JPH11240903A - 吸水性樹脂の製造方法および吸水性樹脂の製造装置 - Google Patents

吸水性樹脂の製造方法および吸水性樹脂の製造装置

Info

Publication number
JPH11240903A
JPH11240903A JP35784498A JP35784498A JPH11240903A JP H11240903 A JPH11240903 A JP H11240903A JP 35784498 A JP35784498 A JP 35784498A JP 35784498 A JP35784498 A JP 35784498A JP H11240903 A JPH11240903 A JP H11240903A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymerization
monomer
polymerization initiator
water
supply pipe
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35784498A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4087520B2 (ja
Inventor
Kazumasa Konishi
一正 小西
Koji Miyake
浩司 三宅
Takumi Hatsuda
卓己 初田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP35784498A priority Critical patent/JP4087520B2/ja
Publication of JPH11240903A publication Critical patent/JPH11240903A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4087520B2 publication Critical patent/JP4087520B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F2/00Processes of polymerisation
    • C08F2/04Polymerisation in solution
    • C08F2/10Aqueous solvent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Polymers & Plastics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸水性樹脂を静置重合により連続製造するに
際し、供給管で重合が開始することのないような製造方
法および製造装置を提供する。 【解決手段】 吸水性樹脂を連続的に静置重合するに
際し、親水性単量体水溶液と、重合開始剤のうちの少な
くとも1成分とを、それぞれ異なる供給管を通して重合
機中へ供給する吸水性樹脂の製造方法、および、単量体
供給管と重合開始剤供給管とが、少なくとも一方の出口
付近において、両供給管が隣接する構造となっている吸
水性樹脂の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸水性樹脂の製造
方法および吸水性樹脂の製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、紙オムツや生理用ナプキン、いわ
ゆる失禁パット等の衛生材料等の分野では、体液を吸収
させることを目的として吸水性樹脂が幅広く利用されて
いる。上記の吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリ
ル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフ
ト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合
体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体
のケン化物、アクリロニトリル共重合体もしくはアクリ
ルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、
カチオン性モノマーの架橋体などが知られている。
【0003】これら吸水性樹脂を製造する方法として
は、従来から工業的にはアクリル酸またはその塩等を主
成分とする親水性単量体を含む水溶液を攪拌しながら水
溶液重合を行う方法(特開昭57−34101号公報、
特開昭60−55002号公報)が採用されている。攪
拌重合は、重合中の剪断により含水ゲル状重合体が細分
化されるために細分化工程を必要としないという点で優
れているものの、重合中の剪断により得られる吸水性樹
脂の性能が低下する等の問題がある。これに対し、特開
昭62−156102号公報、特開平1−126310
号公報、特開平3−174414号公報、特開平4−1
75319号公報、特開平4−236203号公報等で
提案されている、単量体水溶液を無攪拌で静置重合する
方法によると、上記の問題なく吸水性樹脂を得ることが
できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】攪拌重合では、通常単
量体水溶液と重合開始剤とを反応容器中で混合すること
により重合が行われる。また、静置重合をバッチ式で行
う場合には反応容器に単量体水溶液と重合開始剤とを供
給し、反応容器中で混合した後、重合が行われる。これ
に対し、静置重合を連続式で製造する場合には、例えば
駆動しているベルト上に単量体水溶液を供給し重合が行
われ、この際ベルト上で単量体水溶液と重合開始剤とを
混合することは実際上不可能であるため、予め重合開始
剤を混合した単量体水溶液をベルト上に供給することが
必要となる。
【0005】しかしながら、連続重合を行うためにはバ
ッチ式重合では顕在化していなかった問題があることが
判明した。すなわち、予め単量体水溶液中に重合開始剤
を混合しておくとベルト上に供給される前に供給管中で
重合が開始してしまい管が閉塞してしまうのである。例
えば、インラインミキサーやミキシングヘッド等のミキ
サーを用いて単量体水溶液と重合開始剤とを混合する
と、該ミキサー内で重合開始剤の加わった単量体水溶液
の一部が長時間滞留して、単量体が重合し、ミキサーを
閉塞することとなる。特にレドックス系重合開始剤は加
熱によらずに重合が開始するためこの問題は顕著であ
る。
【0006】したがって、本発明の課題は、吸水性樹脂
を静置重合により連続製造するに際し、供給管で重合が
開始することのないような製造方法および製造装置を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、次の製造方法および製造装置を提供す
る。 (1) 親水性単量体を含む水溶液を、重合開始剤の存在
下、連続的に静置重合して吸水性樹脂を製造する方法に
おいて、親水性単量体水溶液と、重合開始剤のうちの少
なくとも1成分とを、それぞれ異なる供給管を通して重
合機中へ供給することを特徴とする吸水性樹脂の製造方
法。
【0008】(2) 親水性単量体を含む水溶液を重合する
ための重合機、親水性単量体を含む水溶液を前記重合機
へ供給するための単量体供給管、及び、重合開始剤のう
ちの少なくとも1成分を前記重合機へ供給するための重
合開始剤供給管とを備えた吸水性樹脂の製造装置におい
て、前記単量体供給管と前記重合開始剤供給管とが、前
記単量体供給管および前記重合開始剤供給管の少なくと
も一方の出口付近において、両供給管が隣接する構造と
なっていることを特徴とする吸水性樹脂の製造装置。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる親水性単量体
としては、重合により吸水性樹脂となりうるものであれ
ば特に限定されないが、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホ
ン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパ
ンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホ
ン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸な
どのアニオン性不飽和単量体およびその塩;アクリルア
ミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリ
ルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、
N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ
メチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピ
ロリドン、N−ビニルアセトアミド、N−アクリロイル
ピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオ
ン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミ
ノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルア
ミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの四
級塩などのカチオン性不飽和単量体などを挙げることが
できる。これらは1種または2種以上を使用することが
できる。
【0010】これらの中でアクリル酸またはその塩(例
えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウ
ム、アミン類等の塩)を主成分として用いることが好ま
しく、アクリル酸またはその塩以外の他の単量体の使用
量は通常全単量体中0〜50モル%未満とすることが好
ましく、より好ましくは0〜30モル%である。親水性
単量体水溶液の濃度は一般に広い範囲にわたって可変で
あるが、10〜60重量%が好ましい。より好ましくは
25〜45重量%であり、さらに好ましくは30〜40
重量%である。10重量%未満の場合には、生産性が低
い。一方、60重量%を越えると、高分子鎖の自己架橋
部分の割合が高くなり、得られる吸水性樹脂の吸収倍率
が低下するおそれがある。
【0011】重合に際しては、澱粉・セルロース、澱粉
・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水
性高分子や、次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤を添加し
てもよい。本発明において吸水性樹脂は架橋構造を有す
ることが好ましく、架橋剤を使用しない自己架橋型のも
のや、2個以上の重合性不飽和基あるいは2個以上の反
応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させた型
のものが例示できる。好ましくは親水性不飽和単量体に
内部架橋剤を共重合または反応させた架橋構造を有する
吸水性樹脂である。
【0012】これらの内部架橋剤の具体例としては、例
えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、
グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアク
リレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリ
メチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリ
ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリア
リルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)ア
リロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリ
シジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、
エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピ
レングリコール、グリセリン、1,4−ブタンジオー
ル、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエ
チレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレートなどを
挙げることが出来る。またこれらの内部架橋剤は2種以
上使用してもよい。
【0013】内部架橋剤の使用量としては前記単量体成
分に対して0.005〜3モル%が好ましく、より好ま
しくは0.01〜1.5モル%である。内部架橋剤が少
なすぎると、吸収速度が低下する傾向があり、逆に内部
架橋剤が多すぎると、吸収倍率が低下する傾向がある。
重合開始剤としては、酸化性重合開始剤、還元剤、アゾ
系重合開始剤のいずれも用いることができ、これらのう
ちの2種以上を組み合わせて用いてもよい。特に酸化性
重合開始剤と還元剤とを組み合わせることによりレドッ
クス系の重合開始剤とすることができる。レドックス系
の重合開始剤は加熱によらずに重合が開始するため、本
発明を適用することが有効である。また、加熱によらず
に重合が開始するので、重合温度が上昇しすぎることが
なく静置重合において水溶液の厚みを厚くして生産性よ
く吸水性樹脂を製造することができる。
【0014】酸化性重合開始剤としては、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム等の過硫酸
塩や過酸化水素が挙げられる。還元剤としては、L−ア
スコルビン酸(塩)、亜硫酸水素塩、アミン、塩化鉄、
モール塩が挙げられる。アゾ系重合開始剤としては、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩
等の水溶性アゾ系重合開始剤を挙げることができる。
【0015】これらの重合開始剤の使用量は通常0.0
01〜2モル%、好ましくは0.01〜0.5モル%で
ある。本発明の製造方法では、親水性単量体水溶液と、
上記重合開始剤のうちの少なくとも1成分とを、それぞ
れ異なる供給管を通して重合機中へ供給することによ
り、供給管中で重合が開始してしまい管が閉塞してしま
うのを防ぐものである。そのためには、単量体供給管と
重合開始剤供給管とを、別々に備えた製造装置を用いれ
ばよいが、本発明の吸水性樹脂の製造装置を用いること
が好ましい。
【0016】本発明の製造装置は、親水性単量体水溶液
を重合機へ供給するための単量体供給管と、重合開始剤
のうちの少なくとも1成分を重合機へ供給するための重
合開始剤供給管とが、単量体供給管および重合開始剤供
給管の少なくとも一方の出口付近において、両供給管が
隣接する構造となっている。ここで、「隣接」とは、両
供給管が壁の少なくとも一部を共有する構造を意味し、
これにより親水性単量体水溶液と重合開始剤水溶液とが
合流することができるので、単量体と重合開始剤とをよ
り均一に混合することができる。なお、出口付近で親水
性単量体水溶液と重合開始剤水溶液とは合流すれば十分
であり、完全に均一に混合される必要はない。また、両
管が隣接している長さは特に限定されないが、0.1〜
100mmが好ましく、1〜30mmがより好ましい。
両管が隣接している長さが長すぎると開始剤混合具内で
重合が開始して開始剤混合具を閉塞させてしまう恐れが
あり、短すぎると隣接している効果が得られない。
【0017】本発明の製造装置について、図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は本発明の製造装置の一例
を模式的に示したものである。単量体調製槽1で親水性
単量体を含む単量体水溶液が調製され、バルブ7を備え
た管を通して単量体脱気槽2へ供給される。単量体脱気
槽2は脱気管3を備えており、これを通して窒素等の不
活性ガスにより単量体水溶液の脱気が行われる。脱気後
の単量体水溶液は、ポンプ8を備えた単量体供給管Aへ
供給される。単量体供給管Aには、ポンプ9,10を介
して重合開始剤槽4、5が連結されており、必要に応じ
て重合開始剤と単量体水溶液を予め混合することができ
るようになっている。重合開始剤と単量体水溶液を予め
混合する必要がない場合には、重合開始剤槽4、5は必
要ない。また、その数は2個に限定されず、用いる重合
開始剤の数に応じて増減させることができる。単量体供
給管Aは重合開始剤供給管Bとともに開始剤混合具12
を構成している。重合開始剤供給管Bには、ポンプ11
を介して重合開始剤槽6が連結されており、重合開始剤
は単量体水溶液とは異なる供給管で重合機へ供給するこ
とができるようになっている。
【0018】図2は、図1の製造装置で用いられている
開始剤混合具12を示す斜視図である。図2に示す開始
剤混合具では、Aを外管とし、Bを内管とする二重管構
造となっており、重合開始剤供給管(内管)Bの先端部
は単量体供給管(外管)Aの先端部よりも突出してお
り、管Aの出口付近で両管が隣接している。管AとBの
先端部の距離Lは、単量体の種類やその濃度、重合開始
剤の種類やその濃度、単量体水溶液や重合開始剤の供給
速度(流速)、管A、Bそれぞれの管径等により適宜設
定することができるが、1〜100mm程度とすればよ
い。管Bを管Aよりも突出させることにより、親水性単
量体水溶液と重合開始剤の接触を重合機14に供給され
る直前まで防ぐことができるので、開始剤混合具内で単
量体が重合して該混合具を閉塞することを防ぐことがで
きる。
【0019】図3は、開始剤混合具12の別の一例を示
す斜視図である。Aを外管とし、Bを内管とする二重管
構造となっている点では図2の開始剤混合具と同様であ
るが、単量体供給管(外管)Aの先端部が重合開始剤供
給管(内管)Bの先端部よりも突出しており、管Bの出
口付近で両管が隣接している点が異なっている。このよ
うに開始剤混合具内で単量体が重合して該混合具を閉塞
させない範囲で、単量体供給管(外管)Aの先端部を重
合開始剤供給管(内管)Bの先端部より突出させること
もできる。管AとBの先端部の距離Lは、単量体の種類
やその濃度、重合開始剤の種類やその濃度、単量体水溶
液や重合開始剤の供給速度(流速)、管A、Bそれぞれ
の管径等により適宜設定することができるが、一般に0
〜500mmであり、好ましくは1〜300mmであ
る。管Aを管Bよりも突出させることにより、親水性単
量体水溶液と重合開始剤が重合機14に供給される前に
接触するので、重合開始剤を単量体水溶液中に均一に混
合することができる。重合開始剤が均一に混合されない
と単量体の重合が不均一となり、得られる吸水性樹脂が
膨潤時に劣化しやすくなったり可溶分が増加したりする
おそれがある。
【0020】図4は、開始剤混合具12のさらに別の一
例を示す斜視図である。図4の開始剤混合具では、1つ
の管が内部の隔壁21で仕切られており、仕切られた一
方が単量体供給管Aであり、もう一方が重合開始剤供給
管Bであり、両管が両管の出口付近で隣接している。図
に示されるように、隔壁21の先端部は外壁の先端部よ
りも短いことが好ましく、先端部間の距離Lは、一般に
0〜500mmであり、好ましくは1〜300mmであ
る。また、外壁、管A、管Bの形状は上記には限定され
ない。
【0021】開始剤混合具は、単量体水溶液の一部が開
始剤混合具12内に長時間滞留しないように、垂直に設
置することが好ましい。単量体水溶液が垂直に供給され
ることにより、開始剤混合具12内で単量体水溶液の一
部が長時間滞留し、単量体の一部が重合することによ
る、開始剤混合具の閉塞を防ぐことができる。開始剤混
合具の閉塞を防ぐため、単量体水溶液の流れを妨げない
ように、内管と外管の隣接部は外管に対して平行である
ことが好ましい。単量体水溶液と重合開始剤とが開始剤
混合具内で混合された後の開始剤混合具内での平均滞留
時間は0.01〜10秒、好ましくは0.1〜2秒であ
る。滞留時間が0.01秒よりも短いと重合開始剤の混
合が不均一となる。滞留時間が10秒を越えると、開始
剤混合具内で重合が始まり開始剤混合具内が閉塞するお
それがある。本発明により重合開始剤が加わった単量体
水溶液がミキサー内等で長時間滞留することなく重合機
へ供給されるので、開始剤混合具内の閉塞を抑制するこ
とができる。
【0022】開始剤混合具の単量体水溶液と接触する部
分には、ステンレス、テフロン、ガラス、シリコーン、
ポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル等の、
単量体に不活性な材料を用いることが好ましい。重合開
始剤を複数用いる場合には、そのうちの少なくとも1成
分を、親水性単量体水溶液と異なる供給管を通して供給
すればよいが、単量体水溶液中に入れるとすぐに重合が
開始してしまう成分(最終成分)を、親水性単量体水溶
液と異なる供給管(図1の場合は重合開始剤槽6から重
合開始剤供給管B)を通して供給するのが好ましい。例
えば、酸化性重合開始剤と還元剤との組み合わせからな
るレドックス系の重合開始剤を用いる場合には、酸化性
重合開始剤と還元剤のうちの一方を単量体水溶液中へ供
給し、もう一方をこれとは別に重合開始剤供給管Bを通
して供給するのが好ましい。
【0023】重合開始剤の供給の仕方としては、次の
(1)〜(6)が挙げられるが、これに限定されない。 (1)Aから単量体水溶液を、Bから重合開始剤を供給
する。(主に重合開始剤が1種の場合) (2)Aから酸化性重合開始剤を含む単量体水溶液を、
Bから還元剤を供給する。 (3)Aから還元剤を含む単量体水溶液を、Aから酸化
性重合開始剤を供給する。 (4)Aからアゾ系重合開始剤を含む単量体水溶液を、
Bから酸化性重合開始剤を供給する。 (5)Aからアゾ系重合開始剤および還元剤を含む単量
体水溶液を、Bから酸化性重合開始剤を供給する。 (6)Aからアゾ系重合開始剤および酸化性重合開始剤
を含む単量体水溶液を、Bから還元剤を供給する。
【0024】本発明では連続的に静置重合により重合を
行う。静置重合とは、重合が開始してから、重合系が重
合熱により最高到達温度に達するまでの間、実質的に攪
拌することなく重合することをいう。静置重合に使用す
る重合装置としては、重合系が接触する面の加熱および
/または冷却を行え、重合系から溶媒が蒸発できる空間
を有するものであれば特に限定されるものではない。連
続的に静置重合を行うには、例えば図1に示される装置
を用いることができる。すなわち、重合機14は、ベル
ト16、これを駆動するための駆動軸17、ベルト上の
重合ゲル(または単量体水溶液)20を冷却するための
冷却部18と、加熱するための加熱部19、雰囲気中に
窒素を導入するための窒素導入管13、全体を覆うため
のフード15を備えている。単量体水溶液は単量体供給
管Aから駆動しているベルト16上に供給され、そのま
ま攪拌されることなく重合が行われる。
【0025】ベルト上の親水性単量体水溶液の厚みは1
2〜50mmの範囲が好ましく、15〜30mmの範囲
がより好ましい。厚みが12mm未満の場合には、生産
性が低い。一方、厚みが50mmを越えると重合温度の
コントロールが困難となり、最高到達温度が95℃を越
えるようになり、得られる吸水性樹脂の水可溶分が多く
なる。
【0026】窒素導入管13から窒素を導入して重合雰
囲気中の酸素濃度を5重量%以下とすることが好まし
い。より好ましくは1重量%以下である。酸素濃度が5
重量%を越えると重合が開始するまでに溶存酸素濃度が
上昇し、誘導期間が長くなることがある。重合開始温度
は適宜選択できるが、好ましくは0〜40℃、より好ま
しくは15〜30℃である。開始温度が0℃未満では誘
導期間が長くなる。そのため溶存酸素量が上昇し更に誘
導期間が長くなるおそれがある。一方、開始温度が40
℃を越えると重合温度のコントロールが困難になる。そ
のため重合温度が100℃を越え突沸が起こったり、水
可溶分が多くなるなどの物性の低下を招く。
【0027】重合系の最高到達温度は60〜95℃が好
ましく、より好ましくは60〜90℃、さらに好ましく
は70〜90℃である。該温度が60℃未満では得られ
る吸水性樹脂の吸収倍率が小さくなったり、未反応の単
量体量が多くなる。一方、該温度が95℃を越えると得
られる吸水性樹脂の水可溶分が多くなり好ましくない。
【0028】重合にともない重合熱が発生するため、冷
却部18によって冷却を行いながら重合を行うことが好
ましい。冷却を行わない場合には重合系の温度が95℃
よりも高くなることがある。冷却部の温度は0〜35℃
とすることが好ましい。該温度が0℃よりも低い場合に
はその温度を達成するための特別の手段が必要となるた
め実用的でない。該温度が35℃よりも高い場合には重
合熱の除去が十分に行えない。
【0029】本発明では、必要により、重合系が最高到
達温度を示した後、加熱部19によって伝熱面を60℃
以上の温度に昇温し、重合体を保温および/または加熱
する熟成工程を設けてもよい。熟成工程は重合体を50
〜95℃の範囲に1分〜1時間、好ましくは60〜90
℃の範囲に5分〜30分設けることができる。該熟成工
程を設けることにより未反応単量体量を低減することが
できる。
【0030】上記重合により得られた重合体が含水ゲル
状である場合には、該含水ゲル状重合体を乾燥するため
適当なサイズに粉砕・分級し、平均粒径が1〜10mm
程度の含水ゲル状重合体とすることができる。含水ゲル
状重合体の粉砕には、特に制限されないが、例えば、ミ
ートチョッパーやカッティングミルを用いることができ
る。
【0031】上記含水ゲル状重合体の乾燥には、通常の
乾燥機や加熱炉を用いることができる。例えば、薄型攪
拌乾燥機、回転乾燥機、円盤乾燥機、流動層乾燥機、気
流乾燥機、赤外線乾燥機等である。乾燥により得られた
吸水性樹脂はそのまま粗粒状として、あるいは粉砕して
粉末状として用いられる。本発明ではさらに粒子状の吸
水性樹脂の表面近傍を架橋処理してもよく、これにより
荷重下の吸収倍率の大きい吸水性樹脂を得ることができ
る。表面架橋処理には、吸水性樹脂の有する官能基たと
えば酸性基と反応し得る架橋剤を用いればよく、通常、
該用途に用いられている公知の架橋剤が例示される。
【0032】表面架橋剤としては、例えば、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタジオール、ポリプロピレングリコー
ル、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4
−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シク
ロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノー
ル、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、ト
リエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエ
チレン−オキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエ
リスリトール、ソルビトール等の多価アルコール化合
物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエ
チレンジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシ
ジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテ
ル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピ
レングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレン
グリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等の多
価エポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペン
タミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリエチレンイミ
ン等の多価アミン化合物や、それらの無機塩ないし有機
塩(例えば、アジチニウム塩等);2,4−トリレンジ
イソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の
多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキ
サゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキ
ソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン
−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン
−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン
−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−
オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−
2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル
−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−
1,3−ジオキサン−2−オン、1,3−ジオキソパン
−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピク
ロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピク
ロロヒドリン等のハロエポキシ化合物、および、その多
価アミン付加物(例えばハーキュレス製カイメン:登録
商標);亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウ
ム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物及び塩化物等の多価
金属化合物等が挙げられる。これらの中でも多価アルコ
ール化合物、多価エポキシ化合物、多価アミン化合物や
それらの塩、アルキレンカーボネート化合物が好まし
い。これらの表面架橋剤は単独で用いてもよいし、二種
以上併用してもよい。
【0033】表面架橋剤の量としては、吸水性樹脂10
0重量部に対して0.001〜10重量部用いるのが好
ましく、0.01〜5重量部用いるのがより好ましい。
加熱処理には通常の乾燥機や加熱炉を用いることができ
る。例えば、薄型攪拌乾燥機、回転乾燥機、円盤乾燥
機、流動層乾燥機、気流乾燥機、赤外線乾燥機等であ
る。その場合、加熱処理温度は好ましくは40〜250
℃、より好ましくは90〜230℃、さらに好ましくは
120〜220℃である。加熱処理時間としては、通常
1〜120分が好ましく、10〜60分がより好まし
い。
【0034】本発明の製造方法で得られた吸水性樹脂
は、酸化チタン、酸化珪素、活性炭等の無機微粒子;ポ
リメタクリル酸メチル等の有機微粒子;パルプ等の親水
性繊維;ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の合
成繊維;ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレン
ソルビタンモノステアレート等の界面活性剤;消臭剤;
抗菌剤等を製造途中や製造後に添加することもできる。
【0035】
【実施例】以下に実施例によりさらに詳細に本発明を説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。実
施例中で「部」とは特にことわりがない限り「重量部」
を表すものとする。 (ア)吸水性樹脂の吸収倍率 吸水性樹脂の約0.2gを不織布製の袋(60mm×6
0mm)に均一に入れ、人工尿(硫酸ナトリウム0.2
00%,塩化カリウム0.200%,塩化マグネシウム
6水和物0.050%,塩化カルシウム2水和物0.0
25%,リン酸2水素アンモニウム0.085%,リン
酸水素2アンモニウム0.015%,脱イオン水99.
425%)中に浸けた。30分後に袋を引き上げ、遠心
分離機を用いて250Gにて3分間水切りを行った後、
袋の重量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸
水性樹脂を用いないで行い、そのときの重量W0(g)
を測定した。そして、これら重量W1,W0から、次式
に従って、吸水性樹脂の吸収倍率(g/g)を算出し
た。
【0036】吸収倍率(g/g)=(W1(g)−W0
(g)−吸水性樹脂の重量(g))/吸水性樹脂の重量
(g) (イ)吸水性樹脂の可溶分量 吸水性樹脂約0.5gを1000gの脱イオン水中に分
散し、16時間攪拌した後、濾紙で濾過した。次に、得
られた濾液50gを100mlビーカーにとり、該濾液
に0.1N−水酸化ナトリウム水溶液1ml、N/20
0−メチルグリコールキトサン水溶液10ml、および
0.1%トルイジンブルー水溶液4滴を添加した。次い
で、上記ビーカー中の溶液を、N/400−ポリビニル
硫酸カリウム水溶液を用いてコロイド滴定し、溶液の色
が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点として滴
定量A(ml)を求めた。また、濾液50gに代えて脱
イオン水50gを用いて同様の操作を行い、ブランクと
して滴定量B(ml)を求めた。そして、これら滴定量
A,Bと吸水性樹脂を構成する単量体の分子量Cとか
ら、次式にしたがって可溶分量(重量%)を算出した。
【0037】可溶分量(重量%)=(B−A)×0.005
/吸水性樹脂の重量(g)×C [実施例1]図1に示される装置を用い、吸水性樹脂を
製造した。ただし、管Aと管Bとが隣接している長さは
25mmであり、先端部間の距離Lは5mmであった。
単量体調製槽1において、37重量%アクリル酸ナトリ
ウム134部、アクリル酸20部、ポリエチレングリコ
ールジアクリレート(平均エチレンオキサイドユニット
数8)0.16部及び水44部を混合し単量体水溶液を
調製した。単量体脱気槽2において、この単量体水溶液
1Lに対し窒素を毎分0.8Lの割合で30分間吹き込
み、水溶液中の溶存酸素を除去した。
【0038】窒素脱気した単量体水溶液に、重合開始剤
槽4、5から、それぞれ5重量%2,2’−アゾビス
(2−アミジノプロパン)2塩酸塩水溶液2.0g/
分、0.5重量%L−アスコルビン酸水溶液1.8g/
分を供給しラインミキシングにより混合した。重合開始
剤を混合した単量体水溶液中の溶存酸素量は0.25p
pmであった。単量体水溶液の温度は18℃であった。
更に重合開始剤槽6から内管Bを通して0.35重量%
過酸化水素水溶液2.0g/分を供給しながら、前記単
量体水溶液を毎分1.2kgずつ毎分14cmの速度で
駆動しているベルト上に供給し、連続的に静置重合を行
った。
【0039】ベルトの全長は3.5mであり単量体水溶
液供給部分から駆動方向に対し1mまでの間はベルト表
面を冷却する冷却装置を備え、残りの部分にはベルト表
面を加熱させる加熱装置を備えている。ベルト上はフー
ドで覆われ、ベルト上の酸素濃度は0.2体積%であっ
た。ベルト上に供給した単量体水溶液は約1分後粘稠な
ゲル状物を形成し、7分後最高温度に達した。その温度
は80℃であった。引き続き重合ゲルを60℃の加熱ゾ
ーンで熟成し透明な含水ゲルを得た。
【0040】このゲルをミートチョッパーで砕き、16
0℃で65分間熱風乾燥機で乾燥した。得られた乾燥物
を粉砕し、吸水性樹脂(1)を得た。このものの吸収倍
率66倍、可溶分13%であった。重合を24時間連続
的に行ったが、単量体ライン中に重合物の生成は全くな
かった。 [実施例2]実施例1と同様の装置を用い、吸水性樹脂
を製造した。
【0041】単量体調製槽1において、37重量%アク
リル酸ナトリウム134部、アクリル酸13部、トリメ
チロールプロパントリアクリレート0.11部及び水1
6部を混合し単量体水溶液を調製した。単量体脱気槽2
において、この単量体水溶液1Lに対し窒素を毎分0.
8Lの割合で30分間吹き込み、水溶液中の溶存酸素を
除去した。
【0042】窒素脱気した単量体水溶液に、重合開始剤
槽4から、10重量%過硫酸ナトリウム水溶液6.7g
/分を供給しラインミキシングにより混合した。重合開
始剤を混合した単量体水溶液中の溶存酸素量は0.2p
pmであった。単量体水溶液の温度は18℃であった。
更に重合開始剤槽6から内管Bを通して0.1重量%L
−アスコルビン酸水溶液3.6g/分を供給しながら、
前記単量体水溶液を毎分1.2kgずつ毎分11cmの
速度で駆動しているベルト上に供給し、連続的に静置重
合を行った。
【0043】ベルト上に供給した単量体水溶液は約2分
後粘稠なゲル状物を形成し、9分後最高温度に達した。
その温度は79℃であった。引き続き重合ゲルを60℃
の加熱ゾーンで熟成し透明な含水ゲルを得た。このゲル
をミートチョッパーで砕き、160℃で65分間熱風乾
燥機で乾燥した。得られた乾燥物を粉砕し、吸水性樹脂
(2)を得た。このものの吸収倍率46倍、可溶分10
%であった。
【0044】重合を24時間連続的に行ったが、単量体
ライン中に重合物の生成は全くなかった。 [実施例3]実施例1と同様の装置を用い、吸水性樹脂
を製造した。ただし、重合開始剤混合具としては図3に
示すものを用いた。管Aと管Bとが隣接している長さは
3mmであり、先端部間の距離Lは50mmであった。
また、重合開始剤槽5は使用しなかった。
【0045】単量体調製槽1において、37重量%アク
リル酸ナトリウム134部、アクリル酸20部、ポリエ
チレングリコールジアクリレート(平均エチレンオキサ
イドユニット数8)0.23部及び水32部を混合し単
量体水溶液を調製した。単量体脱気槽2において、この
単量体水溶液1Lに対し窒素を毎分0.6Lの割合で3
0分間吹き込み、水溶液中の溶存酸素を除去した。
【0046】窒素脱気した単量体水溶液に、重合開始剤
槽4から、10重量%過硫酸ナトリウム水溶液7g/分
を供給しラインミキシングにより混合した。重合開始剤
を混合した単量体水溶液中の溶存酸素量は0.5ppm
であった。単量体水溶液の温度は18℃であった。更に
重合開始剤槽6から内管Bを通して0.1重量%L−ア
スコルビン酸水溶液3g/分を供給しながら、前記単量
体水溶液を毎分1.2kgずつ毎分14cmの速度で駆
動しているベルト上に供給し、連続的に静置重合を行っ
た。
【0047】ベルト上に供給した単量体水溶液は約2分
後粘稠なゲル状物を形成し、11分後最高温度に達し
た。その温度は75℃であった。引き続き重合ゲルを6
0℃の加熱ゾーンで熟成し透明な含水ゲルを得た。この
ゲルをミートチョッパーで砕き、180℃で25分間熱
風乾燥機で乾燥した。得られた乾燥物を粉砕し、吸水性
樹脂(3)を得た。このものの吸収倍率51倍、可溶分
9%であった。
【0048】重合を24時間連続的に行ったが、単量体
ライン中での重合物の生成やラインの閉塞は見られなか
った。 [比較例1]実施例1において、過酸化水素水溶液を内
管Bを通して供給する代わりに、ラインミキシングによ
り供給したところ、過酸化水素と単量体水溶液との混合
部分に重合物が生成し、供給管を閉塞した。
【0049】
【発明の効果】本発明によると、吸水性樹脂を静置重合
により連続製造するに際し、単量体水溶液と重合開始剤
とを均一に混合することができ、しかも供給管内で重合
が開始して供給管を閉塞してしまうことがない。上記効
果を奏することから、本発明により得られた吸水性樹脂
は、衛生材料(子供用および大人用紙おむつ、生理用ナ
プキン、失禁用パッドなど)などの人体に接する用途;
油中の水の分離材;その他の脱水または乾燥剤;植物や
土壌などの保水材;ヘドロなどの凝固剤;結露防止剤;
電線あるいは光ファイバー用止水材;土木建築用止水材
など、吸水、保水、湿潤、膨潤、ゲル化を必要とする各
種産業用途に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いられる吸水性樹脂の製造装置の一
例を模式的に示したものである。
【図2】図1の製造装置で用いられている開始剤混合具
を示す斜視図である。
【図3】開始剤混合具の別の一例を示す斜視図である。
【図4】開始剤混合具のさらに別の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 単量体調製槽 2 単量体脱気槽 3 脱気管 4〜6 重合開始剤槽 7 バルブ 8〜11 ポンプ 12 重合開始剤混合具 13 窒素導入管 14 重合機 15 フード 16 ベルト 17 駆動軸 18 冷却部 19 加熱部 20 重合ゲル(または単量体水溶液) 21 隔壁 A 単量体供給管 B 重合開始剤供給管

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性単量体を含む水溶液を、重合開始
    剤の存在下、連続的に静置重合して吸水性樹脂を製造す
    る方法において、 親水性単量体水溶液と、重合開始剤のうちの少なくとも
    1成分とを、それぞれ異なる供給管を通して重合機中へ
    供給することを特徴とする吸水性樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 重合開始剤として、酸化性重合開始剤と
    還元剤との組み合わせからなるレドックス系重合開始剤
    を用いる、請求項1記載の吸水性樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 親水性単量体を含む水溶液を重合機へ供
    給するための単量体供給管と、重合開始剤のうちの少な
    くとも1成分を重合機へ供給するための重合開始剤供給
    管とが、前記単量体供給管および前記重合開始剤供給管
    の少なくとも一方の出口付近において、両供給管が隣接
    する構造となっている、請求項1または2記載の吸水性
    樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 親水性単量体を含む水溶液を重合するた
    めの重合機、親水性単量体を含む水溶液を前記重合機へ
    供給するための単量体供給管、及び、重合開始剤のうち
    の少なくとも1成分を前記重合機へ供給するための重合
    開始剤供給管とを備えた吸水性樹脂の製造装置におい
    て、 前記単量体供給管と前記重合開始剤供給管とが、前記単
    量体供給管および前記重合開始剤供給管の少なくとも一
    方の出口付近において、両供給管が隣接する構造となっ
    ていることを特徴とする吸水性樹脂の製造装置。
  5. 【請求項5】 単量体供給管と重合開始剤供給管とは、
    単量体供給管を外管とし、重合開始剤供給管を内管とす
    る二重管構造を有する、請求項4記載の吸水性樹脂の製
    造装置。
  6. 【請求項6】 内管先端部は外管先端部よりも突出して
    いるものである、請求項5記載の吸水性樹脂の製造装
    置。
  7. 【請求項7】 外管先端部は内管先端部よりも突出して
    いるものである、請求項5記載の吸水性樹脂の製造装
    置。
JP35784498A 1997-12-25 1998-12-16 吸水性樹脂の製造方法 Expired - Fee Related JP4087520B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35784498A JP4087520B2 (ja) 1997-12-25 1998-12-16 吸水性樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9-358148 1997-12-25
JP35814897 1997-12-25
JP35784498A JP4087520B2 (ja) 1997-12-25 1998-12-16 吸水性樹脂の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11240903A true JPH11240903A (ja) 1999-09-07
JP4087520B2 JP4087520B2 (ja) 2008-05-21

Family

ID=26580680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35784498A Expired - Fee Related JP4087520B2 (ja) 1997-12-25 1998-12-16 吸水性樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4087520B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006160845A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Asahi Kasei Chemicals Corp 吸水性樹脂の製造方法
JP2006160846A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Asahi Kasei Chemicals Corp 吸水性樹脂の製造装置及び製造方法
US7265190B2 (en) 2002-11-07 2007-09-04 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process and apparatus for production of water-absorbent resin
JP2009507119A (ja) * 2005-09-07 2009-02-19 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 重合法
WO2009123193A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 株式会社日本触媒 吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤の製造方法
JP2010521580A (ja) * 2007-03-23 2010-06-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 輸送手段または管路中へのモノマー組成物の輸送
EP1926756B1 (de) 2005-09-07 2015-03-25 Basf Se Polymerisationsverfahren
EP1926754B2 (de) 2005-09-07 2021-12-22 Basf Se Polymerisationsverfahren

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7265190B2 (en) 2002-11-07 2007-09-04 Nippon Shokubai Co., Ltd. Process and apparatus for production of water-absorbent resin
JP2006160845A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Asahi Kasei Chemicals Corp 吸水性樹脂の製造方法
JP2006160846A (ja) * 2004-12-06 2006-06-22 Asahi Kasei Chemicals Corp 吸水性樹脂の製造装置及び製造方法
JP4685425B2 (ja) * 2004-12-06 2011-05-18 旭化成ケミカルズ株式会社 吸水性樹脂の製造装置及び製造方法
JP2009507119A (ja) * 2005-09-07 2009-02-19 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 重合法
EP1926756B1 (de) 2005-09-07 2015-03-25 Basf Se Polymerisationsverfahren
EP1926754B2 (de) 2005-09-07 2021-12-22 Basf Se Polymerisationsverfahren
JP2010521580A (ja) * 2007-03-23 2010-06-24 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 輸送手段または管路中へのモノマー組成物の輸送
WO2009123193A1 (ja) * 2008-03-31 2009-10-08 株式会社日本触媒 吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤の製造方法
JP5421243B2 (ja) * 2008-03-31 2014-02-19 株式会社日本触媒 吸水性樹脂を主成分とする粒子状吸水剤の製造方法
US8912298B2 (en) 2008-03-31 2014-12-16 Nippon Shokubai Co., Ltd. Method for producing particulate water absorbing agent containing water absorbent resin as main component

Also Published As

Publication number Publication date
JP4087520B2 (ja) 2008-05-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6174978B1 (en) Production process of water-absorbent resin
US7973095B2 (en) Water-soluble or water-swellable polymers, particularly water-soluble or water-swellable copolymers made of acrylamide and at least one ionic comonomer having a low residual monomer concentration
EP2272898B1 (en) Water-absorbent polymer particles and production process therefor
USRE37021E1 (en) Water-absorbing resin and process for producing same
US20210269606A1 (en) Method for producing water-absorbent resin particles
JPH11310644A (ja) 吸水剤の製造方法
KR102635153B1 (ko) 흡수성 수지의 제조 방법 및 흡수성 수지
JP2005307195A (ja) 吸水性樹脂の連続製造方法
JP4326612B2 (ja) 粒子状吸水性樹脂の製造方法
JP3913867B2 (ja) 吸水剤およびその製造方法
JPH09124710A (ja) 吸水性樹脂およびその製造方法
JP3259143B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPH06122707A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPH02255804A (ja) 耐久性の優れた吸水性樹脂の製造方法
JPH10251310A (ja) 親水性重合体の製造方法
JP4087520B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP4242467B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPH11302306A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP2000038407A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP2944447B2 (ja) 吸水剤およびその製造方法
JP4198265B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JP4198266B2 (ja) 吸水性樹脂の製造方法
EP0940149A1 (en) "Water-absorbing agent and production process therefor"
JPH10168129A (ja) 吸水性樹脂の製造方法
JPH11199603A (ja) 吸水性樹脂の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050826

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071107

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071120

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080221

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110228

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120229

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130228

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140228

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees