JP2000000654A - スライドゲートプレート - Google Patents
スライドゲートプレートInfo
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- JP2000000654A JP2000000654A JP18327998A JP18327998A JP2000000654A JP 2000000654 A JP2000000654 A JP 2000000654A JP 18327998 A JP18327998 A JP 18327998A JP 18327998 A JP18327998 A JP 18327998A JP 2000000654 A JP2000000654 A JP 2000000654A
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- Japan
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- gate plate
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- Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
- Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 スライドゲートプレート焼成体の見掛気孔
率、空気透過率および含浸させる液状物の粘性を厳密に
制御することにより、前記液状物をスライドゲートプレ
ート焼結体に適度に含浸させて、耐食性および耐熱衝撃
性等を向上させ実使用時の耐用回数の増加を図る。 【解決手段】 炭素原料を除く耐火性無機材料の骨材に
結合材を添加し、混練、成形および１５００°Ｃ以上の
温度で焼成した焼成体に、見掛気孔率が１０％以上２０
％以下の液状物を含浸させ、また必要に応じ前記焼成体
の空気透過率を０．１ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃ
ｍ・Ｈ2Ｏ以上、２．０ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・
ｃｍ・Ｈ2Ｏ以下とし、１５０°Ｃの温度で１ポイズ以
上の粘性を有する液状物を含浸させて鋳造用耐火物スラ
イドゲートプレートとする。
率、空気透過率および含浸させる液状物の粘性を厳密に
制御することにより、前記液状物をスライドゲートプレ
ート焼結体に適度に含浸させて、耐食性および耐熱衝撃
性等を向上させ実使用時の耐用回数の増加を図る。 【解決手段】 炭素原料を除く耐火性無機材料の骨材に
結合材を添加し、混練、成形および１５００°Ｃ以上の
温度で焼成した焼成体に、見掛気孔率が１０％以上２０
％以下の液状物を含浸させ、また必要に応じ前記焼成体
の空気透過率を０．１ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃ
ｍ・Ｈ2Ｏ以上、２．０ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・
ｃｍ・Ｈ2Ｏ以下とし、１５０°Ｃの温度で１ポイズ以
上の粘性を有する液状物を含浸させて鋳造用耐火物スラ
イドゲートプレートとする。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄鋼業などにおけ
る溶銑および溶鋼等の溶融金属の流量制御に使用される
スライドゲートプレートに関する。
る溶銑および溶鋼等の溶融金属の流量制御に使用される
スライドゲートプレートに関する。
【０００２】
【従来の技術】スライドゲートプレートは溶融金属の流
量制御用部材として、取鍋での２次処理および連続鋳造
が一般化した現在、鉄鋼業では必要不可欠な耐火材とし
て広く採用されている。スライドゲートプレートは溶融
金属流の制御を司る部分であるために、非常に高度な機
能を要求され、材質面においても種々の苛酷な条件に応
じて優れた特性を持つことが大きく望まれている。この
スライドゲートプレートは溶融金属流による急激な熱衝
撃と摩耗の物理的作用に加えて、溶融金属および溶融ス
ラグによる物理的かつ化学的な侵食作用を受けるので、
このスライドゲートプレートの具備すべき特性としては
大別して、耐熱衝撃性、耐食性および強度が挙げられ
る。このスライドゲートプレートに種々の特性をバラン
ス良く具備させるために、種々な研究がなされてきた。
量制御用部材として、取鍋での２次処理および連続鋳造
が一般化した現在、鉄鋼業では必要不可欠な耐火材とし
て広く採用されている。スライドゲートプレートは溶融
金属流の制御を司る部分であるために、非常に高度な機
能を要求され、材質面においても種々の苛酷な条件に応
じて優れた特性を持つことが大きく望まれている。この
スライドゲートプレートは溶融金属流による急激な熱衝
撃と摩耗の物理的作用に加えて、溶融金属および溶融ス
ラグによる物理的かつ化学的な侵食作用を受けるので、
このスライドゲートプレートの具備すべき特性としては
大別して、耐熱衝撃性、耐食性および強度が挙げられ
る。このスライドゲートプレートに種々の特性をバラン
ス良く具備させるために、種々な研究がなされてきた。
【０００３】一般的なスライドゲートプレートの製造技
術としては、無機材料（例えば、アルミナ系、ジルコニ
ア系、シリカ系、カーボン系、炭化珪素など）に結合材
である熱硬化性樹脂（一般的にフェノール樹脂が多く用
いられている）を添加混練し、成形後に焼成する工程が
とられており、特性向上のため、焼成後ピッチあるいは
タールなどを含浸する場合が多い。耐熱衝撃性を向上さ
せる手法として、シリカ系、炭化珪素、カーボン系など
の熱膨張係数の低い原料を多く使用することが一般的で
あるが、シリカ系、炭化珪素、カーボン系原料などは溶
鋼と容易に反応し又は低融点化合物を形成するために、
過剰に添加した場合に耐食性が著しく低下する問題があ
った。
術としては、無機材料（例えば、アルミナ系、ジルコニ
ア系、シリカ系、カーボン系、炭化珪素など）に結合材
である熱硬化性樹脂（一般的にフェノール樹脂が多く用
いられている）を添加混練し、成形後に焼成する工程が
とられており、特性向上のため、焼成後ピッチあるいは
タールなどを含浸する場合が多い。耐熱衝撃性を向上さ
せる手法として、シリカ系、炭化珪素、カーボン系など
の熱膨張係数の低い原料を多く使用することが一般的で
あるが、シリカ系、炭化珪素、カーボン系原料などは溶
鋼と容易に反応し又は低融点化合物を形成するために、
過剰に添加した場合に耐食性が著しく低下する問題があ
った。
【０００４】このため、耐食性を向上させる手段とし
て、気孔率の低下あるいは鋼が接触した際ガス化し、鋼
を押し返す力を作用させる目的のために、焼成体にピッ
チまたはタールを含浸させる場合が多い。しかし、焼成
体の見掛気孔率および開気孔が少ないこと、また含浸さ
せる液状物の粘性が高いなどの問題より、表層しか含浸
されないことや、逆に焼成体の見掛気孔率が高い場合、
含浸後加熱処理する段階で含浸物が抜け出ることがあ
る。
て、気孔率の低下あるいは鋼が接触した際ガス化し、鋼
を押し返す力を作用させる目的のために、焼成体にピッ
チまたはタールを含浸させる場合が多い。しかし、焼成
体の見掛気孔率および開気孔が少ないこと、また含浸さ
せる液状物の粘性が高いなどの問題より、表層しか含浸
されないことや、逆に焼成体の見掛気孔率が高い場合、
含浸後加熱処理する段階で含浸物が抜け出ることがあ
る。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の問題点を解決するために鋭意研究されたものであ
り、その目的はスライドゲートプレート焼結体の見掛気
孔率、空気透過率および含浸物の粘性を特定することに
より、スライドゲートプレート焼成体内部までピッチあ
るいはタールを十分に含浸させ、耐食性などの向上を見
いだし、この発明をなすに至ったものである。
従来の問題点を解決するために鋭意研究されたものであ
り、その目的はスライドゲートプレート焼結体の見掛気
孔率、空気透過率および含浸物の粘性を特定することに
より、スライドゲートプレート焼成体内部までピッチあ
るいはタールを十分に含浸させ、耐食性などの向上を見
いだし、この発明をなすに至ったものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本願発明は、 １ 炭素原料を除く耐火性無機材料に結合材を添加し
て、混練、成形および１５００°Ｃ以上の温度で焼成し
た見掛気孔率が１０％以上２０％以下の鋳造用耐火物焼
成体に炭素質含有液状物を含浸することを特徴とするス
ライドゲートプレート ２ 空気透過率が０．１ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・
ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以下、２．０ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ
・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以上を有する焼成体に炭素質含有液状物
を含浸することを特徴とする上記１に記載のスライドゲ
ートプレート ３ １５０°Ｃの温度で１ポイズ以上の粘性を有する炭
素質含有液状物を含浸することを特徴とする上記１また
は２に記載のスライドゲートプレート ４ 炭素質含有液状物がピッチまたはタールであること
を特徴とする上記１〜３のそれぞれに記載のスライドゲ
ートプレート ５ 焼成体に炭素質含有液状物を含浸した後、還元雰囲
気中で炭化させることを特徴とする上記１〜４のそれぞ
れに記載のスライドゲートプレート、を提供する
て、混練、成形および１５００°Ｃ以上の温度で焼成し
た見掛気孔率が１０％以上２０％以下の鋳造用耐火物焼
成体に炭素質含有液状物を含浸することを特徴とするス
ライドゲートプレート ２ 空気透過率が０．１ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・
ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以下、２．０ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ
・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以上を有する焼成体に炭素質含有液状物
を含浸することを特徴とする上記１に記載のスライドゲ
ートプレート ３ １５０°Ｃの温度で１ポイズ以上の粘性を有する炭
素質含有液状物を含浸することを特徴とする上記１また
は２に記載のスライドゲートプレート ４ 炭素質含有液状物がピッチまたはタールであること
を特徴とする上記１〜３のそれぞれに記載のスライドゲ
ートプレート ５ 焼成体に炭素質含有液状物を含浸した後、還元雰囲
気中で炭化させることを特徴とする上記１〜４のそれぞ
れに記載のスライドゲートプレート、を提供する
【０００７】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を説明す
る。本発明は、上記の目的を達成すべく、アルミナ質、
マグネシア質などのスライドゲートプレート焼成体の気
孔率、空気透過率および含浸物の粘性を制限することに
より、製品内部まで十分に含浸させ、最終製品に至る研
磨加工後においても、使用面の耐食性を十分に向上させ
るものである。焼成後の見掛気孔率、空気透過率を種々
変化させた焼成体を製作し、粘性の異なる液状物を含浸
させたスライドゲートプレートを取鍋容器下部にセット
し実用試験を繰り返した。その結果、焼成体の見掛気孔
率、空気透過率、含浸物の粘性により損傷量に差が見ら
れ、またスライドゲートプレートの摺動面の溶着などの
トラブルも発生した。これらは焼成体の見掛気孔率、空
気透過率および含浸率の粘性を制限することにより解決
できることを見いだし、本発明に至った。
る。本発明は、上記の目的を達成すべく、アルミナ質、
マグネシア質などのスライドゲートプレート焼成体の気
孔率、空気透過率および含浸物の粘性を制限することに
より、製品内部まで十分に含浸させ、最終製品に至る研
磨加工後においても、使用面の耐食性を十分に向上させ
るものである。焼成後の見掛気孔率、空気透過率を種々
変化させた焼成体を製作し、粘性の異なる液状物を含浸
させたスライドゲートプレートを取鍋容器下部にセット
し実用試験を繰り返した。その結果、焼成体の見掛気孔
率、空気透過率、含浸物の粘性により損傷量に差が見ら
れ、またスライドゲートプレートの摺動面の溶着などの
トラブルも発生した。これらは焼成体の見掛気孔率、空
気透過率および含浸率の粘性を制限することにより解決
できることを見いだし、本発明に至った。
【０００８】本発明において、焼成体の見掛気孔率を１
０％以上２０％以下としたのは、１０％未満の場合、含
浸物が入り難く、実使用時にスライドゲートプレートの
摺動面と鋼が溶着する問題があるからである。また２０
％を超えると骨材粒子同士の結合強度が低下すること
と、１回の含浸では含浸量が十分ではなく、２回以上行
なった場合含浸成分が製品中に多くなり過ぎ、逆に損傷
が進む傾向にあるためである。
０％以上２０％以下としたのは、１０％未満の場合、含
浸物が入り難く、実使用時にスライドゲートプレートの
摺動面と鋼が溶着する問題があるからである。また２０
％を超えると骨材粒子同士の結合強度が低下すること
と、１回の含浸では含浸量が十分ではなく、２回以上行
なった場合含浸成分が製品中に多くなり過ぎ、逆に損傷
が進む傾向にあるためである。
【０００９】焼成体の空気透過率を０．１ｃｍ3・ｃｍ
／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以上、２．０ｃｍ3・ｃ
ｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以下と限定したの
は、０．１ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ
未満の場合、含浸物が入り難く、実使用時スライドゲー
トプレートの摺動面と鋼が溶着する問題があるからであ
る。また２．０ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ
2Ｏ を超えると１回の含浸では含浸量が十分ではなく、
２回以上行なった場合、含浸成分が製品中に多くなり過
ぎ、逆に損傷が進む傾向にあるからである。
／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以上、２．０ｃｍ3・ｃ
ｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以下と限定したの
は、０．１ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ
未満の場合、含浸物が入り難く、実使用時スライドゲー
トプレートの摺動面と鋼が溶着する問題があるからであ
る。また２．０ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ
2Ｏ を超えると１回の含浸では含浸量が十分ではなく、
２回以上行なった場合、含浸成分が製品中に多くなり過
ぎ、逆に損傷が進む傾向にあるからである。
【００１０】含浸する液状物を１５０°Ｃの温度で粘性
を１ポイズ以上と限定したのは、１ポイズ未満の場合粘
性が低く、含浸処理中は効率よく含浸されるものの、含
浸後炭化させる場合、含浸体の置き方によって上部が
粗、下部が密となり、含浸効果が異なるためである。
を１ポイズ以上と限定したのは、１ポイズ未満の場合粘
性が低く、含浸処理中は効率よく含浸されるものの、含
浸後炭化させる場合、含浸体の置き方によって上部が
粗、下部が密となり、含浸効果が異なるためである。
【００１１】骨材となる炭素原料を除く耐火性無機材料
は必要に応じて１種または２種以上を適宜配合して使用
できる。また、炭素質含有液状物を含浸させた後は、必
要に応じて還元雰囲気下で加熱し炭化させる。炭素質含
有液状物としてピッチまたはタールなどが使用できる。
このような炭素質含有液状物をスライドゲートプレート
に適度に含有させると、該プレートの気孔率を良好に低
下させ、かつ鋼が接触したときにガス化し鋼を押し返す
力を作用させて耐食性を向上させることができる。本発
明は、摺動面と鋼が溶着することなく、かつ耐食性およ
び耐熱衝撃性に優れたスライドゲートプレート用耐火物
製品を提供することができる。
は必要に応じて１種または２種以上を適宜配合して使用
できる。また、炭素質含有液状物を含浸させた後は、必
要に応じて還元雰囲気下で加熱し炭化させる。炭素質含
有液状物としてピッチまたはタールなどが使用できる。
このような炭素質含有液状物をスライドゲートプレート
に適度に含有させると、該プレートの気孔率を良好に低
下させ、かつ鋼が接触したときにガス化し鋼を押し返す
力を作用させて耐食性を向上させることができる。本発
明は、摺動面と鋼が溶着することなく、かつ耐食性およ
び耐熱衝撃性に優れたスライドゲートプレート用耐火物
製品を提供することができる。
【００１２】
【実施例および比較例】次に、本発明の実施例および比
較例を挙げながら具体的に説明する。ただし、以下に説
明する実施例は、本発明を容易に理解し実施できるよう
にするために記載した１例を示すものであって、本発明
を限定するために記載したものではない。
較例を挙げながら具体的に説明する。ただし、以下に説
明する実施例は、本発明を容易に理解し実施できるよう
にするために記載した１例を示すものであって、本発明
を限定するために記載したものではない。
【００１３】（実施例１〜６）表１に示すように、実施
例１〜６について１次粒子の耐火性無機原料としてアル
ミナ、ムライトを用い、結合剤として熱硬化性樹脂（芳
香族系のフェノール樹脂）を用い混練した。なお、アル
ミナについては粒度１〜０．５ｍｍ（超）、０．５〜
０．０５ｍｍ（超）および０．０５ｍｍ以下の粉末およ
びムライトについては粒度１〜０．５ｍｍ（超）および
０．５ｍｍ以下の粉末を、それぞれ表１に示す原料比率
（重量％）で混合して使用した。また結合材である熱硬
化性樹脂は、前記耐火性原料粉末の配合割合の合計を１
００％として、これにさらに添加（外配）したものであ
る。
例１〜６について１次粒子の耐火性無機原料としてアル
ミナ、ムライトを用い、結合剤として熱硬化性樹脂（芳
香族系のフェノール樹脂）を用い混練した。なお、アル
ミナについては粒度１〜０．５ｍｍ（超）、０．５〜
０．０５ｍｍ（超）および０．０５ｍｍ以下の粉末およ
びムライトについては粒度１〜０．５ｍｍ（超）および
０．５ｍｍ以下の粉末を、それぞれ表１に示す原料比率
（重量％）で混合して使用した。また結合材である熱硬
化性樹脂は、前記耐火性原料粉末の配合割合の合計を１
００％として、これにさらに添加（外配）したものであ
る。
【００１４】上記のように混練した混合粉末をプレート
状に成形し、この成形体を乾燥後大気下で１７５０°Ｃ
で焼成した。その後、１５０°Ｃに乾燥させた焼成体を
１０ｔｏｒｒで１時間減圧させ、予め１５０°Ｃに加熱
した含浸用液状物を０．８ＭＰａで１時間加圧して含浸
させ、さらに還元雰囲気下６００°Ｃで炭化させた。そ
して、このようにして得たプレートの外周に帯状の鉄皮
を嵌め、摺動させる面の表面加工を施してスライドゲー
トプレートを得た。このスライドゲートプレートを８０
トンの取鍋に用いて実用試験を行い、耐用回数を調べ
た。この結果を表１に示す。
状に成形し、この成形体を乾燥後大気下で１７５０°Ｃ
で焼成した。その後、１５０°Ｃに乾燥させた焼成体を
１０ｔｏｒｒで１時間減圧させ、予め１５０°Ｃに加熱
した含浸用液状物を０．８ＭＰａで１時間加圧して含浸
させ、さらに還元雰囲気下６００°Ｃで炭化させた。そ
して、このようにして得たプレートの外周に帯状の鉄皮
を嵌め、摺動させる面の表面加工を施してスライドゲー
トプレートを得た。このスライドゲートプレートを８０
トンの取鍋に用いて実用試験を行い、耐用回数を調べ
た。この結果を表１に示す。
【００１５】
【表１】
【００１６】表１に示す実施例１〜６の内の代表的な実
施例１に基づいて具体的に説明する。アルミナ原料につ
いては、粒度１〜０．５ｍｍ（超）の粉末を２０．０重
量％、粒度０．５〜０．０５ｍｍ（超）の粉末を４０．
０重量％、粒度０．０５以下の粉末を２０．０重量％、
ムライト原料については、粒度１〜０．５ｍｍ（超）の
粉末、粒度０．５ｍｍ以下の粉末をそれぞれ１０．０重
量％を配合して耐火性無機材料の混合粉末とした。結合
剤としてのフェノール樹脂は４重量％を配合（外配）し
た。
施例１に基づいて具体的に説明する。アルミナ原料につ
いては、粒度１〜０．５ｍｍ（超）の粉末を２０．０重
量％、粒度０．５〜０．０５ｍｍ（超）の粉末を４０．
０重量％、粒度０．０５以下の粉末を２０．０重量％、
ムライト原料については、粒度１〜０．５ｍｍ（超）の
粉末、粒度０．５ｍｍ以下の粉末をそれぞれ１０．０重
量％を配合して耐火性無機材料の混合粉末とした。結合
剤としてのフェノール樹脂は４重量％を配合（外配）し
た。
【００１７】含浸させる液状物（ピッチまたはタール）
の粘度は１５０°Ｃで５ポイズであり、見掛気孔率は１
３．１％、空気透過率は０．４ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓ
ｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏである。いずれも本発明の条件の範
囲に入っているものである。この場合、１回の含浸率は
４．４重量％であり、２回の含浸率は６．１重量％であ
る。なお、ここで含浸率とは、［含浸率（重量％）＝
（含浸後の重量−焼成体重量）×１００／焼成体重量］
を意味する。この結果、耐食性は非常に高く（◎）、耐
熱衝撃性も良好（優）である。そして、実使用時の耐用
回数は１５回であり、実施例１〜６の中で最も優れてお
り、後述する比較例に比べ大幅に向上していることが分
かる。以上については、実施例１に基づいて説明した
が、実施例２〜６についても耐食性および耐熱衝撃性が
いずれも良好あるいは優れている結果が得られ、実使用
時の耐用回数は９〜１３回と大幅な向上がある。以上か
ら明らかなように、本発明のスライドゲートプレートは
耐食性、耐熱衝撃性等が大きく向上し、優れた効果を有
する。
の粘度は１５０°Ｃで５ポイズであり、見掛気孔率は１
３．１％、空気透過率は０．４ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓ
ｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏである。いずれも本発明の条件の範
囲に入っているものである。この場合、１回の含浸率は
４．４重量％であり、２回の含浸率は６．１重量％であ
る。なお、ここで含浸率とは、［含浸率（重量％）＝
（含浸後の重量−焼成体重量）×１００／焼成体重量］
を意味する。この結果、耐食性は非常に高く（◎）、耐
熱衝撃性も良好（優）である。そして、実使用時の耐用
回数は１５回であり、実施例１〜６の中で最も優れてお
り、後述する比較例に比べ大幅に向上していることが分
かる。以上については、実施例１に基づいて説明した
が、実施例２〜６についても耐食性および耐熱衝撃性が
いずれも良好あるいは優れている結果が得られ、実使用
時の耐用回数は９〜１３回と大幅な向上がある。以上か
ら明らかなように、本発明のスライドゲートプレートは
耐食性、耐熱衝撃性等が大きく向上し、優れた効果を有
する。
【００１８】（比較例１〜３）表２に示すように、実施
例１〜６と同様に１次粒子の耐火性無機原料としてアル
ミナ、ムライトを用い、結合剤として熱硬化性樹脂（芳
香族系のフェノール樹脂）を用い混練した。アルミナと
ムライトの粒度を比較のために実施例１〜６と同一のも
のを使用し、その配合割合については表２に示す通りで
ある。実施例と同様に、上記のように混練した混合粉末
をプレート状に成形し、この成形体を乾燥後大気下で１
７５０°Ｃで焼成した。
例１〜６と同様に１次粒子の耐火性無機原料としてアル
ミナ、ムライトを用い、結合剤として熱硬化性樹脂（芳
香族系のフェノール樹脂）を用い混練した。アルミナと
ムライトの粒度を比較のために実施例１〜６と同一のも
のを使用し、その配合割合については表２に示す通りで
ある。実施例と同様に、上記のように混練した混合粉末
をプレート状に成形し、この成形体を乾燥後大気下で１
７５０°Ｃで焼成した。
【００１９】その後、１５０°Ｃに乾燥させた焼成体を
１０ｔｏｒｒで１時間減圧させ、予め１５０°Ｃに加熱
した含浸用液状物を０．８ＭＰａで１時間加圧して含浸
させ、さらに還元雰囲気下６００°Ｃで炭化させた。そ
して、このようにして得たプレートの外周に帯状の鉄皮
を嵌め、摺動させる面の表面加工を施してスライドゲー
トプレートを得た。このスライドゲートプレートを８０
トンの取鍋に用いて実用試験を行い、耐用回数を調べ
た。この結果を表２に示す。
１０ｔｏｒｒで１時間減圧させ、予め１５０°Ｃに加熱
した含浸用液状物を０．８ＭＰａで１時間加圧して含浸
させ、さらに還元雰囲気下６００°Ｃで炭化させた。そ
して、このようにして得たプレートの外周に帯状の鉄皮
を嵌め、摺動させる面の表面加工を施してスライドゲー
トプレートを得た。このスライドゲートプレートを８０
トンの取鍋に用いて実用試験を行い、耐用回数を調べ
た。この結果を表２に示す。
【００２０】
【表２】
【００２１】表２に示すように、比較例１では見掛気孔
率が１３．１％、空気透過率が０．４ｃｍ3・ｃｍ／ｃ
ｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 、液状物粘度が１５０°Ｃ
で０．５ポイズであり、この液状物粘度が本発明の範囲
を下回っている。比較例２においては、見掛気孔率が
８．９％、空気透過率が８．９ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓ
ｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 、液状物粘度が１５０°Ｃで５ポイ
ズであり、 見掛気孔率と空気透過率が本発明の範囲を
下回っている。比較例３は見掛気孔率が２１．５％、空
気透過率が２．４ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・
Ｈ2Ｏ 、液状物粘度が１５０°Ｃで５ポイズであり、見
掛気孔率と空気透過率が本発明の範囲を超えている。上
記における１回の含浸率および２回の含浸率はそれぞれ
表２に示す通りである。なお、ここで含浸率とは、［含
浸率（重量％）＝（含浸後の重量−焼成体重量）×１０
０／焼成体重量］を意味する。
率が１３．１％、空気透過率が０．４ｃｍ3・ｃｍ／ｃ
ｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 、液状物粘度が１５０°Ｃ
で０．５ポイズであり、この液状物粘度が本発明の範囲
を下回っている。比較例２においては、見掛気孔率が
８．９％、空気透過率が８．９ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓ
ｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 、液状物粘度が１５０°Ｃで５ポイ
ズであり、 見掛気孔率と空気透過率が本発明の範囲を
下回っている。比較例３は見掛気孔率が２１．５％、空
気透過率が２．４ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・
Ｈ2Ｏ 、液状物粘度が１５０°Ｃで５ポイズであり、見
掛気孔率と空気透過率が本発明の範囲を超えている。上
記における１回の含浸率および２回の含浸率はそれぞれ
表２に示す通りである。なお、ここで含浸率とは、［含
浸率（重量％）＝（含浸後の重量−焼成体重量）×１０
０／焼成体重量］を意味する。
【００２２】この結果、液状物粘度が低い比較例１につ
いては、液状物の含浸処理中良く含浸されるが、含浸後
炭化させる場合、含浸体の置き方によって上部が粗、下
部が密になって含浸効果が異なるため、耐熱衝撃性がア
ンバランスとなり欠けをが発生し、実使用時の耐用回数
は７回であった。見掛気孔率と空気透過率が低い比較例
２は耐食性は優れているが、液状物が含浸され難く実使
用時に鋼とスライドゲートプレートとが溶着する問題が
ある。この結果、実使用時の耐用回数は５回であった。
これに対し、逆に見掛気孔率と空気透過率が本発明の範
囲を超えている比較例３は、耐熱衝撃性が優れているが
耐食性が劣り、かつ骨材粒子同士の結合強度が低下し、
また１回の含浸では含浸量が不十分なため２回以上含浸
させると、製品中に過剰に含浸されるため、かえって損
傷が進む結果となる。実使用時の耐用回数は４回であ
り、比較例の中でも最低の耐用回数となった。このよう
に、液状物をただ含浸させれば良いというのではなく、
含浸量の適度の制限と調整は重要である。これらの比較
例に示すように、本発明の範囲（条件）外のスライドゲ
ートプレートは耐熱衝撃性または耐食性が低下し、実使
用時の耐用回数がいずれも劣る結果となり、これらの比
較例との対比により本発明の有効性がより明確に理解で
きる。
いては、液状物の含浸処理中良く含浸されるが、含浸後
炭化させる場合、含浸体の置き方によって上部が粗、下
部が密になって含浸効果が異なるため、耐熱衝撃性がア
ンバランスとなり欠けをが発生し、実使用時の耐用回数
は７回であった。見掛気孔率と空気透過率が低い比較例
２は耐食性は優れているが、液状物が含浸され難く実使
用時に鋼とスライドゲートプレートとが溶着する問題が
ある。この結果、実使用時の耐用回数は５回であった。
これに対し、逆に見掛気孔率と空気透過率が本発明の範
囲を超えている比較例３は、耐熱衝撃性が優れているが
耐食性が劣り、かつ骨材粒子同士の結合強度が低下し、
また１回の含浸では含浸量が不十分なため２回以上含浸
させると、製品中に過剰に含浸されるため、かえって損
傷が進む結果となる。実使用時の耐用回数は４回であ
り、比較例の中でも最低の耐用回数となった。このよう
に、液状物をただ含浸させれば良いというのではなく、
含浸量の適度の制限と調整は重要である。これらの比較
例に示すように、本発明の範囲（条件）外のスライドゲ
ートプレートは耐熱衝撃性または耐食性が低下し、実使
用時の耐用回数がいずれも劣る結果となり、これらの比
較例との対比により本発明の有効性がより明確に理解で
きる。
【００２３】
【発明の効果】スライドゲートプレート焼成体の見掛気
孔率、空気透過率および含浸させる炭素質含有液状物の
粘度を制御することにより、前記含浸物をスライドゲー
トプレート焼成体に適度に含浸させて、耐熱衝撃性およ
び耐食性を大幅に向上させ実使用時の耐用回数を飛躍的
に改善したものであり、特に鉄鋼業における溶銑、溶鋼
等の溶融金属の流量制御に好適なスライドゲートプレー
トを提供する。
孔率、空気透過率および含浸させる炭素質含有液状物の
粘度を制御することにより、前記含浸物をスライドゲー
トプレート焼成体に適度に含浸させて、耐熱衝撃性およ
び耐食性を大幅に向上させ実使用時の耐用回数を飛躍的
に改善したものであり、特に鉄鋼業における溶銑、溶鋼
等の溶融金属の流量制御に好適なスライドゲートプレー
トを提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森田 修 愛知県刈谷市小垣江町南藤１番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 (72)発明者 渡辺 勲 愛知県刈谷市小垣江町南藤１番地 東芝セ ラミックス株式会社刈谷製造所内 Ｆターム(参考） 4E014 MA05 MA12 4K002 BD03 4K013 CF15
Claims (5)
- 【請求項１】 炭素原料を除く耐火性無機材料に結合材
を添加して、混練、成形および１５００°Ｃ以上の温度
で焼成した見掛気孔率が１０％以上２０％以下の鋳造用
耐火物焼成体に炭素質含有液状物を含浸することを特徴
とするスライドゲートプレート。 - 【請求項２】 空気透過率が０．１ｃｍ3・ｃｍ／ｃｍ2
・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以上、２．０ｃｍ3・ｃｍ／ｃ
ｍ2・ｓｅｃ・ｃｍ・Ｈ2Ｏ 以下を有する焼成体に炭素
質含有液状物を含浸することを特徴とする請求項１に記
載のスライドゲートプレート。 - 【請求項３】 １５０°Ｃの温度で１ポイズ以上の粘性
を有する炭素質含有液状物を含浸することを特徴とする
請求項１または２に記載のスライドゲートプレート。 - 【請求項４】 炭素質含有液状物がピッチまたはタール
であることを特徴とする請求項１〜３のそれぞれに記載
のスライドゲートプレート。 - 【請求項５】 焼成体に炭素質含有液状物を含浸した
後、還元雰囲気中で炭化させることを特徴とする請求項
１〜４のそれぞれに記載のスライドゲートプレート。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18327998A JP2000000654A (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | スライドゲートプレート |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18327998A JP2000000654A (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | スライドゲートプレート |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000000654A true JP2000000654A (ja) | 2000-01-07 |
Family
ID=16132883
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18327998A Pending JP2000000654A (ja) | 1998-06-16 | 1998-06-16 | スライドゲートプレート |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2000000654A (ja) |
-
1998
- 1998-06-16 JP JP18327998A patent/JP2000000654A/ja active Pending
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