JPH062047A - 連続炉燃焼制御装置 - Google Patents
連続炉燃焼制御装置Info
- Publication number
- JPH062047A JPH062047A JP15524892A JP15524892A JPH062047A JP H062047 A JPH062047 A JP H062047A JP 15524892 A JP15524892 A JP 15524892A JP 15524892 A JP15524892 A JP 15524892A JP H062047 A JPH062047 A JP H062047A
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- Japan
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- plate
- sheet
- plate thickness
- furnace
- temperature
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- Pending
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- Control Of Heat Treatment Processes (AREA)
- Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】板厚が時々刻々変動する場合でも、これに対応
して連続炉内の燃焼量を的確に制御する。 【構成】連続加熱炉1の入側での鋼板2の板厚を連続的
に測定する板厚計6と、この板厚計6からの板厚情報を
所定時間間隔でかつ鋼板の長手方向位置の関数として収
集する実績収集部7と、鋼板の長手方向位置に応じて実
績収集部7から板厚実測値を抜き出すトラッキング部8
と、このトラッキング部8からの板厚実測値、鋼板材料
条件および操業条件に基づいて最適な板温モデルを周期
的に計算する板温制御モデル計算部9と、この板温制御
モデル計算部からの計算値信号に基づいて燃焼制御系に
対して制御出力を出力する出力部10とを備える。
して連続炉内の燃焼量を的確に制御する。 【構成】連続加熱炉1の入側での鋼板2の板厚を連続的
に測定する板厚計6と、この板厚計6からの板厚情報を
所定時間間隔でかつ鋼板の長手方向位置の関数として収
集する実績収集部7と、鋼板の長手方向位置に応じて実
績収集部7から板厚実測値を抜き出すトラッキング部8
と、このトラッキング部8からの板厚実測値、鋼板材料
条件および操業条件に基づいて最適な板温モデルを周期
的に計算する板温制御モデル計算部9と、この板温制御
モデル計算部からの計算値信号に基づいて燃焼制御系に
対して制御出力を出力する出力部10とを備える。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、製鉄所の連続焼鈍工場
や連続溶融亜鉛メッキ工場等における、帯状の鋼板を加
熱または焼鈍する設備における連続加熱炉(以下、「連
続炉」と略称する)において、炉温または燃焼ガス流量
を制御する連続炉燃焼制御装置に関する。
や連続溶融亜鉛メッキ工場等における、帯状の鋼板を加
熱または焼鈍する設備における連続加熱炉(以下、「連
続炉」と略称する)において、炉温または燃焼ガス流量
を制御する連続炉燃焼制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例として連続焼鈍工場における鋼板の加
熱制御について説明する。鋼板を加熱、焼鈍する上で所
定の機械特性、表面性状特性等を得るためには連続炉で
のヒートパターンがある程度限定される。従来、そのヒ
ートパターンで鋼板を加熱するため、連続炉の適所に鋼
板の温度測定のための板温計を取りつけ、各板温計の指
す温度が目標温度となるように連続炉の炉温または燃焼
ガス流量等を制御していた。
熱制御について説明する。鋼板を加熱、焼鈍する上で所
定の機械特性、表面性状特性等を得るためには連続炉で
のヒートパターンがある程度限定される。従来、そのヒ
ートパターンで鋼板を加熱するため、連続炉の適所に鋼
板の温度測定のための板温計を取りつけ、各板温計の指
す温度が目標温度となるように連続炉の炉温または燃焼
ガス流量等を制御していた。
【0003】ところで、炉温または燃焼ガス流量を決定
する要因としては、板厚、板幅、グレード、加
熱前の表面性状、連続炉への装入速度が知られてい
る。これら要因の中で、とは加熱操業前から決定し
ているものであり、も操業前にほぼ特定でき、また操
業中装入速度を変化させる必要が生じた場合にはそれも
可能である。他方、の板厚またはの板幅は加熱の前
段階である鋼板の圧延状態において板厚、板幅の目標値
があり、その目標値となるように圧延制御を行うのであ
るが、圧延条件等の変化または外乱等により目標値に対
し若干の誤差が生じるのが通常である。
する要因としては、板厚、板幅、グレード、加
熱前の表面性状、連続炉への装入速度が知られてい
る。これら要因の中で、とは加熱操業前から決定し
ているものであり、も操業前にほぼ特定でき、また操
業中装入速度を変化させる必要が生じた場合にはそれも
可能である。他方、の板厚またはの板幅は加熱の前
段階である鋼板の圧延状態において板厚、板幅の目標値
があり、その目標値となるように圧延制御を行うのであ
るが、圧延条件等の変化または外乱等により目標値に対
し若干の誤差が生じるのが通常である。
【0004】かかる場合、上記板幅については圧延後サ
イドトリーマー(板側縁部をカットする装置)等により
板幅を揃える手段があるため、連続炉装入時におけるそ
の変化量は幅寸法比からすれば無視できる程度(最大0.
1 %程度)である。ところが板厚は圧延条件または方法
により大きく影響され、しかもそれを加熱前に矯正する
手段がほとんどないことから、板厚の加熱制御への影響
は大である。
イドトリーマー(板側縁部をカットする装置)等により
板幅を揃える手段があるため、連続炉装入時におけるそ
の変化量は幅寸法比からすれば無視できる程度(最大0.
1 %程度)である。ところが板厚は圧延条件または方法
により大きく影響され、しかもそれを加熱前に矯正する
手段がほとんどないことから、板厚の加熱制御への影響
は大である。
【0005】本発明者のこれまでのテストの結果、板厚
変動は板厚比で最大10%程度あり、板厚10%の変動
に対して板温が最大30℃程度変動することが判明され
ている。板厚の制御精度の目標としては鋼板材質にもよ
るが、おおよそ±10℃以内としているため、板厚変動
による板温の変化は品質に大きな影響を及ぼすことが判
る。
変動は板厚比で最大10%程度あり、板厚10%の変動
に対して板温が最大30℃程度変動することが判明され
ている。板厚の制御精度の目標としては鋼板材質にもよ
るが、おおよそ±10℃以内としているため、板厚変動
による板温の変化は品質に大きな影響を及ぼすことが判
る。
【0006】一方、従来、連続炉での鋼板の加熱を制御
する方法としては、(A) オペレーターの経験と勘により
制御量を決定する方法、(B) 板温制御モデルを組み入れ
た計算機により最適値を計算し制御量を決定する方法、
等がある。
する方法としては、(A) オペレーターの経験と勘により
制御量を決定する方法、(B) 板温制御モデルを組み入れ
た計算機により最適値を計算し制御量を決定する方法、
等がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(A) の方法を実施するには、(a) 加熱制御専門のオペレ
ーターが必要であり、(b) 仮に専門のオペレーターがい
たとしても、板厚を測定後、コイル長手方向の各々の位
置の板厚を記憶し加熱炉までトラッキングし、それに見
合った制御量を瞬時に計算することは非常に困難であ
る、等の面から実質的には実現不可能であった。
(A) の方法を実施するには、(a) 加熱制御専門のオペレ
ーターが必要であり、(b) 仮に専門のオペレーターがい
たとしても、板厚を測定後、コイル長手方向の各々の位
置の板厚を記憶し加熱炉までトラッキングし、それに見
合った制御量を瞬時に計算することは非常に困難であ
る、等の面から実質的には実現不可能であった。
【0008】また、上記(B) の板温モデルによる加熱制
御方法においては次の問題がある。
御方法においては次の問題がある。
【0009】すなわち、上述したように、圧延後の板厚
は長手方向にわずかながら変化しているため、この板厚
の変動に対応して加熱制御を行う必要がある。しかし、
従来、連続炉装入に際しこの時々刻々変化する板厚に対
して逐次炉温または燃焼ガス流量等を変更していくこと
は、 (イ)板厚の変化による板温変動の影響度が不明で、さほ
ど重要視されていなかった。 (ロ)したがって、「長手方向の板厚変動により加熱制御
量を変化させる」という発想そのものがなかった。 (ハ)さらに、実施するにも板厚の正確なトラッキング、
計算時間の短縮が課題である。等の理由から実現されて
いないのが現状である。
は長手方向にわずかながら変化しているため、この板厚
の変動に対応して加熱制御を行う必要がある。しかし、
従来、連続炉装入に際しこの時々刻々変化する板厚に対
して逐次炉温または燃焼ガス流量等を変更していくこと
は、 (イ)板厚の変化による板温変動の影響度が不明で、さほ
ど重要視されていなかった。 (ロ)したがって、「長手方向の板厚変動により加熱制御
量を変化させる」という発想そのものがなかった。 (ハ)さらに、実施するにも板厚の正確なトラッキング、
計算時間の短縮が課題である。等の理由から実現されて
いないのが現状である。
【0010】このため、従来は特性の異なる個々の鋼板
ごとに代表板厚(全長に渡り板厚は均一であるとみな
す。)を決め、これにより各鋼板の加熱制御量を決定す
るだけであり、精度よく板温を制御することができなか
った。
ごとに代表板厚(全長に渡り板厚は均一であるとみな
す。)を決め、これにより各鋼板の加熱制御量を決定す
るだけであり、精度よく板温を制御することができなか
った。
【0011】そこで本発明の課題は、板厚変動に対応し
て的確に板温を制御できる連続炉燃焼制御装置の提供に
ある。
て的確に板温を制御できる連続炉燃焼制御装置の提供に
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題は、鋼板を連続
的に加熱または焼鈍する連続加熱炉に連続的に鋼板を装
入し、目的の板温まで加熱または焼鈍するため必要な炉
温となるよう炉の燃焼ガス量を制御する連続炉燃焼制御
装置において、連続加熱炉の入側での鋼板の板厚を連続
的に測定する板厚計と、この板厚計からの板厚情報を所
定時間間隔でかつ鋼板の長手方向位置の関数として収集
する実績収集部と、鋼板の長手方向位置に応じて上記実
績収集部から板厚実測値を抜き出すトラッキング部と、
このトラッキング部からの板厚実測値、鋼板材料条件お
よび操業条件に基づいて最適な板温モデルを周期的に計
算する板温モデル計算部と、この板温モデル計算部から
の計算値信号に基づいて燃焼制御系に対して制御出力を
出力する出力部とを備えたことで解決できる。ここに材
料条件としては、鋼板の寸法、材質およびグレード(機
械的特性)などを、操業条件としては、鋼板の走行速
度、加熱以外の冷却帯温度などをそれぞれ挙げることが
できる。
的に加熱または焼鈍する連続加熱炉に連続的に鋼板を装
入し、目的の板温まで加熱または焼鈍するため必要な炉
温となるよう炉の燃焼ガス量を制御する連続炉燃焼制御
装置において、連続加熱炉の入側での鋼板の板厚を連続
的に測定する板厚計と、この板厚計からの板厚情報を所
定時間間隔でかつ鋼板の長手方向位置の関数として収集
する実績収集部と、鋼板の長手方向位置に応じて上記実
績収集部から板厚実測値を抜き出すトラッキング部と、
このトラッキング部からの板厚実測値、鋼板材料条件お
よび操業条件に基づいて最適な板温モデルを周期的に計
算する板温モデル計算部と、この板温モデル計算部から
の計算値信号に基づいて燃焼制御系に対して制御出力を
出力する出力部とを備えたことで解決できる。ここに材
料条件としては、鋼板の寸法、材質およびグレード(機
械的特性)などを、操業条件としては、鋼板の走行速
度、加熱以外の冷却帯温度などをそれぞれ挙げることが
できる。
【0013】
【作用】本発明では、連続炉入側での鋼板の板厚を板厚
計により鋼板長手方向に連続的に測定し、そのデータを
CPU(中央処理装置)に記憶しておき、トラッキング
する鋼板の位置に対応させて、前記の板厚実測値、鋼板
材料条件および操業条件により周期的に板温制御モデル
計算し、この計算結果に基づいて連続炉の燃焼制御を行
うものである。すなわち、本発明では、得られた連続的
な実測板厚を従来の代表板厚の代わりに使用するもので
あるから、板厚変動を補正して適切な加熱炉制御量を決
定することができる。
計により鋼板長手方向に連続的に測定し、そのデータを
CPU(中央処理装置)に記憶しておき、トラッキング
する鋼板の位置に対応させて、前記の板厚実測値、鋼板
材料条件および操業条件により周期的に板温制御モデル
計算し、この計算結果に基づいて連続炉の燃焼制御を行
うものである。すなわち、本発明では、得られた連続的
な実測板厚を従来の代表板厚の代わりに使用するもので
あるから、板厚変動を補正して適切な加熱炉制御量を決
定することができる。
【0014】
【実施例】次に本発明を図面によりさらに具体的に説明
する。図1は、本発明装置の基本構成を模式的に示す図
である。圧延後ペイオフリール1に巻き取られていた鋼
板2は矢印方向に連続的に進行して連続炉3内に装入さ
れ焼鈍される。連続炉3内を走行する鋼板2に対する加
熱制御は、バーナー5に供給する燃焼ガス流量を調節す
る制御弁および流量調節計からなる燃焼制御系4により
行われる。
する。図1は、本発明装置の基本構成を模式的に示す図
である。圧延後ペイオフリール1に巻き取られていた鋼
板2は矢印方向に連続的に進行して連続炉3内に装入さ
れ焼鈍される。連続炉3内を走行する鋼板2に対する加
熱制御は、バーナー5に供給する燃焼ガス流量を調節す
る制御弁および流量調節計からなる燃焼制御系4により
行われる。
【0015】この燃焼の制御のための本発明の基本構成
は、連続炉装入前に鋼板2の板厚を連続的に測定するX
線またはγ線厚み計などの板厚計6と、板厚計6により
測定した結果を所定のピッチで収集する実績収集部7
と、収集した板厚情報を材料が進むに従いトラッキング
し、連続炉3入口付近に定めた基準点位置に相当する板
厚を掌握するためのトラッキング部8と、このトラッキ
ングにより得られた板厚実測値を使用し連続炉の燃焼量
(炉温または燃焼ガス流量)を計算する板温モデル計算
部9と、計算結果を前記燃焼制御系4に出力する出力部
10とを備えている。11は駆動ロールに連結されたパ
ルスジェネレーターなどからなる鋼板速度計で、後述の
鋼板トラッキングのためには、1パルスに相当するパル
スレートに入力パルスを乗算して距離演算が行われる。
は、連続炉装入前に鋼板2の板厚を連続的に測定するX
線またはγ線厚み計などの板厚計6と、板厚計6により
測定した結果を所定のピッチで収集する実績収集部7
と、収集した板厚情報を材料が進むに従いトラッキング
し、連続炉3入口付近に定めた基準点位置に相当する板
厚を掌握するためのトラッキング部8と、このトラッキ
ングにより得られた板厚実測値を使用し連続炉の燃焼量
(炉温または燃焼ガス流量)を計算する板温モデル計算
部9と、計算結果を前記燃焼制御系4に出力する出力部
10とを備えている。11は駆動ロールに連結されたパ
ルスジェネレーターなどからなる鋼板速度計で、後述の
鋼板トラッキングのためには、1パルスに相当するパル
スレートに入力パルスを乗算して距離演算が行われる。
【0016】本発明では以下の点を考慮している。 (1) 板厚を完全に連続的に測定した場合、板厚の情報量
は膨大になるため、CPUでの情報トラッキングの負荷
を軽減するために、長手方向の板厚情報を定ピッチ(実
施例では長手方向に10mピッチ)の情報に置き換える
ことが好適である。 (2) 板厚変動に伴い、頻繁なモデル計算が必要なため計
算負荷を考慮し、計算周期を板厚変動の追従に影響のな
い範囲でなるべく長い定周期(実施例では経験的に20
秒)とし、そのため材料先端が連続炉に進入する時期な
どのタイミングを合わせて加熱制御量を決定する必要の
ある場合はモデル計算を外部から起動できるようにし
た。 なお、本発明における「連続的」とは、短いピッチで板
厚情報を取り込む態様も含む。
は膨大になるため、CPUでの情報トラッキングの負荷
を軽減するために、長手方向の板厚情報を定ピッチ(実
施例では長手方向に10mピッチ)の情報に置き換える
ことが好適である。 (2) 板厚変動に伴い、頻繁なモデル計算が必要なため計
算負荷を考慮し、計算周期を板厚変動の追従に影響のな
い範囲でなるべく長い定周期(実施例では経験的に20
秒)とし、そのため材料先端が連続炉に進入する時期な
どのタイミングを合わせて加熱制御量を決定する必要の
ある場合はモデル計算を外部から起動できるようにし
た。 なお、本発明における「連続的」とは、短いピッチで板
厚情報を取り込む態様も含む。
【0017】前記の板厚計6は、鋼板2を挟んで対向的
に配置された板厚センサー6aからの出力を板厚値に変
換することにより、板厚を鋼板2の長手方向に連続的に
測定する機能を有する。実績収集部7は板厚計6により
測定された板厚値を以後のトラッキングでのCPU処理
負荷を考慮し鋼板の長手方向に定ピッチで収集し、鋼板
2の長手方向の各々の位置に対応した板厚情報として格
納する。なお、収集ピッチは材料により、例えば板厚変
化率(単位変動量/単位長さ)が大きい場合は収集ピッ
チは短く、板厚変化率が小さい場合は収集ピッチは長く
とる等、変化するため可変長としておくのが望ましい。
に配置された板厚センサー6aからの出力を板厚値に変
換することにより、板厚を鋼板2の長手方向に連続的に
測定する機能を有する。実績収集部7は板厚計6により
測定された板厚値を以後のトラッキングでのCPU処理
負荷を考慮し鋼板の長手方向に定ピッチで収集し、鋼板
2の長手方向の各々の位置に対応した板厚情報として格
納する。なお、収集ピッチは材料により、例えば板厚変
化率(単位変動量/単位長さ)が大きい場合は収集ピッ
チは短く、板厚変化率が小さい場合は収集ピッチは長く
とる等、変化するため可変長としておくのが望ましい。
【0018】トラッキング部8は、連続炉3入口付近に
定めた基準点位置から鋼板2先頭までの距離を常時トラ
ッキングし、前記基準点位置に相当する鋼板2の板厚値
を実績収集部7から抜き取り、板温モデル計算部9に渡
す。
定めた基準点位置から鋼板2先頭までの距離を常時トラ
ッキングし、前記基準点位置に相当する鋼板2の板厚値
を実績収集部7から抜き取り、板温モデル計算部9に渡
す。
【0019】板温モデル計算部9は、従来公知の板温モ
デルの計算、たとえば炉壁またはフレームからの輻射率
および熱伝達を加味した伝熱計算を行うもので、この計
算に使用する板厚値を従来の「代表板厚」から前記トラ
ッキング結果の「実測板厚」に置き換えたものである。
出力部10は従来の機能を利用したもので、計算結果
(炉温、燃焼ガス流量等)を燃焼制御系に出力するため
のものである。
デルの計算、たとえば炉壁またはフレームからの輻射率
および熱伝達を加味した伝熱計算を行うもので、この計
算に使用する板厚値を従来の「代表板厚」から前記トラ
ッキング結果の「実測板厚」に置き換えたものである。
出力部10は従来の機能を利用したもので、計算結果
(炉温、燃焼ガス流量等)を燃焼制御系に出力するため
のものである。
【0020】前記の基準点位置決定にあたっては、モデ
ル計算開始から計算結果出力までの時間、さらに制御弁
等の燃焼制御系の応答遅れ等の時間を含め、対象点が炉
に進入するときには制御量は設定値に到達しているだけ
の時間を考慮する必要がある。この基準点位置の設定に
ついて、簡明化のために、鋼板の継ぎ目を基準とした制
御量の変更を例として説明すると次の通りである。
ル計算開始から計算結果出力までの時間、さらに制御弁
等の燃焼制御系の応答遅れ等の時間を含め、対象点が炉
に進入するときには制御量は設定値に到達しているだけ
の時間を考慮する必要がある。この基準点位置の設定に
ついて、簡明化のために、鋼板の継ぎ目を基準とした制
御量の変更を例として説明すると次の通りである。
【0021】すなわち、たとえば鋼板の継ぎ目を境にし
て、薄物から厚物に変化する場合には、図5に示すよう
に、燃焼ガス量を多くする必要がある。しかるに、鋼板
の継ぎ目が炉の入口近傍のある点に到達した時、計算を
開始しその燃焼制御量の設定演算に要する時間をt1、
制御系に設定値を与えて設定値に到達するに要する時間
をt2、その後鋼板が目標温度に達するまでの時間をt
3とすると、計算開始から目標温度に到達するまでの必
要時間Tは、T=t1+t2+t3で求まる。
て、薄物から厚物に変化する場合には、図5に示すよう
に、燃焼ガス量を多くする必要がある。しかるに、鋼板
の継ぎ目が炉の入口近傍のある点に到達した時、計算を
開始しその燃焼制御量の設定演算に要する時間をt1、
制御系に設定値を与えて設定値に到達するに要する時間
をt2、その後鋼板が目標温度に達するまでの時間をt
3とすると、計算開始から目標温度に到達するまでの必
要時間Tは、T=t1+t2+t3で求まる。
【0022】したがって、当該継ぎ目を目標温度に到達
させるためには、時間T前に計算を開始する必要があ
る。
させるためには、時間T前に計算を開始する必要があ
る。
【0023】ここで、t1およびt2は、演算装置の能
力により規定される計算速度、および制御系の機械的特
性によって決まる時間であり、ほぼ固定される時間であ
るのに対して、t3は材料によって左右される可変時間
である。たとえば、図6に示すように、温度変化量が同
一であったとしても、板厚が厚いほど、板幅が広いほ
ど、熱量を多く必要とするために、目標温度到達時間が
遅れる。ここで、t3は可変であるとしても、比熱また
は経験的に、サイズごと推測できる性質のものである。
そこで、サイズごとのt3のテーブルを予め用意してお
き、サイズを検索キーとして、テーブルから引き出して
当該鋼板に対するt3を求め、必要時間Tを算出するこ
とができる。テーブルの例を表1に示す。
力により規定される計算速度、および制御系の機械的特
性によって決まる時間であり、ほぼ固定される時間であ
るのに対して、t3は材料によって左右される可変時間
である。たとえば、図6に示すように、温度変化量が同
一であったとしても、板厚が厚いほど、板幅が広いほ
ど、熱量を多く必要とするために、目標温度到達時間が
遅れる。ここで、t3は可変であるとしても、比熱また
は経験的に、サイズごと推測できる性質のものである。
そこで、サイズごとのt3のテーブルを予め用意してお
き、サイズを検索キーとして、テーブルから引き出して
当該鋼板に対するt3を求め、必要時間Tを算出するこ
とができる。テーブルの例を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】かくして、基準点は必要時間Tと鋼板の走
行速度から求めることができ、通常は加熱炉の入口から
数十m手前に設定できる。
行速度から求めることができ、通常は加熱炉の入口から
数十m手前に設定できる。
【0026】(実施例)次に、溶融亜鉛メッキ工場での
具体的な実施例により、本発明の効果を明らかにする。
燃焼制御系の基本構成は上記の図1に記載したものと同
じであり、従来技術との比較を行うため、板厚計のトラ
ッキング情報を使用しない場合(従来法)と、それをす
る場合(本発明法)とによりテストを行った。
具体的な実施例により、本発明の効果を明らかにする。
燃焼制御系の基本構成は上記の図1に記載したものと同
じであり、従来技術との比較を行うため、板厚計のトラ
ッキング情報を使用しない場合(従来法)と、それをす
る場合(本発明法)とによりテストを行った。
【0027】図2は、上記テストの結果得られた、基準
板厚からの変動量とその鋼板の目標板温に対する最大板
温外れ量の関係を示す。この図2からも判るように、従
来法では板厚変動が大きいほど、板温外れ量も大きかっ
たが、本発明によれば板厚変動に関係なく、ほぼ同程度
の精度が得られている。また、鋼板の長手方向につい
て、図3に示す従来装置を使用した場合と、図4に示す
本発明装置を使用した場合とを比較してみると、一般に
板厚変動は鋼板の先端、後端で顕著に見られるが、その
場合であっても従来法と比較し、本発明では板温がそれ
らの影響をほとんど受けていないことが判る。図4の場
合における板厚値と燃焼ガス流量との相関を表2に示
す。なお、この場合においては、代表板厚0.72mm、代表
板幅1250mm、走行速度95m/分としてモデル計算により
与えたものである。
板厚からの変動量とその鋼板の目標板温に対する最大板
温外れ量の関係を示す。この図2からも判るように、従
来法では板厚変動が大きいほど、板温外れ量も大きかっ
たが、本発明によれば板厚変動に関係なく、ほぼ同程度
の精度が得られている。また、鋼板の長手方向につい
て、図3に示す従来装置を使用した場合と、図4に示す
本発明装置を使用した場合とを比較してみると、一般に
板厚変動は鋼板の先端、後端で顕著に見られるが、その
場合であっても従来法と比較し、本発明では板温がそれ
らの影響をほとんど受けていないことが判る。図4の場
合における板厚値と燃焼ガス流量との相関を表2に示
す。なお、この場合においては、代表板厚0.72mm、代表
板幅1250mm、走行速度95m/分としてモデル計算により
与えたものである。
【0028】
【表2】
【0029】図4に示すように、本発明を適用すれば、
当初の管理目標である±10℃を維持できることが判明
した。
当初の管理目標である±10℃を維持できることが判明
した。
【0030】上述の結果から、本発明では、ほぼ全長
に渡り板温外れ量を±30℃から±10℃に改善でき、
これにより機械特性が安定化し、メッキ付着量の安定化
を図ることができ、品質が向上した。非定常部(鋼板
と鋼板とのつなぎ目付近前後)の改善により、歩留りを
1.5 %向上できた。自動化により作業員を0.5 人省力
できた。
に渡り板温外れ量を±30℃から±10℃に改善でき、
これにより機械特性が安定化し、メッキ付着量の安定化
を図ることができ、品質が向上した。非定常部(鋼板
と鋼板とのつなぎ目付近前後)の改善により、歩留りを
1.5 %向上できた。自動化により作業員を0.5 人省力
できた。
【0031】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、板厚が時
々刻々変動する場合でも、これに対応して連続炉内の燃
焼量を制御でき、もって高精度で板温を制御できる。
々刻々変動する場合でも、これに対応して連続炉内の燃
焼量を制御でき、もって高精度で板温を制御できる。
【図1】本発明の基本構成を示す模式図である。
【図2】板厚変動に対する板温変動の関係を本発明と従
来法と比較して示した図である。
来法と比較して示した図である。
【図3】鋼板材料のつなぎ目付近における、従来法にお
ける板厚変動と板温変動との関係を示した図である。
ける板厚変動と板温変動との関係を示した図である。
【図4】鋼板材料のつなぎ目付近における、本発明にお
ける板厚変動と板温変動との関係を示した図である。
ける板厚変動と板温変動との関係を示した図である。
【図5】燃焼ガス流量の変化と材料温度上昇との相関を
示す説明図である。
示す説明図である。
【図6】厚みと材料温度の上昇速度との相関を示すグラ
フである。
フである。
1…ペイオフリール、2…鋼板、3…連続炉、4…燃焼
制御系、5…バーナー、6…板厚計、7…実績収集部、
8…トラッキング部、9…板温モデル計算部、10…出
力部、11…パルスジェネレーター。
制御系、5…バーナー、6…板厚計、7…実績収集部、
8…トラッキング部、9…板温モデル計算部、10…出
力部、11…パルスジェネレーター。
Claims (1)
- 【請求項1】鋼板を連続的に加熱または焼鈍する連続加
熱炉に連続的に鋼板を装入し、目的の板温まで加熱また
は焼鈍するため必要な炉温となるよう炉の燃焼ガス量を
制御する連続炉燃焼制御装置において、 連続加熱炉の入側での鋼板の板厚を連続的に測定する板
厚計と、この板厚計からの板厚情報を所定時間間隔でか
つ鋼板の長手方向位置の関数として収集する実績収集部
と、鋼板の長手方向位置に応じて上記実績収集部から板
厚実測値を抜き出すトラッキング部と、このトラッキン
グ部からの板厚実測値、鋼板材料条件および操業条件に
基づいて最適な板温モデルを周期的に計算する板温制御
モデル計算部と、この板温制御モデル計算部からの計算
値信号に基づいて燃焼制御系に対して制御出力を出力す
る出力部とを備えたことを特徴とする連続炉燃焼制御装
置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15524892A JPH062047A (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | 連続炉燃焼制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15524892A JPH062047A (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | 連続炉燃焼制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH062047A true JPH062047A (ja) | 1994-01-11 |
Family
ID=15601775
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15524892A Pending JPH062047A (ja) | 1992-06-15 | 1992-06-15 | 連続炉燃焼制御装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH062047A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013234361A (ja) * | 2012-05-09 | 2013-11-21 | Jfe Steel Corp | 炉温制御方法および炉温制御装置 |
JP2016043367A (ja) * | 2014-08-20 | 2016-04-04 | トヨタ自動車株式会社 | インゴット予熱装置及びインゴット予熱方法 |
US9907706B2 (en) | 2011-02-25 | 2018-03-06 | Curt G. Joa, Inc. | Methods and apparatus for forming disposable products at high speeds with small machine footprint |
-
1992
- 1992-06-15 JP JP15524892A patent/JPH062047A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9907706B2 (en) | 2011-02-25 | 2018-03-06 | Curt G. Joa, Inc. | Methods and apparatus for forming disposable products at high speeds with small machine footprint |
JP2013234361A (ja) * | 2012-05-09 | 2013-11-21 | Jfe Steel Corp | 炉温制御方法および炉温制御装置 |
JP2016043367A (ja) * | 2014-08-20 | 2016-04-04 | トヨタ自動車株式会社 | インゴット予熱装置及びインゴット予熱方法 |
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