JP3692387B2 - スライドゲートプレートの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は溶融金属排出装置の一構成部材を成すスライドゲートプレートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、たとえば製鋼工程や鋳型化加工においては、溶融金属容器から溶融金属をスライドゲートによって、流量を制御しながら取り出している。すなわち、溶融金属容器の湯だし口側にスライドゲートを設置しておき、このスライドゲートの開閉操作によって、溶融金属の流量制御を行いながら、次段の工程に所要の溶融金属を適宜供給している。
【0003】
そして、この種の溶融金属用スライドゲートは、たとえば図4に構成の概略を断面的に示すごとく、断面凸型で、かつ凸部1aに厚さ方向へ貫通する溶融金属の流路1bが設けられたスライドゲートプレート1と、前記スライドゲートプレート1が嵌合する金属フレーム2と、前記金属フレーム2に装着したスライドゲートプレート1を支持固定する固定具3で構成されている。ここで、スライドゲートプレート1は、図5 (a), (b)で、それぞれ断面的に例示するごとく、全体を同一の素材で構成した場合と、耐火性のプレート本体1aに、内周面側が溶融金属の流路1bを成す溶鋼流出孔部剤(内挿材)1cを装着し、モルタル(図示省略)によって接合・固定化た構成とがある。
【0004】
ところで、この種のスライディングノズル方式は、溶融金属の流量コントロールに有効な手段として知られており、特に、最近の使用条件の苛酷化に伴って、鉄鋼業においては、溶銑および溶鋼の流量コントロール手段として採用されている。なお、スライディングノズル方式は、大きく分けて上部ノズル、スライドゲートプレートおよび下部ノズルの部分で構成されており、それぞれ所要の機能に対応した材質が要求される。
【0005】
特に、スライドゲートプレートは、溶融金属流のコントロールを司る部分(構成部材)であり、高度の機能・特性が要求される。すなわち、スライディングノズル用プレート(耐火材)は、溶融金属流による急激な熱衝撃および摩耗の物理的な作用に加え、溶融金属および溶融スラグによる侵食作用を受ける。したがって、少なくとも溶融金属流に接する溶鋼流出孔部については、すぐれた耐スポーリング性、耐食性および機械的な強度が要求される。
【0006】
そして、このような特性を要求されるスライドゲートプレートとしては、一般的に、アルミナ−カーボン材質が選ばれている。また、アルミナ−カーボン材質の耐スポーリング性を向上させるため、アルミナ−ジルコニア原料を添加配合することも知られている。
【0007】
なお、スライドゲートプレートは、一般的に、次のような手段で製造されている。先ず、オイルプレス装置に組み込まれた枠型に原料組成物(耐火材配合物)を収容し、一定の高さに均した後、プレート形状にプレス加工する。その後、成形体を枠型から取り出し、乾燥して揮発分を揮発・除去してから、その乾燥済み成形体をコークス粉末中(還元雰囲気中)、1200℃程度の温度で焼成して、炭素含有耐火物体プレートを得ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アルミナ−カーボン材質系のスライドゲートプレートの場合は、次のような不都合がある。すなわち、スライドゲートプレートとして望まれる耐スポーリング性、耐摩耗性および耐食性を有するが、カルシウム(Ca)処理鋼など、侵食性が高い鋼種に対しては、耐用が急激に低下する傾向が認められる。換言すると、溶融金属の種類によって、十分満足できるような耐用を呈する場合と、十分満足できない程度の耐用を呈する場合とがあり、汎用的とはいえない。
【0009】
上記アルミナ−カーボン材質における問題に対し、カルシウム(Ca)などと化学的に反応し難いマグネシア−カーボン材質のスライドゲートプレートが開発されている。しかし、マグネシア−カーボン材質は高い耐食性を有するものの、熱膨脹率が大きいこと、硬度が低いこと、また、結合強度が低いことなどから、耐スポーリング性や耐摩耗性が劣るという問題がある。
【0010】
さらに、マグネシア−カーボン材質に、アルミナ−ジルコニア原料を添加配合し、耐スポーリング性を向上させる試みもなされているが、焼成時に亀裂が発生し易く、製品化が困難であり、高耐用化に至っていない状況にある。
【0011】
本発明は、上記事情に対処してなされたもので、すぐれた耐スポーリング性、耐摩耗性および耐食性を有するとともに、機械的な強度を向上させたスライドゲートプレートの製造方法の提供を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明のスライドゲートプレートの製造方法は、マグネシア質原料55〜92重量%と、炭素質原料3〜15重量%と、化学組成がAl2O3 30〜97重量%およびZrO2 3〜70重量%であるアルミナ−ジルコニア原料5〜30重量%とを含む混合体を、スライドゲートプレート用型枠に収容し、温度1000〜1900℃,圧力10〜20MPaで高温加熱成形することを特徴とする。
【0016】
本発明の他のスライドゲートプレートの製造方法は、マグネシア質原料55〜92重量%と、炭素質原料3〜15重量%と、化学組成がAl2O3 30〜97重量%およびZrO2 3〜70重量%であるアルミナ−ジルコニア原料5〜30重量%とを含む混合体を調製する工程と、前記調製した混合体を上ノズルまたは下ノズル付きスライドゲートプレート用型枠に収容し、温度1000〜1900℃,圧力10〜20MPaで高温加熱成形する工程とを有することを特徴とするノズル付きのスライドゲートプレートの製造方法である。
本発明において、少なくとも溶鋼流出孔部や浸漬ノズルを構成する耐火材は、マグネシア質原料−炭素質原料系に対し、第3の組成分としてアルミナ−ジルコニア原料を添加した混合系が選ばれる。ここで、マグネシア質原料の組成比は、55〜92重量%の範囲内で選ばれる。その理由は、55重量%未満の場合、十分な耐食性が得られないし、また92重量%を超えた場合は、熱膨脹率が大きくなって耐スポーリング性が低下するからである。
【0017】
本発明において、炭素質原料の組成比は、 3〜15重量%の範囲内で選ばれる。その理由は、 3重量%未満の場合、耐食性が不十分であり、また、15重量%を超えた場合は、機械的な強度の低下を招来するだけでなく、著しい耐酸化性の低下が認められるためである。
【0018】
なお、炭素質原料は、特に限定されるものでなく、たとえば鱗状黒鉛、土状黒鉛、人造黒鉛、石油系ピッチコークス、カーボンブラックなどが挙げられ、一般的に、炭素含有量が80重量%以上で、粒径 200メッシュ以下のものである。
【0019】
本発明において、前記マグネシア質原料−炭素質原料系に対し、第3の組成分として添加するアルミナ−ジルコニア原料は、 5〜30重量%の範囲内で選ばれる。その理由は、 5重量%未満の場合、添加配合の効果がなく、また、30重量%を超えた場合は、結果的に、マグネシア質原料の組成比の低下となって、耐食性が不十分となるためである。
【0020】
なお、アルミナ−ジルコニア原料は、コランダムやバデライトより成り、コランダム結晶粒界に単斜晶ジルコニアが分散したような組織を有している。そして、通常のコランダム原料と比較すると、粒子強度では大差ないが、熱膨脹率が著しく低く、耐スポーリング性の向上に寄与する。
【0021】
また、前記アルミナ−ジルコニア原料の化学組成は、Al2 O 3 30〜97重量%および ZrO2 3〜70重量%の範囲内で選ばれる。ここで、Al2 O 3 成分が30重量%未満では、強度や硬さなどの性質が大幅に低下し、逆に、97重量%を超えると、熱膨脹率の低下による耐スポーリング性の向上を十分に図ることができない。また、 ZrO2 成分が 3重量%未満では添加の効果が少なく、逆に、70重量%を超えると、粒子強度が低下するとともに、異常膨脹の影響が強くなって、結果的に、プレート化が困難となる。
【0022】
本発明に係るホットプレスは、圧力および温度を同時に加えて焼結を行う方式で、無加圧焼結方式に比べて高い強度の成型体(焼結体)が得られる。すなわち、高温加圧成形方式においては、通常、焼結温度で圧力を加えるため、粒子間の接触応力が増加し、粒子が再配置して充填性がよくなって緻密化が促進され、緻密化に利用できるエネルギーが20倍以上に増加する。しかしながら、このときの圧力が10MPa未満では、無加圧焼結方式の条件に近いため、所望の強度などが得られないし、また、20MPaを超えると成型体の破損などを招来し易いので、圧力は10〜20MPaの範囲内で選ばれる。
【0023】
一方、高温加圧成形方式における温度が、1000℃未満の場合は、十分な焼結が行われない傾向があり、最終的に、高い強度の成型体(焼結体)が得られないし、また、1900℃を超える場合は、過焼結が起こり易く、強度の高い成型体(焼結体)が得られない。
【0024】
本発明のスライドゲートプレートとしては、上記した成型体(焼結体)からなるスライドゲートプレート、あるいは溶鋼流出孔を有する耐火性のスライドゲートプレート本体と、前記溶鋼流出孔に嵌装され溶鋼流に接する面を成すリング状ないし円筒状の溶鋼流出部材とを有し、前記溶鋼流出部材が上記した成型体(焼結体)からなるスライドゲートプレートが挙げられる。本発明において、耐火性のプレート本体は、たとえばマグネシア−炭素質、アルミナ−カーボン質系、無機材質−カーボン質系などの炭素含有耐火物、高アルミナ質、マグネシア−スピネル質、ジルコニア質などの非炭素含有耐火物を素材とし、外周形状が真円形状、楕円形や多角形などに構成されている。そして、これらの耐火性プレート本体は、次のような手段で得られる。
【0025】
すなわち、最大粒径 3mm以上の耐火性骨材、たとえばボーキサイト、マグネサイト、バデライト、ジルコンなどの天然原料、焼結アルミナ、電融アルミナ、合成ムライト、スピネル、焼結マグネシア、電融マグネシア、電融ジルコニアなどの人工原料の群れから選んだ1種もしくは2種以上と、
最大粒径 0.3mm以下のカオリン、バデライト、天然黒鉛などの天然原料、焼結アルミナ、電融アルミナ、合成ムライト、スピネル、焼結マグネシア、電融マグネシア、電融ジルコニアなどの人工原料の群れから選んだ1種もしくは2種以上の微粉原料と、
必要に応じてケイ素、アルミニウムなどの金属粉、炭化ケイ素、炭化ボロンなどの炭化物を適宜配合し、粘結材を加えて混練、成形、焼成して得た焼成体に、ピッチやタイルを含浸することによって製造できる。
【0026】
また、耐火性プレート本体は、耐火性骨材および耐火性原料粉のスラリーにアルミナセメントなどの硬化剤、必要に応じてケイ酸ソーダなどの分散剤を加えるなどして得たスラリーを、型枠内に流し込み・充填し、室温で養生してから脱枠した後、加熱乾燥など施すことによっても得られる。
【0027】
本発明では、溶融点が2800℃と高く、かつ塩基性スラグに対してすぐれた耐食性を有するマグネシア質原料と、耐食性および耐酸化性の向上を助長する炭素質原料と、前記マグネシア質原料の熱膨張率の低減化に寄与し、その結果として耐スポーリング性の向上を図るアルミナ−ジルコニア原料とを必須成分とし、かつ所定の組成比範囲内で選択している。そして、これらの各原料成分の特性は、ホットプレス成形による緻密体化などと相俟って効果的に助長され、耐用性の高いスライドゲートプレートとして機能する。
【0028】
本発明の製造方法によれば、原料成分およびホットプレス条件の適正な選択によって、耐用性の高いスライドゲートプレートを歩留まりよく、かつ量産的に提供できる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、図1,図2および図3を参照して実施例を説明する。
【0030】
実施例1,2
図1は第1の実施例(実施例1)に係るスライドゲートプレートの要部構成を示す断面図で、4は厚さ方向へ貫通する溶鋼流出孔5を有するスライドゲートプレートである。すなわち、マグネシア質原料55〜92重量%と、炭素質原料 3〜15重量%と、化学組成がAl2 O 3 30〜97重量%および ZrO2 3〜70重量%であるアルミナ−ジルコニア原料 5〜30重量%とを含む混合体で、かつ温度1000〜1900℃,圧力10〜20 MPaにて高温加熱成形されて成るスライドゲートプレートである。
【0031】
より具体的には、マグネシア質原料70重量%と、炭素質原料10重量%と、化学組成がAl2O3 80重量%およびZrO2 20重量%であるアルミナ−ジルコニア原料20重量%との混合系に、結合剤としての熱硬化性樹脂(たとえばフェノール樹脂)を外率5重量%さらに添加した混合体を調製する。次いで、この混合体をスライドゲートプレート用の発熱体兼用の炭素質製型枠に収容し、周波数1kHz,150kWの高周波加熱手段を備えたホットプレス装置にセットする。このホットプレス装置において、1700℃,圧力(単位圧)12.5MPaでホットプレス成形(高温加熱成形)したものである。
【0032】
第2の実施例(実施例2)として、マグネシア質原料80重量%と、炭素質原料10重量%と、化学組成がAl2 O 3 70重量%および ZrO2 30重量%であるアルミナ−ジルコニア原料10重量%との混合系とした他は、第1の実施例の場合と同じ条件の高温加熱成形法によって、スライドゲートプレートを作成する。
【0033】
比較例1〜4
表1に示すように、マグネシア質原料45〜95重量%と、炭素質原料2〜20重量%と、化学組成がAl2O3 20〜98重量%およびZrO2 2〜80重量%であるアルミナ−ジルコニア原料3〜35重量%との混合系とした他は、第1の実施例の場合と同じ条件の高温加熱成形法によって、スライドゲートプレートを作成する。
【0034】
なお、表1には、前記各実施例の場合、および高温加熱成形条件を併せて表示する。
【0035】
【表1】
比較例5〜8
マグネシア質原料70重量%と、炭素質原料10重量%と、化学組成がAl2O3 80重量%およびZrO2 20重量%であるアルミナ−ジルコニア原料20重量%との混合系に、結合剤としての熱硬化性樹脂(たとえばフェノール樹脂)を外率5重量%さらに添加した混合体を調製する。次いで、この混合体をスライドゲートプレート用の発熱体兼用の炭素質製型枠に収容し、周波数1kHz,150kWの高周波加熱手段を備えたホットプレス装置にセットする。このホットプレス装置において、表2に示すような温度(500〜2100℃),圧力(単位圧:5〜25MPa)条件でホットプレス成形(高温加熱成形)してスライドゲートプレートを作成する。
【0036】
【表2】
比較例9
マグネシア質原料70重量%と、炭素質原料10重量%と、化学組成がAl2 O 3 80重量%および ZrO2 20重量%であるアルミナ−ジルコニア原料20重量%との混合系に、結合剤としての熱硬化性樹脂(たとえばフェノール樹脂)を外率 5重量%さらに添加した混合体を調製する。次いで、この混合体をオイルプレス装置に組み込まれたスライドゲートプレート用の枠型に収容し、一定の高さに均し、常温プレス成形を行う。得られたプレート状の成形体を乾燥し、揮発分を揮発させた後、コークス粉末中の還元雰囲気中1200℃で焼成して、スライドゲートプレートを得る。
【0037】
次に、上記実施例1,2および比較例1〜9のスライドゲートプレートについて、見掛け気孔率、かさ比重、圧縮強さ、耐スポーリング性および実機試験を行った結果を表3に示す。ここで、耐スポーリング性は、1400℃に保持された電気炉中にスライドゲートプレートを20分間投入し、取り出した直後に水中に投入して急冷する操作を数回繰り返した後、表面および内部の亀裂発生状況で比較評価した。また、実機試験は、 250 tonの取り鍋に実装して行ったときの耐用回数の比較で行った。
【0038】
なお、比較例2および9の場合は、高温加熱成形時もしくは焼成時にスライドゲートプレートに亀裂が発生し、また、比較例8の場合は、高温加熱成形時に枠型が破損して、スライドゲートプレートが得られず、特性評価を行えなかった。
【表3】
前記実機試験において、各実施例に係るスライドゲートプレートは、いずれも摺動性良好で耐摩耗製性などがすぐれていたのに対し、比較例4,6,7のスライドゲートプレートは、摺動面の荒れが大きくスライドゲート機能が劣っていた。また、比較例1,5のスライドゲートプレートは、亀裂の発生および溶鋼流路孔エッジ部の欠損などにより耐久性が低く、比較例3のスライドゲートプレートは、亀裂の発生および溶鋼流路孔エッジ部の欠損などにより耐久性が低く、かつ摺動面の荒れが大きいなどの不都合が認められた。
【0039】
実施例3、4
図2および図3は、本発明に係る構成が異なる他のスライドゲートプレート
(実施例3、実施例4)の構成例をそれぞれ示す断面図である。
【0040】
図2は、第3の実施例に係るスライドゲートプレートの主要部、換言すると、特に、すぐれて耐食性、耐摩耗性および耐熱衝撃性など要求される溶鋼流出孔領域を、上記マグネシア質原料−炭素質原料−アルミナ−ジルコニア原料系で、かつ温度1000〜1900℃,圧力10〜20 MPaにて高温加熱成形した構成としたものである。図2おいて、4aは耐火性のプレート本体、すなわち溶鋼流出孔5を有する耐火性のスライドゲートプレート本体、6は前記溶鋼流出孔5に嵌装され溶鋼流に接する面を成す円筒状の溶鋼流出部材である。
【0041】
ここで、プレート本体4aは、たとえばマグネシア−炭素質製で、溶鋼流出孔5に嵌装配置された円筒状の溶鋼流出部材6と一体的に高温加熱成形されている。また、前記溶鋼流出部材6は、マグネシア質原料70重量%と、炭素質原料10重量%と、化学組成がAl2 O 3 80重量%および ZrO2 20重量%であるアルミナ−ジルコニア原料20重量%とを含む混合体で形成されている。
【0042】
さらに、図3は上ノズルや下ノズルを、それぞれ一体的に形設した第4の実施例に係るスライドゲートプレートを組み込んだスライドゲート機構の要部構成例を示す断面図である。すなわち、大きく分けて上ノズル7a、スライドゲートプレート4,4′、および下ノズル7bの部分で構成されてスライディングノズル方式において、上,下の各ノズル7a,7bをスライドゲートプレート4,4′の溶鋼流出孔5に連接させ、かつ一体的に形成・付設した構成例である。
【0043】
ここで、スライドゲートプレート4,4′および上,下ノズル7a,7bは、マグネシア質原料70重量%と、炭素質原料10重量%と、化学組成がAl2 O 3 80重量%および ZrO2 20重量%であるアルミナ−ジルコニア原料20重量%とを含む混合体で、かつ温度1000〜1900℃,圧力10〜20 MPaにて高温加熱成形されている。なお、図3において、8a,8bは金属フレームを示す。
【0044】
これら第3および第4の実施例に係るスライドゲートプレートの場合も、上記第1の実施例に係るスライドゲートプレートの場合に準じて、圧縮強さ、耐スポーリング性、実機試験などを行ったところ、同様の作用効果が認められた。
【0045】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものでなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲でいろいろの変形を採ることができる。
【0046】
【発明の効果】
上記説明から分かるように、本発明によれば、熱衝撃を受け易い溶鋼金属に接する領域、すなわち溶鋼金属の流路などが、物理的および化学的な耐食性、機械的な耐摩耗性が良好なマグネシア質原料−炭素質原料−アルミナ−ジルコニア原料系で形成されている。しかも、この混合原料系は、いわゆるホットプレス技術で成形化されるため、緻密性が高くて、大幅に向上した機械的な強度を呈するとともに、すぐれた耐スポーリング性を発揮する。つまり、耐用性が大幅に向上・改善されたスライドゲートプレートの提供が可能となるので、溶融金属の流量コントロール手段の改良が図られ、鉄鋼業の生産性などに大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例に係るスライドゲートプレートの要部構成を示す断面図。
【図2】第3の実施例に係るスライドゲートプレートの要部構成を示す断面図。
【図3】第4の実施例に係るスライドゲートプレートを組み込んだスライドゲート機構の要部構成を示す断面図。
【図4】従来のスライドゲート機構の要部構成を示す断面図。
【図5】 (a), (b)は従来の互いに異なるスライドゲートプレートの要部構成をそれぞれ示す断面図。
【符号の説明】
1,4,4′……スライドゲートプレート
1a,4a……スライドゲートプレート本体
1b,5……溶鋼金属流出孔(流路)
1c,6……溶鋼金属流出孔部材(内挿材)
7a,7b……上,下ノズル
Claims (2)
- マグネシア質原料55〜92重量%と、炭素質原料3〜15重量%と、化学組成がAl2O3 30〜97重量%およびZrO2 3〜70重量%であるアルミナ−ジルコニア原料5〜30重量%とを含む混合体を、スライドゲートプレート用型枠に収容し、温度1000〜1900℃,圧力10〜20MPaで高温加熱成形することを特徴とするスライドゲートプレートの製造方法。
- マグネシア質原料55〜92重量%と、炭素質原料3〜15重量%と、化学組成がAl2O3 30〜97重量%およびZrO2 3〜70重量%であるアルミナ−ジルコニア原料5〜30重量%とを含む混合体を調製する工程と、前記調製した混合体を上または下ノズル付きスライドゲートプレート用型枠に収容し、温度1000〜1900℃,圧力10〜20MPaで高温加熱成形する工程とを有することを特徴とするノズル付きのスライドゲートプレートの製造方法。
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