JPH11239583A - 医療システム - Google Patents

医療システム

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JPH11239583A
JPH11239583A JP10043919A JP4391998A JPH11239583A JP H11239583 A JPH11239583 A JP H11239583A JP 10043919 A JP10043919 A JP 10043919A JP 4391998 A JP4391998 A JP 4391998A JP H11239583 A JPH11239583 A JP H11239583A
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suspension unit
unit
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operating room
monitor
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JP10043919A
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English (en)
Inventor
Genichi Nakamura
元一 中村
Hiroyuki Yamamiya
広之 山宮
Yoshinao Ooaki
義直 大明
Yoshito Ichikawa
義人 市川
Atsushi Amano
敦之 天野
Masaaki Ueda
昌章 植田
Tatsuya Yamaguchi
達也 山口
Hibiki Imagawa
響 今川
Akio Nakada
明雄 中田
Kazuya Hijii
一也 肘井
Akinobu Uchikubo
明伸 内久保
Takahiro Ogasaka
高宏 小賀坂
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】重い医療装置を積載した懸架ユニットの移動を
容易に行える医療システムを提供すること。 【解決手段】駆動機構は、例えば一開口部に第3アーム
部材113を固設した中空な第4の短ロッド119と、
第4アーム部材114との組合せで構成され、短ロッド
119は第4アーム部材114に対して回動自在であ
る。軸受部29の端面には、従動ギア30が固定され、
第4アーム部材114の内部空間にはポテンショメータ
を備えたモータ31が固定されている。モータ31の回
転軸31aの駆動ギア32は従動ギア30に噛合してい
る。制御装置35では、操作装置22で操作された入力
と、検出ケーブル34bから伝達される回転角情報とを
対比してモータ31へ供給する駆動電力の制御を行う。
他の回転軸O1 ,O2 ,O3 及び回転軸O5 周りの駆動
機構も回転軸O4 周りの駆動機構と同等の構造である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手術室内の床に医
療装置やケーブル等を配置することなく、複数の医療装
置の集中制御を可能にする医療システムに関する。
【0002】
【従来の技術】体腔内臓器等の診断や検査に際し、治療
具として内視鏡が用いられる。この内視鏡には、先端に
CCD等の固体撮像素子を設けた電子内視鏡もある。医
療分野では、内視鏡以外にも、治療用の処置具として止
血用のヒートプローブや切除器具としてのレーザメスな
どが用いられる。これらの内視鏡や処置具を扱う場合、
操作性や収納性の向上を図るべく、それらの機器及び処
置具を1つのシステムとしてまとめ、集中的な制御及び
管理を行うことが望ましい。
【0003】一般に、腹腔鏡下胆嚢摘出術等の内視鏡下
外科手術では、複数の医療装置が使用され、これらの医
療装置をチューブやケーブル等により接続して前記内視
鏡下外科手術が行われる。
【0004】このため、たとえ医療装置や処置具が1つ
のシステムとして構築されていても、手術室内の手術ベ
ッドの回りに複数の医療装置を配置することによってセ
ッティングが面倒になるとともに、雑多な雰囲気の中で
治療が進められたり、チューブやケーブルが術者の邪魔
になって手術室内を自由かつスムーズに移動できなくな
るという不具合が生じたり、システムとしての操作性、
手術室の省スペース化が困難になるといった問題があっ
た。
【0005】これらの問題を解決するため本出願人は、
特願平9−3282号に医療システムを開示している。
この医療システムでは手術室の上方より懸架された懸架
ユニットに各種医療装置を積載し、前記手術室の略中央
に配置した患者が横たわる手術台の近傍に前記医療装置
が配置されるようになっており、前記懸架ユニットは、
前記医療装置を積載する積載部と、この積載部を支持す
るアームとにより構成され、前記積載部に積載されてい
る医療装置に接続されるケーブル・チューブ類は前記ア
ーム内及び手術室壁面内に配置されている。このため、
各種医療装置類が手術室の床に置かれるのではなく宙に
浮いた状態で配置され、かつこれら医療装置に接続され
るケーブル・チューブ類が床を這わないので手術室内が
整然として、医療装置類の集中制御を容易にするもので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
願平9−3282号の医療システムでは懸架ユニットに
積載される医療装置の1つであるモニタを術者が常時観
察することが可能なように良く見える位置に移動させる
必要があるが、モニタが積載されている重い懸架ユニッ
トを術者の所望の位置に精度良くスムーズに移動させる
ことは難しい作業であった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、重い医療装置を積載した懸架ユニットの移動を容
易に行える医療システムを提供することを目的にしてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の医療システム
は、手術室略中央に配置され患者が横たわる手術台と、
この手術台の近傍に各種医療装置が配置されるようにこ
れら医療装置を積載し手術室の天井より懸架された懸架
ユニットとを備える医療システムであって、前記懸架ユ
ニットは、前記医療装置を積載する積載部と、この積載
部を支持する複数のアームと、前記積載部と前記アーム
との間及び前記アーム同士を一定の自由度で移動可能に
連結する接続部と、この接続部まわりにおいて前記積載
部を水平・垂直移動させるアクチュエータと、このアク
チュエータの駆動を制御するアクチュエータ制御手段と
を備えている。
【0009】この構成によれば、医療装置を積載した懸
架ユニットを所望の位置まで容易に移動させることが可
能になる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1ないし図8は本発明の第1実
施形態に係り、図1は内視鏡手術室を示す説明図、図2
は内視鏡手術室の概略構成を説明する図、図3は接続部
の回転軸周りの駆動機構の1例を説明する図、図4は操
作装置の操作パネルの構成を示す説明図、図5は第1懸
架ユニットの可動範囲を天井側から示す説明図、図6は
第1懸架ユニットの可動範囲を座標系として示す図、図
7は第1懸架ユニットの位置を示す座標を角度の関係で
表すデータの1例を示す図、図8は制御部による制御例
の1例を示す説明図である。
【0011】図1に示すように本実施形態の医療システ
ムである内視鏡手術室(以下手術室と略記する)1に
は、手術を受ける患者(不図示)が横たわる手術台2が
手術室内略中央に配置され、手術室1の天井3からは医
療装置の1つであり、例えば第1の術者(図示せず)が
観察する内視鏡画像を表示する第1術者用の第1モニタ
4、例えば第2の術者(図示せず)が観察する内視鏡画
像を表示する第2術者用の第2モニタ5、前記手術台2
に横たわる患者を照明する無影灯6と、患者の例えば腹
部等に刺入されるトラカール15にガイドされて腹腔内
に挿入される硬性内視鏡16に照明光を供給する光源装
置7、前記硬性内視鏡16の接眼部16aに着脱自在に
装着される内視鏡像を撮像するTVカメラ17から伝送
される電気信号を画像信号に処理するカメラコントロー
ルユニット(以下CCUと略記する)8、患者の腹腔内
を拡張するための例えばCO2 ガスを腹腔内に送り込む
気腹装置9、高周波電流によって腹腔内の処置部位等を
焼灼する電気メス装置10、などの複数の医療装置類が
後述する上下、左右、前後の3方向に自由度を有する前
記天井3から懸架されている懸架ユニット11,12,
13,14にそれぞれ積載されるようになっている。
【0012】本実施形態においては、前記第1モニタ4
は第1懸架ユニット11に積載され、前記第2モニタ5
は第2懸架ユニット12に積載され、前記無影灯6は第
3懸架ユニット13に積載され、前記光源装置7,CC
U8,気腹装置9及び電気メス装置10は第4懸架ユニ
ット14にひとまとめに積載されている。なお、符号1
8は前記硬性内視鏡16と同様にトラカール15にガイ
ドされて腹腔内に挿入される処置具である。
【0013】一方、前記手術室1の壁19には前述した
第1モニタ4、第2モニタ5、無影灯6、光源装置7、
CCU8、気腹装置9、電気メス装置10などの各医療
装置への電力供給源としての医療用コンセント20と、
CO2 ガス供給源としてのCO2 ガスコネクター21
と、前記懸架ユニット11,12,13,14の移動操
作を行う操作装置22とが設けられている。
【0014】図2に示すように前記医療用コンセント2
0からは実線に示す電源ケーブル23が延出しており、
この電源ケーブル23は壁19内、天井3内、第4懸架
ユニット14内を通ってこの第4懸架ユニット14に積
載されている光源装置7,CCU8,気腹装置9,電気
メス装置10などの各医療装置に接続されるとともに、
前記天井3内から第1懸架ユニット11を通って第1モ
ニタに接続され、前記天井3内から第2懸架ユニット1
2内を通って第2モニタ5に接続され、図示されていな
いが前記天井3内から第3懸架ユニット13を通って無
影灯6に接続されている。
【0015】また、前記CO2 ガスコネクター21から
は斜線で示すCO2 ガスチューブ24が延出しており、
壁19内、天井3内、第4懸架ユニット14内を通って
前記気腹装置9に接続されている。このことにより、C
O2 ガスが気腹装置9を介して腹腔内に供給されるよう
になっている。
【0016】前記CCU8から延出する破線で示す映像
ケーブル25は、第4懸架ユニット14内、天井3内、
第1懸架ユニット11内を通って第1モニタ4に接続さ
れるとともに、前記天井3内から第2懸架ユニット12
内を通って第2モニタ5に接続されている。このことに
よって、このCCU8で生成された映像信号が各モニタ
4,5に伝送されてこれらモニタ4,5の画面上に内視
鏡画像が表示されるようになっている。
【0017】図1に戻って第1懸架ユニット11の構成
を説明する。図に示すように天井3より懸架された第1
懸架ユニット11は、第1モニタ4を積載する平板形状
の積載部110と、この積載部110を支持する複数の
アームであり、前記電源ケーブル23や映像ケーブル2
5が挿通配置可能なように中空な第1アーム部材11
1,第2アーム部材112,第3アーム部材113及び
第4アーム部材114と、前記第1アーム部材111と
第2アーム部材112とを回転軸O1 を中心に上下方向
に一定の自由度で回動可能に連結して前記電源ケーブル
23や映像ケーブル25が挿通する空間部を備えた中空
な接続部である第1の短ロッド116と、第2アーム部
材112と第3アーム部材113とを回転軸O2 を中心
に上下方向に一定の自由度で回動可能に連結する接続部
である空間部を備えた中空な第2の短ロッド117及び
前記第2アーム部材112と第3アーム部材113とを
回転軸O3 を中心に左右方向に一定の自由度で回動可能
に連結する接続部である空間部を備えた中空な第3の短
ロッド118と、前記第3アーム部材113と第4アー
ム部材114とを回転軸O4 を中心に左右方向に一定の
自由度で回動可能に連結する接続部である空間部を備え
た中空な第4の短ロッド119とで構成されている。な
お、前記積載部110と第1アーム部材111とは回転
軸O5 を中心に左右方向に一定の自由度で回動可能に連
結されている。
【0018】上述したように、積載部110と、アーム
部材111,112,113,114と、短ロッド11
6,117,118,119とを組み合わせることによ
って、前記第1懸架ユニット11に積載された第1モニ
タ4の前後方向、上下方向、左右方向への自由度を確保
している。
【0019】図3を参照して駆動機構の1つである回転
軸O4 周りの駆動機構を説明する。図に示すように本実
施形態の懸架ユニット11の駆動機構は、一開口部に前
記第3アーム部材113を固設した中空な前記第4の短
ロッド119と、第4アーム部材114とで構成され、
この短ロッド119の前記回転軸O4 を中心に形成した
凸状の軸受部29の外周側に前記第4アーム部材114
の基端部に形成されている係入孔26を係入して回動自
在な構成にしている。前記軸受部29には電源ケーブル
23や映像ケーブル25を空間部に導く透孔が形成され
ている。
【0020】この第4の短ロッド119の軸受部29側
外周面と前記第4アーム部材114の基端面との間には
摩擦係数の小さな第1滑り板27が配設され、前記第4
アーム部材114に対して前記第4の短ロッド119が
回転軸O4 軸に対して滑らかに回動する構成になってい
る。また、前記第4アーム部材114の内周面基端部側
には前記第1滑り板27と同様に摩擦係数の小さな第2
滑り板28が配設されている。
【0021】前記軸受部29の端面には、中央部に前記
電源ケーブル23及び映像ケーブル25を挿通する貫通
孔を形成した従動ギア30がネジ等の締結手段(不図示)
によって一体的に固定されている。このことによって、
前記第4アーム部材114の基端部に第4の短ロッド1
19が抜け落ちることなく滑らかに回動する構成になっ
ている。
【0022】中空な前記第4アーム部材114の内部空
間には前記第4アーム部材114に対する第4の短ロッ
ド119の回転角情報を得るための回転角検出手段とし
て例えば図示しないポテンショメータを備えたモータ3
1が固定されており、このモータ31の回転軸31aに
固設されている駆動ギア32が前記従動ギア30に噛合
している。また、この第4アーム部材114の内部空間
には前記電源ケーブル23及び映像ケーブル25と図2
に示す後述する制御装置35から延出している一点鎖線
で示す制御・検出ケーブル34とが挿通する貫通孔を設
けた中空円筒状の内筒33が固定されている。前記電源
ケーブル23及び映像ケーブル25と制御・検出ケーブ
ル34とは第4アーム部材114内から第4の短ロッド
119を通って第3アーム部材113以降へも導かれる
ようになっている。
【0023】なお、前記制御・検出ケーブル34の一部
は、前記第4アーム部材114の内部空間に固定されて
いるモータ31に接続されている。この制御・検出ケー
ブル34を前記モータ31に接続する際、前記制御・検
出ケーブル34は、モータ31に駆動電力を供給する制
御ケーブル34aと、モータ31に内蔵された前記ポテ
ンショメータによって回転軸31aの回転量を検出して
前記第4アーム部材114に対する第4の短ロッド11
9の回転角情報を伝達する検出ケーブル34bとに分け
て接続されている。
【0024】前記制御・検出ケーブル34は、前記図2
に示すように制御装置35から延出しており、この制御
装置35は前記操作装置22と電気的に接続されてい
る。前記制御装置35では、前記操作装置22で操作さ
れた移動操作入力と、前記検出ケーブル34bから伝達
される回転角情報とを対比してモータ31へ供給する駆
動電力の制御を行う。この制御装置35の内部にはモー
タ31の制御を行う制御部46及び検出ケーブル34b
から伝達される回転角情報を基に手術室内における位置
を座標位置として算出する座標算出部47と、この座標
算出部47で算出する座標位置を回転軸O4 の角度で表
した回転角データを収めたデータベース部48とが設け
られている。
【0025】なお、図2におけるその他の回転軸O1 ,
O2 ,O3 及び回転軸O5 周りの駆動機構は前記図3に
示した回転軸O4 周りの駆動機構と同等の構造であり、
各回転軸O1 からO5 には前記制御装置35によって制
御される駆動手段である前記モータ31に対応するモー
タ及びギアが配置されている。また制御装置35の制御
部46の座標算出部47で各モータの検出ケーブル34
bから伝達される回転角情報を基に手術室内における位
置を座標位置として算出する一方、データベース部48
にはこの座標算出部47で算出した座標位置をそれぞれ
の回転軸O1 ,O2 ,O3 ,O5 の角度で表した回転角
データが収められている。
【0026】また、前記第2懸架ユニット12について
も前記第1懸架ユニット11と同様の構造であり、複数
のアーム部材と、複数の短ロッドと、各回転軸と、これ
らに対応したモータ及びギアとが設けられ、前記制御装
置35によって制御される構成になっている。
【0027】図4に示すように操作装置22の操作パネ
ルには第1懸架ユニット11及び第2懸架ユニット12
に積載されているモニタ4,5の位置を、左右方向及び
前後方向に対応するA,B,C,Dの4方向に移動操作
するための十字スイッチ36と、前記モニタ4,5を上
方向に移動操作するためのUPスイッチ37と、前記モ
ニタ4,5を下方向に移動操作するためのDOWNスイ
ッチ38と、前記モニタ4,5を回転軸O5 周りに時計
回りに回転操作するためのCWスイッチ39と、反時計
回りに回転操作するためのCCWスイッチ40と、押す
たびに操作可能な懸架ユニットを例えば第1懸架ユニッ
ト11操作状態、第2懸架ユニット12、OFF(不
動)状態、第1懸架ユニット11操作状態に順次切り替
える切替えスイッチ41と、前記切替えスイッチ41に
より操作可能な懸架ユニットを表す第1懸架ユニット操
作可能表示ランプ42と、第2懸架ユニット操作可能表
示ランプ43と、懸架ユニットOFF状態表示ランプ4
4とが設けられている。
【0028】ここで、制御装置35の作用を説明する。
前記操作装置22の切替えスイッチ41によって第1懸
架ユニット11を操作可能状態にしたとき、十字スイッ
チ36のA,B,C,Dボタンを操作すると、手術室1
の天井3から懸架されている第1懸架ユニット11の積
載部110を回転させる回転軸O5 を、回転軸O4 を中
心にして図5に示す破線円内を可動範囲45として移動
させることが可能になる。
【0029】つまり、図5の状態を基準状態(0゜)と
したとき、前記第3アーム部材113が回転軸O4 に対
して反時計回りに回転する角度を角O4 ,前記第4アー
ム部材114が回転軸O3 に対して反時計回りに回転す
る角度を角O3 ,前記積載部110が回転軸O5 に対し
て反時計回りに回転する角度を角O5 としたとき、具体
的には図6に示すように回転軸O5 は英数字1〜7と漢
数字一〜七とで表される分解能7X7でかつ可動範囲4
5内の点を移動する。そして、前記可動範囲45内の座
標位置で表せる点上に位置するとき、図7に示すような
座標位置に対応する角O4 ,角O3 の角度データを有し
ている。
【0030】なお、図6及び図7を見て明らかなよう
に、回転軸O5 の座標位置を満たす角O4 と角O3 との
組合せは複数存在する場合があり、例えば、角O4 が1
32゜で角O3 が96゜の組合せの場合と、角O4 が2
28゜で角O3 が264゜の組合せの場合とではどちら
も回転軸O5 の座標位置は点(6,四)の位置になる。
【0031】ここで、図4に示す前記操作装置22の切
替えスイッチ41により、第1懸架ユニット11を選択
して、第1懸架ユニット操作可能表示ランプ42を点灯
させて、前記図6に示した角O4 が132゜で角O3 が
96゜の状態で十字スイッチ36のAボタンを操作した
ときの制御について説明する。
【0032】まず、制御装置35の座標算出部47では
検出ケーブル34bを介して角O4と角O3 との回転角
情報を得る一方、この回転角情報をデータベース部48
に参照して回転軸O5 の座標を算出する。すると、回転
軸O5 の座標位置は、点(6,四)の1つに定まる。この
とき、図6で示した位置座標の点に一致していない場合
には最も近い点が座標位置として選択される。そして、
決定された回転軸O5 の座標位置の座標値が制御部46
へ伝達される。
【0033】次に、前記座標算出部47で算出された回
転軸O5 の座標位置の座標値が伝達された制御部46で
は操作装置22で入力された操作方向Aという指示に対
して、回転軸O5 の現在の点(6,四)からA方向に1
つだけA方向に移動した座標位置を移動目的箇所と決定
する。この図においては目標の座標位置は点(7,四)
である。
【0034】次いで、制御部46ではデータベース部4
8を参照して、点(7,四)に対応する角O4 及び角O
3 の角度情報を得る。この場合は図7に示すように角O
4 が180゜であり、角O3 が0゜になる。そして、制
御部46では角O4 及び角O3 がそれぞれ上記値になる
ようにモータ31を駆動制御して、回転軸O5 の座標位
置を現在の点(6,四)の座標位置から目標の座標位置
である点(7,四)に移動する。
【0035】ここで、上述した図6の角O4 が132゜
で角O3 が96゜の状態で十字スイッチ36のBボタン
を操作したときの制御について説明する。上述したAボ
タンが操作された場合と同様にBボタンが操作されたと
き、座標算出部47で回転軸O5 座標を算出し、算出し
た点(6,四)の座標値を制御部46へ伝達する。そし
て、制御部46では操作装置22で入力された操作方向
Bという指示に対して、回転軸O5 の現在の点(6,
四)からB方向に1つだけ移動した座標位置を移動目的
箇所と決定する。この図においては目標の座標位置は点
(5,四)である。
【0036】制御部46ではデータベース部48を参照
して、座標(5,四)に対応する角O4 及び角O3 の角
度情報を得る。この場合は図7に示すように角O4 が1
09゜で角O3 は142゜の場合と、角O4 が251゜
で角O3 が218゜の場合の2つの組合せ存在すること
になるが、このような場合には現在の点(6,四)から
目標の座標位置である点(5,四)まで移動させるのに
移動量の少ない方が選択するように予め設定されてい
る。このため、現在の点(6,四)から目標の点(5,
四)に移動させると、角O4 が109゜で角O3 が14
2゜になる。このため、制御部46では角O4 及び角O
3 がそれぞれ上記値となるようにモータ31を駆動制御
して、回転軸O5 の座標位置を現在の点(6,四)の座
標位置から目標の座標位置である点(5,四)に移動す
る。
【0037】上述した移動制御を行うとき、前記制御部
46では、図8に示すように回転軸O5 を通過して積載
部110の前面部49に直交する直線50が移動前と移
動後とで手術室1内のA,B,C,Dの4方向に対して
傾くことがないように、回転軸O5 周りの補正制御を行
っている。
【0038】なお、図4の十字スイッチ36で移動方向
がC方向あるいは移動方向がD方向になるように移動指
示した場合や移動方向をA方向とC方向とを合わたツイ
スト方向への移動指示を行った場合、移動方向が上述し
たA方向,B方向と異なるだけで同様の制御が行われ
て、現在の座標位置から目的の座標位置に移動する。
【0039】また、前記操作装置22のUPスイッチ3
7を操作した場合には、図1に示す回転軸O1 及び回転
軸O2 周りに設けられている図示しないモータを制御部
46で制御して積載部110に積載されている第1モニ
タ4を上方向に移動させる。このとき、回転軸O1 及び
回転軸O2 周りの回転角情報を元に前記積載部110が
手術室1の床面に対して傾くことなく平行な状態を保持
するように制御している。一方、前記操作装置22のD
OWNスイッチ38が操作された場合には制御部46に
よって回転軸O1 及び回転軸O2 周りに設けられている
前記モータが制御されて積載部110に積載されている
第1モニタ4を下方向に移動させる。このときも、前記
積載部110が手術室1の床面に対して傾くことなく平
行な状態を保持するように制御している。
【0040】また、前記操作装置22のCWスイッチ3
9を操作した場合には、制御部46は回転軸O5 周りに
設けられている図示しないモータによって積載部110
を回転軸O5 周りに天井3側から見て時計回りに回転さ
せる制御が行われ、前記操作装置22のCCWスイッチ
40が操作された場合には制御部46は回転軸O5 周り
の前記モータを制御して積載部110を回転軸O5 周り
に天井3側から見て反時計回りに回転させる制御が行わ
れる。
【0041】また、操作装置22の切替えスイッチ41
が操作された場合には、操作装置22で操作する懸架ユ
ニットを、現在使用していた第1懸架ユニット11から
新たに第2懸架ユニット12を使用する状態に切り換え
たり、どちらの懸架ユニット11,12も停止した状態
にする。
【0042】上述のように構成された医療システムの使
用例を説明する。図1に示す手術室1で例えば第1の懸
架ユニット11に積載されている第1のモニタ4を第1
の術者(不図示)の見易い位置に移動する場合、前記第1
の術者が立っている状態でこの術者以外の例えば看護婦
などが操作装置22を操作する。
【0043】まず、看護婦は操作装置22の切替えスイ
ッチ41を操作して第1懸架ユニット操作可能表示ラン
プ42を点灯させることで、第1モニタ4の積載された
第1懸架ユニット11の移動操作を可能な状態にする。
このとき、第1懸架ユニット11は図6に示すように角
O4 が132゜で角O3 が96゜の状態にあり、この位
置からモニタ4をA方向に移動させるために看護婦は十
字スイッチ36のAボタンを押す。
【0044】すると、座標算出部47で、現在の角O4
の角度及び角O3 の角度情報により回転軸O5 の点
(6,四)を算出して座標値を制御部46へ伝達する一
方、操作装置22の十字スイッチ36のAボタンが押さ
れたことを検知して、制御部46では回転軸O5 の移動
先座標位置となる点(7,四)を決定する。そして、こ
の移動先として決定された点(7,四)に対応する、角
O4 の角度及び角O3 の角度を得るためにデータベース
部48を参照する。すると、移動後の角O4 が180゜
で角O3 が0゜であることが分かるので、モータ31を
駆動制御して第1懸架ユニット11の回転軸O4 に対す
る第3アーム部材113の角O4 が上記180°になる
ように、回転軸O3 に対する第2アーム部材112の
角O3 が上記0°となるように移動させる。このことに
よって、モニタ4を積載した積載部110は手術室1内
をA方向に移動して移動先座標位置に到達する。このと
き、図8に示したように制御部46によって、直線50
が手術室1内のA方向に対して移動の前後で傾かないよ
う回転軸O5 周りの補正制御が行われているので、積載
部110が傾くことなく位置だけが変化する。
【0045】また、図6に示されている角O4 が132
゜で角O3 が96゜の状態で、回転軸O5 の点(6,
四)のとき、B方向に移動させる際には、看護婦は操作
装置22の十字スイッチ36のBボタンを押す。する
と、上述したように制御部46は、回転軸O5 の移動先
座標となる点(5,四)を決定し、データベース部48
を参照して移動先座標における角O4 及び角O3 の角度
を参照する。このとき、角O4 が109゜で角O3 が1
42゜の組合せと、角O4 が251゜で角O3 が218
゜の2つの組合せが存在することを検出するが、このと
き前記回転軸O5 を点(6,四)から点(5,四)に移
動させる際の移動量を少なくする角O4 が109゜で角
O3 が142゜の組合せが選択されて、前記角O4 と角
O3 とが上記値となるようにモータ31が駆動制御され
て、第1懸架ユニット11が移動する。
【0046】このことによって、モニタ4を積載した積
載部110は手術室1内をB方向に移動する。このと
き、上述したように制御部46によって、直線50が手
術室1内のB方向に対して移動の前後で傾かないように
回転軸O5 周りの補正制御を行っているため、積載部1
10の向きが変化することなく位置だけが変化する。
【0047】なお、看護婦が図6に示されている角O4
が132゜で角O3 が96゜の状態で、回転軸O5 の座
標位置が点(6,四)のとき、C方向又はD方向に移動
させる際には操作装置22に設けられている十字スイッ
チ36の移動させる方向に対応するCボタン又はDボタ
ンを押すことで移動を行う。
【0048】また、図1の状態からモニタ4を天井3方
向に移動させる際には、看護婦が操作装置22のUPス
イッチ37を押すことで、制御部46から回転軸O1 及
び回転軸O2 周りに設けられている図示しないモータを
駆動制御して、モニタ4を積載している積載部110を
天井3方向に移動する。この天井方向への移動の際、前
記制御部46では回転軸O1 と回転軸O2 周りの回転角
を検出しながらこれら回転角制御を行っているので積載
部110が手術室の床面に対して傾くことなく平行状態
が保持されている。なお、前記積載部110を下方向に
移動させるときには操作装置22のDOWNスイッチ3
8を操作することで、積載部110に積載されているモ
ニタ4が床方向に移動する。このときも積載部110が
手術室の床面に対して傾くことなく平行状態に保持され
る。
【0049】また、前記モニタ4を積載している積載部
110を回転軸O5 に対して時計回りに回転させるとき
には、看護婦が操作装置22のCWスイッチ39を押す
ことで、制御部46が回転軸O5 周りに設けられている
モータを駆動制御して、前記積載部110を回転軸O5
に対して時計回りに回転する。なお、モニタ4を積載し
ている積載部110を回転軸O5 に対して反時計回りに
回転移動させる際には看護婦が操作装置22のCCWス
イッチ40を押すことにより、前記積載部110が回転
軸O5 に対して反時計回りに回転する。
【0050】次に、図1の手術室1内にいる図示しない
第2の術者の見易い位置に第2モニタ5を移動する場合
には、まず、第2の術者が定位置に立っている状態で看
護婦が操作装置22の切替えスイッチ41を操作して第
2懸架ユニット12を移動操作することが可能なように
第2懸架ユニット操作可能表示ランプ43を点灯状態に
する。このことによって、第2モニタ5を積載している
第2懸架ユニット12の操作を操作装置22で前述の第
1懸架ユニット11と同様に行える。
【0051】そして、手術終了後、操作装置22の切替
えスイッチ41を操作して懸架ユニットOFF状態表示
ランプ44を点灯させる。このことによって、前記第1
懸架ユニット11及び前記第2懸架ユニット12が共に
操作不能状態になって固定される。なお、次回手術の際
には、前記切替えスイッチ41を操作して第1懸架ユニ
ット操作可能表示ランプ42又は第2懸架ユニット操作
可能表示ランプ43を点灯状態にすることで、点灯した
ランプに対応する第1懸架ユニット11または第2懸架
ユニット12が操作可能状態になる。
【0052】このように、懸架ユニットをモニタを積載
する積載部と、この積載部を支持する複数のアーム部材
と、アーム部材同士を回転軸を中心に一定の自由度で回
動可能に連結する中空な短ロッドとで構成するととも
に、積載部とアーム部とを回転軸を中心に一定の自由度
で回動可能に連結し、アーム部材の内部空間に配設した
モータで短ロッドを回転させることによって、積載部に
積載されているモニタを所望の位置に容易に移動させる
ことができる。また、モータに設けたポテンショメータ
で回転角情報を得るとともに、制御装置に設けた座標算
出部とデータベース部とのデータとを照らし合わせて、
回転軸を予め設定した座標位置に移動させることによっ
て、モニタを精度高く所定の位置に容易に配置すること
ができる。これらのことによって、モニタを所定位置に
精度良く移動させる作業を容易に行える。
【0053】なお、本実施形態では第1懸架ユニット1
1、第2懸架ユニット12の回転軸O5 を共に、分解能
を7×7で表した位置に配置するようにしたが、分解能
は7X7に限定されるものではなく、これより多い分解
能であってもまた少ない分解能であってもよい。
【0054】また、第3懸架ユニット13及び第4懸架
ユニット14を第1懸架ユニット11と同様に構成し
て、操作装置22でこれらを制御可能にする構成であっ
てもよい。
【0055】さらに、駆動手段をモータ、すなわち電気
式のアクチュエータとしているが、駆動手段は電気式の
アクチュエータに限定されるものではなく、油圧式、空
気圧式のアクチュエータであってもよい。また、アクチ
ュエータの移動方向も回転に限らず、直線的に移動する
構成であってもよい。
【0056】また、操作装置22を壁19の近傍に設け
ているが、操作装置22の配置位置はベッド2近傍であ
ったり、術者自身が操作することを可能にした術者近傍
に配置するフットスイッチなどであってもよい。
【0057】図9及び図10は本発明の第2の実施形態
に係り、図9は手術室の構成例を示す説明図、図10は
操作装置の構成を示す説明図である。
【0058】本実施形態においては懸架ユニットを術者
の見易い位置に移動させていたのに対し、懸架ユニット
が自動で術者の見易い位置に移動するようにしたもので
ある。その他の構成は第1実施形態と同様であり、同部
品は同符号を付して説明を省略する。
【0059】図9に示すように手術室1の壁19内には
制御装置51が設けられ、この制御装置51には例えば
懸架ユニット11の回転軸O1 ,O2 ,O3 ,O4 ,O
5 周りに設けた図示しないモータの制御を行う制御部5
2と、積載部110の前面部49の前面中央点53の座
標位置と、この座標位置から前面部49に対して垂直な
方向に伸びる直線50の向きを算出する積載部中央座標
算出部54と、後述する術者用センサ58からの情報を
元に例えば第1の術者55の手術室内における位置を座
標位置として算出するとともに、術者55の視線方向を
算出する術者視線方向算出部57と、前記第1実施形態
のデータベース部48の有した機能に加えて、各回転軸
周りの回転角に対する懸架ユニットを構成する複数のア
ーム部材及び短ロッドなどの各パーツが手術室1内で占
める空間、すなわち他の懸架ユニットや術者が立ち入る
ことの不可能な空間に対する情報を有するデータベース
部56とが設けられている。
【0060】このデータベース部56は、第1懸架ユニ
ット11を例に挙げると、この第1懸架ユニット11の
回転軸O1 ,O2 ,O3 ,O4 ,O5 周りの回転角度に
対する、アーム部材111,112,113,114及
び短ロッド116,117,118,119及び積載部
110がそれぞれ占める三次元の空間座標情報を有して
おり、この懸架ユニット11の各パーツが占める空間座
標情報は、後述する懸架ユニット同士の干渉や懸架ユニ
ットと術者との接触を防止する際の情報として機能され
るようになっている。
【0061】なお、前記積載部中央座標算出部54は、
回転軸O1 ,O2 ,O3 ,O4 ,O5 周りに設けられて
いる各モータから伝達される回転角情報を受け、この回
転角情報を基にデータベース部56に収められているデ
ータを参照することで、前記前面中央点53の座標位置
及び直線50の向きを算出するようになっている。ま
た、前記積載部中央座標算出部54で算出される直線5
0は、積載部110上に積載される第1モニタ4の略中
央部からモニタが最も見易い方向に伸びる視野角の中心
線に略一致している。
【0062】一方、第1の術者55の頭部には術者用セ
ンサ58が配置されるようになっている。この術者用セ
ンサ58は、術者の前頭部略中央に位置する第1磁気セ
ンサ59と、術者の後頭部略中央に位置する第2磁気セ
ンサ60とにより構成されており、この第2磁気センサ
60と第1磁気センサ59とを結んで延伸する直線61
は、前記第1の術者55の視線方向に略一致している。
【0063】なお、前記術者視線方向算出部57では第
1磁気センサ59と第2磁気センサ60とを備えた術者
用センサ58から伝達される信号を受け、第1の術者5
5の手術室内における位置座標と視線方向とを算出す
る。
【0064】前記制御部52は、前記積載部中央座標算
出部54と、前記術者視線方向算出部57と、後述する
操作装置62から入力される操作信号とを対比しながら
各回転軸O1 ,O2 ,O3 ,O4 ,O5 周りに設けてあ
るモータの制御を行う。
【0065】図10に示すように操作装置62には、前
記第1実施形態に示した操作装置22に設けたスイッチ
類に加え、押すたびに懸架ユニットの動作状態を第1懸
架ユニットだけが移動する状態、第2懸架ユニットだけ
が移動する状態、第1懸架ユニット及び第2懸架ユニッ
トの両方が移動する状態、両方の懸架ユニットを動かな
いOFF状態に順次切り替えるAUTO切替えスイッチ
63と、前記AUTO切替えスイッチ63操作によって
自動的に動作可能な懸架ユニットが何れであるかを表示
する第1懸架ユニット自動動作表示ランプ64、第2懸
架ユニット自動動作表示ランプ65、第1・第2懸架ユ
ニット自動動作表示ランプ66、自動操作OFF状態表
示ランプ67とが設けられている。
【0066】なお、前記AUTO切替えスイッチ63と
切替えスイッチ41との優先順位は、最後に押されたス
イッチが優先される。つまり、切替えスイッチ41が押
されると、自動操作OFF状態表示ランプ67が点灯し
てAUTO切替えスイッチ63がOFF状態になり、次
に、AUTO切替えスイッチ63が押された場合には懸
架ユニットOFF状態表示ランプ44が点灯して切替え
スイッチ41がOFF状態になる。
【0067】ここで、前記制御装置51による制御につ
いて説明する。AUTO切替えスイッチ63及び切替え
スイッチ41が共にOFF状態、つまり、自動操作OF
F状態表示ランプ67及び懸架ユニットOFF状態表示
ランプ44が点灯している状態で、AUTO切替えスイ
ッチ63が押されると、先ず、第1懸架ユニット自動動
作表示ランプ64が点灯して、第1懸架ユニット11が
自動的に動く状態になる。すると、制御部52では術者
視線方向算出部57より得られる直線61情報を基に、
積載部中央座標算出部54より得られる直線50と前記
直線61とが一致するように回転軸O4 ,O3 ,O5 周
りに設けられているモータの駆動制御を行う。
【0068】このとき、制御部52では、前述した駆動
制御に加えて第1の術者55の手術室内の座標位置と前
面中央点53の座標より得られる術者55と前面中央点
53との両者間距離が、予め設定されている所定範囲内
になるよう積載部110の位置制御を行う。前記術者5
5と前面中央点53との両者間距離の具体的な所定範囲
は、1mから2mの範囲であり、両者間距離が例えば3
mと離れていた場合には両者間距離が2m以内の値にな
るよう第1懸架ユニット11の積載部110が術者側に
近づくように移動制御を行う。逆に、両者間距離が0.
5mと近接している場合には両者間距離が少なくとも1
m以上離れるように第1懸架ユニット11の積載部11
0が術者から遠ざかるように移動制御を行う。
【0069】なお、前記第1懸架ユニット11の積載部
110の上下方向への移動動作についても直線61と直
線50とが一致するよう回転軸O1 ,O2 周りに設けら
れている図示しないモータの駆動制御が行われる。
【0070】また、第1懸架ユニット自動動作表示ラン
プ64が点灯している状態で、AUTO切替えスイッチ
63を押すことで第2懸架ユニット自動動作表示ランプ
65が点灯して、前記図1に示した第2懸架ユニット1
2が図示しない第2の術者に対応して自動移動動作可能
状態になって移動動作が制御される。このときの第2懸
架ユニット12の制御原理は前記第1懸架ユニット11
と移動動作制御と同様である。
【0071】さらに、この第2懸架ユニット自動動作表
示ランプ65が点灯している状態で、AUTO切替えス
イッチ63を押すことによって、第1・第2懸架ユニッ
ト自動動作表示ランプ66が点灯して、前記第1懸架ユ
ニット11が第1の術者55に対して自動移動動作可能
状態になるとともに、前記第2懸架ユニット12が第2
の術者に対して自動移動動作可能状態になって移動動作
が制御される。
【0072】また、図1に示した第3懸架ユニット13
及び第4懸架ユニット14の各回転軸周りにも、例えば
ポテンショメータのような懸架ユニット13,14を構
成するパーツの少なくとも座標位置を検出する位置検出
手段が設けられており、前記積載部中央座標算出部54
を介して、各座標情報が制御部52に伝達されるように
なっている。このため、制御部52では、第1懸架ユニ
ット11,第2懸架ユニット12,第3懸架ユニット1
3及び第4懸架ユニット14を構成する各パーツ同士や
第1の術者55又は第2の術者と各ユニット11,1
2,13,14との間の両者間距離が規定した値より接
近した場合に、装置同士の衝突や装置と術者との接触を
防止して安全を確保するため、近接するパーツを駆動す
るモータを停止させる制御を行うなど、安全を重視した
制御体系になっている。
【0073】上述のように構成した医療システムの動作
を説明する。図9に示す手術室1内にいる第1の術者5
5の見易い位置に常に第1モニタ4が自動的に移動可能
な状態にする場合、まず、第1の術者55が定位置に立
った状態で術者以外の例えば看護婦が操作装置62のA
UTO切替えスイッチ63を操作して第1懸架ユニット
自動動作表示ランプ64を点灯させる。
【0074】すると、制御装置51の積載部中央座標算
出部54では、第1懸架ユニット11の各回転軸O1 ,
O2 ,O3 ,O4 ,O5 周りに配置されているモータに
取り付けられている回転角検出手段から伝達される角度
情報を元に、積載部110の前面部49の前面中央点5
3の座標と、この前面中央点53から前面部49の垂直
方向に伸びるモニタが最も見やすい方向に一致する直線
50の向きとを算出し、この前面中央点53の座標値と
直線50向き情報とを制御部52に伝達する。
【0075】一方、制御装置51の術者視線方向算出部
57では術者55の頭部に配置された術者用センサ58
を構成する第1磁気センサ59及び第2磁気センサ60
の各々の座標情報を元に、術者55の手術室内の座標位
置と、前記第1磁気センサ59から第2磁気センサ60
を通過して延びる視線方向に略一致した直線61の向き
とを算出し、この術者55の座標位置と直線61の向き
に関する情報とを制御部52に伝達する。
【0076】次に、前面中央点53の座標及び直線50
の向き情報と、術者55の座標位置及び直線61の向き
情報とが伝達された前記制御部52では、第1懸架ユニ
ット11の各回転軸O1 ,O2 ,O3 ,O4 ,O5 周り
に設けられているモータを駆動制御して、前記直線61
の情報に対して直線50を一致させるとともに、第1の
術者55と前面中央点53との間隔が所定距離になるよ
うに自動制御する。このことによって、第1の術者55
は、第1モニタ4に対して所定距離の間隔を取って正面
視観察することが可能になる。
【0077】一方、図示しない第2の術者にとって見易
い位置に第2モニタ5を自動的に移動させる場合には、
第2の術者が定位置に立った状態で、例えば看護婦が操
作装置62のAUTO切替えスイッチ63を操作して、
第2懸架ユニット自動動作表示ランプ65を点灯させ
る。このことにより、上述した第1モニタ4を積載した
第1懸架ユニット11を駆動制御して自動制御したのと
同様に、第2懸架ユニット12を駆動制御して積載され
ている第2モニタ5を第2の術者の正面視可能な位置
で、かつモニタ5と第2の術者との間隔を所定距離にし
た位置に自動的に移動する。
【0078】また、第1の術者と第2の術者が定位置に
立った状態で看護婦が操作装置62のAUTO切替えス
イッチ63を操作して、第1・第2懸架ユニット自動動
作表示ランプ66を点灯させることによって、前記第1
懸架ユニット11に積載されている第1のモニタ4が第
1の術者55にとって所定の距離離れた見易い位置に自
動的に移動し、前記第2懸架ユニット12に積載されて
いる第2モニタ5が第2の術者にとって所定の距離離れ
た見易い位置に自動的に移動する。
【0079】そして、前記懸架ユニット11又は懸架ユ
ニット12が自動移動中に、術者あるいは他の懸架ユニ
ットに対して規定した距離より近接した状態になった場
合には、制御部52では移動中の懸架ユニットと他の懸
架ユニットや術者との干渉を未然に防止するため、各回
転軸O1 ,O2 ,O3 ,O4 ,O5 に設けられているモ
ータの駆動を停止させて懸架ユニットを停止状態にす
る。
【0080】なお、前記第1懸架ユニット11又は前記
第2懸架ユニット12を自動制御して配置された位置が
術者の好みの位置と異なる場合には、操作装置62の切
替えスイッチ41を押した後、十字スイッチ36でマニ
ュアル操作してそれぞれのモニタ4,5を所望の位置に
移動させることが可能である。
【0081】また、本実施形態では操作装置62のAU
TO切替えスイッチ63によって切替え操作を行う構成
になっているが、AUTO切替えスイッチ63を音声を
認識して切替えを自動制御するようにしても良い。すな
わち、第1の術者と第2の術者との声質をそれぞれ予め
制御部52に登録しておき、術者からの例えば、「Set
Monitor No.1」の発声等に応じて第1懸架ユニット11
を自動制御するように構成することが可能になる。
【0082】さらに、手術室1内に前述した懸架ユニッ
ト以外の医療装置がある場合には、これら医療装置にも
例えば磁気センサなどの座標検出手段を設け、前記デー
タベース部56を併用して、懸架ユニットとそれらの医
療装置とが規定した距離より近接することを防止する。
【0083】また、本実施形態においては懸架ユニット
などの各装置が手術室内で占める空間座標を、回転軸周
りに設けたモータから伝達される回転角情報及びデータ
ベース部56に収めた各パーツの大きさ情報等により求
めるようにしているが、各医療装置を構成するパーツに
磁気センサ等の座標検出手段を設けて手術室内で占める
空間座標を常に算出する構成であってもよい。
【0084】このように、制御部で術者視線方向算出部
より得られる直線の情報を基に、積載部中央座標算出部
より得られる直線を、前記術者視線方向算出部で得られ
た直線に一致させるように回転軸の周りに設けられてい
るモータの駆動を自動的に制御をするとともに、術者と
前面中央点との両者間距離とが所定範囲になるように自
動的に移動制御することによって、第1実施形態の効果
に加え、モニタを所望の位置に移動する際に、細かく操
作することなく、ワンタッチで術者の正面視し易い位置
に移動させることができる。このことによって、モニタ
の移動操作性が大幅に向上する。
【0085】ところで、上述した実施形態では懸架ユニ
ットが手術室内で浮いたような状態に配置される。この
ため、術中に、懸架ユニットを術者の目でとらえること
が難く、術者が誤って懸架ユニットに接触するおそれが
あった。このため、術者が誤って懸架ユニットに接触す
ることを防止する医療システムが望まれていた。
【0086】図11は手術室内に懸架された懸架ユニッ
トと術者との接触を防止する医療システムの構成例を示
す説明図であり、図に示すように手術室1の壁19内に
設けられている制御装置68には術者に懸架ユニットの
接近を告知する警告手段である警告ブザー69と、この
警告ブザー69の制御を行う制御部70及び前記懸架ユ
ニット11,12,13,14の外表面全体が手術室1
内で占める空間座標を算出する第1の位置・方向検出手
段であり第1の座標算出部である装置座標算出部71
と、手術室内にいる第1術者55など、手術に関わる者
の位置を座標位置として算出する第2の位置・方向検出
手段であり第2の座標算出部である術者座標算出部72
と、データベース部56とが設けられている。
【0087】前記装置座標算出部71は、回転軸O1 ,
O2 ,O3 ,O4 ,O5 周りに設けられている回転角検
出手段である図示しない例えばポテンショメータから伝
達される情報と、データベース部56内に収められてい
るデータとを参照することで各懸架ユニット11,1
2,13,14の手術室1内で占める三次元の空間座標
を算出するものである。
【0088】一方、前記術者座標算出部72は、例えば
第1の術者55の頭部に配置される術者用センサ73に
内蔵される磁気センサ74からの出力を受けて、第1の
術者55の手術室1内での位置を座標値として算出する
ものである。
【0089】すなわち、前記制御部70では、前記装置
座標算出部71と前記術者座標算出部72とからの出力
を受け、各懸架ユニットと術者との座標間距離aを算出
し、この座標間距離aが規定値より小さい値になったと
き、警告ブザー69を鳴らすようになっている。
【0090】つまり、図11に示す手術室1で手術が行
われるとき、前記制御装置68では常時、例えば第1懸
架ユニット11と第1の術者55との手術室内での位置
が前記装置座標算出部71と術者座標算出部72とによ
り求めるとともに、第1懸架ユニット11と第1の術者
55との座標間距離aを算出している。そして、万一、
第1の術者55が意図せずに第1懸架ユニット11に近
づいてしまって、その距離aが規定の値以下になってし
まったとき、制御部70を介して警告ブザー69を鳴ら
して、第1の術者55にユニットとの接触の危険性があ
ることを知らせる。なお、術者用センサ73は、術者の
頭部に配置するものに限らず、身に付けて携帯できるも
のであればよい。
【0091】このように、懸架ユニットと術者との座標
間距離を算出し、この座標間距離が規定値より小さい値
になったとき、術者に懸架ユニットが接近していること
を知らせる警告ブザーを鳴らすことによって、術者が懸
架ユニットに接触することを未然に防止することができ
る。
【0092】なお、音によって術者に警告を促す代わり
に、手術室内全体に分かるように光を点滅させて術者に
知らせるようにしてもよい。
【0093】また、術者に音や光で警告を発する代わり
に、図12に示すように術者55が携帯する術者用セン
サ75に磁気センサ74とともに、携帯電話等で着信し
たことを使用者に知らせるために用いられている振動を
発するバイブレーション装置76を内蔵するようにして
もよい。このことによって、術者55と懸架ユニット1
1との座標間距離aが規定値以下になって懸架ユニット
が術者に接近したとき、制御部70を介してバイブレー
ション装置76を振動させることによって術者に懸架ユ
ニットが接近していることを告知する。
【0094】このように、懸架ユニットが術者に接近し
たとき、術者が携帯しているバイブレーション装置を振
動させることによって、患者や他のものに気づかれるこ
となく術者だけに懸架ユニットの接近を告知することが
できる。
【0095】さらに、図13及び図14は術者に危険を
告知する別の方法に係り、図13は手術室内の懸架ユニ
ットと術者との接触を防止する医療システムの別の構成
例を示す説明図、図14はエアノズル装置の構成を示す
説明図である。図13に示すように本実施形態において
は例えば第1懸架ユニット11のアーム部材112に警
告手段としてエアノズル装置77を配設している。図1
4に示すようにエアノズル装置77は、エアー噴出口に
なるノズル部78と、このエアノズル装置77を構成す
る空間部79bを備えた装置本体部79と、この装置本
体部79の空間部79bに連通してエアを供給するチュ
ーブ80とで構成されている。
【0096】前記ノズル部78は、エアー噴出口の向き
を自在に変化させることが可能なように略球体に形成さ
れて前記装置本体部79に対して摺動自在な球状部78
aと、噴出口側を形成する筒部78bとにより構成され
ており、内部には前記空間部79bに連通する管路78
cが設けられている。
【0097】一方、前記装置本体部79には回転支持部
79aが設けられており、この回転支持部79aによっ
て前記ノズル部78の球状部78aを回転自在にすると
共に、この球状部78aが装置本体部79から外れるこ
とがないように支持している。
【0098】なお、前記チューブ80は図示しない気体
源に接続されており、気体源より送られる気体は、チュ
ーブ80,空間部79b,ノズル部78の管路78cを
通って外部に向かって噴出される。また、回転支持部7
9aの球状部78aの周囲には通過する気体の外部への
漏出を防止するブッシュ81が設けられるとともに、上
下左右の4方向にそれぞれ1つずつ計4つのローラ82
a,82b,82c,82d(符号82dは天井側に位
置するため図示せず)が設けられている。これら各ロー
ラ82a,82b,82c,82dにはそれぞれ図示し
ないモータが設けられており、このモータを回転駆動さ
せることによって前記ローラ82a,82b,82c,
82dが回転して球状部78aを中心にノズル部78の
向きを変化させて管路78cから噴出する気体の向きを
上下左右に変えられるようになっている。
【0099】また、前記気体源の開閉バルブの制御及び
前記モータの動作制御は、図13に示す制御部70によ
って制御されており、術者55と懸架ユニット11との
座標間距離aが規定の値以下になったとき、制御部70
では前記ローラ82a,82b,82c,82dの中か
ら所定のモータを回転駆動させるとともに、バルブを開
状態にして気体源からの気体の供給を開始して術者に向
けて気体を吹き付ける制御を行う。
【0100】つまり、本実施形態においては例えば第1
の術者55が意図せずに、第1懸架ユニット11に規定
値より近づいて、その座標間距離aが規定値以下になっ
たとき、制御部70でエアノズル装置77の図示しない
モータを駆動させて対応するローラ82a,82b,8
2c,82dを回転させてノズル部78の先端が第1の
術者55の座標位置を狙うように移動させると同時に、
気体源からチューブ80に気体を供給して術者に向けて
気体を吹き付けて、懸架ユニットが術者に接近している
ことを警告する。
【0101】なお、エアノズル装置は第1懸架ユニット
だけに設けられるものではなく、他の懸架ユニットや移
動可能な装置にエアノズル装置を設けるようにする。
【0102】このように、手術室内の移動可能な装置に
警告手段としてエアノズル装置を設け、術者と装置との
距離が所定の値より近接したとき、装置に設けたエアノ
ズル装置から術者に向けて気体を噴きつけることによっ
て、術者は気体が吹き付けられることによって装置が接
近したことを認識して装置との接触を防止することがで
きる。このことによって、術者は手術室に入るたびに警
告手段を携帯する必要がなくなるとともに、携帯するこ
とを忘れたことによる事故がなくなる。
【0103】なお、術者に術者の位置を計測するための
術者用センサ73を持たせる代わりに、例えば懸架ユニ
ットに近接センサを設け、術者の接近をこの近接センサ
で検出する構成であってもよい。
【0104】ところで、内視鏡でとらえた観察部位の内
視鏡画像の観察をより容易に確実に行えるように上述し
た医療システムにおいて、大画面のモニタを導入するこ
とが考えられる。しかし、大画面のモニタを配置するこ
とによって手術室内が手狭になることや、大画面モニタ
の配置位置によっては、他の機器が大画面モニタと干渉
して、術者が大画面モニタを常時観察できる状態に配置
することが難しいという問題があった。このため、手術
室内を手狭にすることなく、大画面での内視鏡画像の観
察を他の機器などに干渉されることなく可能にする医療
システムが望まれていた。
【0105】図15及び図16は内視鏡手術室の画像表
示手段の改良を図った医療システムに係るものであり、
図15は内視鏡手術室内の概略構成を示す説明図、図1
6は操作リモコンの概略構成図である。
【0106】図15に示すように本実施形態では手術室
1の壁19面の他の機器から干渉されることのない位置
に天井3からスクリーン83を懸架して配置する一方、
術者55の頭部には前記スクリーン83に内視鏡画像を
投影するためのプロジェクターユニット84を配置して
いる。そして、術者55は、前記プロジェクターユニッ
ト84を手元操作するための操作リモコン85を携帯し
ている。
【0107】図16に示すように操作リモコン85に
は、前記プロジェクターユニット84によるスクリーン
83への内視鏡画像の投影を行うか否かの切替え操作を
行う切替えスイッチ86と、このスクリーン83に投影
されている像のピント調整を行うピント調整スイッチ8
7とが設けられている。前記ピント調整スイッチ87
は、プロジェクターユニット84内の図示しないレンズ
群をアクチュエータ等の駆動装置を駆動制御してピント
調整を行うようにしたものである。
【0108】術中、術者55がスクリーン83の方向を
向いて、操作リモコン85の切替えスイッチ86をON
状態に操作することで、プロジェクターユニット84か
らスクリーン83へ内視鏡画像が投影される。このと
き、スクリーン83に投影される内視鏡画像のピントが
あっていない場合にはピント調整スイッチ87を操作す
ることでピント調整が行える。そして、切替えスイッチ
86をOFF状態に操作することでプロジェクターユニ
ット84による内視鏡画像のスクリーン83への投影が
終了する。
【0109】このように、他の機器から干渉されること
のない手術室の壁面にスクリーンを天井から懸架し、こ
のスクリーンに向かって術者の頭部に設けたプロジェク
ターから内視鏡画像を投影することによって、術者は内
視鏡画像を大画面で観察することができる。また、内視
鏡画像を術者の頭部に設けたプロジェクターから壁面に
設けたスクリーンに投影することによって、手術室内が
手狭になることを防止することができる。
【0110】なお、被投影手段は上述したスクリーンに
限定されるものではなく、手術室の壁、あるいは患者に
覆せるドレープを白色にして被投影手段としてそこに内
視鏡画像を投影するようにしてもよい。
【0111】図17は内視鏡手術室の画像表示手段の改
良を図った医療システムの他の構成を示す説明図であ
る。
【0112】本実施形態においては図15及び図16を
参照して説明したリモコンによる切替えスイッチ操作及
びピント調整操作の両方の操作を自動的に行うようにし
たものである。それ以外の構成は図15に示した内視鏡
手術室内の構成と同様であり、同部材に同符号を付して
説明を省略する。
【0113】図17に示すように手術室1の壁19面に
は天井3から懸架されたスクリーン83が配置されてお
り、術者55の頭部にはプロジェクターユニット84が
設けられている。
【0114】本実施形態においては前記スクリーン83
に第1磁気センサ89及び第2磁気センサ90を内蔵し
たスクリーン用センサ88が設けられている。これら磁
気センサ89,90は、スクリーン被投影面に対して垂
直になるように配置され、第1磁気センサ89がスクリ
ーンの被投影面表側に、第2磁気センサ90がスクリー
ンの被投影面裏側にそれぞれ配置されている。
【0115】一方、前記プロジェクターユニット84に
は第3磁気センサ92及び第4磁気センサ93を内蔵し
たプロジェクター用センサ91が設けられている。これ
ら第3磁気センサ92及び第4磁気センサ93の検出方
向は術者の正面視線方向に略平行であり、前記第3磁気
センサ92が第1の術者55の前頭部側に配置され、第
4磁気センサ93が後頭部側にそれぞれ配置されてい
る。
【0116】また、手術室内にはプロジェクター制御装
置94が設けられている。このプロジェクター制御装置
94は、前記スクリーン用センサ88とプロジェクター
用センサ91の内部に配置されている各磁気センサ8
9,90,92,93の座標位置情報及び向きの情報を
無線で受けて、前記プロジェクターユニット84に対し
以下の制御を行うものである。
【0117】プロジェクター制御装置94ではスクリー
ン用センサ88内の第2磁気センサ90から第1磁気セ
ンサ89に向けて延びる直線95の情報及びプロジェク
ター用センサ91内の第4磁気センサ93から第3磁気
センサ92に向けて延びる直線96の情報を、個々の磁
気センサ89,90,92,93の座標位置情報を元に
算出するとともに、前記直線95と直線96との向きが
略一致するか否かを判断している。そして、直線95と
直線96との向きが略一致したとき、プロジェクターユ
ニット84への投影をON状態にして、前記直線95と
直線96との向きが一致していないときプロジェクター
ユニット84への投影をOFF状態にする。
【0118】また、前記プロジェクターユニット84が
投影状態になっているときには、スクリーン用センサ8
8内の第1磁気センサ89の座標位置情報とプロジェク
ター用センサ91内の第3磁気センサ92との座標位置
情報とにより第1磁気センサ89と第3磁気センサ92
との座標間距離を算出して、図示しないピント調整機構
を駆動させてこの座標間距離に対応するようにピント調
整を行う。すなわち、ピント調整は、予め設定されてい
るピント調整用データベースを参照して調整が行われる
ようになっている。
【0119】本実施形態においては、プロジェクターユ
ニット84を頭部に配置した第1の術者55がスクリー
ン83を見ると、スクリーン用センサ88内の第2磁気
センサ90から第1磁気センサ89に向けて延びる直線
95と、プロジェクター用センサ91内の第4磁気セン
サ93から第3磁気センサ92に向けて延びる直線96
との向きが略一致したことをプロジェクター制御装置9
4で検出して、プロジェクターユニット84を投影状態
にする。すると、内視鏡画像のスクリーン83への投影
が開始されると同時に、プロジェクター制御装置94で
はスクリーン用センサ88とプロジェクター用センサ9
1との座標間距離を算出して、プロジェクターユニット
84内の図示しないピント調整機構を調整してスクリー
ン83上に表示されている内視鏡画像を最良のピント状
態に調整する。
【0120】また、術者55がスクリーン83から視線
を外すことによって、プロジェクター制御装置94はプ
ロジェクターユニット84による投影をOFF状態にす
る。
【0121】なお、本実施形態においては制御手段であ
るプロジェクター制御装置94をプロジェクターユニッ
ト84と別の位置に配置する構成にしているが、プロジ
ェクター制御装置94をプロジェクターユニット84に
内蔵する構成にしてもよい。
【0122】このように、内視鏡画像をスクリーンに投
影する状態にするか否かをリモコンによる操作に代えて
スクリーン用センサとプロジェクター用センサとの向き
が一致しているか否かによって投影状態を自動的に切り
替え操作可能にするととともに、投影状態のときスクリ
ーン用センサとプロジェクター用センサとの座標間距離
を算出し、この算出結果に基づいてスクリーンに表示さ
れる内視鏡画像のピント調整を自動的に行うことができ
る。このことによって、術中に手をリモコンまで持って
いって操作する必要がなくなるので操作性がさらに向上
する。
【0123】図18は内視鏡手術室の画像表示手段の改
良を図った医療システムの別の構成を示す説明図であ
る。
【0124】図に示すように本実施形態においては内視
鏡手術室1に設ける画像表示手段をプロジェクタと被投
影手段との組合せで構成する代わりに手術室壁面に沿っ
て移動可能に配置した大画面の壁掛けモニタ98として
いる。その他の構成は図15に示した内視鏡手術室内の
構成と同様であり、同部材には同符号を付して説明を省
略する。
【0125】本実施形態の手術室1の壁19面にはこの
壁19に沿ってレール97が設けられており、このレー
ル97上を術者が内視鏡画像を観察する壁掛けモニタ9
8が移動可能に配置されている。なお、壁掛けモニタ9
8としては例えば奥行き寸法が極薄のプラズマディスプ
レイ等である。
【0126】このように、壁面に移動可能に大画面の壁
掛けモニタを配置したことにより、万一、壁掛けモニタ
の位置が術者の観察し難くい位置になってしまった場合
には、壁掛けモニタをレールに沿わせて移動させること
にって良好な観察を行うことができる。
【0127】図19は内視鏡手術室の画像表示手段の改
良を図った医療システムのまた他の構成を示す説明図で
ある。本実施形態では内視鏡画像を大画面表示するのに
加え、内視鏡画像の部分的な拡大表示を行える機能を付
加したものである。その他の構成は図18に示した内視
鏡手術室の構成と同様であり同部材には同符号を付して
説明を省略する。
【0128】図に示すように本実施形態においては手術
室1内の壁19面に壁掛けモニタ98を移動自在に配置
する一方、手術台2の近傍には壁掛けモニタ98に表示
される内視鏡画像の拡大観察を可能にする拡大観察用モ
ニタ99が設けられている。この拡大観察用モニタ99
は、壁掛けモニタ98の画面上に表示される例えば *印
部100近傍の画像を拡大表示するものである。
【0129】前記拡大観察用モニタ99には回転する玉
部101を有するトラックボールユニット102が設け
られており、このトラックボールユニット102の玉部
101を回転操作することによって、前記壁掛けモニタ
98の画面上に表示されている * 印部100が画面上
を上下左右方向に自由に移動させて拡大表示部を所望の
位置に設定することが可能になっている。
【0130】このことによって、モニタ98の配置位置
が悪く、観察し難い場合には、レール97に沿って壁掛
けモニタ98を移動させて良好な状態で観察することが
可能であるとともに、拡大した状態で内視鏡画像の観察
を行いたい部位がある場合には壁掛けモニタ98の画面
上に表示されている * 印部100を内視鏡画像上の所
望の位置までトラックボールユニット102の玉部10
1を用いて移動させることによって、この * 印部10
0近傍の拡大画像が拡大観察用モニタ99上に表示され
る。
【0131】このように、大画面上に表示されている内
視鏡画像の所望の位置を拡大観察することを可能にする
拡大観察用モニタを大画面用表示用のモニタとは別に設
けたことによって、大画面で内視鏡画像を観察すること
と、所望の部位の拡大観察との両方の観察を行うことが
できる。
【0132】なお、本発明は、以上述べた実施形態のみ
に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範
囲で種々変形実施可能である。
【0133】[付記]以上詳述したような本発明の上記
実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができ
る。
【0134】(1)手術室略中央に配置され患者が横た
わる手術台と、この手術台の近傍に各種医療装置が配置
されるようにこれら医療装置を積載し手術室の天井より
懸架された懸架ユニットとを備える医療システムにおい
て、前記懸架ユニットは、前記医療装置を積載する積載
部と、この積載部を支持する複数のアームと、前記積載
部と前記アームとの間及び前記アーム同士を一定の自由
度で移動可能に連結する接続部と、この接続部まわりに
おいて前記積載部を水平・垂直移動させるアクチュエー
タと、このアクチュエータの駆動を制御するアクチュエ
ータ制御手段と、を備えた医療システム。
【0135】(2)前記アクチュエータ制御手段に、積
載部の移動方向を入力する操作手段を設けた付記1記載
の医療システム。
【0136】(3)手術室内における積載部の位置及び
この積載部の医療装置前面パネルが位置する積載部前面
の向く方向を検出する第1の位置・方向検出手段と、術
者の位置及び術者の視線の方向を検出する第2の位置・
方向検出手段とをさらに備え、術者の視線の方向に対し
前記積載部前面が対向する位置に移動するように前記ア
クチュエータ制御手段が前記アクチュエータを制御する
付記1記載の医療システム。
【0137】(4)前記アクチュエータ制御手段は、術
者と積載部間との距離が所定の距離となるように前記ア
クチュエータを制御する付記3記載の医療システム。
【0138】(5)前記第1の位置・方向検出手段は前
記懸架ユニットの接続部近傍に設けられ前記積載部と前
記アームの変位を検出する変位センサで、前記第2の位
置・方向検出手段は術者頭部に設けられる磁気センサで
ある付記3又は付記4記載の医療システム。
【0139】(6)前記第1の位置・方向検出手段は、
前記懸架ユニットの積載部とアームとに設けられた磁気
センサで、前記第2の位置・方向検出手段は術者頭部に
設けられる磁気センサである付記3又は付記4記載の医
療システム。
【0140】(7)手術室内に配置されるその他の物体
に、その物体の位置を検出する第3の位置検出手段を設
け、前記懸架ユニットに対する術者の距離及びその他の
物体に対する術者の距離が所定の値以下にとなったと
き、アクチュエータ制御手段が前記アクチュエータの動
作を停止させる付記3ないし付記6の少なくとも1つに
記載の医療システム。
【0141】(8)前記第3の位置検出手段は、その他
の物体に個々に配設される磁気センサである付記7記載
の医療システム。
【0142】(9)手術室の上方より懸架された懸架ユ
ニットに各種医療装置を積載し、前記手術室略中央に配
置された患者を載せる手術台の近傍に前記医療装置を配
置するよう構成した医療システムにおいて、前記懸架ユ
ニットは、前記医療装置を積載する積載部と、この積載
部を支持する複数のアームと、前記積載部と前記アーム
との間及び前記アーム同士を一定の自由度で移動可能に
連結する接続部と、前記懸架ユニットに対するその他の
物体の接近を検出する接近検出手段と、この接近検出手
段から伝達される信号を受けて制御信号を出力する制御
手段と、この制御手段からの制御信号を受けて前記懸架
ユニットに対するその他の物体の接近を術者に告知する
告知手段とを備える医療システム。
【0143】(10)前記接近検出手段は、前記懸架ユ
ニットの前記手術室内における位置を検出する第1の位
置検出手段と、その他の物体個々の前記手術室内におけ
る位置を検出する第2の位置検出手段と、前記第1の位
置検出手段及び前記第2の位置検出手段からの出力情報
を元に、前記懸架ユニットと前記その他の物体の距離と
を算出する距離算出手段とから構成される付記9記載の
医療システム。
【0144】(11)前記第1の位置検出手段は懸架ユ
ニットに設けられた磁気センサで、前記第2の位置検出
手段はその他の物体個々に設けられた磁気センサである
付記10記載の医療システム。
【0145】(12)前記第1の位置検出手段は懸架ユ
ニットの接続部近傍に設けられ前記積載部と前記アーム
との変位を検出する変位検出手段で、前記第2の位置検
出手段はその他の物体個々に設けられた磁気センサであ
る付記10記載の医療システム。
【0146】(13)前記接近検出手段は、懸架ユニッ
ト近傍に設けられた近接センサである付記9記載の医療
システム。
【0147】(14)前記告知手段は聴覚に対して告知
を行う付記9記載の医療システム。
【0148】(15)前記告知手段は視覚に対して告知
を行う付記9記載の医療システム。
【0149】(16)前記告知手段は触覚に対して告知
を行う付記9記載の医療システム。
【0150】(17)手術室内に患者の観察画像を表示
する観察画像表示装置を備えた医療システムにおいて、
前記観察画像表示装置は、術者頭部に設けられ観察画像
を投影する投影手段と、前記投影手段の投影を受ける被
投影手段とを備える医療システム。
【0151】(18)前記投影手段は、プロジェクター
である付記17記載の医療システム。 (19)前記被投影手段は、天井より懸架されたスクリ
ーンである付記17記載の医療システム。
【0152】(20)前記被投影手段は、手術室の壁で
ある付記17記載の医療システム。
【0153】(21)前記被投影手段は、患者用のドレ
ープである付記17記載の医療システム。
【0154】(22)前記投影手段は、被投影手段の位
置を検出した後、投影状態のON/OFF制御を行う切
替えスイッチを備える付記17ないし付記21の少なく
とも1つに記載の医療システム。
【0155】(23)前記投影手段は、この投影手段と
被投影手段との距離を算出した後、この検出した距離の
値を基に投影画像のピント調整を行うピント調整手段を
備える付記17ないし付記22の少なくとも1つに記載
の医療システム。
【0156】(24)患者の観察画像を表示する観察画
像表示装置を備えた医療システムにおいて、前記観察画
像を表示する観察画像表示装置は、手術室壁面に沿って
移動可能である医療システム。
【0157】(25)前記観察画像表示装置の画面上に
表示観察画像の任意の一部分を選択する選択手段を設
け、この選択手段で選択した表示観察画像の任意の一部
分を手術台近傍に備えた拡大表示手段に表示する付記2
4記載の医療システム。
【0158】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、重
い医療装置を積載した懸架ユニットの移動を容易に行え
る医療システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1ないし図8は本発明の第1実施形態に係
り、図1は内視鏡手術室を示す説明図
【図2】内視鏡手術室の概略構成を説明する図
【図3】接続部の回転軸周りの駆動機構の1例を説明す
る図
【図4】操作装置の操作パネルの構成を示す説明図
【図5】第1懸架ユニットの可動範囲を天井側から示す
説明図
【図6】第1懸架ユニットの可動範囲を座標系として示
す図
【図7】第1懸架ユニットの位置を示す座標を角度の関
係で表すデータの1例を示す図
【図8】制御部による制御例の1例を示す説明図
【図9】図9及び図10は本発明の第2の実施形態に係
り、図9は手術室の構成例を示す説明図
【図10】操作装置の構成を示す説明図
【図11】手術室内に懸架された懸架ユニットと術者と
の接触を防止する医療システムの構成例を示す説明図
【図12】手術室内に懸架された懸架ユニットと術者と
の接触を防止する医療システムの他の構成例を示す説明
【図13】図13及び図14は術者に危険を告知する別
の方法に係り、図13は手術室内の懸架ユニットと術者
との接触を防止する医療システムの別の構成例を示す説
明図
【図14】エアノズル装置の構成を示す説明図
【図15】図15及び図16は内視鏡手術室の画像表示
手段の改良を図った医療システムに係るものであり、図
15は内視鏡手術室内の概略構成を示す説明図
【図16】操作リモコンの概略構成図
【図17】内視鏡手術室の画像表示手段の改良を図った
医療システムの他の構成を示す説明図
【図18】内視鏡手術室の画像表示手段の改良を図った
医療システムの別の構成を示す説明図
【図19】内視鏡手術室の画像表示手段の改良を図った
医療システムのまた他の構成を示す説明図
【符号の説明】
1…手術室 2…手術台 11…懸架ユニット 31…モータ 110…積載部 114…第4のアーム部材(アーム) 119…第4の短ロッド(接続部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 市川 義人 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 天野 敦之 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 植田 昌章 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 山口 達也 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 今川 響 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 中田 明雄 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 肘井 一也 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 内久保 明伸 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 小賀坂 高宏 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 手術室略中央に配置され患者が横たわる
    手術台と、この手術台の近傍に各種医療装置が配置され
    るようにこれら医療装置を積載し手術室の天井より懸架
    された懸架ユニットとを備える医療システムにおいて、 前記懸架ユニットは、前記医療装置を積載する積載部
    と、 この積載部を支持する複数のアームと、 前記積載部と前記アームとの間及び前記アーム同士を一
    定の自由度で移動可能に連結する接続部と、 この接続部まわりにおいて前記積載部を水平・垂直移動
    させるアクチュエータと、 このアクチュエータの駆動を制御するアクチュエータ制
    御手段と、 を備えたことを特徴とする医療システム。
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