JPH11233237A - 加熱体、加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

加熱体、加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置

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JPH11233237A
JPH11233237A JP5443998A JP5443998A JPH11233237A JP H11233237 A JPH11233237 A JP H11233237A JP 5443998 A JP5443998 A JP 5443998A JP 5443998 A JP5443998 A JP 5443998A JP H11233237 A JPH11233237 A JP H11233237A
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JP
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heating element
heating
heated
insulating base
image
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JP5443998A
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English (en)
Inventor
Eishin Suzuki
英信 鈴木
Atsushi Wada
厚志 和田
Shunichi Masuda
俊一 増田
Takashi Soya
隆志 征矢
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セラミックヒーター等の加熱体や該加熱体を
用いた加熱装置、該加熱装置を具備させた画像形成装置
について、非通紙部昇温を抑えることが可能であり、ホ
ットオフセット防止や加熱体ホルダーの溶けを防止する
事を可能にすること、像加熱装置にあっては定着性を更
に向上させること、加熱体の絶縁基材の幅を大きくする
ことなしに安全規格を満足させてコストダウンを可能に
する。 【解決手段】 固定支持され、移動する被加熱材を加熱
する加熱体であり、窒化アルミニウムの絶縁基材1a
と、該基材の一方面側に具備させた、通電により発熱す
る抵抗発熱体1d・1eと温度検出部材1jを基本構成
体とし、基材の抵抗発熱体と温度検出部材を具備する面
とは反対側の面を被加熱材に熱エネルギーを付与する面
とし、抵抗発熱体の一部あるいは全体部を絶縁部材でオ
ーバーコート1m・1nし、該絶縁部材の厚さを変化さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱体、加熱装
置、像加熱装置、及び画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電子写真複写機、プリンタ、フ
ァクシミリ等の画像形成装置の画像加熱定着装置、即ち
電子写真、静電記録、磁気記録等の適宜の画像形成プロ
セス手段により加熱定着性の顕画剤(トナー)を用いて
被記録材(転写材シート、印刷紙、エレクトロファック
スシート、静電記録シートなど)の面に間接(転写)方
式もしくは直接方式で形成担持させた、目的の画像情報
に対応した未定着顕画剤像を被記録材面に加熱定着させ
るための加熱装置としては、従来一般に、熱ローラー方
式の装置が多用されていた。
【0003】この熱ローラー方式の加熱装置は、ハロゲ
ンヒーター等の内蔵熱源により所定の加熱温度に維持さ
せた加熱ローラー(定着ローラー)と、これに圧接させ
た弾性加圧ローラーとの圧接ニップ部(定着ニップ部)
に被記録材を導入して挟持搬送させることで加熱ローラ
ーの熱で被記録材面の未定着顕画剤像を加熱定着させる
ものである。
【0004】しかしこの熱ローラー方式の画像加熱定着
装置としての加熱装置は、いつでもすぐに画像出力がな
されるようにするために加熱ローラーの温度を常時高温
に維持しておかなければならず、そのために消費エネル
ギーが大きく、また待機中も機内に熱を放出するため機
内昇温の問題も発生していた。また電源を投入してから
加熱ローラーが被加熱材としての被記録材を加熱するの
に適した所定温度に昇温するまでにかなりの待ち時間を
要する。
【0005】最近では、フィルム加熱方式の加熱装置が
提案され、実用化されている(特開昭63−31318
2号公報、特開平1−263679号公報、同2−15
7878号公報、同4−44075〜44083号公
報、同4−204980〜204984号公報等)。
【0006】この加熱装置は、被加熱材を加熱体に耐熱
フィルムを介して密着させ、加熱体と耐熱フィルムとを
相対移動させて加熱体の熱を耐熱フィルムを介して被加
熱材へ与える方式および構成のものであり、未定着トナ
ー画像を該画像を担持している被記録材面に永久固着画
像として加熱定着処理する手段として活用できる。
【0007】また、例えば、画像を担持した被記録材を
加熱して艶などの表面性を改質する装置、仮定着処理す
る装置、その他、シート状の被加熱材を加熱処理する手
段として広く使用できる。
【0008】このようなフィルム加熱方式の加熱装置
は、昇温の速い低熱容量の加熱体や薄膜のフィルムを用
いることができるために短時間に加熱体の温度が上昇
し、待機中に加熱体の通電加熱を行なう必要がなくな
り、被加熱材としての被記録材をすぐに通紙しても該被
記録材が定着部位に到達するまでに加熱体を所定温度ま
で十分に昇温させることができ、省電力化やウエイトタ
イムの短縮化(クイックスタート性)が可能となる、画
像形成装置等の本機の機内昇温を低めることができる等
の利点を有し、効果的なものである。
【0009】図8にフィルム加熱方式の加熱装置(像加
熱装置、画像加熱定着装置)の要部の横断面模型図を示
した。
【0010】11は加熱体としてのセラミックヒーター
であり、加熱体ホルダー(ステー)2に下向きに固定支
持させてある。
【0011】3は耐熱性のフィルム(定着フィルム)で
ある。例えば、厚さ40μm〜100μm程度のポリイ
ミド等の耐熱性フィルムである。
【0012】4はこのフィルム3を挟んで加熱体11の
下向き面とニップ部N(加熱ニップ部、定着ニップ部)
を形成する加圧部材としての弾性加圧ローラーである。
【0013】而して、フィルム3を加熱体11の下向き
面に加圧ローラー4で密着させて矢印方向aに摺動搬送
させ、ニップ部Nのフィルム3と加圧ローラー4との間
に被加熱材としての画像定着すべき紙等の被記録材Pを
導入してフィルム3と一緒にニップ部Nを挟持搬送させ
ることにより加熱体11の熱をフィルム3を介して被記
録材に付与して被記録材上の未定着顕画像(トナー画
像)tを被記録材面に加熱定着させるものである。ニッ
プ部Nを通った被記録材部分はフィルム3の面から順次
に曲率分離して搬送される。
【0014】加熱体としてのセラミックヒーター11
は、 a.フィルム3若しくは被加熱材としての被記録材Pの
ニップ部Nにおける移動方向aに対して直交する方向
(図面に垂直方向)を長手とする横長・薄肉で、耐熱性
・低熱容量・良熱伝導性・電気絶縁性の加熱体基材(以
下、絶縁基材と記す)11a b.絶縁基材11aの表面側に基材長手に沿って細帯状
に形成具備させた、通電により発熱する抵抗発熱体11
b c.抵抗発熱体11bを形成具備させた基材表面側をオ
ーバーコートさせた耐熱性・絶縁性の表面保護層11c d.絶縁基材11aの裏面側に設けた温度検出部材(検
温素子)11d等からなる、全体に低熱容量の線状加熱
体である。
【0015】絶縁基材11aは、例えば、長さ240m
m、幅10mm、厚さ1mmアルミナ(酸化アルミニウ
ム、Al23 )からなるセラミック材基材である。
【0016】抵抗発熱体11bは、例えば、銀パラジウ
ム(Ag/Pb)、Ta2 N等の電気抵抗材料ペースト
(抵抗ペースト)を例えば厚み10μm、幅1〜3mm
の細帯状に絶縁基材面長手に沿ってスクリーン印刷等に
より塗工し焼成することで形成したものである。
【0017】表面保護層11cは、例えば、厚さ10μ
m程度のガラスコート層である。
【0018】温度検出部材11dは、例えば、チップ型
サーミスタである。
【0019】この加熱体11を、抵抗発熱体11b・表
面保護層11cを形成具備させた絶縁基材表面側を下向
きに露呈させて剛性・断熱性を有する加熱体ホルダー2
に保持させて固定配設してある。
【0020】加熱体11は、抵抗発熱体11bに対する
給電により該抵抗発熱体11bが長手全長にわたって発
熱することで迅速に昇温し、その昇温が温度検出部材1
1dで検知され、その検知温度情報が温度制御回路(不
図示)に入力して、加熱体の温度が所定の温度に維持
(温調)されるように抵抗発熱体11bへの通電が制御
される。
【0021】被記録材Pにトナーtを定着するために
は、ニップ部Nを被記録材Pが通過する間にトナーtが
被記録材に定着するために必要な熱エネルギーを与えれ
ばよく、そのためにはニップ部N内の温度を所要一定に
保てばよい。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】上述例のような加熱装
置においては、該装置に小サイズ被記録材を連続通紙し
て定着処理を実行させたとき、小サイズ通紙部領域に対
応する加熱体部分(定着ニップ部分)の温度に対して非
通紙部領域に対応する加熱体部分(定着ニップ部分)の
温度が上昇していく、いわゆる「非通紙部昇温現象」が
発生する。
【0023】この非通紙部昇温現象を具体例を挙げて説
明する。装置をプロセススピードが24mm/sec、
動作環境は23℃/50%、入力電圧は106Vという
状態のもとで動作させる。一般的には、普通紙とショー
トメディア(B5サイズよりも幅が小さい紙)のスルー
プット(一分間に出力する紙の枚数)を落としている
が、本例装置の制御においてはこのような制御は行って
いない。
【0024】いま、装置を朝一状態にしてからCOM1
0封筒という紙種を5枚連続通紙させる。この時の加熱
体の温度制御値と加圧ローラーの温度を図9に示す。
【0025】図9を見てわかるように、通紙部と非通紙
部の温度差が徐々に大きくなってきているのがわかる。
この現象は、通紙部では通紙している紙によって加熱体
自体の温度が一定に保たれている一方、非通紙部におい
ては紙に加熱体の熱量が奪われないため一方的に加圧ロ
ーラーを暖めてしまい温度が必要以上に上昇するためで
ある。
【0026】この原因として、加圧ローラー表層に覆わ
れているゴムや、加熱体を基材11aとしてアルミナ
(Al23 :熱伝導率0.046cal/cmsK)を使用し
ていること、さらに安全規格を満足させるために加熱体
の表層を覆っているガラスコート(熱伝導率、約0.0
15cal/cmsK)11cがあるため、局部的に温度上昇し
た熱量が横への方向に発散しないためである。
【0027】アルミナ基材はその表裏で温度差が生じて
しまうため、抵抗発熱体はアルミナ基材の被加熱材加熱
側面に形成具備させ、さらにその抵抗発熱体を保護し安
全規格を満足させるために抵抗発熱体を形成具備させた
側のアルミナ基材面即ち被加熱材加熱側面に耐熱性・電
気絶縁性の表面保護層としてのガラスコート層11cを
設けている。
【0028】このように、色々な原因によって定着装置
自体を局部的に加熱体の温度が上昇してしまうわけだ
が、ここでは加熱体の絶縁基材が、従来のようにアルミ
ナだけであると非通紙部における局部的な温度上昇を抑
える事ができなかった。
【0029】従来の構成の加熱装置では加熱体の絶縁基
材としてアルミナを使用した場合は、上述のように該ア
ルミナ基材のニップ部面側(被加熱材加熱側面)に抵抗
発熱体を形成し抵抗発熱体上にガラスコートを行ってい
た。このように、絶縁基材としてアルミナを上記の様に
使用しただけでは非通紙部に発生した局部的な熱を緩和
させる事が難しくなる。このため、COM10等のショ
ートメディアを通紙し、非通紙部昇温のひどくなった状
態の直後に普通サイズの紙を通紙した場合には非通紙部
においてホットオフセットや加熱体ホルダーの熔けな
ど、画像に不都合な状態が発生してしまう。
【0030】そこで本発明は、この種の加熱体や該加熱
体を用いた加熱装置、該加熱装置を具備させた画像形成
装置について、局所的な温度上昇(非通紙部昇温)を抑
えることが可能であり、加圧ローラーや加熱体の温度を
均一にすることで、ホットオフセット防止や加熱体ホル
ダーの溶けを防止する事を可能にすること、像加熱装置
にあっては定着性を更に向上させること、加熱体の絶縁
基材の幅を大きくすることなしに安全規格を満足させて
コストダウンを可能にすること等を目的とする。
【0031】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、加熱体、加熱装置、像加熱装置、及び画像形
成装置である。
【0032】(1)固定支持され、移動する被加熱材を
加熱する加熱体であり、絶縁基材と、該絶縁基材の一方
面側に具備させた、通電により発熱する抵抗発熱体を基
本構成体とし、絶縁基材が窒化アルミニウムであり、抵
抗発熱体を具備させた側と同じ側の絶縁基材面に温度検
出部材を具備し、絶縁基材の抵抗発熱体と温度検出部材
を具備する面とは反対側の面を被加熱材に熱エネルギー
を付与する面とし、抵抗発熱体の一部あるいは全体部を
絶縁部材でオーバーコートし、該絶縁部材の厚さを変化
させる事を特徴とする加熱体。
【0033】(2)前記(1)に記載の加熱体におい
て、抵抗発熱体を温度検出部材より被加熱材移動方向上
流側に配置し、該抵抗発熱体への給電電極を、絶縁基材
の被加熱材移動方向に直交する方向の一方端側に配置
し、抵抗発熱体を往復パターンで形成する事を特徴とす
る加熱体。
【0034】(3)前記(1)に記載の加熱体におい
て、抵抗発熱体を温度検出部材より被加熱材移動方向上
流側に配置し、該抵抗発熱体への給電電極を、絶縁基材
の被加熱材移動方向に直交する方向の一方端側と他方端
側の両方に配置し、抵抗発熱体を一方向パターンで形成
する事を特徴とする加熱体。
【0035】(4)前記(1)ないし(3)の何れか1
つに記載の加熱体において、被加熱材が加熱処理或いは
熱定着すべき画像を担持した被記録材である事を特徴と
する加熱体。
【0036】(5)固定支持され、移動する被加熱材を
加熱する加熱体として、前記(1)ないし(3)の何れ
か1つに記載の加熱体を有する事を特徴とする加熱装
置。
【0037】(6)前記(5)に記載の加熱装置におい
て、加熱体と相互圧接して被加熱材の加熱ニップ部を形
成する加圧部材を有する事を特徴とする加熱装置。
【0038】(7)固定支持された加熱体と、一方の面
がこの加熱体と摺動し他方の面が被加熱材と接し共に移
動するフィルムと、を有し、該フィルムを介した加熱体
からの熱により被加熱材を加熱する加熱装置において、
前記加熱体は、絶縁基材と、該絶縁基材の一方面側に具
備させた、通電により発熱する抵抗発熱体を基本構成体
とし、絶縁基材が窒化アルミニウムであり、抵抗発熱体
を具備させた側と同じ側の絶縁基材面に温度検出部材を
具備し、絶縁基材の抵抗発熱体と温度検出部材を具備す
る面とは反対側の面をフィルムを介して被加熱材に熱エ
ネルギーを付与する面とし、抵抗発熱体の一部あるいは
全体部を絶縁部材でオーバーコートし、該絶縁部材の厚
さを変化させる事を特徴とする加熱装置。
【0039】(8)前記(7)に記載の加熱装置におい
て、加熱体の抵抗発熱体を温度検出部材より被加熱材移
動方向上流側に配置し、該抵抗発熱体への給電電極を、
絶縁基材の被加熱材移動方向に直交する方向の一方端側
に配置し、抵抗発熱体を往復パターンで形成する事を特
徴とする加熱装置。
【0040】(9)前記(7)に記載の加熱装置におい
て、加熱体の抵抗発熱体を温度検出部材より被加熱材移
動方向上流側に配置し、該抵抗発熱体への給電電極を、
絶縁基材の被加熱材移動方向に直交する方向の一方端側
と他方端側の両方に配置し、抵抗発熱体を一方向パター
ンで形成する事を特徴とする加熱装置。
【0041】(10)前記(7)ないし(9)の何れか
1つに記載の加熱装置において、フィルムを介して加熱
体と相互圧接して被加熱材の加熱ニップ部を形成する加
圧部材を有する事を特徴とする加熱装置。
【0042】(11)前記(5)ないし(10)の何れ
か1つに記載の加熱装置において、被加熱材が加熱処理
或いは熱定着すべき画像を担持した被記録材である事を
特徴とする加熱装置。
【0043】(12)被記録材上の画像を加熱処理或い
は熱定着する像加熱装置であり、画像加熱手段が、前記
(1)ないし(4)の何れか1つに記載の加熱体、もし
くは(5)ないし(11)の何れか1つに記載の加熱装
置であること事を特徴とする像加熱装置。
【0044】(13)前記(1)ないし(4)の何れか
1つに記載の加熱体、もしくは(5)ないし(11)の
何れか1つに記載の加熱装置を被記録材上の画像を加熱
処理或いは熱定着する像加熱手段として有することを特
徴とする画像形成装置。
【0045】〈作 用〉 1)加熱体の絶縁基材として使用した窒化アルミニウム
の熱伝導率は0.406cal/cmsKであり、アルミナの熱
伝導率0.046cal/cmsKよりも10倍程熱伝導率がよ
く、面方向及び厚さ方向への熱移動が迅速になされるた
め、抵抗発熱体を該絶縁基材の被加熱材加熱面側である
表面側とは反対面の裏面側に具備させても、抵抗発熱体
の発熱は迅速に絶縁基材表面側に伝達されて絶縁基材の
厚さ方向である表裏面での温度差は実質的に生じない。
【0046】そのため、抵抗発熱体を絶縁基材裏面側に
設けて、被加熱材加熱面側である絶縁基材表面側には熱
伝達バリヤーとなるガラスコート等の表面保護層を設け
る必要性をなくすことが可能になる。また絶縁基材の面
方向である長手に沿う温度分布ムラも少なくなる。
【0047】したがって、窒化アルミニウムを絶縁基材
として使用した加熱体はアルミナを絶縁基材として使用
した加熱体よりも熱伝導がはるかに良いために非通紙部
昇温現象が大幅に緩和される。
【0048】2)抵抗発熱体を含む所謂ACライン(一
次側ライン、電路)と温度検出部材を含む所謂DCライ
ン(二次側ライン、電路)とが加熱体の絶縁基材の同じ
面(絶縁基材の被加熱材加熱面側とは反対側面)に混在
することになるが、抵抗発熱体にはその一部あるいは全
体部を絶縁部材でオーバーコートし、さらに該絶縁部材
の厚さは要所部は他部より厚くするように変化させる事
で、絶縁基材の幅を大きくしなくとも安全規格を満足さ
せることができ、また温度検出部材の実装面積を広くで
きるので絶縁基材の幅を大きくする必要がなく、コスト
ダウンが図れる。またACラインとDCラインに対する
コネクタ構成が、ACライン側とDCライン側が独立す
るので、容易になる。
【0049】3)したがって、フィルム加熱方式等の加
熱装置において、非通紙部領域の加熱体部分や加圧部材
部分の異常昇温(非通紙部昇温)を軽減させて、画像加
熱定着装置にあっては画像のオフセット、定着溶融ム
ラ、加熱体ホルダーの溶け等の問題を解決すること、さ
らには異常な熱応力の発生による加熱体割れを生じさせ
ることなく、しかも定着性を良好に保持することができ
るようになる。
【0050】
【発明の実施の形態】〈実施例1〉(図1〜図4) 図1は本発明に従う加熱装置の一例の概略構成図、図2
は要部の拡大横断面模型図、図3は加熱体の裏面側の平
面模型図である。
【0051】本実施例の加熱装置は加圧ローラー駆動タ
イプのフィルム加熱方式の画像加熱定着装置である。
【0052】(1)装置の全体的な概略構成 図1・図2において、10は加熱装置の総括符号、1は
加熱体としての横長のセラミックヒーター、2は横断面
略半円弧状樋型の加熱体ホルダー(フィルムガイド、ス
テー)、3は円筒状の耐熱性フィルム(定着フィル
ム)、4は加圧部材としての弾性加圧ローラーである。
【0053】加熱体ホルダー2は、耐熱性、電気絶縁性
で、高い加重に耐えられる剛性材料、例えばPPS(ポ
リフェニレンサルファイド)、PAI(ポリアミドイミ
ド)、PI(ポリイミド)、PEEK(ポリエーテルエ
ーテルケトン)等で構成され、加熱体1はこの加熱体ホ
ルダー2の下面の略中央部にホルダー長手に沿って設け
た溝部2a内に嵌入させて固定支持させてある。
【0054】円筒状のフィルム3は、例えば、厚さ40
μm〜100μm程度の耐熱性のフィルムである。例え
ば、ポリイミドなどの基材フィルム上にPFAやPTF
E等の離型性の耐熱樹脂を被覆したフィルムであり、上
記のように加熱体1を支持させた加熱体ホルダー2にル
ーズに外嵌させてある。
【0055】弾性加圧ローラー4は、芯金4aと、該芯
金に同心一体に設けた、シリコーンゴム等の弾性・耐熱
性材料のローラー層4bからなり、芯金4aの両端部を
それぞれ加熱装置の手前側と奥側のシャーシ側板間に軸
受を介して回転自由に支持させてある。
【0056】そして加熱体1を下面に固定支持させ、円
筒状フィルム3を外嵌させた加熱体ホルダー2を加圧ロ
ーラー4の上側に加熱体1の部分を加圧ローラー4の上
面に対向させて位置させ、加熱体ホルダー2を不図示加
圧手段にて加圧ローラー4の上面に対して所定の押圧力
をもって圧接させた状態に保持させる。これにより加熱
体1の下面と加圧ローラー4の上面との間にフィルム3
を挟んで所定幅の定着ニップ部Nが形成される。
【0057】加圧ローラー4は駆動手段Mにより矢印の
時計方向に回転駆動される。この加圧ローラー4の回転
駆動による該ローラー4の外面とフィルム3の外面と
の、ニップ部Nにおける圧接摩擦力で円筒状フィルム3
に回転力が作用して、該フィルム3がその内面がニップ
部Nにおいて加熱体1の下面に密着して摺動しながら矢
印の反時計方向aに加圧ローラー4の回転周速度に略対
応した周速度をもって加熱体ホルダー2の外回りを回転
状態になる(加圧ローラー駆動方式)。
【0058】加熱体ホルダー2は加熱体1を保持すると
ともにフィルム3の回転時の搬送安定性を図るフィルム
ガイドの役目もしている。
【0059】また、フィルム3の内面と加熱体1の表面
との摺動抵抗を低減するために両者の間に耐熱性グリー
ス等の潤滑剤を少量介在させることもできる。
【0060】而して、加圧ローラー4が回転駆動され、
それに伴って円筒状フィルム3が加熱体ホルダー2の外
回りを回転し、加熱体1に通電がなされて該加熱体1の
発熱でニップ部Nの温度が所定に立ち上って温調された
状態において、ニップ部Nに未定着トナー像tを担持し
た被加熱材としての紙等の被記録材Pが導入され、ニッ
プ部Nにおいて被記録材Pのトナー像担持面側がフィル
ム3の外面に密着してフィルム3と一緒にニップ部Nを
挟持搬送されていく。本実施例においては被記録材Pは
中央基準で搬送通紙される。
【0061】この挟持搬送過程において、加熱体1の熱
がフィルム3を介して被記録材Pに付与され、被記録材
P上の未定着トナー像tが加熱加圧定着される。
【0062】被記録材Pはニップ部Nを通過するとフィ
ルム3の外面から曲率分離して搬送される。
【0063】(2)加熱体1の構成(主として図3) 本実施例における加熱体1は、絶縁基材(加熱体基材)
1aとしての長さ240mm・幅7mm・厚さ0.7m
mの窒化アルミニウム(AlN)を使用したセラミック
ヒーターであり、図2・図3のように、該絶縁基材1a
の一方面側(基材裏面側)に抵抗発熱体(発熱抵抗体)
1d・1eおよび温度検出部材1jを具備させ、該絶縁
基材1aの上記抵抗発熱体および温度検出部材を具備さ
せた面とは反対側の面(基材表面側)を被加熱材3・P
に熱エネルギーを付与する面としてある。
【0064】本例において抵抗発熱体1d・1eは絶縁
基材1aの裏面長手に沿わせた並行2条の直線往復パタ
ーンとして形成具備させてある。抵抗発熱体1dを往路
パターン、抵抗発熱体1bを復路パターンとしてしたと
き、両者の折り返し部は電気的に導通させてる。
【0065】1b・1gはそれぞれ基材裏面側の長手一
端部側に並設した第1と第2の電極パターンであり、抵
抗発熱体往路パターン1dの自由端部は導体パターン1
cを介して第1の電極パターン1bと導通させてあり、
抵抗発熱体復路パターン1eの自由端部は導体パターン
1fを介して第2の電極パターン1gと導通させてあ
る。
【0066】これにより、第1の電極パターン1b→導
体パターン1c→抵抗発熱体往路パターン1d→抵抗発
熱体復路パターン1e→導体パターン1f→第2の電極
パターン1gの直列電路(ACライン、一次側ライン)
が構成される。
【0067】往復パターンの抵抗発熱体1d・1eは、
本実施例では銀パラジウムペーストを厚み15μm・幅
1mmの細帯状往復パターンにスクリーン印刷により絶
縁基材裏面に塗工し、焼成して形成したものである。往
復パターンの抵抗発熱体1d・1eの有効長さ範囲(=
最大通紙幅)は216mmとした。
【0068】第1・第2の電極パターン1b・1g、導
体パターン1c・1fは、銀(Ag)ペーストを基材裏
面側の所定の位置に所定のパターンでスクリーン印刷に
より塗工し、焼成することで形成してある。
【0069】温度検出部材1jは本実施例ではチップ型
サーミスタを使用しており、これを加熱体の絶縁基材1
aの裏面側の基材長手略中央部位置に配設してある。1
h・1lはそれぞれ基材裏面側の長手他端部側(第1と
第2の電極パターン1b・1gを具備させた側とは反対
の端部側)に並設した第3と第4の電極パターンであ
り、第3の電極パターン1hとチップ型サーミスタ1j
の一方の電極部とを導体パターン1iで導通させてあ
り、第4の電極パターン1hとチップ型サーミスタ1j
の他方の電極部とを導体パターン1kで導通させてあ
る。
【0070】これにより、第3の電極パターン1h→導
体パターン1i→サーミスタ1j→導体パターン1k→
第4の電極パターン1lの直列電路(DCライン、二次
側ライン)が構成される。
【0071】導体パターン1i・1kは本実施例では銀
パラジウムペーストを厚み15μm・幅0.7mmの細
帯状並行パターンにスクリーン印刷により絶縁基材裏面
に塗工し、焼成して形成したものである。第3・第4の
電極パターン1h・1lは銀ペーストを基材裏面側の所
定の位置に所定のパターンでスクリーン印刷により塗工
し、焼成することで形成してある。
【0072】温度検出部材1jとしてのサーミスタは、
コバルト、マンガン、ニッケル、ルテニウムといったも
のの合金や酸化物、白金あるいはチタン酸バリウム等の
セラミックといったものの粒子をガラスペースト材と混
合し、基板裏面上にスクリーン印刷して形成した薄層タ
イプのものとすることもできる。
【0073】また本実施例においては、上記DCライン
側のチップ型サーミスタ1j、導体パターン1i・1k
と、これに近接しているACライン側の抵抗発熱体パタ
ーン部分との空間距離、或いは沿面距離が安全規格上満
足できるように、DCライン側のチップ型サーミスタ1
j、導体パターン1i・1kに近接しているACライン
側の抵抗発熱体パターン1d・1eの一部分に絶縁部材
としてのガラスコート1m・1nを施している。
【0074】.より詳しくは、DCライン側のチップ
型サーミスタ1j及び導体パターン1i・1kと、AC
ラインの抵抗発熱体パターン1d・1eとの空間距離、
或いは沿面距離が2.5mm未満のエリアにおける抵抗
発熱体パターン1d・1e部分には、抵抗発熱体パター
ン1dと導体パターン1iとの最小距離を0.4mm以
上確保し、表面に厚さ0.4mm以上のガラスコート1
nを施して強化絶縁3.0KV耐圧が満足できるように
している。
【0075】.DCライン側のチップ型サーミスタ1
j及び導体パターン1i・1kと、ACラインの抵抗発
熱体パターン1d・1eとの空間距離、或いは沿面距離
が2.5mm以上5.0未満のエリアにおける抵抗発熱
体パターン1d・1e部分には表面に厚さ50μm以上
のガラスコート1mを施して基礎絶縁1.5KV耐圧が
満足できるようにしている。
【0076】.DCライン側のチップ型サーミスタ1
j及び導体パターン1i・1kと、ACラインの抵抗発
熱体パターン1d・1eとの空間距離、或いは沿面距離
が5.0mm以上のエリアにおける抵抗発熱体パターン
1d・1e部分にはガラスコートは施していない。
【0077】上記の加熱体1を、図2のように、抵抗発
熱体1b・1eおよび温度検出部材1jを具備させ基材
裏面側とは反対側の面である基材表面側を下向きにして
露呈させて加熱体ホルダー2の下面の略中央部にホルダ
ー長手に沿って設けた溝部2a内に嵌入させて固定支持
させてある。2bは加熱体ホルダー2の加熱体嵌入溝部
2aの底面に設けた座ぐり部であり、抵抗発熱体1b・
1eを設けた加熱体裏面側と加熱体ホルダー2の加熱体
嵌入溝部2aの底面との間に断熱のための空隙部を形成
している。
【0078】而して、加熱体1のACラインの第1と第
2の電極パターン1b・1gを有する加熱体一端部側に
は給電用コネクタ(不図示)が嵌着されて、商用電源5
・トライアック6等からなる給電回路からACラインの
第1と第2の電極パターン1b・1g間に給電されるこ
とで、抵抗発熱体パターン1d・1eが発熱して加熱体
1の所定の有効長さ領域が迅速に昇温する。
【0079】またDCラインの第3と第4の電極パター
ン1h・1lを有する加熱体他端部側には信号取り出し
コネクタ(不図示)が嵌着されて、DCラインの第3と
第4の電極パターン1h・1lと制御系のA/Dコンバ
ータ7とが接続され、加熱体の温度情報としてのサーミ
スタ電圧が取り出されてA/Dコンバータ7へ入力さ
れ、デジタルデータとしてCPU8へ取り込まれる。
【0080】CPU8はその入力デジタルデータを基に
加熱体温度を所定の一定温度に制御すべくトライアック
6を制御する。即ちACラインへの給電を制御する。
【0081】なお、図1〜図3および後述する図5にお
いて、加熱体等の各構成部材の縦・横・長さ・厚み等の
寸法比率は、便宜上誇張して作図してあり、実寸比率と
の対応において正確なものではない。
【0082】a)加熱体1の絶縁基材1aとして使用し
た窒化アルミニウムはアルミナよりも10倍程熱伝導率
がよく、面方向及び厚さ方向への熱移動が迅速になされ
るため、抵抗発熱体1d・1eを該絶縁基材1aの被加
熱材加熱面側である表面側とは反対面の裏面側に具備さ
せても、抵抗発熱体1d・1eの発熱は迅速に絶縁基材
表面側に伝達されて絶縁基材の厚さ方向である表裏面で
の温度差は実質的に生じない。そのため、抵抗発熱体1
d・1eを絶縁基材裏面側に設けて、被加熱材加熱面側
である絶縁基材表面側には熱伝達バリヤーとなるガラス
コート等の表面保護層を設ける必要性をなくすことが可
能になる。また絶縁基材の面方向である長手に沿う温度
分布差も少なくなる。
【0083】したがって、窒化アルミニウムを絶縁基材
1aとして使用した加熱体1はアルミナを絶縁基材とし
て使用した加熱体よりも熱伝導がはるかに良いために非
通紙部昇温現象が大幅に緩和される。図4に、窒化アル
ミニウムを絶縁基材として使用した加熱体の場合の加圧
ローラーの温度上昇状態を示す。測定条件等は前述図9
のアルミナを絶縁基材として使用した加熱体の場合と同
様である。窒化アルミニウムを絶縁基材として使用した
加熱体の場合はアルミナを絶縁基材として使用した加熱
体の場合に比べて非通紙部昇温がかなり抑えられてい
る。
【0084】2)抵抗発熱体パターン1d・1eを含む
ACラインと温度検出部材としてのサーミスタ1jを含
むDCラインとが加熱体1の絶縁基材1aの同じ裏面に
混在することになるが、抵抗発熱体パターン1d・1e
にはその所要部を絶縁部材1でオーバーコート1m・1
nし、さらに該絶縁部材の厚さは要所部1nは他部1m
より厚くするように変化させる事で、絶縁基材1aの幅
を大きくしなくとも安全規格を満足させることができ、
また温度検出部材としてのサーミスタ1jの実装面積を
広くできるので絶縁基材の幅を大きくする必要がなく、
コストダウンが図れる。またACラインとDCラインに
対するコネクタ構成が、ACライン側とDCライン側が
独立するので、容易になる。
【0085】加熱体基材として窒化アルミニウム基材を
用い裏面に抵抗発熱体を印刷した加熱体を使用したフィ
ルム加熱方式のオンデマンド定着装置において、サーミ
スタを含むDCラインも抵抗発熱体を含むACラインと
同一の基材料裏面上に印刷した場合にも基材サイズを大
きくすることなく安全規格を満足させることができる。
【0086】したがって、フィルム加熱方式等の加熱装
置において、非通紙部領域の加熱体部分や加圧部材部分
の異常昇温(非通紙部昇温)を軽減させて、画像加熱定
着装置にあっては画像のオフセット、定着溶融ムラ、加
熱体ホルダーの溶け等の問題を解決すること、さらには
異常な熱応力の発生による加熱体割れを生じさせること
なく、しかも定着性を良好に保持することができるよう
になる。
【0087】〈実施例2〉(図5) 図5は本実施例における加熱体1の裏面側の平面模型図
である。
【0088】本実施例の加熱体1も、実施例1の加熱体
1と同様に、窒化アルミニウムを絶縁基材1aとして使
用した加熱体であり、該絶縁基材1aの一方面側(基材
裏面側)に抵抗発熱体1dおよび温度検出部材1jを具
備させ、該絶縁基材1aの上記抵抗発熱体および温度検
出部材を具備させた面とは反対側の面(基材表面側)を
被加熱材3・Pに熱エネルギーを付与する面としてあ
る。
【0089】実施例1の加熱体1と異なる点は、本実施
例における加熱体1においては、図5のように、ACラ
インの第1と第2の電極パターン1bと1gを基材裏面
側の長手一端部側と他端部側と分けて具備させ、この両
電極パターン1b・1c間に導体パターン1cと1fを
介して抵抗発熱体1dを直線一方向パターンの細帯状形
態で形成具備させてある。
【0090】また、DCラインの第3と第4の電極パタ
ーン1hと1lも基材裏面側の長手一端部側と他端部側
と分けて具備させ、温度検出部材としてのサーミスタ1
jを絶縁基材1aの裏面側の基材長手略中央部位置に配
設し、第3の電極パターン1hとサーミスタ1jの一方
の電極部とを導体パターン1iで導通させてあり、第4
の電極パターン1lとサーミスタ1jの他方の電極部と
を導体パターン1kで導通させてある。
【0091】.そして、DCライン側のチップ型サー
ミスタ1j及び導体パターン1i・1kと、ACライン
の抵抗発熱体パターン1d・1eとの空間距離、或いは
沿面距離が2.5mm未満のエリアにおける抵抗発熱体
パターン1d部分には、抵抗発熱体パターン1dと導体
パターン1i・1kとの最小距離を0.4mm以上確保
し、表面に厚さ0.4mm以上のガラスコート1nを施
して強化絶縁3.0KV耐圧が満足できるようにしてい
る。
【0092】.DCライン側のチップ型サーミスタ1
j及び導体パターン1i・1kと、ACラインの抵抗発
熱体パターン1dとの空間距離、或いは沿面距離が2.
5mm以上5.0未満のエリアにおける抵抗発熱体パタ
ーン1d部分には表面に厚さ50μm以上のガラスコー
ト1mを施して基礎絶縁1.5KV耐圧が満足できるよ
うにしている。
【0093】.DCライン側のチップ型サーミスタ1
j及び導体パターン1i・1kと、ACラインの抵抗発
熱体パターン1dとの空間距離、或いは沿面距離が5.
0mm以上のエリアにおける抵抗発熱体パターン1d部
分にはガラスコートは施さない。
【0094】かくして、本実施例の場合も、前記実施例
1の場合のa)およびb)と同様の作用効果がある。
【0095】〈実施例3〉(図6) 図6の(a)・(b)・(c)はそれぞれフィルム加熱
方式の加熱装置の他の構成形態例を示したものである。
【0096】(a)のものは、加熱体(セラミックヒー
ター)1と駆動ローラー21と従動ローラー(テンショ
ンローラー)22との3部材間にエンドレスベルト状の
耐熱性フィルム3を懸回張設して駆動ローラー21によ
りフィルム3を回転駆動する構成のものである。Mは駆
動ローラー21の駆動手段である。加圧ローラー4はフ
ィルム3の回転移動に伴い従動回転する。
【0097】(b)のものは、加熱体1と駆動ローラー
5の2部材間にエンドレスベルト状の耐熱性フィルム3
を懸回張設して駆動ローラー5により回転駆動する構成
のものである。加圧ローラー4はフィルム3の回転移動
に伴い従動回転する。
【0098】(c)のものは、耐熱性フィルム3として
ロール巻きにした長尺の有端フィルムを用い、これに繰
り出し軸23側から加熱体1を経由させて巻き取り軸2
4側へ所定の速度で走行させる構成にしたものである。
Mは巻き取り軸24の駆動手段である。
【0099】〈実施例4〉(図7) 図7は、例えば実施例1の加熱装置を画像加熱定着装置
として具備させた画像形成装置の一例の概略構成図であ
る。本実施例の画像形成装置は転写式電子写真プロセス
利用のレーザービームプリンターである。
【0100】31は像担持体としての回転ドラム型の電
子写真感光体(以下、感光ドラムと記す)であり、矢印
の反時計方向に所定の周速度(プロセススピード)をも
って回転駆動される。
【0101】感光ドラム31はその回転過程において1
次帯電器32による所定の極性・電位VD (暗部電位)
の一様帯電処理を受け、その帯電処理面にレーザースキ
ャナー33による目的の画像情報に対応したレーザービ
ーム走査露光Lを受ける。これにより回転感光ドラム3
1面に目的の画像情報に対応した静電潜像が形成され
る。
【0102】レーザースキャナー33は不図示のホスト
コンピューター等の外部装置から送られた目的の画像情
報信号(時系列電気デジタル画素信号)に対応して強度
変調したレーザー光を出力し、このレーザー光で回転感
光ドラム31の一様帯電処理面を走査露光(ラスタ走
査)Lする。レーザー光の強度及び照射スポット径はプ
リンターの解像度及び所望の画像濃度によって適正に設
定されている。
【0103】回転感光ドラム31の一様帯電処理面のレ
ーザー光で照射された部分は電位減衰して明部電位VL
になり、そうでない部分は1次帯電器32で帯電された
暗部電位VD に保持されることによって静電潜像の形成
がなされる。
【0104】回転感光ドラム31面に形成された静電潜
像は現像器34によって順次現像される。現像器34内
のトナーtはトナー供給回転体である現像スリーブ34
aと現像ブレード34bとによって、トナー層厚さ、ト
リボを制御され、現像スリーブ34a上に均一なトナー
層を形成する。現像ブレード34bとしては通常金属製
若しくは樹脂製のものが用いられ、樹脂系のものは現像
スリーブ34aに対して適正な当接圧をもって接してい
る。現像スリーブ34a上に形成されたトナー層は現像
スリーブ34a自身の回転にともない感光ドラム31に
対向し、現像スリーブ34aに印加されている電圧Vdc
と感光ドラム31の表面電位が形成する電界により明部
電位VL の部分だけ選択的に顕像化する(反転現像)。
【0105】回転感光ドラム31面に形成されたトナー
像は、感光ドラム31と転写装置35との対向部である
転写部位において、該転写部位に対して所定の制御タイ
ミングにて給送された被記録材(転写材)Pに対して順
次に転写される。転写装置35としては図に示したコロ
ナ帯電器以外に、導電弾性回転体に電源から電流を供給
して被記録材に転写電荷を付与しながら搬送する転写ロ
ーラー方式等がある。
【0106】37はプリンター内の下部に装着した給紙
カセットであり、被記録材Pを積載収納させてある。こ
の給紙カセット37内の被記録材Pが給紙ローラー38
と分離爪部材39により1枚分離給送され、シートパス
40、レジストローラー対41、シートパス42の経路
で転写部位へ所定の制御タイミングにて給送される。
【0107】転写部位にてトナー像の転写を受けた被記
録材Pは回転感光ドラム31面から順次に分離されて、
像加熱装置としての定着装置10へ導入されてトナー像
の定着処理(加熱加圧による永久固定画像化)を受け、
シートパス43、排紙ローラー44を経由して排紙トレ
イ45に送り出される。
【0108】一方、被記録材分離後の回転感光ドラム3
1面はクリーニング装置36により転写残りトナー等の
付着残留物の除去を受けて清掃され、繰り返して作像に
供される。
【0109】〈その他〉 a)加熱体1の過熱保護手段として安全素子例えば温度
ヒューズやサーモスイッチを加熱体1のACラインに対
する給電路に直列に介入させ、これを加熱体に当接させ
てあるいは近接させて配設してもよい。
【0110】b)加圧部材はローラーでなくともよい。
例えばベルト部材にすることもできる。
【0111】c)被加熱材Pを片側搬送基準で搬送する
装置であってもよい。
【0112】d)本発明において、加熱装置はフィルム
加熱方式である必要はない。また加熱装置には、実施例
の加熱定着装置に限られず、画像を担持した被記録材を
加熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着
する像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加
熱ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手
段・装置が含まれる。
【0113】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、セ
ラミックヒーター等の加熱体や該加熱体を用いた加熱装
置、該加熱装置を具備させた画像形成装置について、局
所的な温度上昇(非通紙部昇温)を抑えることが可能で
あり、加圧ローラーや加熱体の温度を均一にすること
で、ホットオフセット防止や加熱体ホルダーの溶けを防
止する事を可能にすること、さらには異常な熱応力の発
生による加熱体割れを生じさせることなく、しかも像加
熱装置にあっては定着性を更に向上させること、加熱体
の絶縁基材の幅を大きくすることなしに安全規格を満足
させることができてコストダウンが可能となる等の効果
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるフィルム加熱方式加熱装置の
概略構成図
【図2】要部の拡大横断面模型図
【図3】加熱体の裏面側の模型図と通電系のブロック図
【図4】基材が窒化アルムニウムの加熱体の場合と、基
材がアルミナの加熱体の場合の加熱装置の非通紙部昇温
の度合いを示すグラフ
【図5】実施例2における加熱体の裏面側の模型図
【図6】(a)・(b)・(c)はそれぞれフィルム加
熱方式加熱装置の他の構成形態例の模型図
【図7】画像形成装置の一例の概略構成図
【図8】フィルム加熱方式加熱装置の要部の横断面模型
【図9】基材がアルミナの加熱体の場合の加熱装置の非
通紙部昇温の度合いを示すグラフ
【符号の説明】
1 加熱体 2 加熱体ホルダー 3 フィルム 4 加圧ローラー P 被記録材(被加熱材) N ニップ部 Na ニップ部外 1a 加熱体基材(絶縁基材) 1b・1f・1h・1l 第1〜第4の電極パターン 1d・1e 抵抗発熱体 1c・1f・1i・1k 導体パターン 1j 温度検出部材(サーミスタ) 1m・1n 絶縁部材(ガラスコート)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 征矢 隆志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定支持され、移動する被加熱材を加熱
    する加熱体であり、絶縁基材と、該絶縁基材の一方面側
    に具備させた、通電により発熱する抵抗発熱体を基本構
    成体とし、絶縁基材が窒化アルミニウムであり、抵抗発
    熱体を具備させた側と同じ側の絶縁基材面に温度検出部
    材を具備し、絶縁基材の抵抗発熱体と温度検出部材を具
    備する面とは反対側の面を被加熱材に熱エネルギーを付
    与する面とし、抵抗発熱体の一部あるいは全体部を絶縁
    部材でオーバーコートし、該絶縁部材の厚さを変化させ
    る事を特徴とする加熱体。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の加熱体において、抵抗
    発熱体を温度検出部材より被加熱材移動方向上流側に配
    置し、該抵抗発熱体への給電電極を、絶縁基材の被加熱
    材移動方向に直交する方向の一方端側に配置し、抵抗発
    熱体を往復パターンで形成する事を特徴とする加熱体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の加熱体において、抵抗
    発熱体を温度検出部材より被加熱材移動方向上流側に配
    置し、該抵抗発熱体への給電電極を、絶縁基材の被加熱
    材移動方向に直交する方向の一方端側と他方端側の両方
    に配置し、抵抗発熱体を一方向パターンで形成する事を
    特徴とする加熱体。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3の何れか1つに記載の
    加熱体において、被加熱材が加熱処理或いは熱定着すべ
    き画像を担持した被記録材である事を特徴とする加熱
    体。
  5. 【請求項5】 固定支持され、移動する被加熱材を加熱
    する加熱体として、請求項1ないし3の何れか1つに記
    載の加熱体を有する事を特徴とする加熱装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の加熱装置において、加
    熱体と相互圧接して被加熱材の加熱ニップ部を形成する
    加圧部材を有する事を特徴とする加熱装置。
  7. 【請求項7】 固定支持された加熱体と、一方の面がこ
    の加熱体と摺動し他方の面が被加熱材と接し共に移動す
    るフィルムと、を有し、該フィルムを介した加熱体から
    の熱により被加熱材を加熱する加熱装置において、 前記加熱体は、絶縁基材と、該絶縁基材の一方面側に具
    備させた、通電により発熱する抵抗発熱体を基本構成体
    とし、絶縁基材が窒化アルミニウムであり、抵抗発熱体
    を具備させた側と同じ側の絶縁基材面に温度検出部材を
    具備し、絶縁基材の抵抗発熱体と温度検出部材を具備す
    る面とは反対側の面をフィルムを介して被加熱材に熱エ
    ネルギーを付与する面とし、抵抗発熱体の一部あるいは
    全体部を絶縁部材でオーバーコートし、該絶縁部材の厚
    さを変化させる事を特徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の加熱装置において、加
    熱体の抵抗発熱体を温度検出部材より被加熱材移動方向
    上流側に配置し、該抵抗発熱体への給電電極を、絶縁基
    材の被加熱材移動方向に直交する方向の一方端側に配置
    し、抵抗発熱体を往復パターンで形成する事を特徴とす
    る加熱装置。
  9. 【請求項9】 請求項7に記載の加熱装置において、加
    熱体の抵抗発熱体を温度検出部材より被加熱材移動方向
    上流側に配置し、該抵抗発熱体への給電電極を、絶縁基
    材の被加熱材移動方向に直交する方向の一方端側と他方
    端側の両方に配置し、抵抗発熱体を一方向パターンで形
    成する事を特徴とする加熱装置。
  10. 【請求項10】 請求項7ないし9の何れか1つに記載
    の加熱装置において、フィルムを介して加熱体と相互圧
    接して被加熱材の加熱ニップ部を形成する加圧部材を有
    する事を特徴とする加熱装置。
  11. 【請求項11】 請求項5ないし10の何れか1つに記
    載の加熱装置において、被加熱材が加熱処理或いは熱定
    着すべき画像を担持した被記録材である事を特徴とする
    加熱装置。
  12. 【請求項12】 被記録材上の画像を加熱処理或いは熱
    定着する像加熱装置であり、画像加熱手段が、請求項1
    ないし4の何れか1つに記載の加熱体、もしくは請求項
    5ないし11の何れか1つに記載の加熱装置であること
    事を特徴とする像加熱装置。
  13. 【請求項13】 請求項1ないし4の何れか1つに記載
    の加熱体、もしくは請求項5ないし11の何れか1つに
    記載の加熱装置を被記録材上の画像を加熱処理或いは熱
    定着する像加熱手段として有することを特徴とする画像
    形成装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020112701A (ja) * 2019-01-11 2020-07-27 東芝ライテック株式会社 ヒータおよび画像形成装置

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