JPH11236402A - 新規多糖体及び、該多糖体の抗ウイルス剤並びにアジュバント剤 - Google Patents

新規多糖体及び、該多糖体の抗ウイルス剤並びにアジュバント剤

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JPH11236402A
JPH11236402A JP10041679A JP4167998A JPH11236402A JP H11236402 A JPH11236402 A JP H11236402A JP 10041679 A JP10041679 A JP 10041679A JP 4167998 A JP4167998 A JP 4167998A JP H11236402 A JPH11236402 A JP H11236402A
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polysaccharide
glucose
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adjuvant
agent
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JP10041679A
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Haruki Yamada
陽城 山田
Takayuki Nagai
隆之 永井
Masumi Sakurai
真澄 櫻井
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Kitasato Institute
Original Assignee
Kitasato Institute
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ウイルス感染の治療及び予防に有用な抗ウイ
ルス作用及びワクチンに対するアジュバント作用を有す
る多糖体及び、該多糖体の抗ウイルス剤並びにアバント
剤を得るものである。 【解決手段】 グルコースを90モル%以上構成糖とし
て含み、構成糖の結合様式として、1,4結合グルコー
ス、末端グルコース、1,6結合グルコース及び1,
4,6分岐グルコースを含み、分子量が約8×103
たは約6×104 である多糖体である。 【効果】 ウイルス感染の予防及び治療に有効な抗ウイ
ルス抗体産生促進活性を有し、ワクチンのアジュバント
としても有用な薬剤が期待される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウイルス感染の治
療及び予防に有用な抗ウイルス作用及びワクチンに対す
るアジュバント作用を有する新規多糖体及び、該多糖体
の抗ウイルス剤並びにアジュバント剤に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来におけるインフルエンザの治療方法
は、対症療法および二次的最近感染の予防しかないとさ
れ、安静、保温、カロリー補給、ビタミン等の栄養素の
保持に代表される一般療法または化学療法剤、抗生物
質、鎮咳剤、去痰剤、気道粘液溶解剤、解熱鎮痛剤など
の薬剤投与による治療方法が広く用いられていた。
【0003】インフルエンザ感染とその重症化の予防方
法として最も有効であるのが、ワクチンの予防接種であ
る。インフルエンザウイルスは核タンパク質およびマト
リックスタンパク質の抗原性によって、A型、B型、C
型の3つの型に分類されることは周知のとおりである。
【0004】これらの内、A型およびB型ウイルスに
は、宿主由来の脂質二重層であるエンベロープに、スパ
イク糖タンパク質としてヘマグルチニン及びシアリダー
ゼが埋め込まれており、特にA型ウイルスにおいてはそ
の抗原性の相違によって、H1N1(ソ連型)、H2N
2(アジア型)、H3N2(香港型)などの亜型が存在
する。ヘマグルチニン及びシアリダーゼに対する抗体は
感染防御に有効であるため、その年に流行が予測される
型のウイルスから作ったワクチンが皮下接種されてい
る。
【0005】しかし、インフルエンザウイルスは容易に
抗原変異を起こすため、流行の予測が非常に難しく、毎
年流行を繰り返し、今なお10万人〜100万人を超す
患者の発生がある最も感染者の多い感染症であり、人類
にとって依然として脅威となっている。インフルエンザ
それ自体は致命率の低い疾患であるが、合併症を併発し
易いため、特に抗ガン剤の投与やヒト免疫不全ウイルス
(HIV)感染などによって免疫力の低下した患者、気
管支喘息等の慢性呼吸器疾患患者や、慢性心肺疾患など
の基礎疾患を持つ高齢者などにとっては生命に係わる危
険な感染症である。特に、小児においてはウイルスの変
異により脳炎などを併発し、重症化した例が知られてい
る。
【0006】インフルエンザによる死亡例も毎年報告さ
れ、その大部分は65歳以上の慢性心肺疾患、その他の
基礎疾患を持つ人々である。周知のように我が国では、
西暦2051年には総人口の3人に1人が65歳以上の
高齢者社会となる推計が、国立社会保障・人口問題研究
所から既に報告されており、その対策が社会問題化して
いる。
【0007】一方、米国においてはHIV感染により、
後天性免疫不全症候群(AIDS)を発症した患者のイ
ンフルエンザによる死亡が急増しており、欧米ではイン
フルエンザA型ウイルス感染の予防にアマンタジンが用
いられているが、発症後に投与してもあまり良い治療効
果を示さないことが報告されている。現在、抗原性の変
異したインフルエンザウイルスに対するワクチンの有効
性をより一層高めるため、経鼻接種ワクチンの開発が進
められているが、同ワクチンは抗原性が弱い問題点があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】一方、新型のインフル
エンザウイルスの出現による世界的流行が予測されてお
り、これに対抗する国際的取り組みが始まっているが、
より有効な治療効果を期待し得る抗ウイルス剤およびワ
クチンの抗原性を高めるための有効なアジュバント剤が
強く要望されている。従って、本発明はこのような要望
を満足し得る新規な多糖体及び、該多糖体の抗ウイルス
剤並びにアジュバント剤を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インフル
エンザの予防および治療に有効な薬剤を見い出すべく、
種々の生薬について検索し、板藍根の多糖画分が優れた
経鼻接種インフルエンザワクチンに対する抗体産生促進
活性を有することを見い出し、板藍根中の活性物質を精
製し、本発明を完成するに至った。
【0010】本発明において、有効成分の原料として用
いられる板藍根(アブラナ科菘藍あるいはキツネノマゴ
科馬藍の根)はよく知られた生薬であり、中国では肝炎
やインフルエンザ、日本脳炎、耳下腺炎(おたふくか
ぜ)、帯状疱疹、扁桃腺炎などの予防および治療に用い
られている。しかし、活性本体については明らかにされ
ていなかった。
【0011】本発明の多糖体は、その活性本体が本発明
者らにより初めて解明されたものであり、従来まったく
知られていなかったインフルエンザウイルス抗原に対す
る抗体産生促進活性を有しており、このような多糖体は
未だ知られていないことから、本発明の多糖体は新規な
多糖体であると認められる。
【0012】すなわち、本発明は、 (1)グルコースを90モル%以上構成糖として含み、
該構成糖の結合様式として、1,4結合グルコース、末
端グルコース、1,6結合グルコース及び1,4,6分
岐グルコースを含み、分子量が約8×103 である多糖
体に関する。 (2)本発明は更に、グルコースを90モル%以上構成
糖として含み、該構成糖の結合様式として1,4結合グ
ルコース、末端グルコース、1,6結合グルコース及び
1,4,6分岐グルコースを含み、分子量が約6×10
4 である多糖体に関する。
【0013】(3)本発明は更に、ガラクトース、アラ
ビノース、ガラクツロン酸、マンノース及びキシロース
を構成糖として含む前記(1)に記載の多糖体及びその
一部分に関する。 (4)本発明は更に、ガラクトース、アラビノース、ガ
ラクツロン酸、マンノース及びキシロースを構成糖とし
て含む前記(2)に記載の多糖体及びその一部分に関す
る。
【0014】(5)本発明はまた、上記構成糖のモル%
が、グルコース約93.4、ガラクトース約3.0、ア
ラビノース約2.1、ガラクツロン酸約0.9、マンノ
ース約0.5及びキシロース約0.2である上記(3)
に記載の多糖体及びその一部分に関する。 (6)本発明はまた、上記構成糖のモル%が、グルコー
ス約93.4、ガラクトース約3.0、アラビノース約
2.1、ガラクツロン酸約0.9、マンノース約0.5
及びキシロース約0.2である上記(4)に記載の多糖
体及びその一部分に関する。
【0015】(7)本発明は更にまた、上記(1)〜
(6)のいずれか1項に記載の多糖体またはその一部分
を有効成分として含有する抗ウイルス剤に関する。 (8)本発明は更にまた、前記(1)〜(6)のいずれ
か1項に記載の多糖体またはその一部分を有効成分とし
て含有するアジュバント剤に関する。
【0016】(9)本発明はまた、板藍根の抽出物を有
効成分として含有する抗ウイルス剤に関する。 (10)本発明はまた、板藍根の抽出物を有効成分とし
て含有するアジュバント剤に関する。 (11)本発明はまた、板藍根の抽出物が熱水抽出エキ
スである前記(9)に記載の抗ウイルス剤に関する。 (12)本発明はまた、板藍根の抽出物が熱水抽出エキ
スである前記(10)に記載のアジュバント剤に関す
る。
【0017】本発明の多糖体は、例えば以下のようにし
て得ることができる。板藍根、その原植物であるアブラ
ナ科の菘藍(Isatis tinctoria L.
またはIsatis indigotica FORT
UNE)、キツネノマゴ科の馬藍(Baphicaca
nthes cusia BREMEK.)またはその
他の同属植物を破砕し、10〜20倍量の水性溶媒で抽
出し、抽出液をろ過してろ液を得る。抽出に用いる水性
溶媒としては水、特に精製水が好ましく、熱時抽出が好
ましい。
【0018】ろ液は濃縮後、数倍量のエタノールを加
え、生じた沈殿をろ過し、乾燥して粗画分を得る。次い
で、得られた粗画分は更にゲルろ過等で精製する。ゲル
ろ過の担体の具体例としては、セファクリルS−200
(ファルマシア バイオテク社製)が挙げられ、溶離液
としては無機塩水溶液等を用いる。
【0019】本発明の多糖体をさらに精製するには、イ
オン交換クロマトグラフィーを合わせて行えばよく、そ
の担体の具体例としては、DEAE−セファロースFa
stFlow(C1- 型、ファルマシア バイオテク社
製)が挙げられる。また、溶出に用いる水性溶媒として
は、水、希薄な無機塩水溶液たとえば塩化ナトリウム、
塩化カリウム等の水溶液、弱酸性水溶液たとえば0.0
5モルまでの酢酸、0.05モルまでのシュウ酸等が挙
げられる。
【0020】本発明の多糖体をさらに精製するには、ゲ
ルろ過法を再度行えばよく、その担体の具体例として
は、セファロースCL−6B(ファルマシア バイオテ
ク社製)が挙げられ、溶離液としては無機塩水溶液等が
用いられる。このようにして得られる本発明の多糖体
は、構成糖としてグルコースを90モル%以上含有して
いる。
【0021】本発明の請求項1〜6に記載した多糖体
は、例えば以下のような製造例により得ることができ
る。
【0022】製造例1 板藍根2kgを精製水20リットルで液量が半量になる
まで(3時間程度)煎出した後、ろ過し、残渣について
は再度精製水20リットルを加え、同様の操作を行っ
た。抽出液は合わせて2リットルまで濃縮した。濃縮液
には4倍量のエタノールを加え、エタノール沈殿を行っ
た。沈殿をろ取し、エタノールで洗浄後、水に再溶解
し、凍結乾燥によりエタノール沈殿画分292gを得
た。
【0023】得られたエタノール沈殿画分40mgを
0.2M NaCl水溶液に溶解後、0.2M NaC
l水溶液で平衡化したセファクリルS−200カラム
(ファルマシア バイオテク社製)に添加し、0.2M
NaCl水溶液を用いて分画した。得られた各溶出液
について糖、ウロン酸の比色定量と280nmでの紫外
部吸収を測定して、分子量2×104 以上の多糖体を含
む画分を得た(収率:20%)。
【0024】得られた多糖体画分253mgを精製水に
溶解後、この溶液を水で平衡化したDEAE−セファロ
ースFast Flow(C1- 型)カラム(ファルマ
シアバイオテク社製)に添加し、未吸着画分を精製水で
溶出させることにより除去した。カラムに吸着した画分
について、50mM NaCl水溶液および1MNaC
l水溶液で順次溶出させた。50mM NaCl水溶液
で溶出された画分を透析および凍結乾燥することによ
り、50mM NaCl溶出多糖体画分を抗ウイルス抗
体産生促進活性多糖体画分として得た(収率:24
%)。
【0025】得られた多糖体画分41mgを0.2M
NaCl水溶液に溶解後、0.2MNaCl水溶液で平
衡化したセファロースCL−6Bカラム(ファルマシア
バイオテク社製)に添加し、0.2M NaCl水溶液
を用いて5mlずつ分画した。得られた各溶出液につい
て糖、ウロン酸の比色定量と280nmでの紫外部吸収
を測定し、分子量約6×104 の多糖体を含む画分を得
た。分子量約6×104 の多糖体を含む画分を透析(分
画分子量1000)後、凍結乾燥することにより抗ウイ
ルス抗体産生促進活性多糖体を得た(収率:21%)。
【0026】製造例2 上記の製造例(1)で得た多糖体を再度、製造例1と同
様の方法により、セファロースCL−6Bカラムを用い
て、分子量約6×104 の多糖体を含む画分を精製し、
この画分を透析(分画分子量1000)、凍結乾燥する
ことにより、精製抗ウイルス抗体産生促進活性多糖体を
得た。本発明の多糖体は、Asahi−Pak GS5
10+GS320を用いたGPCカラム(旭化成工業社
製)によるHPLCにより単一の多糖体であることが確
認された。
【0027】製造例3 製造例2で得た精製抗ウイルス抗体産生促進活性多糖体
を精製水に溶解し、数日間放置することにより、分子量
約8×103 の多糖体を得た。本発明の多糖体は、As
ahi−Pak GS510+GS320を用いたGP
Cカラム(旭化成工業社製)によるHPLCにより単一
の多糖体であることが確認された。前記のようにして得
られた本発明による多糖体の旋光度〔α〕D 20(c=
0.0135、H2 O)は+305.2°であった。
【0028】次に、本発明の請求項1〜6に記載した多
糖体等が抗インフルエンザウイルス抗体産生促進活性を
有し、インフルエンザワクチンのアジュバント剤及び抗
ウイルス剤として有用であることについて以下に実験例
にしたがって具体的に説明する。
【0029】実験例 抗インフルエンザウイルス抗体産生促進活性 前記の製造例1で得た多糖体を水に溶解し、BALB/
cマウス(メス、7週令)に、インフルエンザワクチン
接種7日前より6日後まで1回あたり4.4mg/kg
の用量で、計12回経口投与した。対照群のマウスには
同様に水を経口投与した。これらのマウスにアモバルビ
タールナトリウム11mg/ml(日本新薬社製)を2
00μl腹腔内に投与し、麻酔した。5分後、マウス馴
化インフルエンザウイルスA/PR/8/34より調製
したインフルエンザHAワクチンを経鼻接種(5μg/
10μl)し、7日後に脾臓を採取し、脾臓細胞を調製
した。さらに眼底静脈叢より採血して血清を調製した。
【0030】脾臓細胞については、ELISPOT(e
nzyme−linked immunospot)法
を用いて抗インフルエンザウイルス抗体産生細胞数を測
定した。その測定結果を図1に示した。図1から明らか
なように、本発明の多糖体を経口投与することにより、
脾臓細胞における抗インフルエンザウイルスIgG抗体
産生細胞数および抗インフルエンザウイルスIgM抗体
産生細胞数が顕著に増加した。
【0031】血清については、ELISA法により抗イ
ンフルエンザウイルス抗体価(405nmでの吸光度)
を測定した。測定結果は図2に示した。図2から明らか
なように、血清中の抗インフルエンザウイルスIgG抗
体価および抗インフルエンザウイルスIgM抗体価が有
意に増加した。
【0032】これらの結果から、本発明の多糖体が抗イ
ンフルエンザウイルス抗体産生促進活性を有し、インフ
ルエンザワクチンのアジュバント剤として有用であるこ
とが証明された。さらに、本発明の多糖体がインフルエ
ンザウイルス感染時に抗インフルエンザウイルス抗体の
産生を促進し、ウイルス感染からの治癒を早め、重症化
を予防する抗ウイルス剤として有用であることが証明さ
れた。
【0033】次に本発明による請求項1〜6に記載の多
糖体等の投与量および製剤化について説明する。請求項
1〜6に記載の多糖体およびその一部分はそのまま、あ
るいは慣用の製剤担体たとえば乳糖、デンプン等と共に
動物および人に投与することができる。投与形態として
は、特に限定がなく、必要に応じて適宜選択して使用さ
れ、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、散剤等の経口
剤が挙げられ、注射剤、座剤等の非経口剤が挙げられ
る。
【0034】経口剤としての初期の効果を発揮するため
には、患者の年齢、体重、疾患の程度等により異なる
が、通常成人で請求項1〜6に記載の多糖体及びその糖
部分の重量として1mg〜5gを一日数回に分けての服
用が適当と思われる。また、有効成分として熱水抽出エ
キス等の板藍根の抽出物を用いる場合は、通常成人で1
回2〜15gを一日1〜3回の内服が適当である。
【0035】経口剤は、例えばデンプン、乳糖、白糖、
マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスタ
ーチ、無機塩類等を用いて常法に従って製造される。こ
の種の製剤には、適宜前記賦形剤の他に、結合剤、崩壊
剤、界面活性剤、滑沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色
剤、香料等を必要に応じて使用することができる。
【0036】上記の結合剤としては、例えばデンプン、
デキストリン、アラビアゴム末、ゼラチン、ヒドロキシ
プロピルスターチ、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、結晶セルロース、エチルセルロース、ポリビニルピ
ロリドン、マクロゴール等が挙げられる。
【0037】前記の崩壊剤としては、例えばデンプン、
ヒドロキシプロピルスターチ、カルボキシメチルセルロ
ースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウ
ム、カルボキシメチルセルロース、低置換ヒドロキシプ
ロピルセルロースが挙げられる。更に界面活性剤として
は、例えばラウリル硫酸ナトリウム、大豆レシチン、シ
ョ糖脂肪酸エステル、ポリソルベート80等が挙げられ
る。
【0038】更に滑沢剤としては、例えばタルク、ロウ
類、水素添加植物油、ショ糖脂肪酸エステル、ステアリ
ン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリ
ン酸アルミニウム、ポリエチレングリコール等が挙げら
れる。更に流動性促進剤としては、例えば軽質無水ケイ
酸、乾燥水酸化アルミニウムゲル、合成ケイ酸アルミニ
ウム、ケイ酸マグネシウム等が挙げられる。また、本発
明の多糖体等は懸濁液、エマルジョン剤、シロップ剤、
エリキシル剤としても投与することができ、これらの各
種剤形は、矯味剤、矯臭剤、着色剤等を含有してもよ
い。
【0039】非経口剤として所期の効果を発揮するため
には、患者の年齢、体重、疾患の程度等により異なる
が、通常成人で請求項1〜6に記載の多糖体およびその
一部分の重量として0.01mg〜1gまでの静注、点
滴静注、皮下注射、筋肉注射が適当と思われる。
【0040】上記の非経口剤は常法に従って製造され、
希釈剤として一般に注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ
糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイ
ズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエ
チレングリコール等を用いることができる。さらに必要
に応じて、殺菌剤、防腐剤、安定剤を加えてもよい。
【0041】また、この非経口剤は安定性の点から、バ
イアル等に充填後冷凍し、通常の凍結乾燥技術により水
分を除去し、使用直前に凍結乾燥物から液剤を再調製す
ることもできる。更に、必要に応じて適宜、例えば塩化
ナトリウムなどの等張化剤、ピロ亜硫酸ナトリウム等の
安定化剤、塩化ベンザルコニウム等の防腐剤、例えば塩
酸プロカイン等の無痛化剤等を加えてもよい。その他の
非経口剤としては、外用液剤、軟膏等の塗布剤、直腸内
投与のための座剤等が挙げられ、常法に従って製造され
る。
【0042】
【発明の実施の態様】 実施例1 (1)コーンスターチ 44.0g (2)結晶セルロース 40.0g (3)カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0g (4)軽質無水ケイ酸 0.5g (5)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (6)本発明の多糖体等 10.0g ────────────── 計 100.0g
【0043】上記の処方に従って(1)〜(6)を均一
に混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200mgの錠
剤を得た。この錠剤の一錠には、本発明の多糖体等20
mgが含有されており、成人一日10〜25錠を数回に
分けて服用する。
【0044】 実施例2 (1)結晶セルロース 84.5g (2)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (3)カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0g (4)本発明の多糖体等 10.0g ────────────── 計 100.0g
【0045】上記の処方に従って(1)、(4)および
(2)の一部を均一に混合し、圧縮成型した後、粉砕
し、(3)および(2)の残量を加えて混合し、打錠機
にて圧縮成型して一錠200mgの錠剤を得た。この錠
剤一錠には、本発明の多糖体等20mgが含有されてお
り、成人一日10〜25錠を数回に分けて服用する。
【0046】 実施例3 (1)結晶セルロース 49.5g (2)10%ヒドロキシプロピルセルロース エタノール溶液 35.0g (3)カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0g (4)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (5)本発明の多糖体等 10.0g ────────────── 計 100.0g
【0047】上記の処方に従って(1)、(2)及び
(5)を均一に混合し、常法によりねつ和し、押し出し
造粒機により造粒し、乾燥・粉砕した後、(3)および
(4)を混合し、打錠機にて圧縮成型して一錠200m
gの錠剤を得た。この錠剤一錠には、本発明の多糖体等
20mgが含有されており、成人一日10〜25錠を数
回に分けて服用する。
【0048】 実施例4 (1)コーンスターチ 84.0g (2)ステアリン酸マグネシウム 0.5g (3)カルボキシメチルセルロースカルシウム 5.0g (4)軟質無水ケイ酸 0.5g (5)本発明の多糖体等 10.0g ────────────── 計 100.0g
【0049】上記の処方に従って(1)〜(5)を均一
に混合し、圧縮成型機にて圧縮成型後、粉砕機により粉
砕し、篩別して顆粒剤を得た。この顆粒剤1gには、本
発明の多糖体等100mgが含有されており、成人一日
2〜5gを数回に分けて服用する。
【0050】 実施例5 (1)結晶セルロース 55.0g (2)10%ヒドロキシプロピルセルロース エタノール溶液 35.0g (3)本発明の多糖体等 10.0g ────────────── 計 100.0g
【0051】上記の処方に従って(1)〜(3)を均一
に混合し、ねつ和した。押し出し造粒機により造粒後、
乾燥し篩別して顆粒剤を得た。この顆粒剤1gには、本
発明の多糖体等100mgが含有されており、成人一日
2〜5gを数回に分けて服用する。
【0052】 実施例6 (1)コーンスターチ 89.5g (2)軟質無水ケイ酸 0.5g (3)本発明の多糖体等 10.0g ────────────── 計 100.0g
【0053】上記の処方に従って(1)〜(3)を均一
に混合し、200mgを2号カプセルに充填した。この
カプセル剤1カプセルには、本発明の多糖体等20mg
が含有されており、成人一日10〜25カプセルを数回
に分けて服用する。
【0054】 実施例7 (1)大豆油 5.0g (2)注射用蒸留水 89.5g (3)ダイズリン脂質 2.5g (4)グリセリン 2.0g (5)本発明の多糖体等 1.0g ────────────── 計 100.0g
【0055】上記の処方に従って(5)を(1)および
(3)に溶解し、これに(2)と(4)の溶液を加えて
乳化し、注射剤を得た。
【0056】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による多
糖体等はウイルス感染の予防および治療に有効な抗ウイ
ルス抗体産生促進活性を有し、ワクチンのアジュバント
としても有用な薬剤が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多糖体の脾臓細胞1×105 個当たり
の抗インフルエンザウイルス抗体産生促進活性を示した
ものである。
【図2】本発明の多糖体の血清における抗インフルエン
ザウイルス抗体価(405nmでの吸光度)上昇活性を
示したものである。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 グルコースを90モル%以上構成糖とし
    て含み、該構成糖の結合様式として、1,4結合グルコ
    ース、末端グルコース、1,6結合グルコース及び1,
    4,6分岐グルコースを含み、分子量が約8×103
    あることを特徴とする新規多糖体。
  2. 【請求項2】 グルコースを90モル%以上構成糖とし
    て含み、該構成糖の結合様式として、1,4結合グルコ
    ース、末端グルコース、1,6結合グルコース及び1,
    4,6分岐グルコースを含み、分子量が約6×104
    あることを特徴とする新規多糖体。
  3. 【請求項3】 前記の構成糖として更にガラクトース、
    アラビノース、ガラクツロン酸、マンノースおよびキシ
    ロースを含むことを特徴とする請求項1に記載の新規多
    糖体。
  4. 【請求項4】 前記の構成糖として更にガラクトース、
    アラビノース、ガラクツロン酸、マンノースおよびキシ
    ロースを含むことを特徴とする請求項2に記載の新規多
    糖体。
  5. 【請求項5】 上記構成糖のモル%が、グルコース約9
    3.4、ガラクトース約3.0、アラビノース約2.
    1、ガラクツロン酸約0.9、マンノース約0.5及び
    キシロース約0.2であることを特徴とする請求項3に
    記載の新規多糖体。
  6. 【請求項6】 上記構成糖のモル%が、グルコース約9
    3.4、ガラクトース約3.0、アラビノース約2.
    1、ガラクツロン酸約0.9、マンノース約0.5及び
    キシロース約0.2であることを特徴とする請求項4に
    記載の新規多糖体。
  7. 【請求項7】 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の多糖体またはその一部分を有効成分として含有するこ
    とを特徴とする抗ウイルス剤。
  8. 【請求項8】 前記請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の多糖体またはその一部を有効成分として含有すること
    を特徴とするアジュバント剤。
  9. 【請求項9】 板藍根の抽出物を有効成分として含有す
    ることを特徴とする抗ウイルス剤。
  10. 【請求項10】 板藍根の抽出物を有効成分として含有
    することを特徴とするアジュバント剤。
  11. 【請求項11】 板藍根の抽出物が熱水抽出エキスであ
    ることを特徴とする請求項9に記載の抗ウイルス剤。
  12. 【請求項12】 板藍根の抽出物が熱水抽出エキスであ
    ることを特徴とする請求項10に記載のアジュバント
    剤。
JP10041679A 1998-02-24 1998-02-24 新規多糖体及び、該多糖体の抗ウイルス剤並びにアジュバント剤 Pending JPH11236402A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005255662A (ja) * 2004-05-11 2005-09-22 Kokuhi Tei 飲料抽出用の植物成分混合物、植物成分混合液、および植物成分混合物
CN103288973A (zh) * 2012-03-02 2013-09-11 中国人民解放军军事医学科学院毒物药物研究所 板蓝根多糖、其制备方法及用途
KR20190033129A (ko) * 2017-09-21 2019-03-29 주식회사 바이오스탠다드 판람근 뿌리 발효 추출물을 함유하는 바이러스 감염 질환 예방 또는 치료용 조성물

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