JP2000164330A - 誘導加熱装置の制御方法および制御装置 - Google Patents

誘導加熱装置の制御方法および制御装置

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JP2000164330A
JP2000164330A JP10337401A JP33740198A JP2000164330A JP 2000164330 A JP2000164330 A JP 2000164330A JP 10337401 A JP10337401 A JP 10337401A JP 33740198 A JP33740198 A JP 33740198A JP 2000164330 A JP2000164330 A JP 2000164330A
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Japan
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heated
induction heating
heating device
heating
amount
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JP10337401A
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Keiji Iijima
慶次 飯島
Hiroshi Mizuno
浩 水野
Hiroshi Sekine
宏 関根
Yoichi Motoyashiki
洋一 本屋敷
Sei Nakano
聖 中野
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲイン調整を行うことなく、被加熱材を目標
温度に精度良く加熱することができ、もって作業効率の
向上と、被加熱材歩留まりの向上を図ることが可能な誘
導加熱装置の制御方法および制御装置を提供すること。 【解決手段】 被加熱材を移動させた状態で加熱する誘
導加熱装置の制御方法において、被加熱材1の移動速度
と、被加熱材1の加熱前および加熱後の温度と、誘
導加熱装置2への供給電力量とに基いて、被加熱材1に
対する誘導加熱装置2の加熱効率を計算し、この加熱効
率を用いて未加熱の被加熱材1の加熱に必要な電力量を
推定し、この推定された電力量に基いて、誘導加熱装置
2へ電力を供給して未加熱1の被加熱材を加熱するこ
と。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、金属鋼帯
などの被加熱材を移動させた状態で加熱する誘導加熱装
置の制御方法および制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、例えば、金属鋼帯をその長手
方向に移動させた状態で加熱する誘導加熱装置の制御方
法の一つとしては、例えば特開昭55−78490号が
提案されている。
【0003】その中では、多くの被加熱材を順次、誘導
子コイルに通して各被加熱材を一定昇温量加熱する場
合、被加熱材の加熱前温度と加熱後温度との差である実
昇温度と、目標としていた温度との差を求め、その差に
対応する電力量に応じたゲイン調整を行い、当該誘導子
コイルに到来する電力量を調整する方法が開示されてい
る。
【0004】これによって、被加熱材を目標昇温量まで
精度良く昇温する事ができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなゲイン調整を伴う方法では、目標昇温量を達成する
までに、通常何度かのゲインの微調整が必要となり、こ
の調整に多大な時間を要する。例えば、温度を200℃
上昇させる場合、600℃から800℃まで上昇させる
場合と、1000℃から1200℃まで上昇させる場合
では、同じ200℃の上昇でもゲインの調整量は異な
る。
【0006】すなわち、このゲイン調整量は、現温度と
昇温量の2つのパラメータで決定されるために、その時
の運転条件と昇温条件に応じたゲイン調整が必要とな
り、目標昇温量を実現するまでに、粗調整と微調整を伴
うからである。
【0007】この場合、調整に多くの時間を要するほ
ど、被加熱材を加熱する時間が削減されて作業効率が低
下するのみならず、調整用として使用する被加熱材も無
駄になるという問題も同時に発生する。
【0008】一度設定した目標昇温量を変更することな
く、その後は常に一定加熱運転を行う場合に対しては、
ゲイン調整に伴う上記の様な問題は、運転前の調整時に
発生するだけである。
【0009】しかしながら、目標昇温量を頻繁に変える
ような加熱運転に対しては、目標昇温量の設定を変える
毎に上記のような問題が発生するために、ゲイン調整を
伴う従来の方法は好ましくない。
【0010】すなわち、ゲイン調整を伴う従来の方法で
は、目標昇温量を変更する毎に、ゲイン調整に多大な時
間を浪費するため、作業効率が低下する。また、調整用
被加熱材を無駄にすることになるため、材料歩留まりの
低下を避けられない。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、ゲイン調整を行うことなく、被加熱材を目
標温度に精度良く加熱することができ、もって作業効率
の向上と、被加熱材歩留まりの向上を図ることが可能な
誘導加熱装置の制御方法および制御装置を提供すること
を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明では以下のような手段を講じる。
【0013】すなわち、請求項1の発明では、被加熱材
を移動させた状態で加熱する誘導加熱装置の制御方法に
おいて、被加熱材の移動速度と、被加熱材の加熱前およ
び加熱後の温度と、誘導加熱装置への供給電力量とに基
いて、被加熱材に対する誘導加熱装置の加熱効率を計算
し、この加熱効率を用いて未加熱の被加熱材の加熱に必
要な電力量を推定し、この推定された電力量に基いて、
誘導加熱装置へ電力を供給して未加熱の被加熱材を加熱
する。
【0014】従って、請求項1の発明においては、以上
のような手段を講じることにより、ゲイン調整を行うこ
となく、被加熱材を目標温度に精度良く加熱することが
でき、もって、作業効率の向上と、被加熱材歩留まりの
向上とを実現することが可能となる。
【0015】請求項2の発明では、被加熱材を移動させ
た状態で加熱する誘導加熱装置の制御方法において、被
加熱材を長手方向に複数の区間に区分し、複数の区間毎
に、被加熱材の移動速度と、被加熱材の加熱前および加
熱後の温度と、誘導加熱装置への供給電力量とに基い
て、被加熱材に対する誘導加熱装置の加熱効率を計算
し、複数区間の加熱効率を用いて被加熱材の未加熱区間
に対する誘導加熱装置の加熱効率を推定し、推定された
加熱効率を用いて未加熱区間の加熱に必要な電力量を推
定し、推定された電力量に基いて、誘導加熱装置へ電力
を供給して未加熱区間を加熱する。
【0016】従って、請求項2の発明においては、以上
のような手段を講じることにより、請求項1の発明と同
様の作用効果を奏するのに加えて、単一の被加熱材の長
手方向における加熱温度のばらつきを小さくする事が可
能となる。
【0017】請求項3の発明では、被加熱材を移動させ
て加熱する誘導加熱装置の制御装置において、誘導加熱
装置に電力を供給する電力供給手段と、誘導加熱装置の
入側および出側に配置され、当該部所を移動する被加熱
材の温度を検出する入側および出側の各温度検出手段
と、被加熱材の移動速度を検出する速度検出手段と、各
温度検出手段および速度検出手段からのそれぞれの検出
値に基づいて被加熱材に対する誘導加熱装置の加熱効率
を計算し、かつこの加熱効率を用いて供給電力量を計算
し、この供給電力量を電力供給手段に与える演算手段と
を備える。
【0018】従って、請求項3の発明においては、以上
のような手段を講じることにより、ゲイン調整を行うこ
となく、被加熱材を目標温度に精度良く加熱することが
でき、もって、作業効率の向上と、被加熱材歩留まりの
向上とを実現することが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0020】(第1の実施の形態)図1は、本実施の形
態による誘導加熱装置の制御方法を適用した制御装置の
構成例を示すブロック図である。
【0021】図1において、被加熱材1は、速度v
図示矢印方向に移動し、この移動させた状態で誘導加熱
装置2により加熱する。温度検出器3は誘導加熱装置2
の入口側に、また温度検出器4は誘導加熱装置2の出口
側にそれぞれ備え付けられ、被加熱材1の温度を検出す
る。なお、lは各温度検出器3、4間の間隔である。
【0022】速度検出器7は、誘導加熱装置2の入口側
に備え付けられ、被加熱材1の移動速度vを検出す
る。演算装置6は、温度検出器3および4により検出さ
れた各温度情報、および速度検出器7により検出された
速度情報から、誘導加熱装置2の加熱効率と供給電力量
を計算する。電力供給装置5は、誘導加熱装置2に対し
て、演算装置6により求められた値の電力を供給する。
【0023】次に、以上のように構成した本実施の形態
の作用について説明する。
【0024】一般に、目標昇温量が与えられた場合の誘
導加熱装置2への供給電力量は下記(1)式で算出され
る。 Q=S×v×s×c×ΔTbr ・・・・(1) ここで、 Q:誘導加熱装置2への供給電力量 S:被加熱材1の断面積 v:被加熱材1の移動速度 s :被加熱材1の密度 c:被加熱材1の比熱 ΔTbr:目標昇温量 である。
【0025】しかしながら、誘導加熱装置2自身での電
力損失、また供給された電力量が被加熱材1を昇温させ
る際の加熱損失などのため、上記式(1)で与えられる
電力量Qを誘導加熱装置2に供給しても、被加熱材1
が目標昇温量に達しない場合が多い。
【0026】そこで、本実施の形態では、供給電力量が
被加熱材1の温度上昇に及ぼす加熱効率を実昇温量を求
めることにより算出し、その加熱効率を用いて、目標昇
温量を達成するための供給電力量を算出するようにす
る。
【0027】まず、被加熱材1の加熱前後における温度
測定を行い、その結果を用いて実昇温量を計算する。被
加熱材1の移動速度vと、誘導加熱装置2の入側温度
検出器3と出側温度検出器4との設置間隔lとから、
被加熱材1のある部分が温度検出器間を通過する時間が
求められる。被加熱材1の移動速度をvとすると、通
過時間tは下記(2)式で求められる。 t=l/v ・・・・(2) ただし、 t:被加熱材1のある部分が温度検出器3と4との間
を通過する時間 l:温度検出器3と4との設置間隔 v:被加熱材1の移動速度 である。
【0028】したがって、誘導加熱装置2の入側および
出側の温度検出器3および4では、時間差tをもっ
て、被加熱材1の同一場所での温度が検出され、その際
の温度検出器の検出した温度差が被加熱材1の実昇温量
となる。すなわち、被加熱材1の実昇温量ΔTは、下
記(3)式で表される。 ΔT=Tbo(t+t)−Tbi(t) ・・・・(3) ただし、 ΔT:被加熱材1の実昇温量 Tbo(t):被加熱材1の時間tにおける出側検出温
度 Tbi(t):被加熱材1の時間tにおける入側検出温
度 である。
【0029】誘導加熱装置2の加熱効率は、誘導加熱装
置2が供給した電力量のうち実際に加熱に使用される電
力量の割合であり、実昇温量ΔTと目標昇温量ΔT
brの比であることから、下記(4)式で表される。 η=(S×v×s×c×ΔT)/Q・・・・(4) ただし、 η:加熱効率 Q:誘導加熱装置2が供給した電力量 である。
【0030】上記(4)式で算出された加熱効率ηを用
いて、未加熱の被加熱材1の加熱に必要な供給電力量q
は、下記(5)式で与えられる。 q=(S×v×s×c×ΔTbr)/η ・・・・(5) ただし、 q:未加熱の被加熱材1の加熱に必要な供給電力量 である。
【0031】すなわち、図1の演算装置6では、まず、
温度検出器3により得られる被加熱材1の加熱前温度
と、温度検出器4により得られる被加熱材1の加熱後温
度との差から上記(3)式により実昇温量ΔTを求め
る。
【0032】次に、実昇温量ΔTと、誘導加熱装置2
が供給した電力量Qとから、上記(4)式により加熱効
率ηを求める。更に、その加熱効率ηを用いて、上記
(5)式により未加熱の被加熱材1の加熱に必要な供給
電力量qを算出し、その値を電力供給装置5に与える。
【0033】本実施の形態では、上記のような作用によ
り、被加熱材1を目標温度に精度良く加熱する事ができ
る。また、目標昇温量が変更になった場合においても、
加熱効率ηの値を用いて上記(5)式により必要な供給
電力量を算出し、その値を誘導加熱装置2に供給すれば
よく、ゲイン調整は不要である。
【0034】すなわち、ゲイン調整を伴う従来の方法で
は、目標昇温量が変更になった場合、目標昇温量を実現
するまでに何度かゲインの微調整を行い、そのたび毎に
結果を確認しなければならないことから、調整に多大な
時間、および調整のための被加熱材の無駄が発生してい
たが、本実施の形態では、このような手間も無駄も不要
となる。その結果、作業効率、被加熱材歩留まりともに
改善することが可能となる。
【0035】(第2の実施の形態)図2は、本実施の形
態による誘導加熱装置の制御方法を適用した制御装置の
構成例を示すブロック図であり、図1と同一部分には同
一符号を付してその説明を省略し、ここでは異なる部分
についてのみ述べる。
【0036】すなわち、本実施の形態では、前記被加熱
材1を、長手方向に複数の区間毎に区分して取り扱うよ
うにした点が、唯一図1と異なる点である。
【0037】図2において、i、(i+1)、・・はそ
れぞれ被加熱材1の先端からi番目、(i+1)番目の
区間であることを示す。
【0038】次に、以上のように構成した本実施の形態
の作用について説明する。
【0039】本実施の形態では、被加熱材1を複数の区
間毎に区分して取り扱い、それぞれの区間毎に誘導加熱
装置2の入側および出側における温度測定を行い、その
結果を用いて実昇温量を計算する。
【0040】被加熱材1のi区間における移動速度v
(i)と、誘導加熱装置2の入側温度検出器3と出側温
度検出器4との設置間隔lとから、被加熱材1の同一
区間iが温度検出器3と4の間を通過する時間t
(i)が、下記(6)式にて求められる。 t(i)=l/v(i) ・・・・(6) ただし、 t(i):被加熱材1のi区間における温度検出時間
差 l:温度検出器3と4との設置間隔 v(i):被加熱材1のi区間の移動速度 である。
【0041】したがって、誘導加熱装置2の入側および
出側の温度検出器3および4では、時間差t(i)を
もって、被加熱材1の同一区間の温度が測定され、その
検出された温度差が被加熱材1のi区間における実昇温
量となる。
【0042】ここで、被加熱材1のi区間の実昇温量を
ΔT(i)とすると、ΔT(i)は下記(7)式に
て表される。 ΔT(i)=Tbo(i、t+t)−Tbi(i、t) ・・(7) ただし、 ΔT(i) :被加熱材1のi区間における実昇温量 Tbo(i、t):被加熱材1のi区間の時間tにおけ
る出側検出温度 Tbi(i、t):被加熱材1のi番目区間の時間tに
おける入側検出温度 である。
【0043】誘導加熱装置2のi区間の被加熱材1の加
熱効率は、誘導加熱装置2がi区間の加熱に供給した電
力量のうち実際に加熱に使用される電力量の割合であ
り、実昇温量ΔT(i)と目標昇温量ΔTbr(i)
との比であることから、下記(8)式にて表される。 η(i)=(S×v×s×c×ΔT(i))/Q(i) ・・・・(8) ただし、 η(i):i区間の加熱効率 Q(i):i区間の加熱に誘導加熱装置2が供給した電
力量 である。
【0044】(8)式で算出されたi区間の加熱効率η
(i)を用いて、被加熱材1の次の未加熱の区間(i+
1)の加熱に必要な供給電力量q(i+1)は、以下の
(9)式で与えられる。 q(i+1)=(S×v×s×c×ΔTbr(i+1))/η(i) ・・・・(9) すなわち、図2の演算装置6では、まず、温度検出器3
による被加熱材1のi区間における加熱前温度と、温度
検出器4による被加熱材1のi区間における加熱後温度
との差から、上記(7)式により実昇温量ΔT(i)
を求める。
【0045】次に、この実昇温量ΔT(i)と、誘導
加熱装置2がi区間に供給した電力量Q(i)とから、
上記(8)式によりi区間における加熱効率η(i)を
求める。
【0046】更に、この加熱効率η(i)を用いて、上
記(9)式により次の未加熱の区間(i+1)の加熱に
必要な供給電力量q(i+1)を算出し、その値を電力
供給装置5に与え、電力供給装置5はその電力量を誘導
加熱装置2に供給する。
【0047】このようにして、次の未加熱の被加熱材1
の区間(i+1)の加熱がなされる。
【0048】本実施の形態では、上記のような作用によ
り、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られるのみ
ならず、単一の被加熱材1を長手方向の複数の被加熱区
分として取り扱うようにしているため、供給電力量の微
調整をすぐにフィードバックできるという効果がある。
すなわち、被加熱材1の長手方向における加熱温度のば
らつきを小さくする事ができる。
【0049】また、前記第1の実施の形態においては、
運転条件を決定した場合、加熱効率を計算するために実
際に加熱を行い、その加熱実績から昇温量を測定する必
要がある。このため、少なくとも1本の被加熱材1が無
駄になることもある。
【0050】この点、本実施の形態では、被加熱材1の
ある1区間の加熱実績から加熱効率を得ることができる
ため、被加熱材1を必要以上に加熱する必要も無くな
り、被加熱材1本が無駄になるという事はなくなる。そ
の結果、被加熱材1の歩留まりをより一層改善すること
が可能となる。
【0051】(第3の実施の形態)本実施の形態につい
て、図2と図3を用いて説明する。
【0052】なお、本実施の形態の構成は、前記図2の
構成と同様であるので、その説明を省略し、ここでは本
実施の形態の作用についてのみ説明する。
【0053】上記(8)式で計算された加熱効率η
(i)は、被加熱材1の材質、形状、寸法等の仕様が同
一な場合、実昇温量ΔT(i)で決定する。実昇温量
ΔT(i)は、上記(7)式に示すように、誘導加熱
装置2の入側温度検出器3および出側温度検出器4で検
出された温度で決定される。
【0054】しかしながら、固定配置した温度検出器3
および4を用いて、移動している被加熱材1の温度を測
定する場合には、測定対象である被加熱材1が安定して
いない状態での測定となるために、不意にばらついた値
を示す場合もある。
【0055】温度測定精度の低下は、加熱効率の精度低
下を直接もたらすので、誘導加熱装置2の電力供給量
が、例えばi区間と(i+1)区間で大きく異なるな
ど、誘導加熱装置2に大きな負荷を与えたり、あるいは
実際に必要な量とは異なる電力供給量を与えてしまう可
能性がある。
【0056】そこで、このような事を避けるために、既
に加熱された被加熱材1の区間毎に算出されている複数
の加熱効率の値を用いて、未加熱の被加熱材1の区間に
おける加熱効率を推定し、この値を用いて必要な電力供
給量を推定する。
【0057】図3は、未加熱区間の加熱効率η(i+
1)は、直前に加熱された区間の加熱効率η(i)と、
さらにその直前に加熱された区間の加熱効率η(i−
1)とから、経験的によく用いられている下記(10)
式を用いて推定することによって、ばらつきが緩和され
ることの一例を示す特性図である。 η(i+1)= a×η(i)+(1−a)×η(i−1) ・・・(10) (但し、aは実数で 0≦a≦1 の範囲) 図3(a)は区間毎の加熱実績から得られた加熱効率で
あり、図3(b)は上記(10)式において、特にa=
0.5としたときに推定される未加熱区間の加熱効率で
ある。
【0058】図3(a)に示すように、仮に温度測定の
精度低下により、区間毎に得られる加熱効率のばらつき
が大きい場合も、図3(b)に示すように、複数の加熱
効率を基に未加熱区間の加熱効率を推定することによ
り、ばらつきの影響が小さくなる。
【0059】本実施の形態では、上記のような作用によ
り、前記第1の実施の形態と同様の効果が得られるのみ
ならず、加熱区間iと加熱区間(i+1)とで、著しく
加熱電力が異なることは無くなる。その結果、誘導加熱
装置による安定した加熱が実現し、被加熱材の昇温精度
をより一層高めることができる。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の誘導加熱
装置の制御方法および制御装置によれば、被加熱材の実
昇温量から誘導加熱装置の加熱効率を求め、その加熱効
率を用いて目標昇温量に必要な供給電力量を算出するの
で、ゲイン調整を行うことなく、被加熱材を目標温度に
精度良く加熱することができる。
【0061】これにより、従来のゲイン調整方法に起因
していた作業効率の低下、および被加熱材歩留まりの低
下を解決することが可能となる。また、目標昇温量が変
更になった場合も、ゲイン調整を行うことなく、上記効
果を達成する事ができる。
【0062】更に、被加熱材を複数の区間に分割して取
り扱うことによって、その効果をより一層顕著に奏する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による誘導加熱装置
の制御方法を適用した制御装置の構成例を示すブロック
図。
【図2】本発明の第2の実施の形態による誘導加熱装置
の制御方法を適用した制御装置の構成例を示すブロック
図。
【図3】本発明の第3の実施の形態で得られる作用の一
例を示す特性図。
【符号の説明】
1・・被加熱材 2・・誘導加熱装置 3・・誘導加熱装置入側温度検出器 4・・誘導加熱装置出側温度検出器 5・・電力供給装置 6・・演算装置 7・・被加熱材速度検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 関根 宏 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 本屋敷 洋一 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 中野 聖 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 Fターム(参考) 3K059 AB26 AB28 AC09 AC33 AC54 AC62 AD03 AD04 AD40 BD02 CD14 CD18 CD75

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加熱材を移動させた状態で加熱する誘
    導加熱装置の制御方法において、前記被加熱材の移動速
    度と、前記被加熱材の加熱前および加熱後の温度と、前
    記誘導加熱装置への供給電力量とに基いて、前記被加熱
    材に対する前記誘導加熱装置の加熱効率を計算し、この
    加熱効率を用いて未加熱の前記被加熱材の加熱に必要な
    電力量を推定し、この推定された電力量に基いて、前記
    誘導加熱装置へ電力を供給して前記未加熱の被加熱材を
    加熱する事を特徴とする誘導加熱装置の制御方法。
  2. 【請求項2】 被加熱材を移動させた状態で加熱する誘
    導加熱装置の制御方法において、前記被加熱材を長手方
    向に複数の区間に区分し、前記複数の区間毎に、前記被
    加熱材の移動速度と、前記被加熱材の加熱前および加熱
    後の温度と、前記誘導加熱装置への供給電力量とに基い
    て、前記被加熱材に対する前記誘導加熱装置の加熱効率
    を計算し、前記複数区間の加熱効率を用いて前記被加熱
    材の未加熱区間に対する前記誘導加熱装置の加熱効率を
    推定し、前記推定された加熱効率を用いて前記未加熱区
    間の加熱に必要な電力量を推定し、前記推定された電力
    量に基いて、前記誘導加熱装置へ電力を供給して前記未
    加熱区間を加熱する事を特徴とする誘導加熱装置の制御
    方法。
  3. 【請求項3】 被加熱材を移動させて加熱する誘導加熱
    装置の制御装置において、前記誘導加熱装置に電力を供
    給する電力供給手段と、前記誘導加熱装置の入側および
    出側に配置され、当該部所を移動する被加熱材の温度を
    検出する入側および出側の各温度検出手段と、前記被加
    熱材の移動速度を検出する速度検出手段と、前記各温度
    検出手段および前記速度検出手段からのそれぞれの検出
    値に基づいて前記被加熱材に対する前記誘導加熱装置の
    加熱効率を計算し、かつこの加熱効率を用いて供給電力
    量を計算し、この供給電力量を前記電力供給手段に与え
    る演算手段とを備えたことを特徴とする誘導加熱装置の
    制御装置。
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