JPH11242020A - 大気分析装置 - Google Patents

大気分析装置

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JPH11242020A
JPH11242020A JP4477198A JP4477198A JPH11242020A JP H11242020 A JPH11242020 A JP H11242020A JP 4477198 A JP4477198 A JP 4477198A JP 4477198 A JP4477198 A JP 4477198A JP H11242020 A JPH11242020 A JP H11242020A
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JP
Japan
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detector
collection tube
collection
mobile phase
atmosphere
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JP4477198A
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English (en)
Inventor
Kenichi Tanigawa
建一 谷川
Chiaki Maekoya
千秋 前小屋
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Hitachi Ltd
Hitachi Kyowa Engineering Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Kyowa Engineering Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11242020A publication Critical patent/JPH11242020A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】大気中の揮発性有機化合物の捕集管を用いた連
続自動的測定。 【解決手段】復数の捕集管6と、捕集管6のヒータ5
と、捕集管6内に大気を導入するための吸引ポンプ23
と、捕集管内を経由して大気試料を吸引ポンプに吸引す
るための流路7と、測定対象物質を検出するための検出
器28と、移動相(捕集管6内に吸着した測定対象物質
を検出器23に移動させるためのキャリア)を、捕集管
6内を経由して検出器23に供給する機構22とを備
え、流路7には、大気試料を導入する捕集管6を選択す
るための開閉機構10,11を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中に含まれる
物質、特に揮発性有機化合物の定性・定量分析を連続し
て自動的に行うた大気分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ダイオキシンなどの大気中に含ま
れる微量の有害物質の、健康に対する影響が問題になっ
てきており、大気中の揮発性有機化合物を継続的に測定
する必要が高まっている。大気中に含まれる揮発性有機
化合物をモニタリングする場合、従来は、大気試料を採
取し、これを実験室に持ち帰って分析装置により分析す
るという方法が採られていた。
【0003】大気試料の採取には、キャニスタと呼ばれ
る真空瓶に一旦大気試料を捕集し、これを分析装置によ
り分析する方法や、捕集管と呼ばれる吸着剤を詰めたチ
ューブに大気試料を通して、分析対象物質を濃縮し、こ
れを、ガスクロマトグラフ(GC)装置や、ガスクロマ
トグラフ/質量分析(GC/MS)装置などの分析装置
により定性・定量分析する方法が用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】試料の捕集にキャニス
タを用いる場合、測定できる化合物は、通常、炭素数2
0以下の化合物に限られてしまうのに対し、捕集管を用
いる場合、炭素数30程度の化合物であっても測定可能
である。また、キャニスタを用いる場合、キャニスタ内
壁に高沸点成分が吸着しやすいことから、高沸点成分に
ついて正確な分析を行うことができないことがある。従
って、より広範囲の化合物を測定することができ、高沸
点成分についても正確に測定できるという点から、捕集
管を用いることが望ましい。
【0005】そこで、本発明では、大気中の揮発性有機
化合物の継続的な測定を、捕集管を用いて、簡便に行う
ことができる大気分析装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明では、大気中の測定対象物質を吸着させる吸
着剤を備える復数の捕集管と、捕集管内を加熱するため
のヒータと、捕集管内に大気を導入するための吸引ポン
プと、捕集管内を経由して大気試料を吸引ポンプに吸引
するための流路と、測定対象物質を検出するための検出
器と、捕集管内に吸着した測定対象物質を検出器に移動
させるための移動相を、捕集管内を経由して検出器に供
給するための移動相供給機構とを備え、上記流路には、
複数の捕集管のうち、大気試料を導入する捕集管を選択
するための開閉機構を備える大気分析装置が提供され
る。
【0007】
【発明の実施の形態】上述のように、本発明では、大気
中の測定対象物質を分析するための大気分析装置であっ
て、複数の捕集管を備える装置が提供される。捕集管を
検出器に連通可能に接続することにより、試料採取と分
析とを連続して(オンラインで)行うことができる。ま
た、捕集管を分析装置に内蔵することにより、分析のた
びに補集管を取り付けたり取り外したりする煩雑な操作
が不要になる。さらに、複数の捕集管が備えられている
ことから、同時に多数のサンプリングを行うことができ
る。
【0008】本発明の大気分析装置は、吸引ポンプと、
ヒータと、移動相供給機構と、開閉機構と、検出器との
動作を制御する制御部を、さらに備えることが望まし
い。この制御部は、(1)大気試料を、あらかじめ選択
された捕集管に通して、大気試料中の測定対象物質を、
捕集管内の吸着剤に吸着させる捕集処理と、(2)選択
された捕集管内をヒータにより加熱しつつ、その捕集管
内を経由して移動相を検出器に供給し、検出器により移
動相中に含まれる測定対象物質を検出する分析処理と、
(3)その選択された捕集管内をヒータにより加熱しつ
つ、その捕集管内に移動相を通す捕集管再生処理とを、
この順に繰り返し実行する連続測定手段を有することが
望ましい。このような手段を設けることにより、大気中
の分析対象物質の分析を、人手を介することなく、連続
して自動的に行うことができる。
【0009】この連続測定手段は、捕集管再生処理の後
に、(4)上述の選択された捕集管内をヒータにより加
熱しつつ、その捕集管内を経由して移動相を検出器に供
給し、検出器により移動相中に含まれる測定対象物質を
検出するブランク値測定処理を、さらに実行して、得ら
れたブランク値があらかじめ定められた上限値以下にな
るまで、捕集管再生処理を繰り返す手段とすることが好
ましい。このようにすれば、捕集管が再生されたことを
確認した上で、再使用することになるからである。
【0010】なお、このようにブランク値を測定する場
合には、ブランク値の測定と、実試料の分析とを並行し
て行うことができるように、ブランク値測定用の第2の
検出器を、さらに設けることが望ましい。
【0011】本発明の大気分析装置における検出器は、
特に限定されるものではなく、上述したGC、GC/M
Sの他、質量分析計(MS)や赤外分光計(IR)、核
磁気共鳴分光計(NMR)、紫外分光計(UV)、高速
液体クロマトグラフ装置(HPLC)など、用途に応じ
て適宜選択できる。なお、捕集管に捕集された分析対象
物質を検出器に運ぶための移動相は、分析対象や検出器
に応じて適宜選択する。例えば、HPLCにより検出す
る場合には、移動相として溶液を用い、捕集管に吸着さ
せた分析対象物質をこの溶液により脱着させる。また、
GC、GC/MS、MS、IR、UVなどの場合には、
通常、移動相として気体(例えば、ヘリウムなどの不活
性ガス)を用いる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明
する。なお、以下の実施例において用いた具体的装置構
成、移動相の種類および流量、検出器の種別などはすべ
て例示に過ぎず、本発明がこれに限定されるものではな
い。
【0013】<実施例1> A.装置構成 本実施例の大気分析装置は、図1に示すように、大気試
料捕集部100と、試料導入部110と、検出部120
と、制御部130とを備える。
【0014】大気試料捕集部100は、大気試料中の揮
発性有機化合物を捕集管6へ濃縮させる手段であり、フ
ィルタ1、マスフローコントローラ2,21、開閉バル
ブ(電磁弁)3〜4,10〜14、ヒータ5、捕集管
6、キャリアガス供給部22、および、ポンプ23を備
える。捕集管6は複数設けられている。なお、図1で
は、捕集管6を4つ図示したが、本発明はこれに限られ
るものではなく、2つ以上であれば、いくつ設けてもよ
い。本実施例では、あらかじめ配管に接続された複数の
捕集管6を使用するため、試料採取時に捕集管6を接続
する場合に比べて、試料の漏出がなく、効率よく正確な
分析を行うことができる。
【0015】試料(大気)採取口であるフィルタ1と、
試料の流量を制御するためのマスフローコントローラ2
と、逆流防止のための開閉バルブ3と、試料中の分析対
象物質を濃縮するための捕集管6と、逆流防止のための
開閉バルブ14と、試料/キャリアガスを吸引するため
のポンプ23とは、この順で配管7により連通可能に接
続されている。捕集管6の前後の配管7には、捕集管6
ごとに、試料/キャリアガスの流入/流出する捕集管6
を選択するための開閉バルブ10,11が設けられてい
る。各捕集管6には、該捕集管6を加熱して、測定対象
の化合物を濃縮するためのヒータ5が設けられ、それぞ
れヒータ電源5aに接続されている。本実施例では、接
続されたすべての捕集管6における試料採取を、一つの
ポンプ23により行うため、捕集管6ごとに異なるポン
プを使用する場合に生じるポンプの相違による誤差が生
じず、正確な分析を行うことができる。
【0016】また、キャリアガス供給部22は、移動相
であるキャリアガスの供給源であり、キャリアガスの流
量を制御するためのマスフローコントローラ21と、キ
ャリアガスの流れる方向を制御するための開閉バルブ1
2,13を介して、配管8により、捕集管6の前後の配
管7に接続されている。
【0017】さらに、捕集管6と試料導入部110とを
接続するための配管9には、試料の移動を制御するため
の開閉バルブ4が設けられている。
【0018】試料導入部110は、揮発性有機化合物の
濃縮された捕集管6を加熱することにより脱着させた揮
発性有機化合物を、除湿および再濃縮する手段であり、
除湿器24、ヒータ電源25a、クライオフォーカス2
6および冷却器27を備える。
【0019】大気試料捕集部100からの配管9は、除
湿器24を介してクライオフォーカス26に連通可能に
接続されている。クライオフォーカス26には、ヒータ
電源25aに接続されたヒータ25が備えられており、
また、内部を冷却器27で冷却することができるように
なっている。
【0020】検出部120は、試料導入部110により
再濃縮された試料を検出し、定性および定量分析を行う
手段であり、検出器28(GCまたはGC/MS)を備
える。検出器28は、配管15を介して、大気試料捕集
部100のクライオフォーカス26と連通可能に接続さ
れている。
【0021】制御部130は、中央演算処理装置(CP
U)131、主記憶装置132、外部記憶装置133お
よび入出力装置134を備える情報処理装置であり、あ
らかじめ外部記憶装置133の記憶媒体に保持されたプ
ログラムを主記憶装置132に読み込んで、これをCP
U131により実行することにより、上記各部の動作を
制御する。なお、制御部130と各部とは、制御信号等
の授受のために、信号線により接続されているが、図を
見やすくするため、図1では、この信号線の図示は省略
した。
【0022】B.処理の流れ 制御部130は、図2に示すように、大気試料中の揮発
性有機化合物の採取・濃縮(ステップ200)と、揮発
性有機化合物の検出器への試料回収、定性・定量分析
(ステップ300)と、捕集管の洗浄・再生および次の
試料の捕集・濃縮の準備(ステップ400)とを、この
順に、入出力装置134を介して終了が指示されるまで
繰り返す(ステップ500)。つぎに、各ステップにつ
いて詳細に説明する。
【0023】(1)採取・濃縮工程(ステップ200) 制御部130は、まず、あらかじめ定められた捕集管6
に大気試料を一定量通す(ステップ210)。すなわ
ち、制御部130は、開閉バルブ3および14と、選択
した捕集管6の開閉バルブ10および11を開き、残り
の開閉バルブを閉じた後、ポンプ23およびマスフロー
コントローラ2を起動する。これにより、大気試料がフ
ィルタ1を介して吸引され、マスフローコントローラ2
により流量を制御された上で、捕集管6を通って、ポン
プ23から排気される。
【0024】採取された大気試料は、まず、フィルタ1
により濾過され、粉塵が取り除かれる。これは、装置の
配管および濃縮管が目詰まりを起こさないようにするた
めである。また、その流量はマスフローコントローラ2
によって調節されるため、捕集管6を通った大気試料の
容積が正確に把握できる。なお、本実施例では、流量を
10〜100ml/分とした。
【0025】捕集管6には、有機化合物を効率よく吸着
させることのできるポリマが充填されている。従って、
捕集管6を通過した大気試料中の有機化合物のほとんど
が、このポリマに物理吸着して、捕集管6に濃縮され
る。
【0026】なお、本実施例では、捕集管6は一つずつ
順番に使用されるが、本発明試料を導入する捕集管6の
数は一つには限られない。複数の捕集管6に試料を導入
して、同時に多数のサンプリングを行うようにしてもよ
い。
【0027】このようにして、大気試料を一定時間濃縮
管6に通し、揮発性有機化合物を濃縮した後、制御部1
30は、捕集管6をドライパージする(ステップ22
0)。すなわち、制御部130は、試料を捕集した捕集
管6の開閉バルブ10,11と、開閉バルブ12,14
とを開け、残りの開閉バルブを閉めて、マスフローコン
トローラ21を起動する。これにより、キャリアガス供
給部22から供給されたキャリアガスが一定量、捕集管
6を通ってポンプ23から排気されることで、捕集管6
に入った二酸化炭素などの測定対象外の気体が除去され
る。なお、キャリアガスの流量は、マスフローコントロ
ーラ21によって調節される。本実施例では、キャリア
ガスとしてヘリウムガスを用い、流量は1〜50ml/
分とし、4〜5分間ドライパージした。本実施例では、
ドライパージにも移動相(キャリアガス)を使用した
が、移動相に液体を用いる場合などには、ドライパージ
用のガスを別途用いてもよい。
【0028】(2)分析工程(ステップ300) つぎに、制御部130は、濃縮された試料を、試料導入
部110へ送り出し、除湿・再濃縮した上で、検出部1
20に導入する(ステップ310)。すなわち、制御部
130は、選択された捕集管6の開閉バルブ10,11
と、開閉バルブ4および13を開き、残りの開閉バルブ
を閉じて、ポンプ23を停止させ、ヒータ電源5aを介
して濃縮管6に巻かれたヒータ5を加熱し、捕集管内を
約300℃にするとともに、冷却器27によりクライオ
フォーカス26内を−180℃程度に冷却する。
【0029】捕集管6内の充填剤に吸着していた揮発性
有機化合物は、捕集管6の加熱により充填剤から脱着
し、キャリアガス供給部22から一定時間供給されたガ
スとともに、配管9を介して試料導入部110に導かれ
る。なお、本実施例では、マスフローコントローラ21
によってキャリアガスの流量を10〜100ml/分に
調節した。キャリアガスとともに試料導入部110に導
入された試料(揮発性有機化合物)は、炭酸カリウムな
どの吸水性物質が充填された除湿器24により水分が除
去された後、冷却されたクライオフォーカス26内で再
濃縮される。
【0030】つぎに、制御部130は、再濃縮された試
料を検出器28に導入し、検出器28を制御して試料中
の測定対象揮発性有機化合物について、所定の定性・定
量分析を行い、結果を入出力装置134に表示するとと
もに、外部記憶装置133に格納する(ステップ32
0)。
【0031】(3)捕集管再生工程(ステップ400) 以上により分析処理が終了すると、制御部130は、捕
集管6の再生処理を行い、次の測定の準備を行う(ステ
ップ410)。すなわち、制御部130は、使用した捕
集管6の開閉バルブ10,11と、開閉バルブ12,1
4とを開け、残りの開閉バルブを閉めて、マスフローコ
ントローラ21およびヒータ電源5aを起動する。これ
により、キャリアガス供給部22から供給されたキャリ
アガスが一定量(本実施例では10〜100m/分、1
0〜20分)、加熱(本実施例では、200〜300
℃)された捕集管6を通ってポンプ23から排気される
ことで、捕集管6の吸着剤に吸着した物質の残渣が除去
される。
【0032】つぎに、制御部130は、再生した捕集管
6を用いてブランク値を測定する(ステップ420)。
すなわち、制御部130は、試料を捕集管6に取り込む
ことなく、ステップ310および320と同様の処理を
行い、キャリアガスのみを定量分析し、結果を外部記憶
装置133に格納する。
【0033】続いて制御部130は、得られたブランク
値と、あらかじめ定められた上限値とを比較する(ステ
ップ430)。制御部130は、ブランク値が上限値よ
り大きければ、処理をステップ410に戻し、上限値以
下であれば、一定時間待った後(ステップ440)、そ
れまでに入出力装置134を介して終了指示が入力され
ているか否か検査する(ステップ500)。ここで、終
了指示が入力されていなければ、制御部130は、処理
をステップ210に戻して、大気試料の測定処理(ステ
ップ200〜400)を繰り返す。また、すでに終了指
示が入力されていれば、制御部130は処理を終了す
る。
【0034】C.本実施例の効果 本実施例の装置を用いて大気中の揮発性有機物を測定し
た結果を、図3に示す。図3は、横軸を保持時間、縦軸
を信号強度としたクロマトグラムであり、曲線31はあ
る捕集管6の1回目の測定結果を、曲線32は同じ捕集
管6のブランク測定の結果を、曲線33は同じ捕集管6
の2回目の測定結果をそれぞれ表す。なお、図3では、
比較を容易にするために、各曲線31〜33を、保持時
間を合わせて縦に重ねて表示した。
【0035】このグラフの曲線32からわかるように、
本実施例の装置によれば、捕集管6が自動的に再生され
て再利用可能状態になり、同じ捕集管6を繰り返し使用
することができる。従って、本実施例によれば、自動的
に使用済みの捕集管6が再生処理されるため、捕集管6
の取り付け/取り外しを繰り返すことなく、簡便かつ安
定的に、人手を介することなく、大気の連続自動測定を
行うことができる。
【0036】なお、本実施例では、ブランク値を測定
し、その結果に応じて再生処理を繰り返すが、このよう
な再生処理の結果確認が不要であれば、ステップ420
〜430は省略してもかまわない。
【0037】また、本実施例の大気分析装置は、複数の
捕集管6を備えているため、各捕集管6におけるステッ
プ200〜400の処理を並行して行うようにしてもよ
い。このようにする場合には、マスフローコントローラ
2および21、ポンプ23、ならびに、それらの配管
を、各捕集管に各々一つずつ設ける。
【0038】<実施例2>本実施例の大気分析装置は、
図4に示すように、実施例1の構成に加え、捕集管6の
再生状況を確認するためのブランク値測定用の検出器2
8aと、この検出器28aに導入するブランク値測定用
キャリアガスの前処理のための機構として、除湿器24
と、クライオフォーカス26aと、このクライオフォー
カス26aのヒータ25を制御するためのヒータ電源2
5bと、を備え、さらに、これらを繋ぐ配管9aおよび
15aとが設けられている。また、大気試料捕集部10
0からの配管9aには、キャリアガスの流入先を制御す
るための開閉バルブ29が設けられている。本実施例の
装置構成によれば、ブランクの測定と、実試料の測定と
を、並行して行うことができるため、好ましい。
【0039】本実施例の制御部130は、図5に示すよ
うに、分析処理部510と、再生処理部520とを備え
る。制御部130のハードウエア構成は、実施例1と同
様であり、これらの各部410,420は、主記憶装置
132に保持されたプログラムをCPUが実行すること
により実現される。
【0040】分析処理部510の処理は、図6(a)に
示すように、ステップ410〜430を実行する代わり
に、再生処理すべき捕集管の識別子を再生処理部520
に通知する(ステップ401)以外は、実施例1におけ
る制御部130の処理(図2)と同様である。
【0041】ステップ440において分析処理部510
からの通知を受けた再生処理部520は、図6(b)に
示すように、まず、分析処理部510が捕集管を使用中
(ステップ200,300)であれば、使用が終了する
まで待った後(ステップ405)、実施例1と同様にし
て、通知された補集管の再生処理を行い(ステップ41
0)、該捕集管についてブランク値を測定する(ステッ
プ420)。なお、本実施例の分析処理部510は、再
生処理部520がこの再生処理およびブランク値測定処
理を実行している間は、ステップ200,300の処理
を行わず、再生処理部によるステップ410,420の
処理の終了を待つ。ステップ420において得られたブ
ランク値が上限値を超えていれば、再生処理部520
は、処理をステップ405に戻し、上限値以下であれ
ば、処理を終了する(ステップ430)。
【0042】なお、本実施例では、キャリアガス供給系
を、実試料分析処理系と、再生処理系で共有しているた
め、ブランク値の測定処理以外は、他の処理と並行して
行うことができない。そこで、キャリアガス供給系(キ
ャリアガス供給部22およびキャリアガス用マスフロー
コントローラ21と、キャリアガス用流路8およびその
開閉バルブ)を、捕集管再生処理およびブランク値測定
処理用に、別途設け、捕集管に試料を採取している間
も、再生処理を並行して行うことができるようにしても
よい。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、大気中の揮発性有機化
合物を、捕集管を用い、低コストでオンサイト連続自動
測定することができる。捕集管を用いていることから、
低沸点成分から高沸点成分までの広い範囲の有機化合物
に対して、定性・定量分析を行うことができる。また、
複数の捕集管を備えていることにより、同時サンプリン
グによるデータの比較を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の大気分析装置の構成図である。
【図2】 実施例1における制御部の処理を示す流れ図
である。
【図3】 実施例1の処理結果を示すクロマトグラムで
ある。
【図4】 実施例2の大気分析装置の構成図である。
【図5】 実施例2における制御部の機能構成図であ
る。
【図6】 実施例2における制御部の処理を示す流れ図
である。
【符号の説明】
1…フィルタ、2…マスフローコントローラ、開閉バル
ブ(電磁弁)3〜4…開閉バルブ(電磁弁)、5…ヒー
タ、5a…ヒータ電源、6…捕集管、7〜9,9a…配
管、10〜14…開閉バルブ(電磁弁)、15,15a
…配管、21…マスフローコントローラ、22…キャリ
アガス供給部、23…ポンプ、24,24a…除湿器、
25…ヒータ、25a,25b…ヒータ電源、26,2
6a…クライオフォーカス、27…冷却器、28,28
a…検出器、29…開閉バルブ(電磁弁)、31…1回
目の測定結果、32…ブランク測定結果、33…2回目
の測定結果、100…大気試料捕集部、110…試料導
入部、120…検出部、130…制御部、131…中央
演算処理装置(CPU)、132…主記憶装置、133
…外部記憶装置、134…入出力装置、510…分析処
理部、520…再生処理部。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】大気中の測定対象物質を分析するための大
    気分析装置において、 上記大気中の測定対象物質を吸着させる吸着剤を備える
    複数の捕集管と、 上記捕集管内を加熱するためのヒータと、 上記捕集管内に上記大気を導入するための吸引ポンプ
    と、 上記大気を、上記捕集管内を経由して、上記吸引ポンプ
    に吸引するための流路と、 上記測定対象物質を検出するための検出器と、 上記捕集管内に吸着した測定対象物質を上記検出器に移
    動させるための移動相を、上記捕集管内を経由して上記
    検出器に供給するための移動相供給機構とを備え、 上記流路には、上記複数の捕集管のうち、上記大気を導
    入する捕集管を選択するための開閉機構を備えることを
    特徴とする大気分析装置。
  2. 【請求項2】上記吸引ポンプと、上記ヒータと、上記移
    動相供給機構と、上記開閉機構と、上記検出器との動作
    を制御する制御部を、さらに備え、 上記制御部は、 上記大気を、あらかじめ選択された上記捕集管に通し
    て、該大気中の測定対象物質を、該捕集管内の吸着剤に
    吸着させる捕集処理と、 上記選択された捕集管内を上記ヒータにより加熱しつ
    つ、該捕集管内を経由して上記移動相を上記検出器に供
    給し、該検出器により該移動相中に含まれる上記測定対
    象物質を検出する分析処理と、 上記選択された捕集管内を上記ヒータにより加熱しつ
    つ、該捕集管内に上記移動相を通す捕集管再生処理と
    を、 この順に繰り返し実行する連続測定手段を有することを
    特徴とする請求項1記載の大気分析装置。
  3. 【請求項3】上記連続測定手段は、 上記捕集管再生処理の後に、 上記選択された捕集管内を上記ヒータにより加熱しつ
    つ、該捕集管内を経由して上記移動相を上記検出器に供
    給し、該検出器により該移動相中に含まれる上記測定対
    象物質を検出するブランク値測定処理を、さらに実行
    し、 得られたブランク値があらかじめ定められた上限値以下
    になるまで、上記捕集管再生処理を繰り返す手段である
    ことを特徴とする請求項2記載の大気分析装置。
  4. 【請求項4】上記ブランク値測定のための、第2の検出
    器を、さらに備えることを特徴とする請求項3記載の大
    気分析装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR200453056Y1 (ko) * 2008-10-21 2011-04-12 (주)이디씨엔티 휘발성 유기화합물 검출기
JP2011232300A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Shimizu Corp モニタリングシステムおよびモニタリング方法
JP2016126013A (ja) * 2014-12-31 2016-07-11 ヌクテック カンパニー リミテッド 試料導入装置
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