JPH1124053A - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JPH1124053A
JPH1124053A JP17996297A JP17996297A JPH1124053A JP H1124053 A JPH1124053 A JP H1124053A JP 17996297 A JP17996297 A JP 17996297A JP 17996297 A JP17996297 A JP 17996297A JP H1124053 A JPH1124053 A JP H1124053A
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JP
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crystal display
substrate
display element
electrode
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JP17996297A
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Inventor
Tomoyuki Ishihara
知幸 石原
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Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】表示品位を向上する。 【解決手段】第1の電極付き基板と第2の電極付き基板
を対向して配置し、周辺部にシール材を設け、第1の基
板と第2の基板との間に樹脂相と液晶相とを複合せしめ
た液晶/樹脂複合体層を配置する液晶光学素子の製造方
法であって、シール材を設けた後に第1の電極付き基板
と第2の電極付き基板の基板表面をオゾンで洗浄し、そ
の後両基板を対向配置することを特徴とする液晶表子素
子の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子、特に
液晶/樹脂複合体を備えた液晶/高分子分散型液晶表示
素子(以下、分散型素子と略称する。)の製造に使用さ
れる基板表面の洗浄方法に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子の製造方法における洗浄技
術、特に、乾式洗浄に着目して以下に説明する。まず、
パッシブ駆動が用いられるSTNカラー液晶表示素子の
製造方法から説明を行う。
【0003】まず、ガラス基板にUVオゾン洗浄を施
し、次に基板表面にパッシベーション膜をつける。カラ
ーフィルタ側基板はパッシベーション膜の表面をUVオ
ゾン洗浄した後、カラーフィルタを形成する。その後カ
ラーフィルタ表面をUVオゾン洗浄し、平坦化膜をつけ
る。
【0004】次にカラーフィルタ側基板、電極側基板と
も透明導電膜(ITO)をつけた後にパターニングを行
い電極を形成する。さらに電極表面をUV洗浄し、絶縁
膜をつけ、再びUVオゾン洗浄を行って配向膜を転写
し、焼成し、ラビングを行う。
【0005】その後、カラーフィルタ側基板にはシール
を印刷し、電極基板側にはスペーサーを散布する。次に
これら両基板をシール材を間に挟み、貼り合わせて空セ
ルを作製する。この空セルに液晶を注入し、注入口を封
止する。その後、取り出し電極を形成し、モジュール化
して動作可能な液晶表示素子が完成する。なお、UVオ
ゾン洗浄法に用いるUV発生装置として、低圧水銀ラン
プや、エキシマ発光を利用するキセノンエキシマランプ
が用いられることが多い。
【0006】次に、画素ごとに薄膜能動素子(TFT)
を設けたアクティブマトリックス型液晶表示素子の場合
には、上記のSTNカラー液晶表示素子における電極基
板が、TFT基板となる。それ以外は、基本的にはパッ
シブ駆動の液晶表示素子とほぼ同じような製造工程を経
て製造される。
【0007】このような液晶表示素子の製造に用いられ
る乾式洗浄技術としては酸素プラズマ法(特公昭57−
43886号公報)、エキシマレーザー法(特開平6−
67137号公報)、およびUVオゾン洗浄法等が知ら
れていた。
【0008】酸素プラズマ法は、洗浄作用を生起する原
理のため、空セルを組み立てた後に基板内面側の洗浄を
行うことができる。しかし、この方法によると、通常酸
素プラズマの発生に真空プロセスが必要となる。逆に、
真空プロセスを用いないでプラズマを発生させるには、
高出力の電力が必要になることが製造上の問題となって
いた。
【0009】また、この酸素プラズマ法は、原理上空セ
ルの状態でセル内面を洗浄できることが特徴である。し
かし、UVオゾン洗浄法に比べて装置が高価で、かつ作
業性も悪い。また、狭いセルギャップ内に、発生する酸
素プラズマを利用するため、基板状態での洗浄に比し
て、洗浄効果に限界がある。
【0010】また、液晶表示素子の製法上、どの工程に
UVオゾン洗浄法を適用するかに関しては、TNやST
N型液晶表示素子における配向膜形成(具体的にはポリ
イミド樹脂を焼成後、ラビング配向処理が行われる)の
直前に行う手法(特開平8−304797号公報)や、
ラビング工程の直後に行う手法(特開平5−34652
号公報)の両方が知られていた。
【0011】また、液晶表示素子のその他の構成部分
に、UVオゾン洗浄法を適用することが可能であり、フ
ィルム電極に適用する例、カラーフィルタの製造に適用
する例が知られていた。
【0012】ここでUVオゾン洗浄について簡単に説明
する。UVオゾン洗浄は単にUV洗浄とも呼ばれ乾式洗
浄方法の一種である。空気中で対象物に185nm、2
54nmの波長を含むUV(紫外線)を照射する。この
とき、波長185nmの紫外線が空気中の酸素(O2
に照射されるとオゾン(O3 )が発生し、さらにそのオ
ゾンに254nmの紫外線が照射されると活性酸素
(O)が発生する。
【0013】同時に対象物の汚れの分子も紫外線によっ
て活性化しており、活性酸素と化合して揮発性分子とな
って取り除かれる。微弱な有機物の汚染を簡便に均一に
取り除くことができる。
【0014】なお、空セルの状態でセルの外部からUV
オゾン洗浄を行っても、基板ガラスは一般的には185
nm、254nm、の紫外線をほとんど通過させないた
め、セル内面側に位置する基板表面に洗浄効果が及ばな
いことはいうまでもない。
【0015】上記のように、液晶表示素子に用いられる
UVオゾン洗浄の全工程のなかで占める位置は、TNや
STN型液晶表示素子の配向膜の形成直後までであっ
た。つまり、配向膜の形成の後工程となる、シール材の
印刷工程、および、スペーサーの散布工程の後には実施
されていなかった。
【0016】このように、従来技術の液晶表示素子の製
造方法においては、基板表面のUVオゾン洗浄は配向膜
形成工程完了までの間に行われ、これ以降は洗浄を一切
実施しないのが通例であった。
【0017】上記の配向膜を利用して液晶層を配向形成
し、外付の偏光板と組み合わせる従来技術の液晶表示素
子に対して、光変調層として液晶/樹脂複合体層を備え
た分散型素子の場合(例えば、特開平3−58022号
公報)は、基本的に配向膜が不要であった。
【0018】他の目的で分散型素子の基板上にポリイミ
ド膜を設けても、液晶分子を表面配向させるためのラビ
ング処理が本来的に不要である。そのため、液晶分子に
配向を与える配向膜(有機化合物の層)の表面を高度に
洗浄するという必要が全くなかったのである。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】一般的に、液晶表示素
子の基板内表面の極微弱な汚染が完成後の表示品位、特
に表示むらに影響を与えることが広く知られていた。し
かし、分散型素子は、従来のTN型やSTN型液晶表示
素子と比較して、そのセル内面構成が異なり、従来の液
晶表示素子が必須要件とする配向膜形成工程を本来的に
必要としていなかった。したがって、配向に影響を与え
るような汚染メカニズムが存在し得ず、特別な洗浄技術
を適用するという必要性もなかったのである。
【0020】しかし、分散型素子の開発を鋭意進めたと
ころ、従来の液晶表示素子では知られていなかった不良
モード、すなわち透過率のむらがわずかな頻度ではある
が再現性よく発生することが明らかになってきた。図2
に、良品の場合の特性カーブ、印加電圧オフ時に透過率
が高い不良モードb、および、中間電圧に対する透過率
が高い不良モードaの3本の特性カーブを示す。このう
ち、不良モードbは中間調の表示を行わないと発見でき
ないものであった。
【0021】従来技術のSTN型やTN型液晶表示素子
の場合には、配向膜形成工程以降に洗浄を行ったとして
も、行わなかったものに比較して、表示特性、特に表示
むらの発生率の差異は、統計的に全く認められなかっ
た。しかし、実際には配向膜形成後の洗浄まででは汚れ
が完全に取れておらず、微弱に残留している可能性や、
シール塗布時やスペーサー散布時に新たに発生する汚染
は当然存在していたのである。
【0022】すなわち、従来のSTN型やTN型液晶表
示素子では、これらの汚染は表示特性に影響を与えない
程度に弱いものと考えられる。これに対して、分散型素
子の場合、これらの汚染レベルが無視できず、結果とし
て、十分に視認できるような表示むらが生じることが判
明した。
【0023】分散型素子の基板面について、息吹きかけ
テスト、SEMによる表面観察、SIMS、IRの各種
検査を行っても表面の洗浄度について差異を見いだすこ
とができなかった。つまり、鋭敏な判別手段を持ってし
ても検出できないようなレベルの汚染が存在し、そし
て、分散型素子の場合には表示に影響を与えていること
がわかったのである。
【0024】この分散型素子に特有な不良モードに関し
以下に説明する。形状は不定形なものや、定形状のもの
がある。定形状の形状は円盤状のものが多い。サイズは
不定型なものでは幅が数センチのものがあり、定形状の
ものでは、数100μmを中心に、数10μm〜1mm
の範囲に分布している。図3にその状態を模式的に示
す。表側基板3Aと裏側基板3Bとの間に液晶/樹脂複
合体2が挟持されている。なお、カラーフィルタやTF
T、表面保護膜、シール材などについて図示を省略して
いる。そして、液晶/樹脂複合体2のうちの、汚染点1
に対応して位置する部位2bは、正常な表示を呈する周
辺の領域2aと比較して見た場合、若干の構造変異を有
しており、それが光学特性に影響していると考えられ
る。
【0025】また、この表示むらを呈する部分は、周辺
の正常部に比べて透過率が高い状態になっていることが
確認された。しかし、同様の不良モードを示すものであ
るが、電圧無印加のオフ状態で認識できるもの、オフ状
態では全く認識できず中間電圧を印加して初めて認識で
きるものとがある。なお、電圧を印加したオン状態(ほ
ぼ、飽和電圧を印加した状態で、表示としては透明)で
は不良モードを全く認識することができない。
【0026】この表示むらについて究明を進めたとこ
ろ、従来の液晶表示素子では影響が現れない基板内表面
の微弱な汚染が原因であることがわかった。さらに、そ
の汚染源は工程内で発生する有機物であることが判明し
た。
【0027】つまり、分散型素子の場合には、従来の液
晶表示素子では問題が認められなかった、基板表面にお
ける汚染レベルにおいてさえ、表示むらが生じることが
見いだされた。具体的には、表示面において、正常部に
比較して、透過率が高い部位が発生し、結果として表示
のむらが発生するというものである。
【0028】これは、従来の液晶表示素子に比べて、配
向機能を基板に設けていないが、分散型素子の基板表面
状態が光変調層の動作に敏感に反映しやすい性質を別途
持っているためと考えられる。このように、本発明は従
来知られていなかった分散型素子に特有な表示むらを解
決するものである。
【0029】
【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたものであり、すなわち、請求項1
は、第1の電極付き基板と第2の電極付き基板を対向し
て配置し、周辺部にシール材を設け、第1の基板と第2
の基板との間に樹脂相と液晶相とを複合せしめた液晶/
樹脂複合体層を配置する液晶表示素子の製造方法であっ
て、シール材を設けた後に第1の電極付き基板と第2の
電極付き基板の基板表面をオゾン雰囲気中に置き、その
後両基板を対向配置することを特徴とする液晶表子素子
の製造方法を提供する。
【0030】請求項1の発明において、オゾンを利用し
た洗浄を室温雰囲気中で行うことができるので好まし
い。所要時間は、0.5〜5分程度でよい。特に、液晶
表示素子の他の構成部材に対する温度の影響を考慮し、
高温を避けることが必要な場合に採用できる。特に、シ
ール材を最終接着する前の工程においては、150℃を
超える高温は回避することが好ましいからである。
【0031】また、この請求項1の発明において、15
0℃未満の高温雰囲気下で行うこともできる。オゾン洗
浄に高温による洗浄効果が加わり、さらに洗浄効果が高
くなる。例えば、100〜140℃で処理が可能であ
り、120±10℃が特に好ましい。
【0032】また、請求項2は、第1の電極付き基板と
第2の電極付き基板を対向して配置し、周辺部にシール
材を設け、第1の基板と第2の基板との間に樹脂相と液
晶相とを複合せしめた液晶/樹脂複合体層を配置する液
晶表示素子の製造方法であって、第1の電極付き基板と
第2の電極付き基板を対向配置した後、150〜300
℃の高温雰囲気中に置くことを特徴とする液晶表子素子
の製造方法を提供する。
【0033】請求項2の発明は、いわゆる両基板を対向
配置して、空セルを形成した後に行うものである。した
がって、基板の二次的な汚染の機会が少なく、必要な生
産装置は恒温槽であり、かつ取扱も容易なので好まし
い。
【0034】また、請求項3は、両基板間にスペーサー
を散布し、その後、スペーサーを散布した基板表面をオ
ゾン雰囲気中に置くことを特徴とする請求項1記載の液
晶表示素子の製造方法を提供する。
【0035】また、請求項4は、樹脂相と液晶相とを光
重合相分離法によって形成することを特徴とする請求項
1、2または3記載の液晶表示素子の製造方法を提供す
る。
【0036】また、請求項5は、請求項1、2、3また
は4記載の液晶表示素子の製造方法によって製造された
液晶表示素子であって、640×480マトリックス以
上の画素数が備えられ、8階調以上の表示が行われる液
晶表示素子を提供する。
【0037】ここで、画素数とは、1辺が640または
480以上であり、総画素数が307200以上のもの
である。例えば、SVGA、XGA、およびSXGAな
どの表示画面が相当する。階調数としては、16階調、
32階調、256階調があげられる。また、本発明の液
晶表示素子は、人間が視認するドットマトリックス方式
の表示素子以外に、レーザ光などのビームをシャッタリ
ングする光学装置にも適用できる。
【0038】
【発明の実施の形態】本発明によって製造しようとする
分散型素子は種々の製造法によって形成できることが知
られている。例えば、エマルジョン法や熱重合相分離法
などが知られている。後述する実施例では、空セルに液
晶と光硬化性化合物等の樹脂生成組成物、スペーサ、お
よびその他の液状材料とを含む混合物を注入した後に、
紫外線を照射して樹脂相と液晶相との重合相分離を行
い、液晶/樹脂複合体層を密閉セル内に形成する光励起
重合相分離法をとりあげている。高品位の表示を行う分
散型素子の製造に特に適しているからである。
【0039】請求項1の発明においては、液晶材料等の
空セルへの配置の前に洗浄工程を設けているので高い効
果を得ることができる。通常、液晶表示素子は対向する
2枚の電極付き基板をシール材を間に挟んで貼り合わ
せ、空セルを作製した後に液晶材料を注入する。
【0040】つまり、高度な洗浄を行うには、基板を貼
り合わせる直前に洗浄を行う方法が好適である。このと
き、シール材は既に塗布されており、また、通常スペー
サーも既に散布されているため、洗浄はウエット洗浄で
なく、乾式洗浄を用いる必要がある。しかし、基板単位
で直接その表面を洗浄するので最も効率的となる。
【0041】上記の請求項2の発明においては、形成し
た空セルを一定の高温状態に置き、表面に付着している
微弱な汚れを形成している有機物質を酸化し、表面から
蒸発させることにより、洗浄を行う。この際、より効果
的に酸化させるために雰囲気の酸素濃度を高くすること
が好ましい。
【0042】しかし、この方法では、セルの構成物、特
にシール材の耐熱温度の制約から、保持できる温度に自
ら上限があり、洗浄効果にも限界がある。そのため、上
述した温度範囲に設定する。なかでも、220±25℃
に設定することが好ましい。部材への影響と短い処理時
間を考慮したうえで、良好な洗浄効果を得ることができ
るからである。
【0043】また、シール材の配置工程後に、実質的な
内側基板面の洗浄を行うことが本発明の必須要件である
が、配向膜もしくは表面被膜塗布工程までの間に、従来
技術と同様の洗浄工程を設けることが、最終的に得られ
る液晶表示素子の洗浄度を高める上でより効果的である
ことはいうまでもない。なお、本発明において、液晶表
示素子のセル構成によってはスペーサーを散布しない場
合があることはいうまでもない。
【0044】空セルを作製した後に液晶材料等を注入す
るという製造方法でなく、一方の基板内面上に液晶材料
を滴下、もしくは塗布した後に、もう一方の基板を重ね
合わせるという手法を採用する液晶表示素子の製造法に
おいては、液晶材料の滴下・塗布の直前に上記の乾式洗
浄を行うことが可能であり、より洗浄の効果を高めるこ
とが可能となる。例えば、液晶/樹脂の混合物を用いる
ラテックス法が該当する。
【0045】なお、いずれの場合にも、シール材はUV
光により変質しない材質のものを選択するか、製造時に
UV光がシール部分に照射されないようにする等の工夫
が必要である。
【0046】また、単純マトリックス駆動式の液晶表示
素子では問題とならないが、アクティブマトリックス駆
動式の液晶表示素子の場合には、TFTに直接にUV光
が当たった場合、高強度・長時間になればなるほどTF
Tの特性が劣化するため、UV光の照射時間を影響の現
れない範囲に制限する必要がある。
【0047】なお、液晶表示素子の中で、直視型でな
く、液晶プロジェクターのような投射型用途向けの液晶
表示素子に搭載するように設計されたTFTでは、TF
Tに対する遮光が十分に施されているので、UV光の照
射で特性の劣化の可能性がほとんどない。
【0048】さらに、反射タイプのTFTにおいては、
TFTが反射膜等の他の構成部材によって完全に隠蔽さ
れているため、上述した構造上の不利な点がないので大
変好ましい。
【0049】本発明に用いる乾式洗浄のうち、現在工業
的に用いられている最も簡便でかつ効果的な方法は、高
温処理法およびUVオゾン洗浄法である。図1に本発明
の液晶表示素子の製造方法の一例の流れ図を示す。
【0050】
【実施例】
(実施例1)ITOを備えたガラス基板を対角3インチ
サイズのセルサイズに切り出し、ウエット洗浄(純水超
音波+IPA超音波+純温水引き上げ乾燥)し、一方の
基板に13μmのスペーサーを散布した。もう一方の基
板の周辺部にシール材を印刷した。この状態で基板の内
表面側を室温雰囲気で0.5分間のUVオゾン洗浄を行
い、その後両基板を重ね合わせ熱圧着によりセル化を行
った。
【0051】このようにして形成したセル100枚に、
分散型素子を形成する材料である液晶/光硬化性化合物
(アクリル系モノマーとアクリル系オリゴマー、および
光硬化開始剤等)の混合物を注入し紫外線を照射し、重
合相分離によって液晶/樹脂複合体を形成した。
【0052】このセルの外観をオフ状態および中間調状
態で観察検査したところ、透過率のむら不良は一切観察
されなかった。
【0053】(比較例1)実施例1と同様にセル化を行
うがここではUV洗浄は実施しなかった。このセル10
0枚に、実施例1と同様の手法で分散型素子を形成し
た。このようにして形成したセルの外観を、電圧無印加
のオフ状態、および中間的な電圧を印加した中間調状態
で観察し、表面の各部を検査したところ、微小な透過率
のむらが5つの液晶表示素子において観察された。
【0054】(実施例2)ITOを備えたガラス基板を
対角3.5インチサイズのセルサイズに切り出し、ウエ
ット洗浄(純水超音波+IPA超音波+純温水引き上げ
乾燥)し、その後ポリイミドを転写版にて塗布し焼成し
た。一方の基板に13μmのスペーサーを散布し、もう
一方の基板の周辺部にシール材を印刷した。この状態で
基板の内表面側を室温雰囲気で5分間のUVオゾン洗浄
を行い、その後両基板を重ね合わせ熱圧着によりセル化
を行った。
【0055】このセル100枚を実施例1と同様にし
て、液晶/樹脂複合体を形成した。このセルの外観を、
電圧無印加のオフ状態および中間的な電圧を印加する中
間調状態で観察し、表面の各部を検査したところ、透過
率のむらは一切観察されなかった。
【0056】(比較例2)実施例2と同様にセル化を行
ったが、本例ではUV洗浄を行わなかった。このセル1
00枚に実施例2と同様にして液晶/樹脂複合体を形成
した。このセルの外観を電圧無印加のオフ状態および中
間的な電圧を印加する中間調状態で観察し、表面の各部
を検査したところ、微小な透過率のむらが8枚の液晶表
示素子において観察された。
【0057】(実施例3)ガラス基板上にTFTを作製
し、もう一方のガラス基板上に遮光用のBMを形成し
た。これらの基板に純水超音波洗浄を実施し、スピン乾
燥せしめた。その後、TFT基板側にスペーサーを散布
し、BM基板側にシール材を印刷した。この状態で両方
の基板の内表面側に室温雰囲気で、2分間のUVオゾン
洗浄を行った。その後、両基板を重ね合わせ熱圧着によ
りセル化を行った。
【0058】このセル100枚に実施例1と同様にして
分散型素子を形成した。このセルの外観を実施例1と同
様にして検査したところ、透過率のむらは一切観察され
なかった。
【0059】(比較例3)実施例3と同様にセル化を行
ったが、本例ではUV洗浄を用いなかった。このセル1
00枚を実施例3と同様にして液晶/樹脂複合体層を形
成した。このセルの外観をオフ状態および中間調状態で
観察検査したところ、微小な透過率のむらが20枚にお
いて観察された。
【0060】(実施例4)ガラス基板上にTFTを作製
し、もう一方のガラス基板上に遮光用のBMを形成し
た。これら基板を純水超音波洗浄を実施しスピン乾燥し
た後、ポリイミドを転写版にて塗布焼成し、UV洗浄し
た。その後TFT基板側にスペーサーを散布し、BM基
板側にシールを印刷した。この状態で基板の内表面側を
室温雰囲気で5分間のUV洗浄を行い、その後両基板を
重ね合わせ熱圧着によりセル化を行った。
【0061】このセル100枚を実施例1と同様にして
液晶/樹脂複合体を形成した。このセルの外観を電圧無
印加のオフ状態、および中間調状態で観察検査したとこ
ろ、透過率のむらは一切観察されなかった。
【0062】(比較例4)実施例4と同様にセル化を行
ったが、本例ではスペーサー散布後および、シール印刷
後のUV洗浄は実施しなかった。このセル100枚に実
施例1と同様にして分散型素子を形成した。このセルの
外観を電圧無印加の電圧オフ状態および中間調状態で観
察検査したところ、微小な透過率のむらが10枚におい
て観察された。
【0063】(比較例5)本例ではTN型の液晶表示素
子を製造した。まず、TFT基板およびCF基板に配向
膜を焼成し、ラビング処理を行った後、それぞれの基板
に対してUVオゾン洗浄を実施した。TFT基板には、
スペーサーを散布し、CF基板にはシールを印刷した。
この状態の基板を各々2000枚分用意した。
【0064】このうち、各々1000枚の基板は実施例
4と同様の条件でUVオゾン洗浄を行った後にセル化し
た(A条件)。一方、残り1000枚はUVオゾン洗浄
を行わずにそのままセル化した(B条件)。
【0065】これらの合計2000枚に液晶を注入し、
TN型液晶表示素子を形成した。この液晶表示素子を観
察・検査したところ、A条件で製造した液晶表示素子で
は2パネルにおいて、B条件で製造した液晶表示素子で
は、3枚において、液晶の配向むらに起因する表示むら
が観察された。
【0066】(実施例5)ガラス基板上にTFTを作製
し、もう一方のガラス基板上に遮光用のBMを形成し
た。これら基板を純水超音波洗浄を実施しスピン乾燥し
た後、ポリイミドを転写版にて塗布焼成し、UV洗浄し
た。その後TFT基板側にスペーサーを散布し、BM基
板側にシールを印刷した。この状態で両方の基板の内表
面側を室温雰囲気で3分間、UVオゾン洗浄を行った。
その後両基板を重ね合わせ熱圧着によりセル化を行っ
た。実施例1と同様に良好な表示品位の液晶表示素子を
得ることができた。
【0067】(実施例6)実施例5と同様にして基板を
準備し、本例においては、両基板を140℃の雰囲気
で、5分間のUVオゾン洗浄を行い、その後両基板を重
ね合わせ熱圧着によりセル化を行った。実施例1と同様
に良好な表示品位の液晶表示素子を得ることができた。
【0068】(実施例7)ガラス基板上にTFTを作製
し、もう一方のガラス基板上に遮光用のBMを形成し
た。これら基板を純水超音波洗浄を実施しスピン乾燥し
た後、ポリイミドを転写版にて塗布焼成し、UV洗浄し
た。その後TFT基板側にスペーサーを散布し、BM基
板側にシールを印刷した。
【0069】その後両基板を重ね合わせ熱圧着によりセ
ル化を行った。セル化を行った後、空セルを220℃の
高温雰囲気で45分間の保持を行った。実施例1と同様
に良好な表示品位の液晶表示素子を製造できた。
【0070】(比較例6)高温保持を行わない以外は実
施例7と同様にして液晶表示素子を製造した。本例では
表示むらが100枚中、9枚発生した。
【0071】
【発明の効果】本発明によれば、分散型素子の基板内表
面の微弱な汚染により生じる特有な透過率むらを、特定
の洗浄処理を行うことで、簡便に解消することが可能と
なった。そして、液晶表示素子の表示品質の向上を達成
し、同時に、液晶表示素子の良品率を上げることができ
た。また、液晶セル内の洗浄度が向上したことにより電
気素子としての長期信頼性がさらに向上した。
【0072】また、本発明の液晶表示素子は表示画面を
スクリーンに拡大投射する投射型表示装置に用いた場
合、特にその効果を奏する。直視型の液晶表示素子で
は、人間が表示画面をそのまま見て使用するので、微小
領域の不良モードを視認することが少ない。しかし、投
射型表示装置の場合、少なくとも10倍以上の拡大率で
投射されるために、汚染点が10μm程度のサイズであ
っても、投射画面で視認される可能性が高くなるからで
ある。
【0073】また、スペーサーを用いる液晶表示素子の
場合、スペーサー自身の洗浄度を高度に管理することが
困難であり、かつ散布装置自体も各種の可動部を持ち、
分散型素子の基板を微量ながら汚染する可能性がある。
そのため、スペーサーの散布工程の後に洗浄工程を配置
するという本発明は大きな意義がある。
【0074】また、二値動作ではない、高階調の表示素
子の場合、中間調における透過率の変異が人間に視認さ
れやすいので、高品位の表示素子を得ようとする際に大
いに効果を奏するものである。また、本発明はその効果
を損しない範囲で種々の応用ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示素子の製造法の流れ図。
【図2】本発明の液晶表示素子の不良モードのVTカー
ブを示すグラフ。
【図3】不良モードが起こる液晶表示素子の説明図。
【符号の説明】
1:汚染点 1A:異常表示部 2:液晶/樹脂複合体 3A、3B:基板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1の電極付き基板と第2の電極付き基板
    を対向して配置し、周辺部にシール材を設け、第1の基
    板と第2の基板との間に樹脂相と液晶相とを複合せしめ
    た液晶/樹脂複合体層を配置する液晶表示素子の製造方
    法であって、シール材を設けた後に第1の電極付き基板
    と第2の電極付き基板の基板表面をオゾン雰囲気中に置
    き、その後両基板を対向配置することを特徴とする液晶
    表子素子の製造方法。
  2. 【請求項2】第1の電極付き基板と第2の電極付き基板
    を対向して配置し、周辺部にシール材を設け、第1の基
    板と第2の基板との間に樹脂相と液晶相とを複合せしめ
    た液晶/樹脂複合体層を配置する液晶表示素子の製造方
    法であって、第1の電極付き基板と第2の電極付き基板
    を対向配置した後、150〜300℃の高温雰囲気中に
    置くことを特徴とする液晶表子素子の製造方法。
  3. 【請求項3】両基板間にスペーサーを散布し、その後、
    スペーサーを散布した基板表面をオゾン雰囲気中に置く
    ことを特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】樹脂相と液晶相とを光重合相分離法によっ
    て形成することを特徴とする請求項1、2または3記載
    の液晶表示素子の製造方法。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4記載の液晶表示
    素子の製造方法によって製造された液晶表示素子であっ
    て、640×480マトリックス以上の画素数が備えら
    れ、8階調以上の表示が行われる液晶表示素子。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102172592A (zh) * 2011-01-13 2011-09-07 深圳市宇顺电子股份有限公司 一种自动清洁玻璃表面的方法
CN108160647A (zh) * 2018-02-02 2018-06-15 无锡华氏恒辉精密装备科技有限公司 一种cg清洗设备
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