JPH11234168A - 拡散信号に対する相関処理の同期追従回路 - Google Patents

拡散信号に対する相関処理の同期追従回路

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JPH11234168A
JPH11234168A JP2868798A JP2868798A JPH11234168A JP H11234168 A JPH11234168 A JP H11234168A JP 2868798 A JP2868798 A JP 2868798A JP 2868798 A JP2868798 A JP 2868798A JP H11234168 A JPH11234168 A JP H11234168A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電圧制御オシレータ(VCO)を使わずに、
簡単な構成のループフィルタを使用したデジタルの同期
追従回路を提供する。 【解決手段】 基準位置に対して±Δ位相をシフトした
拡散符号を設定したEarly相関器1、Late相関器2で受
信ベースバンド信号をそれぞれ逆拡散してチップCLK
毎にシンボル長の間、積分し、比較器3でそれらの積分
値の差を取った結果により2値のアップダウン信号生成
する。ループフィルタ4では、この2値信号をカウント
し、それがEarly側とLate側の位相制御のために設定し
た各値に達すると、予じめ設定した位相を進め、遅らせ
るようにチップCLK位相調整器6に対して指示し、拡
散符号発生器7を介して各相関器で位相を調整し同期の
追従を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スペクトル拡散通
信システム及びCDMA(Code Division Multiplex Ac
cess)システムに関し、より詳細には、当該システムを
構成する受信機における同期追従回路に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】スペクトル拡散通信及びスペクトル拡散
通信技術を利用したCDMAシステムは、マルチパスフ
ェージングに強い、データの高速化が可能、通信品質が
良好、周波数利用効率が良いため、次世代の移動通信及
びマルチメディア無線通信に有望な通信方式である。ス
ペクトル拡散通信は、送信側において伝送すべき信号の
帯域幅よりもはるかに広い帯域に拡散して送信する。一
方、受信側ではスペクトル拡散された信号を元の信号帯
域幅に復元する機能が要求される。
【0003】この元の信号帯域幅に復元する動作は逆拡
散と呼ばれ、逆拡散はマッチドフィルタによる手法及び
スライディング相関による手法が知られている。特に、
スライディング相関手法は構成が容易なため、広く使用
されている。スライディング相関により初期同期機能が
実行され、それに引き続く同期追従又は同期保持の動作
により同期が完了する。同期追従機能はスペクトル拡散
通信技術の最も重要な機能の一つである。
【0004】従来、この同期追従技術としては、遅延ロ
ックループ(DLL;Delay LockedLoop)を用いた同期
追従回路がある(例えば、文献:池上文夫他著“ディジ
タル移動通信技術”、初版1998年2月25日発行、
日本工業技術センター、pp.127〜128、参
照)。従来技術として例示されるDLLを用いた同期追
従回路の構成を図8に示す。DLLでは、基準位相から
Δだけ位相の進んだ拡散符号系列Eコード(EarlyCod
e)とΔだけ位相の遅れた拡散符号系列Lコード(Late
Code)とをそれぞれ入力とする同じ機能をもつ2つの相
関器10,11が用いられる。
【0005】拡散符号系列の自己相関関数は三角形状に
なるため、受信信号とEコード及びLコードとの相関出
力はそれぞれ図9の(A),図9の(B)のように、ま
た、この2つの出力の差(以下、フィードバック制御信
号と呼ぶ)は、図9の(C)のようになる。図9で横軸
は受信信号の位相と基準位相の位相ずれεである。比較
器12で2つの相関器10,11の差として出力される
フィードバック制御信号はループフィルタ13でろ波さ
れた後、電圧制御オシレータ(VCO)14に入力され
て拡散符号系列発生器15の位相を制御する。フィード
バック制御信号は、基準位相が遅れている時は位相を進
めるようにVCO14を駆動し、基準位相が進んでいる
時は送らせるようにVCO14を駆動する。この追従動
作を続けることにより、DLLはε=0の点にロックし
符号系列の同期を維持する。
【0006】また、DLLの動作を説明するより詳細な
回路構成を図10に示す。この回路構成は、文献:横山
光雄著“スペクトル拡散通信システム”科学技術出版
社、pp.290〜300に記載,説明がされている。
図10に示すように、ベースバンド入力受信信号は拡散
符号系列発生器としてのn段シフトレジスタ151に保
持されているEコード及びLコードとそれぞれEarly
(進相)相関器としての乗算器111,Late(遅相)相
関器としての乗算器101で演算され、得たそれぞれの
演算結果の差分が比較器12で取られる。この差信号を
ループフィルタ13により積分しVCO14を通して位
相制御信号を生成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記図
8及び図10の回路構成では、VCOを含んでいるため
ループフィルタの構成が複雑になり、また、すべてをデ
ジタルで構成できないという問題があった。この発明
は、こうした従来技術における問題点に鑑みてなされた
もので、VCOを使わずに、また、簡単な構成のループ
フィルタを使用したデジタルの同期追従回路を提供する
ことをその解決すべき課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明による同期追従回
路は、受信ベースバンド信号に対して基準位相からΔチ
ップ位相の進んだ位置での逆拡散を行いシンボルごとに
相関値を出力するEarly(進相)相関器と、該デジタル
信号に対して基準位相からΔチップ位相の遅れた位置で
の逆拡散を行いシンボルごとに相関値を出力するLate
(遅相)相関器と、該Early相関器から出力される相関
値と該Late相関器から出力される相関値の比較を行う比
較器と、該比較器からの出力信号からチップクロック
(CLK)位相の制御を行うループフィルタと、該ルー
プフィルタの制御信号からチップCLK位相の制御を行
うチップCLK位相調整器と、該チップCLK位相調整
器から出力されるチップCLKから基準位相に対して±
Δチップ位相をずらしたそれぞれの拡散符号を生成する
拡散符号発生器とを備える。
【0009】本発明によれば、VCOを使用せずに、チ
ップレートのN倍の周波数のCLK発生器とチップCL
K位相調整器を用い、チップCLK位相調整器におい
て、基準位相に対して位相が進んでいると判断されたら
チップCLKの位相を1/Nチップ進め、また、位相が
遅いと判断されたらチップCLKの位相を1/Nチップ
遅らせるというようにデジタル的に制御を行う。これに
より、従来のVCOを使用した同期追従回路による場合
には、アナログまたは、複雑な回路がループフィルタに
必要となっていたが、簡単な回路のループフィルタを使
用した同期追従回路を構成することができる。
【0010】そして、各請求項の発明は、下記の技術手
段を構成する。請求項1の発明は、受信したスペクトル
拡散信号から抽出し得たベースバンドデジタル信号に対
して基準位相からΔだけ位相を進めた位置で逆拡散を行
い、相関値を出力する第1の相関器と、前記ベースバン
ドデジタル信号に対して基準位相からΔだけ位相を遅ら
せた位置で逆拡散を行い、相関値を出力する第2の相関
器と、前記第1の相関器から出力される相関値と前記第
2の相関器から出力される相関値との比較を行う比較器
と、該比較器の出力信号にもとづきチップクロックの位
相の制御動作を行うための制御動作信号を発生するルー
プフィルタと、該ループフィルタから出力される制御動
作信号によりチップクロックの位相を制御するチップク
ロック位相調整器と、該チップクロック位相調整器から
出力されるチップクロックに従い基準位相に対して±Δ
だけ位相をずらした拡散符号を前記第1の相関器および
第2の相関器それぞれに用いる拡散符号として生成する
拡散符号発生器とを備えたスペクトル拡散信号に対する
相関処理の同期追従回路であって、前記チップクロック
位相調整器は、前記ベースバンドデジタル信号が拡散符
号のチップレートのN倍の周波数で抽出される場合に、
1/Nチップを変化量単位としてチップクロックの位相
Δを制御し、前記比較器は、比較結果を2値信号として
生成することを特徴としたものである。
【0011】請求項2の発明は、請求項1の発明おい
て、前記第1の相関器および第2の相関器は、それぞれ
拡散符号のチップレートのN倍の周波数で抽出される前
記ベースバンドデジタル信号のサンプルの一部を用いて
逆拡散を行うことを特徴としたものである。
【0012】請求項3の発明は、請求項1又は2の発明
において、前記第1の相関器および第2の相関器は、そ
れぞれ逆拡散を行い得た値の所定期間の積分値としてそ
の相関値を出力することを特徴としたものである。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記第1の相関器および前記第2の相関器それぞれ
において、積分値を求める前記所定期間をシンボル周期
の整数倍の期間としたことを特徴としたものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項3又は4の発明
において、前記ループフィルタは、前記比較器からの出
力信号を相関値の積分値を求める前記所定期間ごとにカ
ウントするアップ・ダウンカウント部と、該アップ・ダ
ウンカウント部から出力されるカウント値を基にしてチ
ップクロックの位相の制御動作信号を生成する位相制御
部とを備えたことを特徴としたものである。
【0015】請求項6の発明は、請求項5の発明におい
て、前記ループフィルタのチップクロックの位相の制御
動作信号を生成する位相制御部において、設定すべきカ
ウント値を受信信号のC/N値により可変にしたことを
特徴としたものである。
【0016】請求項7の発明は、請求項5又は6の発明
において、前記ループフィルタのチップクロックの位相
の制御動作信号を生成する位相制御部において、設定す
べきカウント値を8から32の範囲としたことを特徴と
したものである。
【0017】請求項8の発明は、請求項1ないし7のい
ずれか1の発明において、前記Nを4〜8とし、前記ル
ープフィルタのチップクロックの位相の制御動作信号を
生成する位相制御部において、チップクロックの位相の
調整量を1/4チップ〜1/8チップの整数倍としたチ
ップクロックの位相の制御動作信号を生成することを特
徴としたものである。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、本発明による同期追従回
路の一実施形態を示すブロック図である。図1におい
て、1は受信したベースバンド信号に対して基準位相よ
りΔ(例えば、1/2チップ)進んだ位置での相関値を
出力するEarly相関器、2は基準位相よりΔ(例えば、
1/2チップ)遅れた位置での相関値を出力するLate相
関器、3はEarly相関器1からの相関値とLate相関器2
からの相関値を比較する比較器、4は比較器3からの比
較結果よりチップCLK位相の制御を行うループフィル
タ、5はサンプルCLKを発生するCLK発生器、6は
ループフィルタ4からの位相制御信号よりチップCLK
の位相調整を行うチップCLK位相調整器、7はチップ
CLK位相調整器6から出力されるチップCLKから基
準位相に対してΔ位相を進めた拡散符号とΔ位相を遅ら
した拡散符号及びシンボルCLKを発生させる拡散符号
発生器である。
【0019】図2は、ループフィルタ4の詳細なブロッ
ク図である。8は比較器3から出力される比較結果をシ
ンボルCLKでカウントするアップ・ダウンカウンタ
部、9はアップ・ダウンカウンタ部8から出力されるカ
ウント値からチップCLKの位相制御を行い、位相を進
める、又は遅らせるそれぞれの位相制御信号Early_rq,
Late_rqの生成を行う位相制御部である。図3は、ルー
プフィルタ4の動作タイミング図である。
【0020】次に、図1を用いて動作を説明する。まず
初めに、CLK発生器5では、例えばチップレートの4
倍の速度としたサンプリングCLKをチップCLK位相
調整器6に出力する。図1では明示していないが、この
サンプリングCLKはデジタル回路で構成する本同期追
従回路への入力受信信号とするためのA/D(アナログ
−デジタル)変換用のサンプリングCLKとしても使用
する。チップCLK位相調整器6では、受信したサンプ
ルCLKを分周して(この例では4分周)チップCLK
を生成し、拡散符号発生器7,Early相関器1,Late相
関器2に出力する。
【0021】拡散符号発生器7では、基準位相に対して
Δ位相を進めた拡散符号をEarly相関器1、Δ位相を遅
らした拡散符号をLate相関器2に出力する。チップCL
Kと拡散符号を受信したEarly相関器1とLate相関器2
では、受信したベースバンド信号を逆拡散してシンボル
ごとに相関を取り比較器3に出力する。比較器3では、
Early相関器1とLate相関器2の相関値の比較を行い比
較結果をループフィルタ4に出力する。
【0022】比較器3の動作は、Early相関器1の相関
値の方が大きければ“Low”、小さければ“High”を、
図3に示すようなアップダウン信号としてシンボル毎に
生成する。本発明では、Early相関器1とLate相関器2
は、それぞれチップCLK毎にシンボル長の間にわた
り、その相関値出力を、加算(積分)し、その後、比較
器3で差を取ることにより、(1,0)の2値のアップ
ダウン信号(図3(B)参照)を生成している。従来の
DLL方式の詳細は図7に示したように、チップCLK
毎に比較し、その後ループフィルタにより積分(加算)
している。本発明のデジタルDLLのように、加算する
ことにより信号成分を増大させ、ノイズ成分を平均化し
た方が精度の良い2値(1,0)のアップダウン信号を
生成できる。ここでは、加算(積分)区間として1シン
ボル長としたが、1シンボル長より短くても機能するこ
とは明らかである。1シンボル以上、又はシンボルをま
たがった加算も可能であるが、この場合シンボルの符号
が同一又はシンボルの符号を考慮した加算をすれば、本
発明の機能が実現できる。
【0023】ループフィルタ4の動作を図2,図3を用
い説明する。図2のアップ・ダウンカウンタ部8を使っ
てシンボル毎にどっちの相関値が大きいかにより生成さ
れる2値のアップ・ダウン信号(図3(B)参照)をカ
ウントし、位相制御部9に対してカウント値(図3
(C)参照)を出力する。位相制御部9では、カウント
値がEarly側にあらかじめ設定した値(例えば、−1
5)と等しくなると位相を進めるようにチップCLK位
相調整器6に対して指示(Early_rq="High")し(図3
(D)参照)、その後アップ・ダウンカウンタ部8を初
期化(Clear="High")する(図3(F)参照)。
【0024】また、カウント値がLate側にあらかじめ設
定した値(例えば、15)と等しくなると位相を遅らせ
るようにチップCLK位相調整器6に対して指示(Late
_rq="High")を行い(図3(E)参照)、その後アッ
プ・ダウンカウンタ部8を初期化(Clear="High")す
る(図3(F)参照)。図1において、ループフィルタ
4から位相調整の指示を受けたチップCLK位相調整器
6では、進める指示を受信したらチップCLKを例えば
1/4チップ分位相を進め、また、遅らせる指示を受信
したら例えば1/4チップ分位相を遅らせる。以上の動
作を繰り返して、同期の追従を行う。
【0025】この例では、位相調整を行うために設定し
たカウント値を±15とした。カウント値は受信信号の
C/N(信号キャリア電力とノイズ電力の比)に依存す
る。例えば、C/Nが悪い状況ではノイズが大きいた
め、比較器3で判定誤りを生じ易くなる。その結果、設
定したカウント値が少な過ぎる場合(例えば8以下)で
は誤った方向にチップCLK位相調整器を動作させてし
まう可能性があり同期追従回路の機能を果たさなくな
る。一方、設定したカウント値が大き過ぎる場合(例え
ば32以上)、安定性は増大し誤った方向へ制御する可
能性は低下するが、同期回路としての追従性が遅くな
る。
【0026】図4は、引き込み時間の測定結果および関
連データが示されている。図4において、(C)は、6
4シンボルを測定区間とする場合の動作限界C/Nを各
積分(カウント)値について示すものである。そして、
図4の(A)および(B)は、それぞれ64シンボルを
測定区間とする場合でC/Nが(A)は3dB、(B)
は−11dBという条件で、積分値8,16,24,3
2とした場合の引き込み時間を5回測定した結果の値と
その平均値が示されている。
【0027】図4の(A),(B)いずれについてもこ
の結果が示すように、積分(カウント)値が小さいほど
引き込み時間が短くて済むが、ノイズの多いところで
は、カウント値が小さいと同期保持力が弱くなるため、
図4に示される測定結果から8〜32の範囲が適当と思
われる。従って、受信C/Nに依存して最適な設定すべ
きカウント値が存在するため、受信C/Nを測定し最適
な設定カウント値を可変にすれば、安定性・追従性が良
好な最適同期追従回路が実現できる。
【0028】上記説明では、サンプルCLKはチップレ
ートの4倍、チップCLK位相調整量は1/4チップと
したが、この数値例に限らなくても上記動作は可能であ
ることは明らかである。一般には、サンプルCLKとし
てチップレートのN倍を使用した場合には、チップCL
K位相調整量は1/Nチップの整数倍であれば、本同期
追従回路が機能することは明らかである。Nが大きく
(10以上)なればチップCLK位相の細やかな調整が
可能となるが、クロックが高速になるため、消費電力が
増大する欠点がある。一方、Nを小さく(2以下)すれ
ば低速クロックのため低消費電力となるが、チップCL
K位相の調整が粗くなり、同期追従特性が劣化する。N
としては4〜8が適切である。
【0029】その理由を以下に説明する。ここでは、近
似的に他局相互相関成分の分散からの考察を行う。図5
は、相互相関特性と自己相関特性を示す図で、30局多
重時の各サンプル点での相互相関値の標準偏差σを表し
ている。また、30局多重時には各サンプリング位相時
に相互相関成分はガウス分布すると近似し、上記標準偏
差を用いて、サンプリング位相誤差が90°(1チップ
2サンプル時の最大サンプリング位相誤差)、60°
(1チップ3サンプル時の最大位相誤差)、45°(1
チップ3サンプル時の最大位相誤差)の場合の静特性下
BER特性を図6に示す。ここで信号電力Sは最も理想
点でサンプリングする場合の検波電力を表しており、図
5に示したようにサンプリング位相がずれると等価的に
信号電力が下がり、S/Nは劣化することになる。また
Nについては白色雑音のみを考慮しており、相互相関成
分は含んでいない。
【0030】図6より、1チップ2サンプルではBER
10-3で最悪約2dB、10-4で最悪約2.5dBの劣
化が生じる。これは非常に大きな劣化といえる。また、
1チップ3サンプルではBER10-4でも最悪約1dB
の劣化、1チップ4サンプルではBER10-4でも最悪
約0.7dBの劣化となる。ただしCDMAシステムで
は強力な誤り訂正が付加されているため、実際にどの程
度サンプリングが必要かは、それらを考慮し、許容劣化
量から検討する必要がある。また、今回の検討では量子
化を全く行わなかったので最終決定する際にはこれらも
考慮する必要がある。このように、サンプル数を小さく
するほど、誤り率が劣化し、また、サンプル数が多くな
るほど動作クロックが速くなり消費電力が増大するた
め、誤り率と消費電力のトレードオフを考慮することに
より、1/4〜1/8の範囲が適当と思われる。
【0031】本発明におけるEarly相関器1、Late相関
器2は基準位相に対しΔチップ位相差の位置で1チップ
毎に1サンプルした信号に対する逆拡散のため、非常に
簡便なデジタルDLLである。図7は、本発明による同
期追従回路の第2の実施形態である。図7は図1に対
し、punctual相関器17を新たに設けた。punctual相関
器17は、受信したベースバンド信号を基準位相の位置
でチップCLKごとに1サンプルした信号を、拡散符号
発生器16から出力される基準位相の拡散符号で逆拡散
し、シンボルごとに相関値を出力する。このpunctual相
関器17の出力を用いて、受信拡散信号の復調が可能と
なる。
【0032】
【発明の効果】請求項1に対応する効果:スペクトル拡
散信号から抽出し得たベースバンドデジタル信号を拡散
符号のチップレートのN倍でサンプルして得たデジタル
信号を処理しチップクロックの位相調整を1/Nチップ
単位で行うまでの過程全体をデジタル処理で行うことが
可能となり、就中、ループフィルタを2値信号を使用し
て構成するためループフィルタの回路規模を小さくでき
る。
【0033】請求項2に対応する効果:請求項1に対応
する効果に加えて、ベースバンドデジタル信号のサンプ
ルの一部についてのみ逆拡散を行うため、演算器の回路
規模の小型化および動作クロックの低周期化が図れる。
【0034】請求項3,4に対応する効果:請求項1お
よび2に対応する効果に加えて、所定期間の積分値を相
関値として使用するため、ノイズ成分の平均化により精
度を上げることができ、演算器の回路規模の小型化およ
び動作クロックの低周期化が図れる。
【0035】請求項5に対応する効果:請求項1ないし
4に対応する効果に加えて、アップ・ダウンカウント部
と位相制御部を備えることにより、VCOを使わずにデ
ジタルでクロック位相の制御が可能となる。
【0036】請求項6に対応する効果:請求項5に対応
する効果に加えて、クロック位相の制御を受信信号のC
/N値において可変することにより、C/N値の悪い環
境下でも、同期補足及び同期保持力の高い同期追従回路
を提供することが可能となる。
【0037】請求項7に対応する効果:請求項5,6に
対応する効果に加えて、設定すべきカウント値として実
用上有効な範囲を提示することができる。
【0038】請求項8に対応する効果:請求項1ないし
7に対応する効果に加えて、設定すべきサンプリングレ
ートNとして実用上有効な範囲を提示することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による同期追従回路の第1の実施形態を
示すブロック図である。
【図2】図1に示す本発明による同期追従回路のループ
フィルタの詳細を示すブロック図である。
【図3】図2におけるループフィルタの動作を説明する
ための信号タイミング図である。
【図4】引き込み時間の測定結果およびその測定の関連
データを示す図である。
【図5】相互相関特性と自己相関特性を示す図で、30
局多重時の各サンプル点での相互相関値の標準偏差σを
表すものである。
【図6】標準偏差を用いて静特性下BER特性を示す図
である。
【図7】本発明による同期追従回路の第2の実施形態を
示すブロック図である。
【図8】DLLを用いた従来技術による同期追従回路の
構成を示すブロック図である。
【図9】従来技術による同期追従回路における相関器に
関連する動作を説明する信号線図である。
【図10】回路要素の一部を詳細に示す従来技術による
同期追従回路の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…Early相関器、2…Late相関器、3…比較器、4…
ループフィルタ、5…CLK発生器、6…チップCLK
位相調整器、7…拡散符号発生器、8…アップ・ダウン
カウンタ部、9…位相制御部、10,11…相関器、1
1,111…乗算器、12…比較器、13…ループフィ
ルタ、14…電圧制御オシレータ(VCO)、15…拡
散符号系列発生器、151…n段シフトレジスタ、16
…拡散符号発生器、17…punctual相関器。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 受信したスペクトル拡散信号から抽出し
    得たベースバンドデジタル信号に対して基準位相からΔ
    だけ位相を進めた位置で逆拡散を行い、相関値を出力す
    る第1の相関器と、 前記ベースバンドデジタル信号に対して基準位相からΔ
    だけ位相を遅らせた位置で逆拡散を行い、相関値を出力
    する第2の相関器と、 前記第1の相関器から出力される相関値と前記第2の相
    関器から出力される相関値との比較を行う比較器と、 該比較器の出力信号にもとづきチップクロックの位相の
    制御動作を行うための制御動作信号を発生するループフ
    ィルタと、 該ループフィルタから出力される制御動作信号によりチ
    ップクロックの位相を制御するチップクロック位相調整
    器と、 該チップクロック位相調整器から出力されるチップクロ
    ックに従い基準位相に対して±Δだけ位相をずらした拡
    散符号を前記第1の相関器および第2の相関器それぞれ
    に用いる拡散符号として生成する拡散符号発生器と、 を備えたスペクトル拡散信号に対する相関処理の同期追
    従回路であって、 前記チップクロック位相調整器は、前記ベースバンドデ
    ジタル信号が拡散符号のチップレートのN倍の周波数で
    抽出される場合に、1/Nチップを変化量単位としてチ
    ップクロックの位相Δを制御し、 前記比較器は、比較結果を2値信号として生成すること
    を特徴としたスペクトル拡散信号に対する相関処理の同
    期追従回路。
  2. 【請求項2】 前記第1の相関器および第2の相関器
    は、それぞれ拡散符号のチップレートのN倍の周波数で
    抽出される前記ベースバンドデジタル信号のサンプルの
    一部を用いて逆拡散を行うことを特徴とした請求項1記
    載のスペクトル拡散信号に対する相関処理の同期追従回
    路。
  3. 【請求項3】 前記第1の相関器および第2の相関器
    は、それぞれ逆拡散を行い得た値の所定期間の積分値と
    してその相関値を出力することを特徴とした請求項1又
    は2記載のスペクトル拡散信号に対する相関処理の同期
    追従回路。
  4. 【請求項4】 前記第1の相関器および前記第2の相関
    器それぞれにおいて、積分値を求める前記所定期間をシ
    ンボル周期の整数倍の期間としたことを特徴とする請求
    項3記載のスペクトル拡散信号に対する相関処理の同期
    追従回路。
  5. 【請求項5】 前記ループフィルタは、 前記比較器からの出力信号を相関値の積分値を求める前
    記所定期間ごとにカウントするアップ・ダウンカウント
    部と、 該アップ・ダウンカウント部から出力されるカウント値
    を基にしてチップクロックの位相の制御動作信号を生成
    する位相制御部とを備えたことを特徴とする請求項3又
    は4記載のスペクトル拡散信号に対する相関処理の同期
    追従回路。
  6. 【請求項6】 前記ループフィルタのチップクロックの
    位相の制御動作信号を生成する位相制御部において、設
    定すべきカウント値を受信信号のC/N値により可変に
    したことを特徴とする請求項5記載のスペクトル拡散信
    号に対する相関処理の同期追従回路。
  7. 【請求項7】 前記ループフィルタのチップクロックの
    位相の制御動作信号を生成する位相制御部において、設
    定すべきカウント値を8から32の範囲としたことを特
    徴とする請求項5又は6記載のスペクトル拡散信号に対
    する相関処理の同期追従回路。
  8. 【請求項8】 前記Nを4〜8とし、 前記ループフィルタのチップクロックの位相の制御動作
    信号を生成する位相制御部において、チップクロックの
    位相の調整量を1/4チップ〜1/8チップの整数倍と
    したチップクロックの位相の制御動作信号を生成するこ
    とを特徴とした請求項1ないし7のいずれか1記載のス
    ペクトル拡散信号に対する相関処理の同期追従回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100392260B1 (ko) * 2000-01-27 2003-07-22 한국전자통신연구원 부분 상관기를 이용한 비동기 아이엠티2000용 동기 획득 장치
WO2004006480A1 (fr) * 2002-07-03 2004-01-15 Linkair Communications,Inc. Procede et appareil de reperage continu de codes d'etalement de spectre en mode cdma

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