JPH11241417A - 補修材注入ホース及びコンクリート構造物の補修工法 - Google Patents

補修材注入ホース及びコンクリート構造物の補修工法

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JPH11241417A
JPH11241417A JP4008198A JP4008198A JPH11241417A JP H11241417 A JPH11241417 A JP H11241417A JP 4008198 A JP4008198 A JP 4008198A JP 4008198 A JP4008198 A JP 4008198A JP H11241417 A JPH11241417 A JP H11241417A
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repair
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concrete structure
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Shuichi Suzuki
秀一 鈴木
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Hayakawa Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート構造物の補修材をその粘度等に
かかわらず簡単に注入することができ、比較的安価に製
造することができる補修材注入ホースを得る。 【解決手段】 コンクリート構造物に予め埋め込まれ、
このコンクリート構造物の補修材が注入される補修材注
入ホース1であって、補修材注入ホース1がソリッドエ
ラストマーから形成されたホース本体3とコンクリート
の侵入を防止するスポンジゴムから形成された保護材4
とからなり、保護材4がホース本体3の周囲に配置され
ており、ホース本体3が補修材の注入圧によって破断す
る肉薄部6を有しており、保護材4が補修材を放出する
ことになる欠損部7を肉薄部6に対向する位置に有して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】コンクリート構造物の打継部
やクラック発生部等の水密性の劣る箇所に、コンクリー
ト打設に先だって敷設する補修材注入ホースに関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物の打継部等では、コ
ンクリート打設後に、漏水が発生し易く、補修が必要と
なることが多い。漏水部の補修には、止水材等の補修材
が用いられ、この補修材を注入するチューブが用いられ
る。かかるチューブは、止水材が流出する孔を有し、漏
水が予想される箇所に予め敷設される。チューブを敷設
した後、コンクリートを打設し、止水材をこのチューブ
に押圧注入して、この止水材をチューブの孔から流出さ
せる。コンクリート構造物の漏水部は、この流出した止
水材が漏水箇所を塞ぐことで補修される。
【0003】かかるチューブには、特表平6−5062
75号公報に記載されたものが知られている。図7は、
かかるチューブを一部切断した斜視図である。このチュ
ーブ41は、止水材等の注入材が注入される給送チュー
ブ42を含んでいる。給送チューブ42は、規則的に形
成された穿孔43を有しており、この穿孔43を通っ
て、給送チューブ42の内面から外面に向けて注入材が
通る。この給送チューブ42の周面のまわりには、圧縮
可能なケーシングを含むカバー44が巻かれており、ケ
ーシングは、注入材を通す微細孔を有する。この微細孔
は注入材を通すけれども、コンクリートは通さない。
【0004】かかるチューブ41は、コンクリート打設
時に、穿孔43からチューブ41内にコンクリートが進
入しないように、ケーシングが圧縮されることで変形す
る。また、このチューブ41は、コンクリート打設後
に、給送チューブ42内に注入された注入材を、ケーシ
ングに残るオープンチャネルを通してチューブ41の外
側に流出させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかるチューブは、構
造が複雑で、注入材の粘度等に応じて、ケーシングの微
細孔の孔径を調節しなければならず、この微細孔が打設
時のコンクリートで塞がれないように孔の表面をカバー
等で覆う必要がある。
【0006】また、かかるチューブを生産するには、
1)チューブ本体を生産し、2)チューブ本体に穿孔を
空け、3)チューブ本体の外周へコンクリート流入防止
材を取付ける3工程が少なくとも必要であり、比較的コ
ストが高くなる。
【0007】本発明は、コンクリート構造物の補修材を
その粘度等にかかわらず簡単に注入することができ、比
較的安価に製造することができる補修材注入ホースを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、コンクリート
構造物に予め埋め込まれ、前記コンクリート構造物の補
修材が注入される補修材注入ホースであって、前記補修
材注入ホースがソリッドエラストマーから形成されたホ
ース本体とコンクリートの侵入を防止するスポンジゴム
から形成された保護材とからなり、前記保護材が前記ホ
ース本体の周囲に配置されており、前記ホース本体が前
記補修材の注入圧によって破断する肉薄部を有してお
り、前記保護材が前記補修材を放出することになる欠損
部を前記肉薄部に対向する位置に有している、補修材注
入ホースに係るものである。
【0009】また、本発明は、コンクリート構造物に予
め埋め込まれ、前記コンクリート構造物の補修材が注入
される補修材注入ホースであって、前記補修材注入ホー
スがソリッドエラストマーから形成されたホース本体と
コンクリートの侵入を防止するスポンジゴムから形成さ
れた保護材とからなり、前記保護材が前記ホース本体の
周囲に配置されており、前記ホース本体が切り欠き部を
有しており、前記保護材が前記補修材の注入圧によって
破断する弱点部を前記切り欠き部に対向する位置に有し
ている、補修材注入ホースに係るものである。
【0010】図7に示したような注入材注入チューブ
は、ケーシングに設けられた微細孔をカバー等で覆い、
この微細孔の開気孔を調節することによって、打設時の
コンクリートの侵入を防止するとともに、注入材の放出
を制御する。
【0011】かかるチューブは、内部からの注入材の通
りを良くするために、ケーシングの網目を大きくするの
が好ましい。しかし、本発明者が検討したところ、ケー
シングの網目が大きくなると、コンクリート打設時にコ
ンクリートがチューブ内に流入することが判明した。ま
た、コンクリートの流入を防ぐために、ケーシングの網
目を小さくすると、粘度の高い注入材は流出し難くな
り、注入材の注入時に、高圧力の注入機が必要になっ
た。
【0012】このように、かかるチューブによる補修材
の放出制御では、補修材の放出は補修材の種類によって
大きく影響を受け、特に高粘度のコンクリート補修材を
放出させ難く、補修材を確実に放出させて完全にコンク
リート構造物を補修することができない。
【0013】本発明者は、補修材を粘度等に左右される
ことなく安定して放出させるため、種々の補修材注入ホ
ースを試作し検討した。
【0014】結果として、本発明者は、補修材注入ホー
スに予め微細孔を設けるのでなく、補修材注入ホース
に、補修材の注入圧によって始めて破断して補修材が放
出される部分を設けることが、種々の補修材を安定して
放出させることに極めて有効であることを突き止め、本
発明を完成させた。
【0015】本発明の補修材注入ホースは、ソリッドエ
ラストマーから形成されたホース本体とスポンジゴムか
ら形成された保護材とからなる。この保護材は、ホース
本体が保護され、コンクリートのホース本体への侵入が
防止されるように、ホース本体の周囲に配置する。本発
明では、かかる補修材注入ホースに、補修材の注入圧に
よって破断する部分を設ける。
【0016】本発明の補修材注入ホースでは、補修材を
放出するための微細孔を予め設けない。このため、本発
明の補修材注入ホースでは、コンクリート打設時のコン
クリートによって微細孔が塞がれることがない。
【0017】本発明では、止水材等の補修材が予め設け
られた微細孔を通って放出されるのではなく、補修材注
入ホースに設けた補修材を放出することになる部分を破
断させることで始めて補修材を放出させる。このため、
本発明では、補修材の放出は補修材の注入圧によって決
まり、補修材注入ホースが破断すれば、補修材は補修材
注入ホースの外部に放出される。
【0018】また、本発明の補修材注入ホースは、ソリ
ッドエラストマーからなるホース本体とスポンジゴムか
らなる保護材とから形成されており、ホース本体や保護
材の空隙には補修材が侵入しない。このため、本発明で
は、補修材注入ホースを破断部で効率よく破断させて、
補修材を効果的に外部に放出させることができる。
【0019】本発明のコンクリート構造物の補修工法で
は、かかる補修材注入ホースをコンクリート構造物に予
め埋め込むが、この補修材注入ホースには、コンクリー
ト打設時に流体コンクリートが侵入せず、補修材の放出
部が詰まることがなく、コンクリート打設後の補修材の
注入圧により、補修材注入ホースが破れ、補修材注入ホ
ースの外側に補修材が放出され、コンクリートの打継部
の隙間、クラック等を補修することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明では、補修材の注入圧によ
って破断し、補修材を放出することになる部分を、ソリ
ッドエラストマーからなるホース本体の肉薄部か、又は
スポンジゴムからなる保護材の弱点部のいずれかとす
る。
【0021】ホース本体に肉薄部を設けるとき、保護材
には、ホース本体の肉薄部に対向する位置に欠損部を設
ける。欠損部としては、保護材が完全に取り去られてお
り、ホース本体の肉薄部が露出している開口部であって
もよい。かかる補修材注入ホースでは、ホース本体の肉
薄部が補修材の注入圧によって破断し、放出された補修
材が保護材の開口部を通るか又は保護材を破断させて、
補修材が補修材注入ホースの外部に放出される。
【0022】保護材に弱点部を設けるとき、ホース本体
には、保護材の弱点部に対向する位置に切り欠き部を設
ける。かかる補修材注入ホースでは、補修材がホース本
体の切り欠き部を通り、この補修材の注入圧によって保
護材の弱点部が破断し、補修材が補修材注入ホースの外
部に放出される。
【0023】本発明においては、弱点部や欠損部を設け
た保護材も、ホース本体を保護する他に、コンクリート
打設時に伸縮することで、弱点部や欠損部内にコンクリ
ートが侵入するのを防止するか、又は侵入しても、ホー
ス本体内に打設時のコンクリートが侵入するのを防止す
る。
【0024】以下、図面を参照して、本発明を詳細に説
明する。図1は、本発明にかかる一例の補修材注入ホー
スの横断面図である。図2は、図1の補修材注入ホース
がコンクリート中に埋め込まれた状態を示す横断面図で
ある。図3は、図2の補修材注入ホースに補修材を注入
した様子を示す横断面図である。
【0025】図1に示すように、補修材注入ホース1
は、中空部2を有し、ソリッドエラストマーからなるホ
ース本体3の周囲には、スポンジゴムからなる圧縮可能
な保護材4を配置する。補修材注入ホース1には、ホー
ス本体3の内側に凹部5を設けており、この凹部5と対
向する位置に保護材4の開口部7を設けており、凹部5
と開口部7とによって肉薄部6を形成する。かかる肉薄
部6は少なくとも一箇所設けられていればよい。
【0026】図2に示すように、この補修材注入ホース
1をコンクリート8中に埋設する。この補修材注入ホー
ス1では、外圧としてはたらくコンクリート8の打設圧
力によって、保護材4が圧縮される。補助線9は保護材
4の元の大きさを示す。
【0027】この補修材注入ホース1には、中空部2に
補修材10を注入する。補修材10の注入圧力を上げる
と、図3に示すように、ホース本体3は内圧により、柔
らかい外側の保護材4を圧縮しながら拡がり、肉薄部6
が破れ、補修材10が補修材注入ホース1の外側へ流出
する。
【0028】かかる補修材注入ホースでは、予め微細孔
が設けられているのではないので、コンクリートの打設
によって微細孔が塞がれることがない。また、かかる補
修材注入ホースでは、止水材等の補修材が補修材注入ホ
ースに予め設けられた微細孔を通って放出されるのでは
なく、補修材注入ホースに設けたホース本体の肉薄部を
破断させることで始めて補修材を放出させる。このた
め、かかる補修材注入ホースにおいては、補修材の放出
は補修材の注入圧によって制御され、ホース本体の肉薄
部が破断することで、補修材が保護材の開口部を介して
補修材注入ホースの外部に放出される。
【0029】かかる補修材注入ホースは、コンクリート
構造物に予め埋め込まれるが、コンクリート打設時の流
体コンクリートの侵入が防止され、補修材の放出部が詰
まることがなく、コンクリート打設後に補修材を注入す
る時の圧力により、ホース本体の肉薄部が破れ、補修材
注入ホースの外側に補修材が放出され、コンクリートの
打継部の隙間、クラック等を補修することができる。
【0030】本発明では、補修材注入ホースへの注入材
としてコンクリート構造物の補修材を用いる。この補修
材には、コンクリート構造物を止水するための止水材や
防水材等の種々の注入材を単独又は併用して用いること
ができる。
【0031】図4は、本発明にかかる他の例の補修材注
入ホースの横断面図である。この補修材注入ホース11
では、保護材14の表面に窪み15を設け、また、ホー
ス本体13に切り欠き部19を設ける。保護材14の窪
み15は、切り欠き部19に対向する位置に設け、窪み
15を取り囲む保護材14は、中空部12に露出してい
る。この補修材注入ホース11には、窪み15によって
保護材14に弱点部17が設けられている。
【0032】この補修材注入ホース11では、保護材1
4が伸縮して打設時のコンクリートが補修材注入ホース
11内に侵入するのを防ぐとともに、保護材14の弱点
部17が補修材の注入圧によって破断し、窪み15が補
修材の放出口となって補修材が放出される。
【0033】この種の補修材注入ホースは、ソリッドエ
ラストマーから形成された比較的硬度の高いホース本体
とスポンジゴムから形成された比較的硬度の低い保護材
とからなる。このため、切り欠き部の回りのホース本体
は変形し難い一方、切り欠き部において露出する保護材
は変形し易い。また、本発明では、切り欠き部に露出す
る保護材の内部に形成された窪みによって弱点部が設け
られている。このため、この種の補修材注入ホースで
は、補修材の注入圧が切り欠き部において露出している
保護材、特にその弱点部に集中し、弱点部を効果的に破
断させることができる。
【0034】図5は、本発明にかかる更に他の例の補修
材注入ホースの横断面図である。この補修材注入ホース
21には、横断面で見て、四角形をした中空部22とこ
の中空部22の4つの角に設けられた切り欠き部29と
を有するホース本体23が用いられる。また、この補修
材注入ホース21の保護材24には、4つの窪み25に
よって弱点部27がそれぞれ形成されている。これらの
窪み25は、ホース本体23の切り欠き部29に対向す
る位置に設けられており、中空部22の4つの角ともそ
れぞれ対向している。
【0035】この補修材注入ホース21では、横断面で
見て、4つの弱点部27が補修材の注入圧によってそれ
ぞれ破断し、4つの窪み25がそれぞれ補修材の放出口
となって補修材が放出される。
【0036】この種の補修材注入ホースには、ホース本
体の中空部が、横断面で見て、多角形をしているものが
含まれる。横断面で見て多角形の中空部には、角部が必
ず存在する。これらの角部に切り欠き部を設けるととも
に、保護材の弱点部を設ければ、補修材の注入圧は角部
に集中し易く、弱点部を効果的に破断させることができ
る。中空部の形状としては、図示した四角形の他、三角
形、五角形等の多角形が含まれるが、補修材の注入圧が
集中し易いような鋭角を有するものが好ましい。
【0037】図6は、本発明にかかる更に他の例の補修
材注入ホースの横断面図である。この補修材注入ホース
31は、横断面で見て、ほぼ四角形の中空部32を有す
るホース本体33とこのホース本体33を取り巻く保護
材34とからなる。ホース本体33には、横断面で見
て、4つの切り欠き部39が中空部32の各辺のほぼ中
央に設けられている。また、保護材34には、これらの
切り欠き部39に対向する位置に窪み35がそれぞれ設
けられている。更に、保護材34は、各窪み35を取り
囲むようにして、各切り欠き部39において中空部32
に露出している。この中空部32に露出している保護材
34には、各窪み35に対向する位置に窪み36がそれ
ぞれ設けられており、窪み35と窪み36とによって4
つの弱点部37が形成されている。
【0038】この補修材注入ホース31でも、横断面で
見て、4つの弱点部37が補修材の注入圧によって破断
し、4つの窪み35がそれぞれ補修材の放出口となって
補修材が放出される。
【0039】この種の補修材注入ホースは、中空部が横
断面で見て、多角形をしており、その各辺のほぼ中央に
弱点部が設けられる。かかる構造の弱点部にも補修材の
注入圧が集中し、効果的に補修材注入ホースを破断させ
ることができる。
【0040】本発明では、補修材注入ホースのホース本
体と保護材の硬度を調節して、ホース本体の肉薄部又は
保護材の弱点部を補修材の注入圧によって破れ易くする
ことができる。
【0041】このためには、ホース本体の表面硬度(J
IS−Aタイプ表面硬度計による硬度)が40〜98で
あるのが好ましい。表面硬度が40未満では、ホース自
体の強度が十分でなく、注入材を中空部内に入れてホー
ス内圧が掛かった場合、低圧又は低応力でも、補修材注
入ホース全体の変形が大きく、効率良く肉薄部や弱点部
を破ることができない。また、表面硬度が98を超える
と、ホース本体の柔軟性が乏しくなり、曲線部等に対す
る追従性に欠け、作業性が著しく悪くなる。
【0042】本発明では、ホース本体の肉薄部又は保護
材の弱点部を補修材の注入圧によって破れ易くするため
に、ソリッドエラストマーからなるホース本体を用い
る。かかるホース本体は、天然ゴム及び合成ゴムの少な
くとも一方を用いて、これらゴムを単独で又は二種以上
混合して製造することができる。
【0043】合成ゴムとしては、スチレンブタジエンゴ
ム、エチレンプロピレンゴム、クロロプレンゴム、アク
リロニトリルブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エピク
ロヒドリンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム、シリコー
ンゴム、又は上記ゴム以外のエラストマーを用いること
ができる。これらのゴム類は、単独か又は二種以上混合
して使用することができる。
【0044】エラストマーとしては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレンビニルアセテート、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、スチレンブタジエ
ンブロックポリマー、スチレンイソプレンブロックポリ
マー等のポリマーを挙げることができる。
【0045】本発明では、ソリッドエラストマーの材質
を、上述したゴム、エラストマーに限定するものではな
く、種々のゴム材質やエラストマー材質の原料を用いる
ことができる。
【0046】本発明にかかるソリッドエラストマーは、
上述したゴムやエラストマー単独でも良いが、補修材の
注入圧によって肉薄部や弱点部を更に破れ易くするため
に、短繊維、補強繊維、補強金属コード等の補強材を部
分的に又は全体的にソリッドエラストマーと複合させる
ことが有効である。単繊維等の補強材は、単独でも二種
以上でも用いることができる。
【0047】短繊維や補強繊維には、化学繊維系のもの
と天然繊維系のものが用いられる。化学繊維系の繊維に
は、セルロース系、蛋白質系、ポリアミド系、ポリビニ
ルアルコール系、ポリエステル系、ポリアクリルニトリ
ル系、ポリ塩化ビニール系、ポリウレタン系、アラミド
系等の各種繊維を挙げることができる。天然繊維系の繊
維には、ガラス系、金属系、岩石系、種子毛系、靱皮
系、葉脈系、絹系、獣毛系、鉱物系等の種々の繊維が挙
げられる。
【0048】また、本発明にかかるホース本体では、補
強金属コード等の加工した補強材により、ソリッドエラ
ストマーを補強することもできる。
【0049】本発明においては、ホース本体の肉薄部や
保護材の弱点部を補修材の注入圧によって破れ易くする
ために、スポンジゴムからなる保護材を用いる。この保
護材は、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、エチレンプ
ロピレンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴ
ム、アクリロニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴ
ム、又は天然ゴムから選ばれた単体もしくは2種以上の
混合物をベースとする架橋ゴム系エラストマー又はポリ
プロピレン系、ポリエチレン系、ポリ塩化ビニル系、ス
チレンブタジエン系、スチレンイソプレン系、ウレタン
系等の熱可塑性エラストマーから選択することができ
る。本発明では、スポンジゴム、ソリッドエラストマー
ともに、特に材料的制約を受けるものではないが、好ま
しくは、スポンジゴムとソリッドエラストマーの接着性
が十分保たれていることが好ましく、ポリマー極性、ポ
リマー相溶性等、相性の良いものどうしの選択が望まし
い。
【0050】本発明では、保護材としてのスポンジゴム
の見掛け比重を、0.15〜0.8にするが好ましい。
見掛け比重が0.15未満では、保護材としての物理的
強度が弱く、コンクリート打設時の圧力で圧縮変形し過
ぎて、補修材注入時に、ホース本体の肉薄部や保護材の
弱点部が破れ難い。一方、見掛け比重が0.8を超える
と、注入圧により圧縮変形されず、補修材注入ホースが
破れ難く、また、補修材注入ホースの重量が重くなって
作業性が悪くなり、加えてコーナー部等の湾曲部に補修
材注入ホースを使用する場合、追従性が著しく悪くな
る。
【0051】本発明の補修材注入ホースは、次に述べる
方法で製造することができる。ゴム系ポリマーを使用す
る場合、通常使用されている押し出し機やブレードマシ
ンを用いる。補強繊維、ソリッドゴム及びスポンジゴム
を同時に予備成形し、これらを、UHF (ULTRA HIGH F
REQUENCY VULCANIZATION)加硫槽、HAV(HOT AIRVUL
CANIZATION )加硫槽、PCM(PARTCLE CURING MEDIUM
)加硫槽、LCM(LIQUID CURING MEDIUM)加硫槽等
の一般的に使用されている加硫槽を単独で又は二種以上
併用して、ゴム部を加熱硬化させることで成形すること
ができる。
【0052】熱可塑性エラストマーを使用する場合も、
一般的な方法と同じように、押出成形したソリッドエラ
ストマーと、ガス注入発泡させるか又は発泡剤分解発泡
させたエラストマーからなるスポンジゴムとを同時成型
によって成形することができる。
【0053】
【発明の効果】本発明の補修材注入ホースでは、コンク
リート構造物の打設時や補修時に、ホース本体や保護材
の空隙にコンクリートや補修材が侵入せず、補修材の注
入圧によってホース本体の肉薄部や保護材の弱点部が破
断して、補修材が補修材注入ホースの外部に放出され、
コンクリート構造物の打継部の隙間やクラック等が補修
される。かかる補修材注入ホースによれば、極めて効率
的にコンクリート構造物を補修することができる。
【0054】また、本発明の補修材注入ホースは、ホー
ス本体に微細孔を設ける必要がなく、ソリッドエラスト
マーからなるホース本体とスポンジゴムからなる保護材
とを同時に押出成型できるため、比較的安いコストで生
産することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一例の補修材注入ホースの横断
面図である。
【図2】コンクリート中に埋め込まれた補修材注入ホー
スの横断面図である。
【図3】補修材注入ホースに補修材を注入した様子を示
す横断面図である。
【図4】本発明にかかる他の例の補修材注入ホースの横
断面図である。
【図5】本発明にかかる更に他の例の補修材注入ホース
の横断面図である。
【図6】本発明にかかる更に他の例の補修材注入ホース
の横断面図である。
【図7】従来の注入材注入チューブを一部で切断した斜
視図である。
【符号の説明】
1、11、21、31 補修材注入ホース 2、12、22、32 中空部 3、13、23、33 ホース本体 4、14、24、34 保護材 5 凹部 6 肉薄部 7 開口部 8 コンクリート 9 補助線 10 補修材 15、25、35、36 窪み 17、27、37 弱点部 19、29、39 切り欠き部 41 注入材注入チューブ 42 給送チューブ 43 穿孔 44 カバー

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート構造物に予め埋め込まれ、
    前記コンクリート構造物の補修材が注入される補修材注
    入ホースであって、 前記補修材注入ホースがソリッドエラストマーから形成
    されたホース本体とコンクリートの侵入を防止するスポ
    ンジゴムから形成された保護材とからなり、前記保護材
    が前記ホース本体の周囲に配置されており、前記ホース
    本体が前記補修材の注入圧によって破断する肉薄部を有
    しており、前記保護材が前記補修材を放出することにな
    る欠損部を前記肉薄部に対向する位置に有していること
    を特徴とする、補修材注入ホース。
  2. 【請求項2】 コンクリート構造物に予め埋め込まれ、
    前記コンクリート構造物の補修材が注入される補修材注
    入ホースであって、 前記補修材注入ホースがソリッドエラストマーから形成
    されたホース本体とコンクリートの侵入を防止するスポ
    ンジゴムから形成された保護材とからなり、前記保護材
    が前記ホース本体の周囲に配置されており、前記ホース
    本体が切り欠き部を有しており、前記保護材が前記補修
    材の注入圧によって破断する弱点部を前記切り欠き部に
    対向する位置に有していることを特徴とする、補修材注
    入ホース。
  3. 【請求項3】 前記ソリッドエラストマーが、40〜9
    8の表面硬度(JIS−Aタイプ表面硬度計による硬
    度)を有することを特徴とする、請求項1又は2記載の
    補修材注入ホース。
  4. 【請求項4】 前記ソリッドエラストマーが、単繊維、
    補強繊維及び補強金属コードからなる群より選ばれた少
    なくとも一種の補強材を含むことを特徴とする、請求項
    1又は2記載の補修材注入ホース。
  5. 【請求項5】 前記スポンジゴムが、0.15〜0.8
    の見掛け比重を有することを特徴とする、請求項1又は
    2記載の補修材注入ホース。
  6. 【請求項6】 コンクリート構造物に予め埋め込まれて
    いる補修材注入ホースに補修材を注入して、前記コンク
    リート構造物を補修するにあたり、前記補修材注入ホー
    スがソリッドエラストマーから形成されたホース本体と
    コンクリートの侵入を防止するスポンジゴムから形成さ
    れた保護材とからなり、前記保護材が前記ホース本体の
    周囲に配置されており、前記ホース本体が前記補修材の
    注入圧によって破断する肉薄部を有しており、前記保護
    材が前記補修材を放出することになる欠損部を前記肉薄
    部に対向する位置に有しており、前記補修材の注入圧に
    よって前記肉薄部を破断させ、前記補修材を前記欠損部
    に通して前記補修材注入ホースの外部に放出させ、前記
    コンクリート構造物を補修することを特徴とする、コン
    クリート構造物の補修工法。
  7. 【請求項7】 コンクリート構造物に予め埋め込まれて
    いる補修材注入ホースに補修材を注入して、前記コンク
    リート構造物を補修するにあたり、 前記補修材注入ホースがソリッドエラストマーから形成
    されたホース本体とコンクリートの侵入を防止するスポ
    ンジゴムから形成された保護材とからなり、前記保護材
    が前記ホース本体の周囲に配置されており、前記ホース
    本体が切り欠き部を有しており、前記保護材が前記補修
    材の注入圧によって破断する弱点部を前記切り欠き部に
    対向する位置に有しており、前記補修材の注入圧によっ
    て前記弱点部を破断させ、前記補修材を前記弱点部に通
    して前記補修材注入ホースの外部に放出させ、前記コン
    クリート構造物を補修することを特徴とする、コンクリ
    ート構造物の補修工法。
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