JPH11242212A - 透明電極基板 - Google Patents

透明電極基板

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Publication number
JPH11242212A
JPH11242212A JP30232598A JP30232598A JPH11242212A JP H11242212 A JPH11242212 A JP H11242212A JP 30232598 A JP30232598 A JP 30232598A JP 30232598 A JP30232598 A JP 30232598A JP H11242212 A JPH11242212 A JP H11242212A
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JP
Japan
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film
transparent electrode
electrode substrate
polycarbonate
liquid crystal
Prior art date
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Pending
Application number
JP30232598A
Other languages
English (en)
Inventor
Aritami Yonemura
有民 米村
Kaoru Iwata
薫 岩田
Hideaki Nitta
英昭 新田
Masanori Abe
正典 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
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Publication of JPH11242212A publication Critical patent/JPH11242212A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐熱性に優れ、かつ、透明性、光学特性に優
れた光学用フイルムまたはシートを用いた液晶ディスプ
レー用基板として有用な透明電極基板を提供することを
目的とする。 【解決手段】 下記一般式[I] [式中、R1,R2,R3およびR4は水素原子を表し、X
は炭素数5〜10のシクロアルキレン基である。]で示
される繰り返し単位を30モル%を越える割合で含有す
るポリカーボネート(共)重合体からなり、膜厚が50
〜500μmであり、かつリタデーション(Re)が1
0nm以下である光学用フイルムまたはシートの上に透
明電極層が設けられてなる透明電極基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性、製膜性に
優れたポリカーボネート(共)重合体からなる光学用フ
イルムまたはシート、液晶ディスプレーに有用な新規位
相差板用配向フイルム、液晶ディスプレー用基板および
透明電極基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年液晶ディスプレーの進歩が著しい。
その中で、STN型液晶ディスプレーの進歩は、特に著
しい。このディスプレー素子において画像の視認性を向
上させるために液晶層と偏光板との間に位相差フイルム
が積層されている。この位相差フイルムは、液晶層を透
過した楕円偏光を直線偏光に変換する役割を担ってい
る。そして、その材質は主としてビスフェノール―Aか
らなるポリカーボネートの一軸延伸フイルムが用いら
れ、実用化されている。その理由は、(1)透明性が高
い、(2)高い屈折率異方性を示す、(3)耐熱性が比
較的高いなど位相差板に要求される性質が優れているか
らである。
【0003】しかし、ビスフェノール―Aからなるポリ
カーボネートフイルムにも欠点がある。このフイルムは
一般にはビスフェノール―Aからなるポリカーボネート
のジクロロメタン溶液からキャストされるが、位相差板
用や液晶基板用フイルムは厚膜であるため高濃度ドープ
からキャストする必要がある。しかしながら、このポリ
マーのジクロロメタン中での溶解度は高々、20重量%
程度であり、溶解度は十分に高いとは言えない。しか
も、ドープではポリマーは安定せず、結晶化に伴う白濁
化やゲル化が生じる。また、製膜過程でも結晶化(白
濁)が生じる場合が多い。
【0004】一方、ビスフェノール―Aから得られるポ
リカーボネート以外にも、例えば特開昭56―1307
03号公報、同63―189804号公報、特開平1―
201608号公報、同4―84106号公報、同4―
84107号公報などには4,4′―ジオキシジアリー
ルアルカンから得られるポリカーボネートまたは共重合
体が提案されている。さらに、特開平2―12205号
公報、同2―59702号公報などには4,4′―ジヒ
ドロキシジフェニルアルカンまたはこれらのハロゲン置
換体から得られるポリカーボネートが提案されている。
これらの4,4′―ジオキシジアリールアルカンあるい
は4,4′―ジヒドロキシジフェニルアルカンから得ら
れるポリカーボネートの一部は溶解性や非晶性の面では
ビスフェノール―Aから得られるポリカーボネートより
優れているが、ガラス転移温度(以下Tgと略記)が低
いために総合的に見るとビスフェノール―Aより優れて
いるとは言えない。
【0005】一方、液晶ディスプレーに用いる基板用フ
イルムまたはシートでは透明性、光学等方性以外に高い
耐熱性が要求される。これは、基板に透明電極用導電性
薄膜を蒸着やスパッタリング法により設けなければなら
ず、また、通常ポリイミドからなる液晶配向膜を形成し
なければならないためである。従って、従来提案されて
いるビスフェノール―Aから得られるポリカーボネート
フイルムまたはシートでも耐熱性が十分とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、耐熱性に優
れ、かつ、透明性、光学特性に優れた光学用フイルムま
たはシートを用いた液晶ディスプレー用基板として有用
な透明電極基板を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる従
来技術の欠点を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発
明に到達した。すなわち、下記一般式[I]
【0008】
【化4】
【0009】[式中、R1,R2,R3およびR4は同一も
しくは異なり、水素原子またはメチル基を表し、Xは炭
素数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数7〜15の
アラアルキレン基または炭素数1〜5のハロアルキレン
基である。]で示される繰り返し単位を30モル%を越
える割合で含有するポリカーボネート(共)重合体を用
いることにより、かかる課題を一挙に解決することを見
いだした。
【0010】本発明において用いられるポリカーボネー
ト(共)重合体は、前記式[I]で示される繰り返し単
位を必須成分とするものである。式中R1〜R4は水素原
子またはメチル基である。一般に、メチル基はTgを低
下させずに溶解性を上げる効果がある。式中Xは、炭素
数5〜10のシクロアルキレン基、炭素数7〜15のア
ラアルキレン基、炭素数1〜5のハロアルキレン基であ
る。
【0011】一般に従来提案されている4,4′―ジオ
キシジアリールアルカンや4,4′―ジヒドロキシジフ
ェニルアルカンから得られるポリカーボネートは、その
具体例に見るようにTgはビスフェノール―Aから得ら
れるポリカーボネートのTg(149℃)より低い。例
えば、ビス(4―オキシフェニル)メタン(147
℃)、1,1―ビス(4―オキシフェニル)エタン(1
30℃)、1,1―ビス(4―オキシフェニル)ブタン
(123℃)、2,2―ビス(4―オキシフェニル)ブ
タン(134℃)から得られるポリカーボネートのTg
(括弧内の数値)からも明らかである。
【0012】それに対して、本発明において用いられる
シクロアルキレン基を有するビスフェノールから得られ
るポリカーボネートは環構造に由来する剛直性のために
高Tgが得られる。しかも、そのシクロアルカン構造に
起因する非対照性のために溶解性や非晶性はビスフェノ
ール―Aからのポリカーボネートのそれより著しく高
い。
【0013】本発明において用いられるXの具体例は、
シクロアルキレン基として、1,1―シクロペンチレ
ン、1,1―シクロヘキシレン、1,1―(3,3,5
―トリメチル)シクロヘキシレン、ノルボルナン―2,
2―ジイル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン
―8,8′―ジイル、特に原料の入手のし易さから1,
1―シクロヘキシレン、1,1―(3,3,5―トリメ
チル)シクロヘキシレンが好適に用いられる。また、ア
ラアルキレン基としては、フェニルメチレン、ジフェニ
ルメチレン、1,1―(1―フェニル)エチレン、9,
9―フルオレニレンが挙げられる。またハロアルキレン
基としては、2,2―ヘキサフルオロプロピレン、2,
2―(1,1,3,3―テトラフルオロ―1,3―ジク
ロロ)プロピレン等が好適に用いられる。これらは一種
でもよいし二種以上でもよい。
【0014】本発明において用いられる前記式[I]で
示される構成単位以外の構成単位(共重合成分)として
は、下記一般式[II]
【0015】
【化5】
【0016】[式中、Ra,Rb,RcおよびRdは同
一もしくは異なり水素原子またはメチル基であり、Yは
炭素数1〜6のアルキレン基である。]で示される繰り
返し単位が用いられる。Ra,Rb,RcおよびRdは
同一もしくは異なり、水素原子またはメチル基である。
Yは、炭素数1〜6のアルキレン基である。炭素数がそ
れを越えると溶解性や非晶性の上では有利にはたらく
が、耐熱性の上では不利になり好ましくない。好適な具
体例として、メチレン、1,1―エチレン、2,2―プ
ロピレン、2,2―ブチレン、2,2―(4―メチル)
ペンチレンが挙げられる。
【0017】本発明においては、ポリカーボネートの総
繰り返し単位中にこれらの構成単位[I]が少なくとも
30モル%を越える割合で含有する、好ましくは40モ
ル%以上、さらに好ましくは50モル%以上含まれる。
共重合比は、フイルム物性(Tg)、製膜性を勘案して
選択すればよいが、必須構成単位[I]の割合が30モ
ル%以下ではフイルム物性や製膜性が低下するために好
ましくない。一般式(II)で表わされる繰り返し単位
は70モル%未満、好ましくは60モル%以下、さらに
好ましくは50モル%以下である。
【0018】本発明において用いられるポリカーボネー
ト(共)重合体の分子量は特に限定はないが、一般に
は、濃度0.5g/dlのジクロロメタン溶液中20℃
での粘度測定から求めた平均分子量で8,000以上1
00,000以下、好ましくは10,000以上70,
000以下の範囲が用いられる。それ未満では力学的強
度が十分でなく好ましくない。またそれを越えると高粘
度になりすぎて製膜性が著しく損なわれるので好ましく
ない。
【0019】本発明において用いられるポリカーボネー
ト(共)重合体の製造法は特に限定はないが、通常用い
られているホスゲンと対応するビスフェノールとの界面
重合法、ジフェニルカーボネートとビスフェノールとの
溶融重合法が好適に用いられる。
【0020】得られたポリカーボネートは、一般に溶液
からのキャスティング法や溶融押出法によりフイルムあ
るいはシート化される。しかし、光学用途は高度な均一
性を要求されるために、溶液からのキャスティング法が
好ましく用いられる。用いられる溶媒としては、特に限
定はないが、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2―
ジクロロエタンなどのハロアルカン類;テトラヒドロフ
ラン、1,3―ジオキソラン、1,4―ジオキサンなど
の環状エーテル類;メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類、クロロ
ベンゼンなどの芳香族溶媒が用いられる。この内、ジク
ロロメタン、1,2―ジクロロエタン、テトラヒドロフ
ラン、1,3―ジオキソラン、1,4―ジオキサン、シ
クロヘキサノン、クロロベンゼン等が溶解性とドープ安
定性の上から特に好ましい。これらは一種でもよいし二
種以上の混合溶媒でもよい。濃度も特に限定はないが、
本発明の意図する位相差フイルムや液晶デイスプレー用
フイルムは厚膜にするために、15重量%以上、好適に
は20重量%以上の高濃度が用いられる。
【0021】キャスティング法は、一般にはダイから溶
液を押し出すキャスティング法、ドクターナイフ法など
が好ましく用いられる。一方溶融法によるフイルムある
いはシート化は、一般の溶融押出成形法を用いればよ
い。
【0022】膜厚は用途に応じて選択すればよいが、一
般には50〜500μm、好ましくは80〜300μm
の範囲が用いられる。それ未満では、位相差板の場合で
は屈折率異方性に基づく十分なリタデーション(複屈折
Δnと膜厚dとの積)が得られないし、また液晶ディス
プレー用基板では十分に腰のある(剛直な)フイルムが
得られない。またそれを越えると製膜が困難になり好ま
しくない。それと共に位相差板用フイルムの場合は厚膜
になると僅かな延伸でリタデーションが目的地を越えて
しまうために、延伸精度が追いつかなくなり好ましくな
い。
【0023】本発明のフイルムまたはシートはTgが1
50℃以上であることが好ましい。Tgが150℃より
低い場合には熱変形、熱収縮が大きく、剥離や像の歪、
耐久性の低下などの問題が発生する可能性がある。
【0024】本発明の液晶ディスプレー用基板は光学等
方性が要求されために未延伸のまま用いられる。しかし
光学等方性さえ満足されれば二軸延伸してもよい。それ
に対して、位相差板は屈折率異方性を利用しているため
に一軸延伸フイルムが使用される。本発明においては一
軸延伸法としては縦一軸延伸法、テンター横一軸延伸
法、ロール延伸法などが用いられる。延伸温度は、使用
するフイルムのTgに依存し、一般にはTg−50℃以
上Tg+20℃以下、好ましくはTg−30℃以上Tg
+10℃以下が用いられる。それ未満では、ポリマー分
子の運動が凍結されているために均一配向が困難になり
好ましくない。また、それを越えるとポリマーの分子運
動が激しくなるために、延伸による配向の緩和が起こ
り、予期した配向度が得られないばかりか配向抑制が困
難になるために好ましくない。また、延伸倍率は、目的
とするフイルムのリターデーションの大きさに応じて適
宜選択すればよい。この値は、延伸温度、膜厚にも依存
する。一般に厚膜では、延伸倍率は小さくともよく、薄
膜では大きくとる必要がある。STN型液晶ディスプレ
ーに用いる位相差板のリターデーションの値は、一般に
は400〜650nmの範囲が用いられる。
【0025】かくして得られた一軸延伸フイルムまたは
シートからなる位相差板は、偏光板と積層して実用に供
することが出来る。そして偏光板側に接着層を介して保
護フイルムを積層し、位相差板側は粘着層を介して離形
フイルムを積層して位相差板と偏光板が一体化した商品
形態にされる。また、ポリカーボネートは固有複屈折率
が正の樹脂であるので該一軸延伸フイルムまたはシート
と固有複屈折率が負の樹脂、例えばポリスチレン、ポリ
メチルメタクリレート等からなる一軸延伸フイルムまた
はシートとを積層して視野角依存性を増すことも出来
る。また、未延伸フイルムあるいはシートは液晶ディス
プレー用基板として用いられる。その際、その上に酸化
スズ・インジウムなどの透明電極層を積層し、その透明
電極層上に例えばポリイミド液晶配向薄膜をコーティン
グして使用される。液晶素子はこの配向膜をラビング処
理した後、二枚の積層基板を配向膜を内側にして液晶層
をサンドイッチすることにより液晶素子が完成する。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、結晶化などによる濁り
のない、耐熱性の高い液晶ディスプレー用基板などの光
学フイルムやシートが提供される。また、かかるフイル
ムやシートの上に酸化スズ・インジウムなどの透明電極
層が設けられた透明電極基板が提供される。
【0027】
【実施例】以下に、実施例により本発明を詳述する。但
し、本発明はこれに限定されるものではない。
【0028】実施例において測定した物性は、下記の方
法により測定した。 1) フイルムの機械特性:JIS K7113に準拠
して行った。 2) 粘度平均分子量:塩化メチレン溶液で測定した固
有粘度をMark―Houwink―桜田の式に代入、
算出した。 3) 複屈折:神崎製紙(株)製自動複屈折計(KOB
RA−21AD)を使用し、590nmの可視光におけ
る複屈折値を測定した。 4) Tg:DuPont社製(Differenti
al ScanningCarorimeter 91
0 )を使用し昇温速度20℃/minで測定した。 5) 光透過率:島津製作所(株)分光光度計(UV−
240)を使用した。
【0029】[実施例1]1,1―シクロヘキシレンビ
ス(4―フェノール)をビスフェノール成分とするポリ
カーボネート樹脂(粘度平均分子量45,000)20
重量部をジクロロメタン80重量部に加えて、室温で5
時間攪拌することにより、透明粘ちょうな溶液を得た。
この溶液は3日間密閉状態で室温放置しても変化せず、
白濁現象やゲル化は認められなかった。得られた溶液を
ドクターナイフを用いてステンレス基板上にキャスト
し、風速2m/秒の乾燥器の中で30℃で10分、50
℃で30分、130℃で30分加熱して膜厚93μmの
透明未延伸フイルムを得た。そして得られたフイルムの
透過率は500nmの可視域で89%であり極めて透明
性の高いものであった。また590nmの可視光で測定
したリタデーション(Re)は10nm以下であり、光
学等方性が極めて高いものであった。このフイルムのD
SCにより求めたTgは179℃であり高い耐熱性を示
した。得られたフイルムは破断強度6.8kg/m
2、伸度90%、初期モジュラスは145kg/mm2
であり極めて丈夫であった。こうして得られた未延伸フ
イルムをテンター法により165℃で10%延伸して配
向フイルムを得た。この延伸フイルムのReは485n
mであり所望の複屈折性を示すフイルムを得た。
【0030】また、上記一軸延伸フイルムを位相差板と
してSTN液晶セルの片側に適用し(図1)、白黒ディ
スプレーの液晶パネルを作成した。得られた液晶パネル
の駆動状態と非駆動状態におけるコントラスト比は1
2:1であった。
【0031】[比較例1]2,2―プロピレンビス(4
―フェノール)(ビスフェノール―A)から得られたポ
リカーボネート樹脂(分子量43,000)を用いて、
その他は実施例1と同様な方法で透明未延伸フイルムを
得た。このフイルムのTgは148℃であり、実施例1
で得たフイルムより低かった。
【0032】[実施例2]1,1―シクロヘキシレンビ
ス(4―フェノール)/ビスフェノール―Aのモル比=
50/50をビスフェノール成分とするポリカーボネー
ト樹脂(粘度平均分子量38,000)23重量部をジ
クロロメタン77重量部に加えて、室温で5時間攪拌す
ることにより、透明粘ちょうな溶液を得た。この溶液は
3日間密閉状態で室温放置しても変化せず、白濁現象や
ゲル化は認められなかった。得られた溶液をドクターナ
イフを用いてステンレス基板上にキャストし、風速2m
/秒の乾燥器の中で30℃で10分、50℃で30分、
130℃で30分加熱乾燥して膜厚105μmの透明未
延伸フイルムを得た。そして得られたフイルムの透過率
は500nmの可視域で89%であり極めて透明性の高
いものであった。また590nmの可視光で測定したリ
タデーション(Re)は10nm以下であり、光学等方
性が極めて高いものであった。このフイルムのDSCに
より求めたTgは160℃であり高い耐熱性を示した。
こうして得られた未延伸フイルムをテンター法により1
45℃で10%延伸して配向フイルムを得た。この延伸
フイルムのReは500nmであり所望の複屈折性を示
すフイルムを得た。
【0033】[実施例3]実施例1の樹脂23重量部を
77重量部のジオキサンに加えて、50℃で5時間加熱
攪拌して透明粘ちょう液を得た。このドープは3日間室
温その温度に放置しても白濁やゲル化は生じなかった。
またドクターナイフを用いてこの粘ちょう溶液からフイ
ルムをキャストして風速2m/秒の乾燥器中40℃で1
0分、60℃で30分、140℃で30分乾燥して膜厚
100μmの透明未延伸フイルムを得た。そして得られ
たTgは177℃であり、実施例1で得た未延伸フイル
ムのTgとほぼ一致した。また、フイルムを165℃で
10%延伸して得たフイルムのリタデーションはRe=
490nmであり実施例1の延伸フイルムの値とほぼ一
致した。
【0034】[比較例2]比較例1の樹脂を用いて実施
例3と同様に23重量%のジオキサン溶液を得ようとし
たが溶解しなかった。そのために希釈して20重量%の
溶液を作成した。この溶液は5時間室温で放置した結
果、結晶化に基づく白濁が生じ、一日でゲル化して製膜
には耐えなかった。このゲル状物を50℃に加熱攪拌し
たが再溶解しなかった。溶解直後の透明溶液を用いて実
施例3の条件でキャストしたが、結晶化に基づく白化が
見られ透明性が著しく低下した。
【0035】[実施例4〜12]ポリカーボネートから
実施例1と同様のキャストしたフイルムの諸特性を表に
示す。いずれも高濃度に溶解し、しかも安定溶液を得
た。また、キャストした未延伸フイルムはいずれも丈夫
で透明性が高く、かつ、光学異方性が小さかった(<1
0nm)。いずれも延伸可能であり延伸温度、延伸倍率
を制御することにより所望の光学異方性を有する延伸フ
イルムを得た。
【0036】
【表1】
【0037】表1中の略号と繰返し単位[I]および
[II]の構造との対応は下記の通りである。 A:式[II]中のRa〜Rdが水素原子、Yが2,2
―プロピレンである繰り返し単位 ME:式[II]中のRa〜Rdが水素原子、Yが2,
2―ブチレンである繰り返し単位 Z:式[I]中のR1〜R4が水素原子、Xが1,1―シ
クロヘキシレンである繰り返し単位 AP:式[I]中のR1〜R4が水素原子、Xが1,1―
(1―フェニル)エチレンである繰り返し単位 FL:式[I]中のR1〜R4が水素原子、Xが9,9―
フルオレニレンである繰り返し単位 BP:式[I]中のR1〜R4が水素原子、Xが1,1―
ジフェニルフェニレンである繰り返し単位 FA:式[I]中のR1〜R4が水素原子、Xが2,2―
ヘキサフルオロプロピレンである繰り返し単位 Mv :粘度平均分子量(×10-4) T:光透過率(500nm,%)
【0038】[実施例13]2,2―プロピレンビス
(3,5―ジメチル―4―フェノール)をビスフェノー
ル成分とするポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量2
3,000)23重量部を77重量部のジクロロメタン
に加え、室温で5時間攪拌することにより、透明粘ちょ
うな溶液を得た。この溶液は3日間密閉状態で室温放置
しても変化せず、白濁現象やゲル化は認められなかっ
た。得られた溶液をキャストして、30℃で10分、5
0℃で30分、130℃で30分加熱乾燥して膜厚98
μmの透明未延伸フイルムを得た。このフイルムの透過
率は90%であり、リタデーションは10nm以下であ
った。そして、そのTgは180℃であり極めて耐熱性
が高かった。また、170℃で10%延伸して得た配向
フイルムのリタデーションは495nmであった。
【図面の簡単な説明】
【図1】液晶パネルの断面図を示す。
【符号の説明】
1,7:偏光板 2 :位相差板 3,6:基板 4 :封止材 5 :液晶層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 正典 東京都日野市旭が丘4丁目3番2号 帝人 株式会社東京研究センター内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式[I] 【化1】 [式中、R1,R2,R3およびR4は水素原子を表し、X
    は炭素数5〜10のシクロアルキレン基である。]で示
    される繰り返し単位を30モル%を越える割合で含有す
    るポリカーボネート(共)重合体からなり、膜厚が50
    〜500μmであり、かつリタデーション(Re)が1
    0nm以下である光学用フイルムまたはシートの上に透
    明電極層が設けられてなる透明電極基板。
  2. 【請求項2】 下記一般式[I] 【化2】 [式中、R1,R2,R3およびR4は水素原子を表し、X
    は炭素数5〜10のシクロアルキレン基である。]で示
    される繰り返し単位を30モル%を越える割合で有し、
    下記一般式[II] 【化3】 [式中、Ra,Rb,RcおよびRdは同一もしくは異
    なり水素原子またはメチル基であり、Yは炭素数1〜6
    のアルキレン基である。]で示される繰り返し単位を7
    0モル%未満含有するポリカーボネートからなる請求項
    1記載の透明電極基板。
  3. 【請求項3】 ガラス転移温度が150℃以上である請
    求項1または2記載の透明電極基板。
  4. 【請求項4】 透明電極層が酸化スズ・インジウムから
    なる請求項1〜3のいずれかに記載の透明電極基板。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4記載のいずれかに記載の透
    明電極基板の液晶デイスプレーへの使用。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003043225A (ja) * 2001-07-26 2003-02-13 Teijin Ltd ディスプレイ用反射フィルムおよびこれを用いた液晶表示素子
JP2008305829A (ja) * 2007-06-05 2008-12-18 Mitsubishi Gas Chem Co Inc 光干渉縞防止光透過型電磁波シールド材料

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