JPH03345B2

JPH03345B2 -

Info

Publication number: JPH03345B2
Application number: JP57058608A
Authority: JP
Inventors: Takeshi Okamoto; Takeshi Higashihara; Tatsuo Kawakami
Original assignee: Kawasaki Refractories Co Ltd
Current assignee: JFE Refractories Corp
Priority date: 1982-04-07
Filing date: 1982-04-07
Publication date: 1991-01-07
Also published as: JPS58176170A

Description

【発明の詳細な説明】

本発明は、取鍋、タンデイツシユ等の溶融金属
の容器に装着されるスライデイングノズル（以
下、SNとする）装置用の耐火物、即ちSN用プレ
ート耐火物の製造法に関する。 SN用プレート耐火物は、SN装置に於いて溶鋼
流量を制御する重要な部材であり、非常に苛酷な
条件で使用されるため、特に耐熱衝撃性、耐食性
及び強度に優れていることが要求される。 SN用プレート耐火物の材質としては、高アル
ミナ質、ジルコン質、マグネシア質等が用いられ
てきているが、最近では特に炭素結合を有するア
ルミナ−カーボン系材質が主流である。炭素結合を有する耐火物は、熱伝導性が良いの
で耐熱衝撃性に優れ、又化学的抵抗性にも優れる
という特性を有しているが、高温での酸化雰囲気
に於ける耐酸化性に劣るという欠点がある。即
ち、該耐火物の結合強度は、炭素結合により与え
られているため、結合炭素の酸化・脱炭が起これ
ば、耐火物組織の脆弱化が生じ、損傷が進んでい
くことになる。従来から、耐酸化性を向上させるため種々の方
法が試みられており、例えば(1)高温でガラス相を
形成する物質を耐火物中に配合して炭素の周囲を
被覆すること、(2)硫酸アルミニウム、硝酸アルミ
ニウム等の水溶液若しくはリン酸ナトリウム水溶
液を塗布又は含浸し気孔を埋めること等が挙げら
れるが(1)については耐火物中に低融点のガラス相
を形成するため熱間での強度の低下を招くという
難点があり、また(2)については高温に於ける効果
が十分でないという難点があり、いずれも満足で
きるものではない。本発明の目的は、上記欠点乃至難点を克服し、
炭素結合を有する耐火物の前記特性をそのまま保
持し且つ耐酸化・脱炭性に優れた炭素結合を有す
るSN用プレート耐火物の製造法を提供すること
にある。即ち、本発明は、下記のSN用プレート耐火物
の製造方法を提供する：炭素材料１〜20重量部と耐火材料80〜99重量
部の合計100重量部に対して、Co及びNiの少な
くとも１種0.05〜５重量部並びに有機バインダ
ー２〜20重量部を混練、成形後、還元雰囲気下
に900〜1500℃で焼成することを特徴とするス
ライデイングノズル用プレート耐火物の製造
法、及び炭素材料１〜20重量部と耐火材料80〜99重量
部の合計100重量部に対して、Co及びNiの少な
くとも１種0.05〜５重量部並びに有機バインダ
ー２〜20重量部を混練、成形後、還元雰囲気下
に900〜1500℃で焼成し、更に炭素含有物質を
含浸し、還元雰囲気下に300〜1000℃で焼成す
ることを特徴とするスライデイングノズル用プ
レート耐火物の製造法。本発明における耐火材料としては、アルミナ、
ムライト、シリカ、シヤモツト、ジルコン、ジル
コニア、マグネシア等の酸化物系材料、炭化珪
素、窒化珪素、窒化ホウ素、珪素等の非酸化物系
材料を挙げることが出来、これらの少なくとも１
種を用いる。用いる耐火材料の粒度は特に限定さ
れないが、平均粒径５mm以下のものを材料の違い
に応じて種々配合して使用するのが好ましい。ま
た耐火材料の使用量は80〜99重量部である。80重
量部より少ないと耐食性が低下し、又99重量部を
越えると耐熱衝撃性が劣化する。本発明において用いられる炭素材料としては、
天然黒鉛、人造黒鉛、コークス、無煙炭、カーボ
ンブラツク等が好適であるが、高温還元雰囲気下
で炭化する含炭素化合物、例えばタール、ピツ
チ、フエノール樹脂等も使用できる。炭素材料の
使用量は１〜20重量部好ましくは３〜10重量部で
ある。１重量部より少ないと耐熱衝撃性及び耐食
性が劣化し、又20重量部を越えると強度及び耐酸
化・脱炭性が低下して使用し得ない。また、本発明において炭素結合を有するSN用
プレート耐火物の結合強度及び耐酸化・脱炭性を
向上させるために添加される金属又は（及び）金
属化合物としては、Co、Ni及びこれらの化合物
（例えば、硝酸塩、硫酸塩、炭酸塩、水酸化物、
酸化物、塩化物、窒化物、炭化物、硼化物、有機
酸塩等）からなる群より選ばれた少なくとも１種
が使用される。金属又は（及び）金属化合物の使
用量は、金属として0.05〜５重量部好ましくは
0.3〜１重量部である。0.05重量部より少ないと
炭素結合の強度及び耐熱衝撃性が向上しないのに
対し、又５重量部を越えると耐熱衝撃性が低下す
る。金属を用いる場合は粉末状で、金属化合物を
用いる場合は水溶液等の溶液状で、耐火材料中に
均一に分散させる。この際の金属の粒度は、特に
限定されないが44μ以下のものを使用した場合に
効果が特に大きい。また、本発明において用いられる有機バインダ
ーとしては、タール、ピツチ、フエノール樹脂等
を挙げることが出来、その使用量は２〜20重量部
好ましくは３〜10重量部である。ただし、前記炭
素材料としてタール、ピツチ、フエノール樹脂等
を用いた場合は、炭素材料と有機バインダーの合
計で２〜20重量部になる量である。２重量部より
少ないと成形が困難となり焼成後の強度も低い、
又20重量部を越えると耐火物組織が脆弱化する。本発明においては、以上の耐火材料、炭素材
料、金属又は（及び）金属化合物及び有機バイン
ダーをそれぞれ所定量配合し、常法に従つて混
練、成形する。次に、還元雰囲気下に900〜1500
℃好ましくは1100〜1350℃の温度範囲内で焼成す
る。900℃より低いと炭素結合強度が低下し、又
1500℃を越えると炭素結合のみでなくセラミツク
結合の形成が開始するため耐熱衝撃性が低下す
る。斯くして得られる本発明方法のSN用プレート
耐火物は、優れた結合強度及び耐酸化・脱炭性を
有するものであるが、以上の工程を行なうことに
より、それらの性質を更に向上させることが出来
る。即ち、上記で得られたSN用プレート耐火物に
炭素含有物質を含有する。この際に用いられる炭
素含有物質としては、タール、ピツチ、フエノー
ル樹脂等を挙げることが出来る。次いで必要に応
じて還元雰囲気下に300〜1000℃好ましくは400〜
600℃の温度範囲で焼成する。300℃より低いと金
属又は（及び）金属化合物の添加による炭化反応
における脱水素重縮合反応の促進効果が小さく、
又1000℃を越えることは経済性の面から好ましく
ない。本発明により得られるSN用プレート耐火物は、
低融点物質の生成及び品質の低下を起こすことな
く、炭素結合強度及び耐酸化・脱炭性の向上を達
成したものである。即ち、本発明では、還元雰囲
気下に焼成を行なうことにより、添加された金属
又は（及び）金属化合物は常に活性を維持してお
り、それらにより有機バインダーの硬化反応又は
（及び）炭素材料の炭化反応の過程において脱水
素による重縮合反応を促進させ、網目状の複雑且
つ強固な炭素結合を形成させるものであり、この
ことにより炭素結合強度及び耐酸化・脱炭性の向
上を計ることができる。本発明により得られるSN用プレート耐火物に
更に炭素含有物質を含浸し、還元雰囲気下に再度
焼成する工程は、上述した効果を更に強化するも
のである。本発明により得られるSN用プレート耐火物が
前述の炭素結合を有する耐火物が本来持つている
特性を保持していることは言うまでもない。尚、本発明の方法は炭素を含有し且つ炭素結合
によつて強度を付与させる耐火物全般に応用する
ことが出来る。以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。実施例１アルミナ（粒度２mm以下）60重量部、ムライト
（粒度３〜１mm）30重量部、珪素粉末２重量部及
び無煙炭粉末８重量部の合計100重量部に対して、
第１表に記載の金属粉及び有機バインダーとして
フエノール樹脂を６重量部添加し、常温で混練し
て、フリクシヨンプレスにて成形したのち、トン
ネルキルンにおいて1200℃還元雰囲気下に焼成し
てSN用プレート耐火物を得た。これらの試料について各種試験を行つた結果を
第１表に併記する。次に、比較品１および本発明
品１のSN用プレート耐火物を300トン溶鋼鍋に装
着したスライデイングノズル装置にセツトして使
用した。その結果、比較品１の耐用回数は4.5チ
ヤージであり、摺動面にはノズル孔から摺動方向
に亀裂が発生し、酸化・脱炭による面荒れが見ら
れた。これに対し本発明品１の耐用回数は5.7チ
ヤージであり、摺動面にはピーリングに起因する
若干の面荒れが見られる程度であつた。

【表】

【表】実施例２実施例１と同じ原料100重量部に対し、第２表
に記載の金属、および有機バインダーを所定量添
加し、混練し、フリクシヨンプレスにて成形後ト
ンネルキルンにおいて1200℃還元雰囲気下に焼成
した。その後更にタールを含浸し、450℃還元雰
囲気下において焼成してSN用プレート耐火物を
得た。これらの試料について各種試験を行つた結
果およびSN用プレート耐火物を300トン溶鋼鍋に
装着したスライデイングノズル装置にセツトして
使用した場合の耐用回数、摺動面の状況を第２表
に併記する。

【表】上記実施例１及び２から明らかなように本発明
品は比較品に比して強度、耐熱衝撃性及び耐酸
化・脱炭性が優れており、SN装置に使用した場
合の耐用性においても格段に優れたものである。

Claims

【特許請求の範囲】１炭素材料１〜20重量部と耐火材料80〜99重量
部の合計100重量部に対して、Co及びNiの少なく
とも１種0.05〜５重量部並びに有機バインダー２
〜20重量部を混練、成形後、還元雰囲気下に900
〜1500℃で焼成することを特徴とするスライデイ
ングノズル用プレート耐火物の製造法。２炭素材料１〜20重量部と耐火材料80〜99重量
部の合計100重量部に対して、Co及びNiの少なく
とも１種0.05〜５重量部並びに有機バインダー２
〜20重量部を混練、成形後、還元雰囲気下に900
〜1500℃で焼成し、更に炭素含有物質を含浸し、
還元雰囲気下に300〜1000℃で焼成することを特
徴とするスライデイングノズル用プレート耐火物
の製造法。