JPH11242012A - 酸素センサ - Google Patents

酸素センサ

Info

Publication number
JPH11242012A
JPH11242012A JP10060623A JP6062398A JPH11242012A JP H11242012 A JPH11242012 A JP H11242012A JP 10060623 A JP10060623 A JP 10060623A JP 6062398 A JP6062398 A JP 6062398A JP H11242012 A JPH11242012 A JP H11242012A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heater
oxygen concentration
oxygen
zirconia tube
peripheral surface
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10060623A
Other languages
English (en)
Inventor
Futoshi Ichiyanagi
太 一柳
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Unisia Automotive Ltd
Original Assignee
Unisia Jecs Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Unisia Jecs Corp filed Critical Unisia Jecs Corp
Priority to JP10060623A priority Critical patent/JPH11242012A/ja
Publication of JPH11242012A publication Critical patent/JPH11242012A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジルコニアチューブとヒータとの間に熱伝導
性の高い多孔質材を配設することにより、酸素センサを
短時間で活性化できるようにする。 【解決手段】 酸素センサのジルコニアチューブ4には
内側電極5と外側電極6とを設け、ジルコニアチューブ
4内には、先端側21Bにスピネル多孔質層22を形成
したヒータ21を挿入して設ける。これにより、ヒータ
21からの熱をスピネル多孔質層22を経由してジルコ
ニアチューブ4へと効率よく伝え、かつ内側電極5には
スピネル多孔質層22を通じて大気側の酸素を安定して
供給するようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば自動車の排
気ガス中の酸素濃度を検出するのに用いて好適な酸素セ
ンサに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えばターボチャージャ等を搭
載した自動車用エンジンでは、空燃費をリッチ傾向にし
てエンジンを作動させており、その排気ガスの温度は2
80℃程度となっている。しかし、酸素センサは通常3
50℃程度の温度下で正常に作動するから、ターボチャ
ージャ付の自動車用エンジン等ではヒータ付き酸素セン
サを用い、該酸素センサの検出素子をセラミックスヒー
タによって加熱するようにしている。
【0003】そこで、図6および図7を参照しつつ従来
技術による酸素センサについて説明する。
【0004】1は酸素センサの本体を構成する金属製の
ケーシングを示し、該ケーシング1は、一端側外周にお
ねじ部2Aが形成された段付筒状のホルダ2と、該ホル
ダ2の先端側にかしめ固定されたキャップ3とから構成
されている。そして、ケーシング1は、後述のジルコニ
アチューブ4を自動車用エンジンの排気管(図示せず)
内に突出させるべく、ホルダ2のおねじ部2Aが排気管
に螺着される。
【0005】4は酸素濃度を検出する酸素検出素子とし
てのジルコニアチューブで、該ジルコニアチューブ4
は、例えば酸化ジルコニウム等のセラミックス材料によ
り先端側が閉塞した有底の筒状体に形成され、先端側が
ホルダ2の外部に突出すると共に、基端側がホルダ2の
先端側内周にワッシャ等を介して取付けられている。
【0006】ここで、ジルコニアチューブ4の内、外面
には、内側電極5、外側電極6が設けられ、内側電極5
は後述の導電性筒体11に接続されている。また、外側
電極6はホルダ2等を介してエンジンの排気管等にアー
スされる。そして、ジルコニアチューブ4は、外側の排
気ガスと内側の大気との間で酸素濃度に差が生じると、
この酸素濃度差に基づき内側電極5、外側電極6間に起
電力を発生させ、この起電力を検出信号として外部に出
力するものである。
【0007】7はジルコニアチューブ4の基端側に位置
してケーシング1内に配設された絶縁筒体で、該絶縁筒
体7はアルミナ等のセラミックス材料によって段付筒状
に形成され、先端側がホルダ2内に嵌合されている。
【0008】8は絶縁筒体7と共にケーシング1内に配
設された絶縁カバーで、該絶縁カバー8は絶縁筒体7と
同様にアルミナ等のセラミックス材料によって段付の有
底筒状に形成され、その先端側は開口部8Aとなって絶
縁筒体7に嵌合している。また絶縁カバー8の基端側は
底部8Bとなってキャップ3の底部側に挿通され、該底
部8Bの中央部には後述のヒータ9を軸方向に位置決め
すべく、ヒータ9の基端側端面に向けて突出したストッ
パ8Cが一体形成されている。
【0009】9はジルコニアチューブ4を加熱する棒状
のヒータで、該ヒータ9は基端側9Aがターミナル部と
なって後述のコンタクトスプリング12とコンタクトプ
レート10によって挟持されると共に、軸方向の中間部
が導電性筒体11によって絶縁筒体7内に位置決めさ
れ、先端側9Bがジルコニアチューブ4の先端側まで延
在している。
【0010】ここで、ヒータ9は例えばアルミナ等のセ
ラミックス材料を用いて棒状の円柱体として形成されて
いる。そして、ヒータ9を形成するヒータコアの外周に
は、ヒータパターン(図示せず)が曲面印刷等の手段で
形成され、ヒータパターンの外周を保護層によって被覆
することによって形成されている。
【0011】10は絶縁筒体7と絶縁カバー8の内側を
軸方向に延びる導電性のコンタクトプレートで、該コン
タクトプレート10は、先端側が導電性筒体11を介し
てジルコニアチューブ4の内側電極5に接続され、基端
側が絶縁カバー8の底部8Bを介してシール部材18内
に突出している。
【0012】12,12は絶縁カバー8内に設けられた
一対のコンタクトスプリング(一方のみ図示)で、該各
コンタクトスプリング12は、略U字状に屈曲した小径
の金属製ロッドからなり、先端側がヒータ9の基端側9
Aに電気的に接続されると共に、基端側が絶縁カバー8
の底部8Bを介してシール部材18側に突出している。
【0013】13はキャップ3の底部側と絶縁カバー8
の底部8Bとの間に配設されたディスクスプリングで、
該ディスクスプリング13は、絶縁カバー8を介して絶
縁筒体7を軸方向に押圧することによって、導電性筒体
11をジルコニアチューブ4の内側電極5に強く接触さ
せると共に、ケーシング1内で絶縁筒体7、絶縁カバー
8およびジルコニアチューブ4等を位置決めしている。
【0014】14はジルコニアチューブ4からの検出信
号を外部に導出する信号出力用のリード線で、該信号用
リード線14は、先端側がコンタクトプレート10に接
続され、基端側がシール部材18を介してケーシング1
外に引出されている。また、15,15はヒータ9に外
部から給電を行う給電用リード線で、該各給電用リード
線15は、先端側がコンタクトスプリング12に接続さ
れ、基端側がシール部材18を介してケーシング1外に
引出されている。
【0015】16はキャップ3の底部側にカシメ固定さ
れたアウタキャップ、17は該アウタキャップ16内に
配設されたシール筒を示し、該シール筒17はフッ素樹
脂材料により段付筒状に形成され、例えば120°程度
の角度間隔をもって3個のリード線挿通穴17Aが穿設
されている。
【0016】18,18,…はシール筒17の各リード
線挿通穴17A内に設けられたシール部材を示し、該各
シール部材18は各リード線14,15とシール筒17
との間をシールし、Oリング19と共に外部の雨水等が
ケーシング1内に侵入するのを防止している。
【0017】さらに、20はホルダ2から突出するジル
コニアチューブ4の先端部分を保護すべくホルダ2に取
付けられた有蓋筒状のプロテクタを示し、該プロテクタ
20には多数の長孔状の窓部23Aが形成され、該各窓
部23Aは排気管内を流れる排気ガスをジルコニアチュ
ーブ4の周囲に導くようになっている。
【0018】従来技術による酸素センサは上述の如き構
成を有するもので、次にその作動について説明する。
【0019】まず、酸素センサは、ケーシング1がホル
ダ2のおねじ部2Aを介して車両の排気管等に螺着さ
れ、ジルコニアチューブ4の先端側が排気管内に突出し
た状態で固定される。そして、エンジンの作動時に排気
管内を排気ガスが流れると、この排気ガスの酸素濃度は
ジルコニアチューブ4内の大気との間に大きな濃度差を
生じる。
【0020】この結果、ジルコニアチューブ4の内側電
極5と外側電極6との間には起電力が発生し、この起電
力は検出信号として、導電性筒体11、コンタクトプレ
ート10、信号用リード線14等を介してエンジン制御
用のコントロールユニット等に出力される。これによ
り、コントロールユニットでは空燃比のフィードバック
制御等を行う。
【0021】また、コントロールユニットは、例えばエ
ンジンの始動時にジルコニアチューブ4が低温である場
合に、酸素センサの給電用リード線15、コンタクトス
プリング12等を介してヒータ9に給電を行う。これに
より、ジルコニアチューブ4をヒータ9からの熱により
350℃程度の温度まで加熱して活性化させ、空燃比の
フィードバック制御等を早期に開始できるようにする。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術では、ジルコニアチューブ4を活性化させた状態
で酸素センサとして用いるには、ヒータ9によってジル
コニアチューブ4を350℃程度まで加熱し、ジルコニ
アチューブ4を活性化させておく必要がある。
【0023】然るに、従来技術による酸素センサでは、
ジルコニアチューブ4、ヒータ9等の製造誤差、加工誤
差、挿入性の確保等のため、このジルコニアチューブ4
とヒータ9との間には通常0.5mm程度の環状の隙間
Aが存在し、この隙間Aは空気層となっている。
【0024】このように、従来技術による酸素センサ
は、ヒータ9を加熱しても隙間Aに存在する空気層が原
因となってジルコニアチューブ4に熱が伝わりにくい構
造となっている。このため、寒冷地におけるコールドス
タート時には、ヒータ9を加熱してもジルコニアチュー
ブ4を活性化する温度まで高めるには、例えば30〜6
0秒程度の長時間を必要とし、低温時の検出性能に劣る
という問題がある。
【0025】一方、この問題を解決する対策として、ヒ
ータ9の熱容量を高める方法も考えられるが、この場合
には酸素センサ自体が大型化してしまうという新たな問
題が生じる。
【0026】本発明は、このような従来技術による問題
点を解決し、ヒータに給電を開始してから酸素濃度検出
素子を活性化させるまでの時間を短縮しうるようにした
酸素センサを提供することを目的としている。
【0027】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために本発明は車両に取付けられる筒状のケーシング
と、先端部が閉塞された筒状体によって形成され、前記
ケーシングの先端側に取付けられて排気ガス中の酸素濃
度を内側電極と外側電極との間で検出する酸素濃度検出
素子と、セラミックス材料によって棒状体として形成さ
れ、先端側が該酸素濃度検出素子の先端側まで挿入され
て該酸素濃度検出素子を加熱するヒータとを備えてなる
酸素センサに適用される。
【0028】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、酸素濃度検出素子の筒部内周面とヒータの先端
側外周面との間には、これらの隙間を埋めるために熱伝
導性の高い多孔質材を設けたことにある。
【0029】このように構成したことにより、酸素濃度
検出素子にヒータの先端側を挿入したときには、これら
の間は空気層が存在しない程度に密着状態で嵌合させる
ことができる。これにより、ヒータを加熱したときに
は、該ヒータからの熱は多孔質材を経由して酸素濃度検
出素子に直接的に伝熱することができ、該酸素濃度検出
素子の活性時間を短縮することができる。
【0030】また、多孔質材は酸素濃度検出素子の内周
側の大気が流通可能な材料によって形成されているか
ら、酸素濃度検出素子の内周面に設けられた内側電極に
大気中の酸素を供給することができ、酸素濃度検出素子
とヒータとの間に空気層が介在しない状態であったとし
ても、内側電極と外側電極との間では酸素濃度の検出を
行うことができる。
【0031】また、請求項2の発明は、多孔質材をアル
ミナ、ジルコニア、スピネルまたはこれらの混合体から
なるセラミックス材料としたことにある。
【0032】この場合、アルミナ、ジルコニア、スピネ
ル等の熱伝導率の高い材料を用いて多孔質材を形成した
から、ヒータからの熱をより短時間で酸素濃度検出素子
に伝熱することができる。
【0033】また、請求項3の発明は、ヒータはセラミ
ックス材料によって形成し、多孔質材をヒータの先端側
の隙間にスピネルを溶射することによって形成されたス
ピネル多孔質層としたことにある。
【0034】これにより、ヒータの先端側にスピネルを
溶射し、スピネル多孔質層を形成した後に、ヒータを酸
素濃度検出素子に挿入することができる。従って、スピ
ネルヒータからの熱は、スピネル多孔質層を経由して酸
素濃度検出素子に直接的に伝熱することができると共
に、酸素濃度検出素子の内周面に設けられた内側電極に
大気中の酸素を供給することができる。
【0035】また、請求項4の発明は、多孔質材を酸素
濃度検出素子の内周面とヒータの外周面との間に介在さ
れたアルミナスリップとしたことにある。
【0036】この場合、酸素濃度検出素子の内周側にア
ルミナスリップを注入し、ヒータを挿入した後に乾燥さ
せることによって、酸素濃度検出素子とヒータとの間に
アルミナスリップを介在させることができる。これによ
り、ヒータからの熱は、アルミナスリップを経由して酸
素濃度検出素子に直接的に伝熱することができると共
に、酸素濃度検出素子の内周面に設けられた内側電極に
大気中の酸素を供給することができる。
【0037】さらに、請求項5の発明は、多孔質材を酸
素濃度検出素子の内周面とヒータの外周面との間に介在
されたアルミナ粉としたことにある。
【0038】このように構成したことにより、酸素濃度
検出素子の内周側にアルミナ粉を所望量だけ注入した後
にヒータを挿入することによって、アルミナ粉によって
酸素濃度検出素子とヒータとの間の隙間を容易に埋める
ことができる。従って、ヒータからの熱は、アルミナ粉
を経由して酸素濃度検出素子に直接的に伝熱することが
できると共に、酸素濃度検出素子の内周面に設けられた
内側電極に大気中の酸素を供給することができる。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る酸素センサの
実施の形態を図1ないし図5を参照しつつ詳細に説明す
る。
【0040】なお、本発明の実施の形態においては、ヒ
ータを除きケーシング、酸素濃度検出素子等を含むその
他の構成は従来技術のものと変わるところがないので、
これら同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を
省略するものとする。
【0041】図1および図2は本発明に係る第1の実施
の形態を示し、21はこの実施の形態に用いる棒状のヒ
ータで、該ヒータ21は従来技術のヒータ9と同様にセ
ラミックス材料を用いて棒状の円柱体として形成されて
いる。即ち、ヒータ21を形成するヒータコアの外周に
はヒータパターン(図示せず)が形成され、このヒータ
パターンは保護層によって覆われている。そして、前記
ヒータ21は、その基端側21Aが給電用リード線、コ
ンタクトスプリングを介して給電され、ヒータパターン
が発熱するものである。
【0042】22はヒータ21の先端側21Bの外周に
設けられたスピネル多孔質層で、該スピネル多孔質層2
2はセラミックス材料からなるヒータ21の外周に、ス
ピネルをプラズマ雰囲気中等で溶射することにより形成
されている。
【0043】即ち、スピネル多孔質層22は、例えば溶
射手段を用いてジルコニアチューブ4の内周面とヒータ
21の外周面との隙間Aを埋める程度の厚さ、例えば
0.4〜0.5mm程度の膜厚で、かつ軸方向には例え
ば20〜30mm程度の長さLに成膜されている。ここ
で、内側電極5はジルコニアチューブ4の内周側にほぼ
J字状に形成されており、スピネル多孔質層22はJ字
状をなす内側電極5の折り返し部分に相当する長さ、即
ち約25〜30mmの範囲内に位置して設けられてい
る。
【0044】また、スピネル多孔質層22は、スピネル
をプラズマ溶射するときの溶射層として形成されるもの
であるから、この溶射層は多孔質層として形成され、空
気の流通が可能な状態となっている。このため、ジルコ
ニアチューブ4の内周面側ではスピネル多孔質層を経由
して大気中の酸素が内側電極5に向けて流通可能となっ
ている。
【0045】従って、ジルコニアチューブ4が活性化し
ている状態で、該ジルコニアチューブ4の内周側(大気
側)から外周側(排気側)に向けて酸素イオンが拡散
し、排気ガス中の酸素濃度に対応した起電力が発生可能
な状態となっている。
【0046】本実施の形態による酸素センサは上述のよ
うに構成されるが、ジルコニアチューブ4を排気ガス中
に位置して取付けることにより、該ジルコニアチューブ
4の内周側と外周側との間の酸素濃度に対応して起電力
を発生させる点では従来技術によるものと変わるもので
はない。
【0047】然るに、第1の実施の形態によれば、ヒー
タ21の外周にスピネル多孔質層22を設け、しかもこ
のスピネル多孔質層22はジルコニアチューブ4とヒー
タ21との間の隙間Aを埋める程度の厚さに形成されて
いる。したがって、ジルコニアチューブ4にヒータ21
の先端側21Bを挿入したときには、これらの間は空気
層が僅かしか存在しない程度に嵌合させることができ
る。
【0048】これにより、ヒータ21に給電し、加熱し
たときには、該ヒータ21からの熱は、熱伝導率の高い
スピネル多孔質層22を経由してジルコニアチューブ4
に直接的に伝熱することができ、該ジルコニアチューブ
4の活性時間を短縮することができ、通電後から短時間
で正確な酸素濃度の測定が可能となる。
【0049】また、スピネル多孔質層22は多孔質な溶
射層として形成されているから、ジルコニアチューブ4
とスピネル多孔質層22との間に隙間が存在しない状態
であっても、大気側の酸素を内側電極5に直接的に供給
可能となっており、正確に酸素濃度の検出を行うことが
できる。
【0050】さらに、ヒータ21の先端側21Bにスピ
ネル多孔質層22を予め溶射して形成したから、ヒータ
21をスピネル多孔質層22と共にジルコニアチューブ
4内へと容易に挿入でき、スピネル多孔質層22をヒー
タ21とジルコニアチューブ4との間に確実に配設する
ことができる。
【0051】次に、図3および図4は本発明による第2
の実施の形態を示し、本実施の形態の特徴はジルコニア
チューブ内にアルミナスリップを注入した後、該ジルコ
ニアチューブにヒータを挿入することにより、これらの
間にアルミナスリップを介在させる構成としたことにあ
る。なお、本実施の形態ではジルコニアチューブ、ヒー
タ等は従来技術のものと変わるところがないので、これ
らには同一の符号を付し、その説明を省略するものとす
る。
【0052】31は本実施の形態によるアルミナスリッ
プ層で、該アルミナスリップ層31は、アルミナの粉体
に水を混入し、アルミナと水とによって泥状の流動物を
なしたアルミナスリップ32を乾燥させたものである。
【0053】そして、酸素センサを製造するときには、
図4に示す如く、アルミナスリップ32をジルコニアチ
ューブ4内に所望量だけ注入し、この後にジルコニアチ
ューブ4にヒータ9の先端側9Bを挿入し、アルミナス
リップ32を乾燥させる。これにより、ジルコニアチュ
ーブ4の内周面とヒータ9の外周面との間には、例えば
20〜30mm程度の長さLの範囲に亘って多孔質なア
ルミナスリップ層31が形成される。
【0054】本実施の形態による酸素センサはこのよう
に構成されるが、ジルコニアチューブ4の内周面とヒー
タ9の外周面との間にアルミナスリップ層31を介在さ
せているから、ヒータ9からの熱は該アルミナスリップ
層31を経由してジルコニアチューブ4に直接的に伝熱
可能な状態になっている。
【0055】従って、第1の実施の形態と同様に、ヒー
タ9に給電を開始してから短時間でジルコニアチューブ
4を活性させることができる。また、アルミナスリップ
層31は多孔質層として形成されているから、大気側の
酸素を内側電極5に供給可能となっている。
【0056】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。
【0057】次に、図5は本発明による第3の実施の形
態を示し、本実施の形態の特徴はジルコニアチューブ内
にアルミナ粉を注入した後、該ジルコニアチューブにヒ
ータを挿入することにより、これらの間にアルミナ粉を
介在させる構成としたことにある。なお、本実施の形態
ではジルコニアチューブ、ヒータ等は従来技術のものと
変わるところがないので、これらには同一の符号を付
し、その説明を省略するものとする。
【0058】41はアルミナの粉体からなるアルミナ粉
層で、該アルミナ粉層41は第2の実施の形態によるア
ルミナスリップ層31の場合とほぼ同様に、アルミナ粉
をジルコニアチューブ4内に所望量だけ充填し、この後
にジルコニアチューブ4にヒータ9の先端側9Bを挿入
することにより形成されている。そして、アルミナ粉層
41は、ジルコニアチューブ4の内周面とのヒータ9の
外周面との間に例えば20〜30mm程度の長さLの範
囲に亘って配設され、この位置で多孔質状態を保持して
いる。
【0059】本実施の形態による酸素センサはこのよう
に構成されるが、ジルコニアチューブ4の内周面とヒー
タ9の外周面との間にアルミナ粉層41を介在させてい
るから、ヒータ9からの熱は該アルミナ粉層41を経由
してジルコニアチューブ4に直接的に伝熱可能な状態に
なっている。このため、第1の実施の形態と同様にヒー
タ9に給電を開始してから短時間でジルコニアチューブ
4を活性させることができる。また、アルミナ粉層41
は多孔質層として形成されているから、大気側の酸素を
内側電極5に供給可能となっている。
【0060】かくして、このように構成される本実施の
形態でも、前記第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果
を得ることができる。
【0061】なお、前記第1の実施の形態では、多孔質
層としてスピネルを用いたスピネル多孔質層22を例示
したが、アルミナ、ジルコニア等の他のセラミックス材
料またはこれらの混合体を溶射してもよい。
【0062】また、前記第2の実施の形態では、アルミ
ナスリップ層31を用いるものとして例示したが、ジル
コニアスリップ、スピネルスリップ等の他のセラミック
ス材料またはこれらの混合体を用いてもよい。一方、第
3の実施の形態では、アルミナ粉層41を形成するため
アルミナ粉を注入するものとして例示したが、ジルコニ
ア粉、スピネル粉等の他のセラミックス材料またはこれ
らの混合体を注入してもよい。
【0063】また、第2,第3の実施の形態では、アル
ミナスリップ層31、アルミナ粉層41を約20〜30
mm程度の長さLの範囲内に設けるものとして述べた
が、ジルコニアチューブの内周側の全長に亘って設けて
もよい。このことは第1の実施の形態によるスピネル多
孔質層22においても同様であって、その長さLは内側
電極5の範囲内に限定されるものではない。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1に記載の発
明によれば、酸素濃度検出素子の筒部内周面と棒状のヒ
ータの先端側外周面との間に熱伝導性の高い多孔質材を
設ける構成としたから、この多孔質材を酸素濃度検出素
子の筒部とヒータとの間に密着した状態で介在させるこ
とができ、ヒータに給電して加熱したときには、該ヒー
タからの熱を、空気層を経由することなく、多孔質材を
介して酸素濃度検出素子に直接的に伝えることができ
る。これにより、酸素濃度検出素子を活性化するのに必
要な活性時間を短縮でき、ヒータに通電を開始してから
短時間で正確な酸素濃度の測定を開始できると共に、エ
ンジンの始動時等における酸素センサの検出性能を確実
に向上させることができる。また、多孔質材を用いるこ
とにより、これを酸素濃度検出素子とヒータとの間に密
着させて配置した状態でも、大気側の酸素を多孔質材の
内部を通じて酸素濃度検出素子の内側電極に安定して供
給でき、酸素濃度を正確に検出することができる。
【0065】また、請求項2の発明によれば、多孔質材
を、アルミナ、ジルコニア、スピネルまたはこれらの混
合体からなるセラミックス材料によって構成したので、
ヒータからの熱を熱伝導率の高い多孔質材を経由して酸
素濃度検出素子へと効率よく伝えることができ、ヒータ
に給電を開始してから短時間で酸素濃度検出素子を活性
化させることができる。
【0066】さらに、請求項3の発明によれば、多孔質
材をスピネル多孔質層によって構成したから、スピネル
多孔質層をヒータの先端側に予め溶射して形成でき、ヒ
ータの先端側と酸素検出素子の筒部との間にスピネル多
孔質層を確実に配設することができる。そして、ヒータ
からの熱をスピネル多孔質層を経由して酸素濃度検出素
子へと効率よく伝えることができ、酸素濃度検出素子の
内側電極に大気中の酸素を安定して供給することができ
る。
【0067】また、請求項4の発明によれば、多孔質材
をアルミナスリップにより構成したから、ヒータからの
熱を多孔質のアルミナスリップを経由して酸素濃度検出
素子へと効率よく伝えることができ、酸素濃度検出素子
の内側電極に大気中の酸素を安定して供給することがで
きる。
【0068】さらに、請求項5の発明によれば、多孔質
材をアルミナ粉により構成したから、ヒータからの熱を
多孔質のアルミナ粉を経由して酸素濃度検出素子へと効
率よく伝えることができ、酸素濃度検出素子の内側電極
に大気中の酸素を安定して供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による酸素センサの
ジルコニアチューブ、ヒータおよびスピネル多孔質層を
示す断面図である。
【図2】スピネル多孔質層を形成したヒータをジルコニ
アチューブ内に挿入する前の状態を示す断面図である。
【図3】第2の実施の形態による酸素センサのジルコニ
アチューブ、ヒータおよびアルミナスリップを示す断面
図である。
【図4】アルミナスリップを注入したジルコニアチュー
ブ内にヒータを挿入する前の状態を示す断面図である。
【図5】第3の実施の形態による酸素センサのジルコニ
アチューブ、ヒータおよびアルミナ粉を示す断面図であ
る。
【図6】従来技術による酸素センサを示す縦断面図であ
る。
【図7】図6中のジルコニアチューブとヒータとを示す
断面図である。
【符号の説明】
1 ケーシング 4 ジルコニアチューブ(酸素濃度検出素子) 5 内側電極 6 外側電極 9,21 ヒータ 22 スピネル多孔質層 31 アルミナスリップ層 41 アルミナ粉層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両に取付けられる筒状のケーシング
    と、先端部が閉塞された筒状体によって形成され、前記
    ケーシングの先端側に取付けられて排気ガス中の酸素濃
    度を内側電極と外側電極との間で検出する酸素濃度検出
    素子と、セラミックス材料によって棒状体として形成さ
    れ、先端側が該酸素濃度検出素子の先端側まで挿入され
    て該酸素濃度検出素子を加熱するヒータとを備えてなる
    酸素センサにおいて、 前記酸素濃度検出素子の筒部内周面と前記ヒータの先端
    側外周面との間には、これらの隙間を埋めるために熱伝
    導性の高い多孔質材を設けたことを特徴とする酸素セン
    サ。
  2. 【請求項2】 前記多孔質材は、アルミナ、ジルコニ
    ア、スピネルまたはこれらの混合体からなるセラミック
    ス材料である請求項1に記載の酸素センサ。
  3. 【請求項3】 前記ヒータはセラミックス材料によって
    形成し、前記多孔質材は前記ヒータの先端側の隙間にス
    ピネルを溶射することによって形成されたスピネル多孔
    質層である請求項1または2に記載の酸素センサ。
  4. 【請求項4】 前記多孔質材は前記酸素濃度検出素子の
    内周面と前記ヒータの外周面との間に介在されたアルミ
    ナスリップである請求項1または2に記載の酸素セン
    サ。
  5. 【請求項5】 前記多孔質材は前記酸素濃度検出素子の
    内周面と前記ヒータの外周面との間に介在されたアルミ
    ナ粉である請求項1または2に記載の酸素センサ。
JP10060623A 1998-02-25 1998-02-25 酸素センサ Pending JPH11242012A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10060623A JPH11242012A (ja) 1998-02-25 1998-02-25 酸素センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10060623A JPH11242012A (ja) 1998-02-25 1998-02-25 酸素センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH11242012A true JPH11242012A (ja) 1999-09-07

Family

ID=13147617

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10060623A Pending JPH11242012A (ja) 1998-02-25 1998-02-25 酸素センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH11242012A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002323472A (ja) * 2001-04-27 2002-11-08 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ
JP2002340844A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002323472A (ja) * 2001-04-27 2002-11-08 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ
JP2002340844A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ
JP4544779B2 (ja) * 2001-05-21 2010-09-15 日本特殊陶業株式会社 センサ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPS6329219B2 (ja)
US4591423A (en) Oxygen sensor
JPWO2007004583A1 (ja) 液体状態検知センサ
JPH0416931Y2 (ja)
JPH02287147A (ja) 酸素検知装置
JP2792225B2 (ja) 酸素センサ
JP4865572B2 (ja) ガスセンサ素子、ガスセンサ及びNOxセンサ
JP2838346B2 (ja) セラミックスヒータおよびその製造方法
WO2016002793A1 (ja) ガスセンサ
JP3650266B2 (ja) ヒータ付き酸素センサの制御装置
US6889536B2 (en) Air/fuel-ratio detecting apparatus
JPH11194055A (ja) 排ガス温度および空気/燃料比数ラムダの決定方法および該方法を実施するためのセンサ装置
JPH11242012A (ja) 酸素センサ
JP2001108648A (ja) ガスセンサ
JP2004198360A (ja) ガスセンサ
JP2003232768A (ja) 酸素センサ
JP2003287516A (ja) 酸素センサ
JPH0311577Y2 (ja)
JP4015569B2 (ja) 空燃比検出装置
JP3366386B2 (ja) 空燃比検出素子
JPH11153572A (ja) ガス濃度測定用センサ
JPH0623964Y2 (ja) 酸素センサ
JP4212204B2 (ja) 酸素センサ
JP4390841B2 (ja) 酸素センサ
JP3761379B2 (ja) 酸素センサ