JPH11241770A - 金属ガスケット材と金属ガスケット及びこれらの製造方法 - Google Patents

金属ガスケット材と金属ガスケット及びこれらの製造方法

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JPH11241770A
JPH11241770A JP10043891A JP4389198A JPH11241770A JP H11241770 A JPH11241770 A JP H11241770A JP 10043891 A JP10043891 A JP 10043891A JP 4389198 A JP4389198 A JP 4389198A JP H11241770 A JPH11241770 A JP H11241770A
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Japan
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metal gasket
metal sheet
hole
gasket material
thin layer
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JP10043891A
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Yoshitake Suzuki
良剛 鈴木
Fumio Iwane
文男 岩根
Hiroshi Yamada
廣志 山田
Kazuo Ochiai
和男 落合
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Daido Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い精度と密封性能を有する金属ガスケット材
とこれを用いた金属ガスケット等を提供する。 【解決手段】ステンレス鋼等からなる金属シート1と、
このシート1の一方の表面に一体に積層したアルミニウ
ムの薄層2とを有するクラッド層4と、このクラッド層
4に設けた貫通孔5とを有し、この貫通孔5の周縁にお
ける上記アルミニウムの薄層2に上記貫通孔5の周方向
に沿って上記金属シート1と反対側に盛り上がるリング
状の隆起部3が形成されている金属ガスケット材6。ま
た、この隆起部3へのレーザ溶接等により更に別の金属
シート8を上記金属シート1と平行に配置し、上記別の
金属シート8にも上記貫通孔5と連通する透孔9が穿設
されている金属ガスケット10も含まれると共に、これ
らの製造方法も提案する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば車両用エン
ジンのシリンダブロックとシリンダヘッドとの間のよう
な高温・高圧のガスをシリンダ内に密封するのに用いら
れる金属ガスケットと、これに用いる金属ガスケット材
及びこれらの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンのシリンダブロックとシリンダ
ヘッドとの間には、図6(A)に示すような断面の金属ガ
スケット12が介在している。このガスケット12は、
図示で上下一対のステンレス鋼の薄いシート13,14
と、これらの間にレーザ溶接Wにより溶着される円形の
薄いリング15とからなる。このリング15と上記各シ
ート13,14をそれぞれ貫通する透孔18は、図示し
ないシリンダの一部を形成する。尚、上記リング15
は、変形し易い純アルミニウム又はアルミニウム合金
(以下、単にアルミニウムと称する)から形成されてい
る。上記金属ガスケット12は、上記シート13,14
に孔明け加工を行い、且つアルミニウム薄板を円環状に
加工してリング15を成形すると共に、このリング15
に対し上記シート13,14とそれぞれレーザ溶接Wを
行う必要があるため、多くの加工工程を必要とすると共
に、そのためのコストが嵩む問題がある。
【0003】このために、図6(B′)に示すような金属
ガスケット材20を用いる方法も行われている。先ず、
図6(B)に示すように、一方のステンレス鋼のシート1
4に対し、アルミニウムの薄層16をクラッド圧延して
一体に積層する。次に、図6(B′)に示すように、シリ
ンダの内径と同じ貫通孔17を打ち抜き加工で形成す
る。更に、上記薄層16に対し、貫通孔17の周囲の薄
層16を幅数mmマスキングにより除いて、水酸化ナトリ
ウムを用いるエッチング加工を施す。その結果、図示の
ように円形の薄いリング15が形成された金属ガスケッ
ト材20が得られる。係るガスケット材20にステンレ
ス鋼のシート13を上記同様にレーザ溶接Wすることに
よっても、上記金属ガスケット12を得ることができ
る。
【0004】
【発明が解決すべき課題】しかし、このガスケット材2
0を用いる方法は、クラッド圧延して前記打ち抜き加工
を行うと共に、その後のエッチング加工は加工精度がバ
ラ附き易く且つ時間を要するため、全工程数、加工コス
ト、及び加工時間が嵩むという問題がある。本発明は、
高精度で確実な密封特性を発揮し得る金属ガスケットと
これに用いる金属ガスケット材を提供すると共に、それ
らの加工工程とそのコストを低減し得る金属ガスケット
材等の製造方法を提案することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するため、従来のような専用のアルミニウム製リング
を用いたりアルミニウムの薄層のみを特殊加工したりせ
ず、ステンレス鋼等とアルミニウムとのクラッド材を用
いて、これを打ち抜き加工する際に同時に前記リング相
当部分を得ることに着想して成されたものである。即
ち、本発明の金属ガスケット材は、ステンレス鋼等から
なる金属シートと、このシートの一方の表面に一体に積
層したアルミニウムの薄層とを有するクラッド層と、こ
のクラッド層に設けた単数又は複数の貫通孔とを有する
と共に、上記貫通孔の周縁における上記アルミニウムの
薄層に該貫通孔の周方向に沿って上記金属シートと反対
側に盛り上がるリング状の隆起部が形成されている、こ
とを特徴とする。尚、上記を含めて本発明におけるアル
ミニウムには、純アルミニウムとアルミニウム合金との
双方を含むものとする。
【0006】この金属ガスケット材によれば、アルミニ
ウムの薄層と一体のリング状の隆起部が、従来のリング
の作用を担うと共に、強固で高い密封性能を与えられ、
高温・高圧のガス等に充分耐える金属ガスケットを得る
ことを可能とする。しかも、貫通孔以外では上記金属シ
ートとアルミニウムの薄層とが一体のクラッド層になっ
ているので、薄い金属シートを使用でき、且つ軽量化も
図ることができる。また、前記アルミニウムの薄層が厚
さ10μm以上であり、且つ前記隆起部の高さが2μm
以上である、金属ガスケット材も含まれる。これによれ
ば、上記隆起部がシール性能を確実に発揮することがで
き、優れた金属ガスケットとすることができる。
【0007】尚、上記アルミニウムの薄層を厚さ10μ
m以上としたのは、これより薄いと高さ2μm以上の上
記隆起部が得られにくいためである。上記隆起部の高さ
は望ましくは3μm以上であり、これを得るために必要
となるアルミニウムの薄層の厚さは15μm以上であ
る。更に、本発明の金属ガスケットは、以上の金属ガス
ケット材に対し、そのリング状の隆起部にステンレス鋼
等からなる別の金属シートを溶接付けして前記金属シー
トと平行に配置すると共に、且つ上記別の金属シートに
前記貫通孔に連通する透孔が穿設されている、ことを特
徴とする。この金属ガスケットによれば、強固で高い密
封性能を有し、高温・高圧のガス等に充分耐えることが
できる。
【0008】一方、本発明の金属ガスケット材の製造方
法は、ステンレス鋼等からなる金属シートの一方の表面
にアルミニウムの薄層を一体に積層してクラッド層を形
成するクラッド工程と、上記クラッド層を500℃以下
の温度に加熱・保持する焼鈍工程と、焼鈍されたクラッ
ド層に対し打ち抜き加工を行い単数又は複数の貫通孔を
形成し、同時にこの貫通孔の周縁にその周方向に沿って
上記アルミニウムの薄層をリング状に盛り上げた隆起部
を上記金属シートの反対側に形成する成形工程と、を含
むことを特徴とする。この製造方法によれば、少ない工
程によって強固で精度の良い金属ガスケット材を正確で
確実に提供できると共に、加工コストも低減することが
可能となる。尚、上記クラッド層の焼鈍温度を500℃
以下としたのは、これを越えるとアルミニウムの薄層が
過剰に軟化し、次の成形工程で形成する隆起部の精度が
低下するためである。
【0009】また、前記焼鈍工程の温度が200℃〜4
00℃の範囲内にあり、及び/又は、前記成形工程に用
いる打ち抜き加工におけるクリアランスが5%以下であ
る、金属ガスケット材の製造方法も含まれる。これによ
れば、高さが3μm以上、少なくとも2μm以上の隆起
部を確実に形成させることができる。尚、上記焼鈍温度
が200℃未満では隆起部が高さ2μm以上になりにく
く、400℃超では隆起部の高さがバラ付き易くなるた
め除かれている。一方、上記クリアランスが5%を越え
ると隆起部が高さ2μm以上になりにくいので除外し
た。望ましいクリアランスは1.5%以下である。従っ
て、上記焼鈍温度とクリアランスの双方の範囲を満たす
と高さ2μm以上の隆起部を確実に形成することができ
る。尚、クリアランスはポンチとダイスとの隙間であ
り、クリアランスの「%」表示は、打ち抜かれる被剪断材
(金属シートとアルミニウムの薄層)の板厚に対する上記
隙間(片側)の割合を示す。
【0010】更に、本発明金属ガスケットの製造方法
は、以上の製造方法における各工程を含むと共に、前記
成形工程の後において、該成形工程で得られた金属ガス
ケット材に対し、そのリング状の隆起部にステンレス鋼
等からなり且つ前記貫通孔と連通する透孔を有する別の
金属シートを溶接付けして前記金属シートと平行に配置
する溶接工程を、含むことを特徴とする。これにより、
少ない工程によって高い密封性能を有する金属ガスケッ
トを確実に提供できると共に、加工コストも低減するこ
とが可能となる。尚、本発明の金属ガスケット材は、上
記のように金属ガスケットの主要部となるが、金属ガス
ケットとして単独に用いることも可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下において本発明の実施に好適
な形態を図面と共に説明する。図1は本発明の金属ガス
ケット材6を得るための製造工程を示す。先ず、図1
(A)に示すように、板厚約0.1mm〜0.5mmのステンレ
ス鋼等からなる比較的硬質の金属シート1と、厚さ10
μm超〜約50μmの例えばJIS;A1070等の柔らか
な純アルミニウムの薄層2を用意する。次に、上記金属
シート1とアルミニウムの薄層2とを積層して、図示し
ない一対の平ロール間に通すクラッド圧延を行う(クラ
ッド工程)。この圧延時における圧下率は、4%〜10
%の範囲が望ましい。圧下率が4%未満ではシート1と
薄層2との圧着不足が生じ得るためであり、10%超で
は薄層2が所望の厚さより薄くなり得るからである。
【0012】その結果、図1(B)に示すように、上記シ
ート1と薄層2とが互いに圧着され一体に積層されたク
ラッド層4が得られる。このクラッド層4におけるアル
ミニウムの薄層2の厚さは、後述する隆起部3を所定高
さ以上にして得るため、少なくとも10μm以上である
ことが望ましい。更に、このクラッド層4を500℃以
下に加熱・保持する焼鈍工程を行う。この焼鈍は、クラ
ッド層4におけるアルミニウムの薄層2内における上記
クラッド圧延による加工歪みを除去し、且つその軟化を
図るために行われる。係る薄層2の軟化によって、次に
行う打ち抜き加工により所望高さの隆起部を形成し易く
することができる。尚、後述する実施例に示すように、
この焼鈍は本発明の金属ガスケット材6を得るには、必
ずしも必須ではないが、精度良く且つ確実に製造するた
めに施されるものである。
【0013】次いで、上記焼鈍されたクラッド層4に対
し打ち抜き加工を行い、ガス等の圧力流体が通るための
貫通孔を形成する(成形工程)。具体的には、クラッド層
4を図示しないダイス上に載置して拘束し、且つポンチ
をスライドさせてダイスの孔内に挿入して戻す。この打
ち抜き加工時のクリアランス(片側)は、クラッド層4の
厚さの8%以下、望ましくは5%以下である。尚、ポン
チはクラッド層4の何れの表面側からスライドさせても
良い。その結果、図1(C)に示すように、所望形状とサ
イズの貫通孔5が形成されると同時に、この貫通孔5の
周縁におけるアルミニウムの薄層2側には、貫通孔5の
周方向に沿って金属シート1と反対側に盛り上がるリン
グ状の隆起部3が形成された金属ガスケット材6を得る
ことができる。
【0014】上記隆起部3の高さは、2μm以上、望ま
しくは3μm以上であることが求められる。このため、
前記焼鈍により薄層2を軟化すると共に、上記クリアラ
ンスを小さくして、ポンチの往復スライドに伴いその表
面に薄層2のアルミニウムが引っ張られることにより、
上記高さの隆起部3を成形することが可能となる。尚、
ポンチのスライド速度は、上記隆起部3を成形し易くす
るため、比較的遅いほうが望ましく、毎秒約10mm〜1
00mm程度の範囲内で適宜選定される。このような金属
ガスケット材6は、その隆起部3がクラッド層4におけ
る薄層2自体によってその一部として形成されているた
め、従来のように別体のリングを用いず且つ強固で高い
密封性能を発揮することができる。
【0015】また、金属ガスケット材6は、貫通孔5以
外の部分が金属シート1と薄層2とが一体のクラッド層
4からなるので、金属シート1を薄くして全体の軽量化
を図ることもできる。尚、貫通孔5は、用途に応じて単
数又は複数個が直列パターン等で、或いは内径や形状の
異なるものがガスケット材6に適宜併設される。最後
に、図2に示すように、上記金属ガスケット材6に対
し、その隆起部3にステンレス鋼等からなる硬質の別の
金属シート8が溶接付けWされ、金属ガスケット10が
得られる。上記金属シート8には、予め透孔9が穿設さ
れ、上記溶接Wにより上記貫通孔5と連通する。
【0016】尚、上記溶接Wには、隆起部3の頂部にお
けるアルミニウム自体を溶融させるレーザ溶接、超音波
溶接、又は電子ビーム溶接が用いられる。また、金属ガ
スケット10の図示しない周縁における薄層2と上記別
の金属シート8との間には、別のスぺーサが固着され
る。係る金属ガスケット10は、両面に硬質の一対の金
属シート1,8が配置され、その間にアルミニウムの薄
層2及びその一部である軟質の隆起部3が介在すると共
に、貫通孔5と透孔9は上記隆起部3を介して互いに連
通しているので、2つの部品間において締付けられると
上記隆起部3が変形してなじむ。しかも、硬質の各金属
シート1,8が全体の形状を保ち、且つ大きな締付力に
耐えることができるので、高い密封性能と耐久性を発揮
することができる。
【0017】
【実施例】以下において、本発明の具体的な実施例を説
明する。先ず、ステンレス鋼(SUS301S)からなる
板厚0.2mmの金属シート1と、純アルミニウム(A1
070)からなる5種類の厚さの薄層2とを個別に積層
して、圧下率6%によりクラッド圧延を行い金属シート
1とアルミニウムの薄層2が一体になったクラッド層4
を複数枚得た。このクラッド層4における上記薄層2の
厚さは、6μm、10μm、15μm、30μm、及び
50μmであった。次に、これらの一部はそのままと
し、残りのクラッド層4を2分し、各グループに対して
200℃×2分間と、400℃×2分間の焼鈍を個別に
施した。
【0018】更に、全てのクラッド層4に対し、ポンチ
とダイスを用い、クリアランスが8%、5%、1.5%
の何れかによる打ち抜き加工を行った。これにより得ら
れた貫通孔5を有する各金属ガスケット材6について、
形成されたそれぞれの隆起部3の高さをレーザ顕微鏡に
よって測定した。そして、横軸をアルミニウムの薄層2
の厚さ、縦軸を隆起部3の高さとして、焼鈍しなかった
金属ガスケット材6を図3のグラフに、200℃の焼鈍
を施した金属ガスケット材6を図4のグラフに、且つ4
00℃の焼鈍を施した金属ガスケット材6を図5のグラ
フにそれぞれ示した。
【0019】図3のグラフ(未焼鈍)では、クリアランス
が8%のものは、アルミニウムの薄層2の厚さに関わら
ず全く隆起部3が形成されず、クリアランス5%では薄
層2が厚さ50μmで隆起部3の高さが2μmを越え、
クリアランス1.5%では薄層2が厚さ30μm以上で
隆起部3の高さが2μmを越えていた。また、図4のグ
ラフ(焼鈍200℃)では、クリアランスが8%のものは
全く隆起部3が形成されず、クリアランス5%では薄層
2の厚さが50μmで隆起部3の高さが約4μmにな
り、クリアランス1.5%では薄層2の厚さが15μm
以上で隆起部3の高さが2μmであるかこれを越えてい
た。
【0020】更に、図5のグラフ(焼鈍400℃)では、
クリアランス8%でも薄層2の厚さが30μm以上では
隆起部3の高さが2μmを越え、クリアランス5%及び
1.5%では薄層2の厚さが15μmで既に隆起部3が
高さ2μmを越えていた。これらの結果から、焼鈍温度
が高い程、且つアルミニウムの薄層2が厚い程、更にク
リアランスが小さい程、隆起部3が高く形成される傾向
が理解される。これは、高い焼鈍温度により薄層2が適
度に軟化すると共に、クリアランスを小さくすることに
より、前記打ち抜き加工時に薄層2のアルミニウムがポ
ンチの表面に引っ張られて塑性変形し、隆起部3を形成
がされ易かったものと思われる。また、薄層2の厚さも
厚くなるに連れて、上記の作用が助長されたものと思わ
れる。これにより本発明の金属ガスケット材の製造方法
の効果が裏付けられる。
【0021】従って、隆起部3を2μm以上の高さにす
るには、未焼鈍では薄層2を50μm以上で且つクリア
ランスを5%以下にするか、或いは薄層2を30μm以
上とし、且つクリアランスを1.5%以下にする。また、
200℃の焼鈍の場合は薄層2を50μm以上で且つク
リアランスを5%以下にするか、或いは薄層2を30μ
m以上とし、且つクリアランスを1.5%以下にする。更
に、400℃の焼鈍の場合は薄層2を30μm以上にす
るか、或いは薄層2を15μm以上とし且つクリアラン
スを5%以下にすることが必要である。尚、隆起部3の
高さを3μm以上の望ましいものにするには、未焼鈍で
は薄層2を50μm以上で且つクリアランスを1.5%
以下に、200℃の焼鈍では薄層2を50μm以上で且
つクリアランスを5%以下に、また、400℃の焼鈍で
は薄層2を50μm以上にするか、薄層2を30μm以
上で且つクリアランスを5%以下にすることが必要であ
る。
【0022】本発明は以上において説明した形態や実施
例に限定されるものではない。金属シートには前記のほ
か、SUS304、SUS310、又はSUS310S
や、低合金鋼、バネ鋼、或いは高張力鋼等の材質を適用す
ることもできる。また、前記薄層のアルミニウムには、
前記と同様の純アルミニウム又は純アルミニウム系の展
伸用合金が望ましいが、Al−Cu系、Al−Mn系、A
l−Si系、Al−Mg系、Al−Mg−Si系、及び
Al−Zn系に属する各種の展伸用アルミニウム合金を
適用することも可能である。更に、貫通孔は円形の他、
楕円形や長円形、或いは変形円弧形状等用途に応じて各
種の形状にでき、隆起部もこれらに応じたリング形状に
することもできる。また、金属ガスケット(材)の用途
も、前記エンジンのシリンダブロックと同ヘッドの間の
ほか、高圧・高温の液体やガスを送給する配管同士の間
や高圧バルブの連結部、各種ポンプの連結部、油圧・空
気圧等の配管系等も含まれる。
【0023】
【発明の効果】以上において説明した本発明の金属ガス
ケット材と金属ガスケットによれば、強固で且つ高く安
定した密封性能を発揮すると共に、軽量化にも寄与でき
る。また、本発明の製造方法によれば、上記金属ガスケ
ット材と金属ガスケットを少ない工程で、精度良く確実
に製造できると共に、加工コストを低減し安価に提供す
ることが可能となる。特に、請求項5の製造方法によれ
ば、上記金属ガスケット材を一層正確且つ確実に製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)乃至(C)は本発明の金属ガスケット材の各
製造工程を示す部分断面図。
【図2】本発明の金属ガスケットを示す部分断面図。
【図3】未焼鈍の金属ガスケット材における薄層の厚さ
とクリアランスと隆起部の高さとの関係を示すグラフ。
【図4】焼鈍(200℃)した金属ガスケット材における
薄層の厚さとクリアランスと隆起部の高さとの関係を示
すグラフ。
【図5】焼鈍(400℃)した金属ガスケット材における
薄層の厚さとクリアランスと隆起部の高さとの関係を示
すグラフ。
【図6】(A)は従来の金属ガスケットを示す部分断面
図、(B)と(B′)は従来の金属ガスケット材の各製造工
程を示す部分断面図。
【符号の説明】
1……金属シート 2……薄層 3……隆起部 4……クラッド層 5……貫通孔 6……金属ガスケット材 8……別の金属シート 9……透孔 10…金属ガスケット W……溶接

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼等からなる金属シートと、こ
    のシートの一方の表面に一体に積層したアルミニウムの
    薄層とを有するクラッド層と、このクラッド層に設けた
    単数又は複数の貫通孔とを有すると共に、 上記貫通孔の周縁における上記アルミニウムの薄層に該
    貫通孔の周方向に沿って上記金属シートと反対側に盛り
    上がるリング状の隆起部が形成されている、ことを特徴
    とする金属ガスケット材。
  2. 【請求項2】前記アルミニウムの薄層が厚さ10μm以
    上であり、且つ前記隆起部の高さが2μm以上である、 ことを特徴とする請求項1に記載の金属ガスケット材。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の金属ガスケット材
    に対し、そのリング状の隆起部にステンレス鋼等からな
    る別の金属シートを溶接付けして前記金属シートと平行
    に配置すると共に、且つ上記別の金属シートに前記貫通
    孔に連通する透孔が穿設されている、ことを特徴とする
    金属ガスケット。
  4. 【請求項4】ステンレス鋼等からなる金属シートの一方
    の表面にアルミニウムの薄層を一体に積層してクラッド
    層を形成するクラッド工程と、 上記クラッド層を500℃以下の温度に加熱・保持する
    焼鈍工程と、 焼鈍されたクラッド層に対し打ち抜き加工を行い単数又
    は複数の貫通孔を形成し、同時にこの貫通孔の周縁にそ
    の周方向に沿って上記アルミニウムの薄層をリング状に
    盛り上げた隆起部を上記金属シートの反対側に形成する
    成形工程と、 を含むことを特徴とする金属ガスケット材の製造方法。
  5. 【請求項5】前記焼鈍工程の温度が200℃〜400℃
    の範囲内にあり、及び/又は、前記成形工程に用いる打
    ち抜き加工におけるクリアランスが5%以下である、こ
    とを特徴とする請求項4に記載の金属ガスケット材の製
    造方法。
  6. 【請求項6】請求項4又は5に記載の金属ガスケット材
    の製造方法における各工程を含むと共に、前記成形工程
    の後において、該成形工程で得られた金属ガスケット材
    に対し、そのリング状の隆起部にステンレス鋼等からな
    り且つ前記貫通孔と連通する透孔を有する別の金属シー
    トを溶接付けして前記金属シートと平行に配置する溶接
    工程を、含むことを特徴とする金属ガスケットの製造方
    法。
JP10043891A 1998-02-25 1998-02-25 金属ガスケット材と金属ガスケット及びこれらの製造方法 Withdrawn JPH11241770A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057665A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 東洋鋼鈑株式会社 金属積層材及びその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017057665A1 (ja) * 2015-09-30 2017-04-06 東洋鋼鈑株式会社 金属積層材及びその製造方法

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