JPH11245020A - スライドゲートプレート - Google Patents
スライドゲートプレートInfo
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- JPH11245020A JPH11245020A JP6193098A JP6193098A JPH11245020A JP H11245020 A JPH11245020 A JP H11245020A JP 6193098 A JP6193098 A JP 6193098A JP 6193098 A JP6193098 A JP 6193098A JP H11245020 A JPH11245020 A JP H11245020A
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Abstract
孔径および含浸物の粘性を厳密に制御することにより、
前記含浸物をスライドゲートプレート焼結体に適度に含
浸させて、耐食性および耐熱衝撃性等を向上させる。 【解決手段】 耐火性無機材料の骨材に結合材を添加し
て焼成した炭素含有耐火物からなる見掛気孔率が5%以
上16%未満であり、該見掛気孔率の1/10に位置す
る気孔径が2μm以上6μm未満、そして1/2に位置
する気孔径が0.5μm以上2μm未満である焼成体
に、150°Cの温度で1ポイズ以下の粘性を有する炭
素質含有液状物を含浸させたスライドゲートプレート。
Description
る溶銑および溶鋼等の溶融金属の流量制御に使用される
スライドゲートプレートに関する。
量制御用部材として、取鍋での2次処理および連続鋳造
が一般化した現在、鉄鋼業では必要不可欠な耐火材料と
して広く採用されている。スライドゲートプレートは溶
融金属流の制御を司る部分であるために、非常に高度な
機能を要求され、材質面においても種々の苛酷な条件に
優れた特性を持つことが望まれている。このスライドゲ
ートプレートは溶融金属流による急激な熱衝撃と摩耗の
物理的作用に加えて、溶融金属および溶融スラグによる
物理的かつ化学的な侵食作用を受けるので、スライドゲ
ートプレートの具備すべき特性としては大別して、耐熱
衝撃性、耐食性および強度が挙げられる。このスライド
ゲートプレートに種々の特性をバランス良く具備させる
ために、種々な研究がなされてきた。最近では、耐用性
が最も安定しているアルミナ(ジルコニア)−カーボン
系のものが鉄鋼業において広く使用されている。
術としては、無機材料(例えば、アルミナ系、ジルコニ
ア系、シリカ系、カーボン系、炭化珪素など)に結合材
である熱硬化性樹脂(一般的にはフェノール樹脂が多く
用いられている)を添加混練し、成形後に焼成する工程
がとられており、特性向上のために焼成後ピッチあるい
はタールなどを含浸する場合が多い。耐熱衝撃性を向上
させる手法としては、シリカ系、炭化珪素、カーボン系
などの熱膨張係数の低い原料を多く使用することが一般
的であるが、シリカ系、炭化珪素、カーボン系原料など
は溶鋼と容易に反応するあるいは低融点化合物を形成す
るために過剰に添加した場合に、耐食性が著しく低下す
る問題があった。
て、気孔率の低下あるいは鋼が接触したときにガス化し
鋼を押し返す力を作用させる目的のために、焼成体にピ
ッチまたはタールを含浸させる場合が多い。しかし、焼
成体の気孔率が低いことや気孔径が小さいこと、また含
浸させる液状物の粘性が高いなどの問題に起因して表層
しか含浸されず、含浸効果が十分に発揮されていないの
が現状である。
従来のアルミナ−(ジルコニア)−カーボン系スライド
ゲートプレートの問題点を解決するために鋭意研究され
たものであり、スライドゲートプレート焼結体の気孔
率、気孔径および含浸物の粘性を厳密に制御することに
より、前記含浸物をスライドゲートプレート焼結体に適
度に含浸させて耐食性などの特性の向上を図るものであ
る。
炭素含有耐火物からなる見掛気孔率が5%以上16%未
満であり、該見掛気孔率の1/10に位置する気孔径が
2μm以上6μm未満、そして1/2に位置する気孔径
が0.5μm以上2μm未満である焼成体に、150°
Cの温度で1ポイズ以下の粘性を有する炭素質含有液状
物を含浸させたことを特徴とするスライドゲートプレー
ト 2 炭素質含有液状物としてピッチまたはタールを含浸
させたことを特徴とする上記1記載のスライドゲートプ
レート 3 炭素質含有液状物を含浸させた後、還元雰囲気下で
加熱し炭化させたことを特徴とする上記1または2記載
のスライドゲートプレート、を提供する
る。本発明は上記のようにアルミナ−(ジルコニア)−
カーボン系スライドゲートプレート焼結体の気孔率、気
孔径および含浸物の粘性を制御することにより、耐食性
を向上させるものであるが、このような知見に至るに当
たって、使用原料の粒度を変化させ、見掛気孔率、気孔
径を種々変化させた焼成体を制作し、粘性の異なる液状
物を含浸させたスライドゲートプレートを取鍋容器下部
にセットし、実操業上の試験を繰り返した。その結果、
焼成体の見掛気孔率、気孔径、含浸物の粘性によりスラ
イドゲートプレート損傷量に大きな差がみられ、また該
プレートの種類によっては摺動面の溶着などのトラブル
も発生した。そしてこれらの問題点は焼成体の気孔率、
気孔径および含浸率の粘性を厳密にコントロールするこ
とにより解決することが可能となった。
%以上16%未満としたのは、5%未満の場合には含浸
物が十分に入らず、使用時にスライドゲートプレートの
摺動面と鋼が溶着する問題があるからである。また逆に
16%以上であると1回の含浸では含浸量が十分ではな
く、また2回以上行なった場合、含浸成分がプレート中
に多くなり過ぎ逆に損傷が進む傾向があるからである。
また、焼成体の見掛気孔率が1/10及び1/2に位置
する気孔径とは、細孔分布を測定し、縦軸に見掛気孔
率、横軸に気孔径をとった場合に、縦軸の切片に位置す
る焼成体の見掛気孔率を1/10及び1/2とした場合
の気孔径を示す。
2μm以上6μm未満としたのは、2μm未満ではスラ
イドゲートプレートが緻密すぎて含浸物が入り難く、使
用時にスライドゲートプレートの摺動面と鋼が溶着する
問題が起こるためであり、6μm以上の場合は1回の含
浸では含浸量が十分ではなく、2回以上行なった場合、
含浸成分がプレート製品中に多くなり過ぎ、逆に損傷が
進む傾向があるためである。
する気孔径を0.5μm以上2μm未満としたのは、
0.5μm未満ではスライドゲートプレートが緻密すぎ
て含浸物が入り難く、使用時にスライドゲートプレート
の摺動面と鋼が溶着する問題が起こるためであり、2μ
m以上の場合は1回の含浸では含浸量が十分ではなく、
2回以上行なった場合、含浸成分がプレート製品中に多
くなり過ぎ、逆に損傷が進む傾向があるためである。
で粘性を1ポイズ以下と限定したのは、1ポイズを超え
ると粘性が高く含浸物が十分に入らないからである。炭
素質含有液状物を含浸させた後、必要に応じて還元雰囲
気下で加熱し炭化させる。炭素質含有液状物としてピッ
チまたはタールなどが使用できる。このような炭素質含
有液状物をスライドゲートプレートに適度に含有させる
と、該プレートの気孔率を良好に低下させ、かつ鋼が接
触したときにガス化し鋼を押し返す力を作用させて耐食
性を向上させることができる。本発明の上記条件が全て
コントロールされて初めて摺動面と鋼が溶着することな
く、かつ耐食性および耐熱衝撃性に優れたスライドゲー
トプレート用耐火物製品を得ることができた。
較例を挙げながら具体的に説明する。ただし、以下に説
明する実施例は、本発明を容易に理解し実施できるよう
にするために記載した1例を示すものであって、本発明
はこの実施例に限定するために記載されるものではな
い。
原料として焼結アルミナ系原料粉、電融ジルコニア系原
料粉、金属珪素(Si)粉を用い、必要に応じて炭化珪
素粉、シリカ系原料粉、カーボン原料粉を用い、結合剤
として熱硬化性樹脂(芳香族系のフェノール樹脂)を用
い混練した。なお、この熱硬化性樹脂は、表1に示すよ
うに上記耐火物である焼結原料粉末の配合割合の合計を
100%として、さらに添加したものである。また、上
記にように炭化珪素粉、シリカ系原料粉、カーボン原料
粉は必要に応じて添加されるものであるが、表1に示す
本実施例1〜6においては全て少量づつ添加した例を示
している。
状に成形し、これを仮焼して揮発成分を揮発させ、さら
にこの成形体をコークス粉末中の還元雰囲気下で焼成し
た。その後、150°Cに乾燥させた焼成体を10to
rrで1時間減圧させ、予め150°Cに加熱した含浸
用液状物を0.8MPaで1時間加圧して含浸させ、さ
らに還元雰囲気下700°Cで炭化させた。そして、こ
のようにして得たプレートの外周に帯状の鉄皮を嵌め、
摺動させる面の表面加工を施してスライドゲートプレー
トを得た。このスライドゲートプレートを200トンの
取鍋に用いて実用試験を行い、耐用回数を調べた。この
結果を表1に示す。
施例3に基づいて具体的に説明すると、焼結アルミナ系
原料については、粒度3〜1mmの粉末を12.5重量
%、粒度1〜0.3mmの粉末を12.5重量%、粒度
0.3以下の粉末を33重量%と、電融ジルコニア系原
料については粒度3〜1mmの粉末、粒度1〜0.5m
mの粉末、粒度0.5以下の粉末をそれぞれ10.0重
量%と、シリカ系原料粉末2重量%と、炭化珪素粉末2
重量%と、カーボン原料粉末5重量%と、金属珪素(S
i)粉末3重量%との混合粉末を用いた。結合剤として
のフェノール樹脂は4重量%を配合した。
0.05ポイズであり、見掛気孔率は5.1%、見掛気
孔率の1/10に位置する気孔径が2μm、見掛気孔率
の1/2に位置する気孔径が0.7μmであり、いずれ
も本発明の条件の範囲に入っているものである。この場
合、1回の含浸率は1.1重量%、2回の含浸率は1.
6重量%である。なお、ここで含浸率とは、[含浸率
(重量%)=(含浸後の重量−焼成体重量)×100/
焼成体重量]を意味する。この結果、耐食性は非常に高
く、耐熱衝撃性も良好である。そして、実際に使用した
時の耐用回数は10回であり、後述する比較例に比べ大
幅に向上していることが分かる。以上については、実施
例3に基づいて説明したが、実施例1、2、4〜6につ
いても同様に言える。以上から明らかなように、本発明
のスライドゲートプレートは耐食性、耐熱衝撃性等が大
きく向上し、優れた効果を有する。
様に1次粒子の原料粉末として焼結アルミナ系原料粉、
電融ジルコニア系原料粉、金属珪素(Si)粉、炭化珪
素粉、シリカ系原料粉、カーボン原料粉を用い、結合剤
として熱硬化性樹脂(芳香族系のフェノール樹脂)を用
い混練した。上記のように混練した混合粉末を実施例と
同様にプレート状に成形し、これを仮焼して揮発成分を
揮発させ、さらにこの成形体をコークス粉末中の還元雰
囲気下で焼成した。
10torrで1時間減圧させ、予め150°Cに加熱
した含浸用液状物を0.8MPaで1時間加圧して含浸
させ、さらに還元雰囲気下700°Cで炭化させた。そ
して、このようにして得たプレートの外周に帯状の鉄皮
を嵌め、摺動させる面の表面加工を施してスライドゲー
トプレートを得た。このスライドゲートプレートを20
0トンの取鍋に用いて実用試験を行い、耐用回数を調べ
た。この結果を表2に示す。
率の1/10に位置する気孔径が7μmで、本発明の上
限値6μm未満の範囲外であり、比較例2においては見
掛気孔率の1/10に位置する気孔径が7μmで、本発
明の上限値6μm未満の範囲外であるとともに、含浸さ
せる液状物の粘土は150°Cで1.5ポイズで、本発
明の上限値1ポイズを超えて範囲外である。同様に比較
例3は見掛気孔率、見掛気孔率の1/10に位置する気
孔径および見掛気孔率の1/2に位置する気孔径がいず
れも本発明の範囲外であり、比較例4および6は含浸さ
せる液状物の粘土、見掛気孔率、見掛気孔率の1/10
に位置する気孔径および見掛気孔率の1/2に位置する
気孔径のいずれも本発明の範囲外であり、さらに比較例
5は含浸させる液状物の粘土を除く、見掛気孔率、見掛
気孔率の1/10に位置する気孔径および見掛気孔率の
1/2に位置する気孔径のいずれも本発明の範囲外であ
る。
に優れているが耐食性に劣り、溶損して耐用回数は6で
ある。比較例3および4は耐食性は良好であるが、耐熱
衝撃性が不良であり、欠けまたは溶着が生じて耐用回数
は5である。さらに比較例5および6は耐熱衝撃性に優
れているが耐食性に劣り、溶損を生じて耐用回数は6で
ある。これらの比較例に示すように、本発明の範囲(条
件)外のスライドゲートプレートは耐熱衝撃性または耐
食性あるいはこれらのいずれもが劣る結果を示し、これ
らの比較例との対比により本発明の有効性が明確に理解
できる。
率、気孔径および炭素質含有液状物の粘性を厳密に制御
することにより、前記含浸物をスライドゲートプレート
焼結体に適度に含浸させて、耐熱衝撃性および耐食性を
大幅に向上させ耐用回数を飛躍的に改善したものであ
り、特に鉄鋼業における溶銑、溶鋼等の溶融金属の流量
制御に好適なスライドゲートプレートを提供する。
Claims (3)
- 【請求項1】 耐火性無機材料の骨材に結合材を添加し
て焼成した炭素含有耐火物からなる見掛気孔率が5%以
上16%未満であり、該見掛気孔率の1/10に位置す
る気孔径が2μm以上6μm未満、そして1/2に位置
する気孔径が0.5μm以上2μm未満である焼成体
に、150°Cの温度で1ポイズ以下の粘性を有する炭
素質含有液状物を含浸させたことを特徴とするスライド
ゲートプレート。 - 【請求項2】 炭素質含有液状物としてピッチまたはタ
ールを含浸させたことを特徴とする請求項1記載のスラ
イドゲートプレート。 - 【請求項3】 炭素質含有液状物を含浸させた後、還元
雰囲気下で加熱し炭化させたことを特徴とする請求項1
または2記載のスライドゲートプレート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06193098A JP3462386B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | スライドゲートプレート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP06193098A JP3462386B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | スライドゲートプレート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11245020A true JPH11245020A (ja) | 1999-09-14 |
JP3462386B2 JP3462386B2 (ja) | 2003-11-05 |
Family
ID=13185388
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP06193098A Expired - Fee Related JP3462386B2 (ja) | 1998-02-27 | 1998-02-27 | スライドゲートプレート |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3462386B2 (ja) |
-
1998
- 1998-02-27 JP JP06193098A patent/JP3462386B2/ja not_active Expired - Fee Related
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---|---|
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