JPH11236916A - 感光材料処理装置用ローラの軸受部構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的大型かつ重いローラであっても、軸受
の側板へのセット作業を簡便とし、セット作業効率を向
上する。 【解決手段】 支持部２０６の外形を正八角形としたた
め、支持部２０６の斜面Ｓが切欠部２１２の角部と当接
後に斜面に沿って軸受２０４が平行移動するように自動
的に案内され（図３の矢印Ｂ参照）、最終的には軸受２
０４と切欠部２１２との相対位置が合い、図３の矢印Ｃ
に示される如く、軸受２０４を切欠部２１２へ挿入し、
嵌合することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、感光材料を処理す
る感光材料処理装置に設けられるローラの軸線方向両端
部をそれぞれ回転可能に支持する軸受と、前記ローラの
軸線方向両端部に対応してそれぞれ配設され、前記軸受
を介して前記ローラを所定位置に保持するための一対の
側板と、を備えた感光材料処理装置用ローラの軸受部構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】感光材料、例えば感光性平版印刷版（以
下「ＰＳ版」という）は感光性平版印刷版処理装置（以
下「ＰＳ版プロセッサー」という）によって現像処理さ
れる。このＰＳ版プロセッサーでは、画像が記録された
ＰＳ版を現像槽内を搬送しながらこの現像槽に貯留して
いる現像液に浸漬すると共に、現像液中の回転ブラシロ
ーラ等の擦り手段によってＰＳ版の非画像部分の感光層
を除去するようにしている。このようにして現像処理の
終了したＰＳ版は、水洗部で水洗水によって水洗された
後（水洗処理）、不感脂化処理部でガム液が塗布され
（不感脂化処理）て版面保護等の処理が連続して行われ
る。

【０００３】ここで、ＰＳ版をＰＳ版プロセッサーの現
像槽内で搬送するため、現像槽内に複数対の挟持ローラ
及びガイド板を配設している。この挟持ローラ及びガイ
ド板、並びに前記回転ブラシローラ等は、ＰＳ版の幅方
向両端部で側板に支持されている。

【０００４】複数対の挟持ローラ及び回転ブラシローラ
等のローラの両端は、軸受を介して前記側板に回転可能
に支持されており、駆動手段の駆動力で回転し、ＰＳ版
に搬送力を付与したり、ＰＳ版の処理をしたりしてい
る。

【０００５】軸受の側板への装着面は方形（正方形）と
なっており、この方形の対向する面間の寸法に対応した
切欠幅を持つ切欠部が側板に形成されている。ここで、
軸受と切欠部との相対位置を合わせ、かつ切欠部の開口
から軸受を挿入することにより、軸受を側板にセットす
ることができる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記Ｐ
Ｓ版は、例えば新聞の原版となるものであり、その外形
寸法が大きい。このため、ローラも長いものになり、か
つ重いため、軸受の側板へのセット作業に複数人数必要
になり、手間がかかっている。

【０００７】本発明は上記事実を考慮し、比較的長くか
つ重いローラであっても、軸受の側板へのセット作業を
簡便とし、セット作業効率を向上することができる感光
材料処理装置用ローラの軸受部構造を得ることが目的で
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明は、
感光材料を処理する感光材料処理装置に設けられるロー
ラの軸線方向両端部をそれぞれ回転可能に支持する軸受
と、前記ローラの軸線方向両端部に対応してそれぞれ配
設され、前記軸受を介して前記ローラを所定位置に保持
するための一対の側板と、を備えた感光材料処理装置用
ローラの軸受部構造であって、前記側板には、前記軸受
を開口を介して所定の位置に収容するための切欠部が形
成されていることを特徴としている。

【０００９】請求項１に記載の発明によれば、軸受と切
欠部との相対位置がずれていると、互いに装着すること
ができない。そこで、互いを所定の相対位置に案内する
ことにより、目視等によって相対位置を見極めなくても
軸受を付けたローラを移動する一連の動作によって自動
的に切欠部に対する軸受の相対位置が決まり、確実にし
かも容易に軸受の切欠部への装着が可能となる。

【００１０】請求項２に記載の発明は、前記請求項１に
記載の発明において、前記切欠部の開口の少なくとも一
端の角部に平面形状又はＲ形状の面取り部が形成されて
いることを特徴としている。

【００１１】請求項２に記載の発明によれば、切欠部の
開口の少なくとも一端の角部に例えば、Ｒ形状の面取り
部を形成する。このとき、軸受を切欠部へ装着する動作
時に、この軸受は回転し、軸受を切欠部へ向けて移動す
る一連の動作中に軸受を側板の切欠部に対して所定の位
置とすることができる。また、平面形状の面取り部を形
成したときも、同様に軸受を切欠部に対して所定の位置
とすることができる。

【００１２】請求項３に記載の発明は、感光材料を処理
する感光材料処理装置に設けられるローラの軸線方向両
端部をそれぞれ回転可能に支持する軸受と、前記ローラ
の軸線方向両端部に対応してそれぞれ配設され、前記軸
受を介して前記ローラを所定位置に保持するための一対
の側板と、を備えた感光材料処理装置用ローラの軸受部
構造であって、前記側板には、所定幅寸法の矩形状の切
欠部が形成されており、前記軸受の外形は、対向する２
面が平行で、かつこの２面間の寸法が少なくとも前記切
欠部の幅寸法と所定の嵌め合い公差の範囲内の幅寸法に
形成された６角以上の正多角形部であることを特徴とし
ている。

【００１３】請求項３に記載の発明によれば、通常、軸
受の外形は方形で、角部に小さい面取りがなされてい
る。仮に、長方形であると、切欠部に対する所定の位置
（回転方向）が１／３６０°箇所しかないため、位置決
めが煩雑となる。この場合、軸受の若干の回転方向の位
置ずれがあっても軸受は面取り部によって案内されるこ
とになるが、大きく位置ずれが起きている場合は、オペ
レータが軸受の回転方向を手直しする必要がある。な
お、正方形の場合は、２／３６０°箇所となる。

【００１４】そこで、軸受の外形を６角以上の正多角形
とすることにより、回転方向の所定の位置を増加させる
ことにより、一連の動作によって自動的に位置決めがで
き、軸受の切欠部へのセット作業効率を向上することが
できる。

【００１５】請求項４に記載の発明は、前記請求項１乃
至請求項３の何れか１項記載の発明において、前記軸受
の重心が前記軸受の回転中心からずれていることを特徴
としている。

【００１６】請求項４に記載の発明によれば、軸受の重
心を軸受の回転中心からずらすことによって、ローラを
持ち上げたときに軸受を所定方向に向かせることによ
り、僅かな位置ずれもなく、軸受を円滑に切欠部へ装着
することが可能となる。

【００１７】請求項５に記載の発明は、前記請求項１乃
至請求項４の何れか１項記載の発明において、前記切欠
部の開口端に段差が形成されていることを特徴としてい
る。

【００１８】請求項５に記載の発明によれば、切欠部の
開口端に段差を設け、軸受を高位側の端部に最初に当接
させる。これにより、軸受は回転するきっかけが与えら
れ、一連の装着動作によって前記軸受の当接面が切欠部
の内面と平行となるまで回転し、円滑に切欠部に挿入す
ることができる。

【００１９】

【発明の実施の形態】図１には、本実施の形態に適用し
た感光性平版印刷版処理装置（以下「ＰＳ版プロセッサ
ー１０」と言う）が示されている。ＰＳ版プロセッサー
１０は、図示しない焼付装置によって画像が焼付けられ
た感光性平版印刷版（以下「ＰＳ版１２」と言う）を現
像処理する。

【００２０】ＰＳ版プロセッサー１０は、ＰＳ版１２を
現像処理するための現像槽１８及び現像槽１８からオー
バーフローした現像液を回収するオーバーフロー管２０
を備えた現像部２２と、ＰＳ版１２に付着した現像液を
水洗して水洗処理する水洗部２４と、水洗後のＰＳ版１
２にガム液を塗布して不感脂化処理するフィニッシャー
部２６と、が配設されている。なお、水洗部２４は水洗
槽２８を備え、フィニッシャー部２６はガム液槽３０を
備えている。

【００２１】外板パネル１４には、スリット状の挿入口
１０２及び排出口１０４がそれぞれ設けられている。

【００２２】外板パネル１４の上面には、現像部２２と
水洗部２４との間にＰＳ版１２を挿入するリエントリー
用挿入口（副挿入口）１５０が設けられている。その副
挿入口１５０は、現像処理を除く処理を行うためのＰＳ
版１２の挿入口とされている。

【００２３】現像部２２の現像槽１８へのＰＳ版１２の
挿入側には、一対の搬送ローラ３２が配設されており、
この一対の搬送ローラ３２の間に画像が焼付けられたＰ
Ｓ版１２が挿入口１０２から挿入されるようになってい
る。一対の搬送ローラ３２は、ＰＳ版１２を水平方向に
対して３０°の角度で現像槽１８へ向けて送り出すよう
になっている。

【００２４】現像槽１８は、上方が開口され底部中央部
が下方に向けて突出された略逆山形状とされており、こ
の現像槽１８内には、ＰＳ版１２の搬送方向に沿って上
流側から順に、ガイド板１６８、回転ブラシローラ３
８、１７０及びローラ対５４が配設されており、回転ブ
ラシローラ３８は、ＰＳ版１２の上面側に対応し、ガイ
ド板１６８及び回転ブラシローラ１７０は、ＰＳ版１２
の下面側に対応して配置されている。また、回転ブラシ
ローラ３８、１７０、ローラ対５４は、図示しない駆動
手段の駆動力が伝達されてＰＳ版１２の搬送方向に沿っ
て回転するようになっている。

【００２５】ガイド板１６８は、搬送ローラ３２の近傍
から現像槽１８の中央部へ向けて延設され、先端が回転
ブラシローラ３８とバックアップローラ３４Ａの近傍に
達しており、ガイド板１６８の下流側端部の上方にガイ
ドローラ３６が配置されている。また、バックアップロ
ーラ３４Ａ、３４Ｂは回転ブラシローラ３８に対向し、
この下流側のバックアップローラ４０Ａ、４０Ｂは回転
ブラシローラ１７０に対向して配置されており、ガイド
ローラ３６及びバックアップローラ３４Ａ、３４Ｂ、４
０Ａ、４０Ｂは、それぞれ駆動手段の駆動力が伝達され
ずに回転自在となっている。

【００２６】この現像槽１８は、ポンプ１６０と連通さ
れており、ポンプ１６０は、ガイド板１６８を挟んで上
下に側壁に形成された吐出口４４Ａ、４４Ｂ及び現像槽
１８の底部下流側壁面に形成した吐出口１７２に連通さ
れている。このため、ポンプ１６０の作動によって現像
槽１８内の現像液が吸引されて、吐出口４４Ａ、４４
Ｂ、１７２から現像槽１８内に吐出されて、現像液の循
環及び攪拌が行われる。

【００２７】なお、現像槽１８には、現像液タンク１６
６からポンプ１６４の作動によって現像補充液が補充さ
れるようになっている。また、現像槽１８の最上流側に
配置されたオーバーフロー管２０は、この現像補充液の
補充によって現像液の液面レベルが所定レベルを超えた
ときに現像液が流れ込むようになっており、この流れ込
んだ現像液を廃液タンク１８４へ案内して廃棄するよう
にしている。

【００２８】現像槽１８の現像液液面には、液面蓋５０
が配置されている。この液面蓋５０は、現像液の液面に
浮かせるように配置され、現像液液面と空気との接触を
できるだけ少なくするようにして現像液の炭酸ガスによ
る劣化と現像液中の水分の蒸発を防止している。なお、
液面蓋５０は、現像液の増減に応じて上下する。

【００２９】現像部２２の下流の水洗部２４には、水洗
槽２８の上方に２対の搬送ローラ５２、５３が配設され
ている。これらの搬送ローラ５２、５３は、図示しない
側板に回転可能に支持されており、図示しない駆動手段
の駆動力が伝達されて回転するようになっており、現像
部２２から送り込まれたＰＳ版１２の搬送路を形成して
いる。

【００３０】搬送ローラ５３の上流側、かつ搬送路より
も上側には、スプレーパイプ５６が配設されており、こ
のスプレーパイプ５６は、搬送ローラ５３の軸線に沿っ
て配設され、その上側ローラの中央部に対応する位置に
内部と連通する吐出口が設けられている。スプレーパイ
プ５６からは、水洗水タンク１７８からポンプ１８０に
よって汲み上げられた水洗水が搬送ローラ５３の上側の
ローラの上流側部分に滴下され、搬送ローラ５３の上側
ローラが回転することによって、ＰＳ版１２の表面に水
洗水が速やかに拡がり、ＰＳ版１２の表面が水洗水によ
って洗浄される。また、洗浄後の水洗水はＰＳ版１２の
幅方向両端部から後述する受け皿６２へ落下する構成と
なっている。

【００３１】受け皿６２から溢れた水洗水は水洗槽２８
へ案内される。水洗槽２８内の水洗水は廃液口１８２よ
り速やかに廃液タンク１８４へ廃棄される。

【００３２】水洗部２４の下流側の不感脂化処理部であ
るフィニッシャー部２６のガム液槽３０の上方には、一
対の搬送ローラ７８が設けられている。搬送ローラ５３
によって送り出されるＰＳ版１２は、この搬送ローラ７
８へ案内されるようになっている。

【００３３】また、搬送ローラ７８の上流側には、搬送
路の上下方向にスプレーパイプ８２、１８８が配設され
ている。これらのスプレーパイプ８２、１８８には外周
に内部と連通する吐出口（図示省略）が設けられてい
る。このスプレーパイプ８２、１８８からは、ガム液槽
３０からポンプ１９４によって吸い込まれたガム液が吐
出され、ＰＳ版１２の表面及び裏面に供給される。

【００３４】上記説明したＰＳ版プロセッサー１０にお
いて、搬送ローラ３２、回転ブラシローラ３８、１７
０、ローラ対５４、バックアップローラ３４Ａ、３４
Ｂ、４０Ａ、４０Ｂ、ガイドローラ３６、搬送ローラ５
２、５３、搬送ローラ７８（以下、総括して示す場合
に、単にローラＲという）は、図２に示される如く、そ
の軸線方向両端部に形成された回転軸２００がそれぞれ
側板２０２に軸受２０４を介して掛け渡されている。

【００３５】軸受２０４は、回転軸２００を軸支する支
持部２０６と、対向するローラ同士を所定の圧力で接触
させるための弾性部材（例えば、輪状のゴムやスプリン
グ等）を巻掛ける滑車部２０８と、が一体成形された合
成樹脂製である。

【００３６】滑車部２０８は、一対の円形プレート２０
８Ａ、２０８Ｂとの間に略Ｕ字型のリング溝２１０が形
成され、このリング溝２１０に前記弾性部材が巻掛けら
れる構成となっている。

【００３７】支持部２０６は、その外形が正八角形とさ
れ、４対の互いに平行となる面を有している。この互い
に平行となる面間の寸法Ｘに対応して、側板２０２の上
端には、幅寸法Ｙが前記寸法Ｘとほぼ同一（所定の嵌め
合い公差の関係を持つ）の切欠部２１２が形成されてい
る。この切欠部２１２の奥側には、前記滑車部２０８を
挿入させることができる長孔２１４が連続して設けられ
ている。

【００３８】ここで、切欠部２１２には、軸受２０４
が、この軸受２０４の支持部２０６に前記ローラＲの回
転軸２００が軸支された状態で、嵌入されるようになっ
ている。この場合、前記寸法Ｘと寸法Ｙとが所定の嵌め
合い公差の関係となっているため、切欠部２１２に嵌入
された軸受２０４が確実に保持される。

【００３９】ところで、前記ローラＲは、比較的長尺で
あり重量もあるため、メンテナンス時等における着脱作
業に複数人数必要となり作業が煩雑となっている。

【００４０】特に、軸受２０４の切欠部２１２への挿入
時に、軸受２０４と切欠部２１２との相対位置が軸受２
０４を切欠部２１２に挿入する正規の位置に対してずれ
ている場合、支持部２０６が従来のような方形（例え
ば、正方形）であると、軸受２０４は切欠部２１２に挿
入されず、オペレータの手によって、軸受２０４を正規
の位置まで回転させたり移動させて切欠部２１２に挿入
させる必要があった。

【００４１】しかし、本実施の形態では、図３に示され
る如く、軸受２０４と切欠部２１２との相対位置がずれ
た状態で、軸受２０４を矢印Ａ方向へ移動した場合、軸
受２０４の支持部２０６の斜面Ｓと切欠部２１２の角部
とが当接することになる。その後、この移動力は、軸受
２０４を矢印Ｂ方向へ移動（斜め移動）させる力にベク
トルが変わり、自動的に適正位置（図３の想像線位置参
照）となる構成となっている。従って、矢印Ｃの如く、
軸受２０４は、切欠部２１２へ挿入され、嵌合させるこ
とができる。

【００４２】以下に本実施の形態の作用を説明する。図
示しない焼付装置等によって画像が記録されたＰＳ版１
２は、挿入台１６に載置されてから挿入台１６の奥側に
送り込まれて挿入口１０２へと至り、挿入時の押圧力で
ブレード１０６をその弾性力に抗して拡開させてＰＳ版
プロセッサー１０の装置内部へ挿入される。挿入された
ＰＳ版１２は、一対の搬送ローラ３２によって引き入れ
られて現像部２２へ送り込まれる。なお、このＰＳ版１
２の先端が挿入口１０２を通過すると、センサ１０８に
よってこれを検出し、タイマーをスタートさせる。この
タイマーは、水洗部２４のスプレーパイプ５６から水洗
水を滴下させるタイミングを計っている。

【００４３】現像槽１８へ挿入されたＰＳ版１２は、一
対の搬送ローラ３２からガイド板１６８に案内されて水
平に対して３０°の角度で送り出され、ガイドローラ３
６とガイド板１６８の下流側端部の間へ方向補正されな
がら案内される。この後、ＰＳ版１２は、ガイドローラ
３６とガイド板１６８によってバックアップローラ３４
Ａ、３４Ｂと回転ブラシローラ３８の間へ送り込まれ
る。

【００４４】バックアップローラ３４Ａ、３４Ｂと回転
ブラシローラ３８の間へ挿入されたＰＳ版１２は、回転
ブラシローラ３８によって表面が擦られて現像が促進さ
れ、次にバックアップローラ４０Ａ、４０Ｂと回転ブラ
シローラ１７０の間へ送り込まれて、回転ブラシローラ
１７０によって裏面が擦られて裏面に感光層が有る場合
には、裏面の現像が促進されて効率良く非画像部分の感
光層が除去される。

【００４５】このようにして、表裏面が均一に擦られて
現像処理の終了したＰＳ版１２は、ローラ対５４によっ
て現像液が絞り取られながら現像槽１８から引き出され
て水洗部２４へ送られ、搬送ローラ５２、５３によって
挟持搬送される。この際、ＰＳ版１２の先端は搬送ロー
ラ５２の下側ローラに当接するように案内されているた
め、この下側ローラの回転によって受け皿６２から汲み
上げられた水洗水がＰＳ版１２の表面へ周り込み、ＰＳ
版１２が搬送ローラ５２に挟持された時点で液溜りをつ
くる。これにより、ＰＳ版１２の表面を先端から確実に
水洗処理することができる。

【００４６】その後、タイマーにより計測した挿入時か
らの時間が所定時間となりＰＳ版１２の先端が下流側ロ
ーラ対５３に達したと判断されると、ＰＳ版１２の表面
はスプレーパイプ５６から下流側ローラ対５３の上側の
ローラに滴下される新しい水洗水によって洗浄され、裏
面は受け皿６２から搬送ローラ５２、５３の下側のロー
ラによって持ち出される水洗水によって洗浄される。

【００４７】水洗処理が終了すると、ＰＳ版１２は、案
内板８４、８６の間へ向けて送り出されてフィニッシャ
ー部２６へ送られ、搬送ローラ７８によって挟持搬送さ
れる。ここで、スプレーパイプ８２、１８８から吐出さ
れるガム液によって不感脂化処理される。不感脂化処理
されたＰＳ版１２は、フィニッシャー部２６から排出口
１０４を通過して、図示しない乾燥部へ送り出される。

【００４８】上記説明したＰＳ版プロセッサー１０にお
いて、搬送ローラ３２、回転ブラシローラ３８、１７
０、ローラ対５４、バックアップローラ３４Ａ、３４
Ｂ、４０Ａ、４０Ｂ、ガイドローラ３６、搬送ローラ５
２、５３、搬送ローラ７８（ローラＲ）にあっては、メ
ンテナンス時に所定の装着位置から取り外し、洗浄等を
行い、再度装着する必要がある。

【００４９】ここで、再度装着作業時には、ローラＲの
回転軸２００を軸受２０４の支持部２０６に軸支し、比
較的に長尺かつ重重量のローラＲをオペレータが持ち、
軸受２０４と側板２０２の切欠部２１２との相対位置を
決め、軸受２０４を切欠部２１２へ挿入する。

【００５０】この挿入時に軸受２０４と切欠部２１２と
の相対位置がずれていると、従来はローラＲを持ち上げ
た状態で軸受２０４の位置（回転方向位置も含む）を直
さなければならず、もう１人のオペレータの協力が必要
となる場合もあった。

【００５１】しかし、本実施の形態では、軸受２０４の
支持部２０６の外形を正八角形としたため、回転方向に
おいて８位置（４５°ピッチ）で切欠部２１２との相対
位置（回転方向位置）が合うことになる。

【００５２】一方、図３に示される如く、軸受２０４と
切欠部２１２との位置がずれている場合には（図３の矢
印Ａ参照）、支持部２０６の斜面Ｓが切欠部２１２の角
部と当接後に斜面に沿って軸受２０４が平行移動するよ
うに自動的に案内され（図３の矢印Ｂ参照）、最終的に
は軸受２０４と切欠部２１２との相対位置が合い、図３
の矢印Ｃに示される如く、軸受２０４を切欠部２１２へ
挿入し、嵌合させることができる。 （変形例１）なお、上記実施の形態では、軸受２０４の
支持部２０６の外形を正八角形としたが、図４に示され
る如く、正六角形としてもよい。この場合、回転方向位
置が切欠部２１２との相対位置が合うのは６位置とな
る。

【００５３】ここで、回転方向位置がずれている場合
（図４のような場合）、は、図４の矢印Ａ方向に移動し
てくる軸受２０４が側板２０２の上端に当接すると、図
４の矢印Ｂ方向に示される如く、切欠部２１２の角部Ｚ
を中心に回転する。この回転で軸受２０４の支持部２０
６の互いに平行な２面が切欠部２１２の内周面と平行と
なると、さらに、前記角部Ｚと当接している斜面との摺
動で、軸受２０４が図４の矢印Ｃ方向に平行移動し、正
規の位置となる。その後、図４の矢印Ｄ方向に軸受２０
４が移動し、切欠部２１２へ挿入され、嵌合される。

【００５４】なお、上記では、軸受２０４の支持部２１
２の外形を正六角形としたが、６面以上の偶数の正多角
形であればよいが、切欠部２１２の内周面と当たり面が
所定の面積の範囲内であることが好ましい。 （変形例２）なお、上記実施の形態及び変形例１では、
軸受２０４の切欠部２０６の外形を正多角形（角部が偶
数）としたが、図５に示される如く、軸受２０４の周囲
の一方向を半円状の舌片部２１６を形成し、この舌片部
２１６の先端部近傍に重り２１８を埋設するようにして
軸受２０４の重心Ｇを軸受２０４の回転中心２０１から
外すようにしてもよい。この場合、重り２１８による力
Ｆによって、振り子状態となる舌片部２１６が最終的に
は必ず垂下方向に位置することになる。

【００５５】この状態で、切欠部２１２（図５では図示
省略）へ比較的ラフな位置決め条件で位置合わせし、挿
入方向へ移動させることにより、舌片部２１６の円弧部
が切欠部２１２に合うように案内され、軸受２０４を円
滑に挿入することができる。 （変形例３）上記実施の形態、変形例１及び２では、軸
受２０４の支持部２０６の外形を変更することによっ
て、切欠部２１２への挿入性を向上する構造を説明した
が、この変形例３では、軸受２０４の支持部２０６の外
形は従来の形状（正方形や長方形）であっても、切欠部
２１２への挿入を容易にする構成を示す。

【００５６】図６（Ａ）に示される如く、切欠部２１２
の片側の角部にはＲ面２２０が形成されている。ここ
で、軸受２０４（図６（Ａ）では図示省略）を切欠部２
１２に対して位置決めする場合に、角部のＲ面２２０に
寄せて当接させると、軸受２０４には、回転力が付与さ
れ、回転方向位置が定まる。この後に、軸受２０４を斜
め下方に向けて平行移動され、軸受２０４は切欠部２１
２へ挿入される。なお、Ｒ面を切欠部２１２の両側の角
部に形成して、軸受２０４をどちらの角部からでも当接
させることができる様にしてもよい。

【００５７】また、図６（Ｂ）に示される如く切欠部２
１２の片側または両側の角部にＲ面の代わりに平面２２
２を設けても同様に軸受２０４は切欠部２１２へ挿入さ
れる。 （変形例４）図７及び図８は切欠部２１２の角部間に高
さ方向の段差を設けた構造である。この場合、軸受２０
４を切欠部２１２に挿入するときに低位側角部と高位側
角部とのどちらかに最初に軸受２０４が当接することが
ある。まず、低位側の角部２２４に軸受２０４が最初に
当接した場合には、図７に示される如く、矢印Ａ、Ｂ、
Ｃの順にクランク状に移動させれば、容易に軸受２０４
を切欠部２１２へ嵌入することができる一方、高位側角
部２２６に軸受２０４が最初に当接した場合には、図８
に示される如く、矢印Ａの移動によって、この高位側の
角部２２６に当接した部分を中心に軸受２０４が矢印Ｂ
方向に回転し、軸受２０４の両側壁と切欠部２１２の両
側壁とが接する正規の位置へ軸受２０４が位置決めさ
れ、矢印Ｃに示される如く切欠部２１２へ挿入させるこ
とができる。

【００５８】なお、上記実施の形態及び変形例１乃至変
形例４の構造は、組み合わせて適用しもよい。

【００５９】

【発明の効果】以上説明した如く請求項１の発明では、
比較的長くかつ重いローラであっても、軸受の側板への
セット作業を簡便とし、セット作業効率を向上すること
ができるという優れた効果を有する。

【００６０】請求項２に記載の発明では、切欠部の角部
の平面又はＲ面によって軸受を回転させ、一連の動作中
に側板の切欠部に対して所定の位置とすることができ
る。

【００６１】請求項３に記載の発明では、軸受の外形を
６角以上の正多角形とすることにより、回転方向の所定
の位置を増加させることにより、一連の動作によって自
動的に位置決めができ、セット作業効率を向上すること
ができる。

【００６２】請求項４に記載の発明では、軸受の重心を
軸受の回転中心からずらすことによって、軸受を所定方
向に向かせることにより、僅かな位置ずれもなく、円滑
に切欠部へ装着することが可能となる。

【００６３】請求項５に記載の発明では、切欠部の開口
の両端の段差により、軸受は回転するきっかけが与えら
れ、一連の装着動作によって軸受の切欠部への当接面が
切欠部の内面と平行となるまで回転し、円滑に切欠部に
挿入することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施の形態に係るＰＳ版プロセッサーの概略
構成図である。

【図２】軸受と側板との取り付け状態を示す斜視図であ
る。

【図３】側板の切欠部への軸受の挿入状態を示す正面図
である。

【図４】変形例１に係る側板の切欠部への軸受の挿入状
態を示す正面図である。

【図５】変形例２に係る軸受の形状を示す正面図であ
る。

【図６】変形例３に係る切欠部の形状を示す正面図であ
る。

【図７】変形例４に係る軸受と切欠部との挿入状態を示
す正面図である（低位側基準）。

【図８】変形例４に係る軸受と切欠部との挿入状態を示
す正面図である（高位側基準）。

【符号の説明】

１０ ＰＳ版プロセッサー（感光性平版印刷版処理装
置） １２ ＰＳ版（感光性平版印刷版） １８ 現像槽 ３２ 搬送ローラ ５４ ローラ対 ３８７０ 回転ブラシローラ ３４Ａ、３４Ｂ、４０Ａ、４０Ｂ バックアップロー
ラ ３６ ガイドローラ ５２、５３ 搬送ローラ ７８ 搬送ローラ７８ ２００ 回転軸 ２０２ 側板 ２０４ 軸受 ２０６ 支持部 ２１２ 切欠部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 感光材料を処理する感光材料処理装置に
   設けられるローラの軸線方向両端部をそれぞれ回転可能
   に支持する軸受と、 前記ローラの軸線方向両端部に対応してそれぞれ配設さ
   れ、前記軸受を介して前記ローラを所定位置に保持する
   ための一対の側板と、を備えた感光材料処理装置用ロー
   ラの軸受部構造であって、 前記側板には、前記軸受を開口を介して所定の位置に収
   容するための切欠部が形成されていることを特徴とする
   感光材料処理装置用ローラの軸受部構造。
2. 【請求項２】 前記切欠部の開口の少なくとも一端の角
   部に平面形状又はＲ形状の面取り部が形成されているこ
   とを特徴とする請求項１記載の感光材料処理装置用ロー
   ラの軸受部構造。
3. 【請求項３】 感光材料を処理する感光材料処理装置に
   設けられるローラの軸線方向両端部をそれぞれ回転可能
   に支持する軸受と、 前記ローラの軸線方向両端部に対応してそれぞれ配設さ
   れ、前記軸受を介して前記ローラを所定位置に保持する
   ための一対の側板と、を備えた感光材料処理装置用ロー
   ラの軸受部構造であって、 前記側板には、所定幅寸法の矩形状の切欠部が形成され
   ており、 前記軸受の外形は、対向する２面が平行で、かつこの２
   面間の寸法が少なくとも前記切欠部の幅寸法と所定の嵌
   め合い公差の範囲内の幅寸法に形成された多角形である
   ことを特徴とする感光材料処理装置用ローラの軸受部構
   造。
4. 【請求項４】 前記軸受の重心が前記軸受の回転中心か
   らずれていることを特徴とする請求項１乃至請求項３の
   何れか１項記載の感光材料処理装置用ローラの軸受部構
   造。
5. 【請求項５】 前記切欠部の開口端に段差が形成されて
   いることを特徴とする請求項１乃至請求項４の何れか１
   項記載の感光材料処理装置用ローラの軸受部構造。