JPH11240460A - 作業車 - Google Patents

作業車

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JPH11240460A
JPH11240460A JP4338698A JP4338698A JPH11240460A JP H11240460 A JPH11240460 A JP H11240460A JP 4338698 A JP4338698 A JP 4338698A JP 4338698 A JP4338698 A JP 4338698A JP H11240460 A JPH11240460 A JP H11240460A
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rear wheel
lever
shaft
steering
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Takehiro Soga
武寛 曽我
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の作業車においては、旋回する際に、旋
回半径を小さくしようとして旋回内側の後輪が完全ロッ
ク状態となるまで制動していた。これにより、旋回内側
及び外側の後輪によって地面が掘り起こされて圃場が荒
れてしまい、後に行う均平作業が大がかりなものとなっ
てしまっていた。また、ブレーキペダルの踏圧を調整し
て旋回内側の後輪を半ロック状態とするするのは、熟練
を要するとともに疲労が大きくなるため困難であった。 【解決手段】 ステアリング10の切角に対する後輪ブ
レーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設け
て、該調節手段によりステアリング10の最大切角時に
制動側の後輪6が半ロック状態となるように調節可能に
構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラクタ等に適用
される作業車であって、制動装置の操作性の向上等を図
った作業車に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、トラクタ等の作業車におい
て、走行中に旋回を行う場合には、旋回内側の後輪ブレ
ーキ装置を作動させて旋回内側の後輪を制動し、できる
だけ旋回半径を小さくするようにしていた。この場合、
後輪ブレーキ装置は、例えば、作業者がブレーキペダル
を踏圧することにより作動させていた。そして、該作業
車には、ブレーキペダルによるブレーキ装置の作動に加
えて、ステアリングの回転操作に連動して旋回内側の後
輪ブレーキ装置が作動するオートブレーキ機構が設けら
れていた。また、ブレーキ装置の作動をブレーキペダル
以外で行う機構として、実用新案登録第2539024
号に示すように、遠隔操作装置によりブレーキ装置を操
作するものがあった。
【0003】また、該ブレーキペダルとして、左右で別
々のブレーキペダルを設けて、左右のブレーキ装置をそ
れぞれ独立して作動できるように構成したものがある。
この左右のブレーキペダルは、該ブレーキペダルのペダ
ル部近傍に取り付けられた連結装置により一体的に連結
されて、左右のブレーキ装置を同時に操作することもで
き、該連結装置にはその連結状態を検出する検出装置が
付設されていた。連結装置に付設される検出装置と、該
検出装置を駆動する電源装置や検出結果を表示する表示
装置等とを電気的に接続するハーネスは、中空に形成し
たブレーキペダルの軸部内部に配線したり、該軸部に沿
って結束したり、該軸部に沿ってネジ部材等で締結して
取り付けたカバー体により覆ったりすることで、ブレー
キペダルのペダル部近傍からブレーキペダルの下端部ま
で配線されていた。
【0004】また、該作業車は、駐車時等に車体を安定
して確実に停止させるために、ブレーキ装置を制動状態
に保持するロック機構を有しており、該ロック機構のロ
ックレバーを操作することによって、ブレーキ装置の制
動状態を保持又は解除するようにしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし前述のように、
ブレーキペダルを踏圧することにより旋回内側の後輪ブ
レーキ装置を作動させて旋回する場合には、作業者がで
きるだけ小旋回しようとして該ブレーキペダルを力一杯
踏圧してしまい、旋回内側の後輪が完全にロックされた
状態となって全く回転しなくなってしまう。また、前記
オートブレーキ機構ではステアリングを最大切角まで操
作するとロック状態となり、前記遠隔操作装置による操
作では該ブレーキ装置の制動状態で後輪がロック状態と
なってしまっていた。
【0006】これにより、旋回内側の後輪が同一地点で
旋回して地面に穴を掘ってしまうとともに、旋回外側の
後輪が地面を掘り起こして圃場が荒れてしまい、後に行
う均平作業が大がかりなものとなってしまう。また、ブ
レーキペダルの踏圧を調整することによって、旋回内側
の後輪が僅かに回転する状態である半ロック状態とする
と、圃場の荒れ等の問題は抑えることができるが、この
半ロック状態となるようにブレーキペダルの踏圧を調整
するためには熟練を要するとともに、旋回中は常に踏圧
を加減する必要があって疲労が大きくなるため、実際の
作業の中で半ロック状態を保つことは困難であった。
【0007】一方、左右のブレーキペダルの連結状態を
検出する検出装置のハーネスを、中空に形成したブレー
キペダルの軸部内部に配線すると、ハーネスの着脱が困
難となってメンテナンス性が悪く、軸部等の加工が複雑
となってコスト高となったり、軸部の径が太くなって外
観的にデザインが悪化したりする。また、該ハーネスを
ブレーキペダルの軸部に沿って結束すると、外観的にデ
ザインが悪化して作業機の商品価値の低下を招いたり、
ブレーキペダルの操作時に該ハーネスが損傷する恐れが
ある。さらに、該ハーネスを、ブレーキペダルの軸部に
沿ってネジ部材等で締結して取り付けたカバー体により
覆うと、ハーネスの着脱が困難になるとともに、カバー
体の形状が複雑となったり、軸部に特別の加工が必要と
なったりして、コスト高となる。
【0008】また、前記ロック機構のロックレバーは、
運転部のステップ上、ステアリング下方のダッシュボー
ド、又は、シート下部に配置されていたので、例えば、
急な坂道等で車体が傾いた状態にある場合には、ブレー
キ装置が制動状態に保持されるようにロックレバーを操
作することが重要であるにもかかわらず、作業者は、ブ
レーキペダルを踏みながら、例えば、前傾姿勢等の不自
然な姿勢で該ロックレバーを操作する必要があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、作業車におけ
る以上のような課題を解決すべく、次のような手段を用
いるものである。即ち、請求項1においては、ステアリ
ングの回転操作に連動して旋回内側の後輪ブレーキ装置
が作動し、該ステアリングの切角に比例して制動力が発
生するように構成したオートブレーキ機構を有する作業
車において、ステアリングの切角に対する後輪ブレーキ
装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設けて、該
調節手段によりステアリングの最大切角時に制動側の後
輪が半ロック状態となるように調節可能に構成した。
【0010】また、請求項2においては、左右のブレー
キ装置を独立して作動可能とする左右ブレーキペダルを
有する作業車において、該左右ブレーキペダルを一体的
に連結する連結装置へ、その連結状態を検出する検出装
置を付設し、該検出装置のハーネスを覆うカバー体を左
右ブレーキペダルへ嵌装し、該カバー体は左右ブレーキ
ペダルに対して着脱可能に構成される。
【0011】また、請求項3においては、ブレーキペダ
ルをブレーキ装置の制動状態に保持するロック機構を有
する作業車において、該ロック機構を作動させるための
ロックレバーをフェンダー部のレバーガイド近傍に配置
し、該ロックレバーの操作部は外側前方へ向かって延設
されている。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、添付の図
面より説明する。図1は本発明の作業機であるトラクラ
を示す全体側面図、図2は同じく平面図、図3は旋回装
置を示す平面図、図4は同じく側面図、図5は同じく部
分平面図、図6は同じく部分側面図、図7は中間リンク
を示す側面図、図8は連結ロッドを示す側面図、図9は
クラッチ機構を示す後面図、図10はクラッチの動作状
態を示す後面図、図11はブレーキ機構を示す正面図、
図12は同じく斜視図、図13はブレーキペダルの別実
施例を示す斜視図、図14は図13におけるステアリン
グ部の別実施例を示す斜視図、図15は左右の後輪ブレ
ーキ装置をそれぞれ独立して作動可能とする左右ブレー
キペダルを具備したブレーキ装置を示す平面図、図16
はブレーキペダルに取り付けた連結具及びカバー体を示
す正面図、図17は図16におけるブレーキペダルのブ
レーキ支軸を示す斜視図、図18はブレーキ支軸とカム
レバーとの噛合状態を示す側面断面図、図19は検出装
置のハーネスを覆うカバー体のブレーキペダルの軸部へ
の取り付け状態を示す側面図、図20カバー体を示す斜
視図、図21はロック機構を示す側面図、図22はロッ
ク機構におけるロックレバー配置状態を示す斜視図であ
る。
【0013】まず、本発明の作業機としての一例である
トラクタの概略構成について、図1、図2により説明す
る。前輪5と後輪6とによって、クラッチハウジング8
及びミッションケース9を支持している。クラッチハウ
ジング8の上部にはボンネット7を載置して、該ボンネ
ット7の後方にステアリングハンドル10を配設し、該
ステアリングハンドル10の後方には座席19を設けて
いる。また、前記クラッチハウジング8左右側にはステ
ップ1を張り出し、該ステップ1から上方にブレーキペ
ダル2を突出している。座席19の側方に配設したレバ
ーガイド3・4には主変速レバー81や切換えレバーな
どを配置しており、右側のレバーガイド3の前下方に
は、後輪ブレーキの制動状態を保持するためのロック機
構を操作するロックレバー20が配設されている。
【0014】次に、旋回装置について説明する。まず、
オートブレーキ機構について説明する。図3乃至図8に
おいて、前記ステアリングハンドル10は、ステアリン
グポスト17に支持され、該ステアリングポスト17下
方にピットマンアーム16を上下回動可能に配設してい
る。前記クラッチハウジング8の下部において、機体左
右方向に回動自在に横設したピットマンシャフト11の
一端部にピットマンアーム13を嵌装し、該ピットマン
アーム13とピットマンシャフト11とが一体的に回動
可能に構成している。該ピットマンアーム13のアーム
13aと前記ピットマンアーム16の先端部とはドラッ
グロッド15で連結され、ピットマンアーム13のアー
ム13bにはドラッグロッド14の一端が取付けられて
いる。
【0015】ステアリングハンドル10を回転操作する
と、ピットマンアーム16が上下に回動して、ピットマ
ンアーム13のアーム13aを上下に回動させ、該アー
ム13aの回動動作に伴ってアーム13bが前後に回動
する。そして、アーム13bの回動動作によりドラッグ
ロッド14が前後移動するとともにタイロッド18が左
右移動して、前輪5・5を操向するように構成してい
る。
【0016】前記ピットマンシャフト11の他端部には
旋回リンク21が回動自在に嵌入され、該ピットマンシ
ャフト11の他端からはクラッチ31を挿脱可能に嵌入
して、該クラッチ31に固設したカムアーム37と旋回
リンク21とが一体的に回動可能に連結されている。ピ
ットマンシャフト11の後方にはブレーキシャフト12
が左右に横設され、ピットマンシャフト11と略平行に
配置されている。該ブレーキシャフト12には左右カム
レバー22・23を嵌装し、該左カムレバー22はブレ
ーキシャフト12と一体的に回動可能に構成して、右カ
ムレバー23はブレーキシャフト12に対して回動自在
に構成している。該左右カムレバー22・23の間にブ
レーキペダル2の支持軸を回動自在に嵌装している。
【0017】前記旋回リンク21のステー21aと左カ
ムレバー22のステー22aとを左連結ロッド24で連
結し、旋回リンク21のステー21bと右カムレバー2
3のステー23aとを右連結ロッド25で連結し、該左
右連結ロッド24・25はステー22a・23a内を摺
動自在に構成している。また、図8に示すように、左右
連結ロッド24・25の後部にはバネ受カラー24a・
25aを摺動自在に嵌装して、該バネ受カラー24a・
25aと左右連結ロッド24・25後端に螺合した螺子
部材24b・25bとの間にはスプリング28・28を
介装して、バネ受カラー24a・25aがステー22a
・23aに当接するように付勢している。
【0018】尚、螺子部材24b・25bはバネリテー
ナ24c・25cとロックナット24d・25dとで構
成され、左右連結ロッド24・25後端に螺嵌したバネ
リテーナ24c・25cの後方からロックナット24d
・25dを螺嵌して、該バネリテーナ24c・25cの
前後位置を固定しており、左右連結ロッド24・25の
螺子部前端までバネリテーナ24c・25cを締め込む
と、前記スプリング28・28の前後長さが所定寸法と
なるように構成している。一方、左右連結ロッド24・
25の前端部には、単数又は複数のカラー50が嵌装さ
れており、該カラー50は、カラー50前方に螺嵌され
たナット71によりその前後位置を規制されている。そ
して、該カラー50の前後位置は、ステアリングハンド
ル10が切られていなくてピットマンシャフト11が回
動していない場合において、カラー50後端と旋回リン
ク21のステー21aとの間隔が略無い状態に調整され
ている。
【0019】そして、左右連結ロッド24・25が前方
に移動すると、該バネ受カラー24a・25aがステー
21a・22aに係止するとともに、スプリング28・
28がバネ受カラー24a・25aを前方に付勢してい
るので、この付勢力によって該バネ受カラー24a・2
5aがステー21a・22aを前方に回動することとな
る。尚、旋回リンク21、左右カムレバー22・23、
左右連結ロッド24・25などで中間リンクを構成して
おり、該旋回リンク21のボス部21dが嵌装されてい
るピットマンアーム11は、該中間リンクを支持する中
継支軸を兼ねている。
【0020】前記ブレーキシャフト12の左端部とミッ
ションケース9の左方に配設した左ブレーキカム34a
とがブレーキロッド26にて連結され、ブレーキシャフ
ト12の右端部に配設した右カムレバー23と右ブレー
キカム34bとがブレーキロッド27にて連結されて、
ブレーキシャフト12が回動して左ブレーキカム34a
が前方に回動すると左後輪ブレーキ装置が作動し、右カ
ムレバー23が回動して右ブレーキカム34bが前方に
回動すると右後輪ブレーキ装置が作動するように構成し
ている。
【0021】また、クラッチ31と切換えレバー32と
を切換えロッド33などで連結して、該レバー32を操
作することでオートブレーキ機構の作動モードの入切を
切換えできるように構成している。即ち、図9、図10
に示すように、切換えレバー32により作動モードが入
状態とされた場合は、クラッチ31の爪部31bがピッ
トマンシャフト11に嵌入し、クラッチ31とピットマ
ンシャフト11とが一体的に回動して、該ピットマンシ
ャフト11の回動動作を、旋回リンク21などにより構
成した中間リンクを介してブレーキシャフト12へ伝達
して、オートブレーキ機構が作動するように構成してい
る。一方、切換えレバー32により作動モードが切状態
とされた場合は、クラッチ31の爪部31bがピットマ
ンシャフト11から抜脱して、ピットマンシャフト11
が回動してもクラッチ31は回動しないようになって、
該ピットマンシャフト11の回動動作はブレーキシャフ
ト12へ伝達されず、機体を旋回してもオートブレーキ
機構が作動しないように構成している。
【0022】このようにオートブレーキ機構を構成し
て、作動モードが入状態である場合に、例えば機体が左
へ旋回する方向へステアリングハンドル10を回転操作
すると、ピットマンアーム16は下方へ回動して、ピッ
トマンアーム13のアーム13aを下方に回動させる。
それに伴ってピットマンシャフト11が回動して、クラ
ッチ31に固設したカムアーム37を回動させる。カム
アーム37は、図9における該カムアーム37の固定ピ
ン37aを旋回リンク21の固定孔21cに嵌入して、
該旋回リンク21と一体的に回動するように構成してい
るので、図7に示すように旋回リンク21の固定孔21
c及びステー21aが前方に回動する。
【0023】すると、該ステー21aが左連結ロッド2
4に嵌装されたカラー50に係止して該左連結ロッド2
4が前方へ移動し、左連結ロッド24のバネ受カラー2
4aが左カムレバー22のステー22aに係止して、ス
プリング28の付勢力によって該ステー22aが前方に
回動する。ステー22aが前方に回動した左カムレバー
22は、ブレーキシャフト12を一体的に回動して、ブ
レーキロッド26を前方に移動させるとともに左ブレー
キカム34aを前方に回動させて、左後輪ブレーキ装置
を作動させるのである。この場合、右カムレバー23の
ステー23aに取付けられた右連結ロッド25は、旋回
リンク21のステー21bが摺動しながら後方に移動す
るため前方へは引っ張られないので、右カムレバー23
は回動せず、右後輪ブレーキ装置は作動しない。
【0024】逆に、機体が右へ旋回する方向へステアリ
ングハンドル10を回転操作すると、旋回リンク21の
ステー21bが前方へ回動する。すると、該ステー21
bが右連結ロッド25に嵌装されたカラー50に係止し
て該右連結ロッド25が前方へ移動し、右連結ロッド2
5のバネ受カラー25aが右カムレバー23のステー2
3aに係止して、スプリング28の付勢力によって該ス
テー23aを前方に回動する。そして、右カムレバー2
3に前端を連結したブレーキロッド27が前方へ移動す
るとともに右ブレーキカム34bを前方に回動して右後
輪ブレーキ装置が作動する。この場合、左カムレバー2
2のステー22aに取付けられた右連結ロッド25は、
旋回リンク21のステー21aが摺動しながら後方に移
動するため前方へは引っ張られないので、左カムレバー
22は回動せずに、左後輪ブレーキ装置は作動しない。
【0025】尚、左右のブレーキロッド26・27に
は、該ロッド26・27を後方に付勢するスプリング2
9・29が取付けられているので、ステアリングハンド
ル10を直進走行状態に戻せば左右ブレーキカム34a
・34bは後方に回動して、左右後輪ブレーキ装置は作
動を停止する。
【0026】また、前記ピットマンアーム16の回動量
はステアリングハンドル10の回転操作量、即ちステア
リングハンドル10の切角に比例するように構成してい
るので、該回転操作量に比例した左ブレーキカム34a
若しくは右ブレーキカム34bの回動量が得られ、ステ
アリングハンドル10の回転操作量に比例した左右後輪
ブレーキ装置の制動力を得ることができる。
【0027】そして、本作業車におけるオートブレーキ
機構には、ステアリングハンドル10の切角に対する制
動力の大きさを調節する調節機構を設けており、該調節
機構によって、ステアリングハンドル10の最大切角時
に制動側の後輪である旋回内側の後輪が半ロック状態と
なるように調節している。この調節機構は、図8に示す
左右連結ロッド24・25の前端部にナット71を螺嵌
し、該ナット71と旋回リンク21のステー21a・2
1bとの間に適宜数量のカラー50を介装して構成して
おり、該ナット71の前後位置とカラー50の嵌装数と
を変化させることによって、該カラー50後端とステー
21a・21bとの間隔を調節するように構成してい
る。該間隔を調節することにより、ステアリングハンド
ル10の切り始めから、カラー50後端とステー21a
・21bとが当接するまでのステアリングハンドル10
の切角が変化して、ステアリングハンドル10の切角に
対する制動力の大きさを調節することができるのであ
る。
【0028】そして、前述の如く、本作業車のオートブ
レーキ機構においては、ステアリングハンドル10が切
られていない状態において、カラー50後端と旋回リン
ク21のステー21aとの間隔が略無いように調節し、
該ステアリングハンドル10を最大切角状態とした際
に、旋回内側の後輪が半ロック状態となるようにしてい
る。このように、本作業車のオートブレーキ機構には、
ナット71の前後位置とカラー50の嵌装数とを変化さ
せることのみの簡単な作業によって、ステアリングハン
ドル10の切角に対する制動力の大きさを調節すること
ができる調節機構を設けており、該調節機構によりオー
トブレーキ機構の制動力を、ステアリングハンドル10
の最大切角時に制動側の後輪である旋回内側の後輪が半
ロック状態となるように調節している。
【0029】尚、左右カムレバー22・23の回動は、
左右連結ロッド24・25の移動で増加したスプリング
28の付勢力によるものなので、旋回リンク21が回動
してから若干遅れて左右後輪ブレーキ装置が作動するこ
ととなる。そして、スプリング28に代えて、ゴム、又
は、ゴムダンパーなどを使用しても良く、ゴムに変更し
た場合はスプリングと違って、ゴミや泥などが侵入する
心配がなく、また、安価に構成できるという特徴があ
る。
【0030】以上の如く、オートブレーキ機構に、簡単
な作業によりステアリングハンドル10の切角に対する
制動力の大きさを調節することができる調節機構を設け
て、ステアリングハンドル10を最大切角状態とした際
に、旋回内側の後輪が半ロック状態となるように調節し
たので、特別な熟練を要することなく、誰でもオートブ
レーキ機構の制動力を半ロック状態とすることができ
る。このように、旋回内側の後輪を半ロック状態として
旋回すると、旋回中心となる旋回内側の後輪が僅かに移
動しながら機体が旋回するので、該後輪を完全にロック
した状態での旋回と略同等の旋回半径を得ながら、圃場
の荒れを最小限に抑えて旋回することができ、乾田であ
るか、湿田であるかにかかわらず、高能率作業を行うこ
とができる。また、半ロック状態にするためには、ステ
アリングハンドル10の切角を最大にするだけの簡単な
作業でよいので、半ロック状態を保持しながら旋回して
も疲れない。さらに、オートブレーキ機構の作動モード
が入状態となっている場合に、移動中に誤って急ハンド
ル操作をして、ステアリングハンドル10が最大切角状
態になったとしても、旋回内側の後輪は完全ロック状態
とはならないので、機体が転倒することを防止できる。
【0031】次に、作業者がブレーキペダル2を踏圧し
て左右後輪ブレーキ装置を作動させるブレーキ機構につ
いて説明する。図11、図12に示すように、前記ブレ
ーキシャフト12には左右カムレバー22・23が嵌装
され、該左右カムレバー22・23間にはブレーキ支持
軸38が回動自在に嵌装されている。該ブレーキ支持軸
38にはブレーキペダル2が固設され、該ブレーキペダ
ル2の操作部2aを踏圧するとブレーキ支持軸38が回
動するよう構成している。ブレーキ支持軸38の下端部
にはバランス機構であるイコライザ30が固設され、該
イコライザ30は、ブレーキ支持軸38に固設したブラ
ケット30bと、左右に横設したアーム30aとで構成
されている。該アーム30aは、回動軸30cを中心に
して水平方向に回動自在にブラケット30bへ取付けら
れている。
【0032】左カムレバー22は、回動軸22dの上方
にステー22aを配設し、該回動軸22dの下方にレバ
ー22bを固設している。また、右カムレバー23は、
回動軸23dの上方にステー23aをアーム23cを介
して取付け、該回動軸23dの下方にレバー23bを固
設して、該レバー22b・23bは、その前端が前記イ
コライザ30のアーム30aと当接する位置に配置され
ている。
【0033】そして、ブレーキペダル2の操作部2aを
下方に踏圧すると、ブレーキ支持軸38に固設したイコ
ライザ30が後方に回動して、左右カムレバー22・2
3のレバー22b・23bを同時に後方に回動し、ステ
ー22a・23aを前方に回動する。ステー22a・2
3aが前方に回動すると、前述のようにブレーキカム3
4a・34bが回動して、左右後輪ブレーキ装置が作動
する。このように、ブレーキペダル2を操作することで
左右後輪ブレーキ装置を同時に作動させることができる
のである。
【0034】ブレーキカム34a・34bを回動させる
のに必要な力は、例えば、該ブレーキカム34a・34
bが回動を開始して実際に後輪ブレーキ装置が制動力を
生じるまでの間、即ちブレーキカム34a・34bの回
動動作が該ブレーキ装置の遊びの範囲にある場合と、ブ
レーキカム34a・34bの回動動作が実際に制動力を
生じさせている範囲にある場合とでは異なり、この両者
の場合においてはレバー22b・23bを回動させるの
に必要な力は同様に異なる。ブレーキペダル2を下方に
踏圧してイコライザ30のアーム30aによりレバー2
2b・23bを回動させる際に、両者を回動させるのに
必要な力が異なる場合は、該アーム30aは、水平方向
に回動可能に構成しており、回動させるのに大きな力が
必要なレバーに当接している側が、他側に比べて前方に
回動されて、両側に掛かる力が等しくなった位置で回動
が停止する。即ち、左右の後輪ブレーキ装置が同一の制
動力を有する状態でレバー22b・23bを回動するこ
とができ、ブレーキペダル2を踏圧すると、左右の後輪
ブレーキ装置は同一の制動力を生じさせることができる
のである。
【0035】また、作業車の旋回装置は次のようにも構
成できる。図13において、ステアリングポスト17に
支持されたステアリングハンドルを回転操作すると、ピ
ットンアーム16が上下に回動して、ドラッグロッド1
5によってピットンアーム16と連結されたピットマン
アーム13が回動するとともに、ドラッグロッド14を
前後移動させて、前輪5・5を走行するように構成して
いる。
【0036】また、本実施例のオートブレーキ機構は前
述例と同様に、ピットマンアーム13の回動動作ととも
に回動するピットマンシャフト11の、該ピットマンア
ーム13の配設側とは反対側端部にクラッチ31を配設
して、該クラッチ31をピットマンシャフト11に挿脱
可能に嵌入している。該クラッチ31に固設したカムア
ーム37の固定ピン37aを、ピットマンシャフト11
に回動自在に嵌装した旋回リンク21の固定孔21cに
摺動自在に嵌入し、カムアーム37と旋回リンク21と
が一体的に回動可能に構成している。ピットマンシャフ
ト11の後方には、ブレーキシャフト12を横設して、
該ブレーキシャフト12には、左右カムレバー58・5
9を回動自在に嵌装し、左カムレバー58はブレーキシ
ャフト12と一体的に回動して、右カムレバー59はブ
レーキシャフト12に対して回動自在としている。
【0037】左右カムレバー58・59は、前記旋回リ
ンク21と左右連結ロッド24・25を介して連結さ
れ、また、ブレーキシャフト12は左後輪ブレーキ装置
を作動させる左ブレーキカム34aと、左ブレーキロッ
ド26を介して連結され、右カムレバー59は右後輪ブ
レーキ装置を作動させる右ブレーキカム34bと、右ブ
レーキロッド27を介して連結されている。そして、旋
回リンク21の固定孔21cが前方に回動すると左ブレ
ーキカム34aが回動して左後輪ブレーキ装置が作動
し、固定孔21cが後方に回動すると右ブレーキカム3
4bが回動して右後輪ブレーキ装置が作動するように構
成している。また、前述の切換えレバー32を上下に回
動して切換えロッド33を前後に移動させ、回動軸34
を中心に切換えピン35を回動させることで、クラッチ
31をピットマンシャフト11に対して挿脱させて、オ
ートブレーキ機構の作動を入切することができる。
【0038】右ブレーキロッド27の上方には支軸55
を左右方向に横設し、該支軸55には左右カムレバー5
6・57を回動自在に配設して、両カムレバー56・5
7の間にブレーキ支持軸38’を回動自在に嵌装してい
る。該ブレーキ支持軸38’は下方に向けてブレーキペ
ダル2’を垂設し、ブレーキ支持軸38’の外周上部に
は前記イコライザ30を固設している。左カムレバー5
6は左カムレバー58と連結リンク62で連結され、右
カムレバー57は右カムレバー59と連結リンク61で
連結されており、左右カムレバー58・59が左右カム
レバー56・57の回動動作に連動するよう構成してい
る。
【0039】以上のように構成したので、ブレーキペダ
ル2’を踏圧すると、イコライザ30の作用により、左
右後輪ブレーキ装置が同時に、同一の制動力で作動する
のである。また、オートブレーキ機構によって左右一方
の後輪ブレーキ装置が作動している場合においても、ブ
レーキペダル2’を踏圧すると、該オートブレーキ機構
に優先して、ブレーキペダル2’の操作によるブレーキ
機構が作動し、左右後輪ブレーキ装置が同時に作動する
ように構成している。このように、ブレーキシャフト1
2の上方に配設した中間支軸からブレーキペダル2’を
垂設したことにより、足元のスペースが有効に使用でき
るようになり、作業車がキャビン仕様にも対応可能にな
り、また防音、防振に優れた設計を行なうことができる
ようになる。本実施例は、図14に示すように、ステア
リングがパワーシリンダー63を介して操向を行なうパ
ワーステアリング仕様の場合にも構成できる。尚、前述
の実施例においても、このようなパワーステアリング仕
様で構成できることはいうまでもない。
【0040】また、前記ブレーキペダル2は、図15、
図16に示すように左右の後輪ブレーキ装置をそれぞれ
独立して作動可能とする左右ブレーキペダル67・68
で構成することも可能である。左右ブレーキペダル67
・68のブレーキ支軸65・66は、ブレーキシャフト
12に嵌脱自在、及び回動自在に嵌装され、該左ブレー
キ支軸65はブレーキシャフト12に嵌装した前記カム
レバー22・23間に配置し、ブレーキ支軸66はカム
レバー23の外側方に配置している。
【0041】図17、図18に示すように、左ブレーキ
支軸65のカムレバー22側面には爪部65a・65a
を形成し、カムレバー22の左ブレーキ支軸65側面は
該爪部65a・65aと合う形状に形成して両者を噛合
させ、左ブレーキペダル67を踏圧すると、左ブレーキ
支軸65とカムレバー22とが一体的に回動して左後輪
ブレーキ機構が作動するように構成している。また、右
ブレーキ支軸66のカムレバー23側面には爪部66a
・66aを形成し、カムレバー23の右ブレーキ支軸6
6側面は該爪部66a・66aと合う形状に形成して両
者を噛合させ、右ブレーキペダル68を踏圧すると右ブ
レーキ支軸66とカムレバー23とが一体的に回動して
右後輪ブレーキ機構が作動するように構成している。
尚、前記ブレーキペダル2を左右の後輪ブレーキ装置を
それぞれ独立して作動可能とする左右ブレーキペダル6
7・68で構成した場合においても、前述のように、ス
テアリング10の切角に対する後輪ブレーキ装置の制動
力の大きさを調節する調節手段を設けて、該調節手段に
よりステアリング10の最大切角時に制動側の後輪が半
ロック状態となるように容易に調節可能に構成すること
ができる。
【0042】そして、左右ブレーキペダル67・68に
は、左右後輪ブレーキ機構を同時に作動させるべく、該
左右ブレーキペダル67・68を一体的に連結する連結
具72を取り付けている。即ち、左右ブレーキペダル6
7・68の一方、例えば、左ブレーキペダル67のペダ
ル部67a裏面に連結具72の基部72aを取り付ける
とともに、他方の右ブレーキペダル68のペダル部68
a裏面に受部72bを取り付け、該基部72aに回動自
在に取り付けられた連結板72cを受部72bに係合さ
せることで、左右ブレーキペダル67・68を一体的に
連結するように構成している。尚、図15においては、
左右ブレーキペダル67・68が連結具72により連結
されていない状態を示しており、図16においては、左
右ブレーキペダル67・68が連結具72により連結さ
れている状態を示している。
【0043】右ブレーキペダル68に取り付けられた連
結具72の受部72bの外側には検出装置73を付設し
て、連結板72cが受部72bと係合する場合には同時
に該検出装置73とも係合するように構成して、左右ブ
レーキペダル67・68の連結状態を検出するようにし
ている。該検出装置73は、ハーネス73aにより、検
出装置73を駆動するための電源装置や、検出装置73
による検出結果を表示するための表示装置等と電気的に
接続され3ており、この表示装置により、機体を運転操
作する作業者が、現在左右ブレーキペダル67・68が
連結されているか否かを判断できるようにしている。
【0044】図16、図19に示すように、前記ハーネ
ス73aは、カバー体74により右ブレーキペダル68
の軸部68bに沿って、該軸部68b下端部まで配線さ
れている。該カバー体74は軸部68bの上端部から下
端部まで配設されており、この範囲でハーネス73aを
覆いながら、該軸部68bに沿って車両のステップ1の
下方まで配線している。
【0045】カバー体74は弾性を有した樹脂等の部材
により構成され、図20に示すように、断面を略瓢箪型
とした筒状に形成するとともに、大径部74aの円周の
一部を切り欠いた切欠部74cを形成しており、該大径
部74aの内周径は、軸部68bの外周径よりも若干小
さく構成している。そして、カバー体74の小径部74
bにハーネス73aを嵌通させ、大径部74aを切欠部
74cから右ブレーキペダル68の軸部68bに嵌合さ
せて、該カバー体74を軸部68bに取り付けている。
また、前記切欠部74cは、ハーネス73aをカバー体
74に嵌め込むときにも、容易となるメリットがある。
【0046】カバー体74は弾性を有する樹脂等の部材
によって構成され、大径部74aの内周径を軸部68b
の外周径よりも若干小さく構成しているので、該カバー
体74は、小径部74bの端部(大径部74aの切欠部
74cと反対側に位置する端部)を支点として大径部7
4aにより軸部68bを締め付けるバネ部材の如く作用
し、カバー体74を軸部68bに固定している。カバー
体74には切込部74dを設け、該切込部74dが右ブ
レーキペダル68のストッパー部68dに当接し、カバ
ー体74の上下方向、回転方向の位置決めになるように
構成して、カバー体74が動かないようにしている。さ
らに、切欠部74cを軸部68bに当接させて押し込む
だけの簡単な作業により、ワンタッチで該カバー体74
を軸部68bに取り付けることができ、逆に、該カバー
体74を軸部68bから取り外す場合には、該カバー体
74の小径部74bを持って引っ張るだけの簡単な作業
により、ワンタッチで取り外すことができるのである。
尚、カバー体74は、左ブレーキペダル67の軸部67
bに取り付けることも可能である。
【0047】以上の如く、カバー体74を弾性を有する
樹脂等の部材によって構成し、既存の形状のままの左右
ブレーキペダル67・68、例えば、右ブレーキペダル
68の軸部68bへワンタッチで着脱できる構造とした
ので、検出装置73のハーネス73aを該軸部68bへ
配線する作業が簡単となり、また、電気系の点検・修理
を行うためのハーネス73aの取り外し作業も容易に行
えるようになる。また、ハーネス73aの該軸部68b
への配線構造が安価に構成できることとなった。さら
に、カバー体74は、ハーネス73aを右ブレーキペダ
ル68の軸部68b上端部から下端部まで覆いながら、
ネジ部材等の締結部材を用いることなく該軸部68bに
嵌装されているので、外観的にも見栄えがよく、左右ブ
レーキペダル67・68の操作時にハーネス73aがス
テップ1等に接触して破損することを防止することがで
きる。また、ストッパ68dに当たる切込部74dは、
位置決め、及びまわり止めになっている。
【0048】また、本作業車は、例えば、右ブレーキペ
ダル68を後輪ブレーキ装置が制動状態となる位置に保
持するロック機構、所謂駐車ブレーキ機構を有してい
る。図15、図21に示すように、右ブレーキペダル6
8の軸部68bには側面視略L字に形成した係止板68
cが固設され、該係止板68cの後方には支点78cを
中心に回動自在に構成したロックアーム78が配設され
ている。該ロックアーム78の下部には、鋸歯状に複数
の凹凸が形成された係止部78bが構成され、該係止部
78bが前方に回動すると複数の凹凸の内のいずれかが
前記係止板68cと係合するように構成している。
【0049】該ロックアーム78の上端部にはロックロ
ッド77の前端部が回動自在に連結され、該ロックロッ
ド77の後端部には、支点76aを中心として回動自在
に構成した切換アーム76が連結され、該切換アーム7
6の上端部にはロックレバー75が固設されている。そ
して、該ロックレバー75を上下回動操作すると、前記
ロックアーム78の係止部78bが前後に回動するよう
に構成しており、該ロックレバー75、切換アーム7
6、ロックロッド77、ロックアーム78、及び、係止
板68c等によりロック機構を構成している。
【0050】このように構成したロック機構により後輪
ブレーキ装置を制動状態に保持するには、まず、右ブレ
ーキペダル68を踏圧して下方に押し下げ、右ブレーキ
カム34bを前方に回動させて後輪ブレーキ装置を制動
状態とし、その後、ロックレバー75を下方に回動操作
する。すると、ロックアーム78の係止部78bが前方
に回動して、該係止部78bと右ブレーキペダル68の
軸部68bの係止板68cとが係合し、右ブレーキペダ
ル68が下方に押し下げられた状態を保持して、後輪ブ
レーキ装置の制動状態が保持されるのである。そして、
保持される制動状態の大きさは、ロックレバー75を下
方に回動操作する際の右ブレーキペダル68の下方への
押し下げ量により調節することができる。即ち、右ブレ
ーキペダル68を小さく踏み込んでいれば制動力を小さ
く、大きく踏み込んでいれば制動力を大きくすることが
できる。
【0051】そして、該ロック機構を操作するロックレ
バー75は、図21、図22に示すように、主変速レバ
ー81が配設されるフェンダー部69のレバーガイド3
近傍に配設し、該レバーガイド3の前下方部3aに配置
している。該前下方部3aはレバーガイド3の前端部よ
りも後方に引っ込んでおり、ロックレバー75がレバー
ガイド3の前端部からあまり突出しないように構成して
いる。また、ロックレバー75は、軸部75bと操作部
75aとで構成されており、該操作部75aは、レバー
ガイド3の前下方部3aから前方に突出する軸部75b
の前端部から外側前方に延設されている。尚、このロッ
ク機構は、右ブレーキペダル68のみならず、左ブレー
キペダル67においても構成することができる。
【0052】このように、ロックレバー75を、フェン
ダー部69のレバーガイド3近傍に配設し、該レバーガ
イド3の前下方部3aに配置することにより、該レバー
ガイド3に配置される主変速レバー81等の操作と、該
ロックレバー75の操作との切換を手首の移動のみで行
うことができる。特に主変速レバー81は頻繁に操作す
ることが多く、該主変速レバー81とロックレバー75
とを連続して操作する場合もあるので、これらの操作を
迅速、且つ、正確に行うことができる。また、ロックレ
バー75の操作は、座席19に着座した状態で、前傾姿
勢等にならない自然、且つ、安定した姿勢で楽に行うこ
とができる。さらに、これらにより、ロックレバー75
の操作時における安全性を確保することもできる。そし
て、該ロックレバー75は、通常乗降しない右側のフェ
ンダー部69に配設され、該ロックレバー75の操作部
75aは、軸部75bから外側前方に延設されているの
で、操作中に作業車の足と干渉することもなく、仮にロ
ックレバー75の配設側から乗降したとしても乗降の邪
魔になることがない。
【0053】
【発明の効果】本発明は、作業車において、以上のよう
な構成とすることで、次のような効果を奏する。まず、
請求項1の如く、ステアリングの切角に対する後輪ブレ
ーキ装置の制動力の大きさを調節する調節手段を設け
て、該調節手段によりステアリングの最大切角時に制動
側の後輪が半ロック状態となるように容易に調節可能に
構成したので、特別な熟練を要することなく、誰でもオ
ートブレーキ機構の制動力を簡単に半ロック状態とする
ことができた。また、半ロック状態にするためには、ス
テアリングハンドルの切角を最大にするだけの簡単な作
業でよいので、半ロック状態を保持しながら旋回しても
疲れない。さらに、オートブレーキ機構の作動モードが
入状態となっている場合に、移動中に誤って急ハンドル
操作をして、ステアリングハンドルが最大切角状態にな
ったとしても、旋回内側の後輪は完全ロック状態とはな
らないので、機体が急旋回して脱輪や転倒等の事故を防
止する効果が期待できる。
【0054】更に、請求項2の如く、左右ブレーキペダ
ルを一体的に連結する連結装置へ、その連結状態を検出
する検出装置を付設し、該検出装置のハーネスを覆うカ
バー体を左右ブレーキペダルへ嵌装し、該カバー体を左
右ブレーキペダルに対してワンタッチで着脱できるよう
に構成したので、検出装置のハーネスを該左右ブレーキ
ペダルの軸部へ配線する作業が簡単となり、また、電気
系の点検・修理を行うためのハーネスの取り外し作業も
容易に行えるようになった。また、ハーネスの該軸部へ
の配線構造が安価に構成できることとなった。さらに、
カバー体は、ハーネスを左右ブレーキペダルの軸部上端
部から下端部まで覆いながら、ネジ部材等の締結部材を
用いることなく該軸部に嵌装されているので、外観的に
も見栄えがよく、左右ブレーキペダルの操作時にハーネ
スがステップ等に接触して破損することを防止すること
ができた。
【0055】更に、請求項3の如く、ロック機構を作動
させるためのロックレバーをフェンダー部のレバーガイ
ド近傍に配置し、該ロックレバーの操作部を外側前方へ
向かって延設したので、レバーガイドに配置される主変
速レバー等の操作と、該ロックレバーの操作との切換を
手首の移動のみで行うことができることとなった。特に
主変速レバーは頻繁に操作することが多く、該主変速レ
バーとロックレバーとを連続して操作する場合もあるの
で、これらの操作を迅速、且つ、正確で楽に行うことが
できるようになった。また、ロックレバーの操作は、座
席に着座した状態で、前傾姿勢等にならない自然、且
つ、安定した姿勢で楽に行うことができた。さらに、こ
れらにより、ロックレバーの操作時における安全性を確
保することもできた。そして、該ロックレバーの操作部
は、軸部から外側前方に延設されているので、操作中に
作業者の足と干渉することもなく、乗降の邪魔になるこ
とがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作業機であるトラクタを示す全体側面
図である。
【図2】同じく平面図である。
【図3】旋回装置を示す平面図である。
【図4】同じく側面図である。
【図5】同じく部分平面図である。
【図6】同じく部分側面図である。
【図7】中間リンクを示す側面図である。
【図8】連結ロッドを示す側面図である。
【図9】クラッチ機構を示す後面図である。
【図10】クラッチの動作状態を示す後面図である。
【図11】ブレーキ機構を示す正面図である。
【図12】同じく斜視図である。
【図13】図13はブレーキペダルの別実施例を示す斜
視図である。
【図14】図13におけるステアリング部の別実施例を
示す斜視図である。
【図15】左右の後輪ブレーキ装置をそれぞれ独立して
作動可能とする左右ブレーキペダルを具備したブレーキ
装置を示す平面図である。
【図16】ブレーキペダルに取り付けた連結具及びカバ
ー体を示す正面図である。
【図17】図16におけるブレーキペダルのブレーキ支
軸を示す斜視図である。
【図18】ブレーキ支軸とカムレバーとの噛合状態を示
す側面断面図である。
【図19】検出装置のハーネスを覆うカバー体のブレー
キペダルの軸部への取り付け状態を示す側面図である。
【図20】カバー体を示す斜視図である。
【図21】ロック機構を示す側面図である。
【図22】ロック機構におけるロックレバー配置状態を
示す斜視図である。
【符号の説明】
3・4 レバーガイド 6 後輪 10 ステアリングハンドル 67 左ブレーキペダル 67b 軸部 68 右ブレーキペダル 68b 軸部 69 フェンダー部 72 連結装置 73 検出装置 73a ハーネス 74 カバー体 74a 大径部 74b 小径部 75 ロックレバー 75a 操作部 81 主変速レバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステアリングの回転操作に連動して旋回
    内側の後輪ブレーキ装置が作動し、該ステアリングの切
    角に比例して制動力が発生するように構成したオートブ
    レーキ機構を有する作業車において、ステアリングの切
    角に対する後輪ブレーキ装置の制動力の大きさを調節す
    る調節手段を設けて、該調節手段によりステアリングの
    最大切角時に、制動側の後輪が半ロック状態となるよう
    に調節可能に構成したことを特徴とする作業車。
  2. 【請求項2】 左右のブレーキ装置を独立して作動可能
    とする左右ブレーキペダルを有する作業車において、該
    左右ブレーキペダルを一体的に連結する連結装置へ、そ
    の連結状態を検出する検出装置を付設し、該検出装置の
    ハーネスを覆うカバー体を左右ブレーキペダルへ嵌装
    し、該カバー体は左右ブレーキペダルに対して着脱可能
    に構成されることを特徴とする作業車。
  3. 【請求項3】 ブレーキペダルをブレーキ装置の制動状
    態に保持するロック機構を有する作業車において、該ロ
    ック機構を作動させるためのロックレバーをフェンダー
    部のレバーガイド近傍に配置し、該ロックレバーの操作
    部は外側前方へ向かって延設されていることを特徴とす
    る作業車。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016055852A (ja) * 2014-09-12 2016-04-21 三菱マヒンドラ農機株式会社 作業用走行車
JP2019216669A (ja) * 2018-06-21 2019-12-26 株式会社クボタ 作業車
CN114423667A (zh) * 2019-09-11 2022-04-29 株式会社万都 转向控制装置及其方法、转向系统
JP2022100300A (ja) * 2020-12-23 2022-07-05 立和 姚 モジュール化された同軸ギアユニットの減速機構
JP2022100298A (ja) * 2020-12-23 2022-07-05 立和 姚 短軸間距離・大減速比の歯車機構

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