JPH11246427A - 糖・脂質代謝活性化剤 - Google Patents
糖・脂質代謝活性化剤Info
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- JPH11246427A JPH11246427A JP10052097A JP5209798A JPH11246427A JP H11246427 A JPH11246427 A JP H11246427A JP 10052097 A JP10052097 A JP 10052097A JP 5209798 A JP5209798 A JP 5209798A JP H11246427 A JPH11246427 A JP H11246427A
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Abstract
の安全な成分により促進すること、即ち、食品に含有さ
れる成分を用いることにより糖代謝および脂質代謝の活
性を促進すること。 【解決手段】 脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶
で且つ1−ブタノール可溶の画分である糖および脂質代
謝活性化剤。
Description
した糖および脂質代謝活性化剤に関し、詳しくは、脱脂
胡麻の抽出物またはセサミン若しくはセサモールを、糖
および脂質代謝活性化剤として医薬組成物または食品に
含有させ、その投与または摂取により生体における糖代
謝および/または脂質代謝の活性化に寄与し、もって、
糖尿病、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、肥満などの糖
代謝異常および/または脂質代謝異常に関連する疾患を
予防および/または治療することに関する。
が、その発症は、環境、即ち生活環境や生活習慣に非常
に影響されやすいものである。そして、経済的発展に伴
う生活様式および生活習慣の変化、並びに飽食や運動不
足により生じてくる肥満と、糖尿病の発症または有病率
との間には強い関連性が認められている。
えており、糖代謝および脂質代謝を中心に活発な代謝機
能を行っている。これらの細胞の代謝機能低下、更に機
能不全が原因の一つとなり、糖尿病、高脂血症、高血
圧、動脈硬化、肥満などの疾患がもたらされる。この機
能不全を改善するためには、前駆脂肪細胞からの脂肪細
胞への分化を促進し、代謝を活発にすることが重要であ
ると考えられている。
および治療効果が注目されており、前記の糖尿病や循環
器系の疾患に対しても、食品成分による予防および治療
効果を得られるものの開発が期待されている。
本発明は、糖代謝および脂質代謝の活性化を、食品由来
の安全な成分により促進すること、即ち、食品に含有さ
れる成分を用いることにより糖代謝および脂質代謝の活
性を促進することを目的とする。
めに本発明は、脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶
性画分のうちの1−ブタノール可溶性画分またはその有
効成分の一つであるセサミン若しくはセサモールを単独
でまたは組み合わせて糖および脂質代謝活性化剤とし、
該活性化剤を糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化など
の糖代謝および脂質代謝異常に関連する疾患の予防およ
び/または治療のために使用することを提供する。即
ち、本発明は、 (1) 脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶で且つ
1−ブタノール可溶の画分である糖および脂質代謝活性
化剤 (2) セサミンおよびセサモールからなる群より選択
した少なくとも1である糖および脂質代謝活性化剤 (3) 請求項1または2に記載の代謝活性化剤を活性
成分として含有する医薬組成物 (4) 請求項1または2に記載の代謝活性化剤を添加
物として含有する食品 を提供するものである。
本発明の糖および脂質代謝活性化剤である脱脂胡麻抽出
画分は、次のようにして得ることができる。
ノールを用いて加温還流を行いながら抽出する。得られ
た抽出物を乾固するまで溶媒を蒸発させる。この残渣に
1−ブタノールと水を添加して溶解し、静置して各層に
分配する。これを分液ロートを用いて、ブタノール層と
水層に分離する。この分離は、水の混入を避けるために
1回だけ行うことが好ましい。該ブタノール層を乾固す
ることにより、本発明の活性画分が得られる。その後、
所望の場合には、エーテルを添加してエーテル可溶物と
エーテル不溶物に分け、それらを蒸発乾固し、各々エー
テル可溶画分とエーテル不溶画分としてもよい。これら
エーテル可溶画分およびエーテル不溶画分は、何れも本
発明における薬理活性を有している。
品名でSIGMAから入手可能である。また、後述の実
施例で述べるように、特許1961008号に開示され
た方法で抽出したものを用いてもよい。
抽出物並びにセサミンおよびセサモールの有する薬理効
果について説明する。本発明の活性化剤である脱脂胡麻
の抽出物が、脂質代謝および糖代謝を活性化する作用を
有することを証明するために、細胞株として樹立された
前駆脂肪細胞であるマウス3T3−L1繊維芽細胞( 以
後3T3−L1とも言う) を用いてインビトロの試験を
行った。
促進作用について明らかにするために、3T3−L1繊
維芽細胞を用いて検討した。一般に、繊維芽細胞から脂
肪細胞に分化した細胞では、分化前に比較して、グリセ
ロール−3−リン酸脱水素酵素(GPDH)活性が著し
く上昇すること、更に細胞内トリグリセリド量も同様に
増加することが知られている。このことから、本発明の
脂肪細胞分化への効果の指標として、グリセロール−3
−リン酸脱水素酵素(GPDH)活性および細胞内トリ
グリセリド量を測定した。
る、エーテル可溶画分およびエーテル不溶画分並びにセ
サミンおよびセサモールにより、GPDH活性増加の傾
向およびTG量増加の傾向が見られた。
化を増強する作用を有している。そこで、本発明の活性
化剤とインスリンとの相乗作用について検討するため
に、該抽出物またはセサミン若しくはセサモールを、各
々インスリンと併用した。即ち、併用したインスリン濃
度を1μMとした時のGPDH活性およびTG量の測定
を行った(表1)。本発明の活性化剤とインスリンとの
併用は、インスリンを単独で処理したときに比較して、
顕著なGPDH活性の増加およびTG量の増加を誘導し
た(表1)。この効果は、前駆脂肪細胞の分化促進剤と
して用いられる、デキサメタゾン(0.25μM)およ
び1−メチル−3−イソブチルキサンチン(0.5m
M)とインスリン(6μg/mL)とを併用した場合よ
りも強力であった(表1)。セサミンおよびセサモール
もまた、各々インスリンの効果を増強した(表1)。
するために、分化後の3T3−L1におけるグルコース
の取り込み量を測定した。本発明のセサミンおよび/ま
たはインスリンを用いて3T3−L1繊維芽細胞を脂肪
細胞に分化させた後、セサミンは添加せず、インスリン
については添加群と無添加群とをおき、分化した3T3
−L1細胞における、グルコース取り込み量の変化につ
いて測定した。
は、インスリンの添加によりグルコースの取り込みが著
しく上昇した。その値はインスリンの効果として、イン
スリンの有無の差で求めた数値(表2)である。即ち、
このことはセサミンで処理した細胞では、インスリンの
感受性が高まっていることを示している。
いて説明する。本発明の医薬組成物は、その活性成分に
より糖および脂質代謝活性を活性化し、糖尿病、高脂血
症、高血圧症、動脈硬化、肥満などの糖代謝異常および
/または脂質代謝異常に関連する疾患の予防および/ま
たは治療することが可能である。
サモールは、様々なインスリン製剤またはスルホニル尿
素系若しくはα−グルコシダーゼ阻害剤等の経口血糖降
下薬と組み合わせて使用してもよいが、これらに限られ
るものではない。本発明の抽出物は、単独で脂肪細胞の
分化を促進し、糖代謝および脂質代謝を活性化するが、
インスリンと組み合わせることによって、インスリンの
作用を強力に促進させる作用を有する。
サモールは、単回投与量約0.01mg/体重kgから
約1mg/体重kgの範囲内での有効量を、1日当たり
の投与量で1回でまたは数回に分割する方法で投与すれ
ばよい。厳密な用量は、投与様式、投与薬の剤形、治療
する対象の症状および体重等によって広範に変化し得る
ので、責任のある医師若しくは獣医師の経験と選択によ
って決定されるべきものである。
る作用部位に効果的に輸送される限り、経口または非経
口投与、例えば経直腸、経皮膚、皮下、静脈内、尿道
内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、眼科的経路等の如何なる
経路による投与も可能であるが、経口が好ましい。
る担体と組み合わせた、本発明の活性成分を含む。本発
明の医薬組成物の製造においては、該抽出物を、薬学的
に使用可能な賦形剤および補助剤を含む担体を含有する
ことが可能であり、それ自身公知の方法、例えば、慣用
的な混合、顆粒化、糖衣形成、溶解または凍結乾燥工程
のような方法で製造できる。例えば、該活性抽出物は、
通常担体と混合し、担体により希釈し、または担体内に
封入することが出来る。これらはアンプル、カプセル、
紙またはその他の容器中に加えることが出来る。希釈剤
として担体を用いるときは、その担体は、該活性抽出物
のための媒体、賦形剤または媒介物となり得るような固
体、半固体または液体材料等が当てはまる。適切な担体
として、水、塩溶液、アルコール、ポリエチレングリコ
ール、ひまし油、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステア
リン酸マグネシウム、タルク、珪酸、脂肪酸モノグリセ
ライドおよびジグリセライド、ペンタエリスリトール脂
肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース並びにポリ
ビニルピロリジン等が挙げられるが、これらに制限され
るものではない。
所望とあれば、本発明の活性抽出物と無害に混合できる
ものである限り、如何なる補助剤、乳化剤、浸透圧調整
用塩、緩衝液および/または着色剤等と共に混合するこ
とができる。
に経口剤として許容される限り、粉末、顆粒、錠剤、糖
衣錠、カプセル、軟カプセル、溶液、懸濁液、シロップ
等の如何なるものも可能である。
的に非経口投与剤として使用出来るものである限り、注
射用水性溶液、注射用水性懸濁液、油性注射剤用懸濁液
等の如何なるものも可能である。
ついて説明する。本発明の抽出物並びにセサミンおよび
セサモールは、糖および脂質代謝活性化効果を有する添
加剤として、如何なる種類、また如何なる形状の食品に
も含ませることが可能である。該添加物を添加すること
により、様々な食品を健康食品、保健食品、栄養強化食
品等として使用することを可能にする。
した糖および脂質代謝活性化成分を、添加物として該活
性化成分を含有しない食品(または少量含有する食品)
に補うことにより、本発明の食品を摂取した健康な対象
において、糖代謝および脂質代謝を活性化することによ
って恒常性維持に寄与する。例えば、糖尿病、高脂血
症、高血圧症、動脈硬化、肥満などの糖代謝異常および
/または脂質代謝異常に関連する疾患を食品として穏や
かに予防し、それにより健康の維持と体調の改善に寄与
することが可能である また、糖尿病、高脂血症、高血圧症、動脈硬化、肥満な
どの糖代謝異常および/または脂質代謝異常に関連する
疾患に罹患した対象が、本発明の食品を摂取すれば、糖
代謝および/または脂質代謝の活性化を促すことによ
り、医師若しくは獣医師により施される医療効果を補助
することも可能であろう。
ミンおよびセサモールを、食品として相応しい有効量で
添加することが必要である。当業者に周知のことである
ように、前記罹患した対象に与える場合の本発明は、該
疾患に悪影響を与えない組成(例えば糖含量)にする必
要がある。
を添加することが可能な食品としては、米類、豆類、麦
類、小麦粉、澱粉、砂糖、澱粉糖、パン類、麺類、菓子
類、食用油、乳製品(バター、チーズ、アイスクリー
ム、乳酸菌製品等)、豆製品、園芸加工品(缶詰、ジャ
ム、乾燥果実、果実飲料等)、清涼飲料、発酵食品類
(酒類、食酢、醤油、ソース、味噌、納豆、漬物等)、
肉製品類(ハム、ベーコン、ソーセージ、缶詰類)、卵
製品、水産食品類、各種冷凍食品類、乾燥食品類、イン
スタント食品類、レトルト食品類等が例に挙げられ、ま
た、調味料類、酵素製品類等に添加することも可能であ
るが、これらに限られるものではない。前記の食品への
添加の方法は、当業者に公知の如何なる方法によっても
可能である。
はこれらに限定されるものではない。 実施例1:活性成分の抽出 <本発明の活性成分の抽出>脱脂胡麻(かどや製油社
製)を、300mLのメタノールを用いて80℃の水浴
上で還流を行いながら、1時間抽出した。これを3回行
った。得られた抽出物を合わせ、50℃から60℃の水
浴上で減圧しながら、ロータリーエバポレーターを用い
て、該抽出物が乾固するまで溶媒を蒸発させた。この残
渣に200mLの1−ブタノールと200mLの水を添
加して溶解し、室温にて1晩静置することにより各層に
分配した。これを分液ロートを用いて、ブタノール層と
水層に分離した。ブタノール層は乾固し、その後、エー
テル(200mL)を添加して、エーテル可溶物とエー
テル不溶物に分けた。それらを蒸発乾固し、各々エーテ
ル可溶画分とエーテル不溶画分とした。
1961008号の開示に従い、次のようにして抽出を
行った。 1.セサミンの抽出 通常の方法により胡麻原料から胡麻油を抽出、精製する
工程で生じた胡麻油脱臭留出物30gを60%エタノー
ル水溶液300mLを用いて、分液ロート内で攪拌、静
置により分離し、上層のエタノール−水混合液280m
Lを遠心分離した。トリメタクリル酸トリメチロールプ
ロパンの重合体を主成分とする多孔質の吸着剤(BET
表面積;5m2/g以上、気孔容積;0.05mL/g以
上、オルガノ社製、EP−3211)80gを直径2.
5cm、長さ50cmのガラスカラムに充填し、前記上
層エタノール−水混合液280mLを適用し、60%エ
タノール水溶液により非吸着成分を完全に洗い流し、非
吸着成分を含有する流出液を採取した。続いて、100
%エタノールの溶出液で吸着成分を溶出し、エタノール
を留去し、褐色油状物と固体の混合物としてセサミンを
得た(収率80%、収量0.702g)。
に4級アミンが結合された低架橋度のI型強塩基性イオ
ン交換樹脂(ロームアンドハース社製;アンバーライト
IRA−401)70gを直径2.5cm長さ50cm
のガラスカラムに充填し、更にNaOHで前記イオン交
換樹脂をOH型とした後、前記カラム内に60%エタノ
ールを通した。そこに、前記セサミンの抽出時に採取し
た流出液を適用し、非吸着液を洗い流し、吸着成分を1
2g硼酸を溶解したメタノール溶液400mLで溶出
し、メタノールを留去することによって、褐色油状物と
固体の混合物としてセサモールを得た(収率92%、収
量0.593g)。
en(Massachusetts Institut
e of technology)より入手し、ダルベ
ッコ変法イーグル培地(日水製薬社製:10%ウシ胎児
血清、ペニシリン(50U/mL)、ストレプトマイシ
ン(50μg/mL)含有)を用い、35mm培養皿
(ヌンク社製)で37℃、5%CO2のインキュベータ
ー内で培養した。培地交換は、2から3日に1度行っ
た。35mm培養皿に1×104cells/mLで播
種すると6日でコンフルエントになった。実験には、コ
ンフルエントになった細胞を用いた。
(GPDH)活性および細胞内トリグリセリド量の測定 前述した方法により、35mm培養皿に播種して6日間
培養し、コンフルエントになった3T3−L1に、前述
した3T3−L1の培養時に使用した培地で調製した1
μMインスリン(SIGMA社製)、1μMインスリン
および1μg/mL〜100μg/mLエーテル可溶画
分、1μMのインスリンおよび1μg/mL〜100μ
g/mLのエーテル不溶画分、1μMのインスリンおよ
び3μM〜100μMのセサミン、1μMのインスリン
および3μM〜30μMのセサモール、0.25μMデ
キサメタゾンおよび0.5mMの1−メチル−3−イソ
ブチルキサンチン並びに6μg/mLインスリンの混合
物を添加し(各々濃度は最終濃度)、更に10日間、3
7℃、5%CO2で培養した。その後氷冷した0.9%
NaClで2回の洗浄後、回収し、1mMEDTA含有
25mMトリス−HCl緩衝液(pH7.5)に懸濁し
た。この細胞懸濁液を超音波(タイテック社製)により
ホモジネートし、8000×gで20分間、4℃で遠心
した。得られた上清を、グリセロール−3−リン酸脱水
素酵素活性の測定および細胞内トリグリセリド量の測定
に用いた。
の測定は、ジヒドロキシアセトンリン酸を基質として用
いて、NADHの酸化による340nmにおける吸光度
の減少を23℃で測定した(Sekiya,Kら:Ph
ytotherapy research、vol1、
No2、1987)。
AKO社製のトリグリセリドアッセイキットを使用し
た。各データは、ローリー法により測定した試料中のタ
ンパク量により補正した。また、実験は、デュプリケイ
トで3回行い、その典型的なデータを示した(表1)。
た細胞における、GPDH活性または細胞内TG量を1
00%とした時の、各処理細胞における、GPDH活性
または細胞内TG量の割合(%)で示した。
は、必ずしもパラレルではないが、両者は共に分化の指
標であることから、どちらの値が上昇していても、分化
は誘導されていると考えられる。
方法により、35mm培養皿に播種して6日間培養し、
コンフルエントになった3T3−L1繊維芽細胞に、前
述した3T3−L1の培養時に使用した培地で調製した
1μMインスリンおよび/または3μM〜100μMセ
サミン(各々濃度は最終濃度)を添加し、更に10日
間、37℃、5%CO2で培養した。3T3−L1繊維
芽細胞は、各々インスリンおよび/またはセサミンを添
加した時点から、分化が始まった。10日後、インスリン
またはセサミンを含有しない培地で2回洗浄し、この洗
浄に用いたものと同様の培地を加えて更に10日間前後
培養し、グルコース取り込み量の測定を行った。
1に、1μMインスリンを添加すると同時に14Cで標識
したグルコースを74KBq添加、または14Cで標識し
たグルコースのみを74KBq添加し、30分間37℃
で静置した。次に、上清を除去して氷冷したリン酸緩衝
液で2回洗浄し、SDSおよびアルカリにより細胞を溶
解した。ヘプタン、イソプロピルアルコールでトリグリ
セリドを抽出し、この抽出したトリグリセリドをシンチ
レーションカウンターで各々の放射能活性を測定した。
料中のタンパク量により補正した。また、実験は、デュ
プリケイトで3回行い、その典型的なデータを示した
(表2)。
をfmol/mgタンパクで示した。以上の結果から、
次のことが確認された。本発明の脱脂胡麻の抽出物並び
にセサミンおよびセサモールは、前駆脂肪細胞である3
T3−L1繊維芽細胞のインスリンによる分化を顕著に
促進する。分化された3T3−L1は、脂肪を蓄積する
能力が向上され、このことにより、本発明の抽出物並び
にセサミンおよびセサモールが脂質代謝を活性化する可
能性が考えられる。さらに、セサミンで分化された3T
3−L1は、インスリンに対する感受性が増大し、それ
によって、細胞内における糖代謝が活性化されているこ
とが示唆された。以上により、本発明の抽出物並びにセ
サミンおよびセサモールが糖尿病、高脂血症、高血圧
症、動脈硬化などの予防および治療に使用できる可能性
が高いと考えられた。
上記実施例に記載した条件および処方を変更しても、本
発明の範囲から逸脱することなく、同様の効果が得られ
ることを、当業者は容易に理解するであろう。
めに本発明は、脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶
性画分のうちの1−ブタノール可溶性画分またはその有
効成分の一つであるセサミン若しくはセサモールを単独
でまたは組合わせて前駆脂肪細胞分化の促進剤とし、該
活性化剤を糖尿病、高脂血症、高血圧、動脈硬化などの
糖代謝および脂質代謝異常に関連する疾患の予防および
/または治療のために使用することを提供する。即ち、
本発明は、 (1) 脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶で且つ
1−ブタノール可溶の画分;セサミン;およびセサモー
ルからなる群より選択した少なくとも1を活性成分とし
て含有する前駆脂肪細胞分化促進剤。 (2) 脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶で且つ
1−ブタノール可溶の画分;セサミン;およびセサモー
ルからなる群より選択した少なくとも1を活性成分とし
て含有する前駆脂肪細胞分化促進剤を有効成分として含
有する脂質代謝活性化剤。 (3) 脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶で且つ
1−ブタノール可溶の画分;セサミン;およびセサモー
ルからなる群より選択した少なくとも1を活性成分とし
て含有する前駆脂肪細胞分化促進剤を有効成分として含
有する糖代謝活性化剤。 (4) 脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶で且つ
1−ブタノール可溶の画分;セサミン;およびセサモー
ルからなる群より選択した少なくとも1を活性成分とし
て含有する前駆脂肪細胞分化促進剤を有効成分として含
有する食品。
Claims (4)
- 【請求項1】 脱脂胡麻から抽出されたメタノール可溶
で且つ1−ブタノール可溶の画分である糖および脂質代
謝活性化剤。 - 【請求項2】 セサミンおよびセサモールからなる群よ
り選択した少なくとも1である糖および脂質代謝活性化
剤。 - 【請求項3】 請求項1または2に記載の代謝活性化剤
を活性成分として含有する医薬組成物。 - 【請求項4】 請求項1または2に記載の代謝活性化剤
を添加物として含有する食品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10052097A JPH11246427A (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | 糖・脂質代謝活性化剤 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10052097A JPH11246427A (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | 糖・脂質代謝活性化剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11246427A true JPH11246427A (ja) | 1999-09-14 |
Family
ID=12905353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10052097A Pending JPH11246427A (ja) | 1998-03-04 | 1998-03-04 | 糖・脂質代謝活性化剤 |
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