JPH11243234A - 超伝導素子、及びその製造方法 - Google Patents
超伝導素子、及びその製造方法Info
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- JPH11243234A JPH11243234A JP10043782A JP4378298A JPH11243234A JP H11243234 A JPH11243234 A JP H11243234A JP 10043782 A JP10043782 A JP 10043782A JP 4378298 A JP4378298 A JP 4378298A JP H11243234 A JPH11243234 A JP H11243234A
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- Physical Vapour Deposition (AREA)
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- Superconductors And Manufacturing Methods Therefor (AREA)
Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【課題】 安価な基板上に軸配向が整いかつ超伝導特性
の優れた超伝導薄膜を有する超伝導素子、及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 下地基板と、下地基板上に形成されたA
l膜と、Al膜上に形成されたc軸配向YBCO膜と、
から超伝導素子を構成する。下地基板とYBCO膜との
間にAl膜を中間層として介在させることにより、その
上に成膜するYBCO膜のc軸配向性を高めることがで
きる。下地基板としてはアモルファス基板であっても良
く、中でもYBCO膜と線膨張率のほぼ等しいソーダカ
リガラスが好適である。Al膜とc軸配向YBCO膜と
の間にアモルファス層を介在させることにより、成膜時
および熱処理時の基板材料と超伝導材料との相互拡散を
効果的に抑制することができる。このアモルファス層と
しては、AlOXを用いることが好適である。
の優れた超伝導薄膜を有する超伝導素子、及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 下地基板と、下地基板上に形成されたA
l膜と、Al膜上に形成されたc軸配向YBCO膜と、
から超伝導素子を構成する。下地基板とYBCO膜との
間にAl膜を中間層として介在させることにより、その
上に成膜するYBCO膜のc軸配向性を高めることがで
きる。下地基板としてはアモルファス基板であっても良
く、中でもYBCO膜と線膨張率のほぼ等しいソーダカ
リガラスが好適である。Al膜とc軸配向YBCO膜と
の間にアモルファス層を介在させることにより、成膜時
および熱処理時の基板材料と超伝導材料との相互拡散を
効果的に抑制することができる。このアモルファス層と
しては、AlOXを用いることが好適である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の基板上に超
伝導薄膜を形成することのできる超伝導素子の製造方
法、及び超伝導素子に関し、特にc軸配向を有するYB
CO系超伝導素子及びその製造方法に関する。
伝導薄膜を形成することのできる超伝導素子の製造方
法、及び超伝導素子に関し、特にc軸配向を有するYB
CO系超伝導素子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、超伝導体を電子回路に応用するた
めの研究が多数行われている。このような研究におい
て、十分な超伝導特性を得るためには軸配向の揃った高
配向(エピタキシャル)の超伝導薄膜を成膜する必要が
あり、その成膜方法の確立が重要な課題となっている。
めの研究が多数行われている。このような研究におい
て、十分な超伝導特性を得るためには軸配向の揃った高
配向(エピタキシャル)の超伝導薄膜を成膜する必要が
あり、その成膜方法の確立が重要な課題となっている。
【0003】従来より、YBCO系超伝導薄膜を下地基
板上に成膜するに際しては、成膜中あるいは成膜後の熱
処理時に起こる下地基板と超伝導材料との化学反応によ
る相互拡散が問題となっている。この相互拡散による超
伝導特性の劣化を防ぐために、下地基板と超伝導薄膜と
の間にバッファ層を介在させる方法が一般的に行われて
いる。この場合、バッファ層にはZrO2やAg等が好
適な材料として用いられている。しかし、これらの材料
は超伝導材料との格子定数の不整合が大きく、成膜時及
び成膜後の熱処理時に超伝導体に大きな歪みが生じる結
果、得られる超伝導薄膜の配向は無秩序となり、その結
果、膜は平滑なものとはならず、相互拡散は防止できる
ものの、超伝導特性の劣化という新たな問題を引き起こ
すことになる。
板上に成膜するに際しては、成膜中あるいは成膜後の熱
処理時に起こる下地基板と超伝導材料との化学反応によ
る相互拡散が問題となっている。この相互拡散による超
伝導特性の劣化を防ぐために、下地基板と超伝導薄膜と
の間にバッファ層を介在させる方法が一般的に行われて
いる。この場合、バッファ層にはZrO2やAg等が好
適な材料として用いられている。しかし、これらの材料
は超伝導材料との格子定数の不整合が大きく、成膜時及
び成膜後の熱処理時に超伝導体に大きな歪みが生じる結
果、得られる超伝導薄膜の配向は無秩序となり、その結
果、膜は平滑なものとはならず、相互拡散は防止できる
ものの、超伝導特性の劣化という新たな問題を引き起こ
すことになる。
【0004】一方、下地基板と超伝導材料との格子定数
の不整合の問題を解消する方法として、成膜する超伝導
材料の格子定数と近い格子定数を有する材料を下地基板
として用いる方法がとられている。この方法において
は、例えば、NdGaO3、SrTiO3、LaAlO3
等の単結晶基板が下地基板として用いられる。これらの
材料を下地基板として用いることにより、良好な超伝導
特性を有するc軸配向YBCO系超伝導薄膜が現実に得
られており、そのデバイス応用のための研究が進められ
ている。
の不整合の問題を解消する方法として、成膜する超伝導
材料の格子定数と近い格子定数を有する材料を下地基板
として用いる方法がとられている。この方法において
は、例えば、NdGaO3、SrTiO3、LaAlO3
等の単結晶基板が下地基板として用いられる。これらの
材料を下地基板として用いることにより、良好な超伝導
特性を有するc軸配向YBCO系超伝導薄膜が現実に得
られており、そのデバイス応用のための研究が進められ
ている。
【0005】しかしながら、NdGaO3、SrTi
O3、LaAlO3等は、その単結晶基板の作成が非常に
困難なため極めて高価であり、また大面積のものが得ら
れにくく、実用化には不向きであるという欠点を有して
いる。
O3、LaAlO3等は、その単結晶基板の作成が非常に
困難なため極めて高価であり、また大面積のものが得ら
れにくく、実用化には不向きであるという欠点を有して
いる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来にお
いてはYBCO系超伝導材料を用いて、軸配向が整いか
つ超伝導特性の優れた超伝導薄膜を作成するためには、
極めて高価な単結晶基板を使用する必要があった。
いてはYBCO系超伝導材料を用いて、軸配向が整いか
つ超伝導特性の優れた超伝導薄膜を作成するためには、
極めて高価な単結晶基板を使用する必要があった。
【0007】従って本発明の目的は、安価な基板上に軸
配向が整いかつ超伝導特性の優れた超伝導薄膜を有する
超伝導素子、及びその製造方法を提供することにある。
配向が整いかつ超伝導特性の優れた超伝導薄膜を有する
超伝導素子、及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、本発明の請求項1記載の超伝導素子は、下地基板
と、下地基板上に形成されたAl膜と、Al膜上に形成
されたc軸配向YBCO膜と、からなる。
めに、本発明の請求項1記載の超伝導素子は、下地基板
と、下地基板上に形成されたAl膜と、Al膜上に形成
されたc軸配向YBCO膜と、からなる。
【0009】このように、下地基板とYBCO膜との間
にAl膜を中間層として介在させることにより、高配向
なc軸配向を有するYBCO膜を形成することができ
る。この時、下地基板には既知の種々の基板を使用する
ことができる。つまり、使用する下地基板の違いに拘わ
らず、Al膜を中間層として介在させることによりその
上に成膜するYBCO膜のc軸配向性を高めることがで
きる。
にAl膜を中間層として介在させることにより、高配向
なc軸配向を有するYBCO膜を形成することができ
る。この時、下地基板には既知の種々の基板を使用する
ことができる。つまり、使用する下地基板の違いに拘わ
らず、Al膜を中間層として介在させることによりその
上に成膜するYBCO膜のc軸配向性を高めることがで
きる。
【0010】下地基板としてはアモルファス基板であっ
ても良く、中でもYBCO膜と線膨張率のほぼ等しいソ
ーダカリガラスが好適である。その他の好適な下地基板
としては、製造コストが安く、大型の単結晶基板を比較
的容易に作成することのできるシリコン、サファイア等
が挙げられる。
ても良く、中でもYBCO膜と線膨張率のほぼ等しいソ
ーダカリガラスが好適である。その他の好適な下地基板
としては、製造コストが安く、大型の単結晶基板を比較
的容易に作成することのできるシリコン、サファイア等
が挙げられる。
【0011】中間層となるAl膜は、その表面が(11
1)面となるように成膜することが望ましい。(11
1)面の膜上にYBCO膜を形成することにより、より
配向性の高いc軸配向YBCO膜を形成することができ
るからである。
1)面となるように成膜することが望ましい。(11
1)面の膜上にYBCO膜を形成することにより、より
配向性の高いc軸配向YBCO膜を形成することができ
るからである。
【0012】また、本発明の請求項2記載の超伝導素子
は、請求項1記載のAl膜とc軸配向YBCO膜との間
に、アモルファス層が介在している。
は、請求項1記載のAl膜とc軸配向YBCO膜との間
に、アモルファス層が介在している。
【0013】このように、Al膜とc軸配向YBCO膜
との間にアモルファス層を介在させることにより、成膜
時および熱処理時の基板材料と超伝導材料との相互拡散
を効果的に抑制することができる。このアモルファス層
としては、AlOXを用いることが好適である。なぜな
ら、特段の成膜工程を追加しなくても、中間層であるA
l膜の形成後に所定の酸素雰囲気中にさらすことで容易
にAlOXを形成することができるからである。また、
このアモルファス層はAl(111)面の原子の同期性
を反映しているので、c軸配向YBCO膜のシード層と
しても作用する。
との間にアモルファス層を介在させることにより、成膜
時および熱処理時の基板材料と超伝導材料との相互拡散
を効果的に抑制することができる。このアモルファス層
としては、AlOXを用いることが好適である。なぜな
ら、特段の成膜工程を追加しなくても、中間層であるA
l膜の形成後に所定の酸素雰囲気中にさらすことで容易
にAlOXを形成することができるからである。また、
このアモルファス層はAl(111)面の原子の同期性
を反映しているので、c軸配向YBCO膜のシード層と
しても作用する。
【0014】さらに、本発明の請求項6に記載の超伝導
素子の製造方法は、下地基板の準備工程と、下地基板に
Al膜を形成する工程と、Al膜上にYBCO膜を形成
する工程と、を有してなる。
素子の製造方法は、下地基板の準備工程と、下地基板に
Al膜を形成する工程と、Al膜上にYBCO膜を形成
する工程と、を有してなる。
【0015】加えて、本発明の請求項7に記載の超伝導
素子の製造方法は、下地基板の準備工程と、下地基板に
Al膜を形成する工程と、Al膜表面を酸化する工程
と、表面の酸化されたAl膜上にYBCO膜を形成する
工程と、を有してなる。
素子の製造方法は、下地基板の準備工程と、下地基板に
Al膜を形成する工程と、Al膜表面を酸化する工程
と、表面の酸化されたAl膜上にYBCO膜を形成する
工程と、を有してなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の超伝導素子の具体
的な実施例について、図を参照して説明する。
的な実施例について、図を参照して説明する。
【0017】[第1実施例、図1〜図4]図1は、本発
明の超伝導素子5の膜構成を示す断面図である。図1に
おいて、4は超伝導薄膜を作成するための下地基板を示
しており、本実施例では、安価なアモルファス基板であ
るソーダカリガラスを使用している。3はAl膜を示し
ており、膜は(111)配向でその表面は(111)面
となっている。2はアモルファス層を示しており、本実
施例では、Al膜3の表面を酸化して形成したAlOX
からなる。1は超伝導薄膜を示しており、YBCO系超
伝導材料からなる。
明の超伝導素子5の膜構成を示す断面図である。図1に
おいて、4は超伝導薄膜を作成するための下地基板を示
しており、本実施例では、安価なアモルファス基板であ
るソーダカリガラスを使用している。3はAl膜を示し
ており、膜は(111)配向でその表面は(111)面
となっている。2はアモルファス層を示しており、本実
施例では、Al膜3の表面を酸化して形成したAlOX
からなる。1は超伝導薄膜を示しており、YBCO系超
伝導材料からなる。
【0018】以下、超伝導素子5の製造方法について説
明する。
明する。
【0019】まず、ソーダカリガラスからなる下地基板
4を用意する。
4を用意する。
【0020】次いで、一般的な真空蒸着法を用いて、下
地基板4上にAl膜3を形成する。成膜条件としては、
例えば、真空度:1×10-5Torr、基板温度:10
0℃の条件下で、膜厚2000Åとなるまで成膜を行
う。これにより、Al膜3はその優先配向面である(1
11)面が表面となるように成膜される。図2に、前記
条件の下で成膜したAl膜3のX線回折の結果を示す。
図より、ガラスのアモルファス状態に対応するブロード
のピークとともに、Al膜3の(111)面のピークが
見られ、表面が(111)面となっていることが確認で
きる。
地基板4上にAl膜3を形成する。成膜条件としては、
例えば、真空度:1×10-5Torr、基板温度:10
0℃の条件下で、膜厚2000Åとなるまで成膜を行
う。これにより、Al膜3はその優先配向面である(1
11)面が表面となるように成膜される。図2に、前記
条件の下で成膜したAl膜3のX線回折の結果を示す。
図より、ガラスのアモルファス状態に対応するブロード
のピークとともに、Al膜3の(111)面のピークが
見られ、表面が(111)面となっていることが確認で
きる。
【0021】その後、Al膜3の形成された下地基板4
を(O2+8%O3)ガス雰囲気、1×10-3Torrの
もとで、超伝導薄膜1の成膜温度である590℃まで昇
温する。これにより、Al膜3の表面が酸化されAlO
Xからなるアモルファス層2が形成される。アモルファ
ス層2は、通常100〜200Åの膜厚に形成される。
を(O2+8%O3)ガス雰囲気、1×10-3Torrの
もとで、超伝導薄膜1の成膜温度である590℃まで昇
温する。これにより、Al膜3の表面が酸化されAlO
Xからなるアモルファス層2が形成される。アモルファ
ス層2は、通常100〜200Åの膜厚に形成される。
【0022】さらに、590℃に保ったまま、引き続き
同雰囲気中でArFエキシマレーザを用いたレーザアブ
レーション法により、YBa2Cu3O7-yからなる超伝
導薄膜1を成膜する。本実施例においては、超伝導薄膜
1の膜厚が1500Åとなるまで成膜を行う。図3に、
超伝導薄膜1の表面のX線回折の結果を示す。図より、
YBCOの(00l)のピークが観察されており、c軸
配向のYBCO膜が得られていることが確認できる。
同雰囲気中でArFエキシマレーザを用いたレーザアブ
レーション法により、YBa2Cu3O7-yからなる超伝
導薄膜1を成膜する。本実施例においては、超伝導薄膜
1の膜厚が1500Åとなるまで成膜を行う。図3に、
超伝導薄膜1の表面のX線回折の結果を示す。図より、
YBCOの(00l)のピークが観察されており、c軸
配向のYBCO膜が得られていることが確認できる。
【0023】以上の工程を経て形成された超伝導素子5
の超伝導特性を、図4に示す。図から明らかなように、
素子5の抵抗値は、YBCOのオンセット温度(90
K)までは温度に依存することなく一定の値であるが、
その温度以下で急激な低下を示しており、良好な超伝導
特性を示している。なお超伝導臨界温度Tcゼロは75
Kである。
の超伝導特性を、図4に示す。図から明らかなように、
素子5の抵抗値は、YBCOのオンセット温度(90
K)までは温度に依存することなく一定の値であるが、
その温度以下で急激な低下を示しており、良好な超伝導
特性を示している。なお超伝導臨界温度Tcゼロは75
Kである。
【0024】なお、本実施例において、下地基板にソー
ダカリガラスを用いたのは、YBCO膜との線膨張率が
ほぼ等しいというメリットによるものであるが、その他
の種々の基板の使用が可能である。すなわち、本発明
は、下地基板とYBCO膜との間にAl膜を介在させる
ことにより、使用する下地基板の種類に拘わらず、その
上に成膜するYBCO膜の配向性を高めることができる
ことを特徴としている。
ダカリガラスを用いたのは、YBCO膜との線膨張率が
ほぼ等しいというメリットによるものであるが、その他
の種々の基板の使用が可能である。すなわち、本発明
は、下地基板とYBCO膜との間にAl膜を介在させる
ことにより、使用する下地基板の種類に拘わらず、その
上に成膜するYBCO膜の配向性を高めることができる
ことを特徴としている。
【0025】[比較例、図5]本発明の効果を確認する
ために、以下の比較実験を行った。
ために、以下の比較実験を行った。
【0026】比較例においては、第1実施例と同様にソ
ーダカリガラスを準備した後、Al膜およびアモルファ
ス層(AlOX)を形成することなく、ガラス基板上に
直接、YBCO膜を形成した。なお、YBCO膜の成膜
条件は、第1実施例のそれと同一条件とした。
ーダカリガラスを準備した後、Al膜およびアモルファ
ス層(AlOX)を形成することなく、ガラス基板上に
直接、YBCO膜を形成した。なお、YBCO膜の成膜
条件は、第1実施例のそれと同一条件とした。
【0027】このようにして得られたYBCO膜のX線
回折の結果を、図5に示す。図からは、多結晶YBCO
の最大ピーク(110)(113)がわずかに観測され
るだけで、c軸配向したYBCO膜は得られていないこ
とがわかる。
回折の結果を、図5に示す。図からは、多結晶YBCO
の最大ピーク(110)(113)がわずかに観測され
るだけで、c軸配向したYBCO膜は得られていないこ
とがわかる。
【0028】以上の実験結果から、下地基板上に良好な
c軸配向を有しかつ良好な超伝導特性を有するYBCO
膜を形成するために、その間に介在するAl膜およびA
lOXが寄与していることが確認できる。
c軸配向を有しかつ良好な超伝導特性を有するYBCO
膜を形成するために、その間に介在するAl膜およびA
lOXが寄与していることが確認できる。
【0029】
【効果】以上の説明から明らかなように、本発明の超伝
導素子は以下の優れた効果を有する。
導素子は以下の優れた効果を有する。
【0030】すなわち、下地基板とYBCO膜との間に
Al膜を中間層として介在させることにより、下地基板
の種類に拘わらず、高配向なc軸配向を有するYBCO
膜を形成することが可能となる。これにより、高価なN
dGaO3、SrTiO3、LaAlO3等の単結晶基板
を下地基板として用いなくても、良好なc軸配向と優れ
た超伝導特性とを有するYBCO膜を形成することがで
き、従来に比べてはるかに安価に、良好なc軸配向と優
れた超伝導特性とを有するYBCO膜、およびYBCO
系超伝導素子を提供することが可能になる。
Al膜を中間層として介在させることにより、下地基板
の種類に拘わらず、高配向なc軸配向を有するYBCO
膜を形成することが可能となる。これにより、高価なN
dGaO3、SrTiO3、LaAlO3等の単結晶基板
を下地基板として用いなくても、良好なc軸配向と優れ
た超伝導特性とを有するYBCO膜を形成することがで
き、従来に比べてはるかに安価に、良好なc軸配向と優
れた超伝導特性とを有するYBCO膜、およびYBCO
系超伝導素子を提供することが可能になる。
【0031】また、Al膜とYBCO膜との間に例えば
AlOX等のアモルファス層を介在させることにより、
成膜時と熱処理時の基板材料と超伝導材料との相互拡散
を効果的に抑制することができるとともに、YBCO膜
のc軸配向を助長することができる。この結果、得られ
る超伝導素子の超伝導特性を向上させることができる。
AlOX等のアモルファス層を介在させることにより、
成膜時と熱処理時の基板材料と超伝導材料との相互拡散
を効果的に抑制することができるとともに、YBCO膜
のc軸配向を助長することができる。この結果、得られ
る超伝導素子の超伝導特性を向上させることができる。
【図1】 本発明の超伝導素子5の膜構成を示す断面図
である。
である。
【図2】 第1実施例のAl膜のX線回折の結果示す図
である。
である。
【図3】 第1実施例のYBCO薄膜のX線回折の結果
示す図である。
示す図である。
【図4】 超伝導素子1の超伝導特性を示す図である。
【図5】 比較例のYBCO薄膜のX線回折の結果示す
図である。
図である。
1 ・・・ 超伝導薄膜(YBCO薄膜) 2 ・・・ アモルファス層(AlOX) 3 ・・・ Al膜 4 ・・・ 下地基板 5 ・・・ 超伝導素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 39/02 H01L 39/02 B W (72)発明者 川合 知二 大阪府箕面市小野原東5−26−15−615
Claims (7)
- 【請求項1】 下地基板と、下地基板上に形成されたA
l膜と、Al膜上に形成されたc軸配向YBCO膜と、
からなることを特徴とする超伝導素子。 - 【請求項2】 前記Al膜とc軸配向YBCO膜との間
に、アモルファス層が介在していることを特徴とする請
求項1に記載の超伝導素子。 - 【請求項3】 前記アモルファス層は、AlOXからな
ることを特徴とする請求項2記載の超伝導素子。 - 【請求項4】 前記下地基板に、ソーダカリガラスを用
いたことを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載の
超伝導素子。 - 【請求項5】 前記Al膜は、その表面が(111)面
であることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載
の超伝導素子。 - 【請求項6】 下地基板の準備工程と、下地基板にAl
膜を形成する工程と、Al膜上にYBCO膜を形成する
工程と、を有してなることを特徴とする超伝導素子の製
造方法。 - 【請求項7】 下地基板の準備工程と、下地基板にAl
膜を形成する工程と、Al膜表面を酸化する工程と、表
面の酸化されたAl膜上にYBCO膜を形成する工程
と、を有してなることを特徴とする超伝導素子の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10043782A JPH11243234A (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 超伝導素子、及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10043782A JPH11243234A (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 超伝導素子、及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11243234A true JPH11243234A (ja) | 1999-09-07 |
Family
ID=12673340
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10043782A Pending JPH11243234A (ja) | 1998-02-25 | 1998-02-25 | 超伝導素子、及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11243234A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012064519A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Fujikura Ltd | 酸化物超電導導体用基材及びその製造方法と酸化物超電導導体及びその製造方法 |
JP2013147723A (ja) * | 2012-01-23 | 2013-08-01 | Toshiba Corp | 超電導線材の製造装置及び製造方法 |
-
1998
- 1998-02-25 JP JP10043782A patent/JPH11243234A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012064519A (ja) * | 2010-09-17 | 2012-03-29 | Fujikura Ltd | 酸化物超電導導体用基材及びその製造方法と酸化物超電導導体及びその製造方法 |
JP2013147723A (ja) * | 2012-01-23 | 2013-08-01 | Toshiba Corp | 超電導線材の製造装置及び製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060104 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061212 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20070508 |