JPH11230400A - 電磁比例弁の制御装置 - Google Patents

電磁比例弁の制御装置

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JPH11230400A
JPH11230400A JP3144298A JP3144298A JPH11230400A JP H11230400 A JPH11230400 A JP H11230400A JP 3144298 A JP3144298 A JP 3144298A JP 3144298 A JP3144298 A JP 3144298A JP H11230400 A JPH11230400 A JP H11230400A
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JP3144298A
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Kiyotaka Ogawa
清孝 小川
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KYB Corp
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Kayaba Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コイル電流にディザ電流を重畳してスプール
の固着を防止する電磁比例弁の制御回路において、コイ
ル電流が小さな領域においても、電流指令信号とコイル
電流の間の線形性が正しく維持されるものを提供する。 【解決手段】 制御回路に入力される指令入力信号に、
加算器3において、ディザ補正回路5からのディザ補正
信号を差し引くとともに、ディザ信号発生回路4からの
ディザ信号を加え、この加算器3の出力信号とコイル6
から電流検出回路を介してフィードバックして来るフィ
ードバック信号との偏差をPWM変換回路9に入力し、
このPWM変換回路9により駆動回路11を制御してコ
イル6に通電する。また、ディザ補正回路5は、ディザ
信号の振央レベルを検出する振央レベル検出回路12
と、この振央レベルを指令入力信号から差し引く減算器
13と、この減算器13の出力の正の部分をゼロにした
ディザ補正信号を出力する検波回路14から構成され
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁比例弁のソレ
ノイドのコイル電流を指令入力信号にしたがって制御す
る制御回路に関し、特に、コイル電流が小さなときでも
指令入力信号とコイル電流との間の線形関係を維持し得
るような改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、電磁比例弁においては、スプ
ールの固着を防止し、ヒステリシス特性の改善を図るた
めに、比例ソレノイドのコイル電流に微小な交流電流
(ディザ電流)を重ね合わせ、スプールが微小振動をし
続けるようにする制御(ディザ制御)が行われている。
【0003】また、電磁比例弁においては、コイル電流
の制御にパルス幅変調制御(PWM制御)が用いられる
ことがある。この場合、PWM制御されたコイル電流
は、ディザ制御されたコイル電流と同じように脈流とな
る。そこで、従来から、このPWM制御による交流分
に、上述のディザ電流の働きを持たせ、制御回路の簡略
化を図ったものが知られている。
【0004】図10には、このような電磁比例弁の制御
回路を示す。また、図11には、この回路上の各点a〜
dにおける信号波形を示す。
【0005】図示されるように、制御回路は、電磁比例
弁のソレノイドコイル101への通電量を制御するもの
で、オペアンプ102のプラス端子には、通電目標値に
対応する電流指令信号(指令入力信号)が、また、この
オペアンプ102のマイナス端子には、平滑回路(ロー
パスフィルタ)103を介して、コイル101への通電
量に比例した電圧(電流検出抵抗104の端子電圧)の
直流分がフィードバックして入力される。これにより、
オペアンプ102からの出力(回路上の点aの電圧)
は、電流指令信号とフィードバック信号の偏差に比例し
た電流制御信号V11となる。
【0006】一方、PWM基本波発生回路106からの
出力(回路上の点bの電圧)は、三角波からなるPWM
基本波V12であり、電流制御信号V11とともに、コ
ンパレータ105に入力される。これにより、コンパレ
ータ105の出力(回路上の点cの電圧)は、図11の
上段と中段に示すように、電流制御信号V11、PWM
基本波V12の大小関係に応じて、ハイレベル出力Hと
ローレベル出力Lとなり、トランジスタ107をON/
OFFする。
【0007】このトランジスタ107は供給電源Vcc
とコイル101との間に備えられ、コイル101には、
トランジスタ107がONのときに供給電源Vccから
電流が流れ込む結果、図11の下段に示すようなコイル
電流I11が流れる。なお、ダイオード108は、コイ
ル101の逆起電力吸収用のダイオードである。
【0008】このようなコイル電流I11の平均値が制
御電流I12となるのであるが、この制御電流I12の
大きさは、以上説明してきたように、PWM信号V13
のパルス幅によって決まる。そして、このパルス幅は、
もともとPWM基本波V12に対する電流制御信号V1
1、すなわち電流指令信号とフィードバック信号の偏差
のレベルで決まるのであるので、結局、この制御回路で
は、制御電流I2が目標値に近づくように、PWM信号
V13がローレベルLである時間、すなわちソレノイド
101への通電時間が制御されるフィードバック制御
(PWM制御)が行われることになる。
【0009】また、この制御回路では、前述したように
PWM制御によるコイル電流の脈動分にディザ電流と同
等の効果を持たせるために、PWM基本波V12の周期
(PWM周期)を、ディザ制御のための周期(ディザ周
期)と一致させている。これにより、PWM周期で脈動
するコイル電流I11は、同時にディザ周期で脈動する
ものともなり、自動的にディザ制御が行われていること
になる。
【0010】しかしながら、このようにPWM制御によ
るコイル電流の脈動分にディザ電流の効果をも持たせる
回路では、ディザ電流は、供給電源電圧Vccの変動、
コイル101の温度上昇に伴うコイル電流I11の変
動、制御電流I12の大きさ等の影響を受けるので、安
定的なディザ制御を行うことはできない。また、PWM
周期とディザ周期とを一致させるため、PWM基本波V
12の周波数が低くなってしまい、制御回路の応答遅れ
が大きくなってしまう。
【0011】そこで、より精密な制御が要求されるよう
な場合には、PWM制御とは別に、コイル電流にディザ
信号を重畳する必要がある。
【0012】図12には、このような電磁比例弁の制御
回路を示す。また、図13には、このこの回路上の各点
a〜dにおける信号波形を示す。
【0013】図示されるように、この制御回路は、図1
0のPWM制御回路に、ディザ信号発生回路110と加
算器111を加えたもので、オペアンプ102のプラス
端子への入力信号V14(回路上の点eの電圧)は、図
13に示すように、ディザ信号発生回路110の出力
(回路上の点fの電圧)であるディザ信号vdを、電流
指令信号V0に重畳したものとなる。ここで、ディザ信
号vdは、図13に示すように、後述のPWM基本波V
16の周期よりも低い周期のディザ周期で振動する小振
幅の矩形波である。
【0014】この入力信号V14とフィードバック電圧
との偏差が、オペアンプ102から出力される電流制御
信号V15(回路上の点gの電圧)となり、この電流制
御信号V15は、PWM基本波発生回路106から出力
されるPWM基本波V16(回路上の点hの電圧)とと
もに、コンパレータ105に入力される。コンパレータ
105は、電流制御信号V15とPWM基本波V16の
大小関係により、PWM信号V17(回路上の点iの電
圧)を出力し、トランジスタ107をON/OFFす
る。この結果、コイル101にはコイル電流I13が流
れ、このコイル電流I13の平均値である制御電流I1
4の大きさは、PWM信号V17のパルス幅に応じたも
のとなる。
【0015】この制御回路では、コイル電流I13は、
ディザ周期で振動する交流となる。すなわち、オペアン
プ102への入力信号V14が、増加方向に変化したと
きは、入力信号V14は平滑回路103からのフィード
バック信号より大きくなり、オペアンプ102からの電
流制御信号V15はPWM基本波V16と重ならないレ
ベルまで上昇する。この結果、トランジスタ107がO
Nとなり、コイル電流I13は連続的に増大するので、
電流制御信号V15のレベルは、ディザ信号分vdだけ
高いレベルの入力信号V14に見合うレベルまで減少
し、ディザ電流分を含めてPWM制御が行われる。
【0016】一方、オペアンプ102への入力信号V1
4が、減少方向に変化すると、入力信号V14は平滑回
路103からのフィードバック信号より小さくなり、オ
ペアンプ102からの電流制御信号V15はPWM基本
波V16と重ならないレベルまで下降する。この結果、
トランジスタ107がOFFとなり、コイル電流I13
が連続的に減少するので、電流制御信号V15のレベル
は、ディザ信号vdだけ低いレベルの入力信号V14に
見合うレベルまで減少し、ディザ電流分を含めてPWM
制御が行われる。
【0017】このようにして、コイル電流I13は、電
流指令信号に重畳されるディザ信号vdに対応する高レ
ベルと低レベルの間を、ディザ周期で振動する。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このデ
ィザ制御回路はコイル電流にディザ電流を重畳するもの
であるので、図14の電流指令信号とコイル電流との関
係を示す特性図において円内に示すように、電流指令信
号が零点付近にあるときに、電流指令信号とコイル電流
の線形性に乱れが生じてしまう。
【0019】詳しく説明すると、コイル電流I13には
ディザ電流が重畳され、図14に実線で示した直流分の
上下の一点鎖線で示した範囲で振幅iaで振動する交流
となり、コイル電流I13の平均値(直流分)は、電流
指令信号に対応するコイル電流と一致し、電流指令信号
とコイル電流の直流分との線形性は保たれている。とこ
ろが、電流指令信号がVa以下となると、コイル電流I
13はディザ電流の振幅iaよりも小さくなってしまう
ので、コイル電流I13は、図に破線で示した電流指令
信号に対応するコイル電流の下側には振幅iaが確保で
きない一方で、上側には振幅iaで振動することにな
る。このため、コイル電流I13は、電流指令信号に対
応するコイル電流分の上方に余計に振動してしまい、こ
の小電流領域では、電流指令信号とコイル電流の直流分
との線形性は失われてしまう。また、電流指令信号がゼ
ロとなったときでもコイル電流I13が完全にゼロにな
らない不都合が生じてしまう。
【0020】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、コイル電流にディザ電流を重畳してスプ
ールの固着を防止する電磁比例弁の制御回路において、
コイル電流が小さな領域においても、電流指令信号とコ
イル電流の間の線形性が正しく維持されるものを提供す
ることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】第1の発明では、ソレノ
イドへの通電により発生した電磁力により摺動して弁開
度を変化させる摺動部材を備えた電磁比例弁に設けら
れ、指令入力信号にディザ信号を重畳した信号に基づい
て前記ソレノイドのコイル電流をパルス幅変調により制
御する電磁比例弁の制御装置において、前記ディザ信号
に基づいて脈動する前記コイル電流の平均値が前記指令
入力信号に対して線形性を保つように、前記コイル電流
の平均値が前記脈動の振幅よりも小さくなったときに、
前記指令入力信号を小さくする補正を行う補正手段を備
え、この補正された指令入力信号にディザ信号を重畳し
た信号に基づいて前記ソレノイドのコイル電流を制御す
る。
【0022】第2の発明では、前記補正手段は前記指令
入力信号からディザ補正信号を差し引く手段であり、こ
のディザ補正信号は、前記指令入力信号が前記ディザ信
号の振幅よりも小さな値をとる領域では前記指令入力信
号から前記ディザ信号の振幅を差し引いた値となる一
方、前記指令入力信号が前記ディザ信号の振幅よりも大
きな値をとる領域ではゼロとなる信号である。
【0023】第3の発明では、前記補正手段は、ディザ
信号の振央レベルを検出する振央レベル検出手段と、こ
の振央レベルを指令入力信号から差し引く手段と、この
減算手段の出力を正の値をとる領域でゼロにする検波手
段と、この検波手段の出力を前記指令入力信号から差し
引く手段とから構成される。
【0024】
【発明の作用および効果】本発明では、電磁比例制御弁
の弁開度を制御するときには、制御回路に指令入力信号
を入力し、ソレノイドのコイル電流を制御し、このコイ
ル電流により生じる電磁力で摺動部材を動かすが、この
コイル電流は、指令入力信号に重畳されたディザ信号に
より直流分の上下を所定の振幅で振動する脈動分を備
え、この脈動分により微振動する摺動部材は固着を起こ
すことはない。ところで、コイル電流は正の値しかとる
ことはないので、指令入力信号に対応するコイル電流
に、ディザ信号に相当する脈動を与えると、指令入力信
号に対応するコイル電流が脈動分の振幅よりも小さくな
る領域では、指令入力信号に対応するコイル電流の上方
に揺れる脈動分が過剰となってしまい、指令入力信号と
コイル電流の平均値(直流分)の線形性が崩れてしま
う。ところが、本発明では、補正手段による補正がなさ
れ、指令入力信号に対応するコイル電流が脈動の振幅よ
りも小さくなる領域では、指令入力信号を小さくする補
正がなされる。特に、第2、第3の発明では、指令入力
信号からは、指令入力信号が前記ディザ信号の振幅より
も小さな値をとる領域、すなわち指令入力信号に対応す
るコイル電流が脈動の振幅よりも小さくなる領域では前
記指令入力信号から前記ディザ信号の振幅を差し引いた
値となる一方、前記指令入力信号が前記ディザ信号の振
幅よりも大きな値をとる領域、すなわち指令入力信号に
対応するコイル電流が脈動の振幅よりも小さくなる領域
ではゼロとなるディザ補正信号が差し引かれる。これに
より、コイル電流の直流分(平均値)は、指令入力信号
に対応するコイル電流が脈動の振幅よりも小さくなる領
域においても、指令入力信号に対して線形性が保持され
続ける。また、指令入力信号のゼロに対しては、コイル
電流のゼロが正しく対応するようにできる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に基づいて、本発
明の実施の形態について説明する。
【0026】図1には、本発明の制御回路のブロック構
成図を示す。
【0027】図示されるように、入力部1から入力さ
れ、一次フィルタ2を通過した指令入力信号(電流指令
信号)には、加算器3において、ディザ信号発生回路4
からのディザ信号が加えられ、ディザ補正回路5からの
ディザ補正信号が差し引かれる。この加算器3の出力信
号は、コイル6に流れるコイル電流が電流検出回路7を
介してフィードバックされてきたフィードバック信号と
の偏差が減算器8において演算され、この偏差(減算器
8の出力)がPWM変換回路6に入力される。PWM変
換回路6は、この減算器8の出力と、PWM基本波形発
振回路7からのPWM基本波とに基づいて、駆動回路8
をON/OFFし、コイル9への通電量をPWM制御す
る。
【0028】ディザ補正回路5は、本発明の特徴となる
もので、図2に示すように、振央レベル検出回路12
と、減算器13と、検波回路14とを備えている。
【0029】振央レベル検出回路12は、図3に示すよ
うに、ディザ信号発生回路4からの例えば矩形波のディ
ザ信号の入力に対して、このディザ信号の振央レベル、
すなわち矩形波の最大レベルと最小レベル(ゼロ)のち
ょうど中間のレベルを出力する。
【0030】減算器13においては、指令入力信号か
ら、振央レベル検出回路12の出力信号が差し引かれ
る。これにより、減算器13からの出力は、指令入力信
号がディザ信号の振央レベル(ディザ信号の振幅)より
も小さくなる範囲に相当する部分で、負の値となる。
【0031】検波回路14においては、例えば図4に示
すように、減算器13からの出力信号の正の値をとる部
分をカットした信号を作り、ディザ補正信号として出力
する。すなわち、ディザ補正信号は、指令入力信号がデ
ィザ信号の振幅(振央レベル)よりも小さくなる範囲に
おいては指令入力信号から振央レベルを差し引いた値と
なり、指令入力信号がディザ信号の振幅(振央レベル)
よりも大きくなる範囲においてはゼロとなる信号であ
る。
【0032】図5には、図1の制御回路の具体例を示
す。また、図6〜図8には、この回路上の各点A〜Fに
おける信号波形を示す。
【0033】図5に示すように、ディザ信号発生回路4
からのディザ信号(回路上の点Aの電圧)は、抵抗21
(R1)、コンデンサ22(C1)から構成される一次
フィルタと、オペアンプ23(IC2)からなるバッフ
ァを通過して、その振央レベルの信号に変えられ、さら
に、抵抗24、25、26(R1、R2、R3)とオペ
アンプ27(IC3)から構成される反転増幅器におい
て極性が反転される。すなわち、抵抗21、コンデンサ
22、オペアンプ23は、図2の振央レベル検出回路1
2に相当し、図6の上段に示すようなディザ信号の振央
レベルαが検出され、さらに、図6の下段に示すような
極性が反転された信号(回路上の点Bの電圧)とされ
る。なお、ディザ信号発生回路4では、可変抵抗4a
(VR1)によってディザ信号の周波数が、また可変抵
抗4b(VR2)によってディザ信号の振幅が、それぞ
れ調整できるようになっている。
【0034】一方、一次フィルタ2、バッファ31を通
って回路上の点Cに達する指令入力信号は、例えば図7
の上段に示すような信号であり、前述の振央レベルαの
極性が反転された信号とともに、抵抗22、23、2
4、25(R5、R6、R7、R8)とオペアンプ26
(IC5)から構成される差動増幅器に入力される。こ
れにより、差動増幅器からは、図7の中段に示すよう
に、指令入力信号の極性が反転された信号から振央レベ
ルαを差し引いた信号が出力される。
【0035】また、この指令入力信号と、振央レベルα
の極性が反転された信号とは、抵抗41、42、43、
44(R9、R10、R11、R12)、オペアンプ4
5(IC6)、ダイオード46、47(D1、D2)か
ら構成される回路に入力される。この抵抗41、42、
43、44、オペアンプ45、ダイオード46、47か
らなる回路は、図2の減算器13および検波回路14に
相当する。すなわち、この回路の出力である回路上の点
Eの信号は、図7の下段に示すように、指令入力信号が
振央レベルαよりも小さくなる範囲においては指令入力
信号から振央レベルを差し引いた値となる一方、指令入
力信号が振央レベルαよりも大きくなる範囲においては
ゼロとなる。なお、指令入力信号のゼロレベルにはコイ
ル電流のゼロレベルが対応しているので、この指令入力
信号が振央レベルαよりも小さくなる範囲は、コイル電
流がディザ電流の振幅よりも小さくなる範囲(指令入力
信号がVa以下の範囲)と一致する。すなわち、Va=
αである。
【0036】また、抵抗51、52、53、54、5
5、56(R13、R14、R15、R16、R17、
R18)、オペアンプ57により、4入力の反転増幅回
路が構成され、この反転増幅回路には、ディザ信号(回
路上の点Aの電圧)、指令入力信号に振央レベルαを重
畳し極性を反転した信号(回路上の点Dの電圧)、ディ
ザ補正信号の極性を反転した信号(回路上の点Eの電
圧)、および可変抵抗58(VR3)からのオフセット
調整電圧が入力される。この反転増幅回路は、図2の加
算器3に相当する。すなわち、反転増幅回路の出力(回
路上の点Fの電圧)として、図8に示すように、指令入
力信号にディザ信号を重畳しディザ補正信号を差し引い
た信号波形V1が出力される。
【0037】この反転増幅回路の出力波形V1は、指令
入力信号が振央レベルαよりも大きくなるVa以上の範
囲では、従来どおり指令入力信号にディザ信号が重畳さ
れた波形となる一方で、指令入力信号が振央レベルαよ
りも小さくなるVa以下の範囲では、図8に一点鎖線で
示す指令入力信号の2倍の傾きをもつ信号にディザ信号
を重畳した波形となる。このため、この出力信号が正方
向に振れる部分は、指令入力信号がゼロに近づくにした
がって、指令入力信号の2倍の傾きで減少して行き、指
令入力信号がゼロとなったときにちょうどゼロとなる。
【0038】この場合、出力信号V1は片極性であり負
の部分はゼロとなるので、出力信号V1の平均値(出力
信号の直流分)をとったときには、その傾きは指令入力
信号がVa以下となる範囲においても、ちょうど指令入
力信号の傾きと一致する。すなわち、入力指令指令信号
と出力信号V1の直流分との線形性は、指令入力信号が
Va以下となる範囲を含めて維持される。そして、コイ
ル電流は、この出力信号V1と、電流検出回路7を介し
てフィードバックされてきたフィードバック信号との偏
差(減算器8において演算される)に基づいて制御され
るので、結局、コイル電流と指令入力信号との間におい
ても線形性が維持されることになる。
【0039】なお、図5においては、図1のPWM変換
回路9、PWM基本波形発振回路、駆動回路11、ソレ
ノイド6については図示を省略しているが、これらにつ
いては、例えば、図10または図12に示した制御回路
のように、公知のものを用いればよい。
【0040】つぎに作用を説明する。
【0041】電磁比例制御弁の弁開度を制御するときに
は、ソレノイドコイル6に指令入力信号(電流指令信
号)を入力し、この指令入力信号と線形関係にあるコイ
ル電流により生じる電磁力でスプールを動かす。このよ
うなコイル電流には、図9に示すように、実線で示す直
流分に対して、一点鎖線の範囲で振動する交流分(ディ
ザ電流)が重畳され、スプールの固着が防止されてい
る。すなわち、指令入力信号にはこのディザ電流に相当
するディザ電流が重畳されることになるが、さらに本発
明では、指令入力信号が小さな領域で、指令入力信号の
直流分とコイル電流の線形性を保つために、指令入力信
号からディザ補正信号を差し引くようにしている。
【0042】このディザ補正信号は、コイル電流がディ
ザ電流の振幅に相当する電圧よりも大きい範囲、すなわ
ち指令入力信号がVa以上の範囲ではゼロであり、指令
入力信号とコイル電流の間の関係に影響しない。すなわ
ち、この指令入力信号がVa以上の範囲では、コイル電
流には直流分の上下でディザ電流の振幅で揺れる余裕が
あるので、コイル電流と指令入力信号との間の線形性が
崩れることはない。
【0043】一方、コイル電流がディザ電流の振幅に相
当する電圧よりも小さい範囲、すなわち指令入力信号が
Va以下の範囲では、コイル電流の直流分より下方には
ディザ電流の振幅で振れる余裕がないので、コイル電流
は、直流分よりも上方に余計に振れることになり、コイ
ル電流と指令入力信号との線形性が崩れてしまう。
【0044】そこで、この指令入力信号がVa以下の範
囲においては、ディザ補正信号を、指令入力信号からデ
ィザ信号の振幅分を差し引いた値とする。これにより、
指令入力信号からディザ補正信号を差し引きディザ信号
を重畳した信号に基づいて流れるコイル電流は、指令入
力信号がVa以下の範囲で、ゼロ点に向かって直線的に
変化するような波形になる。この場合、コイル電流は正
の値しか採らないものであるので、結局、図9に実線で
示すように、コイル電流の直流分(平均値)は、指令入
力信号がVa以上の範囲から引き続いて、線形性が保持
され続ける。
【0045】このように、本発明では、コイル電流にデ
ィザ電流を重畳しているにもかかわらず、コイル電流の
小さな範囲でも、コイル電流の指令入力信号に対する線
形性を維持することができ、また、指令入力信号のゼロ
に対しては、コイル電流のゼロが正しく対応するように
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す構成図である。
【図2】同じくディザ補正回路を示す構成図である。
【図3】同じくディザ信号を示す特性図である。
【図4】同じく検波回路からの出力信号を示す特性図で
ある。
【図5】同じく実施の形態を示す回路図である。
【図6】同じく図5の回路上の点A、Bにおける信号波
形を示す特性図である。
【図7】同じく図5の回路上の点C、D、Eにおける信
号波形を示す特性図である。
【図8】同じく図5の回路上の点Fにおける信号波形を
示す特性図である。
【図9】同じく指令入力信号とコイル電流の関係を示す
特性図である。
【図10】従来の制御回路を示す構成図である。
【図11】図10の回路上の点a〜dにおける信号波形
を示す特性図である。
【図12】従来の制御回路を示す構成図である。
【図13】図12の回路上の点e〜jにおける信号波形
を示す特性図である。
【図14】従来の制御回路における電流指令信号とコイ
ル電流の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
1 入力部 2 一次フィルタ 3 加算器 4 ディザ信号発生回路 5 ディザ補正回路 6 コイル 7 電流検出回路 8 減算器 9 PWM変換回路 10 基本波形発振回路 11 駆動回路 12 振央レベル検出回路 13 減算器 14 検波回路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソレノイドへの通電により発生した電磁力
    により摺動して弁開度を変化させる摺動部材を備えた電
    磁比例弁に設けられ、 指令入力信号にディザ信号を重畳した信号に基づいて前
    記ソレノイドのコイル電流をパルス幅変調により制御す
    る電磁比例弁の制御装置において、 前記ディザ信号に基づいて脈動する前記コイル電流の平
    均値が前記指令入力信号に対して線形性を保つように、
    前記コイル電流の平均値が前記脈動の振幅よりも小さく
    なったときに、前記指令入力信号を小さくする補正を行
    う補正手段を備え、この補正された指令入力信号にディ
    ザ信号を重畳した信号に基づいて前記ソレノイドのコイ
    ル電流を制御することを特徴とする電磁比例弁の制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記補正手段は前記指令入力信号からディ
    ザ補正信号を差し引く手段であり、このディザ補正信号
    は、前記指令入力信号が前記ディザ信号の振幅よりも小
    さな値をとる領域では前記指令入力信号から前記ディザ
    信号の振幅を差し引いた値となる一方、前記指令入力信
    号が前記ディザ信号の振幅よりも大きな値をとる領域で
    はゼロとなる信号であることを特徴とする請求項1に記
    載の電磁比例弁の制御回路。
  3. 【請求項3】前記補正手段は、ディザ信号の振央レベル
    を検出する振央レベル検出手段と、この振央レベルを指
    令入力信号から差し引く手段と、この減算手段の出力を
    正の値をとる領域でゼロにする検波手段と、この検波手
    段の出力を前記指令入力信号から差し引く手段とから構
    成されることを特徴とする請求項2に記載の電磁比例弁
    の制御回路。
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