、窒素導入管つき丸底30
0mlフラスコに、9−メトキシカルボニルメチル−3
−ホルミルカルバゾール16.3g、4−ビニルベンジ
ルシアノアセテート11.1g、更に、重合禁止剤とし
て2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン0.1gを加
え、シクロヘキシルアミン酢酸塩100gを溶媒として
窒素気流下、100℃で2時間反応させた。反応終了
後、トルエン200mlを加え、60℃で水洗した。6
0℃を保持したまま、硫酸マグネシウム10g及びシリ
カゲル5gを加えて攪拌し、濾過した。濾液にメタノー
ル50mlを加えた後加熱攪拌し、0℃まで冷却した。
冷後析出した結晶を濾取し、減圧乾燥し、黄色結晶1
7.3g(収率68%)を得た。λmax =392nm
(クロロホルム溶液、以下同)ε=3.02×104
あった。
【0043】実施例4〜10 化合物I−4〜I−10の製造
【0044】置換基が、I−4〜I−10の構造式に対
応する原料を用いる以外は実施例1〜3と同様に合成を
行った。各化合物のλmax およびεを下記〔表1〕に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】実施例11(カラープリンター用色素) 化合物I−2で表される色素単量体25重量部、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸13重量
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート51重量部、
メタクリル酸11重量部及び28重量%アンモニア水4
重量部、更に重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリ
ル5重量部を加え、メチルセロソルブを溶媒として95
℃で5時間反応した。溶媒を留去し得られた固体は数平
均分子量15000、重量平均分子量26200であっ
た。該重合物に水を加えて8重量%の水溶液Aとした。
比較例として、実施例の配合から化合物I−2を除く以
外は同様の条件で反応を行い、無色の共重合物を得た。
該無色の共重合物75重量部及び色素としてアシッドレ
ッド94を25重量部に、水を加えて固形分8重量%の
水溶液Bとした。
【0047】(耐光性試験)A、Bそれぞれの色素溶液
70重量部にグリセリン30重量部を加えてインクジェ
ットプリンター用のインクとし、各インクをインクジェ
ットプリンターを用いて普通紙に印刷し、試験片とし
た。乾燥後、試験片のOD値を測定した。キセノン耐光
性試験機(テーブルサン、スガ試験機(株)製)を用い
て、40℃、15A/m2 の条件で24時間放置した
後、OD値を測定し、残存OD率から耐光性を比較し
た。それらの結果を下記〔表2〕に示す。
【0048】(耐水性試験)A、Bそれぞれの色素溶液
70重量部にグリセリン30重量部を加えてインクジェ
ットプリンター用のインクとし、各インクをインクジェ
ットプリンターを用いて普通紙に印刷し、試験片とし
た。乾燥後、試験片のOD値を測定した。恒温槽で25
℃に調整した水中に試験片を5分間浸した後、OD値を
測定し、残存OD率から耐水性を比較した。それらの結
果を下記〔表2〕に示す。
【0049】
【表2】
【0050】実施例12(カラーフィルタ用色素) 化合物I−1で表される色素単量体20重量部、n−ブ
チルメタクリレート47重量部及び無水マレイン酸33
重量部、更に重合触媒としてアゾビスイソブチロニトリ
ル5重量部を加え、シクロヘキサノンを溶媒として90
℃で6時間反応した。得られた共重合物は数平均分子量
12000、重量平均分子量22000であった。続い
てこの溶液に2−ヒドロキシエチルメタクリレート14
重量部及び重合禁止剤として、2,5−ジ−t−ブチル
ヒドロキノン0.5重量部を加え、90℃で6時間反応
し、樹脂溶液Cとした。比較例として、上記色素の代わ
りに4−(β,β−ジシアノビニル)−N,N−ジエチ
ルアニリンを用いる以外は同様に反応を行い、樹脂溶液
Dとした。
【0051】樹脂溶液C、Dそれぞれ95重量部に、光
重合開始剤としてミヒラーケトン5重量部を添加した
後、ガラス基盤にスピンコータで塗布及び溶剤を乾燥し
て、膜圧1μmになるように調整した。次に、水銀ラン
プを用いて300mJ/cm2の紫外線を照射して硬化
膜とした後、基盤のλmax における透過率を測定した。
これらを230℃のオーブンに1時間放置した後、再び
λmax における透過率を測定し、透過率の変化量から耐
熱性を比較した。それらの結果を〔表3〕に示す。
【0052】
【表3】
【0053】実施例13(カラートナー用色素) 化合物I−5で表される色素単量体22重量部、n−ブ
チルメタクリレート52重量部、ベンジルメタクリレー
ト21重量部及び反応性界面活性剤アデカリアソープN
E−20(旭電化工業(株)製)5重量部を加え、重合
開始剤として過硫酸カリウム1.5重量部を加えて水中
で75℃で3時間乳化重合させた。320メッシュの篩
を用いて粗大粒子を除去して、共重合物Eを得た。比較
例として、上記化合物I−5の代わりに4−(β,β−
ジシアノビニル)−N,N−ジエチルアニリンを用いる
以外は同様に反応を行い、共重合物Fを得た。
【0054】共重合物E、Fをそれぞれガラス盤上に散
布し、120℃のオーブンで加熱溶融して厚さ0.5m
mフィルムを作成した。これらのフィルムの上に白紙を
載せ10g/cm2 の加重をかけ、60℃のオーブン中
で24時間放置後、それぞれの白紙の状態を観察した。
それらの結果を〔表4〕に示す。
【0055】
【表4】
【0056】実施例14(重合成形物) 化合物I−10で表される色素単量体30重量部及び過
酸化ベンゾイル3重量部をメチルメタクリレート70重
量部に溶解し、この溶液を直径5cmのアルミ箔カップ
に厚さ1cmになるように注いで60℃で塊状重合し成
形物Gを得た。比較例として、上記化合物I─10の代
わりに1,4−ジ−(N−ヒドロキシエチルアミノ)ア
ントラキノン30重量部を用いる以外は同様に重合を行
い、成形物Hを得た。
【0057】成形物G、Hをそれぞれ、メタノール/水
=5/5(重量比)に浸漬し、室温で24時間放置した
後、それぞれの溶液の色を観察した。それらの結果を
〔表5〕に示す。
【0058】
【表5】
【0059】上記実施例から明らかなように、本発明に
係る前記一般式(I)で表される化合物からなる色素を
用いた場合、従来の染料を用いた場合と比較すると、
〔実施例11〕から、耐水性、耐光性に優れ、〔実施例
12〕から耐熱性に優れ、〔実施例13〕から耐移行性
に優れ、〔実施例14〕から耐溶剤性に優れることがわ
かる。
【0060】
【発明の効果】本発明の重合可能な色素単量体及び該単
量体から得られる本発明の重合物は、耐水性、耐光性、
耐溶剤性、耐移行性及び安全性が優れたものであり、従
来から用いられる染料に代わる色素として有用である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記〔化1〕の一般式(I)で表される
    重合可能な色素単量体。 【化1】 【化2】 【化3】
  2. 【請求項2】 請求項1記載の重合可能な色素単量体か
    ら得られる重合物。
  3. 【請求項3】 カラーフィルター用、インクジェットプ
    リンターのインク用またはカラートナー用の色素に用い
    られる、請求項1記載の重合可能な色素単量体。
  4. 【請求項4】 カラーフィルター用、インクジェットプ
    リンターのインク用またはカラートナー用の色素に用い
    られる、請求項2記載の重合物。
JP4919598A 1998-03-02 1998-03-02 重合可能な色素単量体および該単量体から得られる重合物 Pending JPH11246627A (ja)

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