JPH1123962A - 赤外線レンズ - Google Patents

赤外線レンズ

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JPH1123962A
JPH1123962A JP18761997A JP18761997A JPH1123962A JP H1123962 A JPH1123962 A JP H1123962A JP 18761997 A JP18761997 A JP 18761997A JP 18761997 A JP18761997 A JP 18761997A JP H1123962 A JPH1123962 A JP H1123962A
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lens
infrared
lens group
convex
object side
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Fumio Watabe
文男 渡部
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物体側に凹面を向けた凸メニスカスレンズを
最も物体側に配された、負の屈折力を有する第1レンズ
群と、正の屈折力を有する第2レンズ群で構成される赤
外線レンズであって、ナルシサスを軽減するとともに収
差を良好に補正し、F値を小さくし、広角化を図り、必
要なバックフォーカスを確保する。 【構成】 物体側より順に物体側に凹面を向けた凸メニ
スカスレンズL1、物体側に凸面を向けた凹メニスカス
レンズL2、凸レンズL3で構成される負の屈折力を有す
る第1レンズ群G1と、少なくとも2枚のレンズで構成
された正の屈折力を有する第2レンズ群G2で構成され
ており、このレンズを通過した光束を、コールドアパー
チャ1を介して検出面2に結像させる。また、以下の条
件式を満足する。 |fG2/fG1|<0.40 ………(1)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、赤外線レンズ、特
に3〜5μmまたは8〜12μmの波長帯の赤外線イメ
ージングシステムに用いられる赤外線レンズに関するも
のであり、詳しくは赤外線レンズの構成の改良に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】赤外線レンズは、暗さまたは霧などによ
り肉眼では見えない被写体を赤外線を利用して可視像に
変換する暗視装置に利用されているほかに、その使途
は、対象物の放熱状態を映像化する装置として、身体の
表面温度を温度差に従って色分けして表す医療機器や、
地表面の温度を観測する火山研究、あるいは送電線の熱
条件を遠隔観察することへの利用など広範囲に及んでい
る。
【0003】この、赤外線レンズからなる赤外線イメー
ジングシステムは、赤外線を利用するが故にいくつかの
条件を備えている必要がある。まず、その赤外線を結像
させる検出面を含む検出器は、好感度化および熱雑音低
減のため、液体窒素やスターリングクーラ等によりマイ
ナス200゜C付近まで冷却しなければならない。しか
しそのために、「シェーディング」や「ナルシサス」と
いう赤外線イメージングシステム特有の現象が生じてし
まうことにもなっている。
【0004】「シェーディング」とは、検出器が被写体
以外(例えばレンズ鏡筒)から放出された熱エネルギの
影響を受けて、被写体本来の温度や温度差を感知できな
くなる現象である。この現象を避けるために、一般には
検出器の前に適切な大きさの「コールドアパーチャ」と
呼ばれる開口マスクが配置されており、被写体以外から
放射される熱エネルギが検出器面に到達しないようなレ
ンズシステムが求められる。
【0005】「ナルシサス」とは、冷却された検出器の
負のエネルギがレンズシステムのレンズ界面等によって
反射され、コールドアパーチャの開口部を通り検出面で
検出器自身を像として感知してしまう現象である。この
現象を避けるために、各レンズ界面には反射防止コーテ
ィングを行うが、それでも所定のエネルギが反射し、最
悪の場合はコールドアパーチャの形がくっきりと視野の
中に現れてしまうことになり、画質やNETD(温度分
解能)に大きく関わる問題となる。
【0006】つぎに、赤外線イメージングシステムのレ
ンズについては、当然のことながらその素材は赤外線を
透過するものである必要がある。具体的には、シリコン
やゲルマニウム、硫化亜鉛など種々の赤外線透過材料が
知られている。さらに、これらのレンズはF値の小さい
明るいレンズであることが求められる。これは、NET
Dを良くするために必要なことである。
【0007】これらの条件のほかに、赤外線レンズに
も、一般のレンズと同様に、視野が広く、収差が良好に
補正されて高解像であること、適当なバックフォーカス
を確保することが求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな条件下で赤外線レンズを設計しようとすることは、
非常に困難である。
【0009】その第1の理由は、前述したナルシサスで
あるが、この現象に影響を与えるのは実質的には第1レ
ンズ群である。第2レンズ群の位置は比較的検出面に近
いため、第2レンズ群の各レンズ界面からの反射光が検
出面の近傍で結像して画像に影響を与えることは少な
い。逆に影響が大きいのは、結像面から最も離れた、す
なわち第1レンズ群の各レンズ界面となる。一般のレン
ズシステムでは、最も物体側のレンズとして、物体側に
平面もしくは凸面を向けたレンズが配置されるケースが
多く、これにより周辺部の収差補正を行っているが、赤
外線レンズの場合にはこのような構成により収差補正を
行うと反射光が検出面付近で結像する原因ともなり、ナ
ルシサスが発生する。このため、収差補正を行った上
で、この最も物体側のレンズの物体側の面からの反射光
により発生するナルシサスを緩和することは、レンズシ
ステム全体のナルシサスを軽減する上で重要な要件とな
る。
【0010】もう1つの理由は、レンズの明るさと収差
補正についての要求にある。赤外線レンズでは、前述の
とおり、検出面において温度差の感知精度を確保するた
めに明るいレンズが必要となる。そのためには、レンズ
中心部を通る比較的諸収差の少ない光束だけでなく、レ
ンズ周辺部を通るコマ収差、像面湾曲、樽型の大きな歪
曲収差等の収差が現れやすい光束までも検出面で結像さ
せることが必要となり、その結果として周辺視野の収差
が大きくなってしまう。このように、F値を小さくする
ことと周辺視野まで高解像なものとすることは、いわば
相反する要求であるが、これら両者を共に満足させるこ
とへの要求としても強いものがある。
【0011】さらに加えれば、広角化の要求である。広
角なレンズの場合は焦点距離が短いので、レンズシステ
ムの広角化を図り必要なバックフォーカスを確保するた
めに、通常は、前段に負の屈折力を有する第1レンズ群
を配置し、後段に正の屈折力を有する第2レンズ群を配
置する。赤外線レンズの場合でも基本的に同様な構成で
広角化と必要なバックフォーカスを確保することが可能
であるが、そのレンズ構成はナルシサスの影響を軽減し
たものとなっていることが必要である。さらに、レンズ
と検出器の間にコールドアパーチャ等の部材やそれを保
持する部材を配置するスペースが必要なことから、バッ
クフォーカスもそれに応じた値とする必要がある。
【0012】本発明は、このような事情に鑑みなされた
ものであり、ナルシサスの影響を軽減するとともに収差
を良好に補正し、F値が小さく、広角で、必要なバック
フォーカスを確保しうる赤外線レンズを提供することを
目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明に係る赤外線レン
ズは赤外線イメージングシステムに用いられる赤外線レ
ンズであって、物体側より順に、物体側に凹面を向けた
凸メニスカスレンズ、物体側に凸面を向けた凹メニスカ
スレンズ、凸レンズの3枚で構成される負の屈折力を有
する第1レンズ群と、少なくとも2枚のレンズで構成さ
れる正の屈折力を有する第2レンズ群で構成されるとと
もに、以下の条件式(1)を満足するように構成されて
いることを特徴とするものである。 |fG2/fG1|<0.40 …………(1) ただし、fG1:第1レンズ群の焦点距離 fG2:第2レンズ群の焦点距離
【0014】また、以下の条件式(2)、(3)を満足
するように構成されていることが望ましい。 f/f1<0.25 …………(2) 0.05<|f/R1|<0.60 …………(3) ただし、f :全系の焦点距離 f1 :第1レンズ群の凸メニスカスレンズの焦点距離 R1 :第1レンズ群の物体側から第1面の曲率半径
【0015】さらに、3〜5μmの波長帯の赤外線イメ
ージングシステムに用いられる赤外線レンズでは、前記
第2レンズ群を、ゲルマニウムを材料とする1枚の凹レ
ンズとシリコンを材料とする2枚の凸レンズを含む、少
なくとも3枚のレンズで構成することが可能である。さ
らにまた、8〜12μmの波長帯の赤外線イメージング
システムに用いられる赤外線レンズでは、前記第2レン
ズ群を、ゲルマニウムを材料とする少なくとも2枚のレ
ンズで構成することも可能である。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。
【0017】本発明の実施形態の赤外線レンズは、物体
側から、負の屈折力を有する第1レンズ群と、正の屈折
力を有する第2レンズ群により構成されている。第1レ
ンズ群は物体側より順に、物体側に凹面を向けた凸メニ
スカスレンズ、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレン
ズ、凸レンズの3枚で構成され、第2レンズ群は、少な
くとも2枚のレンズで構成され、正の屈折力を有する。
本実施形態のレンズは、以下の条件式(1)〜(3)を
満足するように構成されている。 |fG2/fG1|<0.40 …………(1) f/f1<0.25 …………(2) 0.05<|f/R1|<0.60 …………(3) ただし、fG1:第1レンズ群の焦点距離 fG2:第2レンズ群の焦点距離 f :全系の焦点距離 f1 :第1レンズ群の凸メニスカスレンズの焦点距離 R1 :第1レンズ群の物体側から第1面の曲率半径
【0018】以下、具体的なデータを用いて実施例1〜
5について説明する。 〈実施例1〉図1は実施例1に係る赤外線レンズの構成
を示す図である。
【0019】図1に示すように、本実施例に係る赤外線
レンズは、物体側から、負の屈折力を有する第1レンズ
群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2により構
成される。物体からの光束は第2レンズ群G2によって
収束され、シェーディングを阻止するために配置したコ
ールドアパーチャ1を通り、検出器の検出面2で結像す
る。第1レンズ群G1は物体側より順に、物体側に凹面
を向けた凸メニスカスレンズL1、物体側に凸面を向け
た凹メニスカスレンズL2、物体側に凹面を向けた凸メ
ニスカスレンズL3の3枚のレンズで構成され、第2レ
ンズ群G2は、物体側より順に、像面側に曲率の大きい
面を向けた両凹レンズL4、像面側に曲率の大きい面を
向けた両凸レンズL5、物体側に凸面を向けた凸メニス
カスレンズL6で構成され正の屈折力を有する。また、
本実施例に係るレンズは、以下の条件式(1)〜(3)
を満足するように構成されている。 |fG2/fG1|<0.40 …………(1) f/f1<0.25 …………(2) 0.05<|f/R1|<0.60 …………(3) ただし、fG1:第1レンズ群G1の焦点距離 fG2:第2レンズ群G2の焦点距離 f :全系の焦点距離 f1 :第1レンズ群G1の凸メニスカスレンズL1の焦点
距離 R1 :第1レンズ群G1の物体側から第1面の曲率半径
【0020】なお、本実施例は、3〜5μmの波長帯の
赤外線イメージングシステムに用いられる赤外線レンズ
として構成されており、第2レンズ群G2を、ゲルマニ
ウムを材料とする1枚の凹レンズL4と、シリコンを材
料とする2枚の凸レンズL5、L6からなる3枚のレンズ
で構成することによって、軸上色収差、倍率色収差をバ
ランスよく補正することが可能になる。これは、シリコ
ンは分散が小さく、一方ゲルマニウムは分散が大きく、
かつ両者の部分分散比は非常に近寄っているからであ
る。
【0021】以下に、各レンズ群および各レンズの作用
を示す。 〈第1レンズ群G1〉第1レンズ群G1は負の屈折力を有
しレンズの広角化を図るとともに、レンズシステムに必
要なバックフォーカスを確保している。
【0022】第1レンズL1は、第2レンズL2により生
じる樽型の大きな歪曲収差の補正と像面湾曲の補正を行
うとともに、この第1レンズL1の物体側の面(以下第
1面と称する)が像面側に凸面を向けることによって、
検出器からのエネルギを反射しても、その反射光を収束
させるおそれが小さいので、この第1面により生じるナ
ルシサスを小さくする作用を併せ持つ。さらに、通常は
最も物体側には凹レンズを配してレンズの広角化を図る
ものであるが、これを凸レンズとしたことにより、第2
レンズL2の物体側の面(以下第3面と称する)により
生じるナルシサスをも軽減する効果を得る。これは、第
1レンズL1が凸レンズであれば、第1レンズ群G1の負
の屈折力を確保するために第2レンズL2はより大きな
負の屈折力を持つ必要があり、第3面の曲率半径R3
小さくすることにつながるので、第3面が検出器からの
エネルギを反射させても検出面2付近では結像しないか
らである。
【0023】第2レンズL2は、第1レンズ群G1の負の
屈折力を確保し、広角化および必要なバックフォーカス
を確保する作用を持つ。第3レンズL3は、第2レンズ
2による樽型の大きな歪曲収差の補正を行うととも
に、第2レンズL2によってオーバーになりすぎた球面
収差を若干補正する作用を併せ持つ。また、第3レンズ
3は、物体側、像面側の両面ともにナルシサスを生じ
させないような形状にすることは当然必要である。
【0024】〈第2レンズ群G2〉第2レンズ群G2は、
3枚のレンズL4、L5、L6で構成され、正の屈折力を
有する。基本的には第1レンズ群G1で発散された光束
を検出面2上に結像させる作用を持つが、1枚の凹レン
ズL4と2枚の凸レンズL5、L6で構成することによ
り、第1レンズ群G1で発生する球面収差、コマ収差等
の諸収差を良好に補正している。
【0025】各条件式(1)〜(3)を満足するように
構成することが望ましいのは、以下の理由によるもので
ある。 〈条件式(1)の上限値〉この上限値を上回った場合
は、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2でコマ収差をバ
ランスよく補正するのが困難となる。また、レンズ全長
が大きくなりすぎるという問題もある。
【0026】〈条件式(2)の上限値〉この上限値を上
回った場合は、コマ収差や像面湾曲をバランスよく補正
するのが困難となり、広角で周辺視野まで高解像なレン
ズが得られない。 〈条件式(3)の上限値〉この上限値を上回った場合
は、コマ収差や像面湾曲をバランスよく補正するのが困
難となり、広角で周辺視野まで高解像なレンズが得られ
ない。
【0027】〈条件式(3)の下限値〉この下限値を下
回った場合は、検出面2において第1面によるナルシサ
スの影響が大きくなり、無視できなくなる。
【0028】ここで、本実施例の各レンズ面の曲率半径
R(mm)、各レンズの軸上面間隔(各レンズの中心厚
および各レンズ間の空気間隔)D(mm)、各レンズの
形成材料を表1に示す。なお、表1において、各記号に
対応させた数字は物体側から順次増加するようになって
いる(以下の各実施例についても同様である)。表1の
下段には、本実施例の赤外線レンズ全系の焦点距離f
(mm)とF値を示す。
【0029】
【表1】
【0030】〈実施例2〉実施例2に係る赤外線レンズ
の構成は、実施例1とほぼ同様である。表2に、本実施
例の各レンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上
面間隔(各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間
隔)D(mm)、各レンズの形成材料を示す。表2の下
段には、本実施例の赤外線レンズ全系の焦点距離f(m
m)とF値を示す。
【0031】
【表2】
【0032】〈実施例3〉実施例3に係る赤外線レンズ
の構成は、実施例2とほぼ同様であるが、第1レンズ群
1の第3レンズL3には物体側に曲率の大きい面を向け
た両凹レンズを配置している。表3に、本実施例の各レ
ンズ面の曲率半径R(mm)、各レンズの軸上面間隔
(各レンズの中心厚および各レンズ間の空気間隔)D
(mm)、各レンズの形成材料を示す。表3の下段に
は、本実施例の赤外線レンズ全系の焦点距離f(mm)
とF値を示す。
【0033】
【表3】
【0034】〈実施例4〉図2は実施例4に係る赤外線
レンズの構成を示す図である。本実施例に係る赤外線レ
ンズは、実施例3とほぼ同様の構成であるが、8〜12
μmの波長帯の赤外線イメージングシステムに用いられ
る赤外線レンズとして構成されているため、各レンズは
ゲルマニウムを形成材料としている。上記の波長帯では
ゲルマニウムは非常に分散が小さいので、赤外線レンズ
をゲルマニウムを材料とするレンズで形成することによ
って、軸上色収差、倍率色収差を充分に補正することが
可能になる。
【0035】また、本実施例の第2レンズ群G2は、物
体側より順に物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ
4、像面側に曲率の大きい面を向けた両凸レンズL5
物体側に凸面を向けた凸メニスカスレンズL6で構成さ
れる。その作用は実施例1〜3と同様に、第1レンズ群
1で発散された光束を検出面2上に結像させるととも
に第1レンズ群G1で発生する球面収差、コマ収差等の
諸収差を良好に補正することである。
【0036】表4に、本実施例の各レンズ面の曲率半径
R(mm)、各レンズの軸上面間隔(各レンズの中心厚
および各レンズ間の空気間隔)D(mm)、各レンズの
形成材料を示す。表4の下段には、本実施例の赤外線レ
ンズ全系の焦点距離f(mm)とF値を示す。
【0037】
【表4】
【0038】〈実施例5〉図3は実施例5に係る赤外線
レンズの構成を示す図である。
【0039】本実施例に係る赤外線レンズは、実施例4
と同様に8〜12μmの波長帯の赤外線イメージングシ
ステムに用いられる赤外線レンズとして構成されている
が、本実施例の第2レンズ群G2は、物体側より順に像
面側に凸面を向けた凸メニスカスレンズL4、物体側に
凸面を向けた凸メニスカスレンズL5の2枚で構成され
る。その作用は実施例4と同様に、第1レンズ群G1
発散された光束を検出面2上に結像させるとともに第1
レンズ群G1で発生する球面収差、コマ収差等の諸収差
を良好に補正することであるが、ゲルマニウムの波長分
散が非常に小さいために2枚の凸レンズL4、L5で収差
補正を行うことが可能になり、より簡易な構成の赤外線
レンズとなっている。
【0040】表5に、本実施例の各レンズ面の曲率半径
R(mm)、各レンズの軸上面間隔(各レンズの中心厚
および各レンズ間の空気間隔)D(mm)、各レンズの
形成材料を示す。表5の下段には、本実施例の赤外線レ
ンズ全系の焦点距離f(mm)とF値を示す。
【0041】
【表5】
【0042】また、表6に、実施例1〜5に係る赤外線
レンズの全系の焦点距離f(mm)、第1レンズ群G1
の焦点距離fG1(mm)、第2レンズ群G2の焦点距離
G2(mm)、第1レンズ群G1の凸メニスカスレンズ
1の焦点距離f1(mm)、第1レンズ群G1の物体側
から第1面の曲率半径R1(mm)、|fG2/fG1|、
f/f1および|f/R1|の各値を示す。
【0043】
【表6】
【0044】表6により、実施例1〜5は条件式(1)
〜(3)を全て満足することが明らかである。図4〜8
は、実施例1〜5に係る赤外線レンズの諸収差を示す収
差図であり、この図から明らかなように、各実施例によ
れば、周辺視野まで良好な結像性能を有する赤外線レン
ズを得ることができる。
【0045】また、表1〜5に示したとおり、実施例1
〜5に係る赤外線レンズのF値は1.0〜1.3と小さ
く、収差補正を良好にした上で明るさを確保した赤外線
レンズを得ることも可能となっている。さらに、図9〜
13は実施例1〜5に係る赤外線レンズによる検出面2
におけるナルシサスを示す図であり、この図から明らか
なように、各実施例によれば、検出面2の中心部でのナ
ルシサスの影響を軽減することができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の赤外線レ
ンズによれば、ナルシサスの影響を軽減するとともに、
広角化を図りその周辺視野まで解像度を良好とすること
ができ、さらにF値が小さい簡易な構成とすることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1に係る赤外線レンズを示すレ
ンズ構成図
【図2】本発明の実施例4に係る赤外線レンズを示すレ
ンズ構成図
【図3】本発明の実施例5に係る赤外線レンズを示すレ
ンズ構成図
【図4】本発明の実施例1に係る赤外線レンズの諸収差
を示す収差図
【図5】本発明の実施例2に係る赤外線レンズの諸収差
を示す収差図
【図6】本発明の実施例3に係る赤外線レンズの諸収差
を示す収差図
【図7】本発明の実施例4に係る赤外線レンズの諸収差
を示す収差図
【図8】本発明の実施例5に係る赤外線レンズの諸収差
を示す収差図
【図9】本発明の実施例1に係る赤外線レンズのナルシ
サスを示す図
【図10】本発明の実施例2に係る赤外線レンズのナル
シサスを示す図
【図11】本発明の実施例3に係る赤外線レンズのナル
シサスを示す図
【図12】本発明の実施例4に係る赤外線レンズのナル
シサスを示す図
【図13】本発明の実施例5に係る赤外線レンズのナル
シサスを示す図
【符号の説明】
1 コールドアパーチャ 2 検出面 L1〜L6 レンズ G1,G2 レンズ群 R1〜R12 曲率半径 D1〜D12 軸上面間隔 X 光軸

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 赤外線イメージングシステムに用いられ
    る赤外線レンズであって、 物体側より順に、物体側に凹面を向けた凸メニスカスレ
    ンズ、物体側に凸面を向けた凹メニスカスレンズ、凸レ
    ンズの3枚で構成される負の屈折力を有する第1レンズ
    群と、少なくとも2枚のレンズで構成される正の屈折力
    を有する第2レンズ群で構成されるとともに、以下の条
    件式(1)を満足するように構成されていることを特徴
    とする赤外線レンズ。 |fG2/fG1|<0.40 …………(1) ただし、fG1:第1レンズ群の焦点距離 fG2:第2レンズ群の焦点距離
  2. 【請求項2】 以下の条件式(2)、(3)を満足する
    ように構成されていることを特徴とする請求項1記載の
    赤外線レンズ。 f/f1<0.25 …………(2) 0.05<|f/R1|<0.60 …………(3) ただし、f :全系の焦点距離 f1 :第1レンズ群の凸メニスカスレンズの焦点距離 R1 :第1レンズ群の物体側から第1面の曲率半径
  3. 【請求項3】 3〜5μmの波長帯の赤外線イメージン
    グシステムに用いられる赤外線レンズであって、前記第
    2レンズ群が、ゲルマニウムを材料とする1枚の凹レン
    ズとシリコンを材料とする2枚の凸レンズを含む、少な
    くとも3枚のレンズで構成されていることを特徴とする
    請求項1または2記載の赤外線レンズ。
  4. 【請求項4】 8〜12μmの波長帯の赤外線イメージ
    ングシステムに用いられる赤外線レンズであって、前記
    第2レンズ群が、ゲルマニウムを材料とする少なくとも
    2枚のレンズで構成されていることを特徴とする請求項
    1または2記載の赤外線レンズ。
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