JPH11230076A - 燃料圧送ユニット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料タンクから燃料流を圧送するための燃料
圧送ユニットであって、該燃料タンクのケーシング内
に、電動モータによって駆動されるポンプ用羽根車を備
えた圧送ポンプと吸入側に燃料プレフィルタと圧送側に
燃料メインフィルタとを有しており、この場合ケーシン
グは電動モータを収容する中央室と該中央室を取り囲
み、燃料メインフィルタを収容する環状室とを形成して
いて、しかもケーシングは、蓋によって密に閉鎖可能で
あり、該蓋は燃料流出管片と電流接続管片とを有してい
る形式のものにおいて、燃料圧送ユニットを改良して、
公知の欠点を回避し効率を高める。 【解決手段】 ポンプ室１４に配置された圧送ポンプ５
のポンプ用羽根車６が、中央室９の直径より大きな直径
を有しており、圧送ポンプ５からの燃料流が直接環状室
１０に流れ込む。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、燃料タンクから燃
料流を圧送するための燃料圧送ユニットであって、該燃
料タンクのケーシング内に、電動モータによって駆動さ
れるポンプ用羽根車を備えた圧送ポンプと吸入側に燃料
プレフィルタと圧送側に燃料メインフィルタとを有して
おり、この場合ケーシングは電動モータを収容する中央
室と該中央室を取り囲み、燃料メインフィルタを収容す
る環状室とを形成していて、しかもケーシングは、蓋に
よって密に閉鎖可能であり、該蓋は燃料流出管片と電流
接続管片とを有している形式のものに関する。

【０００２】

【従来の技術】本発明は、請求項１に発明の上位概念と
して規定された形式の燃料圧送装置に関する。ドイツ連
邦共和国特許出願公開第４４４４８５４号明細書によっ
て公知の燃料タンクから燃料を圧送するための装置であ
って、電動モータによって駆動される圧送ポンプと、圧
送ポンプに前置された燃料プレフィルタと、圧送ポンプ
に後置された燃料メインフィルタとを有している。これ
らはフィルタ容器に取り付けられている。このフィルタ
容器は、フィルタ蓋によって閉鎖可能である。圧送ポン
プおよび電動モータは別個の構成部としてフィルタ容器
の中央室に収容されている。燃料メインフィルタは、中
央室を同心的に取り囲む環状室に配置されている。電動
モータは、圧送ポンプおよび電動モータが軸方向で遊び
なしにフィルタ容器に保持されるように、圧送ポンプに
対して特殊な支持エレメントを用いて押しつけられる。
この圧送ポンプは、中央室に取り付けられているので、
圧送ポンプおよび電動モータは別個のユニットとして構
成され、かつ圧送ポンプは制限された圧送ポンプの大き
さに基づいて比較的高い回転数を有している。これによ
って効率は制限されたまま、比較的高い回転数に相応し
て比較的高い騒音エミッションが発生する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、前記
公知の燃料圧送ユニットを改良して、公知の欠点を回避
し高い効率を有していてコンパクトに形成される燃料圧
送ユニットを提供することである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の構成では、ポンプ室に配置された圧送ポンプ
のポンプ用羽根車は、中央室の直径より大きな直径を有
しており、圧送ポンプからの燃料流が直接環状室に流れ
込むようにした。

【０００５】

【発明の効果】本発明による、燃料タンクから燃料流を
圧送するための燃料圧送ユニットは、ポンプ用羽根車を
有する圧送ポンプを駆動する電動モータと、吸入側に燃
料プレフィルタと、圧送側に燃料メインフィルタとを有
している。この構成部材はケーシングに組み込まれてい
る。このケーシングは、電動モータを収容する中央室
と、この中央室を取り囲む環状室とを有しており、この
環状室内に燃料メインフィルタが収容されている。この
ケーシングは、蓋によって密に閉鎖可能になっており、
この場合蓋は燃料流出管片と電流接続管片を有してい
る。この燃料流出管片を介して、本発明による燃料圧送
管路によって圧送され濾過された燃料流が例えば自動車
の内燃機関に供給される。圧送ポンプは、ケーシング内
のポンプ室に配置されていて、ポンプ用羽根車を有して
いる。このポンプ用羽根車は中央室の直径より大きな直
径を有している。この場合圧送ポンプからの燃料流は直
接環状室に流れ込む。

【０００６】本発明の燃料圧送ユニットの著しい利点と
して、構成部材の数が減っている。というのも燃料圧送
ユニットが構成ユニットに組み込まれているからであ
る。ポンプジオメトリ、つまりポンプ用羽根車の直径が
拡大されているのも有利である。このようにポンプ用羽
根車が拡大されると、ポンプ用羽根車に設けられた溝の
長さが増大し、その溝に沿って圧力上昇が生じる。この
圧力上昇によって圧送ポンプの効率も上昇する。ポンプ
用羽根車の効率の改良および直径拡大によって、同じ必
要な出力条件下では、圧送ポンプの回転数も減少する。
圧送ポンプ用羽根車の回転数を減少することでまた、圧
送ポンプから生じる騒音エミッションを少なくとも著し
く減少させる。本発明による燃料圧送ユニットはこれに
よって公知の圧送ユニットよりも簡単にかつコンパクト
に構成される。

【０００７】実施例ではポンプ用の羽根車の直径が、ケ
ーシングの外部寸法とほぼ同じである。有利にはこのケ
ーシングはシリンダ状に形成されているので、圧送ポン
プのポンプ用羽根車が取り付けられているポンプ収容
室、つまりポンプ室の外部寸法はケーシングの外径とほ
ぼ合致している。これによって特にコンパクトな燃料圧
送ユニットが得られ、この燃料圧送ポンプの寸法に関連
する圧送ポンプの効率が最大限にされている。

【０００８】本発明による別の実施例の形態として、圧
送ポンプは、圧送ポンプからの燃料流が端面で環状室に
流れ込むように配置されている。このことは、圧送ポン
プが燃料圧送ユニットにおけるケーシングの蓋側に相対
してる側にほぼ端面で配置されていることを示してい
る。これによって最短流れ経路が得られ、圧送ポンプに
よって圧送された燃料が圧送ポンプの圧送口から直接濾
過するための燃料メインフィルタに供給することができ
る。従来技術の燃料圧送ユニットで当然であったよう
な、燃料流を中央室を介して環状室に供給することはこ
の場合なくなった。これによって圧送ポンプの必要な出
力は（従来のものに比べて）減らすことができるので、
所定の出力を得る場合に回転数をさらに減らすことが可
能である。

【０００９】有利には、回転子が設けられている、電動
モータの駆動軸が、ポンプ室を貫通して、ケーシングで
支持される。これによって、汚れが燃料圧送ユニットの
クリーンな側に到達しない。

【００１０】さらに別の実施例によると、圧送ポンプが
吸入側にカバープレートを有しており、このカバープレ
ートは燃料プレフィルタによって保持されている。この
プレフィルタは、ケーシングを取り囲みかつそこで圧力
ばめされる縁部を有している。カバープレートの縁部が
摩擦結合的にケーシングに結合されていることによって
十分なシール効果が保障されている。またこれによっ
て、本発明による燃料圧送ユニットの利点として燃料流
出管片と電流接続管片とを支持する蓋が本来のケーシン
グに密に結合されるだけでよい。有利には固定が溶接に
よって行われる。

【００１１】有利には燃料メインフィルタが収容されて
いる環状室は、シール部材によって外側領域と内側領域
とに仕切られている。本発明による燃料圧送ユニットが
ほぼシリンダ形状に構成される場合、シール部材がＯ形
リングシール部材であると有利である。

【００１２】別の実施例ではシール部材が環状室に配置
されていると、もしくは環状室をそのような形式で細分
していると、結果として燃料流は圧送ポンプから次に外
側領域に流れ込み、そこから燃料メインフィルタの方向
へかつ、内側領域を貫通しもしくは流れ込み、内側領域
から燃料流出管片を介して再び燃料圧送ユニットから流
出される。これによって内部にフィルタを配置した燃料
圧送ユニットの効果的な貫流が、短い流れ経路を保証し
て実現される。別の実施例によると、燃料圧送ユニット
においてケーシングに少なくとも１つの燃料タンクに支
持するための弾性的な結合エレメントが取り付けられて
いる。

【００１３】さらに別の実施例によると、圧送ポンプと
電動モータとがケーシングに組み込まれていて、この場
合ポンプ室は、電動モータに面する側でケーシングの一
部である壁部を用いて中央室および環状室から切り離さ
れている。またこれによって構成部材の数が減少され
る。

【００１４】したがって本発明に基づく燃料圧送ユニッ
トによってコンパクトなタンク構成ユニットを形成する
経済的な手段が得られる。

【００１５】

【発明の実施の形態】図１には、本発明による燃料圧送
ユニット１が示されていて、この燃料圧送ユニット１は
タンク２に挿入されている。本発明による燃料圧送ユニ
ット１は、対応する接続管路を介してタンク挿入接続部
を用いてタンクフランジに固定されている。この燃料圧
送ユニット１は、中央室９に配置されている電動モータ
４と適応する磁石２８を備えた固定子２７と電動モータ
４の駆動軸上にある回転子１５とをケーシング３内に有
している。この駆動軸は、ポンプ室１４を貫通して、カ
バープレート１６を介してケーシング３に支持される。

【００１６】さらにケーシング３内には圧送ポンプ５が
タンク底部に面する側に配置されている。この圧送ポン
プ５は内部にポンプ用羽根車６を有していて、ポンプ用
羽根車６の直径がシリンダ形状であるケーシング３の外
径とほぼ同じである。ポンプ室１４に配置されたポンプ
用羽根車６は、電動モータ４の駆動により生ぜしめる相
応の回転によって、燃料流を燃料プレフィルタ７、カバ
ープレート１６に設けられた開口部、ポンプ用羽根車溝
を介して圧送側の排出開口部にまで圧送する。この圧送
側の排出開口部は、オーバーフロー開口部２９として形
成されていて、ポンプ用羽根車溝に相対しているので、
圧送された燃料が最短流れ経路を通って圧送ポンプ５の
圧力側でシール部材１８，１９によって構成された、環
状室１０の外側領域２０に直接圧送される。この環状室
１０内には、燃料メインフィルタ８が設けられている。
外側領域２０に流入した燃料流が、燃料メインフィルタ
８を環状室１０の内側領域２１方向に通過する。燃料は
内部領域２１から、燃料圧送ユニット１の蓋１１に設け
られた、ケーシング３の一部である燃料流出管片１２を
介して、タンク挿入接続部２３に設けられた燃料管路へ
流れる。この燃料管路を介して、圧送される燃料は、例
えば自動車の内燃機関に供給される。

【００１７】本来の燃料圧送ユニット１は、少なくとも
１つの弾性的な結合エレメント２２を用いて燃料タンク
２に対して支持されているので、電動モータ４を駆動す
ることによって場合によっては生じる燃料圧送ユニット
１の振動が燃料タンク２に伝導されない。したがって燃
料圧送ユニット１を全体的に自動車の燃料タンク内に埋
め込まれている容器に取り付けることも可能である。こ
の場合弾性的な結合エレメント２２がケーシング３と容
器の内側との間に装着されている。燃料タンク内壁にも
しくはこのような形式の容器の内側に浸漬導管２５が設
けられており、この浸漬導管２５を介して、タンク挿入
結合部２３に組み込まれている燃料戻し管路２４から燃
料タンクに負荷に関連して消費されなかった燃料がこの
ような形式で再び戻し供給される。これにより戻された
燃料流は再び燃料圧送ユニット１の燃料プレフィルタ７
および燃料メインフィルタ８で濾過され圧送される。

【００１８】図２では、図１による燃料圧送ユニット１
の、圧送ポンプ５が配置された領域の部分的に拡大した
断面図を示している。ケーシング３内には電動モータ４
（ここでは電動モータ４の固定子２７が示されてい
る）、環状室１０内の燃料メインフィルタ８ならびに同
様にポンプ室１４にポンプ用羽根車６を有する圧送ポン
プ５が備え付けられている。シール部材１８によって環
状室１０は、外側の領域２０と内側の領域２１とに仕切
られている。ポンプ用羽根車６は、ほぼケーシング３の
外径の領域にまで達する直径を有している。オーバーフ
ロー開口部２９を介して圧送ポンプ５によって圧送され
た燃料は、ポンプ用羽根車６のポンプ管路から直接環状
室１０の外側領域２０に圧送される。この流れは矢印で
もって図示されている。

【００１９】燃料プレフィルタ７方向の前面側で圧送ポ
ンプ５のポンプ用羽根車６がカバープレート１６によっ
て閉鎖されていて、このカバープレート１６はケーシン
グ３の縁部領域に収容されていて、縁部領域と１つのユ
ニットを形成している。燃料プレフィルタは外周側に曲
げられた縁部１７もしくはフランジを有している。この
縁部１７の内径は、燃料プレフィルタ７の縁部がケーシ
ング３に密に押しつけられるように、圧送ポンプ５の領
域でケーシング３の外径に合わせられている。このよう
な圧力ばめは、例えば焼きばめによって達成され得る。

【００２０】ケーシング３に関して圧送ポンプ５を前面
に配置することによって、圧送ポンプ５におけるポンプ
用羽根車６の直径をできるだけ拡大することができる。
これによりポンプ管路が長くなるので圧送ポンプ５の効
果が高められるようになる。これによって圧送ポンプ５
の圧送側に排出される燃料の圧送経路が、オーバーフロ
ー管路２９を介して燃料メインフィルタ８を収容してい
る環状室１０へ直接オバーフローすることによって最小
限化される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による燃料圧送ユニットの断面図であ
る。

【図２】圧送ポンプによって供給された燃料を燃料メイ
ンフィルタに直接供給するのが見て取れる、図１の燃料
圧送ユニットの拡大した部分的断面図である。

【符号の説明】

１ 燃料圧送ユニット、 ２ 燃料タンク、 ３ ケー
シング、 ４ 電動モータ、 ５ 圧送ポンプ、 ６
ポンプ用羽根車、 ７ 燃料プレフィルタ、８ 燃料メ
インフィルタ、 ９ 中央室、 １０ 環状室、 １１
蓋、 １２燃料流出管片、 １３ 電気接続管片、
１４ ポンプ室、 １５ 回転子、１６ カバープレー
ト、 １７ 縁部、 １８，１９ シール部材、 ２０
外側領域、 ２１ 内側領域、 ２２ 弾性的な結合エ
レメント、 ２３ タンク挿入接続部、 ２４ 燃料戻
し管路、 ２５ 浸漬導管、 ２６ タンクフランジ、
２７ 固定子、 ２８ 磁石、 ２９ オーバーフロ
ー開口部

Claims (9)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 燃料タンク（２）から燃料流を圧送する
   ための燃料圧送ユニット（１）であって、該燃料タンク
   （２）のケーシング（３）内に、電動モータ（４）によ
   って駆動されるポンプ用羽根車（６）を備えた圧送ポン
   プ（５）と吸入側に燃料プレフィルタ（７）と圧送側に
   燃料メインフィルタ（８）とを有しており、この場合ケ
   ーシング（３）は電動モータ（４）を収容する中央室
   （９）と該中央室（９）を取り囲み、燃料メインフィル
   タ（８）を収容する環状室（１０）とを形成していて、
   しかもケーシング（３）は、蓋（１１）によって密に閉
   鎖可能であり、該蓋（１１）は燃料流出管片（１２）と
   電流接続管片（１３）とを有している形式のものにおい
   て、 ポンプ室（１４）に配置された圧送ポンプ（５）のポン
   プ用羽根車（６）は、中央室（９）の直径より大きな直
   径を有しており、 圧送ポンプ（５）からの燃料流が直接環状室（１０）に
   流れ込むことを特徴とする、燃料圧送ユニット。
2. 【請求項２】 ポンプ用羽根車（６）の直径がケーシン
   グ（３）の外部寸法とほぼ同じである、請求項１記載の
   燃料圧送ユニット。
3. 【請求項３】 圧送ポンプ（５）からの燃料流が端面で
   環状室（１０）に流入していく、請求項１または２記載
   の燃料圧送ユニット。
4. 【請求項４】 電動モータ（４）が回転子（１５）を有
   していて、該回転子（１５）の軸がポンプ室（１４）を
   貫通し、ケーシング（３）で支持されている、請求項１
   から３までのいずれか１項記載の燃料圧送ユニット。
5. 【請求項５】 圧送ポンプ（５）が吸入側にカバープレ
   ート（１６）を有しており、該カバープレート（１６）
   は燃料プレフィルタ（７）によって保持されていて、該
   燃料プレフィルタ（７）はケーシング（３）を取り囲み
   かつそこに圧力ばめされる縁部（１７）を有している、
   請求項１から４までのいずれか１項記載の燃料圧送ユニ
   ット。
6. 【請求項６】 環状室（１０）がシール部材（１８，１
   ９）によって外側領域（２０）と内側領域（２１）とに
   仕切られている、請求項１から５までのいずれか１項記
   載の燃料圧送ユニット。
7. 【請求項７】 シール部材（１８，１９）が環状室（１
   ０）に配置されていて、圧送ポンプ（５）からの燃料流
   が外側領域（２０）に流入し、燃料メインフィルタ
   （８）を貫流し、内側領域（２１）から燃料流出管片
   （１２）を通って流出するようになっている、請求項６
   記載の燃料圧送ユニット。
8. 【請求項８】 燃料タンク（２）の壁に支持するために
   少なくとも１つの弾性的な結合エレメント（２２）がケ
   ーシング（３）に装着されている、請求項１から７まで
   のいずれか１項記載の燃料圧送ユニット。
9. 【請求項９】 圧送ポンプ（５）と電動モータ（４）と
   がケーシング（３）に組み込まれており、この場合ポン
   プ室（１４）が電動モータ（４）の方向で、ケーシング
   （３）の一部を形成する壁によって、中央室（９）と環
   状室（１０）とから仕切られている、請求項１から８ま
   でのいずれか１項記載の燃料圧送ユニット。