JPH11239721A - 微粒子金属酸化物分散体および化粧料 - Google Patents

微粒子金属酸化物分散体および化粧料

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JPH11239721A
JPH11239721A JP6060398A JP6060398A JPH11239721A JP H11239721 A JPH11239721 A JP H11239721A JP 6060398 A JP6060398 A JP 6060398A JP 6060398 A JP6060398 A JP 6060398A JP H11239721 A JPH11239721 A JP H11239721A
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fine grain
screw
fine
grain metal
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Akihiro Kuroda
章裕 黒田
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Kanebo Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い生産効率で、高濃度で安定した品質の微粒
子金属酸化物分散体と、塗布感に優れた化粧料を提供す
る。 【課題決手段】スクリューの回転数が500(回転/
分)以上であり、かつせん断速度が45(1/秒)以上
の多軸型連続押し出し混練装置を用いて、微粒子金属酸
化物と油剤とを含む原料を混練して得られる微粒子金属
酸化物分散体、および該微粒子金属酸化物分散体を含有
する化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い生産効率(よ
り安価に、より早く生産する)を持ち、高濃度で安定し
た品質の微粒子金属酸化物分散体を得る方法と、同方法
によって得られた微粒子金属酸化物分散体を含有する化
粧料に関する。さらに詳しくは、多軸型連続押し出し混
練装置のスクリューの回転数が500(回転/分)以上
であり、かつせん断速度が45(1/秒)以上の高速の
強混練度で得られる微粒子金属酸化物分散体と、その分
散体を含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多軸型連続押し出し混練装置は、
食品産業や樹脂産業など非化粧品産業で多用されてきた
装置である。本装置の特徴は、安定した品質の原料を大
量に処理できること、温度コントロールが容易なこと、
揮発性溶媒が使用可能なこと、そして、密閉系なので空
気中からの細菌による汚染の危険が少ないことなどが挙
げられる。最近この装置の特徴が化粧品製造でも有効で
あることが認められ、例えば、特開平5−286826
号公報、特開平8−119830号公報などに本装置を
用いた化粧品の製造方法などが開示されている。また、
本発明人らも特開平9−323917号公報、特願平8
−307380号、特願平8−224501号などによ
って本装置の有効性に関する報告を行った。
【0003】一方、近年、サンスクリーン剤の発達に伴
い、サンスクリーン剤に配合される紫外線防御能を持つ
微粒子金属酸化物を分散体とする分散技術が種々使用さ
れている。これはサンドミルなどのビーズミルやローラ
ーミルなどを用いて、微粒子酸化チタンなどの微粒子金
属酸化物と環状シリコーンなどの油剤からなるスラリー
を粉砕して、微粒子金属酸化物の凝集を解除するのが目
的である。そして、サンスクリーン剤の高SPF値競争
が激しくなるに伴い、分散体に対して、より高い微粒子
金属酸化物の濃度と、安価に大量生産できるシステムが
求められている。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】高濃度の分散体を作る
には、ローラーミルなどの装置が適しているが、揮発性
溶媒が使えないこと、空中落下菌の混入が避けられない
こと、大量生産に向いていないことから問題があり、ま
たビーズミルは大量生産に向いているものの、微粒子金
属酸化物の濃度が上昇すると、系の粘性が上昇し、ビー
ズの粉砕効率が急速に低下してしまう問題がある。ま
た、現在市販されている多軸型連続押し出し混練装置
は、大量生産に向き、揮発性溶媒が使え、高濃度化が可
能であるなどのメリットがあるものの、ローラーミルな
どと比べると粉砕力がまだ不足気味であり、その性能が
充分ではなかった。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明人らは、
多軸型連続押し出し混練装置の粉砕力を向上させるべ
く、滞留時間の変更、メッシュの変更、スクリューパタ
ーンの変更などを試みたがいずれも充分な結果は得られ
なかった。そこで、スクリューの回転速度に注目し、回
転速度を既存製品のレベルから大幅に速くした高速型の
多軸型連続押し出し混練装置を作製し、この装置を用い
て試作を行ったところ、期待通りの高い混練度を有し、
分散性に優れた微粒子金属酸化物分散体が得られること
が判った。
【0006】すなわち、本発明は、スクリューの回転数
が500(回転/分)以上であり、かつせん断速度が4
5(1/秒)以上の多軸型連続押し出し混練装置を用い
て、微粒子金属酸化物と油剤とを含む原料を混練りして
得られることを特徴とする微粒子金属酸化物分散体であ
り、また該微粒子金属酸化物分散体を含有する化粧料に
ある。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる多軸型連続押し出
し混練装置は、2軸または3軸のスクリューを持つ装置
である。この内、2軸のエクストルーダーが装置価格が
安く、保守がしやすい点から好ましい。また、本発明の
多軸型連続押し出し混練装置のスクリューの回転方向は
同方向でも異方向でも構わないが、同方向にあるものが
混練の均一性に優れることから好ましい。本発明で用い
るスリューの回転数は500(回転/分)以上であり、
より好ましくは700(回転/分)以上である。500
(回転/分)未満では混練が不十分となる問題がある。
回転数の上限は特にないが、5000(回転/分)以上
では回転が速すぎて、装置の耐久性やスクリューの振動
の問題がおきるため好ましくない。また、本発明では、
混練の効果の点から、下記に規定されるせん断速度か4
5(1/秒)以上、好ましくは57(1/秒)以上にな
るようにする。
【0008】本発明で規定されるせん断速度は、下記式
で算出される。 せん断速度(単位:1/秒)=πDN/60H ここで、Dはシリンダーの内径(単位:mm)、Nはス
クリュー回転数(単位:回転/分)、Hはスクリューの
断面の短径方向の径寸法(単位:mm)である。例え
ば、内径32mmのシリンダーを用いて、回転数600
(回転/分)で、スクリューの断面の短径方向の径寸法
が19mmであるスクリューを使用した場合では、 せん断速度=(π×32×600)/(60×19) =52.9(1/秒)となる。
【0009】本発明で用いる多軸型連続押し出し混練装
置は、例えば、図1〜3に示される2軸の高速エクスト
ルーダー等で、電動機(1)で駆動され、シリンダー
(3)の内部で、2本のスクリュー(4)、(5)の山
部分が図3のように互いに噛み合って高速回転する。そ
して、上記2本のスクリューの断面は、図2に示すよう
に、短径と長径からなる同形状のラクビーボール状とな
っている。微粒子金属酸化物と油剤は、図1の投入口
(2)から連続的、定量的に供給されることが好まし
い。供給は複数の投入口から供給しても、まとめて供給
しても構わないが、投入口から逆流する場合があるた
め、油剤が液体の場合には、微粒子金属酸化物と油剤を
別々の投入口から供給することが好ましい。
【0010】また、本発明で用いる多軸型連続押し出し
混練装置には、解砕用のスクリューブロックパターンを
少なくとも一箇所に使用することが好ましい。上記の連
続押し出し混練装置の例としては、日本製鋼所や栗本鉄
工所などが販売しているエクストルーダー等のルーダー
が挙げられる。混練時の温度は室温から180℃の温度
範囲であれば特に限定されないが、量産性を考慮すると
70〜150℃、より好ましくは90〜110℃の温度
範囲である。ただし、原料の変質が問題とならない範囲
で温度設定することが好ましい。室温で設定した場合、
吐出量が増えると温度コントロールが難しくなる場合が
ある。
【0011】本発明で用いる微粒子金属酸化物とは、平
均一次粒子径が5〜300nmの範囲にある金属酸化物
を指す。平均一次粒子径の測定方法としては、電子顕微
鏡観察によるものが好ましい。尚、本発明では、この範
囲にある微粒子が組成中に含まれていれば良く、全体の
平均粒子径として規定されるものではない。本発明で言
う金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化セリウム、酸化鉄(赤、黄、黒を含む)、シリ
カ、アルミナ、ジルコニアやこれらの複合体などが挙げ
られ、特に紫外線防御能を有する酸化チタン、酸化亜鉛
などの金属酸化物が好ましい。また、これらの微粒子金
属酸化物の形状としては、球状、針状、紡錘状、不定形
状、板状、棒状などが挙げられるが、特に限定されな
い。さらに、これらの微粒子金属酸化物は、従来公知の
表面処理、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処
理、シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカッ
プリング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処
理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金
属石鹸処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ
処理、メカノケミカル処理等によって事前に表面処理さ
れていてもいなくても構わないが、表面処理を行う場合
では、シリコーン処理、シラン処理、金属石鹸処理、フ
ッ素化合物処理が最も好ましい。
【0012】本発明で用いる油剤としては、通常化粧料
に用いられる揮発性および不揮発性の油剤および溶剤お
よび樹脂が挙げられ、常温で液体、ペースト、固体であ
っても構わないが、ハンドリングに優れる液体が好まし
い。これらの油剤の例としては、例えば、セチルアルコ
ール、イソステアリルアルコール、ラウリルアルコー
ル、ヘキサデシルアルコール、オクチルドデカノール等
の高級アルコール、イソステアリン酸、ウンデシレン
酸、オレイン酸等の脂肪酸、グリセリン、ソルビトー
ル、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリ
エチレングリコール等の多価アルコール、ミリスチン酸
ミリスチル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、
ミリスチン酸イソプロピル、ジメチルオクタン酸ヘキシ
ルデシル、モノステアリン酸グリセリン、フタル酸ジエ
チル、モノステアリン酸エチレングリコール、オキシス
テアリン酸オクチル等のエステル類、流動パラフィン、
ワセリン、スクワラン等の炭化水素、ラノリン、還元ラ
ノリン、カルナバロウ等のロウ、ミンク油、カカオ脂、
ヤシ油、パーム核油、ツバキ油、ゴマ油、ヒマシ油、オ
リーブ油等の油脂、エチレン・α−オレフィン・コオリ
ゴマー等が挙げられる。
【0013】また、別の形態の油剤の例としては、例え
ば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポ
リシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエ
ーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル
・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサ
ン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、末端変性オ
ルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキ
サン、アモジメチコーン、アミノ変性オルガノポリシロ
キサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメ
チルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコ
ーン化合物、パーフルオロポリエーテル、フッ化ピッ
チ、フルオロカーボン、フルオロアルコール等のフッ素
化合物が挙げられる。
【0014】また、有機系紫外線吸収剤を油剤として使
用することも可能である。有機系紫外線吸収剤として
は、例えば、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシ
ル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2
−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫
酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノン、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミ
ン塩、パラアミノ安息香酸(以後、PABAと略す)、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、グリセリルPA
BA、サリチル酸ホモメンチル、メチル−O−アミノベ
ンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3
−ジフェニルアクリレート、オクチルジメチルPAB
A、メトキシケイ皮酸オクチル、サリチル酸オクチル、
2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、サリチ
ル酸トリエタノールアミン、3−(4−メチルベンジリ
デン)カンフル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェニ
ン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシ
ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシ
ベンゾフェノン、4−イソプロピル ジベンゾイルメタ
ン、ブチルメトキシジベンゾイルメタン、4−(3,4
−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−
1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル
や、これらの高分子誘導体、シラン誘導体等が挙げられ
る。
【0015】上記溶剤の例としては、精製水、環状シリ
コーン、エタノール、軽質流動イソパラフィン、低級ア
ルコール、エーテル類、LPG、フルオロカーボン、N
−メチルピロリドン、フルオロアルコール、揮発性直鎖
状シリコーン、次世代フロン等が挙げられる。
【0016】本発明で、固型の油剤や熱可塑性樹脂を用
いる場合には、装置に投入する前に事前溶解させておく
か、装置のブロックの一部または全部の温度を上げてお
くことが好ましい。但し、固型分を固型のまま残したい
場合はこの限りでない。
【0017】本発明の微粒子金属酸化物分散体の原料と
しては、上記の各成分以外に、通常化粧料に用いられる
粉体(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、界面活性
剤、粘剤、防腐剤、香料、保湿剤、生理活性成分、塩
類、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤等の
成分を使用することができる。特に、エラストマーとし
ての性能を持つ粉体が含まれていることが、分散体の経
日安定性を向上できることから好ましい。
【0018】本発明の微粒子金属酸化物分散体における
微粒子金属酸化物の配合割合は、分散体の総量に対し
て、30〜85重量%が好ましく、特に好ましくは40
〜80重量%の範囲である。この範囲であれば、微粒子
金属酸化物の高濃度化と粉砕効率の向上を両立できる。
また、微粒子金属酸化物分散体における油剤の配合割合
は、15〜70重量%が好ましく、特に好ましくは40
〜60重量%の範囲である。この範囲であれば、微粒子
金属酸化物の高濃度化と粉砕効率の向上が図れる。
【0019】本発明の化粧料における微粒子金属酸化物
分散体の配合量としては、化粧料の総量に対して、0.
5〜100重量%が好まし、より好ましくは1〜70重
量%である。配合量が100重量%の場合には、本発明
で化粧料を直接製造することになる。
【0020】本発明の化粧料では、前記の微粒子金属酸
化物分散体以外に、通常化粧料に用いられる油剤、粉体
(顔料、色素、樹脂)、フッ素化合物、樹脂、界面活性
剤、粘剤、防腐剤、香料、紫外線吸収剤(有機系、無機
系を含む。UV−A、Bのいずれに対応していても構わ
ない)、保湿剤、生理活性成分、塩類、溶媒、酸化防止
剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤等の
成分を使用することができる。
【0021】粉体の例としては、赤色104号、赤色2
01号、黄色4号、青色1号、黒色401号等の色素、
黄色4号Alレーキ、黄色203号Baレーキ等のレー
キ色素、ナイロンパウダー、シルクパウダー、ウレタン
パウダー、テフロンパウダー、シリコーンパウダー、セ
ルロースパウダー、シリコーンエラストマー球状粉体、
ポリエチレン末等の高分子、黄酸化鉄、赤色酸化鉄、黒
酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等
の有色顔料、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化セリウム等の
白色顔料、タルク、マイカ、セリサイト、カオリン等の
体質顔料、雲母チタン等のパール顔料、硫酸バリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、珪酸アルミニウ
ム、珪酸マグネシウム等の金属塩、シリカ、アルミナ等
の無機粉体、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、微粒
子酸化鉄、アルミナ処理微粒子酸化チタン、シリカ処理
微粒子酸化チタン、ベントナイト、スメクタイト等が挙
げられる。これらの粉体の形状(球状、棒状、針状、板
状、不定形状、燐片状、紡錘状など)に特に制限はな
い。
【0022】これらの粉体は、前記同様、従来公知の表
面処理、例えば、フッ素化合物処理、シリコーン処理、
シリコーン樹脂処理、ペンダント処理、シランカップリ
ング剤処理、チタンカップリング剤処理、油剤処理、N
−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸
処理、アミノ酸処理、無機化合物処理、プラズマ処理、
メカノケミカル処理等によって事前に表面処理されてい
てもいなくても構わない。
【0023】これらの粉体の内、シリコーンエラストマ
ー球状粉体、ポリエチレン末、ポリプロピレン末、テフ
ロン末、シリコーンゴム、ウレタンパウダーなどのエラ
ストマーを用いると、製品の経日安定性や感触が向上す
ることから好ましい。特に、シリコーンエラストマー球
状粉体とエステル油、またはシリコーンエラストマー球
状粉体とシリコーン油(揮発性、不揮発性を含む)の組
み合わせが好ましい。エラストマーは、前記の微粒子金
属酸化物分散体中に配合していても、また製品中に配合
していても構わないが、分散体中に配合していることが
より好ましい。
【0024】界面活性剤としては、例えば、アニオン型
界面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活
性剤、ベタイン型界面活性剤を用いることができる。
【0025】生理活性成分としては、ビタミン類、美白
剤、血行促進剤、サンタン剤、セラミド類、各種植物抽
出液、引き締め成分、生薬、漢方薬などが挙げられる。
【0026】本発明の化粧料としては、コンシーラー、
ファンデーション、白粉、頬紅、口紅、アイシャドウ、
チーク、ネイルカラー、フィルターカラー等のメイクア
ップ化粧料、乳液、ローション、クリーム、クレンジン
グ、パック、サンスクリーン剤、毛穴隠し、化粧下地等
の基礎化粧料、香水、石鹸、デオドラント、ボディパウ
ダー等が挙げられるが、特に微粒子金属酸化物を高濃度
に配合するサンスクリーン剤、ファンデーション、化粧
下地料が好適である。
【0027】
【実施例】以下、実施例及び比較例によって本発明を詳
細に説明する。また、実施例及び比較例で用いた化粧料
の各種特性に対する評価方法を以下に示す。
【0028】(1)紫外線防御効果 微粒子金属酸化物分散体を2mg/cm2 の割合で、石
英硝子上に張り付けた樹脂テープ上に塗布し、SPFア
ナライザーを用いて紫外線防御能を測定した。実施例と
比較例の性能を比較して、表1に示す基準に従って評価
した。
【0029】
【表1】
【0030】(2)官能特性試験 製品塗布時の感触を専門検査員10名によって調べた。
感触がなめらかである、のびがよいと回答した場合を5
点とし、逆に感触が悪い、のびが悪いと回答した場合を
0点とし、その間を4段階で評価し、各パネラーの合計
点を以て評価結果とした。従って、点数が多い程、評価
が高いことを示している。
【0031】実施例1 オクチルシリル化微粒子酸化チタン(平均一次粒子径1
7nm)50重量部とシリコーンエラストマー球状粉体
(東レ・ダウコーニング・シリコーン社製トレフィルE
−507)5重量部を粗混合したものと、デカメチルシ
クロペンタシロキサン45重量部を、同方向回転の2軸
エクストルーダー(日本精鋼所製SUPERTEX30
型、シリンダーの内径32mm)を使用し、押し出しス
クリューと解砕のブロックパターンを併用し、全工程を
50℃にコントロールして、スクリュ−の回転数250
0(回転/分)、せん断速度220.5(1/秒)にて
混練し、目的とする微粒子金属酸化物分散体を得た。
【0032】比較例1 実施例1において、スクリュ−の回転数を450(回転
/分)、せん断速度を39.7(1/秒)に変えた他は
全て実施例1と同様にして微粒子金属酸化物分散体を作
製した。
【0033】比較例2 実施例1において、エクストルーダーの代わりに、ディ
スパーを用いて回転数5000回転/分にて粉砕した他
は全て実施例1と同様にして微粒子金属酸化物分散体を
作製した。
【0034】比較例3 実施例1において、エクストルーダーの代わりに、サン
ドミルを用いた他は全て実施例1と同様にして微粒子金
属酸化物分散体を作製した。
【0035】実施例2 シリコーン処理微粒子酸化亜鉛(平均一次粒子径30n
m)53重量部と球状ポリエチレン末5重量部を粗混合
したものを用意した。また、エステル油であるトリ(カ
プリル・カプリン酸)グリセリン10重量部と、紫外線
吸収剤であるパラメトキシケイ皮酸オクチル10重量部
と、デカメチルシクロペンタシロキサン17重量部と、
パーフルオロアルキル・ポリオキシエチレン共変性シリ
コーン1重量部と、フッ素化シリコーン樹脂4重量部を
事前に溶解させた溶液を用意した。それぞれの成分を2
軸エクストルーダー(日本精鋼所製SUPERTEX3
0型、シリンダーの内径32mm)を使用し、押し出し
スクリューと解砕のブロックパターンを併用し、全工程
を80℃にコントロールして、スクリュ−の回転数12
50(回転/分)、せん断速度110.2(1/秒)に
て混練し、目的とする微粒子金属酸化物分散体を得た。
【0036】比較例4 実施例2において、エクストルーダーの代わりに、ロー
ルミルを用いた他は全て実施例2と同様にして微粒子金
属酸化物分散体を作製した。尚、揮発した環状シリコー
ンは、分散体の固型分量を測定した後、足りない分を追
加して補った。
【0037】実施例3 表2に示す処方に従ってサンスクリーン剤を作製した。
尚、単位は重量%である。
【0038】
【表2】
【0039】各成分をディスパーを用いて混合した後、
ステンレスボールと共に容器に充填して製品とした。
【0040】比較例5 実施例3で用いた実施例1、2の微粒子金属酸化物分散
体の代わりに、エクストルーダーで分散を行っていない
成分をそのまま加えた他は全て実施例3と同様にして製
品を得た。
【0041】比較例6 実施例3で用いた実施例1の微粒子金属酸化物分散体の
代わりに、比較例1の微粒子金属酸化物分散体を用い、
また実施例2の微粒子金属酸化物分散体の代わりに、比
較例4の微粒子金属酸化物分散体を用いた他は全て実施
例3と同様にして製品を得た。
【0042】比較例7 実施例3で用いた実施例1の微粒子金属酸化物分散体の
代わりに、比較例2の微粒子金属酸化物分散体を用い、
また実施例2の微粒子金属酸化物分散体の代わりに、比
較例4の微粒子金属酸化物分散体を用いた他は全て実施
例3と同様にして製品を得た。
【0043】比較例8 実施例3で用いた実施例1の微粒子金属酸化物分散体の
代わりに、比較例3の微粒子金属酸化物分散体を用い、
また実施例2の微粒子金属酸化物分散体の代わりに、比
較例4の微粒子金属酸化物分散体を用いた他は全て実施
例3と同様にして製品を得た。
【0044】以下、表3に分散体の評価結果を、また表
4に化粧料の評価結果を示す。
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】表3の結果より、本発明の各実施例は、各
比較例と比べて紫外線防御能に優れており、粉砕力の高
い効果がでていることが判った。比較例1は、エクスト
ルーダーの回転数とせん断速度を低下させた例である
が、高速回転時と比べて紫外線防御効果に劣っていた。
さらに、外観も各比較例ではぼそぼそした感じであるの
に対して各実施例ではなめらかなペースト状の外観を示
した。比較例2は、エクストルーダーの代わりに、ディ
スパーを用いた場合であるが、粘度が高いため、ディス
パーの効率が悪く、充分な粉砕が行えなかった。比較例
3は、サンドミルを用いた例であるが、粘度が高いた
め、ビーズの粉砕効率が低下したためか、安定した品質
のペーストが得られなかった。また、比較例4は、ロー
ルミルを用いた例であるが、紫外線防御効果、生産性共
に実施例2の方が高かった。すなわち、本発明の各実施
例は、各比較例と比べて、高濃度(高粘度)品の大量生
産に好適であった。
【0048】表4の結果より、本発明の実施例は、各比
較例と比べて、感触がなめらかで、かつのびに優れてい
ることが判った。比較例5は、事前の粉砕を行わなかっ
た場合の例であるが、感触も悪く、製剤中に未分散体が
あるなど問題があった。比較例6、7、8は、それぞれ
比較例1、2、3と4の組み合わせで作製したものであ
る。比較例6はエクストルーダーの回転速度を低下させ
た原料を使用した場合で、全体の評価はますまずであっ
たが、実施例と比べると感触の差が認められた。比較例
7はディスパーを用いた原料を使用した場合で、比較例
8のサンドミルの例と同様に、粉砕状態が不十分であ
り、安定した品質の製品が得られなかった。また、本発
明の化粧料の評価時に、化粧下地料としての有効性の確
認として、本発明の製品を塗布した後に市販のラスティ
ングタイプの化粧料を塗布する方法で実施したところ、
本実施例3は化粧崩れ防止効果、のりを良くする効果、
紫外線防御効果に優れていることが確認された。
【0049】
【発明の効果】以上のことから、本発明は、高速の多軸
型連続押し出し混練装置を用いて、微粒子金属酸化物、
油剤を含む原料を混練して得られる微粒子金属酸化物分
散体は、高い生産効率(より安価に、大量生産ができ
る)を持ち、微粒子金属酸化物が高濃度でも安定した品
質を示すこと、そして得られた微粒子金属酸化物分散体
を含有する化粧料が塗布時の感触に優れることは明らか
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いた2軸のエクストルーダ
ーを示す外観図である。
【図2】図1の2軸のエクストルーダーの断面図であ
る。
【図3】図1の2軸のエクストルーダーのスクリューを
側面からみた、噛み合い状態を示す図である。
【符号の説明】
1 電動機 2 投入口 3 シリンダー 4、5 スクリュー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スクリューの回転数が500(回転/
    分)以上であり、かつせん断速度が45(1/秒)以上
    の多軸型連続押し出し混練装置を用いて、微粒子金属酸
    化物と油剤とを含む原料を混練りして得られることを特
    徴とする微粒子金属酸化物分散体。
  2. 【請求項2】 原料中の微粒子金属酸化物の配合量が3
    0〜85重量%の範囲にあることを特徴とする請求項1
    に記載の微粒子金属酸化物分散体。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の微粒子金
    属酸化物分散体を含有することを特徴とする化粧料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010163375A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Kao Corp 表面処理粉体及び化粧料

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JP2010163375A (ja) * 2009-01-14 2010-07-29 Kao Corp 表面処理粉体及び化粧料

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