JPH11229957A - 遮熱形エンジンの構造 - Google Patents

遮熱形エンジンの構造

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JPH11229957A
JPH11229957A JP3986698A JP3986698A JPH11229957A JP H11229957 A JPH11229957 A JP H11229957A JP 3986698 A JP3986698 A JP 3986698A JP 3986698 A JP3986698 A JP 3986698A JP H11229957 A JPH11229957 A JP H11229957A
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JP
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port
liner
metal
port liner
cylinder head
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JP3986698A
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Inventor
Hideo Kawamura
英男 河村
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Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
Original Assignee
Isuzu Ceramics Research Institute Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は,鋳込みによって形成したシリンダ
ヘッドのポートに可撓性ポートライナと複数のストレー
ト状ポートライナを挿入して配置し,鋳込み時の熱影響
が及ばないようにしてポートライナの破損を防止する遮
熱形エンジンの構造を提供する。 【解決手段】 この遮熱形エンジンの構造は,シリンダ
ヘッド3に形成したポート7にその屈曲部6で屈曲可能
な金属製蛇腹状パイプ4を挿入固定する。蛇腹状パイプ
4の外面には熱伝導率の小さいセラミックスから成るコ
ーティング層12が配置されている。蛇腹状パイプ4に
は,その両端からほぼストレート状に延びる耐熱性セラ
ミックス又は金属から成る一対のポートライナ1A,1
B,2A,2Bを挿入配置し,蛇腹状パイプ4の波形部
に遮熱空気層13を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,シリンダヘッド
にポートに挿入配置されたセラミック製ポートライナを
備えた遮熱形エンジンの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】通常のエンジンのシリンダヘッドは,燃
焼室に対向する面と吸気マニホルドや排気マニホルドを
取り付ける取付面とは同一面を構成しておらず,燃焼室
に対向する面に対して取付面はほぼ垂直に形成されてい
る。そこで,シリンダヘッドに設けられたポートを遮熱
構造に構成するため,予めセラミックスによってセラミ
ック製ポートライナを作製し,アルミニウム合金,Fc
等の金属材料から鋳込みによってシリンダヘッドを作製
する際に,ポートライナを鋳込み型に配置して鋳込みに
よってシリンダヘッド内にポートライナを配置してい
た。
【0003】しかしながら,チタン酸アルミニウム等の
低熱伝導材料から成るポートライナを金属材料に鋳込む
場合に,Al又はFcの金属材料に鋳込み後の収縮によ
る圧縮力により,ポートライナには高い圧縮応力が作用
する。該圧縮応力によってポートライナが破損する場合
がある。そこで,鋳込み後の収縮によるポートライナの
破損を防止する対策として,ポートライナの外周部をア
ルミナファイバー等の材料により巻き込むことが考えら
れる。例えば,シリンダヘッドに吸排気ポートを形成す
る製造方法は,セラミックスのポートライナをシリンダ
ヘッドの鋳込み時に鋳ぐるんで断熱構造に構成する場合
に,シリンダヘッドを構成する鋳込み金属材料が凝固す
る時に,該金属材料の収縮力によってポートライナが圧
縮応力を受けて破損するのを防止するため,シリンダヘ
ッドとポートライナとの間に緩衝層を設けて鋳ぐるんで
作製していた。
【0004】また,特開平8−150463号公報に開
示されたセラミック製ポートライナは,シリンダヘッド
の鋳込み時の金属の収縮によってセラミック製ポートラ
イナの破損を防止し,内包される応力緩衝層を封入した
ものである。該セラミック製ポートライナは,セラミッ
クスでポートライナと板材で外殻を作製し、ポートライ
ナの外面を緩衝材から成る応力緩衝層で覆うと共に応力
緩衝層の外面と端面及びポートライナの端面とを外殻で
覆い,ポートライナの両端の開口をプラグで閉鎖して中
子を作製し,中子をシリンダヘッド鋳型に配置して溶湯
を鋳込み,遮熱層を構成する応力緩衝層が露出しない程
度に外殻の開口端面を切削加工してポートライナを鋳込
んだシリンダヘッドを作製している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで,セラミック
エンジンの構造は,主室である燃焼室部材とピストンヘ
ッド部の遮熱構造によって熱流を外側に放散することを
防止しているが,燃焼室部材に吸気マニホルドや排気マ
ニホルドとの間を連通させるシリンダヘッドに形成され
た吸気ポートや排気ポートが形成されている。しかしな
がら,これらのポートを形成するポートライナをシリン
ダヘッドに鋳込みによって配置する場合に,金属溶湯の
温度が1450〜1500℃であるため,ポートライナ
を形成するセラミックスが熱的に損傷を受けて破損する
という問題があった。また,シリンダヘッドの取付面を
平坦に形成するための加工が困難であり,製造コストを
アップし,必ずしも好ましい製造方法ではなかった。
【0006】また,シリンダヘッドとポートライナとの
間に緩衝層を設けて鋳ぐるんで作製するような場合に,
アルミナファイバー部に鋳造時の金属材料の溶湯が流れ
込まないように,継ぎ目の処理,端面の処理等を行う必
要があり,処理工程が複雑になり,寸法公差を含めて量
産化を行うことができないという問題があった。また,
シリンダヘッドの端面にはアルミナ繊維等の緩衝層が露
出し,緩衝層の一部が脱落し,遮熱層の性能劣化やセラ
ミック製ポートライナのがた付きが発生し,破損に至る
ことがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
の課題を解決するため,セラミック製ポートライナを予
め作製し,それとは別の製造工程でシリンダヘッドを屈
曲状ポートを備えた形状に鋳込みによって作製し,その
後,シリンダヘッドに形成した途中一箇所に屈曲部を備
えたポートの両端からセラミック製ポートライナをそれ
ぞれ挿入し,各セラミック製ポートライナをシリンダヘ
ッドの所定の位置にそれぞれ配置し,各セラミック製ポ
ートライナの端部をポートの屈曲部で対向させ,セラミ
ック製ポートライナが鋳込みによる熱的影響とは無関係
にポートに挿入配置できるように構成した遮熱形エンジ
ンの構造を提供することである。
【0008】この発明は,鋳込みによって作製され且つ
屈曲部を有するポートを備えた金属から成るシリンダヘ
ッド,前記ポート内に前記屈曲部で屈曲して挿入固定さ
れ且つ外面が熱伝導量が小さい部分接触するように形成
された蛇腹状金属製ポートライナ,前記ポートの両端側
からそれぞれ挿入され且つ前記屈曲部で端部がそれぞれ
対向するように固定されたほぼストレート状に延びる耐
熱性材料から成る一対のポートライナ,及び前記ポート
ライナと前記蛇腹状金属製ポートライナとの間及び前記
蛇腹状金属製ポートライナと前記ポートとの間に形成さ
れた遮熱空気層,から成る遮熱形エンジンの構造に関す
る。
【0009】前記蛇腹状金属製ポートライナの外側凸部
に熱伝導率が小さいセラミックスをコーティングすると
共に,前記外側凸部が前記シリンダヘッドの前記ポート
の壁面に接触し,また,前記蛇腹状金属製ポートライナ
の内側凸部が前記ポートライナの外面に接触している。
【0010】前記蛇腹状金属製ポートライナにコーティ
ングされた前記セラミックスはZrO2 である。また,
前記蛇腹状金属製ポートライナは,可撓性が有る構造に
ニッケル,クロムを含有するスチールSUS(例えば,
SUS304)から作製されているので,シリンダヘッ
ドのポートに容易に挿入できる。
【0011】前記ポートライナは二つ割り構造に形成さ
れている。従って,前記ポートライナの製作が簡単であ
ると共に,前記セラミック製ポートライナの前記蛇腹状
金属製ポートライナへの挿入作業を容易に行なうことが
できる。
【0012】前記シリンダヘッドに固定されたシリンダ
ブロックに遮熱層を介して燃焼室を構成するセラミック
製燃焼室部材が配置され,前記燃焼室部材には前記ポー
トライナと前記燃焼室とを連通するポートと該ポートを
開閉するバルブが着座するバルブシートとが形成されて
いる。
【0013】前記ポートライナは,セラミックス又は金
属から作製されている。更に,前記ポートライナは,そ
の外側面に熱伝導率が小さいセラミックスがコーティン
グされている。
【0014】この遮熱形エンジンの構造は,シリンダヘ
ッドの鋳込み時には,金属製又はセラミック製ポートラ
イナを配置することなく,ポートを備えたシリンダヘッ
ドを作製した後に,シリンダヘッドに鋳込みによって形
成したポートにセラミック製又は金属製ポートライナを
配置するので,前記ポートライナは鋳込み時の金属溶湯
の熱的影響を受けることがなく,前記ポートライナに鋳
込み時における熱損傷が発生することがない。従って,
シリンダヘッドに配置された金属製又はセラミック製ポ
ートライナは,耐久性に富んだものに構成できる。
【0015】この遮熱形エンジンの構造は,シリンダヘ
ッドにおいて燃焼室に対向する面に対してほぼ垂直なマ
ニホルド取付面があり,それに対応してシリンダヘッド
に形成されたポートが途中で屈曲しているので,ポート
の両端から各セラミック製ポートライナをそれぞれ挿入
してポートの屈曲部で対向して接続するが,各セラミッ
ク製ポートライナの外周には蛇腹状金属製ポートライナ
が配置されているので,ガスが各ポートライナの外側へ
と漏洩することがない。
【0016】即ち,この遮熱形エンジンの構造は,可撓
性の蛇腹状金属製ポートライナをシリンダヘッドのポー
トに屈曲させて差し込むが,金属製ポートライナにセラ
ミック製又は金属製ポートライナを差し込む時に,セラ
ミック製又は金属製ポートライナの押し込み力で金属製
ポートライナを若干変形させれば,セラミック製又は金
属製ポートライナが蛇腹状金属製ポートライナに良好に
挿入配置され,しかも蛇腹状金属製ポートライナの内側
凸部がセラミック製又は金属製ポートライナの外面に接
触すると共に,蛇腹状金属製ポートライナの外側凸部が
シリンダヘッドのポート壁面にも接触して,シール部を
形成する。従って,セラミック製又は金属製ポートライ
ナの端部が互いに当接しなくても,蛇腹状金属製ポート
ライナの内外の凸部の位置でシールされ,ガスの漏洩が
なく,良好な排気ポートや吸気ポートを形成することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による遮熱形エンジンの構造の一実施例を説明する。図
1はこの発明による遮熱形エンジンの構造の一実施例を
示す断面図である。図1に示すように,この発明による
遮熱形エンジンの構造は,ディーゼルエンジン,ガスエ
ンジン,ガソリンエンジン等の遮熱形エンジンに適用で
き,図示した燃焼室23を備えたタイプの他,図示して
いないが,燃焼室として主室と副室を備えたタイプにも
適用できる。
【0018】この遮熱形エンジンは,主として,シリン
ダブロック14,シリンダブロック14の上面にガスケ
ット29及びシリンダスペーサ15を介して固定された
シリンダヘッド3,シリンダブロック14に形成した孔
部24に嵌合したシリンダ25を構成するシリンダライ
ナ26,シリンダヘッド3の一部を構成するシリンダス
ペーサ15の孔部37に遮熱空気層41を形成するよう
に配置された燃焼室部材10,及びシリンダライナ26
に形成したシリンダ25内を往復運動するピストン20
を有している。この遮熱形エンジンは,シリンダヘッド
3に2個の排気バルブ11と2個の吸気バルブ(図示せ
ず)が配置されるタイプのである。
【0019】また,シリンダヘッド3に形成されたポー
ト7は,途中で一箇所で屈曲した屈曲部6が形成されて
いる。言い換えれば,ポート7は,一箇所の屈曲部6を
境に燃焼室部材10側とマニホルド側とにストレート状
に延びている。ポート7の一端は,燃焼室部材10に対
向する側の燃焼室側端面21が水平に延びるように形成
され,また,ポート7の他端は,排気マニホルド16及
び吸気マニホルド18に対向する側の取付面22が端面
21に対して垂直に延びるように形成されている。即
ち,ポート7の燃焼室側端面21に対してマニホルド取
付面22はほぼ垂直に延びている。排気マニホルド16
は,例えば,その内面に排気ポートライナ17が空気層
38を形成して配置され,また,吸気マニホルド18
は,例えば,その内面に吸気ポートライナ19が遮熱空
気層39を形成して配置されている。
【0020】燃焼室部材10は,Si3 4 等のセラミ
ックスや耐熱合金の耐熱材から形成されている。燃焼室
部材10は,ヘッド下面部28とそれと一体構造のシリ
ンダ25の一部を形成するライナ上部27から成るヘッ
ドライナから構成されている。燃焼室部材10には,複
数のポート5(図1では排気側ポートのみ示す)及び燃
焼室23が形成されている。例えば,燃焼室部材10に
は,実線で示す2個の排気ポート5及び2個の吸気ポー
ト(図示せず)が形成されている。燃焼室部材10は,
シリンダヘッド3とシリンダブロック14との間に位置
するシリンダスペーサ15の外周面とシリンダスペーサ
15に形成した孔部37との間に遮熱空気層41を形成
するように,ガスケット32を介在してシリンダスペー
サ15の孔部37に配置され,燃焼室23が遮熱構造に
構成されている。
【0021】この遮熱形エンジンの構造は,特に,シリ
ンダヘッド3に形成した各ポート7には,可撓性の蛇腹
状金属製ポートライナ4が屈曲して挿入配置され,蛇腹
状金属製ポートライナ4の内側に排気ポート8を形成す
るストレート状のポートライナ1A,1Bが挿入配置さ
れ,ポートライナ1A,1Bが屈曲部6の領域で対向し
ている。ポートライナ1A,1Bは,セラミックス又は
金属で作製することができる。また,ポートライナ1
A,1Bとポート7との間には,蛇腹状金属製ポートラ
イナ4の波形部で遮熱空気層13が形成されている。同
様に,シリンダヘッド3に形成された別の各ポート7
(二点鎖線で示す)には,蛇腹状金属製ポートライナ4
が挿入配置され,蛇腹状金属製ポートライナ4の内側に
吸気ポート9を形成するストレート状のポートライナ2
A,2Bが挿入配置され,ポートライナ2A,2Bが屈
曲部6の領域で対向している。また,ポートライナ2
A,2Bは,セラミックス又は金属で作製することがで
きる。ポートライナ2A,2Bとポート7との間には,
蛇腹状金属製ポートライナ4の波形部で遮熱空気層13
が形成されている。燃焼室部材10に形成された排気側
のポート5は,ポートライナ1Aに形成された排気ポー
ト8に連通している。燃焼室部材10に形成された吸気
ポート(図示せず)は,ポートライナ2Aに形成された
吸気ポート9に連通している。
【0022】燃焼室部材10の2個の排気用のポート5
に設けたバルブシートには排気バルブ11が配置され,
また,図示していないが,2個の吸気用のポートに設け
たバルブシートには吸気バルブが配置されている。排気
バルブ11と吸気バルブは,図示していないが,例え
ば,それらの上部にはバルブスプリングリテーナがコッ
タで固定され,バルブスプリングリテーナとシリンダヘ
ッド3の上面との間にはバルブスプリングが配置され,
カム式動弁機構によってシリンダヘッド3に設けられた
バルブガイド31に案内されて上下動可能に構成されて
いる。
【0023】ピストン20は,例えば,Si3 4 等の
セラミックスや耐熱合金の耐熱材から形成されたピスト
ンヘッドと,ピストンヘッドに固定されたAl合金等の
金属材から形成されたピストンスカートとから構成され
ている。燃焼室23は,燃焼室部材10のヘッド下面部
28の下面43,シリンダライナ26とライナ上部27
とで形成されたシリンダ25及びピストン20の上面4
4とで囲まれる領域によって形成される。
【0024】この遮熱形エンジンの構造は,鋳鉄,アル
ミニウム等の金属から作製したシリンダヘッド3には,
ストレート状で且つ途中で屈曲した屈曲部6を備えたポ
ート7を形成するように鋳込みによって作製されてい
る。シリンダヘッド3のポート7には,外面にZrO2
等の低熱伝導率のセラミックスから成るコーティング層
12がコーティングされた蛇腹状金属製ポートライナ4
が配置されている。この場合,蛇腹状金属製ポートライ
ナ4は,SUS304等のNi,Crを含有するスチー
ルから成る金属管であって可撓性を有するので,シリン
ダヘッド3に形成したポート7の屈曲部6に沿って容易
に屈曲させてポート7内へ挿入することができ,蛇腹状
金属製ポートライナ4の外側凸部36がポート壁面45
に接触するようにポート7に挿入され,しかもポート壁
面45に蛇腹状金属製ポートライナ4の外側凸部36が
弾性的にフィットして接触することができる。また,蛇
腹状金属製ポートライナ4の外面には,ZrO2 等の低
熱伝導率のセラミックスがコーティングされているの
で,コーティング層12と蛇腹状金属製ポートライナ4
で形成された遮熱空気層13とで極めて効率的な遮熱層
が形成される。
【0025】また,蛇腹状金属製ポートライナ4には,
ストレート状のポートライナ1A,1Bが遮熱空気層1
3を形成するように,シリンダヘッド3の下面21側と
排気マニホルド16側からそれぞれ挿入配置され,ま
た,ストレート状のポートライナ2A,2Bが遮熱空気
層13を形成するように,シリンダヘッド3の下面21
側と吸気マニホルド18側からそれぞれ挿入配置されて
いる。ポートライナ1A,1B,2A,2Bの外面46
には蛇腹状金属製ポートライナ4の内側凸部35が接触
するように挿入されている。ポートライナ1A,1B,
2A,2Bは,耐熱性セラミックスから形成され,シリ
ンダヘッド3に形成した燃焼室側端面21とマニホルド
側取付面22からポート7内へそれぞれ挿入されてい
る。或いは,ポートライナ1A,1B,2A,2Bが金
属で作製された場合には,それらの外側面に熱伝導率の
小さいセラミックスをコーティングすることができる。
従って,蛇腹状金属製ポートライナ4はアウタポートラ
イナを構成し,ポートライナ1A,1B,2A,2Bが
インナポートライナを構成していることになる。
【0026】また,蛇腹状金属製ポートライナ4に挿入
されたポートライナ1Aとポートライナ1Bとの対向端
部が当接せずに隙間40が形成されたとしても,排気ガ
ス又は吸入空気が渦流を発生することなくスムースに流
れれば良く,しかも,蛇腹状金属製ポートライナ4の内
外面に突出する凸部35,36がポート壁面45とポー
トライナ1A,1B,2A,2Bとの外面46に接触し
ているので,排気ポート8や吸気ポート9からガスが遮
熱空気層13へ漏洩することが防止される。更に,排気
バルブ11と吸気バルブ(図示せず)とが貫通するポー
トライナ1A,1B,2A,2Bに形成されたバルブ孔
42の領域には,蛇腹状金属製ポートライナ4が隣接
し,蛇腹状金属製ポートライナ4の内外の凸部35,3
6によって遮熱空気層13がシールされている。図1で
は,ポートライナ1Aとポートライナ1Bとが対向する
領域にバルブ孔42が形成されている。
【0027】ポートライナ1A,1B,2A,2Bとシ
リンダヘッド3のポート7との間には,排気ポート8,
吸気ポート9を遮熱構造に構成するため,蛇腹状金属製
ポートライナ4の波形の隙間に遮熱層13が形成されて
いる。また,セラミック製ポートライナ1A,2Aの燃
焼室部材10側の端部はフランジ部33に形成され,フ
ランジ部33は蛇腹状金属製ポートライナ4と燃焼室部
材10との間に挟み込まれ,蛇腹状金属製ポートライナ
4の受け部を構成し,燃焼室部材10の上面とシリンダ
ヘッド3の下面21との間に介在されたガスケット29
によって燃焼室部材10とシリンダヘッド3との間の隙
間がシールされている。また,ポートライナ2A,2B
のマニホルド16,18側の端部はフランジ部34に形
成され,フランジ部34がシリンダヘッド3の取付面2
2と排気マニホルド16との間にガスケット30を介在
して挟み込まれている。ガスケット29,30は,耐熱
性のアルミナファイバー,アルミナウィスカー,アルミ
ナ長繊維等のセラミックス繊維製ガスケットから構成さ
れている。
【0028】
【発明の効果】この発明による遮熱形エンジンの構造
は,上記のように,シリンダヘッド,蛇腹状金属製ポー
トライナ及びストレート状ポートライナをそれぞれ別工
程で作製し,次いで,シリンダヘッドのポートに蛇腹状
金属製ポートライナを挿入し,次いで,蛇腹状金属製ポ
ートライナの両端からストレート状ポートライナをそれ
ぞれ挿入して排気ポートと吸気ポートを形成するので,
ストレート状ポートライナがシリンダヘッドの鋳込み時
の熱影響を受けることがなく,ストレート状ポートライ
ナにクラックや割れが発生することがなく,耐久性に富
んだ遮熱形エンジンを作製することができる。しかも,
ストレート状ポートライナは蛇腹状金属製ポートライナ
内に良好に弾性的にフィットして配置され,ストレート
状ポートライナの内側の圧力と外側の圧力の変化に対し
て緩衝され,ストレート状ポートライナにクラックや割
れ等の破損が発生することがなく,耐久性に富んだ構造
を提供できる。
【0029】また,この遮熱形エンジンの構造は,良好
な遮熱構造を提供できるので,シリンダヘッド領域での
熱放散を抑制でき,ポートライナの後流に設けられたタ
ーボチャージャやエンジン回収装置へ排気ガスを送り込
んで,十分に熱エネルギを回収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による遮熱形エンジンの構造の一実施
例を示す断面図である。
【符号の説明】
1A,1B,2A,2B セラミック製ポートライナ 3 シリンダヘッド 4 蛇腹状金属製ポートライナ 5,7 ポート 6 屈曲部 8 排気ポート 9 吸気ポート 10 燃焼室部材 11 排気バルブ 12 コーティング層 13 遮熱空気層 14 シリンダブロック 15 シリンダスペーサ 16 排気マニホルド 18 吸気マニホルド 21 シリンダヘッド下面 22 取付面 23 燃焼室 25 シリンダ 29,30,32 ガスケット 33,34 フランジ部 35,36 凸部 40 隙間 42 バルブ孔

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳込みによって作製され且つ屈曲部を有
    するポートを備えた金属から成るシリンダヘッド,前記
    ポート内に前記屈曲部で屈曲して挿入固定され且つ外面
    が熱伝導量が小さい部分接触するように形成された蛇腹
    状金属製ポートライナ,前記ポートの両端側からそれぞ
    れ挿入され且つ前記屈曲部で端部がそれぞれ対向するよ
    うに固定されたほぼストレート状に延びる耐熱性材料か
    ら成る一対のポートライナ,及び前記ポートライナと前
    記蛇腹状金属製ポートライナとの間及び前記蛇腹状金属
    製ポートライナと前記ポートとの間に形成された遮熱空
    気層,から成る遮熱形エンジンの構造。
  2. 【請求項2】 前記蛇腹状金属製ポートライナの外側凸
    部に熱伝導率が小さいセラミックスをコーティングする
    と共に,前記外側凸部が前記シリンダヘッドの前記ポー
    トの壁面に接触し,また,前記蛇腹状金属製ポートライ
    ナの内側凸部が前記ポートライナの外面に接触している
    ことから成る請求項1に記載の遮熱形エンジンの構造。
  3. 【請求項3】 前記蛇腹状金属製ポートライナにコーテ
    ィングされた前記セラミックスはZrO2 であることか
    ら成る請求項1に記載の遮熱形エンジンの構造。
  4. 【請求項4】 前記蛇腹状金属製ポートライナはSUS
    から作製されていることから成る請求項1に記載の遮熱
    形エンジンの構造。
  5. 【請求項5】 前記ポートライナは二つ割り構造に形成
    されていることから成る請求項1〜4のいずれか1項に
    記載の遮熱形エンジンの構造。
  6. 【請求項6】 前記シリンダヘッドに固定されたシリン
    ダブロックに遮熱層を介して燃焼室を構成するセラミッ
    ク製燃焼室部材が配置され,前記燃焼室部材には前記ポ
    ートライナと前記燃焼室とを連通するポートと該ポート
    を開閉するバルブが着座するバルブシートとが形成され
    ていることから成る請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の遮熱形エンジンの構造。
  7. 【請求項7】 前記ポートライナは,セラミックス又は
    金属から作製されていることから成る請求項1〜6のい
    ずれか1項に記載の遮熱形エンジンの構造。
  8. 【請求項8】 前記ポートライナは,その外側面に熱伝
    導率が小さいセラミックスがコーティングされているこ
    とから成る請求項1〜7のいずれか1項に記載の遮熱形
    エンジンの構造。
JP3986698A 1998-02-06 1998-02-06 遮熱形エンジンの構造 Pending JPH11229957A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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