JPH11237380A - タンパクの平均カルボキシメチル化率の測定方法 - Google Patents

タンパクの平均カルボキシメチル化率の測定方法

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JPH11237380A
JPH11237380A JP4055498A JP4055498A JPH11237380A JP H11237380 A JPH11237380 A JP H11237380A JP 4055498 A JP4055498 A JP 4055498A JP 4055498 A JP4055498 A JP 4055498A JP H11237380 A JPH11237380 A JP H11237380A
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protein
solution
antibody
carboxymethylated
amino acid
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JP4055498A
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Keisuke Miura
圭介 三浦
Hisahiko Iwamoto
久彦 岩本
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A & T Kk
Tokuyama Corp
Original Assignee
A & T Kk
Tokuyama Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臨床検査領域において、糖尿病または糖尿病
合併症の指標となり得る生体成分中のカルボキシメチル
化タンパク濃度及び生体成分中のタンパクの平均カルボ
キシメチル化率を高感度で測定するするための方法を提
供する。 【解決手段】 予め測定可能な任意の量のタンパクを含
有する血液等の被検体溶液と、抗カルボキシメチル化タ
ンパク抗体が固定化された不溶性担体とを接触させて被
検体溶液中のカルボキシメチル化タンパクを抗原抗体反
応により該不溶性担体に結合させ、次いで該カルボキシ
メチル化タンパクが結合した不溶性担体を被検体溶液と
分離した後に酢酸イオン等のカオトロピックイオンを含
む水溶液と接触させて不溶性担体からカルボキシメチル
化タンパクを溶離し、次いで溶離されたカルボキシメチ
ル化タンパクをアミノ酸単位に加水分解した後に、カル
ボキシメチル化アミノ酸の量を測定することにより、被
検体溶液中のタンパクの平均カルボキシメチル化率を決
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はタンパクのカルボキ
シメチル化率の測定方法、及びカルボキシメチル化タン
パクの分離方法に関する。更に詳しくは、糖尿病または
糖尿病合併症のマーカーとなり得るカルボキシメチル化
タンパクを被検体溶液から分離し、その量或いは被検体
溶液中のタンパクの平均カルボキシメチル化率を精度良
く測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明者らは、カルボキシメチル化タン
パク(以下、「CM化タンパク」ともいう。)が糖尿病
または糖尿病合併症用マーカーとして使用できることを
見出し、既に特許出願している(特願平8−27084
9号)。即ち、糖尿病患者或いは糖尿病合併症を発症し
ている糖尿病患者と健常者との間で採取した体液中のC
M化タンパクの濃度に有意の差があることを初めて確認
した。そして、定性的にではあるが、上記体液中に含ま
れている全タンパクの総量或いは該体液中に含まれてい
る特定種のタンパクの総量当たりどの程度がカルボキシ
メチル化(以下、「CM化」ともいう。)されているか
を示す平均カルボキシメチル化率(以下、単に「平均C
M化率」ともいう。)についてもCM化タンパク濃度と
同様の指標となり得ることを確認し、両値が糖尿病また
は糖尿病合併症の罹患の有無あるいはその程度を判定、
予測する診断用マーカーとして、或いは糖尿病または糖
尿病合併症の予防薬あるいは治療薬の薬効評価用マーカ
ーとして使用できることを示した。なお、ここで特定種
のタンパクとはCM化されているかいないかに拘わらず
その基本構造が同一種とみなせる特定の種類のタンパク
(例えば、「ヘモグロビン」、「アルブミン」等)のこ
とであり、該特定の種類のタンパクについての平均CM
化率は全タンパクの総量を基準とするCM化率と同様に
糖尿病等の指標となり得る。
【0003】このように、体液中のタンパクのCM化タ
ンパクの濃度および平均CM化率は糖尿病または糖尿病
合併症用マーカーとして有用な値あるが、これら値を精
度良く測定する方法は必ずしも確立されているとは言え
ない。即ち、従来CM化タンパクを検出する方法として
は、特異抗体により検出する方法が知られているが該方
法はその検出感度が低いという問題があった。このた
め、特にCM化タンパク濃度の低い試料(被検体)につ
いて正確にCM化タンパクの量を測定することはこれま
で出来なかった。また、上記平均CM化率を測定するた
めには、被検体中に含まれる全タンパクの総量或いは特
定種のタンパクの総量(A)を測定し、さらに該被検体
溶液中に含まれるCM化タンパク中に存在するカルボキ
シメチル基の総数(B)を測定する必要があり(平均C
M化率=B/Aとなる)、該B値を測定する方法として
はCM化タンパクを加水分解してガスクロマトグラフィ
ー/質量分析にてCM化されたアミノ酸として検出する
方法が考えられるが、被検体溶液をそのまま該方法に供
しても感度的に該CM化されたアミノ酸を検出すること
は出来なかった。
【0004】なお、CM化タンパクを効率よく分離する
ことが出来れば、濃縮等の操作を施した後で上記方法を
適用することにより、CM化タンパク濃度や平均CM化
率を精度良く測定することが可能となると考えられる
が、体液のように夾雑物を含む被検体からCM化タンパ
クを効率よく分離する方法はこれまで知られていなかっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
被検体溶液中のCM化タンパクの量および平均CM化率
を高感度で測定する方法を提供すること、及び被検体溶
液からCM化タンパクを効率よく分離する方法を提供す
ることを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、被検体中
のCM化タンパクを選択的に分離し濃縮できれば上記目
的を達成できると考え、抗カルボキシメチル化タンパク
抗体を用いてカルボキシメチル化タンパクを分離、濃縮
する方法について鋭意検討を行った。その結果、抗カル
ボキシメチル化タンパク抗体を固定化した不溶性担体と
被検体液とを接触させ、その後不溶性担体に結合したカ
ルボキシメチル化タンパクを溶離することで分離、濃縮
できることを見出した。そして、更に研究を続け本発明
を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、測定可能な任意の量のタ
ンパクを含有する被検体溶液と、抗カルボキシメチル化
タンパク抗体が固定化された不溶性担体とを接触させて
被検体溶液中のカルボキシメチル化タンパクを抗原抗体
反応により該不溶性担体に結合させ、次いで該カルボキ
シメチル化タンパクが結合した不溶性担体を被検体溶液
と分離した後に不溶性担体からカルボキシメチル化タン
パクを溶離し、次いで溶離されたカルボキシメチル化タ
ンパクをアミノ酸単位に加水分解した後に、カルボキシ
メチル化アミノ酸の量を測定することにより、被検体溶
液中のタンパクの平均カルボキシメチル化率を決定する
ことを特徴とするタンパクの平均カルボキシメチル化率
の測定方法である。
【0008】また、他の発明は、測定可能な任意の量の
タンパクを含有する被検体溶液と、抗カルボキシメチル
化タンパク抗体が固定化された不溶性担体とを接触させ
て被検体溶液中のカルボキシメチル化タンパクを抗原抗
体反応により結合させ、次いで該カルボキシメチル化タ
ンパクが結合した不溶性担体をカオトロピックイオンを
含む水溶液と接触させてカルボキシメチル化タンパクを
溶離させることを特徴とするカルボキシメチル化タンパ
クの分離方法である。
【0009】また、他の発明は、CM化タンパクが結合
した上記の不溶性担体からCM化タンパクを溶離する方
法が不溶性担体とカオトロピックイオンを含む水溶液と
を接触させる方法であるカルボキシメチル化タンパクの
分離方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明で用いる被検体溶液は、測
定可能な任意の量のタンパクを含有する溶液であってC
M化タンパクが溶解若しくは懸濁している可能性のある
溶液であれば特に限定されず、他の成分が含まれていて
もよい。ここで、CM化タンパクとは、タンパクのアミ
ノ末端、或いはタンパク中のリジン側鎖のアミノ基がカ
ルボキシメチル化されたタンパクのことである。該CM
化タンパクを具体的に例示すれば、カルボキシメチル化
ヘモグロビン、カルボキシメチル化アルブミン等が挙げ
られる。上記被検体溶液中に含まれるCM化タンパクの
量は特に限定されないが、抗原抗体反応の効率の観点か
ら0.01〜20.0mg/mlの範囲であるのが好適である。ま
た、本発明で用いる被検体溶液には上記CM化タンパク
以外のタンパクが含まれていても良い。このようなタン
パクとしては、ヘモグロビン、アルブミン等が挙げられ
る。これらタンパクの含有量は特に限定されないが一般
的には0.01〜20.0mg/mlの範囲である。
【0011】本発明で使用する被検体溶液中に含まれる
上記タンパクの量は本発明の測定方法及び本発明の分離
方法に供する前に予め測定することが可能である。この
時測定されるタンパクの量、すなわち被検体中に含まれ
る全タンパクの総量或いは特定種のタンパクの総量が後
述する平均CM化率を計算する際の基礎となる。このタ
ンパクの量の測定方法は特に限定されないが、被検体中
に含まれる全タンパクの総量を測定する場合は、吸光度
測定法、色素結合法等により好適に測定することができ
る。また、被検体中に含まれる特定のタンパクの総量を
測定する場合には、対象となるタンパクの種類に応じ
て、臨床検査用試薬を用いて測定することができる。例
えば特定種のタンパクがヘモグロビンである場合には、
ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)結合法やシアノメトヘ
モグロビン法によるヘモグロビン測定用臨床検査用試薬
を用いて測定することができる。なお、これらタンパク
量は必ずしも予め測定しておく必要はなく、同一条件で
調製した被検体溶液について別途測定しても良いことは
勿論である。
【0012】本発明の測定方法で使用する被検体溶液を
具体的に例示すれば、血液、尿、リンパ液、羊水、髄
液、唾液等の体液;これら体液中の含まれる成分等に処
理を施したり緩衝液等で希釈したりして調製した調製
液;及び蒸留水、生理食塩水又はこれらに緩衝液を加え
た液に皮膚コラーゲン、フィブロネクチン等の細胞外マ
トリックス、レンズタンパク質、動脈、腎臓等の組織等
の生体由来の細胞や組織を可溶化させた液等のいわゆる
臨床検査で一般に使用される被検体溶液、並びに後述す
る本発明の分離方法で分離されたCM化タンパクを蒸留
水、生理食塩水又はこれらに緩衝液を加えた液に溶解若
しくは懸濁させた後に試験薬等を加え薬効試験を行った
後の試験液等の試験用被検体溶液等が挙げられる。
【0013】例えば血液を用いる場合には、蒸留水や塩
濃度の低い緩衝液で赤血球を溶血させた後、緩衝液で希
釈したものが被検体溶液として好適に使用できる。ま
た、生体由来の細胞や組織を可溶化させるる場合には、
緩衝液等でこれら細胞や組織を希釈した後に超音波処理
等で破砕して、被検体溶液とするのが好適である。
【0014】ここで使用する緩衝液等は特に限定され
ず、例えば、5〜200mMのトリス-塩酸緩衝液やリン酸緩
衝液、酢酸ナトリウム-酢酸緩衝液、クエン酸緩衝液、
ホウ酸緩衝液、MOPS緩衝液、HEPES緩衝液、MES緩衝液等
が好適に用いられる。また、緩衝液等のpHは特に限定さ
れないがpH5.0〜10.0のものが好適に使用され、pH6.0〜
9.0のものが特に好適に使用される。更に、緩衝液等に
は抗原抗体反応以外の結合(以下「非特異結合」と略す
こともある)を抑制する効果のある塩や界面活性剤等を
添加することが出来る。塩の具体例としては、塩化ナト
リウム、EDTA等が挙げられ、界面活性剤の具体例として
はTween 20、Triton X-100等のノニオン系界面活性剤等
が挙げられる。添加する塩の濃度は、非特異結合の抑制
や分離効率の点から、0.0001〜1Mとするのが好適であ
る。又、添加する界面活性剤の濃度は非特異結合の抑制
や分離効率の点から、0.001〜1重量%とするのが好適で
ある。
【0015】なお、本発明の測定方法は被検体がCM化
タンパクを含むことを前提としているが、CM化タンパ
クを含まない被検体を使用しても良いことは勿論であ
る。そもそも、被検体中のCM化タンパクの量は測定の
結果知ることができるものであるから、測定前に被検体
中のCM化タンパクの存否を知ることは出来ないし、結
果としてCM化タンパクを含まない被検体を本発明の測
定方法に使用した場合には、誤差範囲内でCM化タンパ
クが存在しないと言う結果が得られる。
【0016】本発明の測定方法で用いる抗カルボキシメ
チル化タンパク抗体が固定化された不溶性担体(以下、
単に「抗体固定化担体」ともいう。)とは、不溶性担体
にCM化タンパクを特異的に認識する抗体が容易に遊離
しないように固定化されたものであれば特に限定されな
い。
【0017】上記抗体固定化担体に固定される抗カルボ
キシメチル化タンパク抗体(以下、単に「抗CM化タン
パク抗体」ともいう。)は、CM化タンパクを特異的に
認識する抗体であれば、結合定数、解離定数、親和定
数、認識部位、サブクラス等により限定されず自由に用
いることが出来る。該抗CM化タンパク抗体の作製方法
は特に限定されず、公知の一般的な方法が使用できる。
例えば、抗カルボキシメチル化タンパク抗体は、次のよ
うに好適に作製することが出来る。先ず、ヒト血清アル
ブミン(以下「HSA」と略すこともある)等のタンパク
溶液にグリオキシル酸を作用させ、更にシアノ水素化ホ
ウ素ナトリウム等で還元し、化学的にカルボキシメチル
化タンパクを合成する。これを免疫原として公知の方法
でヤギ、ウサギ等に免疫し、カルボキシメチル化タンパ
クに対する抗血清を得、更に、該抗血清に対して硫安分
画、DE-52(Whatman社製)等のイオン交換クロマトグラ
フィー等を施すことによって抗体を精製し、更に、該精
製抗体画分をカルボキシメチル化していない元のタンパ
クを固定化した不溶性担体を用いてのアフィニティーク
ロマトグラフィーにかけることで、カルボキシメチル化
タンパクに対する抗体以外の抗体を除去することにより
抗カルボキシメチル化タンパク抗体を作製することが出
来る。また、本発明で用いる抗体の純度等は特に制限な
いが、一般的には、抗体を含む抗血清、上記方法等やプ
ロテインA、プロテインG等による精製抗体、ペプシン、
パパイン等の酵素等で分解したF(ab)2抗体や、Fab'抗体
等のコンポーネント抗体が使用されるが、分離の性能等
を考慮すると、精製抗体、コンポーネント抗体が好適に
使用される。
【0018】このような抗CM化タンパク抗体は、一般
にCM化タンパク以外にもカルボキシメチル化ペプチ
ド、及びカルボキシメチル化アミノ酸を特異的に認識す
る。
【0019】上記抗CM化抗体が固定される不溶性担体
は、抗体を不溶性担体上に固定化でき、水溶液中で溶解
しない担体であれば、その材質および形状は特に限定さ
れない。該不溶性担体の材質として好適に使用できるも
のを例示すれば、アガロース、セファロース等の高分子
多糖類、シリカ等の結晶性高分子、ポリスチレン等の高
分子樹脂類等が挙げられる。また、これら材質からなる
担体の表面に、カルボキシル基やアミノ基等を導入した
り、表面をスクシンイミド、臭化シアン等で活性化した
ものも好適に使用される。該不溶性担体形状及び大きさ
は特に限定されないが、一般的に入手可能なものとして
は粒子径が10〜300μm程度の球状のものが多い。市販さ
れている不溶性担体を例示すると、Affi-Prep、Affi-ge
l(Bio Rad社)、HiTrap、ECH-Sepharose 4B、EAH-Seph
arose 4B、CNBr活性化Sepharose(ファルマシアバイオ
テク社)等が挙げられる。
【0020】抗体固定化担体における不溶性担体への抗
CM化抗体の固定化方法は、既知の方法を何ら制限され
ず使用することが出来る。一般的な固定化方法として
は、物理吸着法や化学結合法が挙げられるが、抗体の脱
離のない点で化学結合法により固定化するのが好適であ
る。
【0021】化学結合法としては、アフィニティー ク
ロマトグラフィー プリンサパルズアンド メソッズ(Af
finity Chroatography principles & methods ファル
マシアLKBバイオテクノロジー、1988)に記載されてい
るように、抗体のアミノ基を使用してグルタルアルデヒ
ド、カルボジイミド、スクシンイミド等により結合させ
る方法;抗体のヒドロキシル基を使用して臭化シアン等
により結合させる方法;及びF(ab)2抗体や、Fab'抗体等
のコンポーネント抗体のチオール基を使用してエポキシ
カップリング等により結合させる方法等が挙げられる。
【0022】なお、不溶性担体へ固定化される抗CM化
抗体の種類は特に限定されないが、使用する被検体溶液
の由来により該被検体溶液中に含有されるCM化タンパ
クの種類は予測できることが多いため、被検体溶液の種
類に応じて含有されることが予想されるCM化タンパク
に対する抗CM化抗体を適宜選択して使用すればよい。
また、不溶性担体へ固定化される抗CM化抗体の量は使
用する不溶性単体及び抗CM化抗体の種類並びに固定化
条件等によって異なり一概には規定できないが、一般的
な固定化量は不溶性担体1ml当たり、1〜20mg程度であ
る。
【0023】本発明の測定方法では、先ず被検体溶液と
抗体固定化担体とを接触させ、被検体溶液中のCM化タ
ンパクを抗原抗体反応により、抗体固定化担体の担体に
結合させる。このときの方法は、両者が充分に接触して
被検体溶液中のCM化タンパクが全て抗原抗体反応によ
り不溶性担体に結合するような方法であれば特に限定さ
れず、被検体溶液と抗体固定化担体とを試験管等の同一
容器内で混合することにより接触させるバッチ法、及び
抗体固定化担体をカラムに充填して該カラムの上部から
被検体溶液を注入することにより被検体溶液と抗体固定
化担体とを接触させるカラム法等が採用できる。これら
の方法の中でも、操作性等の理由からカラム法が特に好
適に用いられる。
【0024】被検体溶液と抗体固定化担体とを接触させ
る際に使用する抗体固定化担体の量は、被検体溶液中の
CM化タンパクを全て不溶性担体に結合させるのに充分
な量であれば特に限定されない。抗体固定化担体の量は
被検体溶液の種類及び量、並びに抗体固定化担体に固定
化されている抗CM化タンパク抗体の種類、量及び結合
定数等に応じて適宜決定すればよいが、一般に被検体溶
液中のCM化タンパクの濃度は高くても20mg/ml程度な
ので、該濃度から計算されるCM化タンパクの量の2〜1
0倍程度の抗CM化抗体を固定化した不溶性担体を使用
すれば十分である。
【0025】抗原抗体反応は以下の様に行うのが一般的
である。バッチ法の場合、被検体溶液と抗体固定化担体
を試験管等の同一容器内で接触させ、1時間〜1日程度振
とうすることにより行うのが好適である。また、抗原抗
体反応を行う温度は4℃〜37℃であるのが好適である。
カラム法の場合、抗体固定化担体を充填したカラムに被
検体溶液を20〜40ml/hの流速でアプライすることにより
行うのが好適である。また、抗原抗体反応を行う温度は
4℃〜37℃であるのが好適である。
【0026】本発明の測定方法においては、上記のよう
にして被検体溶液中のCM化タンパクを抗体固定化担体
の不溶性担体に結合させた後、該CM化タンパクが結合
した不溶性担体(以下、「CM化タンパク結合担体」と
もいう。)と被検体溶液とを分離する。このときの分離
方法は特に限定されない。例えば、前記バッチ法でCM
化タンパクを不溶性担体に結合させた場合には、抗原抗
体反応終了後、遠心分離等によりCM化タンパク結合担
体を分離し、上清を除去後、更に緩衝液等を添加して該
不溶性担体を洗浄し、その後遠心分離等により洗浄後の
緩衝液等を除去する操作を数回繰り返すこと、或いは濾
過洗浄を数回繰り返すことによって行うことができる。
この時、洗浄過程で単なる物理吸着等により不溶性担体
に吸着したタンパク等の夾雑物成分を除去することがで
きる。
【0027】また、カラム法では、カラム内で抗原抗体
反応により抗体固定化担体と被検体溶液中のCM化タン
パクを結合させた後、緩衝液等をカラムの上部から注入
してカラムの下部から該緩衝液を排出するという洗浄操
作をすることによりCM化タンパク結合担体と被検体溶
液とが分離されると同時に夾雑物成分を除去することが
できる。
【0028】ここで使用する緩衝液等は、抗体固定化担
体に抗原抗体反応により結合したCM化タンパクが抗体
から脱離しないものであれば特に限定されず、被検体溶
液に使用することができるとして説明した前記の緩衝液
が好適に使用できる。
【0029】また、CM化タンパク結合担体を被検体溶
液と分離する際に使用する緩衝液等の液量は特に限定さ
れないが、分離効率や操作性の点から、一般的に抗体固
定化担体の体積の2〜20倍に相当する液量とするのが好
適である。
【0030】本発明の測定方法では、CM化タンパク結
合担体と被検体溶液とを分離した後に不溶性担体からC
M化タンパクを溶離し、次いで溶離されたCM化タンパ
クをアミノ酸単位に分解した後に、カルボキシメチル化
アミノ酸(以下、「CM化アミノ酸」ともいう。)を測
定することによりCM化タンパクの存在量を決定する。
【0031】以下、CM化タンパク結合担体と被検体溶
液とを分離した後に不溶性担体からCM化タンパクを溶
離する方法、溶離されたCM化タンパクをアミノ酸単位
に分解する方法、及びCM化アミノ酸を測定しCM化タ
ンパクの存在量を決定する方法について説明する。
【0032】不溶性担体からCM化タンパクを溶離する
方法は、抗原抗体反応により形成されたCM化タンパク
と抗CM化タンパク抗体との間の結合を弱めてCM化タ
ンパクを不溶性担体から脱離させることが出来る方法で
あれば特に限定されないが、抗CM化タンパク抗体及び
/又はCM化タンパクを変性し、両者間の結合を弱めて
CM化タンパクを不溶性担体から脱離させる方法が好適
に採用できる。ここで、抗CM化タンパク抗体及び/又
はCM化タンパクを変性させて両者間の結合を弱めてC
M化タンパクを不溶性担体から脱離させる方法として
は、被検体溶液と分離したCM化タンパク結合担体を酸
性或いはアルカリ性の緩衝液、NaCl、マグネシウムイオ
ン、カオトロピックイオン等を含む特定の塩の水溶液等
(以下、これら液を総称して「溶離液」ともいう。)と
接触させることにより行うことが出来る。
【0033】上記溶離方法において溶離液として使用で
きる酸性或いはアルカリ性の緩衝液とは、例えばpHが1
〜4のグリシン-塩酸緩衝液、pHが11〜14のグリシン-塩
酸緩衝液が挙げられる。pHが1〜4、或いは11〜14の酸
性、或いはアルカリ性の緩衝液がCM化タンパク結合担体
と接触すると、CM化タンパク、及び、抗CM化抗体の立体
構造が変化し、その結果、CM化タンパクと抗CM化タンパ
ク抗体の結合が解離し、溶離が起こると考えられる。
【0034】また、上記溶離方法において溶離液として
使用できる特定の塩の水溶液とは、例えば、高濃度のNa
Cl水溶液、マグネシウムイオンを含む水溶液、トリクロ
ロ酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、尿素イオン、
塩酸グアニジンイオン、チオシアン酸イオン等のカオト
ロピックイオンを含む水溶液が挙げられる。特定の塩の
水溶液はCM化タンパク結合抗体の周辺の界面を活性化
し、その結果、CM化タンパクと抗CM化タンパク抗体の疎
水結合が弱められることにより結合が解離し、溶離が起
こると考えられる。溶離液に使用する特定の塩は上記の
効果を高めるため、高濃度の水溶液が用いられるのが一
般的である。一般的には1〜8Mの濃度で使用される。
【0035】前記溶離方法においては上記溶離液がなん
ら制限無く使用出来るが、CM化タンパクの溶離効率の
点でカオトロピックイオンを与える塩の水溶液を使用す
るのが特に好適である。ここでカオトロピックイオンと
は、イオン半径の大きな1価の陰イオンの総称であり、
該イオンを含む水溶液は上記の効果が特に高く、極めて
効率的にCM化タンパクを溶離させることが出来る。こ
の様な効果を示すカオトロピックイオンを例示すると、
トリクロロ酢酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、尿素
イオン、塩酸グアニジンイオン、チオシアン酸イオン等
が挙げられ、中でもトリクロロ酢酸イオン、トリフルオ
ロ酢酸イオン、尿素イオン、塩酸グアニジンイオン等を
含む水溶液はCM化タンパクの溶離効率が特に高い。こ
れらカオトロピックイオンを含む水溶液は、各カオトロ
ピックイオンのナトリウム塩、カリウム塩、塩酸塩等を
水に溶解することにより得られる。これらの塩を例示す
ると、トリクロロ酢酸ナトリウム、トリフルオロ酢酸ナ
トリウム、チオシアン酸カリウム、塩酸グアニジン塩酸
塩等が挙げられる。
【0036】溶離液としてカオトロピックイオンを含む
水溶液を使用する場合、該溶離液中のカオトロピックイ
オンの濃度は、脱離効果の点から溶解度の範囲内で高濃
度であることが望ましく、0.5〜8Mの濃度範囲が一般的
に使用される。また、該溶離液のpHは特に限定されない
が、CM化タンパクや不溶性担体に固定化された抗カル
ボキシメチル化タンパク抗体の変性を最小限とするため
に、pH5〜10が一般的である。特に好ましくはpH6〜9に
調節して用いられる。溶離液としてカオトロピックイオ
ンを含む水溶液を用いた場合には、上記のような条件下
で溶離を行うことにより不溶性単体に結合されたCM化
タンパクをほぼ100%の溶離率で溶離することが出来
る。
【0037】なお、溶離液としてカオトロピックイオン
を含む水溶液以外の溶離液を用いた場合には溶離効率は
低下する傾向があるが、溶離操作を繰り返せばほぼ10
0%の溶離率で溶離することが出来るし、予め溶離液ご
とに各溶離条件下における溶離効率を測定しておくこと
により、そのときの溶離量と溶離効率から換算して溶離
率100%の時の溶離量を求めることもできる。
【0038】前記溶離方法においてCM化タンパク結合
担体と溶離液を接触させる方法は特に限定されず、被検
体溶液と抗体固定化担体とを接触さる場合に採用したバ
ッチ法およびカラム法に準じて行うことが出来る。即
ち、バッチ法においては、被検体溶液と分離したCM化
タンパク結合担体を溶離液と接触させて攪拌し、CM化
タンパクを溶離液中に溶離させた後、遠心分離や濾過等
により溶離したCM化タンパクと不溶性担体を分離し、
回収すればよい。このときの溶離条件は特に限定されな
いが、溶離における温度は、4〜37℃で行うのが好適で
あり、攪拌は数秒〜数時間行うのが好適であり、溶離液
量はCM化タンパク結合担体の体積の1〜10倍量を用いる
のが好適である。
【0039】また、カラム法では、被検体溶液とCM化
タンパクが結合担体とを分離したときに使用したカラム
そのままに、または被検体溶液と分離されたCM化タン
パクが結合担体をカラムに充填し、該カラムに上部から
溶離液を注入して担体層を通過させて通過した溶離液を
回収すればよい。このときの溶離条件は特に限定されな
いが、溶離における温度は4〜37℃で行うのが好適であ
り、流速は20〜40ml/hで行うのが好適であり、また、溶
離液量はカラム体積の1〜10倍量を使用するのが好適で
ある。
【0040】この様な方法によりCM化タンパク結合担
体からCM化タンパクを溶離することができ、これまで
の工程を通して見れば、被検体溶液からCM化タンパク
を分離することができる。特に溶離液としてカオトロピ
ックイオンを含む水溶液を用いる本発明の分離方法によ
れば、被検体溶液からCM化タンパクを効率よく分離す
ることができる。被検体溶液から分離されたCM化タン
パクは引き続き本発明の測定方法に使用することが出来
ることは勿論であるが、CM化タンパク濃度を精度良く
測定したい場合には溶離されたCM化タンパクを濃縮し
た後に従来の測定方法によりCM化タンパクを測定すれ
ば良い。CM化タンパクの濃縮液を新たな被検体溶液と
することにより、結果として高感度のCM化タンパクの
測定が可能となる。また、該方法で分離されたCM化タ
ンパクをアミノ酸分析にかけた場合には、アミノ酸分析
に供する試料中のCM化アミノ酸濃度を高くすることが
出来るため、精度良くCM化アミノ酸量を測定すること
が可能となる。
【0041】本発明のCM化アミノ酸の定量方法では、
上記方法により回収された溶離された溶離液中のCM化
タンパクをアミノ酸単位に加水分解した後にCM化アミ
ノ酸の量を測定する。また、該方法で測定されたCM化
アミノ酸量及び予め(又は別途)測定した被検体溶液中
のタンパクの量に基づいて平均CM化率を求めることが
できる。
【0042】ここで、被検体溶液中のタンパクの平均カ
ルボキシメチル化率とは、(1)被検体溶液中に含まれ
る全タンパクの総量(例えば総重量)に対する、該被検
体溶液中に含まれるCM化タンパク中に存在するカルボ
キシメチル基の量(例えばモル数)で定義される値、又
は(2)被検体溶液中に含まれる特定種のタンパクの総
量(例えば総重量)に対する、該被検体溶液中に含まれ
るCM化タンパク中に存在するカルボキシメチル基の量
(例えばモル数)で定義される値を意味する。本発明の
CM化アミノ酸の定量方法で測定されるCM化アミノ酸
の量が上記のカルボキシメチル基の量に相当する。
【0043】溶離されたCM化タンパクをアミノ酸単位
に加水分解する方法は、特に限定されず公知の方法を用
いることが出来、例えば、新生化学実験講座1、タンパ
ク質II(p26、東京化学同人、1990)に記載されている
ように、タンパク水溶液に塩酸を加えて加熱する方法に
より以下の方法で行うことが出来る。即ち、CM化タン
パクを含む溶離液はゲル濾過や透析等により脱塩した
後、既知量のタンパクを含む脱塩後のCM化タンパクを
含む溶液を試験管等の容器に移す。更に、例えば、イソ
ロイシン等の既知量の内部標準液を添加し、遠心濃縮機
等で乾固する。乾固したCM化タンパクに共沸塩酸また
は濃塩酸を精製水で等倍希釈した塩酸水溶液を100〜200
μl程度加え、減圧下に容器を封印し、110℃で24時間加
熱することにより酸加水分解を行う。その後、遠心濃縮
機等で乾固させれば良い。
【0044】上記加水分解により得られたアミノ酸中の
CM化アミノ酸の量の測定は、公知のアミノ酸分析法を
利用して例えば以下のように行うことが出来る。
【0045】即ち、先ず第1に検量線を作製する目的で
既知量の各種CM化アミノ酸を含む標準溶液についてア
ミノ酸分析を行い、CM化アミノ酸の種類ごとにその保
持時間(リテンションタイム)および単位量当たりのピ
ーク面積を決定する。その後同一条件で上記加水分解に
より得られたアミノ酸を含む溶液についてアミノ酸分析
を行い、リテンションタイムおよびピーク面積を上記標
準溶液についての測定結果と比較することにより測定溶
液中に含まれるCM化アミノ酸の同定及び定量を行うこ
とができる。
【0046】なお、標準溶液調製時に使用する各種CM
化アミノ酸は、本発明の分離方法で分離されたCM化タ
ンパクを加水分解したものについて液クロ分取等により
分画を行い構造分析等により構造が明らかとなったCM
化アミノ酸を使用しても良いし、入手可能なアミノ酸に
ついてカルボキシメチル化反応を行い別途合成したもの
を使用しても良い。一般にCM化タンパクにおいては、
該タンパクを構成する幾つかのリジン残基の側鎖アミノ
基がCM化されていることが多いため、CM化リジンの
合成を例にとって説明すると、標準品となるCM化リジ
ンは以下のような方法で行うことができる。即ち、先
ず、市販のリジンとグリオキシル酸を混合し、氷冷下で
攪拌することによりリジンのアミノ基とグリオキシル酸
のカルボキシル基を反応させる。次いでシアノ水素化ホ
ウ素ナトリウムを用いて還元することにより、α-アミ
ノ基、又はε-アミノ基、又はα-アミノ基とε-アミノ
基の双方がCM化された3種類CMリジンが合成され
る。該3種類のCM化リジン群は電荷特性が異なるた
め、イオン交換カラムにより分離することが出来る。
【0047】また、アミノ酸分析の方法は特に限定され
ず公知の方法が適用可能であるが、例えば、新生化学実
験講座1、タンパク質II(p30、東京化学同人、1990)に
記載されているようなニンヒドリンを用いたポストカラ
ム法等を用いて行うのが好適である。
【0048】ニンヒドリンを用いたポストカラム法で
は、先ず、試験管等の容器内で乾固させ、加水分解処理
を施したタンパク由来のアミノ酸をクエン酸ナトリウム
/クエン酸を主成分とする緩衝液に溶解し試料液を調製
する。試料液中のアミノ酸は電荷の違いに基づいて、一
定温度に保持されたイオン交換カラムにより分離する。
ポストカラム法ではイオン交換体に主にスルホン酸基を
導入したポリスチレン-ジビニルベンゼン共重合体を使
用した陽イオン交換カラムを用いるのが一般的である。
試料液中のアミノ酸は酸性アミノ酸、中性アミノ酸、最
後に塩基性アミノ酸の順で溶出されるが、溶出したアミ
ノ酸は溶出順にイオン交換カラムの出口で送液中にニン
ヒドリン試薬と混合され、次いで100℃で加熱されること
により、順次ニンヒドリン標識され発色する。発色後、
検出機に順次送液されることにより吸光度が測定され、
タンパクを構成するアミノ酸を検出することが出来る。
タンパクを構成する各アミノ酸成分は、それぞれ独自の
リテンションタイムでピークとして検出されるので、タ
ンパク毎のピークパターンを分析することにより、該タ
ンパクの構成アミノ酸を分析することが出来る。
【0049】このようにして測定されたCM化アミノ酸
の量と予め(又は別途)測定した被検体溶液中のタンパ
クの量に基づいて前記(1)及び(2)で定義される平
均CM化率を求めることができる。本発明の測定方法で
求められる該平均CM化率は何れも糖尿病の病態の進行
具合と密接な関係があり、臨床医学的に重要なマーカー
になると考えられている。
【0050】
【実施例】以下に本発明をより具体的に説明するために
実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定
されるものではない。
【0051】実施例1 (1)CM化リジンの作製 ナス型フラスコにαN-(tert-ブトキシカルボニル)-L-
リジン5.0g、グリオキシル酸一水和物1.9g、メタノール
100ml、トリエチルアミン30mlを加え、室温で2時間攪拌
した。更に、シアノホウ素化ナトリウム3.06gを溶解し
たメタノール溶液50mlを徐々に加え2時間攪拌した。メ
タノール、トリエチルアミンを減圧留去し、室温の水浴
にで上記反応混合物の入ったナスフラスコを浸し、蒸留
水を50ml加えた。これに、5M HCl 1,4-ジオキサン溶液
を徐々に加えて室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去
し、残叉にメタノールを加え不溶分を濾別し、濾液の溶
媒を減圧留去した。残叉をイオン交換樹脂(東ソー製、
TSKgel SP-TOYOPEARL)を充填したカラムで処理し、CM
化リジンを含む画分を分取した(100mM酢酸水溶液、pH
2で不純物を溶出させ、次いで100mM酢酸/21.6mM水溶
液、pH 4で目的物を溶出させた。)。分取した画分は、
水/メタノールで再結晶し、CM化リジン標品とした。
【0052】(2)CM化タンパクの作製 タンパクのアミノ基をCM化するために、pH9.0に調整し
た1mg/mlのHSA(SIGMA社製) 1mlに、pH9に調整した0.2
5Mのグリオキシル酸(和光純薬工業製)1mlを混合し、0
℃で12時間放置した。その後、1mgのシアノ水素化ホウ
素ナトリウム(和光純薬工業製)を加え、更に12時間放
置した。
【0053】また、対照として、グリオキシル酸を添加
しないこと以外は同様の方法でHSAを処理した。
【0054】上記の各処理後のHSAのCM化率を、未反応
アミノ基をトリニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム
(和光純薬工業製、以下「TNBS」と略記する)を用いて
次のような方法により測定して求めた。
【0055】前記試料0.5mlを0.1Mの四ホウ酸ナトリウ
ム(和光純薬工業製)を含む0.1Mの水酸化ナトリウム
(和光純薬工業製)水溶液0.5mlに各々加えた。次い
で、再結晶化し、希塩酸で洗浄した1.1MTNBSを20μl加
え攪拌した。30分後に1.5mMの亜硫酸ナトリウム(和光
純薬工業製)を含む98.5mMのリン酸二水素ナトリウム
(和光純薬工業製)を2ml加えて反応を停止させ、420nm
の吸光度を測定した。その結果、CM化HSAの吸光度は0.0
3であり、グリオキシル酸処理をしていないHSA(対照)
の吸光度は1.25であった。上記いずれのHSAも含まない
系で同様の測定を行ったところ、吸光度は0.03であった
ので、CM化HSAのCM化率は100%であることが判った。
【0056】かかる方法で得られたCM化HSAは、20mM リ
ン酸緩衝液(以下「PBSと略記する」)で4℃にて2日間
透析し、未反応のグリオキシル酸やシアノ水素化ホウ素
ナトリウムを除去した後に、CM化タンパク質に対する抗
体作製のための免疫原として供した。
【0057】(3)抗血清の作製 体重が2.5kgのウサギに、上記作製したCM化HSAを抗原と
して以下の要領で免役した。
【0058】2mg/mlになるように調製した該CM化HSA溶
液0.5mlにフロイントの完全アジュバンド0.25mlを加え
たものをウサギの耳静脈に注射した。その後、2週間お
きに2mg/mlの該CM化HSA溶液0.25mlにフロイントの不完
全アジュバンド0.25mlを加えたものを追加免疫した。こ
の間、CM化HSAに対する抗体が産生されたか否かを確認
するために、2週間に1回ウサギの外縁耳静脈から部分採
血した。6週間後、抗カルボキシメチル化HSA抗体が産生
されたことを酵素免疫測定(ELISA)法で確認し、全採
血した。
【0059】(4)アフィニティー精製カラムの調製 25mlのアフィゲル15(Bio Rad社製)を75mlの10mM酢酸
緩衝液(pH 4.5)で洗浄した後、10mg/mlのHSA溶液を6
2.5ml加え、室温で1時間緩やかに攪拌した。次いで、未
反応のHSAを濾過にて除去し、1Mのエタノールアミンを3
0ml加え、室温で緩やかに攪拌し、未反応のN-ヒドロキ
シスクシイミドエステルをブロッキングした。該HSAを
固定化した支持体をカラム(φ1.5cm x 12cm)に詰め、
280nmの吸光度が0になるまでイオン交換水で洗浄した。
更に、PBSでカラムを洗浄した。
【0060】(5)抗CM化タンパク抗体の精製 前記(3)で作製した抗カルボキシメチル化HSA抗体を含
む抗血清を1mg/mlになるように20mM PBS(pH 7.4)で希
釈したものを100mg(4)のアフィニティー精製カラムに
アプライした。次いで、280nmの吸光度が0.01以下にな
るまでPBSを流速0.5ml/min.で流した。カラムに結合し
なかった抗体を抗CM化HSA抗体溶液として回収した。280
nMの吸光度が0.01以下になったところでPBSから0.1Mの
グリシン-塩酸緩衝液(pH 3.0)に換え、カラムに結合
している不要なタンパクを溶離させた。その後、再度PB
Sでカラムを平衡化し、前出の回収した抗体溶液を再度
カラムにアプライし、カラムに結合しなかった抗体を抗
CM化HSA抗体溶液として回収した。この操作を更に1回繰
り返し、不溶性担体に固定化するための抗CM化HSA抗体
溶液を得た。
【0061】(6)抗CM化HSA抗体固定化担体の調製 スクシイミド活性化不溶性担体(Bio Rad社製:Aff-Pre
p 10)を10倍量(W/W)の10mM酢酸ナトリウム緩衝液(p
H 4.5)で洗浄後、2倍量の0.15M塩化ナトリウム(和光
純薬工業製)を含むPBSで洗浄した。その後、該不溶性
担体に対して、前記(5)の抗CM化HSA抗体溶液(以下
「抗体溶液」と略すこともある)を同体積混合し、室温
にて3時間振とうした。抗体溶液を除去後、等量のPBSを
添加した後、1/10量の1Mエタノールアミン水溶液(pH
8.0)を添加後、1時間室温で振とうした。エタノールア
ミンを含むPBSを除去し、更に2倍量の0.15M塩化ナトリ
ウム水溶液で洗浄した後、4倍量のPBSで洗浄し、再度PB
Sに懸濁して抗CM化HSA抗体固定化担体とした。
【0062】(7)被検体溶液の調製 被検体A、及び被検体Bの血液を採取し、遠心分離により
赤血球層と非赤血球層に分画した。非赤血球層を除去し
た後、赤血球層を等量の生理食塩水で3回洗浄し、更
に、等量の蒸留水で赤血球を破裂させ被検体A溶液、被
検体B溶液をそれぞれ得た。各被検体溶液中のタンパク
濃度は、波長280nmにおける吸光度測定法により測定し
た。
【0063】(8)抗CM化HSA抗体固定化担体からのCM化
タンパクの溶離 調製した抗CM化HSA抗体固定化担体0.4mlをカラムに充填
し、10倍量のPBSで洗浄した後、最終濃度が2mg/mlとな
るようにPBSを用いて希釈した被検体溶液を20mgアプラ
イした。6mlのPBSでカラムを洗浄後、2mlの3Mトリクロ
ロ酢酸ナトリウム水溶液にて、抗CM化HSA抗体固定化担
体に結合したタンパクを溶離した。溶離液は、Sephadex
G-25カラムにて脱塩後、波長280nmの吸光度測定法によ
りタンパク濃度を測定した。
【0064】(9)タンパクの加水分解 上記の脱塩を行った溶離液(タンパク量:10μg)を減
圧乾固し、残渣に6N塩酸を20μl添加した。110℃で22時
間インキュベートする事により酸加水分解を行った後、
減圧乾固した。残渣を純水100μlに溶解し、50μlをア
ミノ酸分析に使用した。標準品としての5nmolのCM化リ
ジンについても同様の操作を行った。
【0065】(10)溶離したCM化タンパクのアミノ酸分
析による平均CM化率の測定 アミノ酸分析は新生化学実験講座1、タンパク質II(30
〜40頁、東京化学同人、1990)のニンヒドリン法に基づ
き分析した。
【0066】加水分解処理をした溶離液中のタンパク
(CM化タンパク)、及び5nmolのカルボキシメチル化リ
ジンについて、アミノ酸分析計(日立L-8500型)を使用
してニンヒドリン法によりアミノ酸分析を行った。分離
カラム、緩衝液等の分析条件は表1、表2、及び表3に示
した。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】カラムに注入した被検体中の総タンパク量
を、カラムより溶離したCM化タンパク量を、アミノ
酸分析を行ったCM化タンパク量をとした。加水分解処
理をしたCM化タンパクに関するアミノ酸分析で得られた
CM化リジンのピークを標品と5nmol CM化リジンのピーク
とを比較することにより、アミノ酸分析を行ったCM化リ
ジン量、を算出した。
【0071】次に、(x)/(x)式により、被
検体総タンパク1mg当たりのCM化リジン量(平均CM化
率、)を算出した。
【0072】この結果を表4に示した。表4の被検体Bの
結果を見てもわかるとおり、極めて低い平均CM化率のCM
化タンパクを定量できている。
【0073】
【表4】
【0074】比較例1 ドットブロット法による平均CM化率の算出 (1)抗CM化HSA抗体のビオチン標識 先ず、抗CM化HSA抗体のビオチン標識をプロテインビオ
チニレーションシステム(GIBCO社製)で以下のように
行った。
【0075】実施例1の(4)の抗CM化HSA抗体溶液を1.5
mg/mlになるように20mM PBSで希釈した溶液に、0.05Mに
なるように炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)を加えた。
次いで、該溶液6.7mlに、説明書に従って作成した50mg/
mlのCAB-NHSエステル溶液26μlを加え、室温で1時間穏
やかに攪拌し、0.11Mになるように塩化アンモニウムを
加えて反応を停止させた。その後、反応を停止した液を
キットに附属のカラムで脱塩することで、ビオチン標識
抗CM化HSA抗体溶液を得た。尚、キット附属のavidin/HA
BAで導入されたビオチンのモル数を計算した結果、抗CM
化タンパク抗体1モルに対してビオチンは14モル結合し
ていた。
【0076】(2)ドットブロット法による平均CM化率
の測定 実施例1の(7)と同様に被検体B溶液を調製した後、PBS
を用いて0.01mg/mlになるように被検体溶液を希釈し
た。希釈した被検体溶液0.1mlを、ドットブロッティン
グ装置(Bio Rad社製)を使用してメンブレン上にブロ
ットし、10%スキムミルク(明治乳業製)を含むPBS中で
1時間振とうすることによりブロッキングを行った。0.0
5% Tween 20を含むPBSにてメンブレンを洗浄後、比較例
1の(1)ビオチン標識抗CM化HSA抗体溶液を最終濃度0.0
01mg/mlで室温にて1時間反応させた後、0.05% Tween 20
を含むPBSにてメンブレンを洗浄した。更に、ビオチン-
アビジン-ペルオキシダーゼ複合体(和光純薬製)によ
り、被検体と結合した抗カルボキシメチル化タンパク抗
体を標識後、ECL(Amaciam製)による化学発光にて検出
し、平均CM化率を定量した。結果を表5に示す。
【0077】
【表5】
【0078】表5に示すように、実施例1で測定できた被
検体Bの平均CM化率が比較例1では測定限界以下で測定で
きないことが明確に判った。
【0079】実施例2 被検体B溶液を用い、2mlの6M塩酸グアニジン水溶液に
て、抗CM化HSA抗体固定化担体に結合したタンパクを溶
離した以外は実施例1と同じ方法にて抗カルボキシメチ
ル化HSA抗体固定化担体に結合したタンパクを溶離し
た。本結果をAとし、表6のA欄に示した。
【0080】
【表6】
【0081】被検体B溶液を用い、2mlの8M尿素水溶液に
て、抗CM化タンパク抗体固定化担体に結合したタンパク
を溶離した以外は実施例1と同じ方法にて抗CM化HSA抗体
固定化担体に結合したタンパクを溶離した。本結果をB
とし、表6のB欄に示した。
【0082】被検体B溶液を用い、2mlの0.1Mグリシン-
塩酸緩衝液(pH 2.0)にて、抗CM化HSA抗体固定化担体
に結合したタンパクを溶離した以外は実施例1と同じ方
法にて抗CM化タンパク抗体固定化担体に結合したタンパ
クを溶離した。本結果をCとし、表6のC欄に示した。
【0083】被検体B溶液を用い、2mlの4Mマグネシウム
水溶液にて、抗CM化HSA抗体固定化担体に結合したタン
パクを溶離した以外は実施例1と同じ方法にて抗CM化タ
ンパク抗体固定化担体に結合したタンパクを溶離した。
本結果をDとし、表6のD欄に示した。
【0084】表6の結果から、カオトロピックイオンを
用いて溶離を行った場合(A及びB)では、抗CM化HSA抗
体固定化担体に結合したタンパクを高い溶離率で溶離す
ることが可能であるのに対して、カオトロピックイオン
を用いない溶離の場合(C及びD)では、1回の溶離操作
における溶離率が低下することが分かる。
【0085】
【発明の効果】以上の通り、本発明のCM化タンパクの
分離方法により微量のCM化タンパクしか含まない被検
体溶液からCM化タンパクを効率よく分離することが出
来、結果として該被検体溶液中のCM化タンパクの濃度
や該CM化タンパク中に含まれるCM化アミノ酸の量を
精度良く求めることができるようになった。
【0086】また、本発明のCM化アミノ酸の定量方法
によって測定したCM化アミノ酸の量を用いて被検体溶
液中のタンパクの平均CM化率を求める本発明のタンパ
クの平均CM化率の測定方法により、微量のCM化タン
パクしか含まない血液等の被検体溶液についても該被検
体中に含まれるタンパクの平均CM化率を測定すること
が可能になった。
【0087】CM化タンパク濃度及び平均CM化は共
に、糖尿病、糖尿病合併症または透析アミロイドーシス
の新規な指標となるものであり、これら値を高感度に定
量できるようにした点で本発明の意義は大きい。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定可能な任意の量のタンパクを含有す
    る被検体溶液と、抗カルボキシメチル化タンパク抗体が
    固定化された不溶性担体とを接触させて被検体溶液中の
    カルボキシメチル化タンパクを抗原抗体反応により該不
    溶性担体に結合させ、次いで該カルボキシメチル化タン
    パクが結合した不溶性担体を被検体溶液と分離した後に
    不溶性担体からカルボキシメチル化タンパクを溶離し、
    次いで溶離されたカルボキシメチル化タンパクをアミノ
    酸単位に加水分解した後に、カルボキシメチル化アミノ
    酸の量を測定することにより、被検体溶液中のタンパク
    の平均カルボキシメチル化率を決定することを特徴とす
    るタンパクの平均カルボキシメチル化率の測定方法。
  2. 【請求項2】 測定可能な任意の量のタンパクを含有す
    る被検体溶液と、抗カルボキシメチル化タンパク抗体が
    固定化された不溶性担体とを接触させて被検体溶液中の
    カルボキシメチル化タンパクを抗原抗体反応により該不
    溶性担体に結合させ、次いで該カルボキシメチル化タン
    パクが結合した不溶性担体を被検体溶液と分離した後に
    不溶性担体からカルボキシメチル化タンパクを溶離し、
    次いで溶離されたカルボキシメチル化タンパクをアミノ
    酸単位に加水分解した後に、カルボキシメチル化アミノ
    酸の量を測定することを特徴とするカルボキシメチル化
    アミノ酸の定量方法。 【請求項2】 測定可能な任意の量のタンパクを含有す
    る被検体溶液と、抗カルボキシメチル化タンパク抗体が
    固定化された不溶性担体とを接触させて被検体溶液中の
    カルボキシメチル化タンパクを抗原抗体反応により結合
    させ、次いで該カルボキシメチル化タンパクが結合した
    不溶性担体をカオトロピックイオンを含む水溶液と接触
    させてカルボキシメチル化タンパクを溶離させることを
    特徴とするカルボキシメチル化タンパクの分離方法。
JP4055498A 1998-02-23 1998-02-23 タンパクの平均カルボキシメチル化率の測定方法 Pending JPH11237380A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014119370A (ja) * 2012-12-18 2014-06-30 Tokai Univ 試料前処理方法

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