JPH11246251A - 水硬性無機質成形体およびその製造方法 - Google Patents

水硬性無機質成形体およびその製造方法

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JPH11246251A
JPH11246251A JP5037698A JP5037698A JPH11246251A JP H11246251 A JPH11246251 A JP H11246251A JP 5037698 A JP5037698 A JP 5037698A JP 5037698 A JP5037698 A JP 5037698A JP H11246251 A JPH11246251 A JP H11246251A
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hydraulic
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carbon dioxide
carbonate
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Yuko Ishida
優子 石田
Mitsuru Awata
満 粟田
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    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/0045Polymers chosen for their physico-chemical characteristics
    • C04B2103/0053Water-soluble polymers
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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    • C04B2111/20Resistance against chemical, physical or biological attack
    • C04B2111/21Efflorescence resistance

Abstract

(57)【要約】 【課題】 白斑が発生するエフロレッセンスはもとよ
り、退色したようにみえるエフロレッセンスも発生しな
い方法を提供する。 【解決手段】 アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属
炭酸水素塩、水硬性材料、水溶性高分子、補強繊維、着
色剤および水を混練、賦形して得られた成形体を、相対
湿度25〜45%で二酸化炭素処理を行うことを特徴と
する水硬性無機質成形体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水硬性無機質成形体
およびその製造方法に関するもので、外壁、屋根材、内
装材等の建築資材の提供に寄与する。
【0002】
【従来の技術】セメント等の水硬性材料は、水硬性材料
に水を加えて混練、成形した場合、反応が進行する過程
で水酸化カルシウムを放出しながら硬化し、強度を上げ
ている。しかしながら硬化の際に発生する余剰の水酸化
カルシウムやセメントに含有されるナトリウム、カリウ
ム等は、成形体の表面にエフロレッセンスとよばれるシ
ミのように見える白色物質を生成する。エフロレッセン
スは、成形体の美観を損なうばかりか、塗装耐久性を低
下させたり、着色剤を十分添加しても発色が不十分にな
ったりする等の点で問題がある。製造過程で発生したエ
フロレッセンスを除去するには高速水で洗浄したり、研
磨でこすり落としたりしなければならず、製品の生産性
を低下させる要因ともなっている。
【0003】従来、エフロレッセンスの発生を防止する
ために、非晶質シリカを水硬性組成物に添加する方法
(特開昭55−75957号公報)、水酸化アルミニウ
ムと炭酸アルカリのハロゲン化物や炭酸アルカリ等を添
加した成形体に二酸化炭素処理を施す方法(特開昭52
−66526号公報)、成形体に二酸化炭素処理を施す
方法(特開昭53−59714号公報)、炭酸塩または
炭酸水素塩をセメント原料に混合する(特開昭55−7
5957号公報)などが提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】非晶質シリカや炭酸水
素塩を配合しただけではエフロレッセンスを十分に防止
することができない。また、特開昭53−59714号
公報に記載の二酸化炭素処理を施す方法では、白斑を防
止することはできるが、表面に厚く緻密な炭酸カルシウ
ムの層を生成させるため、特に着色剤を配合した成形体
の場合に生じる、全体の色が退色したように見えるエフ
ロレッセンスまでは防止することができない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、アルカリ金属
炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩と、水溶性高分子
と、特定の二酸化炭素処理との組み合わせによりエフロ
レッセンスが効果的に防止できるうえ、より発色が高め
られることを発見し、本発明に至った。すなわち本発明
の要旨は、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属炭酸
水素塩、水硬性材料、水溶性高分子、補強繊維、着色剤
および水を混練、賦型して得られた成形体を、相対湿度
25〜45%で二酸化炭素処理を行うことを特徴とする
水硬性無機質成形体の製造方法、および、アルカリ金属
炭酸塩またはアルカリ金属炭酸水素塩、水硬性材料、水
溶性高分子、補強繊維、着色剤および水を混練、賦型し
て得られた成形体を、相対湿度25〜100%で二酸化
炭素処理を行った後、オートクレーブ養生することを特
徴とする水硬性無機質成形体の製造方法に存する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いる水硬性無機質原料は、セメント、石膏等
の水硬性を有する無機材料が挙げられ、セメントが好ま
しく用いられる。セメントとしては普通ポルトランドセ
メント、早強ポルトランドセメント、低熱セメント、高
炉セメント、フライアッシュセメント、アルミナセメン
トおよび低収縮セメントなどが挙げられる。
【0007】水溶性高分子としては一般に水溶性高分子
と称する高分子が用いられ、具体的にはメチルセルロー
ス、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体やポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド等が挙げられ
る。粘性付与、流動調節作用の点でセルロース誘導体、
特に、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが好ましく好
ましく用いられる。水溶性高分子の配合量は、水硬性材
料100重量部に対して、通常0.5〜10重量部、好
ましくは1〜4重量部である。水溶性高分子が0.5重
量部より少ないと、混練物の粘度が不足し、成形しづら
いのみならず、エフロレッセンスを十分に防ぐことがで
きない。一方10重量部を超えると、セメントの硬化不
良を起こしたり、混練物の粘度が高くなりすぎて押出成
形ができなくなったりするおそれがある。また、セルロ
ース誘導体は他の原料と比べて高価であり、大量に配合
するのは経済的でない。特定量の水溶性高分子を配合す
ることにより、エフロレッセンスが防止でき、さらに発
色を高めることができる。
【0008】着色剤としては、有機、無機いずれの着色
剤も使用できるが、オートクレーブ養生を行う場合や建
築資材としてその耐熱性、耐候性を考慮すると、顔料な
どの無機着色剤の方が好ましい。その配合量は、水硬性
材料100重量部に対して、通常0.1〜20重量部で
ある。アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属炭酸水素塩と
しては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナト
リウム、炭酸水素カリウムなどが挙げられる。これらの
中から1以上が選ばれ、2以上を混合して用いても構わ
ない。その配合量は水硬性材料100重量部に対し0.
5〜3重量部である。2以上混合する場合はそれら合計
の総配合量が0.5〜3重量部であればいい。0.5重
量部より少ないと、エフロレッセンス防止効果が十分で
なく、3重量部より多いとセルロース誘導体がゲル化を
起こし、粘度が低下するので、押出成形できなくなるの
で、好ましくない。これらの水硬性材料、水溶性高分子
および着色剤は、水硬性材料100重量部に対して通常
40〜80重量部の水とともに混練し、未硬化の水硬性
無機質組成物を得る。
【0009】本発明の水硬性無機質組成物には、水硬性
材料、水溶性高分子、着色剤、アルカリ金属炭酸塩かつ
アルカリ金属炭酸水素塩より選ばれる1以上の他に珪酸
質原料、石灰質原料、骨材、補強繊維、成形助剤等を含
んでいてもよい。珪酸質は非晶質、結晶質のいずれでも
良く、具体的には5〜12号の珪砂、珪藻土、珪石、石
英、珪石を含んだ鉱物、粘土鉱物、砂利、砕石、活性白
土などの天然品が上げられる。またシリコンダストなど
の工業副産物でもよい。珪酸質原料はセメント100重
量部に対して通常20〜150重量部である。珪酸質原
料を配合するとセメント成形体の強度を高めることがで
きるので、好ましく用いられる。
【0010】石灰質原料としては生石灰、消石灰などが
挙げられる。石灰質原料の配合量はセメント100重量
部に対して通常0〜50重量部である。骨材としては、
粗骨材、細骨材、軽量粗骨材、軽量細骨材、軽量骨材な
どが挙げられ、具体的には砂、石、シラスバルーン、パ
ーライト、発泡ポリエチレンなどが挙げられる。骨材の
配合量は、水硬性材料100重量部に対して通常1〜2
00重量部である。補強繊維としてはパルプなどの天然
繊維、ガラス繊維、炭素繊維などの無機繊維、ポリプロ
ピレン繊維などの有機繊維などの公知の繊維状物質を用
いることができる。これらは単独、もしくは2種以上混
合して用いても良い。補強繊維を配合することにより、
得られる成形体の強度を向上させる。補強繊維の配合量
は、水硬性材料100重量部に対して通常0.5〜20
重量部である。
【0011】成形助剤としては、減水剤、凝結剤、凝結
遅延剤等、通常配合される助剤が使用できる。未硬化の
水硬性無機質組成物は、次いで所定の形状に賦形され
る。賦形の方法は押出成形、型枠に流し込む方法、抄造
法など公知の成形方法が用いられる。好ましくは、押出
成形、型枠に流し込む方法、更に好ましくは、水溶性高
分子がバインダーの役目も果たすことから押出成形が用
いられる。このようにして得られた未硬化の成形体は、
二酸化炭素雰囲気下、相対湿度25〜45%の条件で二
酸化炭素処理を行うことにより、エフロレッセンスが防
止された成形体を得ることができる。得られた成形体
は、さらにオートクレーブ処理を施してもよい。この条
件で二酸化炭素処理を行えば、オートクレーブ処理をし
ても、しなくてもエフロレッセンスが防止された成形体
が得られる。
【0012】また、未硬化の成形体は、二酸化炭素雰囲
気下、相対湿度45〜100%の条件で二酸化炭素処理
を行い、その後オートクレーブ処理を施すことによりエ
フロレッセンスの防止された成形体を得ることができ
る。相対湿度が45〜100%の場合、二酸化炭素処理
後に白斑もしくは退色が発生することもある。しかし、
理由は定かでないがこれらの退色、白斑はオートクレー
ブ処理を行うことにより、消失し、もとの色合いと同
等、もしくはより深い色合いを呈する。特に、アルカリ
金属炭酸塩を配合した場合は、相対湿度25〜100%
の条件下で二酸化炭素処理を施すことにより、オートク
レーブ処理を施すことにより、無機質成形体のほぼ全表
面が、ネット構造を有する析出物で覆われる。
【0013】ここで、ネット構造とは、倍率3000倍程度
で、走査型電子顕微鏡を用いて表面を観察した場合、多
孔質フィルムのように不規則な大きさの孔が無数に点在
している様子が見られ、さらに倍率を拡大して観察する
と、それらの孔が3次元的に連なっているものである。
また、ネット構造は、針状結晶が重なり合って三次元的
につながっているものは含まず、孔が曲線からなってい
るものを指す。二酸化炭素処理の温度は、通常5〜40
℃、好ましくは、未硬化の成形体の温度の±5℃の範囲
である。未硬化セメントの温度は気温、混練原料の温
度、混練条件によって異なるが、例えば、未硬化成形体
の温度が25℃であれば20〜30℃で二酸化炭素養生
を行うのが好ましい。
【0014】二酸化炭素処理の時間は、通常1〜3時間
である。3時間以上二酸化炭素養生してもエフロレッセ
ンスを防止する効果に変化は見られないので、これ以上
養生しても経済的でない。好ましくは1.5〜2.5時
間であり、生産性とエフロレッセンスの防止との両方を
満足することができる。二酸化炭素処理の圧力は、加圧
下でも減圧下でもよいが、装置などの面から通常は大気
圧で行われる。二酸化炭素処理は、恒温恒湿槽で行うの
が湿度と温度を一定に保つことができるので好ましい。
【0015】本発明でいう二酸化炭素雰囲気とは、積極
的に二酸化炭素を供給した状態をさす。二酸化炭素の供
給には、二酸化炭素ガスボンベから直接供給しても、ド
ライアイスの昇華によって供給しても良い。二酸化炭素
処理後に成形体を完全に硬化、高強度化させるために、
加温加湿養生が行われる。加温加湿養生は大気圧下で行
っても、加圧下でのオートクレーブ養生でもよい。オー
トクレーブ養生は短時間で養生を終了させることができ
る。大気圧下での加温加湿養生の後、オートクレーブ養
生を行うのが成形体のハンドリング等の点で好ましい。
【0016】このようにして得られた水硬性無機質成形
体はエフロレッセンスによる白斑がなく、下記の色差の
測定方法により求められる色差が+2.5以下、好まし
くは+2.3以下である。色差は微妙な退色を数値で表
すことができ、色差が+2.5を超える成形体を肉眼で
観察した場合、エフロレッセンスが発生していない面
(以後「基準面」という)より色が薄くなったと感じら
れ、退色したように見えるエフロレッセンスが発生して
いる。更に退色がひどい場合、+4.5を超えることも
ある。またエフロレッセンスによる白斑が発生した場
合、色差は通常+4.5を超えている。
【0017】<色差の測定方法>測定サンプルは測定ン
プル上に、測定面の他に基準面が必要である。基準面
は、予備養生および加温加湿養生中にサンプルの一面を
空気と遮断してエフロレッセンスの発生がない面を作製
して、その面を基準面としても測定サンプルの一部を切
断してその面を基準面としてもよい。本発明でいう色差
は色差計にて基準面と測定面のL*(明度)、a*(赤−
緑方向の色相と彩度を表す色度)、b*(黄−青方向の
色相と彩度を表す色度)を測定、色(1)よりΔEを算
出し、基準面と測定面のL*の値により+、−いずれか
の符号を付すことにより得られる。
【0018】
【数1】 色差(ΔE)={(L0* −L1* 2 +(a0* −a1* 2 (b0* −b1 * 2 1/2 式(1)
【0019】(式中、L0* 、a0* 、b0* は測定面
のL* 、a* 、b* を、L1* 、a1 * 、b1* 、は基
準面のL* 、a* 、b* を表す。) 数(1)で得られた数値に、L0* >L1* の場合は−
の符号を付与し、L0 * ≦L1* の場合は+の符号を付
す。数(1)で求められるΔEは基準面と測定面の色調
の変化を表す。エフロレッセンスは白色であるため、エ
フロレッセンスが発生すると色は薄くなり、色合いが明
るくなる。それ故、測定面の明るさを示すL0* が基準
面の明るさL1* より大きい場合を+、小さい場合を−
とした。−は色合いが暗くなるということであり、エフ
ロレッセンスが全く発生していないばかりか,基準面よ
りも色の深みが増していることを示す。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を越えない限り、下記実施例
に限定されるものではない。 <実施例1>普通ポルトランドセメント(秩父小野田
製)100重量部、珪石(「MS35」秩父工業製)1
00重量部、ベンガル赤(酸化鉄)10重量部、メチル
セルロース(信越化学製)2重量部、故紙パルプ4重量
部、炭酸ナトリウム2重量部をミキサーにて十分空練り
した後、水65重量部を添加し、均一になるまで充分に
混練した。得られたセメント混練物を9.4cm×6.
3cmポリ容器の型枠に厚さ1.3cmになるように流
し込み、賦型した。この未硬化の25℃、相対湿度40
%の恒温恒湿槽に、ドライアイス1.5kgとともに入
れ、2時間放置し、二酸化炭素養生を行った。ドライア
イスは自然に昇華するに任せたが、二酸化炭素処理終了
時にはまだ昇華しきらず残っていた。
【0021】二酸化炭素処理後、直ちに60℃、相対湿
度95%の恒温恒湿槽中に10時間放置し、1次養生さ
せた。1次養生後、ポリ型枠からサンプルをはずし真空
乾燥機にて乾燥したのち、型枠と接していた面を基準
面、接していなかった面を測定面として色差計(日本電
色工業(株)製「SZ−Σ90」)にてL* 、a* 、b
* の測定を行い、色差を求めた。色差測定後のサンプル
をオートクレーブ中で160℃、飽和水蒸気圧で5時
間、水熱反応させるオートクレーブ養生(2次養生)を
行った。2次養生後も1次養生後と同様に色差を求め
た。結果をまとめて表1に示す。得られた成形体の表面
(測定面)は1次養生後も、2次養生後も基準面に比べ
て深い色合いになっていた。2次養生後の成形体の測定
面を走査型電子顕微鏡(倍率1000〜10000倍)
にて観察した。表面がネット状の物質に覆われているの
が観察された。
【0022】<実施例2>二酸化炭素処理の相対湿度を
40%で行った以外は実施例1と同様に行った。結果を
表1に示す。得られた成形体の表面(測定面)は1次養
生後も2次養生後も退色はなく、ほぼ基準面の色より深
い色合いであった。2次養生後の成形体の表面はネット
状物質に覆われているのが観察された。 <実施例3〜5>二酸化炭素処理を相対湿度50%(実
施例3)、70%(実施例4)、100%(実施例5)
で行った他は実施例1同様に行った。結果を表1に示
す。いずれにおいても得られた成形体の表面(測定面)
は1次養生後は若干の退色もしくは白斑を発生したが2
次養生後は退色も白斑もなく、ほぼ基準面の色か、基準
面より深い色合いであった。成形体の表面はネット状物
質に覆われているのが観察された。
【0023】<実施例6>炭酸ナトリウムを添加する代
わりに炭酸水素ナトリウムを配合した他は実施例4と同
じ方法で行った。結果を表1に示す。得られた成形体の
表面(測定面)は1次養生後も2次養生後も退色はな
く、基準面より深い色合いであった。2次養生後の成形
体の表面には細かい粒状物で覆われているのが観察され
た。 <比較例1>二酸化炭素処理の際にドライアイスを投入
せず、空気雰囲気下で行った他は実施例4と同様に行っ
た。結果を表1に示す。得られた成形体の表面(測定
面)に白斑は発生しなかったが、全体が白っぽく退色し
た。2次養生後の成形体の表面はセメント、珪石、炭酸
カルシウム等と見られる結晶が観察され、ネット状の組
成物で覆われてはいなかった。
【0024】<比較例2>メチルセルロースを配合しな
かった他は実施例4と同様に行った。結果を表1に示
す。得られた成形体の表面(測定面)に白斑は発生しな
かったが、全体が白っぽく退色した。2次養生後の成形
体の表面はセメント、珪石、炭酸カルシウム等とみられ
る結晶が観察され、ネット状の組成物で覆われてはいな
かった。 <比較例3>メチルセルロースを配合せず、ヒュームド
シリカ(非晶質:エルケム社製、マイクロシリカ94
0)5重量部を加えた他は実施例4と同様に行った。結
果を表1に示す。得られた成形体の表面(測定面)に白
斑は発生しなかったが、全体が白っぽく退色した。2次
養生後の成形体の表面はセメント、珪石、炭酸カルシウ
ム等がとみられる結晶が観察され、ネット状の組成物で
覆われてはいなかった。 <比較例4〜6>炭酸ナトリウムの代わりに塩化ナトリ
ウムをそれぞれ0.5重量部(比較例4)、1重量部
(比較例5)、2重量部(比較例6)添加した他は実施
例4と同様に行った。結果を表1に示す。得られた成形
体の表面(測定面)に白斑は発生しなかったが、全体が
白っぽく退色した。2次養生後の成形体の表面にはセメ
ント、珪石、炭酸カルシウム等と見られる結晶が観察さ
れ、ネット状の組成物で覆われてはいなかった。
【0025】
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、表面に白色班もなく、
退色もない、極めて美観に優れた成形体を供給すること
ができ、着色の為の塗装を行わない建材の供給が可能で
ある。さらに、退色がないので、着色剤の添加量を抑え
てよりよい発色を得ることができ、経済的である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 18:24 14:02)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属
    炭酸水素塩、水硬性材料、水溶性高分子、補強繊維、着
    色剤および水を混練、賦型して得られた成形体を、二酸
    化炭素雰囲気下、相対湿度25〜45%で二酸化炭素処
    理を行うことを特徴とする水硬性無機質成形体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属
    炭酸水素塩、水硬性材料、水溶性高分子、補強繊維、着
    色剤および水を混練、賦型して得られた成形体を、二酸
    化炭素雰囲気下、相対湿度25〜100%で二酸化炭素
    処理を行った後、オートクレーブ養生することを特徴と
    する水硬性無機質成形体の製造方法。
  3. 【請求項3】 水溶性高分子がセルロース誘導体である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水溶性高分子が、水硬性材料100重量
    部に対して、0.5〜10重量部であることを特徴とす
    る請求項1ないし3いずれか1項に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属
    炭酸水素塩が、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水
    素ナトリウムまたは炭酸水素カリウムであることを特徴
    とする請求項1ないし4いずれか1項に記載の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属
    炭酸水素塩が、水硬性材料100重量部に対して0.5
    〜3重量部であることを特徴とする請求項1ないし5い
    ずれか1項に記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 水硬性材料、水溶性高分子、補強繊維お
    よびアルカリ金属炭酸塩を含み、アルカリ金属炭酸塩が
    水硬性材料100重量部に対して0.5〜3重量部配合
    された、成形体の全表面がネット構造を有する物質で覆
    われているエフロレッセンスが発生していない水硬性無
    機質成形体。
  8. 【請求項8】 珪酸質原料、石灰質原料、骨材から選択
    される1以上を含むことを特徴とする請求項7に記載の
    水硬性無機質成形体。
  9. 【請求項9】 着色剤を含有することを特徴とする請求
    項7または8に記載の水硬性無機質成形体。
  10. 【請求項10】 アルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウム
    または炭酸カリウムであることを特徴とする請求項7な
    いし9いずれか1項に記載の水硬性無機質成形体。
  11. 【請求項11】 水溶性高分子がセルロース誘導体であ
    ることを特徴とする請求項7ないし10いずれか1項に
    記載の水硬性無機質成形体。
JP5037698A 1998-03-03 1998-03-03 水硬性無機質成形体およびその製造方法 Pending JPH11246251A (ja)

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