JP4109557B2 - 液晶ディスプレーの構造およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレーおよび液晶ディスプレーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近、液晶ディスプレー(LCD)は光学技術と半導体技術の急速な進歩により電気製品に広く応用されてきている。さらに高画質、コンパクトなサイズ、軽量、低駆動電圧、および低消費電力の利点によりLCDは携帯型コンピュータ、携帯情報端末、カラーテレビに導入され、従来のディスプレーに用いられる陰極線管(CRT)と徐々に置き換わりつつある。LCDは主流のディスプレー装置になりつつある。
【0003】
LCDの主要部は二つの平行な透明基板とそれにシールされたLCから成る液晶(LC)ユニットである。LCDの主流は薄膜トランジスタ(TFT)LCDである。TFT−LCDの製作工程は以下の四つの部分に分けられる。即ち、TFTアレー工程、カラーフィルタ(CF)工程、LCセル組立工程、および液晶モジュール(LCM)工程である。
【0004】
TFTアレー工程はTFT基板を製作するのに用いられる。各TFTはそれぞれ一つの画素電極にアライメントされる。CF工程はカラーフィルタ基板を製作するのに用いられる。異なるカラーフィルタシートから成るカラーフィルタ層はカラーフィルタ基板の上に着いており、ブラックマトリックス層が各カラーフィルタシートを囲んでいる。
【0005】
LCセル組立工程はTFT基板とCF基板を並行に組立てるのに用いられ、それらの間に並べられたビーズスペーサがTFT基板とCF基板の間の不変の距離、即ちセルギャップを維持する。LCがセルギャップに注入され、注入口がシールされる。基本的に各画素電極はそれぞれ一つのカラーフィルタシートに対応し、ブラックマトリックス層はTFTと、異なるTFTを接続する金属線とを覆う。
【0006】
LCM工程は、パネルにポラライザを取り付け、ドライバーICとパネル回路を電気的に接続するのに用いられる。その後、リフレクタとバックライトがパネルに組付けられる。バーンインステップ後、LCM工程は終了する。
【0007】
一般的にTFTにより制御される液晶分子軸の方向は各画素が光を透過するかどうかを決定する。各画素の色はカラーフィルタシートの色により決定される。例えば、光が赤いカラーフィルタシートを通過するときは赤いスポットがパネルに表示される。赤、緑、および青を混合してフルカラー画像を表示出来る。
【0008】
画素電極とカラーフィルタシートの間にある液晶分子の分子軸は正確に制御しなければならないのでカラーフィルタとTFT基板は正確にアライメントされなければならない。アライメントの許容誤差はわずか数マイクロメータ以内である。
【0009】
従来のLC注入はTFT−LCD製作工程においては複雑な手順である。液晶滴下法(ODF)は製作工程を単純化する。ODF工程では紫外(UV)型シールが歩留まり率を改善するのに用いられる。しかし実際の製作工程ではUV型シールにより多くのLCDパネルが汚染される。TFT−LCDの歩留まりと品質は低下する。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
液晶滴下(ODF)技術により製造される液晶ディスプレーにおける液晶の汚染を低減する方法と構造を提供することが本発明の目的である。
紫外線硬化型のシール予備硬化条件を改善して汚染問題を低減する方法と構造を提供することが本発明のもう一つの目的である。
液晶の汚染問題を改善して液晶ディスプレーの品質と歩留まりを向上することが本発明のさらにもう一つの目的である。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明は液晶滴下技術を用いて液晶ディスプレーを製作する方法を提供する。この方法は以下のステップを含む。第1に、周辺回路により形成される導電パターン層を有する第1の基板が供給される。導電パターン層は酸化インジウム錫材料で出来ている。第2に、液晶ディスプレーの光漏れを避けるためのブラックマトリックス層を有する第2の基板が供給される。そうして紫外線硬化型シールが第1の基板に並べられる。液晶材料が第1の基板に滴下される。第1の基板と第2の基板は真空チャンバ内で一緒に接着される。シールは所定の間シールを予備硬化するために第1の基板からの紫外線に曝される。最後にシールが加熱チャンバ内で加熱される。
【0012】
第1の基板は薄膜トランジスタのガラス基板であり、第2の基板はカラーフィルタのガラス基板である。周辺回路は液晶ディスプレーの非表示領域に配置された周辺駆動回路である。
紫外線硬化型シールは第1の基板ではなく第2の基板に並べられてもよい。液晶材料は第1の基板ではなく第2の基板に滴下されてもよい。
【0013】
もう一つの態様において、本発明は液晶滴下技術により製造される液晶ディスプレーの構造を提供する。この構造は第1の基板、導電パターン層、第2の基板、ブラックマトリックス層、液晶層、および紫外線硬化型シールを備える。導電パターン層は第1の基板に形成される。導電パターン層は酸化インジウム錫(ITO)材料で作られた周辺回路を含む。ブラックマトリックス層は第2の基板に形成されて液晶ディスプレーからの光漏れを避ける。紫外線硬化型シールは第1の基板を第2の基板に接着して液晶を蓄えるための導電パターン層とブラックマトリックス層との間のチャンバを形成する。紫外線硬化型シールは所定の間、導電パターン層を介して第1の基板からの紫外線により予備硬化され、次に加熱チャンバ内で加熱されて完全に硬化される。
【0014】
以上の態様と本発明に付帯する多くの利点は、下記の添付図と関連して考慮すれば、以下の詳細な説明を参照することでよりよく理解され、それらはより容易に認識される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下の説明は本発明を実行する現在最もよく考えられた形態についてのものである。この説明は限定的意味で捉えられるべきではなく、単に本発明の一般的な原理を説明するためになされる。本発明の範囲は添付された特許請求の範囲を参照することにより決定されるべきである。
【0016】
図1は本発明の一実施例によるTFT−LCDのシールされた個所の詳細な断面図を示す。図面が示すようにTFT−LCDは第1の基板110と第2の基板150を有し、その両方は透明なガラス材料である。従来、導電パターン層120はブラックマトリックス層140の後ろに隠されている。導電パターン層120はTFT−LCDの周辺駆動回路を含む。周辺駆動回路は銅、アルミニウム、またはクロムで出来た金属層により形成され、非表示領域に配置される。
【0017】
本実施例によるTFT−LCDはODF工程を利用してLCDにLCを充填する。紫外線硬化型シール130は紫外線により容易に予備硬化される。
導電パターン層120はTFTの基板である第1の基板110に形成され、ブラックマトリックス層はカラーフィルタの基板である第2の基板150に形成される。シールは基板の周辺に並べられ、その後に液晶160はODF工程により基板の中心に滴下される。最後に二つの基板が真空チャンバ内で圧力でシールされる。シールは約30秒間紫外線に曝されてシール面を予備硬化し、その後にシールは加熱チャンバ内で完全に硬化される。液晶が滴下され、ODF工程中に第1の基板110または第2の基板150の一方にシールが並べられる。シールと液晶はどのような順序で着けてもよく、あるいは同時に着けてもよい。重要なことは接着ステップの後に二つの基板が真空チャンバに送られて、その中で内部の空気が排気されることである。次にシールは約30秒間紫外線に曝され、その後に完全に硬化するために約60分間加熱される。
【0018】
バックライトまたは定位誤差により生じる光漏れを避けるために、LCDの周辺がブラックマトリックス層140で覆われる。従って、ブラックマトリックス層140は紫外線を通さないので第2の基板150からの紫外線で紫外線硬化型シールが予備硬化されることはない。特にブラックマトリックスは、17インチより小さいTFT−LCDにおいては非常に薄く、また非常に狭い。シールを紫外線に曝す唯一の方法は第1の基板110からである。導電パターン層220と、アルミニウム、銅、またはクロムで出来た金属回路を有する従来の第1の基板、即ちTFT基板は完全に透明ではない。従って導電パターン層はメッシュ層を形成する。
【0019】
図2は本実施例によるTFT−LCDのシールされた個所の正面図である。導電パターン層220は透明な正方形で形成される。シール230はこの領域内に並べられる。ブラックマトリックス層240はシール230と導電パターン層220の下にあり、シール230を完全に覆う。液晶260は図面の左側に配置される。
【0020】
予備硬化ステップを改善するためにシールは紫外線に完全に曝されなければならない。即ち、導電パターン層220は完全に透明でなければならない。本発明による導電パターン層は酸化インジウム錫(ITO)材料のような透明材料で出来ている。従来技術においては導電パターン層が部分透明に過ぎなかったために紫外線は一部透過出来るに過ぎない。従って紫外線がシールに到達出来ない部分は予備硬化しない。従ってシール面は濡れている。真空チャンバにおいて、基板に圧力がかかると液晶はシールに接触し、濡れたシールは液晶を汚染する。
【0021】
本実施例ではITO材料を用いて完全に透明な層である導電パターン層を形成する。シールは紫外線により完全に予備硬化出来る。濡れたシールにより生じる汚染は避けることが出来る。LCDの品質と歩留まりは向上し、欠陥率が減少する。
【0022】
当業者には言うまでもないが、本発明の以上の好ましい実施例は本発明を限定するものではなく本発明を例証するものである。添付の特許請求の範囲の精神と範囲内に種々の変形と類似の配置を含むつもりであり、その範囲にはそのような変形と類似の構造の全てを包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による液晶ディスプレーであって、シールされた個所を示す詳細な断面図である。
【図2】本発明の一実施例による液晶ディスプレーであって、シールされた個所の正面を示す図である。
【符号の説明】
110 第1の基板
120 導電パターン層
130 紫外線硬化型シール
140 ブラックマトリックス層
150 第2の基板
160 液晶
220 導電パターン層
230 紫外線硬化型シール
240 ブラックマトリックス層
260 液晶

Claims (6)

  1. 液晶滴下技術を用いる液晶ディスプレーの製造方法であって、
    酸化インジウム錫材料からなり液晶ディスプレーの非表示領域に配置されている周辺回路により形成される導電パターン層を有する薄膜トランジスタ基板を供給するステップと、
    液晶ディスプレーの光漏れを避けるためのブラックマトリックス層を有するカラーフィルタ基板を供給するステップと、
    前記ブラックマトリックス層と前記導電パターン層との間で、前記薄膜トランジスタ基板の前記導電パターン層側に紫外線硬化型シールを並べるステップと、
    前記薄膜トランジスタ基板に液晶材料を滴下するステップと、
    前記薄膜トランジスタ基板および前記カラーフィルタ基板を真空チャンバ内で接着するステップと、
    所定の間、シールを前記薄膜トランジスタ基板側からの紫外線に曝してシールを予備硬化するステップと、
    シールを加熱するステップと、
    を含み、上記ステップの順に実施することを特徴とする液晶ディスプレーの製造方法。
  2. 前記薄膜トランジスタ基板と前記カラーフィルタ基板との間から空気を排気するために真空チャンバが用いられることを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレーの製造方法。
  3. 前記薄膜トランジスタ基板の前記導電パターン層側に紫外線硬化型シールを並べるステップが、前記カラーフィルタ基板の前記ブラックマトリックス層側に紫外線硬化型シールを並べるステップに置き換えられることを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレーの製造方法。
  4. 前記薄膜トランジスタ基板に液晶材料を滴下するステップが前記カラーフィルタ基板に液晶材料を滴下するステップに置き換えられることを特徴とする請求項1記載の液晶ディスプレーの製造方法。
  5. 液晶滴下技術を用いて製造される液晶ディスプレーであって、
    薄膜トランジスタ基板と、
    前記薄膜トランジスタ基板に形成され、酸化インジウム錫材料からなる周辺回路により形成され、前記周辺回路が非表示領域に配置されている導電パターン層と、
    カラーフィルタ基板と、
    液晶ディスプレーからの光漏れを避けるために前記カラーフィルタ基板に形成されたブラックマトリックス層と、
    液晶滴下技術により形成された液晶層と、
    前記薄膜トランジスタ基板と前記カラーフィルタ基板とを接着して、液晶層を蓄えるための導電パターン層と、ブラックマトリックス層の間のチャンバを形成する紫外線硬化型シールであって、前記紫外線硬化型シールが所定の間、導電パターン層を介して前記薄膜トランジスタ基板からの紫外線により予備硬化され、シールが加熱チャンバ内で加熱されることにより完全に硬化するシールと、
    を備えることを特徴とする液晶ディスプレー。
  6. 紫外線硬化型シールが前記薄膜トランジスタ基板を前記カラーフィルタ基板に接着した後に、前記薄膜トランジスタ基板と前記カラーフィルタ基板の間から空気を排気するために真空チャンバが用いられることを特徴とする請求項5記載の液晶ディスプレー。
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