JP2004263563A - 燃料ポンプユニット - Google Patents

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Katsutoshi Ito
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    • F02MSUPPLYING COMBUSTION ENGINES IN GENERAL WITH COMBUSTIBLE MIXTURES OR CONSTITUENTS THEREOF
    • F02M37/00Apparatus or systems for feeding liquid fuel from storage containers to carburettors or fuel-injection apparatus; Arrangements for purifying liquid fuel specially adapted for, or arranged on, internal-combustion engines
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    • F02M37/08Feeding by means of driven pumps electrically driven

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Abstract

【課題】燃料ポンプユニットにおいて、組付性に優れるとともに、内圧によってモータ部の変形が起こることがなく、信頼性を向上することができるようにする。
【解決手段】ベースブラケット2上にモータハウジング6を立設してその中にモータロータ8を収め、ブラシホルダ9を軸方向に挿入して覆う。ブラシホルダ9には、挿入方向に開口するモータ軸8a、ブラシ固定部9f、貫通孔9dが設けられる。このようなモータ部Mが、ベースブラケット2の外周部に固定されて同軸に延ばされたポンプユニットケーシング15とその上部を吐出口11aを有するアウトレットカバー11で覆い、ブラシホルダ9との間に径方向に連続する隙間を設け、濾過側連通流路f2を形成する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料ポンプユニットに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、流体ポンプには、吸入口を備えてポンプおよび駆動モータ一体化した流体ポンプユニットを流体中に沈めて、流体を外部に吐出するものが知られており、流体タンクから流体を排出するために広く用いられている。例えば、自動二輪車などの燃料タンクにも、このようなインタンク型の燃料ポンプが用いられている。このような燃料ポンプは、小型の燃料タンクにも搭載でき、燃料噴射弁を目詰まりさせないように清浄な燃料をすばやく供給できる信頼性の高い燃料ポンプが要求される。そこで、燃料をそれらの内部に浸潤させ、モータの冷却と可動部の潤滑とが行われるようにして信頼性を向上し、吐出口の前段に可動部から発生するゴミを除去する濾過フィルタを設け、その濾過フィルタをポンプ部、モータ部と一体化して小型化を図るものがあった。
例えば、特許文献1には、ポンプ室とモータ室とを備え、モータ室内の吐出路の上流にモータの外周を覆うように設けられたフィルターを備えたモータ式燃料ポンプが記載されている。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−285930号公報(第3−5頁、図1−3)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来の燃料ポンプには、以下のような問題があった。
特許文献1に記載の技術では、ポンプの羽根車15を回転駆動するアウターロータの回転軸12が、下方係止部K3に設けられた軸受Cと、ベアリング保持カバー3に設けられたステータの奥に配置された軸受Bに支持されてモータ室8内に設けられている。ベアリング保持カバー3は、ポンプケースKに他端K2がかしめられることによって固定されている。
このような構成では、ベアリング保持カバー3をかしめる際に、ベアリング保持カバー3が変形し、軸受Bと回転軸12との隙間が変わりやすいので、製造誤差などにより回転負荷のばらつき易いという問題がある。回転負荷が大きい場合には、軸受Bが削れ易くなり、削れクズなどのゴミが増える結果、信頼性が低下するという問題がある。
また、製造誤差が少なく組み立てられた場合でも、ベアリング支持カバー3はモータ室8の内圧を支持しているので、ポンプ動作時の内圧により変形するものである。特に、迅速な燃料噴射が要求される自動二輪車の燃料ポンプなどでは、燃料の吐出圧も大きくなっており、その結果、軸受隙間が狭くなって、回転負荷が増大したり、ひいてはロックを起こしたりするという問題がある。
さらに、回転軸12に軸受Bを介してベアリング支持カバー3を嵌合させる場合、回転軸12の目視ができない構造となっているので、組付性がよくないという問題がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、組付性に優れるとともに、内圧によってモータ部の変形が起こることがなく、信頼性を向上することができる燃料ポンプユニットを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明では、燃料を吸引・圧送するポンプ部と、該ポンプ部に回転軸の一端を固定したモータロータを有するモータ部とを、燃料の吸入口、吐出口を有するポンプハウジング内に設けるとともに、前記モータ部の内部に燃料の流路を形成した燃料ポンプユニットであって、前記モータロータの前記回転軸の一端側がブラケット部材により回転可能に支持され、前記モータロータを周方向に覆うモータハウジングが前記ブラケット部材に立設され、前記モータハウジングに、前記回転軸の他端を回転可能に支持する軸受部が形成されていることにより、前記モータ部を前記ポンプハウジングに支持させることなく前記ブラケット部材に支持させた構成とする。
この発明によれば、モータ部がポンプハウジングに支持されることがないので、ポンプハウジングへの取付時に起こるモータ部の変形がなく、軸受部の隙間が適正に確保される。またモータ部とポンプハウジングは別工程で組み立てることができる。
【0007】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の燃料ポンプユニットにおいて、前記モータ部と前記ポンプハウジングとの間に、該モータ部の軸方向および径方向に前記燃料の流路が形成可能な隙間を設けた構成とする。
この発明によれば、ポンプハウジングとモータ部との間に軸方向および径方向にわたって燃料の流路が形成可能な隙間を設けるので、少なくともモータハウジングの外周部およびその立設方向先端部に設けられた軸受部に沿う燃料の流れが形成できる。
【0008】
請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の燃料ポンプユニットにおいて、前記ブラケット部材の前記モータロータ側に、壁状に突出する取付部が設けられ、該取付部に前記モータハウジングが外嵌されて立設された構成とする。
この発明によれば、モータハウジングが壁状に突出する取付部に外嵌されて立設されるので、ブラケット部材にモータ部から曲げモーメントが作用しても板状部の変形を抑えることができる。また、モータハウジングの組み付けが容易となる。
【0009】
請求項4に記載の発明では、請求項1〜3のいずれかに記載の燃料ポンプユニットにおいて、少なくとも前記回転軸の他端を前記軸受部に嵌合させるモータ部の取付時に、前記モータロータの回転軸の軸端部を前記軸受部の取付方向から目視可能な軸方向の貫通孔が、前記軸受部に設けられている。
この発明によれば、軸受部に設けられた貫通孔により、モータ部の取付時にモータロータの回転軸の軸端部を軸受部の取付方向から目視できるので、組み付けが容易となる。
【0010】
請求項5に記載の発明では、請求項1〜4のいずれかに記載の燃料ポンプユニットにおいて、前記モータハウジングの立設方向の先端側を略覆うキャップ部材を前記モータハウジングの軸方向に挿入して嵌合し、前記キャップ部材に前記軸受部を設けた構成とする。
この発明によれば、軸受部が設けられたキャップ部材をモータハウジングの軸方向に挿入して嵌合するので、軸受部が組付時に変形しにくくなる。
ここで、嵌合は、隙間嵌めのみに限定ざれず、軸受部に変形の影響がおよばない範囲において中間嵌めやしまり嵌めの嵌合も含むものとする。すなわち、挿入には圧入も含むものとする。
【0011】
請求項6に記載の発明では、請求項1〜5に記載の燃料ポンプユニットにおいて、前記ポンプハウジングが、前記回転軸の軸方向に延びる筒状のケーシング部材と、前記燃料の吸入口を有し、前記羽根車を前記ブラケット部材との間で覆うインレットカバーと、前記燃料の吐出口を有し、前記モータ部の径方向を覆うアウトレットカバーとからなり、前記インレットカバーおよび前記アウトレットカバーが、前記ケーシング部材の両端部にそれぞれ固定されてなる。
この発明によれば、ポンプハウジングを、ケーシング部材、インレットカバーおよびアウトレットカバーに分割して、吸入口や吐出口を始めとする比較的複雑な形状が必要となるインレットカバーとアウトレットカバーを別部材とするので、製作が容易となる。
【0012】
請求項7に記載の発明では、請求項6に記載の燃料ポンプユニットにおいて、前記インレットカバーおよび前記アウトレットカバーの少なくとも一方が、前記ケーシング部材にかしめにより固定された構成とする。
この発明によれば、インレットカバーおよびアウトレットカバーの少なくとも一方をかしめにより固定するので、容易かつ安価に製作することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して説明する。なおすべての図面において、同一部材または相当する部材には同一の符号を付し、共通部分の説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料ポンプユニット1を説明するための軸方向の概略断面図である。図2は、図1におけるA−A断面図である。図3は、図1におけるB視平面図およびそのD−D断面図である。
【0014】
本発明の実施形態に係る燃料ポンプユニット1について説明する。
本実施形態に係る燃料ポンプユニット1は、例えば、自動車や自動二輪車などの燃料タンク(不図示)内に燃料に浸漬されて配置され、燃料タンク内の燃料を吸入口3aから吸入して、吐出口11aから燃料噴射部へ圧送することが可能なポンプユニットである。燃料ポンプユニット1の概略構成は、図1、2に示したように、ベースブラケット2(ブラケット部材)に取り付けられたポンプ部P、モータ部Mおよび濾過部Fとからなり、インレットカバー3、ポンプユニットケーシング15およびアウトレットカバー11からなるポンプハウジングPCで囲まれて略円柱状の外形を有するものである。
【0015】
以下では説明を簡単にするために、燃料ポンプユニット1が、図1に示したようにポンプ部Pのモータ軸8a(回転軸)が鉛直方向に配され、吸入口3aが燃料ポンプユニット1の下側に、吐出口11aが同じく上側に設けられているものとして、軸方向の相対位置を単に上側、下側などと表現する場合がある。また、各部品の説明においても、特に図示の上側(下側)などと断らない限り、図1のような組立配置に基いて位置や方向を表すものとする。
しかしながら、実際の配置姿勢は、このような姿勢に限定されないことは言うまでもない。例えば、燃料ポンプユニット1全体を鉛直方向から適宜傾けて配置してもよい。
【0016】
ベースブラケット2は、水平方向に配置された円板状の板状部2Aを備え、その上面であるモータ部支持面2cに、モータハウジング取付部2b(取付部)と燃料案内溝2f(図3(b)参照)とを設け、同じく下面であるポンプ部支持面2dに、ポンプケーシング溝2eを設けている。
さらに、板状部2Aの中心部には、軸を板状部2Aに直交する方向に保持して回転可能とする軸受部2aが設けられ、燃料案内溝2fとポンプケーシング溝2eとの間にそれぞれを貫通する燃料案内孔2g(図3(b)参照)が設けられている。
【0017】
モータハウジング取付部2bは、板状部2Aの中心と略同軸で板状部2Aの垂直上側に延ばされた略円筒状に設けられた壁状部であり、後述するモータハウジング6が軸方向に外嵌可能とされている。
ポンプケーシング溝2eは、板状部2Aの径方向断面において円弧状で、後述する羽根車5の外周部に沿ってポンプ部支持面2d内でC字を描くように設けられている。図3(a)に示したように、吸入口3aに軸方向に重なる位置に設けられたケーシング溝始端部3Sから、C字の終端であるケーシング溝終端部3Eまで、図示のポンプケーシング溝3cと略重なる位置に設けられている。なお、C字の半径は、モータハウジング6の外半径よりも大きい寸法とされている。
【0018】
燃料案内孔2gは、ケーシング溝終端部3Eにおいて、ポンプケーシング溝2eからモータ部支持面2c側に貫通された貫通孔である。したがって、図3(b)に示したように、燃料案内孔2gの上部開口は、モータハウジング6の径方向の外側に位置している。
燃料案内溝2fは、燃料案内孔2gの開口部から板状部2Aの内径側に水平方向に設けられた溝であり、モータハウジング取付部2bを径方向に横断して、モータハウジング取付部2bの内径側に延設され、軸受部2aの手前で終端している。
【0019】
軸受部2aは、回転軸をラジアル支持できればどのような軸受でもよく、種々のラジアルすべり軸受が好適に採用できる。特に、軸受隙間に燃料が浸透することにより潤滑効果が得られる材質や構造を有することが好ましい。また、軸受部2aは、別部材とされた軸受を固定してもよいし、板状部2A自身に形成してもよい。
【0020】
ポンプ部Pは、ポンプ部支持面2dに沿って回転可能に設けられた羽根車5と、その羽根車5を下方からインレットカバー3で覆うことによりポンプケーシング溝2eおよび後述するポンプケーシング溝3cなどと羽根車5の周囲に形成された燃料を圧送するための空間とを備えている。インレットカバー3は、後述するポンプユニットケーシング15によりベースブラケット2と固定されている。
【0021】
羽根車5は、中心に回転軸を係止するための軸孔を有する円板状部材からなり、円板の外周部には径方向の所定長さにわたって上下に延ばされ、周方向に所定間隔を置いて配置された適宜の翼形状を有する羽根5aが多数設けられている。羽根5aの径方向の長さは、ポンプケーシング溝2eの径方向断面の幅に対応して適宜に設定されている。
【0022】
インレットカバー3は、上面の外周側に、ポンプ部支持面2dに密着して当接可能なシール面3eを備え、その径方向内側に、羽根車5の外周側面および下面をそれぞれわずかの隙間を隔てて収納する凹部であるポンプケーシング部3bを備える(図1参照)。そして、インレットカバー3の下面に、羽根車5の外周部直下に開口するように吸入口3aが設けられている。
ポンプケーシング部3bの底部には、ポンプケーシング溝2eと略同様のC字状溝であるポンプケーシング溝3cが、ケーシング溝始端部3Sからケーシング溝終端部3Eまで形成されている。
ポンプケーシング部3bの中心部には、回転軸をスラスト方向に回転可能に支持するためのスラスト軸受4が設けられている。スラスト軸受4は、燃料に浸漬された状態で適宜のすべり性能を有するものであれば、どのような材質、形状を有するものであってもよい。
【0023】
ポンプ部Pは、このような構成により、羽根車5が図3(a)の矢印方向(図示の右回り)に回転すると、吸入口3aから燃料を吸入して、羽根5aによりポンプケーシング溝2e、3c内の燃料をケーシング溝始端部3Sからケーシング溝終端部3Eまでの間で昇圧しつつ、燃料案内孔2gまで搬送することが可能とされている。
このようなポンプ部Pは、例えば、遠心ポンプ、渦巻きポンプ、再生ポンプなどの名称で知られる周知の種々のポンプ構造を採用することができる
【0024】
モータ部Mは、モータロータ8、界磁磁石7、モータハウジング6およびブラシホルダ9(キャップ部材)を備え、それらによりブラシ付インナーロータ型のDCモータを構成している。
モータロータ8は、モータ軸8aの中央部に所定極数の電機子8bを設け、モータ軸8aの上端側に径方向にブラシ当接面を有する整流子8cを設けてなる。(図2では概略図のため電機子8bの巻線コイルなど詳細の図示は省略されている。)
モータ軸8aの電機子8b下側は、軸受部2aにより径方向に支持され、軸受部2aの下側に突き出されたモータ軸8aの先端部において、羽根車5の中心の軸孔に固定され、羽根車5より下方に突き出された軸先端部がスラスト軸受4により軸方向に支持されている。
【0025】
モータハウジング6は、両端に開口を有する円筒部材であり、モータハウジング取付部2bに軸方向上方から外嵌され、モータ部支持面2cの鉛直上方に立設されている。このように取り付けることにより、組付時に軸受部2aの軸受隙間が変形して狭まるなどの弊害がなくなり、モータロータ8の外嵌部が補強されて大きな曲げモーメントを受けることが可能となる利点がある。
モータハウジング6は、例えば、鋼管を切断するなどして形成することができる。
【0026】
界磁磁石7は、外周面がモータハウジング6に内面に密着配置可能とされる部分円筒形状を有し、図2に示したように、径方向に対向する2つの永久磁石からなる。界磁磁石7の内周面は、モータロータ8の外周面との間に所定の隙間を形成する内径を有する。また、2つの界磁磁石7は、周方向にスペーサ16を介して隣接され、スペーサ16に径方向に対向する押え17によって周方向に押圧されることにより、モータハウジング6に対する所定位置に固定されている。
スペーサ16と押え17とは、ともに界磁磁石7より径方向厚みが小さい形状とされている。そのため、それぞれの界磁磁石7の周方向間には、軸方向に連続して、界磁磁石7とモータロータ8との径方向隙間に比べて大きい大きい隙間が形成されており、燃料がモータハウジング6内を軸方向に流れやすい構造とされている。
【0027】
ブラシホルダ9は、モータロータ8を上方から覆うようにして、モータハウジング6の上端部の内周面に挿入して嵌合された部材であり、モータ軸8aを径方向に支持する貫通円筒孔からなる軸受部9aと、整流子8cに径方向の外側から当接してモータロータ8に電流を供給するブラシ10を固定してなる。
なお、ブラシホルダ9は、嵌合後、適宜手段により軸受部9aに不具合を生じる変形が発生しないようにモータハウジング6に固定される。例えば、嵌合をスナップフィットなどの引抜きできない形状で嵌合させたり、しまり嵌めの嵌合として圧入したり、適宜の固定部材を設けて固定することができる。
また、軸受部9aは、軸方向に開放されているので、ブラシホルダ9をモータハウジング6に挿入して組み付ける際に挿入方向からモータ軸8aの軸端部を目視でき、組付性が向上されるという利点がある。
【0028】
図4を参照してブラシホルダ9のより詳しい形状を説明する。図4(a)、(b)は、本実施形態に係るブラシホルダ9を説明するための平面説明図および正面説明図である。図4(c)、(d)は、図4(a)のG−G断面図およびH−H断面図である。
ブラシホルダ9は、水平方向に延ばされてモータハウジング6の開口部を覆うフランジ部9cの中心部の上側に、整流子8cを収容するための凹穴状の整流収容部9bを設け、同じくフランジ部9cの周方向の下面にモータハウジング6に内嵌するための円筒壁状の嵌合部9eを備える。
【0029】
整流収容部9bの側面側には、ブラシ10を挿入して固定するために水平方向に対向して設けられたブラシ固定部9fを備える。
フランジ部9c上の嵌合部9e内周側の2箇所には、モータ部Mの内部の燃料により発生する内圧がモータ部Mの外周部の燃料による外圧と常に均衡を維持するための貫通孔9dが設けられている。
また、配線係止部9gは、ブラシ10の電気配線を係止するために設けられた突起・溝などからなる。
ブラシホルダ9の材質は、適宜の電気絶縁性と軸受部が形成可能な摺動性を有する合成樹脂成形品を採用することができる。合成樹脂成形品を用いることにより、これら付加的な形状が容易に形成できる。また、圧入により嵌合部9eが変形する場合でも、その変形が軸受部9aにおよびにくくなっている。
【0030】
濾過部Fは、モータ部Mと略同軸に延ばされてその外周を取り囲む円筒状のポンプユニットケーシング15と、その下方に固定されたベースブラケット2と、モータハウジング6と、後述するアウトレットカバー11とに囲まれた環状室内に、外形状が大略円筒状とされたフィルタ部材12を配置して構成される。
ポンプユニットケーシング15は、上下の開口端部に、それぞれ内径がわずか拡大されて軸方向の所定位置に内面段差が形成された円筒状の上部固定部15a、下部固定部15bを有している。そして、ポンプユニットケーシング15の下側から、ベースブラケット2を下部固定部15bに挿入して係止し、さらに下側からインレットカバー3を挿入した状態で、下部固定部15bをインレットカバー3の外周部に対してかしめることにより、ベースブラケット2がポンプユニットケーシング15に固定されている。
【0031】
フィルタ部材12は、上下方向の端部をそれぞれ上部シール部材14、下部シール部材13に係止されて、モータハウジング6およびポンプユニットケーシング15に対して径方向に隙間を設けた状態で位置が固定されている。この径方向の隙間は、フィルタ部材12に面する軸方向および周方向にわたって燃料が移動可能な流路をなしている。
フィルタ部材12の材質、形状は、環状室に配置可能で、燃料を必要な清浄さまで濾過できるフィルタであればどのようなものであってもよい。例えば、軸受の摩耗粉などの後段の燃料噴射弁などの動作に悪影響を与える大きさのゴミを濾過できるような網状、繊維状、多孔質状、粒状などのフィルタが採用できる。
【0032】
下部シール部材13は、円環板状のパッキンで構成され、モータ部支持面2cに下面を密着させるとともに、下部シール部材13の円環部の外周および内周がそれぞれポンプユニットケーシング15の内周面およびモータハウジング6の外周面に周方向に当接するように配置されている。そのため、環状室の底面側がシールされ、ポンプ部Pから環状室へ燃料が直接出入りすることができない状態とされている。
そして、図3に示したように、下部シール部材13は燃料案内溝2f上を覆う遮蔽部材となっている。その結果、燃料案内孔2gおよび燃料案内溝2fが、ポンプ部Pからモータ部Mに連通する連通流路(ポンプ側連通流路)となっている。
また、上部シール部材14は、下部シール部材13と同様のパッキンで構成され、円環部の内周がアウトレットカバー11と固定されている。
【0033】
ここで、アウトレットカバー11について説明する。
図5(a)は、アウトレットカバー11を説明するための上面説明図であり、図5(b)は、図5(a)におけるJ−J断面図である。
アウトレットカバー11は、上面視円形でその外周近傍に設けられた吐出口11aを除いて板部材で覆われ、外周から下方にその円筒壁状の外周壁11bが設けられている。外周壁11bの径方向内側には外周壁11bと同軸同方向に円筒壁状の仕切壁11dが設けられている。
そして、仕切壁11dと外周壁11bの径方向の間には、上部シール部材14を仕切壁11dに外嵌した状態で、上部シール部材14の外周が仕切壁11dの内周と適宜の隙間を設けて対向するような大きさで外周溝11cが形成されている。
仕切壁11dと上部板部材とで凹穴状に設けられたブラシガイド収容部11eは、ブラシホルダ9のフランジ部9cより上面側をその内部に収めることが可能な大きさ、形状とされている。
【0034】
アウトレットカバー11は、軸受部などの高い寸法精度を必要とする部分を有しないので、濾過部F内の内圧に対する強度を満足すれば、内圧により変形してもよい。したがって、合成樹脂成形品などを好適に用いることができる。また合成樹脂成形品とすれば、ブラシホルダ9の形状が複雑であっても容易にそれに合わせた適宜の隙間を形成する形状とすることができるという利点がある。また、燃料タンクに取り付けるための係止爪11fのような部材を一体に設けることが容易となるという利点がある。
【0035】
そして、図1に示したように、仕切壁11dの外周部に、上部シール部材14の内周部が周方向および上方向で固定され、外周壁11bは、ポンプユニットケーシング15の上端部に設けられた上部固定部15aに内嵌され上部固定部15aとかしめられて固定されている。その際、上部シール部材14の外周部と外周壁11bの内周面との間には、フィルタ部材12透過後の燃料が吐出口11aに流れるための隙間19が形成されている。
【0036】
このような組立状態において、ブラシホルダ9の上面側は、ブラシガイド収容部11eの内面に対して適宜の隙間を有し、径方向および周方向に燃料が円滑に移動可能な連続した隙間が形成されている。さらに、仕切壁11dおよび上部シール部材14は、ブラシホルダ9のフランジ部9cと軸方向に隙間18を隔てて配置されている。
そのため、貫通孔9dとこれらブラシホルダ9およびアウトレットカバー11の内面との隙間とにより、ポンプ部Pの内部と濾過部Fとが連通される濾過側連通流路f2が形成されている。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係る燃料ポンプユニット1の作用について説明する。
図6は、燃料ポンプユニット1内の燃料の流路を説明するための部分拡大断面図である。図7は、濾過側連通流路f2を説明するための図1のC視概略説明図である。
本実施形態の燃料ポンプユニット1によれば、燃料タンクなどに浸漬された状態でモータ部Mを駆動させて羽根車5を回転させると、吸入口3aから、燃料が吸引され、ポンプケーシング溝2e、3c内で昇圧されつつ搬送される。そして昇圧された燃料が、燃料案内孔2g、燃料案内溝2f、下部シール部材13からなるポンプ側連通流路f1により、図示矢印のように、ポンプ部Pからモータ部Mへと送出される。
【0038】
ポンプ部P内の燃料の流れは、軸受部2aに向かい、軸受部2aを潤滑する流れ、モータロータ8と界磁磁石7との間、あるいは界磁磁石7、7の周方向の隙間を通じてモータロータ8や界磁磁石7を覆って進む流れ、整流子8cの近傍に回り込む流れなどが生じる。
そして、いずれの流れも濾過側連通流路f2によりモータ部Mから濾過部Fへ燃料が送出され、燃料とともに、熱やゴミが搬出される。そのため、モータロータ8や界磁磁石7が冷却され、軸受部2a、9a、整流子8cなどで生じる摩耗粉などが排除される。このとき、濾過側連通流路f2は、ブラシホルダ9の上側の径方向の隙間が連続するように設けられているから、軸受部9aの上側近傍にも燃料の流れが生じ、軸受部9aの洗浄、潤滑、冷却が効率的に行われるものである。
【0039】
濾過部Fでは、図6に矢印で示したように、燃料がモータハウジング6とフィルタ部材12との径方向の隙間からフィルタ部材12を透過して、フィルタ部材12とポンプユニットケーシング15との隙間に到り、隙間19を通じて吐出口11aに向い、吐出口11aから吐出される。その際、フィルタ部材12によりゴミなどが濾過され、清浄な燃料として吐出される。
【0040】
このように本実施形態の燃料ポンプユニット1は、燃料を濾過して吐出するので、例えば後段の燃料噴射部などに清浄な燃料を供給できるものである。
また、モータ部M内に軸受部2aの近傍に設けられた下端側のポンプ側連通流路f1と、整流子8cの近傍に設けられた上端側の濾過部連通流路f2との間で、略モータロータ8の軸方向に沿う流れが形成されるので、モータ部M内の熱やゴミを効率よく搬出することができるという利点がある。
【0041】
フィルタ部材12を透過する燃料の流路は、フィルタ部材12の軸方向にいずれでも透過可能であるが、フィルタ部材12が比較的清浄な間は、隙間18から水平に流れて隙間19を通る最短流路が優勢となる。そしてゴミが付着して目詰まりしてくるにつれて、フィルタ部材12を横断する流路が下方に下がっていき、軸方向の全体が目詰まりしたときフィルタの寿命となる。
このように本実施形態では、濾過側流通流路f2がフィルタ部材12の軸方向の一端部(上端部)に設けられているので、フィルタ部材12の汚損による目詰まりが一端部側から進行し、目詰まりに対応して流路が迂回されていくものである。その結果、フィルタ面積は次第に狭くなるものの、実質的な流路を形成するフィルタ面は清浄さを保ちやすく、フィルタ面全体が均一に詰まっていく場合に比べて、吐出量やポンプ負荷などの性能が長期間安定しているという利点がある。
【0042】
また、本実施形態の流路は、濾過部Fとモータ部Mとが、濾過側連通流路f2を通じてのみ連通されており、モータロータ8を覆うモータハウジング6で大部分が仕切られている。そのため、モータロータ8による燃料の回転流はモータ部M内では激しいが、濾過部Fではきわめて穏やかである。その結果、フィルタ部材12に付着したゴミなどがモータロータ8の回転の影響を受けにくくなっている。すなわち、フィルタ近傍でロータが回転している場合と比べると、フィルタ部材12のゴミが剥離して燃料中に浮遊することがきわめて少ない。したがって、ゴミがモータ部Mに逆流しにくいという利点がある。
また、仮にフィルタ部材12に付着しきれないゴミが増大したとしても、濾過部Fの軸方向長さに比べてきわめて狭く、濾過部Fの一端側に偏って配された隙間18を通じて濾過側連通流路f2を戻らなければならないので、モータ部Mに逆流しにくくなっている。
【0043】
したがって、モータ部M内が比較的清浄に保たれるので、ゴミが軸受部2a、9aの軸受隙間に詰まるというような故障を低減でき、信頼性を向上することができるという利点がある。
なお、燃料ポンプユニット1は、一般的には上記の説明のような配置姿勢で用いるものであり、その場合には、濾過部F内でゴミが自重により沈降するので、より一層逆流しにくくなるという利点がある。
【0044】
また、本実施形態では、モータ部Mの外径よりも大きな径上に羽根5aが設けられた羽根車5を有するポンプ部Pを設け、ポンプ側連通流路f1によりポンプ部Pの外周部とモータ部Mの内部を連通させている。このため、比較的低回転でも羽根車5の周速を上げてポンプ圧を上げることができ、モータ部Mを小さく構成できる利点がある。また、運転時の騒音を低減することができるという利点ある。
さらに、モータ部Mの外側に張り出したポンプ部Pの上部に濾過部Fを配置しているので、円柱形状内部でスペースを有効に利用することができ、コンパクトな構成が実現できるという利点がある。
【0045】
また、ポンプ側連通流路f1は、鉛直上方に延びる燃料案内孔2gから水平に折れ曲がった流路を形成する燃料案内溝2fを経てモータ部Mに到るものである。したがって、モータ部M内のゴミが自重により落下しても、燃料案内溝2fの出口部に落下する。そして燃料案内溝2f内を水平方向にゴミを移動させる力はモータ部M側からは働かず、逆にポンプ部P側から高圧の燃料が圧送されるので、羽根5aまでゴミが戻ることがない。したがって、ポンプ部Pを鉛直下方に配置しても羽根5aにゴミが逆流してポンプ部Pの故障するといったことを防止できるので、信頼性を向上できるという利点がある。
【0046】
次に、本実施形態の変形例について簡単に説明する。
図8は、本実施形態の変形例に係る燃料ポンプユニット50を説明するための軸方向の概略断面図である。
本変形例の燃料ポンプユニット50は、燃料ポンプユニット1の整流子8cに代えて整流子80cを用い、それに伴なってブラシホルダ9およびアウトレットカバー11を、ブラシホルダ22およびアウトレットカバー23に代え、さらに、下部シール部材13、上部シール部材14をその変形例である下部シール部材20、上部シール部材21に代えたものである。その他は、上記に説明した部分と共通である。以下、上記と異なる点のみ簡単に説明する。
【0047】
整流子80cは、図8に示したように、ブラシ10を軸方向に当接させるタイプの整流子である。そのため、ブラシホルダ22は、ブラシ10を軸方向に保持する形状とされている。
図9(a)は、ブラシホルダ22を説明するための上面説明図、図9(b)は図9(a)におけるL−L断面図、図9(c)は裏面説明図、図9(d)は図9(a)におけるN−N断面図である。
【0048】
ブラシホルダ22は、円状の上面部22hの下側にモータハウジング6の内周部に嵌合する円筒状の嵌合部22eを設け、それぞれの内面により整流子80cを、隙間を設けて収容することができる凹穴である整流子収容部22bが形成されている。嵌合部22eの軸方向中間部には、モータハウジング6の端部と係止するためのフランジ部22cが設けられている。
【0049】
上面部22hの上側には、軸方向の貫通孔からなるブラシ固定部22fが2箇所設けられ、上面部22hの中心部には、モータ軸8aを支持する軸受部22aが設けられている。軸受部22aは、その上端部に径方向に横断する軸押え部が架設され、その径方向左右側に半月状の隙間が設けられ、取付時にモータ軸8aの軸端部を目視することが可能な半月状の貫通孔が形成されている。また、軸受部22aの側方の上面部22h上には、ブラシの電気配線を係止する配線係止部22gが設けられている。
【0050】
図9(d)に示したように、上面部22hの外周部の一部に上面部22hとフランジ部22cの上側の側部を切り欠いた貫通孔22dが設けられている。
そして、図8に示したように、嵌合部22eがモータハウジング6の上端部に内嵌され、フランジ部22cにより軸方向の端部に係止されて、モータ部Mの上部を覆っている。ブラシ固定部22fには、上方からブラシ10が挿入されている。
【0051】
アウトレットカバー23は、アウトレットカバー11と同様に吐出口11aを上面側に備えるキャップ部材であり、同じく外周壁11bを備えてポンプユニットケーシング15に固定されている。
図10(a)、(b)、(c)は、本変形例に係るアウトレットカバー23を説明するため裏面説明図、Q−Q断面図、上面説明図である。
【0052】
外周溝11cを形成する円筒壁状の仕切壁23dによりブラシホルダ22の上面側を隙間を設けて収容するブラシガイド収容部23eが形成されている。ブラシガイド収容部23eの上面にはブラシ10の配置位置に対応して軸方向に押えばね25を挿入するための円筒管路からなるブラシ押圧部23hが立設されている。
押えばね25は、ブラシ10を整流子80cに所定圧で押圧するためのもので、ブラシ押圧部23hの上方から挿入されたばね押え部材26により下側に加圧されている。ばね押え部材26により、ブラシ押圧部23hの開口は封止され、アウトレットカバー23の上面の開口は吐出口11aのみとされている。
【0053】
ブラシホルダ22は、アウトレットカバー23から押えばね25の押圧力が軸方向に付勢されており、ブラシホルダ22の上面とブラシガイド収容部23eの内面との間には、径方向および周方向にわたって隙間が設けられている。
図11は、図8のK視概略説明図である。図11に示したように、燃料が貫通孔22dからこれらの隙間を通って、隙間18から濾過部Fへ到る濾過側連通流路f2が形成されている。
【0054】
下部シール部材20、上部シール部材21は、軸方向断面が略コ字状の円環からなる板金部材からなる例である。このような形状によれば、軽量かつ安価な部材とすることができる利点がある。また、下部シール部材20を環状室の底部に取り付ける場合にコ字の側面のばね性を利用して圧入により組付けることができるので、組付性が向上できるという利点がある。
【0055】
本変形例は、ブラシホルダ22が押えばね25を介して押圧されているが、押圧方向が軸方向なので、軸受部22aが変形するという不具合は生じない。濾過側連通流路f2は、燃料ポンプユニット1と同様に作用効果を有しているが、特に、本変形例では、貫通孔22dを整流子80cおよびブラシ10の摺接部と略同じ高さに設けたので、ブラシの摺接によるゴミが遠心力で水平方向に飛ばされ、そのまま貫通孔22dから確実に搬出されることになり、モータ部M内の清浄性がさらに向上されるという利点がある。
【0056】
なお、上記の説明では、アウトレットカバーとキャップ部材との間のそれぞれの隙間は、径方向および周方向に連続している例で説明したが、軸受部に燃料の流れを形成するためには、濾過側連通流路は、軸受部上をまたいで径方向に連続して設ければ十分である。
【0057】
また、上記の説明では、アウトレットカバーとキャップ部材とが互いに接触しない例とばねを介して接触する例とで説明したが、ポンプハウジング内の圧力変動により、キャップ部材に設けられた軸受部などが許容値以上に変形しなければ、アウトレットカバーとキャップ部材とが接触されていてもよい。
例えば、アウトレットカバーを低剛性の材質で製作する場合、キャップ部材から隙間を確保するための突起や仕切り壁などを設けておき、部品のそりなどで隙間のばらつきが生じないようにしてもよい。その状態で軸受部が過大な変形を起こさないならば、ポンプの作動時は、アウトレットカバーは内圧を受けて膨らむから、突起や仕切り壁から離れて隙間を増大させるように変形し、軸受の変形がそれ以上に増加することはない。
【0058】
また、上記の説明では、濾過部を内蔵する例で説明したが、モータ部の軸受部を変形させないという目的のためであれば、環状室内に濾過部を内蔵する必要はない。
【0059】
また、上記の説明では、モータ部と環状室との内圧を均衡させるためにキャップ部材に貫通孔を設けて、燃料がより軸受部上に回りやすいようにした例で説明したが、キャップ部材の近傍のモータハウジングに貫通孔を設けてもよい。
【0060】
【発明の効果】
以上に述べたように、請求項1に記載の発明では、モータ部がポンプハウジングに支持されることがないので、取付時に起こるモータ部の変形がなく、軸受部の隙間が適正に確保されるから、軸受摩耗を防止でき信頼性を向上することができるという効果を奏する。またモータ部とポンプハウジングは別工程で組み立てることができるので、組付性をすることができるという効果を奏する。
【0061】
請求項2に記載の発明では、少なくともモータハウジングの外周部およびその先端に設けられた軸受部に沿う燃料の流れが形成できるから、モータハウジングの外周部と軸受部との冷却を促進でき、その結果、モータ部の長寿命化が可能となるという効果を奏する。
【0062】
請求項3に記載の発明では、ブラケット部材にモータ部から曲げモーメントが作用しても板状部の変形を抑えることができるので、ブラケット部材に設けられた軸受部の変形を抑制することができ、信頼性を向上することができるという効果を奏する。また、モータハウジングの組み付けが容易となるので、生産性が向上することができるという効果を奏する。
【0063】
請求項4に記載の発明では、モータ部の取付時にモータロータの回転軸の軸端部を軸受部の取付方向から目視できるので、組み付けが容易となり、生産性を向上することができるという効果を奏する。
【0064】
請求項5に記載の発明では、軸受部が設けられたキャップ部材をモータハウジングの軸方向に挿入して嵌合するので、軸受部が組付時に変形しにくくなるから、生産性を向上するとともに、信頼性の高い装置を製作できるという効果を奏する。
【0065】
請求項6に記載の発明では、吸入口や吐出口を始めとする比較的複雑な形状が必要となるインレットカバーとアウトレットカバーを別部材とするので、製作が容易となるから、生産性を向上して安価な装置を製作できるという効果を奏する。
【0066】
請求項7に記載の発明では、インレットカバーおよびアウトレットカバーの少なくとも一方をかしめにより固定するので、容易かつ安価に製作することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料ポンプユニットを説明するための軸方向の概略断面図である。
【図2】図1におけるA−A断面図である。
【図3】図1におけるB視平面図およびそのD−D断面図である。
【図4】本実施形態に係るブラシホルダを説明するための平面説明図、正面説明図、G−G断面図およびH−H断面図である。
【図5】本実施形態に係るアウトレットカバーを説明するための上面説明図およびJ−J断面図である。
【図6】本実施形態に係る燃料ポンプユニット内の燃料の流路を説明するための部分拡大断面図である。
【図7】本実施形態に係る濾過側連通流路を説明するための図1のC視概略説明図である。
【図8】本実施形態の変形例に係る燃料ポンプユニットを説明するための軸方向の概略断面図である。
【図9】本実施形態の変形例に係るブラシホルダを説明するための上面説明図、L−L断面図、裏面説明図およびN−N断面図である。
【図10】本実施形態の変形例に係るアウトレットカバーを説明するため裏面説明図、Q−Q断面図、上面説明図である。
【図11】図8のK視概略説明図である。
【符号の説明】
P ポンプ部
M モータ部
F 濾過部
f1 ポンプ側連通流路
f2 濾過側連通流路
PC ポンプハウジング
1、50 燃料ポンプユニット
2 ベースブラケット(ブラケット部材)
2A 板状部
2a、9a、22a 軸受部
2b モータハウジング取付部(取付部)
2e、3c ポンプケーシング溝
2f 燃料案内溝
2g 燃料案内孔
3 インレットカバー
5 羽根車
6 モータハウジング
7 界磁磁石
8 モータロータ
8a モータ軸(回転軸)
8c、80c 整流子
9、22 ブラシホルダ
9d、22d 貫通孔
9e、22e 嵌合部
11、23 アウトレットカバー
11a 吐出口
12 フィルタ部材(濾過手段)
13、20 下部シール部材(遮蔽部材)
15 ポンプユニットケーシング(ケーシング部材)

Claims (7)

  1. 燃料を吸引・圧送するポンプ部と、該ポンプ部に回転軸の一端を固定したモータロータを有するモータ部とを、燃料の吸入口、吐出口を有するポンプハウジング内に設けるとともに、前記モータ部の内部に燃料の流路を形成した燃料ポンプユニットであって、
    前記モータロータの前記回転軸の一端側がブラケット部材により回転可能に支持され、
    前記モータロータを周方向に覆うモータハウジングが前記ブラケット部材に立設され、
    前記モータハウジングに、前記回転軸の他端を回転可能に支持する軸受部が形成されていることにより、前記モータ部を前記ポンプハウジングに支持させることなく前記ブラケット部材に支持させたことを特徴とする燃料ポンプユニット。
  2. 請求項1に記載の燃料ポンプユニットにおいて、
    前記モータ部と前記ポンプハウジングとの間に、該モータ部の軸方向および径方向に前記燃料の流路が形成可能な隙間を設けたことを特徴とする燃料ポンプユニット。
  3. 請求項1または2に記載の燃料ポンプユニットにおいて、
    前記ブラケット部材の前記モータロータ側に、壁状に突出する取付部が設けられ、該取付部に前記モータハウジングが外嵌されて立設されたことを特徴とする燃料ポンプユニット。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の燃料ポンプユニットにおいて、
    少なくとも前記回転軸の他端を前記軸受部に嵌合させるモータ部の取付時に、前記モータロータの回転軸の軸端部を前記軸受部の取付方向から目視可能な軸方向の貫通孔が、前記軸受部に設けられていることを特徴とする燃料ポンプユニット。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の燃料ポンプユニットにおいて、
    前記モータハウジングの立設方向の先端側を略覆うキャップ部材を前記モータハウジングの軸方向に挿入して嵌合し、
    前記キャップ部材に前記軸受部を設けたことを特徴とする燃料ポンプユニット。
  6. 請求項1〜5に記載の燃料ポンプユニットにおいて、
    前記ポンプハウジングが、
    前記回転軸の軸方向に延びる筒状のケーシング部材と、
    前記燃料の吸入口を有し、前記羽根車を前記ブラケット部材との間で覆うインレットカバーと、
    前記燃料の吐出口を有し、前記モータ部の径方向を覆うアウトレットカバーとからなり、
    前記インレットカバーおよび前記アウトレットカバーが、前記ケーシング部材の両端部にそれぞれ固定されてなることを特徴とする燃料ポンプユニット。
  7. 請求項6に記載の燃料ポンプユニットにおいて、
    前記インレットカバーおよび前記アウトレットカバーの少なくとも一方が、前記ケーシング部材にかしめにより固定されたことを特徴とする燃料ポンプユニット。
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