JPH11244776A - 帯状体の塗装膜厚制御方法 - Google Patents

帯状体の塗装膜厚制御方法

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JPH11244776A
JPH11244776A JP4573398A JP4573398A JPH11244776A JP H11244776 A JPH11244776 A JP H11244776A JP 4573398 A JP4573398 A JP 4573398A JP 4573398 A JP4573398 A JP 4573398A JP H11244776 A JPH11244776 A JP H11244776A
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JP
Japan
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film thickness
control
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time
transfer time
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JP4573398A
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Yoshiyasu Sakamoto
喜保 阪本
Tomoji Saeki
智次 佐伯
Masaaki Kato
優明 加藤
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Sumitomo Metal Steel Products Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線式膜厚計を用いた塗装ラインのサンプ
リング制御方式によるフィードバック制御において、制
御の応答性を向上し、膜厚制御精度を向上する制御方法
を提供する。 【解決手段】 放射線式膜厚計の統計誤差の大きさと測
定厚さおよび膜厚計の時定数の関係式を求めておき、目
標精度に応じて膜厚計の時定数を設定し、この時定数が
ラインスピードから決まる移送時間より大きいときはラ
インスピードを下げ、サンプリング周期は移送時間より
大きい最小の周期を選ぶ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鋼板、紙などの帯状
体に塗料、インク、接着剤などを連続的に塗装する塗装
ラインの塗装膜厚制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】塗装鋼板などの帯状体を塗装するにはロ
ールコータ方式、ノズルコータ方式、スプレーコータ方
式などの塗装方式がある。
【0003】塗装膜厚(以下、膜厚という)を精度よく
管理するには、例えばロールコータ方式では、塗装開始
に先立って膜厚制御に係る2本のロール間間隙を、ロー
ル間隔と膜厚の関係式に基づいてあらかじめ設定(プリ
セット)し、塗装最始端から所定の膜厚が得られるよう
にする。しかし、何らかの原因で実際の膜厚はプリセッ
トの狙いとおりにはならないため、実測値に基づいたフ
ィードバック制御が必要になる。
【0004】図1は鋼板のロールコータ式塗装ラインの
概要図である。コイル状の鋼板1はアンコイラー2にセ
ットされ、前コイルの後端に次コイルの先端を順次接続
しながら、塗装ラインに供給される。鋼板1は化成処理
装置3で表裏面に化成処理被膜を塗布される。化成処理
層の膜厚(乾燥付着量)は0.5〜2g/m2程度であ
る。以下の説明では、断りのない限り、膜厚を乾燥付着
量と同じ意味に用いる。
【0005】鋼板1は第1コータ4で下塗り塗装され
(乾燥時膜厚3〜30g/m2程度)、第1オーブン5で
焼き付け乾燥後、第2コータ6で上塗り塗装される。さ
らに、第2オーブン7で焼き付け乾燥後、適宜コイル単
位に分割され、コイラー11で巻き取られる。その他、
塗装ラインには、アキュムレータ、シヤー、などの公知
の設備があるが、詳細説明は省略する。
【0006】膜厚計の測定ヘッドは化成処理装置3の下
流に第1測定ヘッド8、第1コータ4の下流に第2測定
ヘッド9および第2コータ6の下流に第3測定ヘッド1
0が配置されている。第1測定ヘッド8で、化成処理塗
装の膜厚(乾燥膜厚)が測定され、第2測定ヘッド9で
(下塗り膜厚+化成処理膜厚)が測定される。従って、
第1コータ4での下塗り膜厚は(第2測定ヘッド9の膜
厚測定値−第1測定ヘッド8の膜厚測定値)として求め
られる。ただし、鋼板1の両測定ヘッド間の移送距離を
トラッキングして、鋼板上の同一点を測定するようにな
っている。第2コータ6での上塗り膜厚についても(第
3測定ヘッド10の膜厚測定値−第2測定ヘッド9の膜
厚測定値)として同様に求められる。また、裏面の膜厚
についても、測定ヘッドを裏面にも設置することによ
り、表面と同様に求められる。
【0007】図2はロールコータの要部の概要図であ
る。同図は図1の第1コータを想定した符号を付してい
るが、第2コータも同様の構成を有する。同図におい
て、塗料パン12からピックアップロール14によって
塗料13が引き上げられ、アプリケータロール15に転
写される。塗料13はさらに、バックアップロール16
に支持された鋼板1に転写される。鋼板上に転写される
膜厚の制御はピックアップロール14とアプリケータロ
ール15の間隔を調整することによって行われる。
【0008】膜厚の制御位置(ロールコータ方式では2
本のロールの接触位置)と膜厚計の測定位置とは数十cm
〜十数m離れており、この間の移送時間のため、連続制
御ではハンチングが起きやすく、サンプリング制御が適
している。すなわち、ある瞬間で膜厚の実測値を入力
し、設定値との偏差を求め、偏差に対応した制御出力を
計算して次のサンプリング周期まで同じ制御出力を保持
する方法(サンプルアンドホールド)の公知手法が用い
られる。
【0009】膜厚計には非接触型の計測器が用いられ、
色度計式、赤外線反射式などの光学式および放射線式が
ある。光学式は比較的薄い膜の測定には適しているが、
塗装鋼板などでは膜厚が数十μm程度と厚く、光学式は
使えないため、放射線式(後方散乱β線膜厚計)が用い
られる。β線放射線源には、塗料の膜厚検出感度に優れ
た適切なエネルギーレベルのβ線が得られ、数年以上の
長い半減期を持つ85Kr(50〜500mCi 程度)が用
いられる。
【0010】図3は膜厚計の測定例を示すグラフであ
る。同図はラインを停止した状態での測定例である。同
図に示すように、測定値には放射線式膜厚計特有のばら
つき(粒子放射線の統計的過程に基づく統計誤差)が含
まれている。同図に示すように統計誤差は厚膜ほど大き
い。
【0011】この統計誤差を低減するため、膜厚計の信
号処理回路では時間平均をとっている。時間平均の方法
は、RC時定数回路による積分、ディジタル処理による
時間積分(移動平均またはパルスレートカウント)など
があり、いずれも、RCの時定数または積分時間が長い
ほど、統計誤差は小さくなるが、検出速度は低下する。
以下の説明では、膜厚計の時定数または積分時間を単に
時定数という。
【0012】塗装ラインのように、制御位置と検出位置
の間で移送時間がかかるプロセスではサンプリング制御
が有効であるが、制御の応答速度を高めるためには、図
2のように膜厚計の第2測定ヘッド9を制御位置に極力
接近して設置するのがよい。ラインスピードが高速化し
たり、制御位置と測定位置の距離が短縮される場合に
は、移送時間も短縮されるので、これに比例してサンプ
リング周期を短縮することも公知技術として行われてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】サンプリング周期(制
御周期)を短かくするとサンプリング周期が膜厚計の時
定数より小さくなり、測定値が得られないうちに制御出
力を出すため、制御が不安定(ハンチング)になる。従
って、膜厚測定の時定数<サンプリング周期の関係を維
持するため、制御の応答性を犠牲にしてサンプリング周
期を長くするか、膜厚精度を犠牲にして膜厚計の時定数
を短縮しなければならない。
【0014】このように、放射線式膜厚計を塗装ライン
のフィードバック制御に用いる場合には、膜厚測定誤
差、膜厚計の時定数、制御の応答性、移送時間、サンプ
リング周期、およびラインスピードが相互に絡み合った
関係にある。
【0015】本発明の課題はこれらの要因の関係を明ら
かにし、塗装ラインの制御の応答性、測定精度、ライン
スピードの向上と最適化を図ることにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】発明者はこの課題を解決
するため、サンプリング制御の周期を種々変更し、制御
精度に及ぼす影響を調査した。その結果、以下(a) 〜
(d) の知見を得た。
【0017】(a) フィードバック制御の応答性を高める
には膜厚計をロールコータの直後に設置し、サンプリン
グ周期を短かくするのがよい。
【0018】(b) β線膜厚計は放射線の統計誤差が含ま
れているので平均化の処理が必要で、平均化するための
時間(時定数)が必要である。時定数が短いほど精度が
低下する。また厚膜測定時(厚膜レンジ)には精度が低
下する。
【0019】(c) 厚膜レンジで薄膜レンジと同様の測定
精度を維持するには膜厚計の時定数(積分時間)を大き
くし、統計誤差を小さくすればよい。また、膜厚精度を
要求される場合も同様に膜厚計の時定数を大きくし、膜
厚測定精度を高めればよい。
【0020】(d) ただし、膜厚計の時定数がサンプリン
グ周期より大きいと制御が乱れるので、サンプリング周
期を大きくするか、膜厚制御精度を落とすか、いずれか
の措置で最適化をはかることが必要である。
【0021】上記知見に基づき本発明の要旨は、「帯状
体の塗装ラインにおいて、膜厚制御位置の下流側に配置
された放射性同位元素を用いた膜厚計の実測値を用いて
サンプリング制御による膜厚フィードバック制御を行う
に際し、膜厚計の統計誤差の大きさと膜厚および膜厚計
の時定数の関係式を求めておき、膜厚制御の目標精度に
応じて前記関係式から膜厚計の時定数を求め、ラインス
ピードは膜厚制御位置と膜厚測定位置との間の帯状体の
移送時間が前記時定数より大きくなる最大のラインスピ
ードとし、サンプリング周期は前記移送時間より大きい
最小の周期とすることを特徴とする帯状体の塗装膜厚制
御方法」にある。
【0022】
【発明の実施の形態】図4は後方散乱型のβ線膜厚計の
測定原理の説明図である。鋼板1の上に塗膜17が厚さ
tで塗装されている。β線源18からの放射線19が鋼
板1に向かって放射され、塗膜17によって後方散乱
(反射)され、さらに下方に進入した放射線は鋼板1に
よって後方散乱され、検出器20(電離箱等)で検出さ
れる。
【0023】検出器20で測定される放射線強度をVと
し、塗膜によって後方散乱される放射線強度をV1 、鋼
板1によって反射される放射線強度をV2 とすると、こ
れらの間には、下記の関係がある。
【0024】 V1 =VS (1−exp (−αt)) (1) V2 =V0 exp (−αt) (2) V =V1 +V2 =VS +(V0 −VS )・exp (−αt) (3) (3) を変形して、 t =−1/α・ln(( V−VS ) /( V0 −VS ) ) (4) (3) をtで微分して、 dV/dt=−α( V0 −VS ) ・exp (−αt) (5) ただし、 VS :膜厚が無限大のときに測定される放射線強度
(−)、 V0 :膜厚がゼロのときに測定される放射線強度
(−)、 α :塗料の吸収係数(m2/g)、である。
【0025】図5は(1) 〜(3) 式で表されるそれぞれの
放射線強度V1 、V2 およびVと膜厚tとの関係を示し
たグラフである。同図に示すように、膜厚が大きくなる
と、検出される放射線強度は飽和し、膜厚測定が不可能
になることを示している。通常の塗装鋼板では膜厚は4
0g/m2以下で、同図のVのグラフが適当に傾斜してい
る領域で使用するため、測定される放射線強度Vが飽和
することはないが、膜厚が厚いほど、測定精度が低下す
ることを示している。
【0026】同図において例えば、放射線強度V、
S 、V0 は放射線検出器の出力(−)で表されるもの
とし、V0 :3.0(−)、VS :2.0(−)、α:
0.011(m2/g)として(5) 式により誤差を評価す
ると、膜厚が5g/m2近傍(薄膜)では放射線強度Vの
測定誤差の±0.1%幅の変動に対して膜厚誤差は±
0.4g/m2であるのに対し、膜厚が30g/m2近傍
(厚膜)では膜厚誤差は±0.56g/m2(膜厚が5g
/m2近傍の場合の1.4倍)になる。
【0027】一方、放射線の統計誤差による放射線強度
Vのばらつきの標準偏差σV は、単位時間当たりの放射
線粒子数、つまり放射線強度Vの平方根に反比例し、下
記(6) 式で表すことができる。 σV /σV0=(V/V0 -1/2 (6) ただし、 σV0:膜厚ゼロにおける放射線強度の統計誤差の標準偏
差(−)である。
【0028】(6) 式によれば、前記のV0 、VS 、αの
数値例において、厚膜での放射線強度の統計誤差は薄膜
での統計誤差の1.03倍になる。
【0029】(5) および(6) 式の、厚膜ほど測定精度が
低下する現象および厚膜ほど放射線強度の統計誤差が増
大する現象により、膜厚tにおける膜厚測定の統計誤差
σt(g/m2)と厚さゼロにおける膜厚測定の統計誤差
σt0との関係は下記(7) 式で与えられる。 σt /σt0=(V/V0 -1/2・exp (−αt) (7) 。
【0030】(7) 式によれば、例えば厚膜(30g/m2
近傍)の統計誤差は薄膜(5g/m2近傍)の統計誤差の
1.44倍になる。
【0031】統計誤差を小さくするためには、線源量を
増加する方法もあるが、放射性同位元素の安全管理上の
問題がある。線源の量を増加するかわりに、膜厚計の時
定数を長くする方法がある。ただし、時定数をあまり長
くすると、応答が鈍くなるため、膜厚計では時定数を
0.5〜1s程度の固定値としている。
【0032】膜厚制御位置と膜厚計位置とが接近してい
て、(例えばロールコータと膜厚計間の距離が0.5
m)、ラインスピードが80mpmにもなると、移送時
間は0.375sになる。応答性を高めるためサンプリ
ング周期をこれに応じて短縮すると、膜厚計の時定数よ
り短くなって、膜厚測定を終わらないうちに次の制御周
期に至るため、制御ハンチングをもたらす。
【0033】従って、膜厚の程度、膜厚の要求精度に応
じて、サンプリング周期、膜厚計の時定数、ラインスピ
ードのそれぞれを最適な値にすることが必要になる。た
だし、膜厚計の時定数Tm 、移送時間TD (=制御位置
〜測定位置距離/ラインスピード)、サンプリング周期
Tの間には、Tm <TD <Tの関係を保つ必要がある。
図6は最適化計算のフローチャートである。同図の各S
tepを以下に説明する。
【0034】Step1.あらかじめ、VS 、V0 を求
めるStepである。膜厚計をオフライン状態にして、
極厚膜(300g/m2以上)の試片を測定位置におき、
その時の放射線強度をVS とし、無塗装の試片の時の放
射線強度をV0 として求めておく。
【0035】Step2.あらかじめ、最適化計算に必
要な基準値σt0S (g/m2)、TmS(s)、T
DS(s)、TS (s)を基準値表などからもとめ、膜厚
計の時定数初期値Tm =TmS、移送時間の初期値TD
DS、サンプリング周期の初期値T=TS 、を設定す
る。
【0036】ただし、 σt0S :膜厚ゼロにおける膜厚精度の基準値、 TmS :膜厚計の時定数の基準値(s)、 TS :サンプリング周期の基準値(s)、 TDS :移送時間の基準値。(移送距離L/基準ライン
スピードS)、である。
【0037】Step3.製造仕様により膜厚tが与え
られた時点で、(7) 式に基づいて、下記(7')でtにおけ
る膜厚精度の基準値σtSを求める。 σtS/σt0S =(V/V0 -1/2・exp (−αt) (7') 。
【0038】Step4.製造する鋼板の膜厚の要求精
度(品質仕様)σt と膜厚精度の基準値σtSを比較す
る。σt <σtS(要求精度が基準値より厳しい)の場
合、膜厚計時定数を大きくする処理へ(Step5)。
【0039】Step5.膜厚計時定数Tm を大きくし
て、統計誤差σt を小さくする処理である。Tmは下記
の(8) 式から求める。 (Tm /TmS)=(σt /σtS-1/2 (8) 。
【0040】Step6.前記Step5.で求めた膜
厚計の時定数Tm が、移送時間TD 以内かチェックす
る。Tm >TD (膜厚計の時定数が移送時間を超える)
の場合、ラインスピードを低下する処理へ(Step
7)。
【0041】ただし、 TD :膜厚制御位置〜膜厚計検出位置間の移送時間=L
/S、 S :ラインスピード、 L :膜厚制御位置〜膜厚計検出位置間距離、である。
【0042】Step7.ラインスピードSを下げ、移
送時間TD を延長する処理である。Sは下記の(9) 式か
ら求める。 S=L/Tm (9) 。
【0043】Step8.求めた移送時間TD (=L/
S)がサンプリング周期Tより短かいか、チェックす
る。TD ≧T (移送時間がサンプリング周期より大き
い)の場合、サンプリング時間を延長する処理へ(St
ep9)。
【0044】Step9.サンプリング周期Tを移送時
間TD より大きくするStepである。Tは例えば、下
記の式から求める。 T=TD +0.1。
【0045】Step10.Step1〜9までに求め
たTm (膜厚計時定数)、T(サンプリング周期)、S
(ラインスピード)を制御パラメータとして、膜厚計、
サンプリング制御装置および塗装ラインの制御装置に設
定し、最適化計算を終了する。
【0046】図7は本発明に係る制御方法のフローを示
すブロック図である。同図において、総括制御装置22
は図示されていない上位のコンピュータまたは設定入力
装置から塗装仕様を与えられる。製造に先立ち、総括制
御装置22は前記Step1〜10の手順により、サン
プリング制御装置23に対してサンプリング周期T、塗
装プロセス24に含まれる塗装ラインの制御装置(図示
せず)に対してラインスピードS、膜厚計21に対して
膜厚計時定数Tm を設定する。
【0047】製造開始時には総括制御装置22から図示
していないロールコータのピックアップロールとアプリ
ケータとのロール間隔設定装置にロール間隔Gをプリセ
ットする。
【0048】製造開始後はサンプリング制御装置23が
フィードバック制御を実行する。サンプリング制御装置
23は膜厚計21の実測値と膜厚計設定値tとの差をサ
ンプリングスイッチ25で取り込み、ロール間隔修正量
ΔGを計算し、前記ロール間隔Gに加算して図示しない
ロール間隔設定装置に設定する。
【0049】上記の制御システムによって、要求された
膜厚精度に応じて、あるいは厚膜、薄膜の膜厚レンジに
応じて最適の制御パラメータ(サンプリング周期、膜厚
計時定数、ラインスピード)を選ぶことができる。
【0050】以上はロールコータ式塗装ラインを例にし
て説明したが、ノズルコータ式あるいはスプレーコータ
式の塗装ラインにおいても適用可能である
【0051】
【実施例】本発明の制御方法と従来の制御方法を比較す
る試験を行った。本発明例では前記のStep1〜10
の手順に従い、サンプリング周期、膜厚計時定数、ライ
ンスピードを変更した。従来法による比較例では、サン
プリング周期、膜厚計時定数は変更せず、ラインスピー
ドは作業標準で与えられたとおりとした。表1に本発明
例と比較例の制御条件を示す。
【0052】
【表1】
【0053】同表において、厚膜とは30〜40g/
m2、薄膜とは5〜10g/m2をいう。本発明例ではライ
ンスピードを厚膜で最大65mpm 、薄膜で80mpm まで
上げることができたが、比較例では、サンプリング周期
を1.0sに固定しているため、最大ラインスピードは
作業標準で定めた厚膜50mpm 、薄膜75mpm であっ
た。
【0054】ロールコータの制御位置から膜厚計の測定
位置までの距離は0.6mであった。表1の移送時間は
この距離をラインスピードで割った値である。サンプリ
ング周期は、本発明例においては(移送時間+0.1
s)で設定した。比較例では最大の移送時間(厚膜塗装
の最低速の時)に合わせて1.0sの固定であった。
【0055】膜厚計の時定数は本発明例では移送時間と
同じ値とした。比較例では0.5s固定であった。表1
の条件で本発明例、比較例でそれぞれ10コイルの塗装
を実施し、制御精度を評価した。表2に制御結果を示
す。
【0056】
【表2】
【0057】同表に示すように、本発明例、比較例とも
応答時間(膜厚設定値を変化させたとき、目標膜厚にな
るまでの時間)はサンプリング周期の2周期分であった
が、本発明例では可能な限りサンプリング周期を短縮し
ているので、比較例にくらべて応答時間は大幅に短縮し
た。
【0058】一方、本発明例では膜厚計時定数を移送時
間を超えない最大時間に設定し、統計誤差を小さくして
いるため、厚膜、薄膜レンジとも膜厚制御精度が向上し
た。特に、厚膜レンジでの膜厚の精度向上が著しい。膜
厚ばらつきの減少と、制御の応答性の向上の結果、塗装
鋼板のコイル全長での膜厚公差外れが著しく改善した。
【0059】
【発明の効果】本発明の制御方法を適用することによっ
て、塗装ラインの膜厚制御の応答性が向上し、膜厚制御
のばらつきが減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロールコータ式塗装ラインの概要図である。
【図2】ロールコータの要部の概要図である。
【図3】膜厚計の測定例を示すグラフである。
【図4】β線膜厚計の測定原理の説明図である。
【図5】放射線強度と膜厚tとの関係を示したグラフで
ある。
【図6】本発明に係る制御方法のフローを示すブロック
図である。
【図7】本発明に係る制御方法のフローを示すブロック
図である。
【符号の説明】
1 鋼板 2 アンコイラー 3 化成処理装置 4 第1コータ 5 第1オーブン 6 第2コータ 7 第2オーブン 8 第1測定ヘッド 9 第2測定ヘッド 10 第3測定ヘッド 11 コイラー 12 塗料パン 13 塗料 14 ピックアップロー
ル 15 アプリケータロール 16 バックアップロー
ル 17 塗膜 18 β線源 19 放射線 20 検出器 21 膜厚計 22 総括制御装置 23 サンプリング制御装置 24 塗装プロセス 25 サンプリングスイッチ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状体の塗装ラインにおいて、膜厚制御
    位置の下流側に配置された放射性同位元素を用いた膜厚
    計の実測値を用いてサンプリング制御による膜厚フィー
    ドバック制御を行うに際し、膜厚計の統計誤差の大きさ
    と膜厚および膜厚計の時定数の関係式を求めておき、膜
    厚制御の目標精度に応じて前記関係式から膜厚計の時定
    数を求め、ラインスピードは膜厚制御位置と膜厚測定位
    置との間の帯状体の移送時間が前記時定数より大きくな
    る最大のラインスピードとし、サンプリング周期は前記
    移送時間より大きい最小の周期とすることを特徴とする
    帯状体の塗装膜厚制御方法。
JP4573398A 1998-02-26 1998-02-26 帯状体の塗装膜厚制御方法 Withdrawn JPH11244776A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN101905204A (zh) * 2010-07-30 2010-12-08 凯迈(洛阳)机电有限公司 一种极片涂布生产线及其在线取样系统
CN111216352A (zh) * 2020-01-16 2020-06-02 北京斯克兰顿建材有限公司 一种湿固化反应型聚氨酯热熔胶钢板覆膜工艺

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