JPH11229820A - 火力発電プラントの熱効率診断方法および装置 - Google Patents
火力発電プラントの熱効率診断方法および装置Info
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- JPH11229820A JPH11229820A JP10028290A JP2829098A JPH11229820A JP H11229820 A JPH11229820 A JP H11229820A JP 10028290 A JP10028290 A JP 10028290A JP 2829098 A JP2829098 A JP 2829098A JP H11229820 A JPH11229820 A JP H11229820A
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Abstract
行え、かつ各機器個別の性能変化がプラント全体に与え
る影響を精度良く解析することができ、それにより点検
・補修等による熱効率の回復が適切に行えるようにす
る。 【解決手段】火力発電プラントの各機器について熱入出
力に関する計測を行い、得られた計測データの中で高精
度と認められるデータに基づいて当該機器についてのヒ
ートバランス計算を行う。高精度計測データおよびヒー
トバランスを基準値として低精度と認められる計測デー
タの収束計算を行う。これによりプラント全体のヒート
バランスを決定する。予め求めた機器の性能が熱効率に
与える寄与度と決定されたヒートバランスとに基づい
て、熱効率劣化要因機器を特定する。
Description
る火力発電プラントについて熱効率の変動や劣化が生じ
たような場合に、熱効率劣化要因機器を明確に特定し、
点検および補修等による熱効率の回復を適正に、かつ能
率よく行える火力発電プラントの熱効率診断方法および
装置に関するものである。
・発電コスト低減の双方の観点から、ますます注目視さ
れている。実際に熱効率が変化した場合に、その原因が
プラント中のどの機器にあるのか特定することは熱効率
管理上重要である。
を表す数値で、消費した燃料のエネルギーに対する発電
した電力の比を示す。熱効率は以下の式で表される。
につながる。
は、日々の計測、そして定期的な性能試験によって、プ
ラント全体、および各機器個別の性能管理が実施されて
おり、プラントの運用・保守に反映されている。
管理の方法としては、従来一般に、タービン設備全体・
ボイラ設備全体、そしてタービン設備のうちの幾つかの
機器に関し、個別に性能計算を行っている。
効率を燃料発熱量、燃料流量、発電機出力を用いて計算
している。また、タービン側については、タービン室効
率を給水流量計測値を用いて計算している。
率を高圧タービン出入口の蒸気温度、圧力の計測値を用
いて計算しており、中圧タービンについては、内部効率
を中圧タービン出入口の蒸気温度、圧力の計測値を用い
て計算している。
検、補修等については、設備機器が大掛りであることか
ら作業量が多く、要する機材、期間、人員、コスト等も
多大なものとなる。このような大掛りな点検、補修は可
能な限り高いプラント熱効率の回復結果が期待されると
ころであり、そのためには点検、補修箇所を特定する手
段である熱効率診断によって効率劣化要因機器を従来に
増して、一層明確に特定することが望まれる。しかも、
診断自体にはコンピュータ処理が多く導入されている
が、それに費される設備、作業量、運用コスト等につい
ても可能な限り低廉であることが望まれる。
であり、熱効率診断のさらなる精度向上が図れるととも
に、それが能率よく行え、かつ各機器個別の性能変化が
プラント全体に与える影響を精度良く解析することがで
き、それにより点検・補修等による熱効率の回復が一層
適切に行える火力発電プラントの熱効率診断方法および
装置を提供することを目的とする。
トの熱効率診断の精度向上を図る手法として、ヒートバ
ランス解析を導入した。
おける各要素機器毎の熱エネルギーや電気エネルギーの
収支をいう。
カが設計時に、大型コンピュータで解析することはあっ
たが、電力会社が熱効率管理に用いることはほとんどか
った。この理由としては、設置後の運転プラントにおい
ては相互の機器の関連が複雑なために、非常に大型の計
算機を用いて収束計算を行う必要があり、設備、作業
量、運用コスト等が厖大となって、現実的な面から採用
が困難であったことが挙げられる。
試みの結果、プラント全ての機器について個別に性能計
算を行うのではなく、現状の熱効率管理手法に加え、発
電プラントにおける各計測データを基に、プラント全体
のヒートバランスを組んだとき整合性がとれているか検
討を行うことにより、各計測データのクロスチェックが
可能であることから、診断の精度向上が可能であるとの
着想を得るに至った。
出力に関する計測データには精度面からのバラつきがあ
り、例えばボイラからの主蒸気流量については、流量計
の汚れによる劣化によって、低精度となる傾向がある。
一方、高,中圧タービンの内部効率、高,中,低圧ター
ビン抽気を用いる給水系統の加熱機器である給水加熱器
や脱気器周りの温度、圧力等については高精度の計測デ
ーが得られる。
度的に区分し、高精度データに基づいて低精度データを
収束する計算を行うことで、低精度データの高精度化を
図れば、プラント全体のヒートバランスを容易に組むこ
とができるはずである。
算によって求めたヒートバランスと比較することによっ
て各構成機器の性能変化量を検討することが可能であ
る。
プラント全体の熱効率に対して影響を及ぼす程度、即ち
熱効率の寄与度については、全ての機器が同列ではな
く、機器によって差がある。
響係数」として予め求め、得られた設計値からの性能変
化量にその影響係数を乗じて各機器の「寄与度」を算出
すれば、熱効率劣化要因機器の特定がより明確に行える
ことになる。
のであり、請求項1の発明では、火力発電プラントの各
機器について熱入出力に関する計測を行い、得られた計
測データの中で高精度と認められるデータに基づいて当
該機器についてのヒートバランス計算を行い、高精度計
測データおよびヒートバランスを基準値として低精度と
認められる計測データの収束計算を行うことによりプラ
ント全体のヒートバランスを決定し、予め求めた前記機
器の性能が熱効率に与える寄与度と前記決定されたヒー
トバランスとに基づいて、熱効率劣化要因機器を特定す
ることを特徴とする火力発電プラントの熱効率診断方法
を提供する。
発電プラントの熱効率診断方法において、収束計算すべ
き低精度計測データの対象を主蒸気流量とし、収束計算
の基準値とすべき高精度データおよびヒートバランス値
を、それぞれ発電機出力およびタービン内部ヒートバラ
ンス値ならびにタービン抽気による給水加熱機器周りの
ヒートバランス値とすることを特徴とする火力発電プラ
ントの熱効率診断方法を提供する。
高,中,低圧タービンを有するものである場合、請求項
2記載の方法を高,中圧タービンおよびこれらにより駆
動される第1発電機について適用することを特徴とする
火力発電プラントの熱効率診断方法を提供する。
高,中,低圧タービンを有するものである場合、請求項
2および3記載の方法に加え、収束計算すべき低精度計
測データの対象を低圧タービン内部効率とし、収束計算
の基準値とすべき高精度データおよびヒートバランス値
を、それぞれ前記低圧タービンにより駆動される第2発
電機および前記低圧タービンの内部ヒートバランス値な
らびに前記低圧タービン抽気による給水加熱機器周りの
ヒートバランス値とすることを特徴とする火力発電プラ
ントの熱効率診断方法を提供する。
のいずれかに記載の火力発電プラントの熱効率診断シス
テムにおいて、収束計算により求めた主蒸気流量を要素
としてボイラ効率計算を行うことを特徴とする火力発電
プラントの熱効率診断方法を提供する。
各機器について熱入出力に関する計測を行うセンサと、
このセンサから出力された計測データを記憶するメモリ
と、前記計測データの中から予め高精度と認定されたデ
ータを抽出し、その抽出されたデータに基づいて当該高
精度データが得られる機器についてのヒートバランス計
算を行うヒートバランス計算手段と、高精度計測データ
およびヒートバランスを基準値として低精度と認められ
る計測データの収束計算を行う収束計算手段と、この収
束計算手段で求められたデータ収束値および前記高精度
と認められたデータを入力し、プラント全体のヒートバ
ランスを決定するプラント効率計算手段とを備えたこと
を特徴とする火力発電プラントの熱効率診断装置を提供
する。
各機器について各機器の性能がプラント全体の熱効率に
与える寄与度を計算する寄与度計算手段と、得られた寄
与度と、プラント全体のヒートバランスとに基づいて、
熱効率劣化要因機器を特定する劣化要因機器特定手段と
を備えたことを特徴とする火力発電プラントの熱効率診
断装置を提供する。
定が可能である発電機出力をベースのデータとして収束
計算を行うことによって、信頼性の高いヒートバランス
を作成できる。
り、高精度測定が困難とされる給水流量、並びにその出
口が湿り蒸気になるため、計測された温度・圧力から直
接算出することはできない低圧タービンの内部効率も決
定することができる。
る利点として、各機器個別の性能変化がプラント全体に
与える影響を精度良く解析することが可能となることが
挙げられる。
ントの熱効率診断方法および装置の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。
プラントの構成例を示す系統図である。図2は、本実施
形態による熱効率診断装置を示すシステム構成図であ
り、図3は同装置を使用して熱効率診断を行う方法のう
ち、プラント効率計算を行う手順を示すフローチャート
である。図4は、上記方法で得られた熱効率に基づいて
熱効率要因機器を特定する場合の寄与度を説明するため
のグラフである。
た火力発電プラントは、発電機軸構成がクロスコンパウ
ンド(高圧−中圧タービンに接続している3000回転
のPri発電機と低圧タービンに接続している1500
回転のSec発電機)になっている100万kW出力の
プラントである。
生器であるボイラ1と、このボイラ1から供給される主
蒸気によって駆動される高圧タービン2と、この高圧タ
ービン2から排出されボイラ1で再熱された蒸気によっ
て駆動される中圧タービン3と、この中圧タービン3か
らの排蒸気によって駆動される低圧タービン4とを備え
ている。高,中圧タービン2,3には第1発電機(Pr
i発電機)5が連結され、低圧タービン4には第2発電
機(Sec発電機)6が連結されている。なお、低圧タ
ービン4は2基がクロスコンパウンド型で設けられる
が、図1では1基のみ代表的に示してある。
が設けられ、これらを介し、ボイラ1への給水系統に設
けられる加熱機器である高圧給水加熱器(高圧ヒータ)
9および脱気器10にそれぞれ抽気蒸気が供給される。
けられ、同様に低圧給水加熱器(低圧ヒータ)12に抽
気蒸気が供給される。低圧タービン6の排気側には復水
器14が設けられている。なお、15a,15b,15
cはそれぞれ、ボイラ給水ポンプ、低圧給水ポンプ、復
水ポンプを示す。
について説明する。
測を行う複数のセンサ21a…21nと、これらのセン
サ21から計測データを取込んで処理を行うコンピュー
タシステム22とを有する。コンピュータシステム22
は、A−D変換器等の変換器23、各種計算を行うCP
U24、必要な情報をアドレスに分けて記憶し、CPU
24との間で通信を行うメモリ25等を有するシステム
本体26と、このシステム本体26に接続された入力装
置27および出力装置28とを備えている。
火力発電プラントのボイラ1、高,中圧タービン2,
3、低圧タービン4、第1,第2発電機5,6、抽気系
7,8,11、高,低圧ヒータ9,12および脱気器1
0等の熱入出部にそれぞれ配設されており、主蒸気流
量、各タービン抽気流量、各タービン入出熱、各ヒータ
および脱気器周りの入出熱、各発電機出力等を計測し、
その計測データがコンピュータシステム22に取込まれ
る。
高,中,低圧タービン抽気流量、低圧タービン内部効率
等に関するデータには計測誤差が見込まれるため、本実
施形態ではこれらのデータが仮入力の形でコンピュータ
システム22に取込まれ、一旦メモリ25の各アドレス
に記憶された後、CPU24において収束計算の対象と
される。
れる各タービン入出熱、各ヒータおよび脱気器周りの入
出熱、各発電機出力等については計測誤差が殆どなく、
高精度データであることから、メモリ25の各アドレス
に確定値として記憶される。即ち、各タービン入出熱、
各ヒータおよび脱気器周りの入出熱のデータに基づい
て、CPU24において高,中,低圧タービンの内部ヒ
ートバランス計算、各ヒータおよび脱気器周りヒートバ
ランス計算等が行われ、これらのヒートバランス計算値
が、仮入力された各タービン抽気量の収束計算の基準値
として使用される。
力データによって求められた発電機出力の計算値が実際
の出力に合致するか否かの比較基準値としてCPU24
に出力される。そして、この比較により発電機出力の計
算値が実際の出力値と異なる場合には、初期に仮入力さ
れた主蒸気流量または低圧タービン内部効率に誤差が含
まれていたと判断されることから、それらの誤差を除去
する収束計算の基準値として、発電機出力計測データが
適用される。
算により決定された主蒸気流量等の値は、高精度と認め
られる各計測データとともに、メモリ25の所定のアド
レスに格納される。また、CPU24では以上のデータ
に基づいて高,中,低圧タービン効率の計算が行われ、
その計算結果もメモリ25に格納される。
力、出口熱量差および燃料消費量と、前述した収束計算
により決定された主蒸気流量とに基づいてボイラ効率計
算が行われる。そして、この計算によって求められたボ
イラ効率と、前述した各タービン効率との関係に基づい
て、プラント全体の熱効率が求められる。以上の全ての
データはメモリ25内に保持される。
26を介し、予め求められた各機器の性能がプラント全
体の効率に与える寄与度がCPU24に入力されて計算
され、メモリ25内に格納されている。そして、この寄
与度と、前述したヒートバランスに基づく各機器の熱効
率の決定値との関係に基づいて、CPU24において熱
効率劣化要因機器の特定が行われ、その結果がグラフ等
の形で出力装置27に出力できるようになっている。
メーカによる設計段階でのヒートバランス計算値、およ
び入出熱法あるいは熱損失法によって求められたボイラ
室効率、タービン室効率等の各種データ等も格納され、
CPU24で比較計算その他の作図、作表等が行えるよ
うになっている。
ートバランスに基づくプラント効率解析手順を説明す
る。
2,3およびその抽気系7,8に付随する高圧ヒータ9
および脱気器10のヒートバランスが求められる。次い
で、低圧タービン4およびその抽気系11の低圧ヒータ
12のヒートバランスと、ボイラ1のヒートバランスと
が求められる。そして、これらタービン効率とボイラ効
率とに基づいて、プラント全体の熱効率が求められる。
なお、図3には図示しないが、復水器、BFPタービン
その他の付随機器についてもヒートバランスが求められ
る。
ステム22への主蒸気流量仮入力が行われる(ステップ
101)、この主蒸気流量は、例えばこれと等価のボイ
ラ1への給水流量計測等により行われるが、計測誤差が
含まれることから仮入力とする。但し、この主蒸気流量
はタービン効率およびボイラ効率の計算上の基礎的要素
であることから、後に収束計算によって誤差の解消を図
る。なお、プラント効率、タービン効率、ボイラ効率は
下記(1)〜(3)式の関係を有する。
記主蒸気流量Gの値から抽気流量を差引く必要がある。
そこで、本実施形態では、次に高,中圧タービン抽気流
量を仮定してコンピュータシステム22に入力し(ステ
ップ102)、実質的な蒸気流量の算定を図る。ここ
で、高,中圧タービン抽気流量の入力を仮定値としたの
は、用いる抽気流量の計測データについても誤差が見込
まれるためである。
中圧タービン2,3への入出熱量差、および高圧ヒータ
9および脱気器10周りの熱量差の計測値と整合すべき
値である。そこで、高,中圧タービン内部ヒートバラン
ス計算(ステップ103)、および高圧ヒータ,脱気器
周りヒートバランス計算(ステップ104)を行うとと
もに、これらの要素に基づいて仮定抽気流量の整合性判
断(ステップ105)を行い、これらが整合するまで抽
気流量をフィードバックにより収束させる。
るので、次に仮入力した主蒸気流量に基づいて第1発電
機(Pri発電機)5の出力計算を行い(ステップ10
6)、この計算値を実際の第1発電機出力計測値と比較
する(ステップ107)。この計測値は高精度が得られ
るものであることから、ステップ106の計算値とズレ
がある場合には、ステップ101で最初に仮入力した主
蒸気流量に誤差があると判断される。したがって、ステ
ップ107において第1発電機5の出力計算値と計測値
とが整合するまで、フィードバックにより主蒸気流量の
収束を行う。
の誤差が消去され、高精度データとして前記(1)〜
(3)式で採用するGの値が決定できる。
とその付属機器に関連するヒートバランスが決定した
ら、次に低圧タービン4およびその付属機器のヒートバ
ランス計算に移行する。
ンピュータシステム22への仮入力を行う(ステップ1
08)。この低圧タービン内部効率の計測要素となる蒸
気は湿り度が高く、それに基づく誤差により高精度が見
込まれないことから、仮入力とするものである。
コンピュータシステム22への入力を行う(ステップ1
09)。抽気蒸気も湿り度の影響を受けるためである。
る低圧タービン4への入出熱量差、および低圧ヒータ1
2の周りの入出熱量の計測値と整合すべき値であるの
で、低圧タービン内部ヒートバランス計算(ステップ1
10)、および低圧ヒータ周りのヒートバランス計算
(111)を行うとともに、これらの要素に基づいて仮
定抽気流量の整合性判断(ステップ112)を行うこと
により、抽気流量をフィードバックにより前記同様に収
束させることができる。
部効率に基づいて第2発電機(Sec発電機)6の出力
計算を行い(ステップ113)、この計算値を実際の第
2発電機出力計測値と比較する(ステップ114)。こ
の計測値も高精度が得られるものであることから、ステ
ップ113の計算値とズレがある場合には、ステップ1
08で仮入力した低圧タービン内部効率に誤差があると
判断される。そこで、ステップ114において第2発電
機6の出力計算値と計測値とが整合するまで、フィード
バックにより低圧タービン内部効率の収束を行う。
誤差が消去され、高精度データとして採用できるので、
低圧タービン4とその付属機器に関するヒートバランス
が決定できる。
07の高,中圧タービン側でのフローにおいて決定した
主蒸気流量(G)を使用して、前記式(3)に基づく効
率計算を行う(ステップ115)。このステップ115
において求められるボイラ効率は、主蒸気流量の収束値
を使用することで、高精度が見込まれる。
められた後は、これらを使用して、前記式(1)により
プラント全体の効率計算を行い(ステップ116)、こ
れによりヒートバランス作成フローがエンドとなる。
トバランスを、設計段階のヒートバランスと比較して、
その精度の実証を行った。
結果出力値であるタービン出力効率・給水流量・低圧タ
ービン内部効率に関して、設計値と再現値が一致してい
ることから、設計ベースのヒートバランスを再現できた
といえる。したがって、当ヒートバランス作成プログラ
ムの妥当性を検証できたと考えられる。
ランス解析法という)で求めた給水流量、ボイラ出力効
率およびタービン出力効率について、従来行われる入出
熱法および熱損失法により得られた結果との比較を行っ
た。その結果を、定期点検(定検)の前後について、下
記の表2,3に示す。
された定検前のボイラ室効率は、入出熱法で求めた値と
熱損失法で求めた値の間に、以下のように0.6%程開
きがあった。
による出熱からボイラ室効率を計算する方法であり、測
定された給水流量を用いる必要がある。上記の入出熱法
の値は常設の給水流量計(給水流量基準)の測定値を用
いている。
の割合を計算し、100%からその割合を差引いてボイ
ラ室効率を計算する方法である。今回の性能試験では、
さらに復水流量基準の給水流量計を特設したが、この測
定値を基に入出熱法でボイラ室効率を算出すると、以下
のようになる。
するか、さらには、入出熱法でも常設計器のデータを用
いるか、特設計器のデータを用いるかによって、効率劣
化部位の特定がタービン側かボイラ側か大きく異なる。
給水流量を決定した場合には、以下のようになった。
値の丁度中間の値となった。さらに、この給水流量を基
にボイラ室効率を入出熱法で計算すると、以下のように
熱損失法の値とほぼ一致した。
比較的小さいとされている。
の熱損失法による計算結果に矛盾がなく、整合性がとれ
ていることが確認できた。
析でも同様であった。
の性能が熱効率に与える寄与度と前記決定されたヒート
バランスとに基づいて、熱効率劣化要因機器を特定する
ことを行った。即ち、各機器の影響係数を予め求めてお
き、得られた熱効率にその影響係数をそれぞれ乗じて各
機器の寄与度を算出した。
プラント効率に対する各機器の寄与度を棒グラフで示し
たものである。
グ部分、定検後については、各右側の幅狭ハッチング部
分で示してある。
ン)が設計ベースを表し、それより上側は熱効率上昇要
因、下側は熱効率低下要因であることを示す。
の幅広ハッチング部分に示したように、タービン側、特
に高・中圧タービンが効率低下の原因機器であることが
明らかになった。
いて性能劣化部位の補修を行った結果、定検後において
はプラント効率が顕著に回復した。その効率回復分に対
する各機器毎の内訳は、同様のヒートバランス解析によ
り図5の各右側の幅狭ハッチング部分に示したように、
基準線側に移行していることから明らかである。
回、ヒートバランス解析による熱効率劣化診断手法を1
00万kW出力の火力プラントに適用し、劣化要因機器
を特定するとともに、補修工事による性能回復を実現さ
せることができ、このことから本発明の有効性が実証さ
れた。
るものではなく、小規模の火力発電プラントあるいは大
規模なコンバインドサイクルプラント等、各種形式、規
模のプラントに広く適用できるものである。
ば、計測精度の差を考慮して収束計算を行うとともに、
ヒートバランス計算を導入することにより、熱効率診断
のさらなる精度向上が図れるとともに、それが能率よく
行え、かつ各機器個別の性能変化がプラント全体に与え
る影響を精度良く解析することができ、それにより点検
・補修等による熱効率の回復が一層適切に行える等の効
果が奏される。
ラントの熱効率診断の対象となる火力発電プラントの構
成例を示す系統図。
テム構成図。
熱効率診断を行う方法のうち、プラント効率計算を行う
手順を示すフローチャート。
診断方法で得られた熱効率に基づいて、熱効率要因機器
を特定する場合の寄与度を説明するためのグラフ。
Claims (7)
- 【請求項1】 火力発電プラントの各機器について熱入
出力に関する計測を行い、得られた計測データの中で高
精度と認められるデータに基づいて当該機器についての
ヒートバランス計算を行い、高精度計測データおよびヒ
ートバランスを基準値として低精度と認められる計測デ
ータの収束計算を行うことによりプラント全体のヒート
バランスを決定し、予め求めた前記機器の性能が熱効率
に与える寄与度と前記決定されたヒートバランスとに基
づいて、熱効率劣化要因機器を特定することを特徴とす
る火力発電プラントの熱効率診断方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の火力発電プラントの熱効
率診断方法において、収束計算すべき低精度計測データ
の対象を主蒸気流量とし、収束計算の基準値とすべき高
精度データおよびヒートバランス値を、それぞれ発電機
出力およびタービン内部ヒートバランス値ならびにター
ビン抽気による給水加熱機器周りのヒートバランス値と
することを特徴とする火力発電プラントの熱効率診断方
法。 - 【請求項3】 診断対象プラントが高,中,低圧タービ
ンを有するものである場合、請求項2記載の方法を高,
中圧タービンおよびこれらにより駆動される第1発電機
について適用することを特徴とする火力発電プラントの
熱効率診断方法。 - 【請求項4】 診断対象プラントが高,中,低圧タービ
ンを有するものである場合、請求項2および3記載の方
法に加え、収束計算すべき低精度計測データの対象を低
圧タービン内部効率とし、収束計算の基準値とすべき高
精度データおよびヒートバランス値を、それぞれ前記低
圧タービンにより駆動される第2発電機および前記低圧
タービンの内部ヒートバランス値ならびに前記低圧ター
ビン抽気による給水加熱機器周りのヒートバランス値と
することを特徴とする火力発電プラントの熱効率診断方
法。 - 【請求項5】 請求項1から3までのいずれかに記載の
火力発電プラントの熱効率診断システムにおいて、収束
計算により求めた主蒸気流量を要素としてボイラ効率計
算を行うことを特徴とする火力発電プラントの熱効率診
断方法。 - 【請求項6】 火力発電プラントの各機器について熱入
出力に関する計測を行うセンサと、このセンサから出力
された計測データを記憶するメモリと、前記計測データ
の中から予め高精度と認定されたデータを抽出し、その
抽出されたデータに基づいて当該高精度データが得られ
る機器についてのヒートバランス計算を行うヒートバラ
ンス計算手段と、高精度計測データおよびヒートバラン
スを基準値として低精度と認められる計測データの収束
計算を行う収束計算手段と、この収束計算手段で求めら
れたデータ収束値および前記高精度と認められたデータ
を入力し、プラント全体のヒートバランスを決定するプ
ラント効率計算手段とを備えたことを特徴とする火力発
電プラントの熱効率診断装置。 - 【請求項7】 火力発電プラントの各機器について各機
器の性能がプラント全体の熱効率に与える寄与度を計算
する寄与度計算手段と、得られた寄与度と、プラント全
体のヒートバランスとに基づいて、熱効率劣化要因機器
を特定する劣化要因機器特定手段とを備えたことを特徴
とする火力発電プラントの熱効率診断装置。
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JP02829098A JP3614640B2 (ja) | 1998-02-10 | 1998-02-10 | 火力発電プラントの熱効率診断方法および装置 |
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JPH11229820A true JPH11229820A (ja) | 1999-08-24 |
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