JPH11240879A - ピラゾールスルホニルウレアのポリクローナル抗体及び検出方法 - Google Patents

ピラゾールスルホニルウレアのポリクローナル抗体及び検出方法

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JPH11240879A
JPH11240879A JP33518298A JP33518298A JPH11240879A JP H11240879 A JPH11240879 A JP H11240879A JP 33518298 A JP33518298 A JP 33518298A JP 33518298 A JP33518298 A JP 33518298A JP H11240879 A JPH11240879 A JP H11240879A
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JP
Japan
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cooh
ethyl
methyl
polyclonal antibody
hapten
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JP33518298A
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English (en)
Inventor
Yuichi Hirai
祐一 平井
Ayako Nakajima
彩子 中島
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Nissan Chemical Corp
Original Assignee
Nissan Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ピラゾールスルホニルウレアの免疫化学
的検出方法。 【解決手段】 式(I): 【化1】 〔式中、(1)R1が水素を表す場合、R2はメチル又は
エチル、R3は(CH2 nCOOHを表し、(2)R1
塩素、R2が水素又は(CH2nCOOHを表す場合、
3はメチルを表し、(3)R1が塩素、R2がメチル又
はエチルを表す場合、R3は(CH2nCOOHを表
す。〕で表されるハプテン、そのハプテンに生体高分子
が結合した複合体、その複合体を用いて調製されるピラ
ゾスルフロンエチル又はハロスルフロンメチルに反応性
を示すポリクローナル抗体、及びそのポリクローナル抗
体を用いることを特徴とするピラゾスルフロンエチル又
はハロスルフロンメチルの免疫化学的検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、除草剤として使用
されているピラゾスルフロンエチル(一般名)又はハロ
スルフロンメチル(一般名)に反応性を示すポリクロー
ナル抗体及びその抗体を用いる免疫化学的検出方法に関
する。
【0002】
【従来の技術及び課題】近年、環境アセスメントの一環
として環境中に残留する農薬のモニタリングに関心が持
たれている。モニタリングに必要とされる残留分析は分
析点数が多いため、精度面以外に簡便性や迅速性が求め
られ、また安価な分析法が求められており、そのひとつ
として、免疫化学的検出方法が検討されている。
【0003】ピラゾスルフロンエチルの免疫化学的検出
方法としては、
【0004】
【化3】 をハプテンとする方法が、日本農芸化学学会1997年
度大会講演要旨集第122頁、講演番号3Ga9、「除
草剤ピラゾスルフロンエチルに対するモノクローナル抗
体の調製とその反応特性」にて報告されている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、式(I):
【0006】
【化4】 〔式中、R1は水素原子又は塩素原子を表し、R2は水素
原子、メチル基、エチル基又は(CH2nCOOHを表
し、R3はメチル基又は(CH2nCOOHを表し、n
は1から10の整数を表す。但し、 (1)R1が水素原子を表す場合、R2はメチル基又はエ
チル基を表し、R3は(CH2nCOOHを表す。 (2)R1が塩素原子を表し、R2が水素原子又は(CH
2nCOOHを表す場合、R3はメチル基を表す。 (3)R1が塩素原子を表し、R2がメチル基又はエチル
基を表す場合、R3は(CH2nCOOHを表す。〕で
表されるハプテン、そのハプテンに生体高分子が結合し
た複合体、その複合体を用いて調製されるピラゾスルフ
ロンエチル又はハロスルフロンメチルに反応性を示すポ
リクローナル抗体、及びそのポリクローナル抗体を用い
ることを特徴とするピラゾスルフロンエチル又はハロス
ルフロンメチルの免疫化学的検出方法であり、さらに、
式(I’):
【0007】
【化5】 〔式中、R1は水素原子又は塩素原子を表し、R2はメチ
ル基、エチル基又は(CH2nCOOHを表し、R3
メチル基又は(CH2nCOOHを表し、nは1から1
0の整数を表す。但し、 (1)R1が水素原子を表す場合、R2はメチル基又はエ
チル基を表し、R3は(CH2nCOOHを表す。 (2)R1が塩素原子を表し、R2が(CH2nCOOH
を表す場合、R3はメチル基を表す。 (3)R1が塩素原子を表し、R2がメチル基又はエチル
基を表す場合、R3は(CH2nCOOHを表す。〕で
表されるピラゾールスルホニルウレアである。
【0008】
【発明の実施の形態】ハプテンとしては、表1に記載の
化合物があげられる。
【0009】
【表1】表1 ――――――――――――――――――――――― No. R123 ――――――――――――――――――――――― 1 H CH3 CH2COOH 2 H CH3 (CH2)2COOH 3 H CH3 (CH2)3COOH 4 H CH3 (CH2)4COOH 5 H CH3 (CH2)5COOH 6 H CH3 (CH2)6COOH 7 H CH3 (CH2)7COOH 8 H CH3 (CH2)8COOH 9 H CH3 (CH2)9COOH 10 H CH3 (CH2)10COOH 11 H C2H5 CH2COOH 12 H C2H5 (CH2)2COOH 13 H C2H5 (CH2)3COOH 14 H C2H5 (CH2)4COOH 15 H C2H5 (CH2)5COOH 16 H C2H5 (CH2)6COOH 17 H C2H5 (CH2)7COOH 18 H C2H5 (CH2)8COOH 19 H C2H5 (CH2)9COOH 20 H C2H5 (CH2)10COOH 21 Cl CH3 CH2COOH 22 Cl CH3 (CH2)2COOH ―――――――――――――――――――――――
【0010】
【表2】表1(続き) ――――――――――――――――――――――― No. R123 ――――――――――――――――――――――― 23 Cl CH3 (CH2)3COOH 24 Cl CH3 (CH2)4COOH 25 Cl CH3 (CH2)5COOH 26 Cl CH3 (CH2)6COOH 27 Cl CH3 (CH2)7COOH 28 Cl CH3 (CH2)8COOH 29 Cl CH3 (CH2)9COOH 30 Cl CH3 (CH2)10COOH 31 Cl C2H5 CH2COOH 32 Cl C2H5 (CH2)2COOH 33 Cl C2H5 (CH2)3COOH 34 Cl C2H5 (CH2)4COOH 35 Cl C2H5 (CH2)5COOH 36 Cl C2H5 (CH2)6COOH 37 Cl C2H5 (CH2)7COOH 38 Cl C2H5 (CH2)8COOH 39 Cl C2H5 (CH2)9COOH 40 Cl C2H5 (CH2)10COOH 41 Cl H CH3 42 Cl CH2COOH CH3 43 Cl (CH2)2COOH CH3 44 Cl (CH2)3COOH CH3 ―――――――――――――――――――――――
【0011】
【表3】表1(続き) ――――――――――――――――――――――― No. R123 ――――――――――――――――――――――― 45 Cl (CH2)4COOH CH3 46 Cl (CH2)5COOH CH3 47 Cl (CH2)6COOH CH3 48 Cl (CH2)7COOH CH3 49 Cl (CH2)8COOH CH3 50 Cl (CH2)9COOH CH3 51 Cl (CH2)10COOH CH3 ――――――――――――――――――――――― ピラゾスルフロンエチルに反応性を示すポリクローナル
抗体の調製に適するハプテンとしては、No.1からNo.20
があげられ、好ましくはNo.11からNo.20があげられ、特
に好ましくはNo.13があげられる。
【0012】ハロスルフロンメチルに反応性を示すポリ
クローナル抗体の調製に適するピラゾールスルホニルウ
レアとしては、No.21からNo.51があげられ、好ましくは
No.21からNo.30があげられ、特に好ましくはNo.23があ
げられる。
【0013】新規なピラゾールスルホニルウレアとして
は、上記の表からNo.41を除いたものがあげられる。
【0014】本発明におけるポリクローナル抗体の調製
は常法、例えば、生化学実験法11、「エンザイムイム
ノアッセイ」、東京化学同人(1989発行)に記載さ
れた方法により行うことができる。
【0015】具体的には、式(I)で表されるハプテン
を合成し、生体高分子、例えば、ヘモシアニン(例え
ば、キーホールリンペットヘモシアニン)、血清アルブ
ミン(例えば、ウシ血清アルブミン)又は卵白アルブミ
ン等に、例えば、カルボジイミド法、活性化エステル法
又は混合酸無水物法等を用いて結合させ、複合体を作製
することができる。
【0016】この複合体を免疫原とし、免疫原溶液を用
いて哺乳動物、例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヤギ
又はウマ等をイン・ビボ免疫法により免疫することがで
きる。例えば、免疫原溶液を等量の免疫賦括剤(アジュ
バント)、例えば、フロイントの完全アジュバント又は
不完全アジュバントと乳化混合し、ウサギの皮下に投与
し(第1回免疫)、以後、2〜4週間の間隔で同様の処
理を行い、数回免疫する。最終免疫から1〜2週間後全
採血を行い、得られた血液から抗血清を分離後、例え
ば、硫安塩析、イオン交換クロマトグラフィー、分子篩
ゲルクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラ
フィー、透析及び凍結乾燥等から選ばれる1以上の精製
法を用いることによりポリクローナル抗体を得ることが
できる。
【0017】得られたポリクローナル抗体を用いて、従
来公知の免疫化学検出法、例えば、間接競合法や直接競
合法等がそのまま適用できる。以下に具体的に記載す
る。
【0018】間接競合法による検出法: (1)ハプテンと生体高分子、例えば、ヘモシアニン、
血清アルブミン又は卵白アルブミンとの複合体(以下抗
原という)を固相、例えば、プラスチック、膜、濾紙、
ガラス、磁性体又は金属粒子に固定化する。 (2)これに被験試料、例えば、河川水と得られたポリ
クローナル抗体(以下第1抗体という)を加える。これ
により、被験試料内のピラゾスルフロンエチル又はハロ
スルフロンメチルと抗原とが第1抗体に対して競合的な
反応を起こす。 (3)固相化した抗原を分離する。分離法としては、例
えば、ろ過、遠心処理、洗浄又は磁力があげられる。 (4)これに標識化した抗ウサギ抗体(以下第2抗体と
いう)を加える。第2抗体の標識には公知の標識体、例
えば、32P、35S、3H及び14C等の14放射性同位体、
ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、β−ガ
ラクトシダーゼ及びグルコースオキシダーゼ等の酵素、
ビオチン等のビタミン、FIFC等の蛍光物質、又はア
クリジウム及びルミノール等の化学発光物質等を用いる
ことができる。 (4)第1抗体と結合しなかった第2抗体を除去する。 (5)第1抗体と結合した第2抗体の標識から得られる
信号を検出又は測定する。
【0019】直接競合法による検出法: (1)ピラゾスルフロンエチル又はハロスルフロンメチ
ルに反応性を示すポリクローナル抗体を固相、例えば、
プラスチック、膜、濾紙、ガラス、磁性体又は金属粒子
に固定化する。 (2)これに被験試料、例えば、河川水と標識化したピ
ラゾスルフロンエチル又はハロスルフロンメチルを加え
る。標識としては、例えば、32P、35S、3H及び14
等の14放射性同位体、ペルオキシダーゼ、アルカリフォ
スファターゼ、β−ガラクトシダーゼ及びグルコースオ
キシダーゼ等の酵素、ビオチン等のビタミン、FIFC
等の蛍光物質、又はアクリジウム及びルミノール等の化
学発光物質等があげられる。これにより、被験試料内の
ピラゾスルフロンエチル又はハロスルフロンメチルと標
識化したピラゾスルフロンエチル又はハロスルフロンメ
チルがポリクローナル抗体に対して競合的な反応が起こ
す。 (3)固相化したポリクローナル抗体を分離する。分離
法としては、例えば、ろ過、遠心処理、洗浄又は磁力が
あげられる。 (4)ポリクローナル抗体と結合しなかった標識化した
ピラゾスルフロンエチル又はハロスルフロンメチルを除
去する。 (5)ポリクローナル抗体と結合した標識化したピラゾ
スルフロンエチル又はハロスルフロンメチルの標識から
得られる信号を検出又は測定する。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。
【0021】〔実施例1〕ハプテンの合成 (1)2−アミノ−4−ベンジルオキシ−6−メトキシ
ピリミジンの合成 アセトニトリル(350ml)に2−アミノ−4−ヒド
ロキシ−6−メトキシピリミジン(21.8g、155
mmol)、臭化ベンジル(29.2g、171mmo
l)と無水炭酸カリウム(32.0g、231mmo
l)を加え、7時間加熱還流した。室温まで冷却後、固
体を濾別し、溶媒を留去した。得られた残渣をクロロホ
ルム(300ml)に溶解し、5%水酸化ナトリウム水
溶液および水で順次洗浄後、無水硫酸ナトリウムにて乾
燥した。溶媒留去して得られた残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)にて精製
し、目的物8.8gを得た。
【0022】(2)5−((((4−ベンジルオキシ−
6−メトキシピリミジン−2−イル)アミノ)カルボニ
ルアミノ)スルホニル)−1−メチルピラゾール−4−
カルボン酸エチルの合成 トルエン(200ml)に5−((メトキシカルボニル
アミノ)スルホニル)−1−メチルピラゾール−4−カ
ルボン酸エチル(11.6g、39.9mmol)と
2−アミノ−4−ベンジルオキシ−6−メトキシピリミ
ジン(9.30g、40.0mmol)を加え、減圧下
(450mmHg)、95℃で8時間加熱還流しなが
ら、生成してくるメタノールを留去した。溶媒留去して
得られた残渣に少量のジエチルエーテルを加え、析出し
た固体を濾取、乾燥し、目的物15.7gを得た。融点
167−172℃ (3)5−((((4−ヒドロキシ−6−メトキシピリ
ミジン−2−イル)アミノ)カルボニルアミノ)スルホ
ニル)−1−メチルピラゾール−4−カルボン酸エチル
の合成 テトラヒドロフラン(200ml)に5−((((4−
ベンジルオキシ−6−メトキシピリミジン−2−イル)
アミノ)カルボニルアミノ)スルホニル)−1−メチル
ピラゾール−4−カルボン酸エチル(10.0g、1
0.4mmol)と5%パラジウム炭素(1.0g)を
加え、常圧下室温にて水素添加(約400ml)した。
パラジウム炭素を濾別後、溶媒留去し、得られた残渣を
ジエチルエーテルにて洗浄、乾燥して目的物5.6gを
得た。融点171−174℃。
【0023】(4)4−(2−((N−((4−エトキ
シカルボニル−1−メチルピラゾール−5−イル)スル
ホニル)カルバモイル)アミノ)−6−メトキシピリミ
ジン−4−イルオキシ)ブタン酸ベンジル アセトニトリル(16ml)に5−((((4−ヒドロ
キシ−6−メトキシピリミジン−2−イル)アミノ)カ
ルボニルアミノ)スルホニル)−1−メチルピラゾール
−4−カルボン酸エチル( 1.0g、2.5mmo
l)、4−ブロモブタン酸ベンジル(3.7g、14m
mol)と1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウン
デック−7−エン(2.5g、16mmol)を加え、
60℃にて4時間攪拌した。室温まで冷却後、反応混合
物を氷水にあけ、希塩酸を加えて酸性にした。酢酸エチ
ルで抽出し、飽和食塩水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで
乾燥後、溶媒留去した。得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)で精製
し、さらに酢酸エチル/ ジイソプロピルエーテル混合
液(1/2)で洗浄することにより目的物0.15gを
得た。融点224−225℃。
【0024】(5)4−(2−((N−((4−エトキ
シカルボニル−1−メチルピラゾール−5−イル)スル
ホニル)カルバモイル)アミノ)−6−メトキシピリミ
ジン−4−イルオキシ)ブタン酸 テトラヒドロフラン(15ml)に4−(2−((N−
((4−エトキシカルボニル−1−メチルピラゾール−
5−イル)スルホニル)カルバモイル)アミノ)−6−
メトキシピリミジン−4−イルオキシ)ブタン酸ベンジ
ル( 0.1g、0.17mmol)と5%パラジウム
炭素(0.02g)を加え、常圧下室温にて24時間水
素添加した。パラジウム炭素を濾別後、溶媒留去し、得
られた残渣をクロロホルム/ジイソプロピルエーテル混
合液(1/2)で洗浄、乾燥して目的物0.07gを得
た。融点146−150℃。
【0025】〔実施例2〕ハプテンとキーホールリンペ
ットヘモシアニンとの複合体の製造法(活性エステル化
法) 実施例1で製造したハプテン、N−ヒドロキシサクシミ
イミド及びN−N´−ジシクロヘキシルカルボジイミド
を乾燥ジメチルホルムアミドに溶解し、室温中一晩撹拌
した。これに、生体高分子であるキーホールリンペット
ヘモシアニンと緩衝液からなる溶液をゆっくりと滴下
し、室温中一晩撹拌した。生じた反応副産物をろ過によ
り除き、ろ液を蒸留水に対して透析し、凍結乾燥するこ
とで目的の複合体を得た。
【0026】〔実施例3〕ハプテンとウシ血清アルブミ
ンとの複合体の製造法 実施例2と同様にして、活性化エステル法によりハプテ
ンを生体高分子であるウシ血清アルブミンと結合し、目
的の複合体を得た。
【0027】〔実施例4〕抗体価の確認 96穴マイクロプレートの各ウェルに実施例3で得られ
た複合体(ハプテン−BSA複合体)を抗原として固定
化した。これに実施例2で得られた複合体(ハプテン−
KLH複合体)を抗原としてウサギに免疫することで得
られた血清の希釈溶液を加えて反応させた(1次抗体反
応)。洗浄後、抗ウサギIgG POD(ペルオキシダ
ーゼ)標識抗体を加え反応させた(2次抗体反応)。洗
浄後、これにABTS(2,2*-アジノビス(3−エチ
ルベンゾチアゾーリンスルホン酸ジアンモニウム塩)及
び過酸化水素水を加え、415nmの吸光度を測定し
た。試薬はKPL社のキットを使用した。結果を表2に
示す。
【0028】
【表4】 表2 精製した抗体の抗体価(415nmでの吸光度(abs)) ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 免疫前 精製抗体希釈倍率 (初期濃度約3.5mg/ml) 血清 100 400 1600 6400 25600 102400 409600 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ウサギ-1 0.0037 2.816 2.609 1.970 1.064 0.427 0.173 0.069 ウサギ-2 0.0035 2.767 2.463 1.550 0.923 0.325 0.107 0.058 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表2より明らかなように、免疫前血清ではハプテン−B
SA複合体に反応する抗体がほとんど存在せず、免疫す
ることにより、ハプテン−BSA複合体に反応する抗体
が調製されたことが確認された。また、希釈倍率と吸光
度に相関があり、高い希釈倍率でも反応することから、
この抗体をELISA法にて使用できる。
【0029】〔実施例5〕ポリクローナル抗体の調製 実施例2で得られた複合体を生理食塩水に溶解し、等容
量のフロイントの完全アジュバント(SIGMA製)と
混合した後、クリーンウサギに皮下接種した。以後2週
間ごとに5回追加免疫した。2回目以降はフロイントの
不完全アジュバント(SIGMA製)を使用した。最終
免疫から1週間後全採血を行い、得られた血液から抗血
清を分離した。得られた抗血清を硫酸アンモニウムで塩
析後、プロテイン−Aアガロースアフィニティークロマ
トグラフィーにより精製し、目的のポリクローナル抗体
を得た。
【0030】〔実施例6〕ポリクローナル抗体の調製 実施例3で得られた複合体を用いて、実施例5と同様に
して、目的のポリクローナル抗体を得た。
【0031】〔実施例7〕間接競合法による検出 (1)ハプテン−BSA複合体をコーティング液(KP
L社製)に溶解し、この溶液を96穴マイクロプレート
(Maxisorp, Nalge Nunc社製)の各ウェルに入れた。約
1時間振とうし、固定化した。この溶液を除き各ウェル
を洗浄液(KPL社製)にて洗浄した。 (2)各ウェルに希釈したブロッキング液(雪印乳業
製)を入れ、約30分振とう後、この溶液を除き各ウェ
ルを洗浄液にて洗浄した。 (3)水に溶解したピラゾスルフロンエチル溶液を各ウ
ェルに入れた。実施例5で得られたピラゾスルフロンエ
チルに反応性を示すポリクローナル抗体を希釈したブロ
ッキング液に溶解し各ウェルに入れた。約37℃下約30分
間振とうし競合させた。この溶液を除き各ウェルを洗浄
液にて洗浄した。 (4)二次抗体として西洋ワサビペルオキシダーゼ結合
抗ウサギIg Gヤギ抗体(KPL社製)を希釈したブロッ
キング液に溶解し各ウェルに入れた。約1時間振とう
後、この溶液を除き各ウェルを洗浄液(KPL社製)に
て洗浄した。 (5)3,3',5,5'-テトラメチルベンチジン(東京化成
製)のDMSO溶液と過酸化水素水、クエン酸−酢酸緩
衝液を混合した溶液を各ウェルに入れ、約10分間振と
うし発色させた。 (6)1規定硫酸を各ウェルに入れ、反応を停止させ
た。 (7)マイクロプレートリーダー(バイオラッド製)を
用いて450 nmの吸光度を測定した。結果を表3に示す。
【0032】
【表5】 表3 間接競合法での結果例 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ピラゾスルフロンエチル濃度(ppb) 0 1 10 100 1000 10000 100000 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 吸光度 0.871 0.855 0.897 0.830 0.764 0.653 0.490 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表3により明らかなように、ピラゾスルフロンエチル濃
度の増加に伴い吸光度が低下し、濃度相関が確認され
た。
【0033】〔実施例8〕ハプテンと西洋ワサビペルオ
キシダーゼとの複合体の製造法 実施例2と同様にして、活性化エステル法によりハプテ
ンを生体高分子である西洋ワサビペルオキシダーゼ(KP
L社製)と結合し、目的の複合体を得た。
【0034】〔実施例9〕直接競合法による検出 (1)ピラゾスルフロンエチルに反応性を示すポリクロ
ーナル抗体をコーティング液に溶解し、この溶液を96
穴マイクロプレート(Nalge Nunc社製)の各ウェルに入
れた。約1時間振とうし、固定化させた。この溶液を除
き各ウェルを洗浄液にて洗浄した。 (2)各ウェルに希釈したブロッキング液を入れ、約3
0分振とう後、この溶液を除き各ウェルを洗浄液にて洗
浄した。 (3)水に溶解したピラゾスルフロンエチル溶液を各ウ
ェルに入れた。ハプテンー西洋ワサビペルオキシダーゼ
複合体を希釈したブロッキング液に溶解し各ウェルに入
れた。約37℃で約1時間振とうし競合させた。この溶
液を除き各ウェルを洗浄液にて洗浄した。 (4)3,3’,5,5’-テトラメチルベンチジン(東京化成
製)のDMSO溶液と過酸化水素水、クエン酸−酢酸緩
衝液を混合した溶液を各ウェルに入れ、約10分間振と
うし発色させた。 (5)1規定硫酸を各ウェルに入れ、反応を停止させ
た。 (6)マイクロプレートリーダー(バイオラッド製)を
用いて450 nmの吸光度を測定した。結果を表4に示す。
【0035】
【表6】 表4 直接競合法による結果例 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ピラゾスルフロンエチル濃度(ppb) 0 1 10 100 1000 10000 100000 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 吸光度 0.863 0.875 0.836 0.828 0.825 0.784 0.650 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 表4により明らかなように、ピラゾスルフロンエチル濃
度の増加に伴い吸光度が低下し、濃度相関が確認され
た。
【0036】
【効果】本発明のポリクローナル抗体を用いる免疫化学
的検出方法により、ピラゾスルフロンエチル又はハロス
ルフロンメチルが精度よく分析できる。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(I): 【化1】 〔式中、R1は水素原子又は塩素原子を表し、R2は水素
    原子、メチル基、エチル基又は(CH2nCOOHを表
    し、R3はメチル基又は(CH2nCOOHを表し、n
    は1から10の整数を表す。但し、 (1)R1が水素原子を表す場合、R2はメチル基又はエ
    チル基を表し、R3は(CH2nCOOHを表す。 (2)R1が塩素原子を表し、R2が水素原子又は(CH
    2nCOOHを表す場合、R3はメチル基を表す。 (3)R1が塩素原子を表し、R2がメチル基又はエチル
    基を表す場合、R3は(CH2nCOOHを表す。〕で
    表されるハプテン。
  2. 【請求項2】 R1が水素原子を表し、R2がエチル基を
    表し、R3が(CH2nCOOHを表す請求項1のハプ
    テン。
  3. 【請求項3】 R1が塩素原子を表し、R2がメチル基を
    表し、R3が(CH2nCOOHを表す請求項1のハプ
    テン。
  4. 【請求項4】 R1が塩素原子を表し、R2が(CH2n
    COOHを表し、R 3がメチル基を表す請求項1のハプ
    テン。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至請求項4のハプテンに生体
    高分子が結合した複合体。
  6. 【請求項6】 生体高分子がヘモシアニン、血清アルブ
    ミン、卵白アルブミン又は免疫グロブリンである請求項
    5の複合体。
  7. 【請求項7】 請求項5又は請求項6の複合体を用いて
    調製される、ピラゾスルフロンエチル又はハロスルフロ
    ンメチルに反応性を示すポリクローナル抗体。
  8. 【請求項8】 請求項2のハプテンに生体高分子が結合
    した複合体を用いて調製される、ピラゾスルフロンエチ
    ルに反応性を示すポリクローナル抗体。
  9. 【請求項9】 請求項3又は請求項4のハプテンに生体
    高分子が結合した複合体を用いて調製される、ハロスル
    フロンメチルに反応性を示すポリクローナル抗体。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項4のハプテンに生
    体高分子を結合させて複合体を調製する方法。
  11. 【請求項11】 請求項5又は請求項6の複合体を用い
    て、ピラゾスルフロンエチル又はハロスルフロンメチル
    に反応性を示すポリクローナル抗体を調製する方法。
  12. 【請求項12】 請求項7のポリクローナル抗体を用い
    ることを特徴とする、ピラゾスルフロンエチル又はハロ
    スルフロンメチルの免疫化学的検出方法。
  13. 【請求項13】 請求項8のポリクローナル抗体を用い
    ることを特徴とする、ピラゾスルフロンエチルの免疫化
    学的検出方法。
  14. 【請求項14】 請求項9のポリクローナル抗体を用い
    ることを特徴とする、ハロスルフロンメチルの免疫化学
    的検出方法。
  15. 【請求項15】 式(I’): 【化2】 〔式中、R1は水素原子又は塩素原子を表し、R2はメチ
    ル基、エチル基又は(CH2nCOOHを表し、R3
    メチル基又は(CH2nCOOHを表し、nは1から1
    0の整数を表す。但し、 (1)R1が水素原子を表す場合、R2はメチル基又はエ
    チル基を表し、R3は(CH2nCOOHを表す。 (2)R1が塩素原子を表し、R2が(CH2nCOOH
    を表す場合、R3はメチル基を表す。 (3)R1が塩素原子を表し、R2がメチル基又はエチル
    基を表す場合、R3は(CH2nCOOHを表す。〕で
    表されるピラゾールスルホニルウレア。
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